JP2011241216A - モズク由来のフコイダンを含む食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高脂血症、特に高トリグリセライド血症の予防及び治療に用いることのできる、リパーゼ及びリポプロテインリパーゼ活性促進作用有する硫酸化糖を含む剤を提供する。
【解決手段】モズクを温水に懸濁し、撹拌しながら抽出することにより得たフコイダンを含む抽出液を脱塩・濃縮し、そして凍結乾燥し、所望によりさらに精製して得られうるモズク由来の精製フコイダン又はフコイダン様多糖体を含む食品。精製フコイダン又はフコイダン様多糖体を、通常成人一人当たり約0.005g〜約200g/日、好ましくは約0.05g〜約100g/日、更に好ましくは約0.5g〜約20g/日の範囲で摂取できるように配合する。
【選択図】なし

Description

本発明は、高脂血症、特に高トリグリセライド血症の予防及び治療に用いることのできる、リパーゼ及びリポプロテインリパーゼ活性促進作用を有する硫酸化糖を含む剤に関する。本発明の剤は食品の形態とすることができる。
従来の技術、及び発明が解決しようとする課題
近年の日本においては、人口の高齢化、生活様式の欧米化に伴う脂肪摂取量の増加とともに高脂血症患者の増加が指摘されてきている。高脂血症は血清脂質が異常に高くなった状態であり、コレステロール濃度が高値である高コレステロール血症、トリグリセライド濃度が高値である高トリグリセライド血症、及びコレステロールとトリグリセライドとが高値である複合型高脂血症を含む。
高コレステロール血症は、血清中のコレステロール濃度が220mg/dl以上である状態である。高コレステロール血症はアテローム硬化を促進し、心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症頻度を増す。高トリグリセライド血症は、早朝空腹時血清トリグリセライド値が150mg/dl以上である状態をいい(日本動脈硬化学会高脂血症診療ガイドライン委員会)、高トリグリセライド血症を動脈硬化性疾患の危険因子としてとらえるべきであると提言されている(及川真一、小竹英俊:診療ガイドラインに基づく高脂血症診療の実際 わが国の高脂血症の診療ガイドライン 高トリグリセライド血症:Lipid(9),336-341(1998))。また、高トリグリセライド血症は、動脈硬化を促進するほか、急性膵炎、静脈血栓症などの原因となる(佐々木純:高脂血症:薬局(50),759-764(1999))。
インスリン非依存性糖尿病では高トリグリセライド血症や高コレステロール血症を合併し、冠動脈疾患の発症や死亡率が高いことが知られている(佐野隆一、豊田隆謙:高脂血症をどうとらえるか 各疾患における高脂血症のとり扱い 糖尿病と高脂血症:臨床と研究(75),1279-1282(1998))。即ち、高脂血症は、糖尿病、高血圧、肥満等の生活習慣病を合併している頻度が高い。このような場合は包括的な治療が必要であると考えられている。
現在、高脂血症の者に対しては食事療法、運動療法及び/又は薬剤による治療等が行われている。薬剤は高コレステロール血症に対するものと高トリグリセライド血症に対するものに大別される。コレステロールが主に高い場合にはHMG-CoA還元酵素阻害剤、プロブコール等が、トリグリセライドが主に高い場合はクロフィブラート系薬剤、ニコチン酸製剤等が使用される。しかしながら、これらの薬剤は、概して高価であり、また、対象の年齢、妊娠・授乳の有無、他の疾病の有無により投与量を減量する等の注意が必要とされている(井出朋子ら:高脂血症治療薬と患者への説明:薬局(50),765-776(1999))。
一方、フコイダンは、昆布、もずく等の褐藻類や海鼠、両生類の卵を被っているゼリー状物質に含まれるフコースを主成分とする硫酸化多糖である。ウロン酸を実質的に含まない。フコイダン−Fと称されることもある。フコイダン様多糖体は、フコース及びマンノース等を主成分とし、ウロン酸を数%含む硫酸化多糖である。フコイダン−Uと称されることもある。フコイダン及びフコイダン様多糖体は、いずれもヘパリン様の抗血液凝固活性を有していることが知られている。
フコイダンのような硫酸化多糖類には、種々の生理活性が認められてきた。例えば、再公表特許WO98/01537号は、フコイダン又はデキストラン硫酸のアポトーシス誘導作用について開示する。また、特開平10−17498号は、フコイダンの繊維芽細胞増殖促進作用について開示する。さらに特開平11−228602号は、フコイダンを有効成分とする免疫強化剤を開示する。
