JP2011256156A - 蒸留塔の温度制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸留塔の安定した温度制御が可能であり、炭化水素留分のロスが少なく高効率な蒸留塔の温度制御方法を提供する。
【解決手段】ナフサの分解により生成するナフサ分解生成物を処理する処理設備における、該ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留設備の蒸留塔12の温度を制御する方法において、該蒸留塔12の塔底流出液中における炭素数5の炭化水素の含有量が3重量%以下となるように、該蒸留塔12の塔底温度を制御することを特徴とする蒸留塔の温度制御方法。この塔底温度は、蒸留塔12の中段温度の急激な変化があった時でも大きな変化が生じないため、この塔底温度を制御することにより、蒸留塔12の安定した温度制御が可能となり、炭化水素留分のロスが少なく高効率な蒸留塔12の温度制御を行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナフサの分解により生成するナフサ分解生成物を処理する処理設備における、該ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留設備の蒸留塔の温度を制御する方法に関する。
石油化学産業の基礎製品であるエチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどは、ナフサの熱分解により生成されるナフサ分解生成物を、処理設備において分離精製することにより製造される。この分離精製過程で生成されるC5留分には、有用成分として、イソプレン、ピペリレン、シクロペンタジエン、アミレンなどが含まれる。またシクロペンタジエンが二量化して生ずるジシクロペンタジエンも含まれる。このC5留分を複数の蒸留塔で蒸留することにより、これら有用成分が分離される。例えば、特許文献1(特開平5−301828号公報)の第0003,0004段落には、このC5留分からジシクロペンタジエンやイソプレン等を蒸留により単離することが記載されている。
通常、蒸留塔においては、塔内温度は塔底付近に配したリボイラによって調節される。この塔内温度の制御は、塔内の温度変化が起こりやすい部分の温度を監視し、該温度が適正範囲となるように制御することにより行われるのが一般的である。ここで、塔内の温度変化が起こりやすい部分としては、塔内の温度勾配がある部分、つまり組成変化が大きい部分が選択される。上記のナフサ分解生成物の処理設備内におけるC5留分の蒸留分離工程においても、通常、温度勾配の大きい部分として、蒸留塔中段の温度を監視し、当該温度が一定の範囲となるように制御される。
しかしながら、本発明者らの検討によれば、上記蒸留塔の運転を一定時間継続すると、監視している蒸留塔中段の温度が急激に上昇し、これに伴い蒸留塔の温度や圧力の制御装置が急激に温度を低下させる方向に作動する結果、逆に蒸留塔の温度が制御不能になってしまうという現象が生じていた。この温度の急激な上昇は、突然に起こることがわかっている。また、この蒸留塔が制御不能となっている間は重質物の分離が充分に行われず、その間に製造される製品にオフスペック品が含まれるという問題につながっていた。
特開平5−301828号公報
本発明は、C5留分から重質物を分離除去する蒸留塔の安定した温度制御が可能であり、蒸留を高効率に行うことができる蒸留塔の温度制御方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明者らは、エチレンプラントにおけるナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留塔において、該蒸留塔の中段における急激な温度変化が如何なる原因によって生じるのかを検討した。その結果、蒸留塔フィード液(C5+C10留分)の中に、重質物と共沸する不純物(例えば水など)が含まれると、蒸留塔フィード液の重質物と該不純物とが共沸してトレイ上に流入してトレイ上の液組成が変化し、トレイ最下段(蒸留塔の中段)に設置した温度制御点の温度が40〜50℃急激に上昇することが原因であると考えるに至った。そして、上記中段の温度の急激な変化があった時でも、塔底温度(塔底流出液温度)には大きな変化が無いため、塔底温度を制御することによりC5留分と重質物とを分離し得るかを検討したところ、良好に分離可能であることを見出した。本発明者らは当該知見に基づいて本発明を完成させるに至ったものである。
