JP2011225056A - 操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラック軸に入力される外乱が、中立位置にあるステアリングホイールに伝達されることを、簡単な構造で抑制できる操舵装置を提供することを課題とする。
【解決手段】ステアリングホイールの操舵角が、中立位置を含む第1所定操舵角範囲内にあるときにピニオン軸4の回転運動をラック軸8の直線運動に変換する補助変換機構40と、ステアリングホイールの操舵角が、中立位置を含まない第2所定操舵角範囲内にあるときにピニオン軸4の回転運動をラック軸8の直線運動に変換する、ピニオン4aとラック歯8aからなるラックアンドピニオン機構と、を備え、補助変換機構40は、ラック軸8に入力される外乱がピニオン軸4に伝達されることを抑制するように構成される操舵装置とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ステアリングホイールの回転運動をラック軸の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構を含む操舵装置に関する。
運転者が操舵するステアリングホイールの回転運動を、転舵輪を転舵するラック軸の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構を有する操舵装置を備える車両は広く知られている。
ラックアンドピニオン機構は、構造が簡単であるという利点の反面、路面からの外乱(車体流れ、シミー、トルクステア、ハンドル取られ)がステアリングホイールに伝達されやすいという問題がある。
これらの外乱の多くは、車両の直進時に発生することから、特に、ステアリングホイールが中立位置にあって車両が直進するときに、路面からの外乱がステアリングホイールに伝達されることを抑制できる構造が好ましい。
例えば特許文献1には、外乱の大きさに応じてステアリングホイールと転舵装置を連結する電磁クラッチの係合力を調整し、外乱がステアリングホイールに伝達されないように構成されたステアリングシステムの技術が開示されている。
また、特許文献2には、外乱検出センサが検出する外乱の大きさに応じて、ラック軸をピニオンに押し付ける押圧力を調節し、外乱がステアリングホイールに伝達されないように構成されたパワーステアリング装置の技術が開示されている。
また、特許文献3には、操舵力伝達機構に加わる振動を弾性部材で吸収する電動パワーステアリング装置の技術が開示されている。
特開2007−161210号公報 特開2008−265648号公報 特開2008−94121号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、ステアリングホイールと転舵装置の間に配設される電磁クラッチ、外乱を検出するための加速度センサ等を備える必要があり、構造が複雑になる。
また、特許文献2に開示される技術では、ラック軸をピニオンに押し付けるラックガイド、ラックガイドがラック軸をピニオンに押し付ける押圧力を調節する調節ボルト等を備える必要があり、構造が複雑になる。
また、特許文献3に開示される技術では、操舵力伝達機構のラック軸を左右方向に移動させる外力を吸収することができない。
さらに、特許文献1に開示されるステアリングシステム、特許文献2に開示されるパワーステアリング装置ともに、電気的に検出された外乱の大きさに応じて制御装置がそれぞれの調節器(特許文献1では電磁クラッチ、特許文献2では調節ボルト)を制御する構成であることから、各調節器を制御する制御装置を備える必要がある。したがって、その制御装置が実行するプログラムを設計する設計工数が必要になる。
このように、特許文献1および特許文献2に開示される技術は、構造が複雑になるという点、設計工数が増えるという点に改善の余地がある。
また、特許文献3に開示される技術は、ラック軸に入力される外乱がステアリングホイールに伝達されることを抑制できないという点に改善の余地がある。
そこで、本発明は、ラック軸に入力される外乱が、中立位置にあるステアリングホイールに伝達されることを、簡単な構造で抑制できる操舵装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の請求項1は、ステアリングホイールとともに回転するピニオン軸の回転運動をラック軸の軸方向の直線運動に変換して転舵輪を転舵する操舵装置とする。そして、前記ステアリングホイールの操舵角が、中立位置を含む第1所定操舵角範囲内にあるときに前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する第1変換機構と、前記ステアリングホイールの操舵角が、前記中立位置を含まない第2所定操舵角範囲内にあるときに前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する第2変換機構と、を有し、前記第1変換機構は、前記転舵輪から前記ラック軸に入力される外乱が前記ピニオン軸に伝達されることを抑制するように構成されることを特徴とする。
