JP2011246314A - 液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供すること。
【解決手段】複数の光学面が形成された下型と、複数の光学面11が形成された上型1とで、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して複数の光学素子を得る液滴成形用の上型1で、上型1に形成された複数の光学面11の間に、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部に到達しないような深さを有する逃げ部13を備えることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型1、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
【選択図】図1
【解決手段】複数の光学面が形成された下型と、複数の光学面11が形成された上型1とで、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して複数の光学素子を得る液滴成形用の上型1で、上型1に形成された複数の光学面11の間に、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部に到達しないような深さを有する逃げ部13を備えることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型1、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法に関し、特に、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して、複数の光学素子を得る液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法に関する。
近年、プレス成形による光学素子の製造が盛んに行われている。特に、携帯電話用カメラの撮影レンズや光ピックアップ用光学素子のような小型の光学素子を大量生産するために、一塊の被成形材をプレス成形して、一度に多数個の光学素子を得るマルチ成形が、樹脂の射出成形などで行われている。
ところが、被成形材の液滴を下型上に滴下してプレス成形する液滴成形の場合、下型への液滴の滴下からプレス成形完了までに、液滴と金型との接触により液滴が冷却されてしまう。特に、転写されて光学素子の光学面となる光学面部が金型に多数配列されたマルチ成形の場合、滴下された液滴は金型中央部が盛り上がった形状となるために、金型中央部の大きな肉厚の液滴を外に押し出さないと成形できないために、その過程で液滴が冷却されて十分に押圧できず、光学素子の心厚が大きくなってしまう不具合が発生する。
例えば特許文献1には、リヒート(再加熱)成形でガラス製レンズアレイを製造する時に、余剰の被成形材をレンズ連結部材や下型に設けられた空隙に流入させることで、十分な押圧力を加えてレンズアレイの成形精度を向上させる方法が提示されている。
リヒート成形の場合には、金型と被成形材とをほぼ同じ温度あるいは金型の方を高い温度にして成形するので、特許文献1の方法で成形可能である。しかしながら、液滴成形の場合には、一般的に、被成形材の液滴の温度(約800℃)の方が金型の温度(約400℃)よりも高いために、特許文献1の方法では液滴と金型との接触により液滴が冷却されてしまい、成形ができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
1.複数の光学面部が形成された下型と、複数の光学面部が形成された上型とで、前記下型の上に滴下された一塊の被成形材の液滴をプレス成形して、複数の光学素子を得る液滴成形用の上型であって、
複数の前記光学面部の間に余剰の被成形材を逃がすための逃げ部を備え、
前記逃げ部は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が、前記逃げ部の最深部に到達しないような深さまたは容積を有していることを特徴とする液滴成形用の上型。
複数の前記光学面部の間に余剰の被成形材を逃がすための逃げ部を備え、
前記逃げ部は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が、前記逃げ部の最深部に到達しないような深さまたは容積を有していることを特徴とする液滴成形用の上型。
2.前記一塊の被成形材の液滴の滴下位置に対向する位置近傍に設けられた前記逃げ部の深さもしくは容積は、前記滴下位置に対向する位置から離れた位置に設けられた前記逃げ部の深さもしくは容積よりも大きいことを特徴とする前記1に記載の液滴成形用の上型。
3.前記逃げ部は、前記下型との対向面に近い側にテーパ部を有し、前記テーパ部は、前記余剰の被成形材が前記逃げ部の最深部に到達しないような深さまたは容積を有していることを特徴とする前記1または2に記載の液滴成形用の上型。
4.複数の光学面部が形成された下型と、前記1から3の何れか1項に記載の上型とを用いて、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して得られたことを特徴とする光学素子。
5.複数の光学面部が形成された下型と、前記1から3の何れか1項に記載の上型とを用いて、一塊の被成形材の液滴をプレス成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた複数の光学素子を、個々の光学素子に分離する光学素子分離工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法。
前記成形工程で得られた複数の光学素子を、個々の光学素子に分離する光学素子分離工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法。