すなわち、本発明(請求項1)の蒸留塔の温度制御方法は、ナフサの分解により生成するナフサ分解生成物を処理する処理設備における、該ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留設備の蒸留塔の温度を制御する方法において、該蒸留塔の塔底流出液中における炭素数5の炭化水素の含有量が3重量%以下となるように、該蒸留塔の塔底温度を制御することを特徴とするものである。
請求項2の蒸留塔の温度制御方法は、請求項1において、前記塔底流出液の温度を測定し、この塔底流出液温度が150〜170℃の範囲となるように制御することにより、該塔底温度を制御することを特徴とするものである。
請求項3の蒸留塔の温度制御方法は、請求項1において、前記塔底流出液の一部を加熱して前記蒸留塔に返送するリボイラが設けられており、該リボイラの出口における返送流体の温度を測定し、該返送流体温度が160〜190℃の範囲となるように制御することにより、該塔底温度を制御することを特徴とするものである。
本発明では、C5留分から重質物を分離除去する蒸留塔の温度制御に際して、該蒸留塔の塔底温度を制御する。この塔底温度は、蒸留塔の中段温度の急激な変化があった時でも大きな変化が生じないため、この塔底温度を制御することにより、蒸留塔の安定した温度制御が可能となり、蒸留を高効率にて行うことができる。
この塔底温度を制御する方法としては、塔底流出液の温度を測定し、この塔底流出液温度が150〜170℃の範囲となるように制御する方法を適用することが好ましい。この場合、蒸留塔内に温度計を設置する必要がない。
また、この塔底温度を制御する別の方法としては、リボイラの出口における返送流体の温度を測定し、該返送流体温度が160〜190℃の範囲となるように制御する方法を適用してもよい。この場合にも、蒸留塔内に温度計を設置する必要がない。
本発明の蒸留塔の温度制御方法の実施の形態を説明する系統図である。 実施例1における蒸留塔内の温度変化を示すグラフである。 比較例1における蒸留塔内の温度変化を示すグラフである。
本発明の蒸留塔の温度制御方法は、ナフサの分解により生成するナフサ分解生成物を処理する処理設備における、該ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留設備の蒸留塔の温度を制御する方法において、該蒸留塔の塔底流出液中における炭素数5の炭化水素の含有量が3重量%以下となるように、該蒸留塔の塔底温度を制御することを特徴とするものである。
ここで、ナフサ分解生成物の処理設備とは、ナフサを高温で熱分解して、メタン、エタン、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、炭素数5の炭化水素、ベンゼン、キシレン、その他のオフガス、重質油などを生成させ、これらを分離取得していく設備の全般をいう。このナフサ分解生成物の処理設備としては、例えば、ナフサ分解炉、分解ガス急冷部等の熱回収装置、脱硫設備、蒸留分離設備などを含むものが用いられるが、本発明に係るナフサ分解生成物の処理設備は、C5留分の蒸留設備を含み、全体としてナフサ分解生成物の処理を行うものであれば何れのものでもよい。
また、ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分とは、ナフサを熱分解してなるナフサ分解生成物に含まれる、沸点が炭素数5の炭化水素の範囲にある成分の混合物であり、具体的には、沸点が9〜60℃の範囲にある物質の混合物である。このC5留分としては、ペンタン、イソプレン、2−メチルブタン、シクロペンタジエン等が挙げられる。このC5留分の製造法としては、例えば、ナフサ分解生成物から炭素数9以上のヘビーエンド油を除去し、残部から炭素数1〜4のオレフィン類等を分離した残部(本明細書中では「分解ガソリン」と称することがある。)から、沸点が60℃以上の物質を分離する方法などが挙げられる。上記分解ガソリンには、C5(炭素数5)〜C8(炭素数8)の脂肪族炭化水素とC6(炭素数6)〜C8(炭素数8)の芳香族炭化水素等が含まれる。なお、分離の仕組み上C4(炭素数4)以下やC9(炭素数9)以上の炭化水素も少量含まれる。