請求項1の発明によると、ステアリングホイールの操舵角が中立位置を含んだ第1所定操舵角範囲内にある場合、転舵輪からラック軸に入力される外乱がピニオン軸に伝達することを抑制できる。
したがって、ステアリングホイールが中立位置にあるときに、ステアリングホイールに外乱が伝達されることを抑制できる。
また、本発明の請求項2は請求項1に記載の操舵装置であって、前記第1変換機構は、前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する効率が、前記直線運動を前記ピニオン軸の回転運動に変換する効率より高いことを特徴とする。
請求項2の発明によると、第1変換機構は、ラック軸の直線運動をピニオン軸の回転運動に変換する効率が低くなり、ラック軸の直線運動をピニオン軸の回転運動に効率よく変換できない。したがって、外乱によるラック軸の直線運動によってピニオン軸に回転運動が発生することを抑制できる。
また、本発明の請求項3は請求項1または請求項2に記載の操舵装置であって、前記第1所定操舵角範囲と前記第2所定操舵角範囲が重複する範囲を有することを特徴とする。
請求項3の発明によると、ステアリングホイールの操舵角が第1所定操舵角範囲と第2所定操舵角範囲の変更点にあるとき、ピニオン軸の回転を第1変換機構と第2変換機構の少なくとも1つによってラック軸の直線運動に変換できる。
したがって、ピニオン軸の回転運動がラック軸の直線運動に変換されない状態を回避できる。
また、本発明の請求項4は請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操舵装置であって、前記第1変換機構は、前記ピニオン軸に同期して回転する伝達部材に形成されるウォームギヤと、前記ラック軸に形成されるギヤと、が噛合して構成されるウォームギヤ機構を有し、前記ピニオン軸の回転運動が前記ウォームギヤ機構によって前記直線運動に変換されることを特徴とする。
請求項4の発明によると、第1変換機構は、ピニオン軸の回転運動をウォームギヤ機構でラック軸の直線運動に変換できる。したがって、ラック軸の直線運動がピニオン軸の回転運動に変換されることが抑制され、外乱によるラック軸の直線運動によってピニオン軸に回転運動が発生することを抑制できる。
また、本発明の請求項5は請求項4に記載の操舵装置であって、前記ピニオン軸と前記伝達部材は、1対のギヤが噛合する歯車機構を介して連結され、前記歯車機構は、交差軸歯車を用いた交差軸歯車機構または食い違い軸歯車を用いた食い違い軸歯車機構のいずれか一方であることを特徴とする。
請求項5の発明によると、ピニオン軸と伝達部材を交差軸歯車を用いた交差軸歯車機構または食い違い軸歯車を用いた食い違い軸歯車機構のいずれか一方で連結できる。
また、本発明の請求項6は請求項5に記載の操舵装置であって、前記交差軸歯車はかさ歯車であり、前記食い違い軸歯車はハイポイドギヤであることを特徴とする。
請求項6の発明によると、かさ歯車で交差軸歯車を構成し、ハイポイドギヤで食い違い軸歯車を構成できる。
また、本発明の請求項7は請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の操舵装置であって、前記第2変換機構は、ラックアンドピニオン機構を含んで構成されることを特徴とする。
請求項7の発明によると、ラックアンドピニオン機構を有する第2変換機構を備えることができる。
本発明によると、ラック軸に入力される外乱が、中立位置にあるステアリングホイールに伝達されることを、簡単な構造で抑制できる操舵装置を提供できる。
本実施形態に係る操舵装置の構成を示す断面図である。 補助変換機構の構成例を示す断面図であり、(a)は、ピニオン軸の側から補助変換機構を見た図、(b)は、図2の(a)のA方向から補助変換機構を見た図である。 (a)は、操舵角が第1所定操舵角範囲内にある状態を示す図、(b)は、操舵角が第1所定操舵角範囲と第2所定操舵角範囲が重複する範囲内にある状態を示す図、(c)は、操舵角が第2所定操舵角範囲内にある状態を示す図である。 ピニオン軸と伝達部材がハイポイドギヤで連結された補助変換機構を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る操舵装置1は、例えば電動パワーステアリング装置であって、ステアリングホイール20が取り付けられるピニオン軸4の回転運動をラック軸8の直線運動に変換する。