フコイダンを含む硫酸化多糖類の血清脂質清澄化作用に関しては、いくつかの研究がある。Rozkinらは、ヘパリン、ヘパラン硫酸又はフコイダンを単回静脈注射した場合に、血清脂質分解促進作用がみられたことを明らかにしている(Rozkin MIa.,Levina MN.et al.:Anticoagulant and lipolysis-stimulating activity of polysaccharides from brown sea algae:Farmakol.Toksikol.(54),40-42(1991))。また、上原らは、フコイダンを経口投与した場合に、コレステロール低減作用がみられたことを報告している(上原めぐみ他:Effects of Fucoiden extracted from Okinawamozuku(Cladosiphon Okamuraus TOKIDA)on the serum cholesterol levels in cholesterol-fed rats:J.Appl.Glycosci.(43),149-153(1996))。しかしながら、フコイダンと血清脂質に関する多くの研究では、ラット等のヒト以外の動物が対象とされてきた。また、フコイダンを血中投与ではなく経口的に、しかも繰り返し投与した場合の血清脂質に対する効果に関しては、ほとんど報告されていない。そして、薬物療法の対象とはならないが高脂血症のリスクがある場合に、高脂血症の予防のために用いることのできる実用的な剤は、現在までに開発されていない。
発明者らは従来より硫酸化糖に関する研究に従事してきている(特願平5-28431、桐原
修、大石 一二三ら:褐藻由来フコイダンの抗アレルギー作用:日本農芸化学会1997年度大会(東京)講演要旨集(176)、Ohishi H.,et al.:Glycosaminoglycan content in neonatal rat arotic smooth muscle cell cultures;Atherosclerosis(69),61-68(1988))。今回、フコイダンやフコイダン様多糖体及びこれらの低分子化硫酸化糖の経口投与によって、血中のトリグリセライドを有意に低減させることが可能であるとの知見を得、本発明に到達した。即ち、本発明は、高脂血症のリスクのある者又は高脂血症の者に対し、臨床上有効量のフコイダン又はフコイダン様多糖体を経口投与するための高脂血症の予防又は治療剤を提供する。
本発明でいう高脂血症のリスクのある者とは、将来(例えば、数年〜数十年後)に高脂血症の状態となる可能性のある者をいう。現在の血清全コレステロール濃度が常時約220mg/dl未満であり、かつ他の危険因子(加齢、冠動脈疾患の家族歴、喫煙習慣、高血圧、肥満、耐糖能異常、高トリグリセライド血症、低HDL-コレステロール血症等)のない、極低度のリスクの者を含む。また、血清中の脂質値が高いとはいえないが、他の危険因子を有する者、及び非薬物療法(食事療法、運動療法等)適用の対象となるが薬物療法の適用が必ずしも必要とはいえない者も含む。本発明でいう高脂血症の者とは、現に高脂血症の状態にある者をいい、高脂血症とともに他の疾患、症状を併発している者も含む。なお、本明細書では、「高脂血症のリスクのある者又は高脂血症の者」を、「高脂血症の者等」ということもある。
本発明でいう高トリグリセライド血症のリスクのある者とは、将来(例えば、数年〜数十年後)に高トリグリセライド血症の状態となる可能性のある者をいう。現在の血清トリグリセライド濃度が常時約約150mg/dl未満である、極低度のリスクの者を含む。本発明でいう高トリグリセライド血症の者とは、現に高トリグリセライド血症の状態にある者をいい、高トリグリセライド血症とともに他の疾患、症状を併発している者も含む。なお、本明細書では、「高トリグリセライド血症のリスクのある者又は高トリグリセライド血症の者」を、「高トリグリセライド血症の者等」ということもある。
本発明でいう臨床上有効量とは、ヒトに投与した場合、フコイダン等の血清脂質低減作用に基づいて、血清脂質(及び/又はトリグリセライド)値を正常値に維持することができる量、値の上昇を低く抑えることができる量、値を低めることができる量をいう。
本発明の剤は、高脂血症の者等のうち、特に、高トリグリセライド血症の者に対し投与するのに適している。
また、本発明の剤は、高脂血症の者等又は高トリグリセライド血症の者等に対し、単回、又は繰り返して投与することができる。繰り返して投与することは、血清脂質(及び/又はトリグリセライド)を効果的に正常値に維持することができたり、血清脂質(及び/又はトリグリセライド)を効果的に次第に低めることができると考えられる点で、高脂血症(及び/又は高トリグリセライド血症)の予防又は治療において特に好ましい。