このC5留分は、該C5留分に含まれる物質を分離精製して製造する工程に供される。その工程の一部として、まず、C5留分から蒸留により重質物を除去する蒸留工程を行う。本発明の蒸留塔の温度制御方法は、当該蒸留工程における蒸留設備の蒸留塔の温度制御方法である。ここで除去される重質物とは、C5留分よりも高沸のものをいい、主にC10(炭素数10)留分である。蒸留設備の構成としては、例えば、棚段を備えた竪型の蒸留塔の塔底に1.5MPaGの蒸気を加熱源としたリボイラーを備え、塔頂にはコンデンサーを備えた蒸留塔などが用いられる。蒸留塔は単独でもよいし、複数の蒸留塔を並列に構成したものでもよい。
C5留分から前記重質物を除去する蒸留の条件は、原料であるC5留分の供給量や設備の仕様等に応じて適宜選択することができるが、例えば、塔底温度は150〜170℃、塔頂圧力は0.01〜0.1MPaG、還流比は0.01〜1程度が好ましい。
また、この蒸留塔の温度制御は、蒸留塔の塔底温度を制御することにより行う。詳しくは、塔底流出液中のC5炭化水素(炭素数5の炭化水素)の含有量が3重量%以下、好ましくは2重量%以下となる温度範囲で、該塔底温度を制御する。このような塔底温度は、蒸留塔により異なるが、通常は150〜170℃の範囲である。
なお、蒸留塔の塔底温度が測定できない場合には、塔底流出液の温度を測定し、該温度が150〜170℃の範囲となるように制御してもよい。但し、この場合、塔底流出液の流量が大きく変化する場合には、良好な温度制御を行うことができないことがある。すなわち、塔底から流出した塔底流出液が塔底ラインを流れて温度計の設置位置に達するまでの時間tの間に、該塔底流出液の温度は低下(ΔT)する。そして、塔底流出液の流量が変化すると、該塔底ラインを流れる流速が変化する結果、上記時間tが変化し、温度低下(ΔT)の程度も変化する。このため、塔底流出液の流量が大きく変化する場合には、この温度低下(ΔT)の影響を大きく受けることになり、良好な温度制御を行うことができないことがある。このような場合には、塔底流出液が供給されるリボイラの出口温度(リボイラの出口における返送流体の温度)を測定して、該出口温度が160〜190℃の範囲となるように制御してもよい。
本発明において、この蒸留塔の圧力の制御を、ナフサ分解生成物の処理設備中に存在する、C5以上の炭化水素を含まないガス(圧力制御ガス)の蒸留塔への導入により行うことが好ましい。この圧力制御ガスは、前記のナフサ分解生成物の処理設備中のいずれの場所で排出されるガスでもよいが、C5以上の炭化水素を含まないガスである必要があるので、前記処理設備内の炭素数4以下の炭化水素類を扱う設備から発生するものを用いることが好ましい。ここで、前記処理設備中のC5以上の炭化水素を含まないガスとしては、具体的にはC4以下の炭化水素を含むガスが好ましく、例えば、上記処理設備内の、重質物が除去されたC5留分から低沸物を除去するための蒸留装置から分離されるオフガス等がより好ましく用いられる。
かくして重質物が除去されたC5留分は、この後、必要に応じ上記低沸物などが除去された後、該C5留分に含まれる有用物質の分離精製工程に供され、炭素数5の炭化水素製品の製造が行われる。
次に、第1図を用いて本発明についてより具体的に説明する。第1図は、本発明の蒸留塔の温度制御方法の実施の形態を説明する系統図である。第1図中の総ての装置類は、ナフサ分解生成物の処理設備の一部を構成するものである。
[分解系1]
分解系1では、ナフサ分解炉(エチレンクラッカー)内にナフサと該ナフサの希釈用の蒸気とが導入され、ナフサが熱分解される。
[急冷系2]
上記分解系1で生成されたナフサ分解生成物は、急冷系2に導入され、重質油及び分解ガソリンの分離除去が行われる。分離された分解ガソリンは、後述する前留系10に供給される。これら分解ガソリン及び重質油の分離後のガスは、次の圧縮系3に供給される。
[圧縮系3]
上記急冷系2から流出されたガスは、圧縮系3に供給され、ガス圧縮機で圧縮されると共に、必要に応じてその一部又は全部が苛性ソーダ等で洗浄され、さらに圧縮により発生した凝縮水が分離される。
[深冷系4]
上記圧縮系3から流出された圧縮ガスは、深冷系4に導入されて冷却され、水素が分離される。
[低温精製系5]
