JP2011249504A - 光電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を高めた光電変換装置を提供すること。
【解決手段】光電変換装置10は、半導体層3と、半導体層3上に位置し、主面に結晶面を有する第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aと、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの主面上に位置し、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aとは異なる材料からなる第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bとを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体層を有する光電変換装置に関するものである。
従来、太陽電池は、カルコパライト系のCIGS等の光吸収層を具備する光電変換装置を構成単位とし、この光電変換装置をガラス等の基板上で複数、直列または並列接続することによって構成されている。
この光電変換装置は、その受光面すなわち光吸収層の上部にバッファ層が設けられている。バッファ層としては、環境に対する負荷を低減するため、および、光吸収層と好適なヘテロ接合を得るために、溶液析出法(CBD法)等によって溶液から化学的に成長させた、イオウを含んだ亜鉛混晶化合物半導体膜が用いられている。また、このバッファ層の上部には透明導電膜として酸化亜鉛膜が設けられている。
特開平08−330614号公報
しかしながら、特許文献1に示すような光電変換装置は、高温高湿環境における耐久性が悪く、このような環境下では光電変換装置の性能が短時間で急激に低下するという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、耐久性を高めた光電変換装置を提供することである。
本発明の一実施形態に係る光電変換装置は、半導体層と、該半導体層上に位置し、主面に結晶面を有する第1の金属カルコゲン化合物半導体層と、該第1の金属カルコゲン化合物半導体層の前記主面上に位置し、前記第1の金属カルコゲン化合物半導体層とは異なる材料からなる第2の金属カルコゲン化合物半導体層とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、半導体層上に、主面に結晶面を有する第1の金属カルコゲン化合物半導体層を設けることにより、第1の金属カルコゲン化合物半導体層への水分の侵入を抑制することができる。また、この第1の金属カルコゲン化合物半導体層上に異なる材料の第2の金属カルコゲン化合物半導体層を設けることにより、第1の金属カルコゲン化合物半導体層のピンホール等の欠陥を良好に埋めて、水分の進入を抑制することができる。以上の結果、耐久性の高い光電変換装置となる。
本発明によれば、光電変換装置の耐久性を高めることができる。
本発明に係る光電変換装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明に係る光電変換装置の実施の形態の他の例を示す断面図である。 図2の光電変換装置および光電変換モジュールの斜視図である。
以下に、本発明の光電変換装置について図面を参照しながら詳細に説明する。光電変換装置10は、基板1と、第1の電極層2と、光吸収層としての半導体層3と、バッファ層としての金属カルコゲン化合物半導体層4と、第2の電極層5とを含んで構成される。また、金属カルコゲン化合物半導体層4は、半導体層3側の第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aと第2の電極層5側の第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bとから成る。
なお、金属カルコゲン化合物とは、金属元素とカルコゲン元素との化合物である。また、カルコゲン元素とは、VI−B族元素(16族元素ともいう)のうちのS、Se、Teをいう。
図1において、光電変換装置10は複数並べて形成されている。そして、光電変換装置10は、半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。この第3の電極層6は、隣接する光電変換装置10の第1の電極層2と一体化されている。この構成により、隣接する光電変換装置10同士が直列接続されている。なお、一つの光電変換装置10内において、接続導体7は半導体層3および金属カルコゲン化合物半導体層4を貫通するように設けられており、第1の電極層2と第2の電極層5とで挟まれた半導体層3と金属カルコゲン化合物半導体層4とで光電変換が良好に行なわれる。
基板1は、光電変換装置10を支持するためのものである。基板1に用いられる材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂および金属等が挙げられる。
第1の電極層2および第3の電極層6は、Mo、Al、TiまたはAu等の導電体が用いられ、基板1上にスパッタリング法または蒸着法等で形成される。
半導体層3は、カルコパイライト系の化合物半導体やII-VI族化合物半導体などであり、光を吸収して電荷を生じる機能を有する。半導体層3は特に限定されないが、金属カルコゲン化合物半導体層4との電気的な接続および密着性を良くするという観点からは、カルコゲン元素を含む化合物半導体であることが好ましい。さらに、10μm以下の薄層でも高い光電変換効率を得ることができるという観点からは、カルコパイライト系の化合物半導体であることが好ましい。カルコパイライト系の化合物半導体としては、例えばI-III-VI族化合物半導体がある。I-III-VI族化合物半導体とは、I-B族元素(11族元素ともいう)とIII-B族元素(13族元素ともいう)とVI-B族元素(16族元素ともいう)との化合物半導体である(CIS系化合物半導体ともいう)。I-III-VI族化合物半導体としては、例えば、Cu(In,Ga)Se(CIGSともいう)、Cu(In,Ga)(Se,S)(CIGSSともいう)、およびCuInS(CISともいう)が挙げられる。なお、Cu(In,Ga)Seとは、CuとInとGaとSeとから主に構成された化合物をいう。また、Cu(In,Ga)(Se,S)とは、CuとInとGaとSeとSとから主に構成された化合物をいう。