繰り返し投与するための期間に特別な制限はなく、血清脂質(及び/又はトリグリセライド)の濃度レベル、高脂血症の発症リスク(又は高トリグリセライド血症の発症リスク)の程度に応じて適宜設定することができる。通常は、1週間以上である。投与は毎日でもよく、数日おきでもよく又は連続投与の間に投与しない期間を設けてもよい。
本発明の剤には、市販のフコイダン、フコイダン様多糖体及びこれらの低分子化物質を用いることができる。(なお、本明細書では、フコイダン、フコイダン様多糖体及びこれらの低分子化物質のことを、「フコイダン等」ということもある。)また、フコイダン等を含む原料の摩砕物、並びに原料からの抽出物、粗生成物及び精製物を用いることができる。
得られるフコイダン等が食品又は医薬として摂取可能であれば、原料は特に制限されない。例えば、コンブ、マコンブ、カゴメコンブ、モズク、ヒバマタ、ウミウチワ、ワカメ及びアミジグサ等の褐藻類並びにマナマコ、ニセクロナマコ等のナマコを用いることができる。これらの原料からのフコイダン等の製造方法も特に制限されず、通常の方法によることができる。例えば、酸またはアルカリ水溶液による抽出法、熱水又は冷水による抽出法等によることができる。
酸抽出法は次の工程からなる:原料を酢酸又は塩酸等の酸水溶液に懸濁することにより抽出を行い、懸濁液から沈殿を除いて上清を得て、そして必要に応じ上清について塩析、ろ過及び/又は透析等の精製操作を行い、更に必要に応じて凍結乾燥等の操作を行ってフコイダン等を得る。熱水抽出法は次の工程からなる:原料を熱水に懸濁することにより抽出を行い、懸濁液から沈殿を除いて上清を得て、そして必要に応じ上清について塩析、ろ過及び/又は透析等の精製操作を行い、更に必要に応じて凍結乾燥等の操作を行ってフコイダン等を得る。
また、フコイダン等自体は、無色・無味・無臭であるが、原料又は抽出操作によっては、褐色を呈したり、原料臭や雑味を有することがある。このような場合には食品及び医薬品の分野で脱色・脱臭等の目的で行われる一般的な操作を上記の工程に追加するのがよい
。例えば、活性炭、多孔性吸着樹脂、イオン交換樹脂、透析、限外ろ過、エタノールによる分別、ピロ亜硫酸等による処理、及び過酸化水素による処理等をさらに行うことができる。
フコイダン等の分子量は通常10万程度であるが、本発明の剤に用いるフコイダン等の分子量は、ヒトに投与された場合に意図する作用を発揮することができれば特に制限されない。消化・吸収が速やかであると考えられる点からは、低分子化フコイダン又は低分子化フコイダン様多糖体であることが好ましい。なお、本明細書でフコイダン等の分子量というときは、特別の場合を除き、フコイダン等平均分子量をいい、ゲルろ過法にて測定した値に基づく。
本発明の剤は食品若しくは飲料又は医薬品の形態で経口的に投与される。本発明の剤は、年令、症状、目的や意図する効果等によって投与量を異なるものとすることができる。通常成人一人当たり約0.001g〜約100g/日、好ましくは約0.01g〜約50g/日、更に好ましくは約0.1g〜約10g/日の範囲でフコイダン等(例えば、本明細書実施例1で得られる粗フコイダン)が投与されるように設計される。または、一日当たり約0.01mg〜約1000mg/kg、好ましくは約0.1mg〜約500mg/kg、更に好ましくは約1mg〜約100mg/kgの範囲でフコイダン等(例えば、本明細書実施例2で得られる精製フコイダン)が投与されるように設計される。
高トリグリセライド血症の者に対し、血清トリグリセライド値の低減を目的に投与する場合は、本発明の剤は、通常成人一人当たり約0.005g〜約200g/日、好ましくは約0.05g〜約100g/日、更に好ましくは約0.5g〜約20g/日の範囲でフコイダン等(実施例1の粗フコイダン等)が投与されるように設計される。または、一日当たり約0.05mg〜約2000mg/kg、好ましくは約0.5mg〜約1000mg/kg、更に好ましくは約5mg〜約200mg/kgの範囲でフコイダン等(実施例2の精製フコイダン等)が投与されるように設計される。
もちろん前記のように投与量は種々の条件によって変動するので、上記範囲より少ない量で充分な場合もあるし、また範囲を超えて必要な場合もある。なお、用いるフコイダン等の特性、意図する効果、併用する他の医薬との関係、食事の内容、摂取のしやすさ、及び経済性等の観点から、投与量の上限値を定めることもできる。