ラック軸8は、図示しない車両の左右方向(図1の左右方向)に延びるラックハウジング17内で軸方向に左右動(直線運動)するように備わっている。ラック軸8の両端部にはタイロッド16,16が備わり、ラック軸8の直線運動がタイロッド16,16によって転舵輪2,2の転舵運動に変換されて、転舵輪2,2が転舵する。また、ラックハウジング17の両端部はブーツ15,15によって閉塞され、ラックハウジング17の内部に水、埃等の異物が入り込むことを防止する構造となっている。
また、操舵装置1が電動パワーステアリング装置の場合、補助操舵力を発生してステアリングホイール20の回転をアシストする電動機7が備わり、制御装置10によって制御される。そして、電動機7の出力軸には、ピニオン軸4に備わるウォームホイール11と噛合するウォームギヤ13が取り付けられ、電動機7の回転駆動によってピニオン軸4にトルク(補助トルク)を付与するように構成される。なお、制御装置10による電動機7の制御は公知の技術であり詳細な説明は省略する。
ピニオン軸4の、例えば先端部には、ラック軸8に形成されるラック歯8aと噛合するピニオン4aが形成され、ピニオン軸4の回転運動をラック軸8の軸方向の直線運動に変換するラックアンドピニオン機構が構成される。このラックアンドピニオン機構によって、ピニオン軸4が回転するとラック軸8が左右動する。以下、ラック軸8のラック歯8aとピニオン軸4のピニオン4aが噛合する部分をギヤボックス6と称する。すなわち、本実施形態に係るギヤボックス6は、ラック軸8、ラック歯8a、ピニオン軸4、ピニオン4aを含んで構成される。
また、図2の(a)に示すように、本実施形態に係るギヤボックス6には、ラック軸8が基準位置にあるときに、ピニオン軸4の回転運動をラック軸8の軸方向の直線運動に変換してラック軸8を左右動させる第1変換機構として、補助変換機構40が備わっている。なお、ラック軸8の基準位置は、車両を直進させる状態に転舵輪2,2(図1参照)を設定するときのステアリングホイール20(図1参照)の位置(中立位置)に対応するラック軸8の位置(左右位置)、およびその近傍の位置とする。また、近傍の位置とは、例えば、図示しない車両がわずかに旋回する状態に転舵輪2,2を設定するときのラック軸8の位置まで基準位置に含めることを示し、車両に求められる操作性能等を考慮して適宜設定されることが好ましい。
そして、ラック軸8が基準位置にあるときのステアリングホイール20(図1参照)の操舵角範囲を、第1所定操舵角範囲と称する。換言すると、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあるとき、ピニオン軸4の回転運動が補助変換機構40で直線運動に変換される位置にラック軸8が移動される。つまり、第1所定操舵角範囲は、ピニオン軸4の回転運動を補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換する操舵角の範囲になる。
また、本実施形態に係るギヤボックス6は、ラック軸8が基準位置にあるとき、すなわち、ステアリングホイール20(図1参照)の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあるとき、ピニオン軸4の回転運動がラックアンドピニオン機構によってラック軸8の直線運動に変換されないように構成されている。
例えば、ラック軸8が基準位置にあるときにピニオン4aが接する部分に、ラック歯8aが形成されないように構成される。
さらに、ラック軸8が基準位置以外にあるとき、ピニオン軸4の回転運動は、補助変換機構40によってラック軸8の直線運動に変換されず、ラックアンドピニオン機構によってラック軸8の直線運動に変換されるように構成される。
この構成によると、ステアリングホイール20(図1参照)の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあってラック軸8が基準位置にあるときは、ピニオン軸4の回転運動が補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換され、ラック軸8が基準位置以外にあるとき、つまり、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲外にあるときは、ピニオン軸4の回転運動がラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換される。
なお、ピニオン4aがラック歯8aと噛合して形成される変換機構(ラックアンドピニオン機構)は、特許請求の範囲の第2変換機構に相当する。
