JP2011231074A - カリックスアレーン系化合物及びその製造方法 - Google Patents

カリックスアレーン系化合物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な微細パターンを安定して形成することができる化学増幅型のポジ型レジスト膜を形成可能な感放射線性組成物に含有される基材成分の原料として有用なカリックスアレーン系化合物を提供する。
【解決手段】一般式(A1)又は一般式(A2)で表されるカリックスアレーン系化合物。但し、一般式(A1)及び(A2)中、各Rは、水素原子又は一般式(R)で表される基であり、各Xは、アルキレン基である。また、一般式(R)中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を示し、*は前記一般式(R)で表される基の結合位置を示す。

【選択図】なし

Description

本発明は、微細パターンの形成に好適な感放射線性組成物に含有されるカリックスアレーン系化合物及びその製造方法に関する。
集積回路素子の製造に代表される微細加工の分野においては、集積度のより高い集積回路を得るために、リソグラフィーにおけるデザインルールの微細化が急速に進行しており、微細加工を安定して行うことができるリソグラフィープロセスの開発が強く推し進められている。
しかし、従来使用されてきた、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線を用いたリソグラフィープロセスでは、微細パターンを高精度に形成することが困難になってきている。そこで、最近では、微細加工を達成するために、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー等の遠紫外線に代えて、電子線(EB)や極紫外線(EUV)を使用するリソグラフィープロセスが提案されている。
従来、化学増幅型レジストの基材成分にはポリマー(樹脂)が用いられている。具体的には、ポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等のPHS系樹脂、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルから誘導される共重合体やそのカルボキシ基の一部を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂等が、化学増幅型レジストの基材成分として用いられている。しかしながら、このような化学増幅型レジストを用いてパターンを形成した場合、パターンの上面や側壁面が平面にならず、それらの面の表面に凹凸(荒れ、ラフネス)が生ずる場合がある。例えば、パターン側壁表面のラフネス(LWR:Line Width Roughness)は、ホールパターンにおけるホール周囲の歪みや、ライン アンド スペースパターンにおけるライン幅のばらつき(揺らぎ)等の原因となるため、微細な集積回路素子の形成等に悪影響を与える可能性がある。
このような問題は、集積回路の集積度が高いほど、即ち、パターン寸法が小さいほど重大となる。そのため、例えば、EBやEUVを使用するリソグラフィーでは、数十nmの微細なパターン形成を目標としていることから、化学増幅型レジストには、現状の低ラフネス性を超える極低ラフネス性が要求される。しかしながら、一般的に化学増幅型レジストの基材成分として用いられているポリマー(樹脂)の分子サイズ(一分子当たりの平均自乗半径)は数nm前後と大きく、また、パターン形成の現像工程において、化学増幅型レジストは通常、基材成分の一分子単位で現像液に対して溶解するため、基材成分としてポリマー(樹脂)を用いる限り、更なるラフネスの低減は極めて困難である。
上記のような問題を解消すべく、ポリマーに比して分子量の小さい非重合性のフェノール性化合物(低分子材料)を基材成分として用いたレジストが提案されている。例えば、水酸基、カルボキシ基等のアルカリ可溶性基を有し、その一部又は全部が酸解離性溶解抑制基で保護された低分子材料が提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。
非特許文献1、2等で開示された低分子材料は、低分子量であるため、分子サイズが小さく、ラフネスを低減できることが予想される。しかしながら、現在、レジスト組成物の基材成分として実際に使用できる低分子材料は、ほとんど知られていないのが現状である。例えば、パターンそのものを形成し難いこと、パターンを形成できたとしても、ラフネスが十分に低減されないこと、解像性が低いこと、パターンの形状を十分に保持できないこと等、リソグラフィー特性が十分ではないという問題がある。
このような問題を解消すべく、レゾルシノールとグルタルアルデヒドとの縮合物であり、レゾルシノールのフェノール性水酸基を酸解離性基で保護した化合物が、ポジ型レジスト組成物の基材成分として利用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−8875号公報
T.Hirayama,D.Shiono,H.Hada and J.Onodera:J.Photopolym.Sci.Technol.17(2004),p.435 Jim−Baek Kim,Hyo−Jin Yun and Young−Gil Kwon:Chemistry Letters(2002),p.1064〜1065
