JP2011240831A - 車両用車軸軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキング時の発熱の伝熱を抑え、耐久性に優れ、回転センサを備える場合には検出精度の低下の無い車両用車軸軸受を提供する。
【解決手段】内方環状部材、外方環状部材及び転動体を備え、前記内方環状部材に車輪取付用フランジ及び前記外方環状部材に車体のナックル取付用フランジがそれぞれ接合され、前記内方環状部材に車軸が嵌合される車両用車軸軸受において、前記内方環状部材及び前記外方環状部材が金属製であり、前記車輪取付用フランジ及び前記ナックル取付用フランジの少なくとも車輪取付用フランジが、炭素繊維強化樹脂からなり、車輪またはナックル取付用のボルトを挿通するためのボルト挿通孔を有する環状部材であり、前記内方環状部材の外周面に突出する環状立片または前記外方環状部材の外周面に突出する環状立片に、複数箇所にて締結手段により接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車のハブユニット軸受に代表される車両用車軸軸受に関し、特に熱伝導による影響を排除する技術に関する。
自動車のハブユニット軸受では、内輪及び外輪を軸受鋼等の金属製で形成していたが、重量が大きく、燃費上不利であるとともに、高価になることから、内輪や外輪の転送面及びフランジ部を金属薄板からなるベース部で形成し、更にベース部を合成樹脂に補強繊維を配合した複合材料で補強したものが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、これら従来のハブユニット軸受は、熱伝導について考慮されていない。また、ハブユニット軸受には、フランジ部を介してブレーキロータが締結されるため、ブレーキング時に発生する摩擦熱がフランジ部を通じて伝熱し、回転に伴うハブユット全体の温度上昇を促進する。そして、このような温度上昇に伴い、封入グリースが劣化し、それにより回転トルクが増大したり、異音や振動が発生するなどして軸受性能が低下し、最終的には焼付きが発生して軸受機能が失われることが、過酷な耐久試験で見受けられる。特許文献1では、ブレーキロータと軸受部との間に金属の経路があり、伝熱しやすく、軸受温度が上昇しやすいことから、軸受性能が低下することが、短い間隔で連続してブレーキを繰り返すような過酷な耐久試験で見受けられる。
また、ハブユニット軸受の中には、車軸の回転数を検知するための回転センサを備えるものがある。回転センサは、内輪に取り付けられた金属製のスリンガの外周面に磁気エンコーダを取り付け、磁気エンコーダと対向するように磁気センサを配置して構成されたものが一般的である(図1参照)。そのため、磁気エンコーダの取り付け位置の精度が要求されるが、上記のようにブレーキング時の摩擦熱が伝熱して内輪や外輪の温度が上昇すると、内輪に取り付けられているスリンガが熱膨張を起こして磁気エンコーダの取り付け位置が微妙に変化して検出精度に影響を与えるおそれもある。
実公平7−54658号公報
本発明は上記の状況に鑑みてなされたものであり、ブレーキング時の発熱の伝熱を抑え、耐久性に優れ、回転センサを備える場合には検出精度の低下の無い車両用車軸軸受を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の車両用車軸軸受を提供する。
(1)内方環状部材、外方環状部材及び転動体を備え、前記内方環状部材に車輪取付用フランジ及び前記外方環状部材に車体のナックル取付用フランジがそれぞれ接合され、前記内方環状部材に車軸が嵌合される車両用車軸軸受において、
前記内方環状部材及び前記外方環状部材が金属製であり、
前記車輪取付用フランジ及び前記ナックル取付用フランジの少なくとも車輪取付用フランジが、炭素繊維強化樹脂からなり、車輪またはナックル取付用のボルトを挿通するためのボルト挿通孔を有する環状部材であり、前記内方環状部材の外周面に突出する環状立片または前記外方環状部材の外周面に突出する環状立片に、複数箇所にて締結手段により接合されていることを特徴とする車両用車軸軸受。
(2)車輪取付用フランジ及びナックル取付用フランジの少なくとも車輪取付用フランジと、環状立片がそれぞれ、自身を貫通する複数の接合用貫通孔を有しており、前記接合用貫通孔を通じてねじまたはリベットにより接合されていることを特徴とする上記(1)記載の車両用車軸軸受。
(3)ボルト挿通孔と接合用貫通孔とが、位相をずらして配置されていることを特徴とする上記(1)または(2)記載の車両用車軸軸受。