本発明によれば、複数の光学面部が形成された下型と、複数の光学面部が形成された上型とで、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して複数の光学素子を得る液滴成形用の上型で、上型に形成された複数の光学面部の間に、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部に到達しないような深さを有する逃げ部を備えることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限らない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略することがある。
最初に、本発明を適用したガラス液滴成形用の上型の第1の実施の形態について、図1を用いて説明する、図1は、液滴成形用の上型の第1の実施の形態の構成を示す模式図で、図1(a)は上型の成形面の平面図、図1(b)は図1(a)のA−A’断面図である。
図1において、上型1は、転写されて光学素子の光学面となる複数(ここでは9個)の光学面部11と、プレス成形時に余剰の被成形材が流入するための逃げ部13と、下型との対向面15等とを備えている。逃げ部13の深さまたは容積は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が逃げ部13の最深部に到達しないような大きさに設定されている。逃げ部13の少なくとも余剰の被成形材が流入する部分の側面は、硬化した余剰の被成形材の離型に必要な抜きテーパと面粗さとを有していることが好ましい。逃げ部13の底面は、細かい面粗さは必要でない。
上型1および後述する下型2の材質は、高温で被成形材(本実施形態ではガラス)と反応しにくいこと、酸化しにくいこと、良好な鏡面が得られること等、種々の性質が求められる。これらの性質を有する材質として、例えば、各種耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬合金、炭化物や窒化物等の各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボン、あるいはこれらの複合材料等が挙げられる。また、これらの材質の表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの薄膜を形成したものを用いることも好ましい。上型1と下型2とは、同じ材質を用いてもよいし、異なる材質を用いてもよい。
また、上型1の複数の光学面部11および後述する下型2の複数の光学面部21は、それぞれ1つの部材に形成されたものが相対位置精度の点からより好ましいが、例えば光学面部毎の複数の部材から構成されるものであってもよい。
次に、上型の第1の実施の形態を用いたプレス成形の工程を、図2および図3を用いて説明する。図2は、上型の第1の実施の形態を用いたプレス成形の工程を示す工程図である。また、図3は、図2の各工程を示す模式図である。
工程S1(成形工程)
光学素子31を成形する工程で、工程S11からS14の各工程で構成される。
光学素子31を成形する工程で、工程S11からS14の各工程で構成される。
工程S11(液滴滴下工程)
下型2の上に、一塊の液滴3を滴下する工程である。下型2の上に一塊の液滴3が滴下された状態を図3(a)に示す。
下型2の上に、一塊の液滴3を滴下する工程である。下型2の上に一塊の液滴3が滴下された状態を図3(a)に示す。
図3(a)において、下型2は、図示しない上型1の光学面部11に対向する位置に設けられ、転写されて光学素子31の光学面となる複数の光学面部21と、上型との対向面23等とを備えている。下型2の複数の光学面部21の上に、図示しない滴下装置により、一塊の被成形材の液滴3が滴下される。上述したように、液滴3は、下型2の中央部に滴下された部分が盛り上がった形状となる。また、滴下された液滴3の温度は約800℃で、下型2の温度は約400℃である。
被成形材としては、例えば、ホウケイ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、リン酸ガラス、ランタン系ガラス等の公知の光学ガラスや、ポリカーボネート等の公知の光学樹脂等から選択して用いることができる。
工程S12(プレス成形工程)
上型1と下型2とで、液滴3をプレス成形する工程である。プレス成形時の状態を図3(b)に示す。
上型1と下型2とで、液滴3をプレス成形する工程である。プレス成形時の状態を図3(b)に示す。
図3(b)において、上型1と下型2とで、滴下された一塊の被成形材の液滴3をプレス成形することで、上型1の光学面部11と下型2の光学面部21とに挟まれた領域には光学素子31が形成され、光学素子31間の液滴は上型1と下型2とに接触することで急激に冷却されてコバ面35となり、余剰の被成形材33は、上型1の逃げ部13と下型2の対向面23とに挟まれた領域に流入する。
逃げ部13の深さまたは容積は、流入する余剰の被成形材33が逃げ部13の最深部に到達しないような大きさに形成されているので、上型1と下型2とは、対向面15と対向面23とが略接触するまで押圧でき、光学素子31間のコバ面35の厚さをどこまで薄くすることができるかの限界を破ることができる。さらに、逃げ部13を設けることで、液滴3と上型1との接触面積を小さくすることができるので、プレス成形中の液滴3の温度低下を少なくすることができ、光学素子31に十分な押圧力を加えて、光学面の面形状を正確に転写できるとともに、光学素子31の外形寸法精度を向上させることができる。
工程S13(型分離工程)
上型1と下型2とを分離する工程である。
上型1と下型2とを分離する工程である。
図3(b)に示すように、プレス成形完了時に、硬化した余剰の被成形材33は逃げ部13の途中までしか流入していないために、硬化した余剰の被成形材33は容易に逃げ部13から離型することができる。
工程S14(離型工程)