また、II-VI族化合物半導体とは、II-B族元素(12族元素ともいう)とVI-B族元素との化合物半導体である。II-VI族化合物半導体としては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS,CdSe、CdTe等が挙げられる。
このような半導体層3は以下のような方法により形成できる。まず、原料元素(例えばI-B族元素、II-B族元素、III-B族元素、VI-B族元素など)をスパッタや蒸着により膜状に形成し、または原料溶液の塗布により膜状に形成し、原料元素を含む前駆体を形成
する。そしてこの前駆体を加熱することにより半導体層を形成できる。あるいは、金属元素(例えばI-B族元素、II-B族元素、III-B族元素など)を上記と同様に膜状に形成して前駆体を形成し、この前駆体をVI-B族元素を含むガス雰囲気下で加熱することによっても形成できる。
金属カルコゲン化合物半導体層4は、上記半導体層3上に5nm〜200nm程度の厚みで形成されている。金属カルコゲン化合物半導体層4とは、半導体層3に対してヘテロ接合を行う層をいう。半導体層3と金属カルコゲン化合物半導体層4とは異なる導電型であることが好ましく、例えば、半導体層3がp型半導体である場合、金属カルコゲン化合物半導体層4はn型半導体やi型半導体である。好ましくはリーク電流を低減するという観点からは、金属カルコゲン化合物半導体層は、抵抗率が1Ω・cm以上の層であるのがよい。また、金属カルコゲン化合物半導体層4は半導体層3の吸収効率を高めるため、半導体層3が吸収する光の波長領域に対して光透過性を有するものが好ましい。
金属カルコゲン化合物半導体層4は、半導体層3側の第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aと第2の電極層5側の第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bとから成る。第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aは、半導体層3とは反対側の主面に結晶面を有している。つまりこれは、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aが半導体層3上にヘテロエピタキシャル成長して構成されており、その結晶構造が半導体層3側主面から第2の金属カルコゲン化合物半導体層4b側主面にかけて、途中で崩れてアモルファスになることなく、全体的に保持されていることを意味している。そのため、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aは、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bと接続する主面においてもその結晶構造を有していることになる。
また、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4a上には、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aとは異なる材料の第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bが設けられている。異なる材料というのは、第1および第2の金属カルコゲン化合物半導体層4a,4bを構成する金属元素が異なっていてもよく、カルコゲン元素が異なっていてもよく、あるいは、金属元素およびカルコゲン元素の両方が異なっていてもよい。また、第1および第2の金属カルコゲン化合物半導体層4a,4bが複数の金属カルコゲン化合物の混晶から成り、その組成比が第1および第2の金属カルコゲン化合物半導体層4a,4b同士で異なっているものであってもよい。
このように第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aと第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bとを異なる材料とすることで、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4a上に析出する第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bを微結晶状態とすることができる。よって、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aにピンホール等の欠陥があったとしても、微結晶状態の第2の金属カルコゲン化合物半導体層4が良好に欠陥を埋めることができる。なお、微結晶とは、平均粒径がサブミクロン以下の結晶をいう。
以上の結果、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの主面が結晶面となっているので第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aへの水分の侵入を抑制することができるとともに、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bが第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの欠陥を良好に埋めて、水分の侵入をさらに抑制することができる。よって、耐久性の高い光電変換装置10となる。