(4)炭素繊維強化樹脂が、炭素繊維を平面状に、一方向に配向させて樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを、隣接する炭素繊維プリプレグ間で交差するように積層し、前記樹脂を硬化させたものであり、かつ、炭素繊維が、ボルト挿通孔に対して垂直になるように配向されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
(5)炭素繊維強化樹脂が、炭素繊維を平面状に編組して樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを積層し、前記樹脂を加熱硬化させたものであり、かつ、炭素繊維が、ボルト挿通孔に対して垂直になるように配向されていることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
(6)炭素繊維プリプレグにおける炭素繊維含有量が10〜80質量%であることを特徴とする上記(1)〜(5)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
(7)炭素繊維の引張強度が3〜8.5GPa、引張弾性率が220〜700GPa、伸度が0.5〜2.2%であることを特徴とする上記(1)〜(6)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
(8)炭素繊維プリプレグに使用される樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂またはポリプロピレン樹脂であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
(9)車軸の回転数を検出ためのセンサを備えることを特徴とする上記(1)〜(8)の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
本発明の車両用車軸軸受は、車輪取付用フランジを炭素繊維強化樹脂で形成して、内方環状部材に一体に接合したため、車輪取付用フランジを通じての伝熱が抑えられて長寿命となる。また、内方環状部材及び外方環状部材は金属製で、転送面も金属製であるため、回転特性に影響することもない。更に、回転センサを備える構成とした場合には、検出精度の低下も無い。更には、軽量化も図れる。
本発明に係る車両用車軸軸受の一例であり、回転センサ付きハブユニットを示す断面図である。 図1のAA矢視図であり、接合用貫通孔とボルト挿通孔との配置の一例を示す図である。 図1のAA矢視図であり、接合用貫通孔とボルト挿通孔との配置の他の例を示す図である。 炭素繊維プリプレグの積層様式の一例を示す模式図である。 炭素繊維強化樹脂における炭素繊維と、ボルト挿通孔との相対位置を説明するための模式図である。 ボルト挿通孔の一例を示す断面図である。 ボルト挿通孔の他の例を示す断面図(A)及びBB矢視図(B)である。 ボルト挿通孔の他の例を示す断面図(A)及びBB矢視図(B)である。
以下、本発明に関して回転センサ付きハブユニット軸受を例示して詳細に説明する。
本実施形態のハブユニット軸受Oは、駆動輪用とされており、外方環状部材である外輪1及び内方環状部材であるハブ3と、外輪1とハブ3間の環状空間13に転動自在に配置される複数の転動体10と、環状空間13を密封する密封装置12a,12bと、ハブ3と共に回転する磁気エンコーダ20とを備えている。車軸(図示せず)は、ハブ輪4の中心の車軸挿通孔200に嵌合する。また、磁気エンコーダ20と対向して、図示しない磁気センサが配設されており、車輪の回転と共に磁気エンコーダ20を回転させ、車輪の回転に同期した磁場変化を検出する。
ハブ3は、中空状のハブ輪4を備えており、ハブ輪4は、その外周面のアウトボード側端部(自動車への組み付け状態で車幅方向外側の端部:図1の左端部)に径方向外方に延びる車輪取付用フランジ7を有している。車輪取付用フランジ7には、そのアウトボード側の側面に車輪を構成する図示しないホイール及びブレーキロータ等を取り付けるためのボルト30を挿通するためのボルト挿通孔7aが、周方向に略等間隔で複数植設されている。
ハブ輪4のインボード側端部(自動車への組み付け状態で車幅方向内側の端部:図1の右端部)には小径段部4Aが形成されており、該小径段部4Aには内輪5が嵌め込まれている。内輪5の外周面には内輪軌道面9が形成され、また、ハブ輪4の軸方向の中間部外周面にも内輪軌道面9が形成されている。