しかしながら、特許文献1で開示された縮合物であっても、そのポジ型レジスト組成物の基材成分としての特性については未だ改善の余地があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、高精度な微細パターンを安定して形成することができる化学増幅型のポジ型レジスト膜を形成可能な感放射線性組成物に含有される基材成分の原料として有用なカリックスアレーン系化合物、及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、アセタール残基を有するカリックスアレーン系化合物を感放射線性組成物の基材成分の原料として用いることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示すカリックスアレーン系化合物、及びその製造方法が提供される。
[1] 下記一般式(A1)又は下記一般式(A2)で表されるカリックスアレーン系化合物(以下、単に「化合物(A)」とも記載する)。
(前記一般式(A1)及び(A2)中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(R)で表される基を示し、各Xは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いメチレン基、又は置換基を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基を示す。但し、一化合物が有する24個のRのうち少なくとも1個のRは下記一般式(R)で表される基である。)
(前記一般式(R)中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基を示し、*は前記一般式(R)で表される基の結合位置を示す。)
[2] 前記一般式(A1)中の前記24個のRのうち少なくとも1個のRが、下記一般式(R−1)で表される化合物、又は前記一般式(A2)中の前記24個のRのうち少なくとも1個のRが、下記一般式(R−1)で表される化合物である前記[1]に記載のカリックスアレーン系化合物。
(前記一般式(R−1)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基を示し、*は前記一般式(R−1)で表される基の結合位置を示す。但し、前記Rで示される基は置換基を有していても良い。)
[3] 下記一般式(a1)で表される化合物(a1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(a2)の少なくとも一方と、下記一般式(r)で表される化合物(r)と、を反応させてカリックスアレーン系化合物を合成する工程を備えるカリックスアレーン系化合物の製造方法。
(前記一般式(a1)及び(a2)中、各Xは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いメチレン基、又は置換基を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基を示す。前記一般式(r)中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
[4] 前記化合物(r)として、下記一般式(r−1)で表される化合物(r−1)を用いる前記[3]に記載のカリックスアレーン系化合物の製造方法。
(前記一般式(r−1)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基を示す。但し、前記Rで示される基は置換基を有していても良い。)
本発明のカリックスアレーン系化合物は、高精度な微細パターンを安定して形成することができる化学増幅型のポジ型レジスト膜を形成可能な感放射線性組成物の原料として有用であるという効果を奏するものである。
本発明のカリックスアレーン系化合物の製造方法によれば、高精度な微細パターンを安定して形成することができる化学増幅型のポジ型レジスト膜を形成可能な感放射線性組成物の原料として有用なカリックスアレーン系化合物を製造することができる。
実施例1で得た生成物(1)の赤外吸収スペクトル(IR)の測定結果を示すチャートである。 実施例1で得た生成物(1)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定結果を示すチャートである。 実施例1で得た生成物(1)のゲルろ過クロマトグラフィ(GPC)の測定結果を示すクロマトグラム(溶出チャート)である。 実施例5において測定した、化合物(A1−1e)の赤外吸収スペクトルの照射時間経過による変化(1回目)を示すチャートである。 実施例5において測定した、化合物(A1−1e)の転化率の照射時間経過による変化(1回目)を示すチャートである。 実施例5において測定した、化合物(A1−1e)の赤外吸収スペクトルの照射時間経過による変化(2回目)を示すチャートである。 実施例5において測定した、化合物(A1−1e)の転化率の照射時間経過による変化(2回目)を示すチャートである。 実施例8で得た生成物(8)の赤外吸収スペクトル(IR)の測定結果を示すチャートである。 実施例8で得た生成物(8)の核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)の測定結果を示すチャートである。 実施例8において測定した、化合物(A1−2a)の熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)の測定結果を示すチャートである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]カリックスアレーン系化合物:
本発明のカリックスアレーン系化合物は、前記一般式(A1)又は(A2)で表されるアセタール残基を有する化合物である。アセタール結合は、塩基性条件下では非常に安定である一方、穏やかな酸性条件下で容易に加水分解されるという性質を持っている。従って、このようなアセタール残基を有するカリックスアレーン系化合物を含有する感放射線性組成物から形成されるレジスト膜は、アルカリ現像液に安定であり、且つ、温和な酸性条件下で水酸基が脱保護されるため、低ラフネス性、エッチング耐性、及び感度に優れたものとなる。以下、その詳細について説明する。
前記一般式(A1)及び(A2)中、Xで示される「置換基を有していても良いメチレン基、又は置換基を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基」としては、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,2−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,8−オクチレン基等を挙げることができる。これらの中でも、カリックスアレーン系化合物の安定性が向上するという観点から、炭素数2〜6の非置換アルキレン基、即ち、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、炭素数3の非置換アルキレン基、即ち、プロピレン基が特に好ましい。
前記一般式(R)中、Rで示される「置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基」としては、前記一般式(R−1)中、Rで示される「炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基」が好ましい。
前記一般式(R−1)中、Rで示される「炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。これらの中でも、カリックスアレーン系化合物の水酸基を効率的に保護することができることから、n−ブチル基が好ましい。
前記一般式(R−1)中、Rで示される「炭素数3〜20のシクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。これらの中でも、カリックスアレーン系化合物の水酸基を効率的に保護することができることから、シクロヘキシル基が好ましい。
前記一般式(R−1)中、Rで示される「炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基」としては、例えば、1−アダマンチル基、1−ノルボルニル基等を挙げることができる。これらの中でも、カリックスアレーン系化合物の水酸基を効率的に保護することができることから、1−アダマンチル基が好ましい。
前記一般式(A1)及び(A2)中、一化合物が有する24個のRのうち少なくとも1個のRは前記一般式(R)で表される基(R基)である必要がある。
なお、前記一般式(A1)は、下記一般式(A1’)で表すこともでき、また、前記一般式(A2)は、下記一般式(A2’)で表すこともできる。但し、下記一般式(A1’)及び(A2’)中のR及びXは、前記一般式(A1)及び(A2)中のR及びXと同義である。
本発明のカリックスアレーン系化合物としては、例えば、下記式(A1−1)〜(A1−3)で表されるカリックスアレーン系化合物が好ましい。
(前記式(A1−1)中、各Rは、下記式(R1)で表される基を示す。)
(前記式(R1)中、*は、前記式(R1)で表される基の結合位置を示す。)
(前記式(A1−2)中、各Rは、下記式(R2)で表される基を示す。)
(前記式(R2)中、*は、前記式(R2)で表される基の結合位置を示す。)
(前記式(A1−3)中、各Rは、下記式(R3)で表される基を示す。)
(前記式(R3)中、*は、前記式(R3)で表される基の結合位置を示す。)
[2]カリックスアレーン系化合物の製造方法:
本発明のカリックスアレーン系化合物の製造方法は、前記一般式(a1)で表される化合物(a1)又は前記一般式(a2)で表される化合物(a2)と、前記一般式(r)で表される化合物(r)と、を反応させる工程を備える方法である。即ち、本発明のカリックスアレーン系化合物の製造方法は、化合物(a1)又は(a2)のカリックスアレーン化合物の水酸基と、ビニルエーテル(化合物(r))と、を反応させることにより、アセタール残基を有するカリックスアレーン系化合物を合成する方法である。以下、その詳細について説明する。
前記一般式(a1)及び(a2)中のXは、前述の前記一般式(A)中のXと同義であり、例えば、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,3−ブチレン基、1,2−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,7−ヘプチレン基、1,8−オクチレン基等を挙げることができる。これらの中でも、化合物(a1)、化合物(a2)、及びカリックスアレーン系化合物の安定性が向上するという観点から、炭素数2〜6の非置換アルキレン基、即ち、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が好ましく、炭素数3の非置換アルキレン基、即ち、プロピレン基が特に好ましい。