上型1あるいは下型2から、光学素子31と硬化した余剰の被成形材33とがコバ面35でつながった光学素子アレイ30を取り外す工程である。取り外された光学素子アレイ30の形状を図3(c)に示す。
上型1あるいは下型2から、光学素子31と硬化した余剰の被成形材33とがコバ面35でつながった光学素子アレイ30を取り外す工程である。取り外された光学素子アレイ30の形状を図3(c)に示す。
工程S2(光学素子分離工程)
工程S1(成形工程)で得られた光学素子アレイ30を、個々の光学素子31に分離する工程で、工程S21とS22の各工程で構成される。
工程S1(成形工程)で得られた光学素子アレイ30を、個々の光学素子31に分離する工程で、工程S21とS22の各工程で構成される。
工程S21(光学素子切断工程)
工程S1(成形工程)で得られた光学素子アレイ30から、個々の光学素子31に切断する工程である。例えば図1に示した上型の第1の実施の形態を用いて成形された複数の光学素子31の場合は、各光学素子31の間のコバ面35に刃を入れることで、個々の光学素子31に切断することができる。この時に、硬化した余剰の被成形材33は、光学素子31から切り離されて排除される。
工程S1(成形工程)で得られた光学素子アレイ30から、個々の光学素子31に切断する工程である。例えば図1に示した上型の第1の実施の形態を用いて成形された複数の光学素子31の場合は、各光学素子31の間のコバ面35に刃を入れることで、個々の光学素子31に切断することができる。この時に、硬化した余剰の被成形材33は、光学素子31から切り離されて排除される。
工程S22(バリ取り工程)
切断された光学素子31の周囲に残るコバ面35を取り除く工程である。切断された個々の光学素子31の周囲に残るコバ面35は、例えばグラインダ等を用いて除去される。
切断された光学素子31の周囲に残るコバ面35を取り除く工程である。切断された個々の光学素子31の周囲に残るコバ面35は、例えばグラインダ等を用いて除去される。
なお、工程S21(光学素子切断工程)で、例えばダイサー等を用いてコバ面35および硬化した余剰の被成形材33等の不要部分を除去することで、工程S22を省略することが可能である。
以上の各工程により、一塊の被成形材の液滴3から、マルチ成形により、複数個の光学素子31が得られる。なお、図2に示したプレス成形の各工程は、上型の第1の実施の形態を用いたプレス成形に限るものではなく、以下に述べる各実施の形態の全てを用いたプレス成形に共通に適用できるものである。
上述したように、液滴成形用の上型の第1の実施の形態によれば、上型に形成された複数の光学面部の間に、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部に到達しないような深さまたは容積を有する逃げ部を備えることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
次に、本発明における液滴成形用の上型の第2の実施の形態について、図4を用いて説明する、図4は、液滴成形用の上型の第2の実施の形態の構成を示す模式図で、図4(a)は上型の成形面の平面図、図4(b)は図4(a)のB−B’断面図である。
図4において、上型1は、転写されて光学素子の光学面となる複数(ここでは9個)の光学面部11と、プレス成形時に余剰の被成形材が流入するための逃げ部13cおよび13pと、下型との対向面15等とを備えている。逃げ部13cおよび13pの深さまたは容積は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が逃げ部13cおよび13pの最深部に到達しないような大きさに設定されている。
また、図3(a)に示したように、一塊の被成形材の液滴3は、下型2の中央に滴下され、液滴3は、下型2の中央部に滴下された部分が盛り上がった形状となる。そこで、上型1の、下型1の滴下位置に対向する位置、即ち上型1の中央近傍に設けられた逃げ部13cの深さもしくは容積は、滴下位置から離れた位置に設けられた逃げ部13pの深さもしくは容積よりも大きく形成されている。
上型1の中央近傍の逃げ部13cを大きくすることで、下型2の中央部に盛り上がった多量の余剰の被成形材33が流入しても、逃げ部13cの最深部に到達しないので、上型1と下型2とは、対向面15と対向面23とが略接触するまで押圧でき、光学素子31間のコバ面35の厚さをどこまで薄くすることができるかの限界を破ることができる。
上述したように、液滴成形用の上型の第2の実施の形態によれば、上型の、一塊の被成形材の液滴の滴下位置に対向する位置近傍に設けられた逃げ部の深さもしくは容積を、滴下位置に対向する位置から離れた位置に設けられた逃げ部の深さもしくは容積よりも大きくすることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
次に、本発明における液滴成形用の上型の第3の実施の形態について、図5を用いて説明する、図5は、液滴成形用の上型の第3の実施の形態の構成を示す模式図で、図5(a)は上型の成形面の平面図、図5(b)は図5(a)のC−C’断面図である。
図5において、上型1は、転写されて光学素子の光学面となる複数(ここでは6個)の光学面部11と、上型1の中央部に設けられた、プレス成形時に余剰の被成形材33が流入するための逃げ部13と、下型との対向面15等とを備えている。逃げ部13の深さまたは容積は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材33が逃げ部13の最深部に到達しないような大きさに設定されている。
上型1の中央部の逃げ部13の深さまたは容積を、余剰の被成形材が逃げ部13の最深部に到達しないような大きさに設定することで、下型2の中央部に盛り上がった多量の余剰の被成形材33が流入しても、逃げ部13の最深部に到達しないので、上型1と下型2とは、対向面15と対向面23とが略接触するまで押圧でき、光学素子31間のコバ面35の厚さをどこまで薄くすることができるかの限界を破ることができる。