上記深冷系4から流出された圧縮ガスは、低温精製系5に導入され、メタン、エチレン及びエタンが分留される。
[高温精製系6]
上記低温精製系5でメタン、エチレン及びエタンが分留除去された後の留分は、高温精製系6に導入され、プロピレン、プロパン、ブタン及びブタジエンが分留される。
この高温精製系6でプロピレン、プロパン、ブタン及びブタジエンが分留された後の留分は、上記急冷系2から流出された分解ガソリンと共に、後述する前留系10に供給される。
[前留系10]
上記急冷系2から流出される分解ガソリンはC9以上の炭化水素を含んでおり、上記高温精製系6から流出される留分はC6以上C8以下の炭化水素を含んでいる。これら分解ガソリンと高温精製系6からの留分との混合物は、脱C5塔11に導入され、C5留分が分離されて塔頂から流出される。C5留分が分離された残りの留分は、塔底から流出され、図示しない水添系、中間蒸留系、脱アルキル系、精製系等に供給されて、ベンゼン、粗ベンゼン、タール、メタン、エタン、ラフィネート等が製造される。
この脱C5塔11の塔頂から流出されるC5留分(以下、「粗C5留分」と称することがある。)の組成の一例は以下の通りである。
<粗C5留分の組成>
炭素数5の炭化水素 :65〜90vol%
炭素数4以下の炭化水素 :0〜10vol%
炭素数6以上の炭化水素 :0〜30vol%
この粗C5留分は、前留系10の蒸留設備に供給される。この蒸留設備は、蒸留塔12と、蒸留塔12の塔底流出液(塔底留分)を流出させる流出ライン19と、該流出ライン19から分岐するリボイラ供給ライン19aと、塔底流出液の一部を加熱するリボイラ13と、該リボイラ13から流出する返送流体を蒸留塔に返送するための返送ライン19bと、塔頂流出ガスを冷却するコンデンサ14と、コンデンサ流出流体を気液分離するドラム15と、ドラム15から流出する凝縮液の一部を蒸留塔12に返送する返送ポンプ16と、該凝縮液の残部を流出させる塔頂留分排出ポンプ17と、ドラム15で分離されたガスを排出するガス排出ライン18とを有する。
上記粗C5留分は、この蒸留塔12に導入され、重質物が塔底流出液(塔底留分)として塔底から除去される。また、この塔底流出液の一部はリボイラ13に供給され、加熱された後、返送流体として蒸留塔12内に返送される。
重質物が分離されたC5留分は、塔頂から流出され、コンデンサ14で冷却された後、ドラム15内で気液分離される。ドラム15内に溜まった液体の一部は、ポンプ16を介して蒸留塔12に返送される。ドラム15内に溜まった液体の残部は、精製C5留分(塔頂留分)としてポンプ17によって流出される。この精製C5留分は、イソプレン、ピペリレン、ジシクロペンタジエン、アミレンなどの有用成分が含んでいる。これらの有用成分は、図示しない後工程で分離精製される。ドラム15内で分離されたガスは、ガス排出ライン18から排出される。
本実施の形態では、この蒸留設備において、該蒸留塔12の塔底流出液中における炭素数5の炭化水素の含有量が3重量%以下となるように、該蒸留塔12の塔底温度を制御する。この塔底温度を制御する方法の一例としては、蒸留塔12内に温度計を設置し、該温度計の測定結果に基づいて、塔底温度を制御する。また、蒸留塔12内に温度計を設置するのが困難な場合には、流出ライン19内に温度計を設置し、該温度計の測定結果に基づいて、塔底温度を制御してもよい。さらに、リボイラ13の返送ライン19b内に温度計を設置し、該温度計の測定結果に基づいて、塔底温度を制御してもよい。これらのうち少なくとも1つの温度計の測定結果に基づいて、リボイラ13の温度、リボイラ13への塔底流出液の供給流量、コンデンサ14の温度、ドラム15内の凝縮液の蒸留塔12への返送量等を変化させることにより、塔底温度を制御することができる。
本実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、第1図の蒸留設備において、蒸留塔12内に圧力制御ガスを供給して該蒸留塔12内の圧力を制御することは、好ましい態様である。この場合、圧力制御ガスとしては、このナフサ分解生成物の処理設備中に存在する、C5以上の炭化水素を含まないガスを使用するのが好ましい。このように、圧力制御ガスとしてナフサ分解生成物の処理設備中に存在するガスを使用することにより、該処理設備の外部からの外部ガスを使用する場合と比べてコストを低減することができる。また、処理設備内に上記ナフサ分解生成物の処理設備中に存在するガスを入れても、処理設備全体で窒素が危険濃度以下に保持されるので、リサイクルにより窒素ガスがナフサ分解炉で危険濃度以上の酸化窒素となることを防止することができ、安全である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