前記一般式(r)中のRは、前述の前記一般式(R)中のRと同義であり、前記一般式(R−1)又は前記一般式(r−1)中、Rで示される「炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基」であることが好ましい。
化合物(a1)と化合物(r)との反応、及び化合物(a2)と化合物(r)との反応は、触媒存在下、化合物(a1)又は化合物(a2)のフェノール性水酸基に、ビニルエーテルである化合物(r)が付加する反応である。この反応により、アセタール残基を有するカリックスアレーン系化合物(化合物(A))が合成される。
反応に用いる化合物(a1)と化合物(r)の仕込み量の比(モル比)は特に制限されないが、収率向上の観点から、化合物(a1)1モルに対して、化合物(r)が、1モル以上であることが好ましく、5〜40モルであることが更に好ましい。
反応に用いる化合物(a2)と化合物(r)の仕込み量の比(モル比)は特に制限されないが、収率向上の観点から、化合物(a2)1モルに対して、化合物(r)が、1モル以上であることが好ましく、5〜40モルであることが更に好ましい。
反応溶液中、化合物(a1)、化合物(a2)及び化合物(r)の合計濃度(基質濃度)は、特に限定されないが、収率向上の観点から、2モル/L以上であることが好ましく、4モル/L以上であることが更に好ましく、4〜10モル/Lであることが特に好ましい。基質濃度が2モル/L未満であると、得られる化合物(A)の収率が低下してしまうことがある。
この反応に用いられる触媒としては、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)等を挙げることができる。
また、反応に用いられる反応溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)等を挙げることができる。
反応条件としては、収率及び導入率向上の観点から、−20℃〜100℃で1〜20時間反応させることが好ましく、室温(25℃)で6〜12時間反応させることが特に好ましい。
反応終了後、化合物(A)は沈殿物として回収することができる。この沈殿物の洗浄・精製方法は特に制限されないが、水、有機溶媒、又はその混合物を用いて洗浄した後、良溶媒と貧溶媒とを用いて分液により精製することが好ましい。
洗浄に用いる有機溶媒としては、特に制限はなく、用いる化合物(r)等の種類に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルi−ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロペンタノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン等のケトン類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、1,4−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジメチロール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−アミル等のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;フェノール、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド等を挙げることができる。なお、これらの有機溶媒は、一種単独で、又は二種以上を用いることができる。
分液に用いる良溶媒としては、特に制限はなく、用いる化合物(r)等の種類に応じて適宜選択することができるが、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等を挙げることができる。なお、これらの良溶媒は、一種単独で、又は二種以上を用いることができる。
また、分液に用いる貧溶媒としては、特に制限はなく、用いる化合物(r)等の種類に応じて適宜選択することができるが、n−ヘキサン、メタノール等を挙げることができる。なお、これらの貧溶媒は、一種単独で、又は二種以上を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[赤外吸収スペクトル分析(IR)]
Thermo ELECTRON社製の型番「NICOLET 380 FT−IR」を使用して測定した。
[プロトン核磁気共鳴分析(H−NMR)]
日本電子社製の型番「JMN−ECA−600」(600MHz)を使用して測定した。
[熱重量/示差熱同時分析(TG−DTA)]
Seiko社製の商品名「EXSTAR6000 TG/DTA 6200」を使用し、窒素気流下で昇温速度:10℃/分、温度:80〜600℃の条件下で測定した。
[ゲルろ過クロマトグラフィ(GPC)]
以下に示す条件でゲルろ過クロマトグラフィ分析を行った。
システム:東ソー社製、型番「HLC−8220」
検出器:型番「HLC−8200」、内蔵RI・UV−8200(280nm)
カラムオーブン温度:40℃
サンプルポンプ:流速;0.600ml/分、ポンプ圧;14.5mPa