図2の(a)、(b)に示すように、補助変換機構40は、ピニオン軸4のラック軸8側の端部に取り付けられる補助ギヤ41と、補助ギヤ41と噛合するギヤ部42aを有してピニオン軸4の回転と同期して回転する伝達部材42とを含んで構成され、ピニオン軸4と伝達部材42は、補助ギヤ41とギヤ部42aからなる歯車機構を介して連結される。さらに、図2の(b)に示すように、伝達部材42は、その回転軸がラック軸8に対してねじれの位置にあり、胴体部がラック軸8に接するように構成される。
そして、伝達部材42の胴体部に形成されるウォームギヤ42bと噛合するようにラック軸8にギヤ8bを形成してウォームギヤ機構を構成し、伝達部材42の回転運動がウォームギヤの原理によってラック軸8の軸方向の直線運動に変換されるように構成される。
この構成によると、ウォームギヤの特性によって、伝達部材42の回転運動、すなわち、ピニオン軸4の回転運動は、不可逆的にラック軸8の直線運動(左右動)に変換され、ラック軸8の直線運動がピニオン軸4の回転運動に変換されることが抑制される。
つまり、ピニオン軸4の回転運動をラック軸8の直線運動に変換する効率を、ラック軸8の直線運動をピニオン軸4の回転運動に変換する効率より大きくすることができる。したがって、補助変換機構40は、転舵輪2,2(図1参照)からラック軸8に入力される外乱でピニオン軸4に回転運動が発生することを好適に抑制できる。
また、ピニオン軸4に取り付けられる補助ギヤ41と伝達部材42が有するギヤ部42aは、例えば、ともにかさ歯車であって、ピニオン軸4の回転運動が伝達部材42に伝達される構成が好適である。なお、伝達部材42は、例えば、ラックハウジング17に回転自在に支持される。また、補助ギヤ41とギヤ部42aがともにかさ歯車の場合、互いの回転軸が交差する交差軸歯車であり、交差軸歯車機構を構成する。
図3は、本実施形態に係るギヤボックスの構造を模式的に示した図であり、(a)は、ラック軸が基準位置にある状態、(b)は、ラック軸が基準位置より少し右に移動した状態、(c)は、ラック軸8が、さらに右方向に移動した状態をそれぞれ示している。
図3の(a)に示すように、ラック軸8が基準位置にある場合、つまり、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内にある場合、ピニオン4aは、ラック歯8aが形成されない位置でピニオン軸8と接する。したがって、ピニオン4aとラック歯8aが噛合せず、ラック軸4の回転運動はラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換されない。
一方、補助変換機構40の伝達部材42に形成されるウォームギヤ42bが、ラック軸8に形成されるギヤ8bと噛合する。そして、ピニオン軸4の回転運動が伝達部材42に伝達されてラック軸8の直線運動に変換され、ラック軸8がピニオン軸4の回転運動にともなって左右動する。
したがって、運転者が、ステアリングホイール20を操舵するとラック軸8が左右動して、転舵輪2,2(図1参照)が転舵する。
例えば、路面からの外乱(車体流れ、シミー、トルクステア、ハンドル取られ)が転舵輪2,2(図1参照)を介してラック軸8に入力された場合、ラック軸8が基準位置にあるときには、伝達部材42を介してピニオン軸4に外乱が伝達される。しかしながら、伝達部材42とラック軸8は、ウォームギヤ42bとギヤ8bによってウォームギヤ機構を構成していることから、ラック軸8を左右動させる外乱が入力されてもピニオン軸4が回転することがない。したがって、外乱によるラック軸8の左右動を、ウォームギヤ機構の不可逆性で抑制する構成となり、ラック軸8に入力される外乱がピニオン軸4に伝達されることを抑制できる。
つまり、基準位置にあるラック軸8に左右動(直線運動)を発生させる外乱が入力された場合、伝達部材42とラック軸8で構成されるウォームギヤ機構を有する補助変換機構40が、ピニオン軸4に回転運動が発生することを好適に抑制する。さらに、ラック軸8に発生する左右動をウォームギヤ機構の不可逆性で抑制し、ピニオン軸4に外乱が伝達されることを抑制する。したがって、ラック軸8に入力される外乱によるステアリングホイール20の回転が抑制されるとともにラック軸8の左右動がピニオン軸4に吸収され、運転者が、ステアリングホイール20を介して感じる外乱を軽減できる。
ラック軸8が基準位置にあるとき、すなわち、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあるときに、図3の(b)に破線の矢印で示すように運転者がステアリングホイール20を右に少し操舵すると、ピニオン軸4の回転運動が補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換されてラック軸8は矢印で示すように右方向に移動する。そして、ラック歯8aがピニオン4aの位置まで移動すると、ラック歯8aとピニオン4aが噛合する。