第1図のナフサ分解生成物の処理設備を使用して運転を行った。蒸留塔12の運転条件としては、塔頂圧力を0.04MPaG、粗C5留分の供給量を15t/hとした。また、リボイラ13の返送ライン19b内に温度計を設置してリボイラ出口温度(返送流体の温度)を測定し、このリボイラ出口温度が174℃となるように制御して運転を行った。なお、蒸留塔12の中段(最下段のトレーの上部)及び塔底部にも温度計を設置し、温度測定を行った。運転開始時における、脱C5塔11の塔頂から流出される粗C5留分(蒸留塔12への供給液)の組成は、表1の通りであった。
運転開始から1週間後に、分離性能及び運転安定性の確認を行った。具体的には、粗C5留分(蒸留塔12への供給液)の組成、ドラム15から流出される精製C5留分の組成、及び蒸留塔12の塔底流出液の組成を測定した。その結果を表2に示す。また、蒸留塔12の中段及び塔底部に設置した上記2つの温度計の測定値の経時変化を、第2図にプロットした。なお、この表2は、第2図の運転安定性の確認を開始してから6時間が経過した時点における分離性能の確認結果を示すものである。
第2図から明らかな通り、リボイラ出口温度の測定結果に基づいて温度制御を行うことにより、塔底部の温度が安定していると共に、供給液の組成の変化に応じて組成が大きく変化する中段の温度も安定していることが確認された。また、表2に示す通り、このときの塔底流出液中のC5炭化水素は全体の1.8重量%であり、重質物の分離も良好に行われていることが確認された。
Figure 2011256156
Figure 2011256156
[比較例1]
上記の中段の温度計の温度が55℃となるように制御したこと以外は実施例1と同様にして運転を行い、運転開始から1週間後に分離性能及び運転安定性の確認を行った。これらの結果を表3及び第3図に示す。詳しくは、第3図に示す通り、この運転安定性の確認を開始してから21時間経過時点(第3図の縦線が描かれている時点)において、分離性能の確認を行った。表3はこの時点での分離性能の確認結果を示すものである。
第3図から明らかなように、蒸留塔12中段の温度が急激に上昇する期間があることが確認された。また、この中段の温度の急上昇に伴い、蒸留塔12の制御装置が温度を下げる方向に働いたが、その後に中段の温度計の温度を一定範囲に保つことができず、それに伴い塔底温度が激しく変化し、蒸留塔12全体として温度制御不能の状態となったことが確認された。また、この温度制御不能の状態のときには、表3に示す通り、塔底流出液中のC5炭化水素が全体の11重量%となっており、重質物との分離が充分にできていないことがわかった。
Figure 2011256156
1 分解系
2 急冷系
3 圧縮系
4 深冷系
5 低温精製系
6 高温精製系
11 脱C5塔
12 蒸留塔
13 リボイラ
14 コンデンサ
15 ドラム

Claims (3)

  1. ナフサの分解により生成するナフサ分解生成物を処理する処理設備における、該ナフサ分解生成物を分離して得られるC5留分から重質物を分離除去する蒸留設備の蒸留塔の温度を制御する方法において、
    該蒸留塔の塔底流出液中における炭素数5の炭化水素の含有量が3重量%以下となるように、該蒸留塔の塔底温度を制御することを特徴とする蒸留塔の温度制御方法。
  2. 請求項1において、前記塔底流出液の温度を測定し、この塔底流出液温度が150〜170℃の範囲となるように制御することにより、該塔底温度を制御することを特徴とする蒸留塔の温度制御方法。
  3. 請求項1において、前記塔底流出液の一部を加熱して前記蒸留塔に返送するリボイラが設けられており、
    該リボイラの出口における返送流体の温度を測定し、該返送流体温度が160〜190℃の範囲となるように制御することにより、該塔底温度を制御することを特徴とする蒸留塔の温度制御方法。
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