リファレンスポンプ:流速;0.600ml/分、ポンプ圧;2.5mPa
カラム:昭和電工社製、商品名「Shodex Asahipak GF−510 HQ」+商品名「GF−310 HQ」×2本
ガードカラム:昭和電工社製、商品名「Shodex Asahipak GF−1G 7B」
[重量平均分子量(Mw)・分子量分布(Mw/Mn)]
上述のGPC測定結果より、単分散ポリスチレンを標準として、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)をそれぞれ計算した。なお、分子量分布は、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した値である。
[溶解性]
2mg/mLの濃度となるように、化合物を各溶媒に添加し、十分に撹拌した後、以下に示す基準に従って溶解性を評価した。
「++(可溶)」:溶液の着色が観察され、室温で生成物が溶解して残存しない状態
「+(可溶)」:溶液の着色が観察され、加熱状況下で生成物が溶解して残存しない状態
「+−(一部可溶)」:溶液の着色が観察されるとともに、生成物が溶解せずに一部残存した状態
「−(不溶)」:溶液の着色が観察されず、生成物が残存した状態
但し、溶媒「PGMEA」(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、「PGME」(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、「乳酸エチル」、及び「ジグリム」については、濃度が50mg/mLとなるように化合物を各溶媒に添加した。
(実施例1 化合物(A1−1a))
回転子を入れた50mLの三口フラスコ中で、化合物(a1)として、下記式(a1−1)で表される化合物(a1−1)1.71g(1mmol:水酸基当量24mmol)を、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)7.2mLに懸濁させ、更に撹拌した。その後、化合物(r)として、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)6.8mL(48mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して2当量)を添加し、触媒として、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)0.18g(0.72mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して3mol%)を更に添加し、窒素雰囲気下、室温で48時間撹拌して反応させた。反応終了後、トリエチルアミン(TEA)0.28mL(2mmol)を添加した後、クロロホルムで希釈し、水道水で2回、飽和重曹水で2回洗浄し、有機層(クロロホルム層)を、無水硫酸マグネシウムを乾燥剤として用いて乾燥させた。乾燥剤(無水硫酸マグネシウム)をろ別し、クロロホルムを減圧留去した。その後、良溶媒としてクロロホルム、貧溶媒としてn−ヘキサンをそれぞれ用いて再沈殿させた。再沈殿した沈殿物を回収し、室温で減圧乾燥し、薄い茶色の粉末固体を得た。この粉末固体を生成物(1)とした。収量は0.64gであり、収率は、23%であった。
生成物(1)について、IR、H−NMR、GPCにて、構造確認を行った。それぞれの測定結果を図1〜図3にそれぞれ示す。
図1のIR測定結果中、主なシグナル(吸収)の帰属を以下に示す。
IR(disc,cm−1
3411(νO−H)
2932,2855(νC−H)
1646(νC=C)
1093(νC−O−C)
図2のH−NMR測定結果中、主なピークの帰属を以下に示す。
H−NMR(600MHz,CDCl,TMS):δ(ppm)
0.15−3.13(b,236H,H,H,H,H,H,H,H,H
3.13−5.80(b,27H,H,H,H
5.91−8.12(b,24H,H,H
なお、図2及び上記の帰属結果中の記号(H〜H)は、下記一般式(A1−1’)中の記号と同義である。
(前記式(A1−1’)中、各Rは、下記式(R1’)で表される基を示す。)
(前記式(R1’)中、*は、前記式(R1’)で表される基の結合位置を示す。)
図2のH−NMR測定結果より、R基の導入率は、38%であった。なお、R基の導入率は、芳香族プロトン(H及びH)の積分値を基準として、化合物(a1−1)のメチンプロトン(H)、アセタール残基のメチンプロトン(H)、及びシクロヘキシル基のメチンプロトン(H)の積分値の和を用いて算出した。
図3のGPC測定結果より、メインピークの溶出時間が10分であり、Mwは、2293であり、Mw/Mnは、1.03であった。なお、GPCの溶出溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)を用いた。
図1〜図3の結果より、生成物(1)は、下記式(A1−1a)で表される化合物(A1−1a)であった。化合物(A1−1a)は、R基の導入率が38%、即ち、下記式(A1−1a)中のRで表される基のうち62%が水素原子であった。
(前記式(A1−1a)中、各Rは、下記式(R1a)で表される基を示す。)
(前記式(R1a)中、*は、前記式(R1a)で表される基の結合位置を示す。)
(実施例2〜4 化合物(A1−1b)〜(A1−1d))