このとき、伝達部材42のウォームギヤ42bとラック軸8のギヤ8bの噛合が維持されるように構成すると、ピニオン軸4とラック軸8は、ピニオン4aとラック歯8aの噛合、またはウォームギヤ42bとギヤ8bの噛合の少なくとも一方を確保することができる。
換言すると、ピニオン軸4の回転運動がラック軸8の直線運動に変換されない状態(空転状態)になることが回避され、ピニオン軸4の回転運動を常にラック軸8の直線運動に変換させることができる。このように、ピニオン4aとラック歯8aが噛合するとともに伝達部材42のウォームギヤ42bとラック軸8のギヤ8bが噛合する状態を、中間状態と称する。
また、ラック歯8aとピニオン4aが噛合する位置にラック軸8があるときのステアリングホイール20の操舵角の範囲を、第2所定操舵角範囲と称する。
換言すると、ステアリングホイール20の操舵角が第2所定操舵角範囲内にあるとき、ピニオン4aとラック歯8aが噛合することになる。したがって、第2所定操舵角範囲は、ピニオン軸4の回転運動をラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換する操舵角の範囲になる。
なお、前記したように、第1所定操舵角範囲は、ピニオン軸4の回転運動を補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換する操舵角の範囲であり、第2所定操舵角範囲は、ピニオン軸4の回転運動をラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換する操舵角の範囲であることから、ピニオン4aとラック歯8aが噛合するとともに伝達部材42のウォームギヤ42bとラック軸8のギヤ8bが噛合する中間状態で、第1所定操舵角範囲と第2所定操舵角範囲が重複する。
さらに運転者がステアリングホイール20を右方向に操舵すると、図3の(c)に示すようにラック軸8がさらに右に移動し、伝達部材42のウォームギヤ42bとラック軸8のギヤ8bの噛合が解除され、ピニオン軸4の回転運動がラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換されてラック軸8は右方向に移動する。
その後、運転者がステアリングホイール20を右方向に操舵すると、ピニオン4aとラック歯8aの噛合によってラック軸8が右方向に移動する。
一方、ステアリングホイール20が右方向に操舵されて操舵角が第2所定操舵角範囲内にある状態から、運転者がステアリングホイール20を左方向に操舵する(ステアリングホイール20を戻す)と、ラック軸8は左方向に移動し、図3の(b)に示すように、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内に入ると、伝達部材42のウォームギヤ42bがラック軸8のギヤ8bと噛合する。さらに運転者が、ステアリングホイール20を左方向に操舵すると、ピニオン軸4の回転運動が補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換され、ラック軸8がさらに左方向に移動する。
このように、本実施形態に係るギヤボックス6は、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあるときは、ピニオン軸4の回転運動を補助変換機構40でラック軸8の直線運動に変換し、ステアリングホイール20の操舵角が第2所定操舵角範囲内にあるときは、ピニオン軸4の回転運動をラックアンドピニオン機構でラック軸8の直線運動に変換するように構成される。
そして、補助変換機構40をウォームギヤ機構で構成し、ステアリングホイール20の操舵角が第1所定操舵角範囲内にあるときは、ラック軸8に入力される外乱でラック軸8が左右動することを防止してピニオン軸4の回転を防止するように構成される。この構成によって、ステアリングホイール20が中立位置にあって図示しない車両が直進しているとき、運転者がステアリングホイール20を介して受ける外乱を軽減することができ、操舵フィーリングを向上できるという優れた効果を奏する。
なお、図3の(a)〜(c)は、ステアリングホイール20が右方向に操舵された場合を説明したが、ステアリングホイール20が左方向に操舵された場合も同等の効果を得られる。
このように、本実施形態に係る操舵装置1(図1参照)は、センサ等によってステアリングホイール20に入力される外乱を電気的に検出することなく、運転者が感じる外乱を軽減できる。したがって、ステアリングホイール20への外乱の伝達を抑制するための調節器および当該調節器を制御する制御装置を備える必要がなく、簡単な構造で操舵装置1を構成できる。また、調節器を制御する制御装置のプログラムを設計する設計工数を必要としない。