外輪1の内周面にはハブ輪4の内輪軌道面9に対応する外輪軌道面8及び内輪5の内輪軌道面9に対応する外輪軌道面8が形成されており、また、車輪取付用フランジ7から離間する側の外輪1の端部には径方向外方に延びるナックル取付用フランジ2が設けられている。図示は省略するが、このナックル取付用フランジ2には、ナックル取付用のボルト(図示せず)を挿通するためのボルト挿通孔2aが形成されている。
そして、複列の内輪軌道面9と複列の外輪軌道面8との間には、それぞれ複数の転動体10が保持器11を介して周方向に転動可能に配設されている。尚、図示の例では、転動体10として玉を使用しているが、重量の嵩む車輪支持用ハブユニット軸受の場合には、転動体10としてテーパころを使用する場合もある。
また、外輪1のアウトボード側の端部とハブ輪4との間、及び外輪1のインボード側の端部と内輪5との間には、密封装置12a,12bがそれぞれ設けられている。密封装置12aは、外輪1のアウトボード側の端部内周面に嵌合されたスリンガ14と、スリンガ14に接着固定されてハブ輪4に摺接するシール部15とを備えている。
一方、密封装置12bは、内輪5の外周面に嵌合される第1のスリンガ16と、外輪1のインボード側の端部内周面に嵌合される第2のスリンガ17と、第1のスリンガ16に接着固定されて第2のスリンガ17と摺接するシール部18とを有する。シール部18は、ゴム材料によって形成されており、封入グリースの漏洩を防止するとともに、外部からの塵埃、水、泥水等の環状空間13への侵入を防止する。
本発明では、外輪1及びハブ輪4をSUJ2等の通常軸受に使用される鋼材製してそれぞれの軌道面8,9を金属製にするとともに、車輪取付用フランジ7及びナックル取付用フランジ2(図中、クロスハッチで示す部分)の少なくとも車輪取付用フランジ7を、後述するように炭素繊維強化樹脂で形成し、ナックル取付用フランジ2を外輪1に、車輪取付用フランジ7をハブ輪4に接合する。ナックル取付用フランジ2も炭素繊維強化繊維で形成することにより、更なる軽量化を図ることができるが、本実施形態では、車輪取付用フランジ7及びナックル取付用フランジ2の両方を、炭素繊維強化樹脂で形成した例を示す。
ハブ輪4と車輪取付用フランジ7との接合に際し、ハブ輪4を加工してその外周面に円環状の立片4aを設けるとともに、この立片4aを貫通する接合用貫通孔4bを形成する。一方、車輪取付用フランジ7に、立片4aと係合する段部7bを設けるとともに、段部7bを貫通する接合用貫通孔7cを形成する。そして、立片4aの接合用貫通孔4bと、段部7bの接合用貫通孔7cとを貫通してねじやリベット(図示せず)を挿通し、締結すればよい。尚、立片4aと段部7bとを接着剤で接着してねじやリベットで締結することにおり、接合強度をより高めることができる。接着には、炭素繊維プリプレグに用いた樹脂に合わせて金属と接着が可能な接着剤を用いる。
その際、図2(図1のAA矢視図)に示すように、ハブ輪4の立片4aの接合用貫通孔4c及び車輪取付用フランジ7の接合用貫通孔7cと、車輪取付用フランジ7のボルト挿通孔7aとが位相を一致させて、即ち同一の半径r上に並ぶように配置してもよいし、あるいは図3に示すように、接合用貫通孔4b,7cと、ボルト挿通孔7aとを位相をずらして、即ち同一の半径r上に並ばないように配置してもよい。車輪取付用フランジ7の接合用貫通孔7c及びボルト挿通孔7aは、炭素繊維強化樹脂にそれらの孔を開けて形成されるが、孔開けの際に炭素繊維が切れる。そのため、位相をずらして配置することにより、炭素繊維が切れる部分も離れるため強度的に有利となる。
一方、外輪1とナックル取付用フランジ2との接合は、外輪1を加工してその外周面に円環状の立片1aを設けるとともに、この立片1aを貫通する接合用貫通孔1bを形成する。ナックル取付用フランジ2には、立片1aと係合する段部2bを設けるとともに、段部2bを貫通する接合用貫通孔2cを形成する。そして、立片1aの接合用貫通孔1bと、段部2bの接合用貫通孔2cとを貫通してねじやリベット(図示せず)を挿通し、締結する。尚、外輪1とナックル取付用フランジ2との接合においても、接合用貫通孔1b,2cと、ボルト挿通孔2aとを位相をずらして配置することが好ましい。
炭素繊維強化樹脂は、炭素繊維を平面状に、一方向に配向させて樹脂を含浸させたシート状の炭素繊維プリプレグ(一方向プリプレグ)を積層し、樹脂を硬化させたものである。その際、図4に模式的に示すように、隣接する(図の例では上下の)炭素繊維プリプレグ間で、炭素繊維100が、(a)→(b)→(c)→(d)のように所定の角度(例えば45°)で交差するように積層される。尚、硬化は、熱プレスあるいはオートクレーブにより行うことができる。