表1に示す、反応時間(表1中「反応時間(時間)」と記す)、及び再沈殿に用いた溶媒の種類(表1中「再沈溶媒」と記す)としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4のそれぞれの生成物(2)〜(4)を得た。これらの生成物(2)〜(4)は、導入率がそれぞれ、75%、81%、及び91%である化合物(A1−1b)、(A1−1c)、及び(A1−1d)であった。なお、再沈殿の回数は、化合物及び再沈溶媒の種類に応じて適宜変更している。得られた化合物(A1−1b)〜(A1−1d)の「収量(g)」、「収率(%)」、「導入率(%)」、及び「Mw/Mn」の各結果を、化合物(A1−1a)の結果と併せて表1に示す。
(実施例5 化合物(A1−1e))
前述の実施例3において化合物(A1−1c)を合成した方法と同様の方法により、生成物(5)を合成した。得られた生成物(5)は、導入率が81%である化合物(A1−1e)であった。
〔溶解性〕
化合物(A1−1e)について、各種溶媒に対する溶解度を測定した。評価結果を表2に示す。
〔成膜性〕
また、化合物(A1−1e)を、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解した組成物を調製し、この組成物を基板上に塗布したところ、膜(レジスト被膜)を形成することが可能であった。
〔熱特性〕
また、化合物(A1−1e)について、熱重量/示差熱同時分析により熱特性を測定した。表3に、化合物(A1−1e)の熱特性測定結果を示す。なお、表3中、「Td(℃)」は、重量減少が開始した温度であり、「Td5%(℃)」は、重量が5%減少した際の温度であり、「Td10%(℃)」は、重量が10%減少した際の温度である。
〔感放射線性〕
化合物(A1−1e)0.083g(0.02mmol)と、感放射線性酸発生剤として、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメチルスルホネート(TPS−TF)0.022g(0.0528mol、化合物(A1−1e)に対して20.0質量%)と、をサンプル瓶に量り取り、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)3mLを添加し、均一になるまで混合した。この溶液をKBr板にスピンコートし、室温で30分、更に減圧して30分乾燥させた。乾燥させた被膜に、光源として、250W超高圧水銀灯(照度:6mW/cm、波長:254nm)を使用して、30分間照射を行った(1回目)。この1回目の照射により、酸発生剤(TPS−TF)から発生した酸によって、化合物(A1−1e)の水酸基が脱保護される量を転化率(%)として評価した。具体的には、IR測定結果において、芳香族炭素−炭素結合に起因する吸収ピーク(1604cm−1付近)を基準として、照射前のエーテル結合に起因する吸収ピーク(1031cm−1付近)に対する照射後のエーテル結合に起因する吸収ピークの減少量から算出した。
その後、1回目と同じ条件で、更に照射及び加熱を行った(2回目)。図4に、照射時間経過による赤外吸収スペクトルの変化(1回目)を示し、図5に、照射時間経過による転化率(%)の変化(1回目)を示す。また、図6に、照射時間経過による赤外吸収スペクトルの変化(2回目)を示し、図7に、照射時間経過による転化率(%)の変化(2回目)を示す。
図4及び図5の結果から、化合物(A1−1e)の水酸基は、1回目の照射開始直後から急速に脱保護され、照射開始後10分で、転化率は飽和(約30%)に達した。なお、照射(露光)後の化合物(A1−1e)は、照射(露光)前には不溶であった現像液(2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液)に、可溶であった。また、図6及び図7の結果から、化合物(A1−1e)の水酸基は、2回目の照射開始直後も急速に脱保護され、照射開始後10分で、転化率は飽和(約35%)に達した。
(実施例6 化合物(A1−1f))
前述の実施例3において、前記化合物(a1−1)5.13g(3mmol:水酸基当量72mmol)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)10.2mL(72mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して1当量)、及びp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)0.54g(2.16mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して3mol%)を用いたこと以外は、化合物(A1−1c)を合成した方法と同様の方法により、生成物(6)を合成した。生成物(6)は、導入率が66%である化合物(A1−1f)であった。
(実施例7 化合物(A1−1g))
前述の実施例3において、前記化合物(a1−1)8.55g(5mmol:水酸基当量120mmol)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)34.0mL(240mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して2当量)、及びp−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)0.90g(3.6mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して3mol%)を用いたこと以外は、化合物(A1−1c)を合成した方法と同様の方法により、生成物(7)を合成した。生成物(7)は、導入率が43%である化合物(A1−1g)であった。