このような第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aおよび第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bは、II-VI族化合物半導体やIII-VI族化合物半導体を含むものが挙げられる。II-VI族化合物半導体を含むものとしては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdS、CdSe、CdTeおよびこれらの混晶が挙げられ、さらに酸化物や水酸化物を
含む混晶であってもよい。また、III-VI族化合物半導体としては、Ga、GaSe、GaTe、In、InSe、InTeおよびこれらの混晶が挙げられ、さらに酸化物や水酸化物を含む混晶であってもよい。
好ましくは、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aおよび第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bは、一方がII-VI族化合物半導体を主に含み、他方がIII-VI族化合物半導体を主に含むのがよい。第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aがII-VI族化合物半導体を主に含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bがIII-VI族化合物半導体を主に含む場合、カルコパイライト系等の半導体層3中へ第1の金属カルコゲン化合物半導体層4a中のII族元素が良好に拡散し、半導体層3と第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aとの電気的な接続を良好にすることができる。一方、このようなII-VI族化合物半導体は、スパッタリング等の薄膜形成方法に対する耐久性が比較的低いものとなるが、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4a上にIII-VI族化合物半導体を主に含む第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bを形成することで、第2の電極層5を薄膜形成方法で形成した際の耐久性を高めることができる。
また、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aがIII-VI族化合物半導体を主に含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bがII-VI族化合物半導体を主に含む場合、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4b中のII族元素が第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aを介して半導体層3中へ拡散し、カルコパイライト系等の半導体層3と第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aとの界面での電気的な接続を良好にすることができる。さらに、III-VI族化合物半導体はII-VI族化合物半導体よりも耐湿性が高い傾向にあり、この耐湿性の高いIII-VI族化合物半導体を半導体層3と第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aとの電気的接続部に近接させることで、より耐湿性の高いものとすることができる。
第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aは1〜10nmであることが好ましい。このような厚みであると、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの結晶性を高め、耐湿性をより高めることができる。また、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bは5〜100nmであることが好ましい。このような厚みであると、金属カルコゲン化合物半導体層4全体のリーク電流を良好に抑制することができる。
好ましい金属カルコゲン化合物半導体層4の形態としては、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aが硫化亜鉛を含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bが硫化インジウムを含むものがよい。これにより、金属カルコゲン化合物半導体層間でのバンド整合がより良好になり電荷移動が良好となる。特に半導体層3がI-III-VI族化合物半導体から成るカルコパイライト系の化合物半導体である場合、半導体層3、金属カルコゲン化合物半導体層4のバンド整合が特に良好となり光電変換効率をより高めることができる。好ましくは、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aを構成するZnの全モル数のうち、60%以上が硫化亜鉛であり、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bを構成するInの全モル数のうち、60%以上が硫化インジウムであることが好ましい。これにより、金属カルコゲン化合物半導体層4全体の高温高湿の環境下における耐久性をより高めることができる。
また、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aおよび第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bは湿式成膜法により形成されていることが好ましい。湿式成膜法とは、原料元素を含む溶液を半導体層3と接触させることにより、半導体層3上に金属カルコゲン化合物半導体層4を析出させる方法である。湿式成膜法としては、例えば、原料溶液を半導体層3上に塗布しそれを加熱等の処理により化学反応させて金属カルコゲン化合物半導体層4を析出させる方法や、原料を含む溶液中に半導体層3を浸漬して化学反応により半導体