また、炭素繊維プリプレグは、炭素繊維を平面状に編組して樹脂を含浸させたシート状物(編組プリプレグ)を用いてもよい。
炭素繊維には制限はないが、炭素繊維強化樹脂の実用的な強度を考慮すると、引張強度が3〜8.5GPaで、引張弾性率が220〜700GPaで、伸度が0.5〜2.2%であるものが好ましい。また、炭素繊維は、平均繊維径が5〜21μmのものが好ましく、7〜15μmのものがより好ましい。平均繊維径が5μm未満の炭素繊維では、繊維が細すぎて一本当たりの強度が低いため、安定した製造が困難になり、大幅なコストアップになるので実現性が低い。一方、平均繊維径が21μmを超える炭素繊維では、一本当たりの強度は増すものの、繊維が太くなることで成形時の変形に対応し難くなり、好ましくない。更に、炭素繊維プリプレグにおける炭素繊維の含有量は、10〜80質量%が好ましい。炭素繊維の含有量が10質量%未満では、炭素繊維強化樹脂が必要な強度を発揮できない。一方、炭素繊維の含有量が80質量%を超えると、相対的に樹脂量が少なくなりすぎて樹脂未含浸部(空隙)が生じ、内部から破壊が生じる恐れがある。好ましい炭素繊維の含有量は、60〜75質量%である。
尚、炭素繊維プリプレグに使用される樹脂には制限はなく、エポキシ樹脂やフェノール樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリアミド樹脂やポリプロピレン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
また、炭素繊維プリプレグは、図5に模式的に示すように、炭素繊維100がボルト挿通孔7aに対して垂直になるように積層される。
更に、図6に示すように、車輪取付用フランジ7のボルト挿通孔7aの内周面には、ボルト30のネジ部と螺合するネジ溝40が形成されている。ネジ溝40を形成するには、金属製で内周面にネジ溝40が形成されたスリーブ45を、炭素繊維強化樹脂に設けた貫通孔に挿入し、炭素繊維強化樹脂との隙間に金属製のくさび46を差し入れてスリーブ45を炭素繊維強化樹脂内に固定する。尚、金属としてはアルミニウムやステンレス鋼等が適当である。
また、図7に示すように、スリーブ45の端部に、フランジ7の周方向を長径とする楕円状の拡径段部47を設けることにより、スリーブ自体及びフランジ全体としての強度を高めることができる。
また、図8に示すように、立片4aの一部を外方に突出させ、この突出部4cにボルト挿通孔7aを形成することもできる。そして、突出部4c及び炭素繊維強化樹脂を連通する挿通孔にスリーブ45を挿通し、他端を円環状の外ネジ48で固定する。外ネジ48の代わりに上記のようなくさび46を用いてもよい。このような突出部4cによっても、スリーブ自体及びフランジ全体としての強度を高めることができる。
上記ハブユニット軸受Oは、転送面が金属製であるため軸受回転特性は従来と同等に維持される。また、ナックル取付用フランジ2や車輪取付用フランジ7が炭素繊維強化樹脂で形成されるため、高強度で軽量化を図ることができるとともに、炭素繊維強化樹脂は熱伝導率が金属に比べて大幅に低いため、ブレーキング時の発熱が車輪取付用フランジ7を通じてハブ輪4に伝熱することがなく、軸受温度の上昇を抑えることができる。そのため、封入グリースの熱劣化もなく、更には第1のスリンガ16の熱膨張もなく、磁気エンコーダ20の位置ズレもなくなり、回転精度の低下を防ぐこともできる。
以下、実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1)
炭素繊維(引張強度5GPa、引張弾性率235GPa、伸度1.9%)を平面状に並べ、エポキシ樹脂で結束して一方向プリプレグを作製した。この一方向プリプレグにおける炭素繊維の含有量は75質量%であり、エポキシ樹脂の含有量は25質量%である。そして、この炭素繊維プリプレグを、図4に示すように、炭素繊維が45°で交差するように積層して熱プレスを行い、炭素繊維強化樹脂を作製した。そして、図3に示すように、炭素繊維強化樹脂に、段部を形成し、更に接合用貫通孔及びボルト挿通孔を位相がずれるように形成して車輪取付用フラン及びナックル取付用フランジを用意した。
また、日本精工(株)製車輪支持用転がり軸受「呼び番号28BWK19」を改良して、ハブ輪に車輪取付用フランジと係合する立片、外輪にナックル取付用フランジと係合する立片を形成した。尚、内輪及び玉はSUJ2製であり、外輪はS53CG(炭素鋼)製である。
そして、ハブ輪の立片に車輪取付用フランジを、外輪の立片にナックル取付用フランジを係合し、接合用貫通孔にねじを挿通して締結した。また、車輪取付用フランジに、ブレーキシステムのブレーキロータをボルト締めして試験軸受Aとした。尚、ボルト締めに際し、エポキシ系接着剤にて接着して固定力を高めた。