〔溶解性〕
化合物(A1−1f)及び(A1−1g)について、各種溶媒に対する溶解度を測定した。評価結果を表2に、化合物(A1−1e)のものと併せて示す。
〔成膜性〕
また、化合物(A1−1f)及び(A1−1g)を、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に、それぞれ溶解した組成物を調製し、それぞれの組成物を基板上に塗布したところ、両組成物とも膜(レジスト被膜)を形成することが可能であった。
〔熱特性〕
また、化合物(A1−1f)及び(A1−1g)について、熱重量/示差熱同時分析により熱特性を測定した。表3に、化合物(A1−1f)及び(A1−1g)の熱特性測定結果を、化合物(A1−1e)のものと併せて示す。
(実施例8 化合物(A1−2a))
回転子を入れた100mLの二口フラスコ中で、化合物(a1)として、化合物(a1−1)3.414g(2mmol:水酸基当量48mmol)を、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)15mLに懸濁させ、更に撹拌した。その後、化合物(r)として、1−アダマンチルビニルエーテル8.55g(48mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して1当量)をテトラヒドロフラン(THF)5mLに溶解させて、前記二口フラスコ中に添加し、触媒として、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)0.36g(1.44mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して3mol%)を更に添加し、窒素雰囲気下、室温で12時間撹拌して反応させた。反応終了後、トリエチルアミン(TEA)0.56mL(4mmol)を添加した後、クロロホルムで希釈し、飽和重曹水で4回洗浄し、有機層(クロロホルム層)を、無水硫酸マグネシウムを乾燥剤として用いて乾燥させた。乾燥剤(無水硫酸マグネシウム)をろ別し、ろ液を濃縮した。その後、良溶媒としてクロロホルム、貧溶媒としてメタノールをそれぞれ用いて再沈殿させた。再沈殿した沈殿物を回収し、室温で減圧乾燥し、褐色の粉末固体を得た。この粉末固体を生成物(8)とした。収量は2.13gであり、収率は、42%であった。
生成物(8)について、IR、H−NMRにて、構造確認を行った。それぞれの測定結果を図8及び図9にそれぞれ示す。また、GPCによって測定したMwは2320であり、Mw/Mnは1.03であった。
図8のIR測定結果中、主なシグナル(吸収)の帰属を以下に示す。
IR(film,cm−1
3380(νO−H)
2908,2852(νC−H)
1612(νC=C)
1058(νC−O−C)
図9のH−NMR測定結果中、主なピークの帰属を以下に示す。
H−NMR(600MHz,DMSO−d,TMS):δ(ppm)
0.55−2.25(b,257H,H,H,H,H,H,H,H,H,H,H,H,H
3.92−4.84(b,9H,H
5.13−5.95(b,8H,H
5.94−8.26(b,24H,H,H
なお、図9及び上記の帰属結果中の記号(H〜H)は、下記一般式(A1−2’)中の記号と同義である。
(前記式(A1−2’)中、各Rは、下記式(R2’)で表される基を示す。)
(前記式(R2’)中、*は、前記式(R2’)で表される基の結合位置を示す。)
図9のH−NMR測定結果より、R基の導入率は、33%であった。なお、R基の導入率は、芳香族プロトン(H及びH)の積分値を基準として、アセタール残基のメチンプロトン(H)の積分値を用いて算出した。
これらの結果より、生成物(8)は、下記式(A1−2a)で表される化合物(A1−2a)であった。化合物(A1−2a)は、R基の導入率が33%、即ち、下記式(A1−2a)中のRで表される基のうち67%が水素原子であった。
(前記式(A1−2a)中、各Rは、下記式(R2a)で表される基を示す。)
(前記式(R2a)中、*は、前記式(R2a)で表される基の結合位置を示す。)
〔溶解性〕
化合物(A1−2a)について、各種溶媒に対する溶解度を測定した。評価結果を表2に示す。また、化合物(A1−2a)を、溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解した組成物を調製し、この組成物を基板上に塗布したところ、膜(レジスト被膜)を形成することが可能であった。
〔熱特性〕
また、化合物(A1−2a)について、熱重量/示差熱同時分析により熱特性を測定した。図10に、化合物(A1−2a)の熱特性測定結果を示す。
(実施例9 化合物(A1−3a))