本発明の剤は、従来の高脂血症治療剤・高トリグリセライド治療剤と比較して、経済性に優れ、また、ヒトが長期間経口的に摂取した場合の安全性に優れているものと考えられる。従って、対象の年齢、妊娠・授乳の有無、他の疾病の有無により投与が制限されることが比較的少なく、繰り返し摂取することができる。そして糖尿病、肥満及び高血圧からなる群より選択される少なくとも一つの状態が併存している高脂血症の者等(又は抗トリグリセライド血症の者等)の症状を、包括的に治療するために摂取することができると考えられる。さらに、薬物療法の対象とはならないが高脂血症(又は抗トリグリセライド血症)のリスクがある場合に、高脂血症(又は抗トリグリセライド血症)の予防のために摂取することができると考えられる。
本発明の剤は、ヒトに経口的に投与された場合、有効成分であるフコイダン等が腸管から吸収され、組織中のリパーゼやリポプロテインリパーゼと複合体を形成し、これらの活性を促進すると考えられる。そして、各組織に蓄積されているトリグリセライド等の脂質を分解し、生体外に除去すると考えられる。このような機序により、本発明の剤は、高脂血症、とりわけ高トリグリセライド血症の予防・治療に効果があると考えられる。
発明の実施態様
本発明の剤は食品又は飲料の形態とすることができる。本明細書でいう「食品」には、
菓子類(例えば、チューインガム、キャンディー、ゼリー、ビスケット、チョコレート、米菓)、乳製品(例えば、ヨーグルト)、健康食品(例えば、カプセル、タブレット、粉末)、飲料(例えば、清涼飲料、乳飲料、野菜・果汁飲料、茶)及びドリンク剤が含まれる。本発明の剤を種々の食品の形態とする場合、意図した効果を発揮することができ、かつ安全に摂取することができれば、食品の形態は特に制限されない。菓子類は、携帯に便利である等の観点から好ましい。乳製品は、菓子類に比較すると1回当たりの摂取量が多く、また健康的な習慣として毎日摂取しやすい等の観点から特に好ましい。
食品の形態である本発明の剤は、当業者にはよく知られた工程により製造することができる。製造工程は、フコイダン等を分解又は不可逆的に変化させることがなければ特に制限されない。例えば、ヨーグルトを製造するためには一般に、原料を調合し、殺菌し、容器に充填し、そして発酵するか、又は原料を調合し、殺菌し、発酵し、殺菌済みソース及び/又はシロップを混合し、そして容器に充填する工程を経るが、ヨーグルトの形態である本発明の剤を製造するためには、フコイダン等を原料を調合する工程で原料に添加することもできるし、発酵工程又は発酵工程の後に添加することもできる。
食品へのフコイダン等の配合は、一回の摂取(食品1個、又は複数個当たり)で、上記の量を摂取することができるようにすることができるし、複数回の摂取によって上記の量が達成できるようにすることもできる。
また、食品の形態とした本発明の剤は、高脂血症等の予防又は治療のために単独で摂取してもよく、他の剤若しくは食品、又は他の療法と組み合わせて用いてもよい。
食品への配合例を以下に示す。
Figure 2011241216
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本発明の剤は、医薬又は医薬組成物の形態で投与することができる。この場合、本発明の剤は種々の剤形とすることができる。意図した効果を発揮することができ、かつ安全に投与することができれば剤形は特に制限されない。例えば、経口投与のためには、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、丸剤、液剤、乳剤、懸濁剤、溶液剤、酒精剤、シロップ剤、エキス剤、エリキシル剤とすることができる。また、これらの製剤には薬剤的に許容できる種々の担体を加えることができる。例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着香剤、着色剤、甘味剤、矯味剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、コーティング剤を添加することができる。本発明の剤を持続性、徐放性のものとしてもよい。このような種々の製剤は、当業者にはよく知られた工程により製造することができる。
本発明の剤を医薬組成物とした場合、1日あたりの量を単回で投与することができ、また、数回に分けて投与することもできる。また、単独で投与してもよく、他の剤又は他の治療法と組み合わせて用いてもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1、粗フコイダンの調製]
新鮮モズク(Cladosiphon Okamuraus)を温水に懸濁し、数時間撹拌しながら抽出した。固形分を除き、フコイダンを含む抽出液を限界排除分子量50,000以下の限外ろ過モジュール(旭化成社製)で脱塩・濃縮後、凍結乾燥し、白色の粉末を得た。これをフコイダン及びフコイダン様多糖体を含む粗フコイダンとして、以下の実験に用いた。
[実施例2、精製フコイダンの調製]