(比較例1)
日本精工(株)製車輪支持用転がり軸受「呼び番号28BWK19」をそのまま用い、車輪取付用フランジにブレーキロータを締結して試験軸受Bとした。
(寿命試験)
試験軸受A及び試験軸受Bに車軸を嵌入し、更にブレーキディスクを130℃に調温し、アキシアル荷重8820Nを付与した状態で車軸を1000rpmにて回転させ、回転時の振動を振動計で常時計測し、測定値が一定値を超えるまでの回転時間を回転寿命とみなし、ワイブル分布関数に基づくL10寿命を求めた。結果を表1に示す。
また、回転中、内輪表面温度を測定した。結果を表1に併記する。
Figure 2011240831
表1に示すように、車輪取付用フランジを炭素繊維強化樹脂で形成することにより、ブレーキロータを通じての伝熱が抑えられ、長寿命になる。
1 外輪
1a 立片
1b 接合用貫通孔
2 ナックル取付用フランジ
2a ボルト挿通孔
2b 段部
2c 接合用貫通孔
3 ハブ
4 ハブ輪
4a 立片
4b 接合用貫通孔
5 内輪
7 車輪取付用フランジ
7a ボルト挿通孔
7b 段部
7c 接合用貫通孔
10 転動体
12a,12b 密封装置
16 第1のスリンガ
17 第2のスリンガ
18 シール部
20 磁気エンコーダ
30 ボルト
100 炭素繊維

Claims (9)

  1. 内方環状部材、外方環状部材及び転動体を備え、前記内方環状部材に車輪取付用フランジ及び前記外方環状部材に車体のナックル取付用フランジがそれぞれ接合され、前記内方環状部材に車軸が嵌合される車両用車軸軸受において、
    前記内方環状部材及び前記外方環状部材が金属製であり、
    前記車輪取付用フランジ及び前記ナックル取付用フランジの少なくとも車輪取付用フランジが、炭素繊維強化樹脂からなり、車輪またはナックル取付用のボルトを挿通するためのボルト挿通孔を有する環状部材であり、前記内方環状部材の外周面に突出する環状立片または前記外方環状部材の外周面に突出する環状立片に、複数箇所にて締結手段により接合されていることを特徴とする車両用車軸軸受。
  2. 車輪取付用フランジ及びナックル取付用フランジの少なくとも車輪取付用フランジと、環状立片がそれぞれ、自身を貫通する複数の接合用貫通孔を有しており、前記接合用貫通孔を通じてねじまたはリベットにより接合されていることを特徴とする請求項1記載の車両用車軸軸受。
  3. ボルト挿通孔と接合用貫通孔とが、位相をずらして配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の車両用車軸軸受。
  4. 炭素繊維強化樹脂が、炭素繊維を平面状に、一方向に配向させて樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを、隣接する炭素繊維プリプレグ間で交差するように積層し、前記樹脂を硬化させたものであり、かつ、炭素繊維が、ボルト挿通孔に対して垂直になるように配向されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
  5. 炭素繊維強化樹脂が、炭素繊維を平面状に編組して樹脂を含浸させた炭素繊維プリプレグを積層し、前記樹脂を加熱硬化させたものであり、かつ、炭素繊維が、ボルト挿通孔に対して垂直になるように配向されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
  6. 炭素繊維プリプレグにおける炭素繊維含有量が10〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
  7. 炭素繊維の引張強度が3〜8.5GPa、引張弾性率が220〜700GPa、伸度が0.5〜2.2%であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
  8. 炭素繊維プリプレグに使用される樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂またはポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
  9. 車軸の回転数を検出ためのセンサを備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の車両用車軸軸受。
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