回転子を入れた50mLの三口フラスコ中で、化合物(a1)として、化合物(a1−1)1.71g(1mmol:水酸基当量24mmol)を、脱水テトラヒドロフラン(脱水THF)7.2mLに懸濁させ、更に撹拌した。その後、化合物(r)として、n−ブチルビニルエーテル6.2mL(48mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して2当量)、触媒として、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩(PPTS)0.18g(0.72mmol:化合物(a1−1)の水酸基当量に対して3mol%)を更に添加し、窒素雰囲気下、30℃で48時間撹拌して反応させた。反応終了後、トリエチルアミン(TEA)0.28mL(2mmol)を添加した後、クロロホルムで希釈し、飽和重曹水で4回洗浄し、有機層(クロロホルム層)を、無水硫酸マグネシウムを乾燥剤として用いて乾燥させた。乾燥剤(無水硫酸マグネシウム)をろ別し、ろ液を濃縮した。その後、クロロホルムを用いて沈殿させた。上澄みを廃棄した後、沈殿物をテトラヒドロフラン(THF)で希釈し、溶媒(THF)を減圧留去することで、褐色の油上液体を得た。この油状液体を生成物(9)とした。収量は1.46gであり、収率は、42%であった。
生成物(9)について、IR、H−NMRにて、構造確認を行った。それぞれの測定結果から得られたシグナル(吸収)又はピークの帰属をそれぞれ以下に示す。また、GPCによって測定したMwは2861であり、Mw/Mnは1.02であった。
IR(film,cm−1
3392(νO−H)
2598,2934,2872(νC−H)
1608,1581(νC=C)
1030(νC−O−C)
H−NMR(600MHz,CDCl,TMS):δ(ppm)
0.20−2.50(b,292H,H,H,H,H,H
2.79−3.96(b,46H,H
4.20−5.76(b,25H,H,H
5.87−7.79(b,24H,H,H
なお、上記の帰属結果中の記号(H〜H)は、下記一般式(A1−3’)中の記号と同義である。
(前記式(A1−3’)中、各Rは、下記式(R3’)で表される基を示す。)
(前記式(R3’)中、*は、前記式(R3’)で表される基の結合位置を示す。)
H−NMR測定結果より、R基の導入率は、72%であった。なお、R基の導入率は、芳香族プロトン(H及びH)の積分値を基準として、化合物(a1−1)のメチンプロトン(H)、及びアセタール残基のメチンプロトン(H)の積分値の和を用いて算出した。
これらの結果より、生成物(9)は、下記式(A1−3a)で表される化合物(A1−3a)であった。化合物(A1−3a)は、R基の導入率が72%、即ち、下記式(A1−3a)中のRで表される基のうち28%が水素原子であった。
(前記式(A1−3a)中、各Rは、下記式(R3a)で表される基を示す。)
(前記式(R3a)中、*は、前記式(R3a)で表される基の結合位置を示す。)
本発明のカリックスアレーン系化合物は、化学増幅型のポジ型レジスト膜を成膜可能な感放射線性組成物に含有される基材成分の原料として有用である。

Claims (4)

  1. 下記一般式(A1)又は下記一般式(A2)で表されるカリックスアレーン系化合物。
    (前記一般式(A1)及び(A2)中、各Rは、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(R)で表される基を示し、各Xは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いメチレン基、又は置換基を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基を示す。但し、一化合物が有する24個のRのうち少なくとも1個のRは下記一般式(R)で表される基である。)
    (前記一般式(R)中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基を示し、*は前記一般式(R)で表される基の結合位置を示す。)
  2. 前記一般式(A1)中の前記24個のRのうち少なくとも1個のRが、下記一般式(R−1)で表される化合物、又は前記一般式(A2)中の前記24個のRのうち少なくとも1個のRが、下記一般式(R−1)で表される化合物である請求項1に記載のカリックスアレーン系化合物。
    (前記一般式(R−1)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基を示し、*は前記一般式(R−1)で表される基の結合位置を示す。但し、前記Rで示される基は置換基を有していても良い。)
  3. 下記一般式(a1)で表される化合物(a1)及び下記一般式(a2)で表される化合物(a2)の少なくとも一方と、下記一般式(r)で表される化合物(r)と、を反応させてカリックスアレーン系化合物を合成する工程を備えるカリックスアレーン系化合物の製造方法。
    (前記一般式(a1)及び(a2)中、各Xは、それぞれ独立に、置換基を有していても良いメチレン基、又は置換基を有していても良い炭素数2〜8のアルキレン基を示す。前記一般式(r)中、Rは、置換基を有していても良い炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)
  4. 前記化合物(r)として、下記一般式(r−1)で表される化合物(r−1)を用いる請求項3に記載のカリックスアレーン系化合物の製造方法。
    (前記一般式(r−1)中、Rは、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20の有橋脂環式炭化水素基を示す。但し、前記Rで示される基は置換基を有していても良い。)
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