層3上に金属カルコゲン化合物半導体層4を析出させる方法(いわゆるCBD法)がある。このような方法とすることで、半導体層3表面を第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aで良好に被覆して半導体層3と金属カルコゲン化合物半導体層4とのヘテロ接合を欠陥の少ない良好なものとすることができる。さらに、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bもこのような湿式成膜法を用いることにより、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの表面を良好に被覆して高温高湿の環境下においても金属カルコゲン化合物半導体層4と半導体層3との電気的な接続を良好に維持することができ、耐久性を高めることができる。
このような金属カルコゲン化合物半導体層4は以下の方法で形成される。例えば、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aがII-VI族化合物半導体を主に含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bがIII-VI族化合物半導体を主に含む場合、まず、II-B族元素およびVI-B族元素を含む水溶液や有機溶媒系の溶液中に半導体層3を浸漬し、半導体層3表面にII-VI族化合物半導体を含む第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aを形成する。続いてこれをIII-B族元素およびVI-B族元素を含む水溶液や有機溶媒系の溶液中に浸漬し、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4a表面にIII-VI族化合物を含む第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bを形成する。同様に、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aがIII-VI族化合物半導体を主に含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層4bがII-VI族化合物半導体を主に含む場合は、III-B族元素とVI-B族元素とを含む溶液、および、II-B族元素とVI-B族元素とを含む溶液へ順に半導体層3を浸漬してゆく。
なお、金属カルコゲン化合物半導体層の形成の際、形成条件にも依存するが、析出する金属カルコゲン化合物の厚みが大きくなるにつれ、結晶構造がくずれてきて、アモルファス状態になる傾向がある。そこで第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aの形成は、結晶構造が維持された状態で反応を終了するか、あるいは、第1の金属カルコゲン化合物半導体層4aを形成した後に表面をエッチングする等の方法で、主面に結晶面を有するものとすることができる。
湿式成膜法に用いる原料溶液の具体例としては、例えば、酢酸亜鉛や塩化インジウム等の金属原料と、チオ尿素等のカルコゲン原料とを、酸あるいはアルカリでpHを調整した水等の溶媒に、0.001〜10Mとなるように溶解した溶液等を用いることができる。第1および第2の金属カルコゲン化合物半導体層4a,4bを析出させる際の温度としては、20〜90℃が好ましい。このような濃度や温度、あるいは浸漬時間や攪拌速度等の析出条件は、金属カルコゲン化合物の結晶状態に影響を与えるものであり、これらを制御することで所望の結晶構造を有するものとすることができる。
第2の電極層5は、ITO、ZnO等の0.05〜3.0μmの透明導電膜である。第2の電極層5は、スパッタリング法、蒸着法または化学的気相成長(CVD)法等で形成される。第2の電極層5は、金属カルコゲン化合物半導体層4よりも抵抗率の低い層であり、半導体層3で生じた電荷を取り出すためのものである。電荷を良好に取り出すという観点からは、第2の電極層5の抵抗率が1Ω・cm未満でシート抵抗が50Ω/□以下であるのがよい。
第2の電極層5は半導体層3の吸収効率を高めるため、半導体層3の吸収光に対して光透過性を有するものが好ましい。光透過性を高めると同時に光反射ロス防止効果および光散乱効果を高め、さらに光電変換によって生じた電流を良好に伝送するという観点から、第2の電極層5は0.05〜0.5μmの厚さとするのが好ましい。また、第2の電極層5と金属カルコゲン化合物半導体層4との界面での光反射ロスを防止する観点からは、第2の電極層5と金属カルコゲン化合物半導体層4の屈折率は等しいのが好ましい。
光電変換装置10は、複数個を並べてこれらを電気的に接続し、光電変換モジュールとすることができる。隣接する光電変換装置10同士を容易に直列接続するために、図1に示すように、光電変換装置10は、半導体層3の基板1側に第1の電極層2と離間して設けられた第3の電極層6を具備している。そして、半導体層3に設けられた接続導体7によって、第2の電極層5と第3の電極層6とが電気的に接続されている。接続導体7は、第2の電極層5を形成する際に同時形成して一体化してもよく、金属ペーストにより形成してもよい。
次に本発明の光電変換装置の実施の形態の他の例を図2、図3に基づき説明する。図2は他の実施形態である光電変換装置20の断面図であり、図3は光電変換装置20の斜視図である。図2、図3は、第2の電極層5上に集電電極8が形成されている点で図1の光電変換装置10と異なっている。図2、図3において、図1と同じ構成のものには、同じ符号を付しており、図1と同様、光電変換装置20が複数接続されて光電変換モジュールを構成している。集電電極8は、第2の電極層5の電気抵抗を小さくするためのものである。光透過性を高めるという観点からは、第2の電極層5の厚さはできるだけ薄いことが好ましいが、薄いと導電性が低下してしまう。しかしながら、第2の電極層5上に集電電極8が設けられていることにより、半導体層3で発生した電流を効率よく取り出すことができる。その結果、光電変換装置20の発電効率を高めることができる。