上述したように、液滴成形用の上型の第3の実施の形態によれば、上型の中央部に設けられた逃げ部の深さもしくは容積を、余剰の被成形材が逃げ部の最深部に到達しないような大きさに設定することで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
次に、本発明における液滴成形用の上型の第4の実施の形態について、図6を用いて説明する、図6は、液滴成形用の上型の第4の実施の形態の構成を示す模式図で、図6(a)は上型の成形面の平面図、図6(b)は図6(a)のD−D’断面図である。
図6において、上型1は、転写されて光学素子の光学面となる複数(ここでは4個)の光学面部11と、光学面部11の周囲に設けられた、プレス成形時に余剰の被成形材33が流入するための逃げ部13と、下型との対向面15等とを備えている。逃げ部13は、テーパ部13tと最深部13bとで構成され、テーパ部13tの深さまたは容積は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部13bに到達しないような大きさに設定されている。
逃げ部13のテーパ部13tの深さまたは容積を、余剰の被成形材が最深部13bに到達しないような大きさに設定することで、下型2の中央部に盛り上がった多量の余剰の被成形材33が流入しても最深部13bに到達しないので、上型1と下型2とは、対向面15と対向面23とが略接触するまで押圧でき、光学素子31間のコバ面35の厚さをどこまで薄くすることができるかの限界を破ることができる。また、最深部13bの面を、硬化した余剰の被成形材33の離型に必要な抜きテーパや面粗さに加工する必要がないので、金型加工が容易となる。
上述したように、液滴成形用の上型の第4の実施の形態によれば、逃げ部13をテーパ部13tと最深部13bとで構成し、テーパ部13tの深さまたは容積をプレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部13bに到達しないような大きさに設定することで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
以上に述べたように、本発明によれば、複数の光学面部が形成された下型と、複数の光学面部が形成された上型とで、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して複数の光学素子を得る液滴成形用の上型で、上型に形成された複数の光学面部の間に、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が最深部に到達しないような深さを有する逃げ部を備えることで、金型と液滴との接触による液滴温度の低下を防止し、金型中央部の液滴にも十分な押圧力を加えて光学素子の成形精度を向上させ、光学素子の厚さを薄くすることのできる液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を提供することができる。
なお、本発明に係る液滴成形用の上型、光学素子および光学素子の製造方法を構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
1 上型
11 光学面部
13 逃げ部
13c (上型1の滴下位置に対向する位置近傍に設けられた)逃げ部
13p (上型1の滴下位置に対向する位置から離れた位置に設けられた)逃げ部
13t (逃げ部13の)テーパ部
13b (逃げ部13の)最深部
15 対向面
2 下型
21 光学面部
23 対向面
3 (一塊の被成形材の)液滴
31 光学素子
33 余剰の被成形材
11 光学面部
13 逃げ部
13c (上型1の滴下位置に対向する位置近傍に設けられた)逃げ部
13p (上型1の滴下位置に対向する位置から離れた位置に設けられた)逃げ部
13t (逃げ部13の)テーパ部
13b (逃げ部13の)最深部
15 対向面
2 下型
21 光学面部
23 対向面
3 (一塊の被成形材の)液滴
31 光学素子
33 余剰の被成形材
Claims (5)
- 複数の光学面部が形成された下型と、複数の光学面部が形成された上型とで、前記下型の上に滴下された一塊の被成形材の液滴をプレス成形して、複数の光学素子を得る液滴成形用の上型であって、
複数の前記光学面部の間に余剰の被成形材を逃がすための逃げ部を備え、
前記逃げ部は、プレス成形時に流入する余剰の被成形材が、前記逃げ部の最深部に到達しないような深さまたは容積を有していることを特徴とする液滴成形用の上型。 - 前記一塊の被成形材の液滴の滴下位置に対向する位置近傍に設けられた前記逃げ部の深さもしくは容積は、前記滴下位置に対向する位置から離れた位置に設けられた前記逃げ部の深さもしくは容積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の液滴成形用の上型。
- 前記逃げ部は、前記下型との対向面に近い側にテーパ部を有し、前記テーパ部は、前記余剰の被成形材が前記逃げ部の最深部に到達しないような深さまたは容積を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴成形用の上型。
- 複数の光学面部が形成された下型と、請求項1から3の何れか1項に記載の上型とを用いて、一塊の被成形材の液滴をプレス成形して得られたことを特徴とする光学素子。
- 複数の光学面部が形成された下型と、請求項1から3の何れか1項に記載の上型とを用いて、一塊の被成形材の液滴をプレス成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた複数の光学素子を、個々の光学素子に分離する光学素子分離工程とを有することを特徴とする光学素子の製造方法。
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