実施例1で得た粗フコイダンを、0.15M NaClを含む10mMトリス緩衝液(pH7.2)に溶解し、同じ緩衝液で平衡化したダウエックス-1(Cl型、ダウケミカル社製)カラムに負荷した。同じ緩衝液でカラムを充分洗浄した後、2M NaClを含む同じ緩衝液で溶出した。この溶出液を実施例1で用いたのと同一の限外ろ過モジュールで脱塩した。これを精製フコイダンとして、以下の実験に用いた。
この精製フコイダンのセルロースアセテート膜電気泳動像には、Rf値0.5と0.45付近の2つのスポットが認められた。電気泳動の条件は、電極液にピリジン-ギ酸(pH3.1)を用い、1mA/cm2で45分間泳動した。
[実施例3、動物実験]
糖尿病はグルコース代謝を妨害し、高脂血症を誘発することが知られている(Kinoshita J., et al.:Jpn.J.Ophthalmol.(20),399-410(1976))。そこで、実験的高脂血症動物モデルとして、ストレプトゾトシンで糖尿病ラットを作成した(谷 久典、大石 一二三:酒粕抽出物によるストレプトゾトシン誘導性糖尿病の予防効果:日本栄養・食糧学会第52回大会講演要旨集(248),(1998))。
ラットの飼育は、通常飼料(CE-2、日本クレア社製)、湿度と室温は相対湿度50±2%と24±1℃で、照明は12時間サイクルとした。12時間絶食時の尾静脈血のトリグリセライド値と血糖値が、対象(128±27mg/dl、143±19mg/dl)に比して充分に上昇している(215±60mg/dl、620±89mg/dl)ことを確認した。粗フコイダン又は精製フコイダン粉末を一日当たり5、10又は20mg/kg(体重)となるように餌に混合し、3週間、連日経口摂取させた(各群6匹)。
粗フコイダン投与群、精製フコイダン投与群それぞれについて、血清脂質(トリグリセライド、全コレステロール、HDL-コレステロール)及び血糖値を測定した。結果を次の表に示す。
Figure 2011241216
Figure 2011241216
粗フコイダン、精製フコイダンは血清トリグリセライド値をいずれも有意に低下させ(危険率1%以下)、その低減割合は無処置糖尿病ラットの約50%であった。HDL-コレステロールは正常ラットの値にまで回復した。全コレステロール低下作用は顕著ではなかった。
また、各フコイダン投与時の血清リパーゼとリポプロテインリパーゼ(特にリポプロテインリパーゼ)が無処置糖尿病ラットに比して有意に上昇していたことから、フコイダンの作用は、これはヘパリンで認められている血清リパーゼとリポプロテインリパーゼ活性の促進に起因する(Yang J-Y.,et al.:Change of plasmz lipoproteins by heparin-released lipoprotein lipase:Exp.Mol.Med.(31),60-64(1999))ものと考えられた。
血糖値は19〜23%低下した。フコイダン自体にはインスリン様作用が認められていないため、トリグリセライド値の改善に付随する効果であると考えられた。
[実施例4、ヒトボランティア試験]
空腹時血清トリグリセライド値が200mg/dl以上、血圧(拡張期/収縮期)が110/150mmHg以上の、6名の40才代の肥満男性ボランティア(BMI 28以上)に、実施例1で得られた粗フコイダンの粉末1日1gを一ヶ月間経口摂取させた。粗フコイダンの摂取を夕食に摂取させた他はこの間の食生活を含むライフスタイルには一切の制限を加えていない。
Figure 2011241216
ヒトの場合においても、血清トリグリセライド値は粗フコイダン投与前に比して約31%低下しており、ラットで認められた現象と同様に血糖値も減少させる傾向にあった。それとともに拡張期及び収縮期の血圧が、いずれも約20%低下した。これは血清トリグリセライドの低下とフコイダンの抗血液凝固作用(特開平9-328431)によるものと考えられる。

Claims (4)

  1. モズク由来の精製フコイダン又はフコイダン様多糖体を含む食品。
  2. ヨーグルト、ガム、キャンディ又はタブレットの形態である、請求項1に記載の食品。
  3. フコイダン又はフコイダン様多糖体が、モズクを温水に懸濁し、撹拌しながら抽出することにより得たフコイダンを含む抽出液を脱塩・濃縮し、そして凍結乾燥し、所望によりさらに精製して得られうるものである、請求項1又は2に記載の食品。
  4. モズクを温水に懸濁し、撹拌しながら抽出することにより得たフコイダンを含む抽出液を脱塩・濃縮し、そして乾燥する工程を含む、精製フコイダン又はフコイダン様多糖体の製造方法。
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