集電電極8は第1の半導体層3への光を遮るのを抑制するとともに良好な導電性を有するという観点からは、50〜400μmの幅を有するのが好ましい。また、集電電極8は、枝分かれした複数の分岐部を有していてもよい。
集電電極8は、例えば、Ag等の金属粉を樹脂バインダー等に分散させた金属ペーストをパターン状に印刷し、これを硬化することによって形成することができる。
本発明の光電変換装置について、以下のようにして評価した。まず、アニリンを50mmolと、フェニルセレノールを60mmolとを混合し、この混合溶液に金属の銅を5mmol、金属のインジウムを5mmol、および金属のガリウムを5mmol溶解することにより、半導体層形成用溶液を作製した。
次に、表面にMoから成る第1の電極層が形成されたガラス基板を用意し、上記半導体層形成用溶液をブレード法にて塗布した後、200℃で乾燥し皮膜を形成した。
このブレード法による塗布を合計2回行った後、水素ガスおよびセレン蒸気を含む雰囲気下で熱処理を実施した。熱処理条件は、525℃まで5分間で昇温し、525℃で1時間保持することで行い、自然冷却し、厚み2μmのCIGSから成る半導体層を作製した。
次に、2.5Mのアンモニア水に酢酸亜鉛を0.025Mおよびチオ尿素を0.375Mとなるように溶解し、これに上記半導体層を形成した基板を浸漬し、半導体層上に厚み5nmのZnSを主に含む第1の金属カルコゲン化合物半導体層を形成した。
次に、0.005Mの塩酸に塩化インジウムを0.1Mおよびチオアセトアミドを
Mとなるように溶解し、これに上記半導体層および第1の金属カルコゲン化合物半導体層を形成した基板を浸漬し、第1の金属カルコゲン化合物半導体層上に厚み40nmのInを主に含む第2の金属カルコゲン化合物半導体層を形成した。
さらに、この第2の半導体層の上に、スパッタリング法にてAlドープ酸化亜鉛膜から
なる透明の第2の電極層を形成した。最後に蒸着にてアルミ電極(取出電極)を形成して、サンプル1としての光電変換装置を作製した。
また、サンプル2として、上記サンプル1における第1の金属カルコゲン化合物半導体層の材料と第2の金属カルコゲン化合物半導体層の材料とを逆にしたものを作製した。作製方法としては、サンプル1の第1および第2の金属カルコゲン化合物半導体層の作製順序を逆にしただけであり、第1の金属カルコゲン化合物半導体層がInを主に含み、第2の金属カルコゲン化合物半導体層がZnSを主に含むものとした。
また、比較例を以下のように作製した。サンプル1と同様の方法であるが、半導体層上に、ZnSを主に含む第1の金属カルコゲン化合物半導体層を40nmの厚みで形成し、この上に第2の電極層を形成して比較例1としての光電変換装置を作製した。
そして、これらの光電変換装置について、それぞれ光電変換効率を測定した。なお、光電変換効率については、いわゆる定常光ソーラシミュレーターが用いられて、光電変換装置の受光面に対する光の照射強度が100mW/cmであり且つAM(エアマス)が1.5である条件下での変換効率が測定された。
測定の結果、比較例の光電変換効率は8%であったのに対し、サンプル1およびサンプル2の光電変換効率は10%であり、作製直後の光電変換効率において優れていることがわかった。
次にこれらの光電変換装置を高温高湿環境(温度:90℃、湿度:95%)下で静置し、その後の光電変換効率を測定した。経過時間4時間において、比較例は変換効率が3%程度になり、性能が極端に悪くなった。一方、サンプル1およびサンプル2では高温高湿環境下での経過時間4時間においても変換効率は10%であり、性能を維持することができており、耐久性が大幅に増大していることが示された。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
1:基板
2:第1の電極層
3:半導体層
4:金属カルコゲン化合物半導体層
4a:第1の金属カルコゲン化合物半導体層
4b:第2の金属カルコゲン化合物半導体層
5:第2の電極層
6:第3の電極層
7:接続導体
8:集電電極
9:光電変換体
10、20:光電変換装置

Claims (5)

  1. 半導体層と、
    該半導体層上に位置し、主面に結晶面を有する第1の金属カルコゲン化合物半導体層と、該第1の金属カルコゲン化合物半導体層の前記主面上に位置し、前記第1の金属カルコゲン化合物半導体層とは異なる材料からなる第2の金属カルコゲン化合物半導体層と
    を具備することを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記第2の金属カルコゲン化合物半導体層とは微結晶構造である、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記第1の金属カルコゲン化合物半導体層はII族金属を含み、前記第2の金属カルコゲン化合物半導体層はIII族金属を含む、請求項1または2に記載の光電変換装置。
  4. 前記第1の金属カルコゲン化合物半導体層はIII族金属を含み、前記第2の金属カルコゲン化合物半導体層はII族金属を含む、請求項1または2に記載の光電変換装置。
  5. 前記第1の金属カルコゲン化合物半導体層および前記第2の金属カルコゲン化合物半導体層は湿式成膜法により形成されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換装置。
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JP2012054261A (ja) * 2010-08-31 2012-03-15 Kyocera Corp 光電変換装置とその製造方法および光電変換モジュール

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