なお、本実施形態に係る補助変換機構40は、図3の(b)に示すように、ピニオン4aとラック歯8aが噛合するとともに伝達部材42のウォームギヤ42bとラック軸8のギヤ8bが噛合する状態(中間状態)がある。この状態でピニオン軸4が回転したとき、ピニオン4aがラック歯8aを送ることによるラック軸8の移動量と、伝達部材42のウォームギヤ42bがラック軸8のギヤ8bを送ることによるラック軸8の移動量と、が異なるとラック軸8が滑らかに動作しない。
そこで、例えば、中間状態のときにピニオン4aが噛合するラック歯8aのピッチを好適に設定し、ラック軸8の滑らかな動作を確保することが好ましい。
従来、基準位置付近のラック軸8の移動量を少なく抑えるため、ラック軸8が基準位置にあるときのピニオン4aとラック歯8aのギヤ比を小さくしたバリアブルギヤレシオの技術が知られている。この技術を適用して、中間状態のときに、ピニオン4aがラック歯8aを送ることによるラック軸8の移動量と、伝達部材42のウォームギヤ42bがラック軸8のギヤ8bを送ることによるラック軸8の移動量が等しくなるように、ラック歯8aのピッチを好適に設定することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。
例えば、図2に示すように、ピニオン軸4と伝達部材42をかさ歯車の補助ギヤ41とギヤ部42aが噛合する構成としたが、図4に示すように、ピニオン軸4の端部にスパイラルベベルギヤ41Hを備え、伝達部材42にはスパイラルベベルギヤ42Hと噛合するウォームギヤ42Hを備えるハイポイドギヤからなる補助変換機構40であってもよい。
ハイポイドギヤの場合、スパイラルベベルギヤ41Hとウォームギヤ42Hは、互いの回転軸が平行でなく、かつ、交差しないように配置されることから、スパイラルベベルギヤ41Hとウォームギヤ42Hは食い違い軸歯車となり、食い違い軸歯車機構を構成する。ハイポイドギヤの場合、スパイラルベベルギヤ41Hとウォームギヤ42Hの配置の自由度がかさ歯車より大きく、補助変換機構40の設計自由度が向上する。
また、本発明は、電動パワーステアリング装置で構成される操舵装置1(図1参照)に限定されず、油圧式パワーステアリング装置で構成される操舵装置1、パワーステアリングの機能を備えない操舵装置1にも適用できる。
1 操舵装置
2 転舵輪
4 ピニオン軸
4a ピニオン(第2変換機構)
8 ラック軸
8a ラック歯(第2変換機構)
8b ギヤ(ウォームギヤ機構)
20 ステアリングホイール
40 補助変換機構(第1変換機構)
42 伝達部材
42b ウォームギヤ(ウォームギヤ機構)

Claims (7)

  1. ステアリングホイールとともに回転するピニオン軸の回転運動をラック軸の軸方向の直線運動に変換して転舵輪を転舵する操舵装置であって、
    前記ステアリングホイールの操舵角が、中立位置を含む第1所定操舵角範囲内にあるときに前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する第1変換機構と、
    前記ステアリングホイールの操舵角が、前記中立位置を含まない第2所定操舵角範囲内にあるときに前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する第2変換機構と、を有し、
    前記第1変換機構は、前記転舵輪から前記ラック軸に入力される外乱が前記ピニオン軸に伝達されることを抑制するように構成されることを特徴とする操舵装置。
  2. 前記第1変換機構は、
    前記ピニオン軸の回転運動を前記直線運動に変換する効率が、前記直線運動を前記ピニオン軸の回転運動に変換する効率より高いことを特徴とする請求項1に記載の操舵装置。
  3. 前記第1所定操舵角範囲と前記第2所定操舵角範囲が重複する範囲を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操舵装置。
  4. 前記第1変換機構は、
    前記ピニオン軸に同期して回転する伝達部材に形成されるウォームギヤと、前記ラック軸に形成されるギヤと、が噛合して構成されるウォームギヤ機構を有し、
    前記ピニオン軸の回転運動が前記ウォームギヤ機構によって前記直線運動に変換されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の操舵装置。
  5. 前記ピニオン軸と前記伝達部材は、1対のギヤが噛合する歯車機構を介して連結され、
    前記歯車機構は、交差軸歯車を用いた交差軸歯車機構または食い違い軸歯車を用いた食い違い軸歯車機構のいずれか一方であることを特徴とする請求項4に記載の操舵装置。
  6. 前記交差軸歯車はかさ歯車であり、前記食い違い軸歯車はハイポイドギヤであることを特徴とする請求項5に記載の操舵装置。
  7. 前記第2変換機構は、ラックアンドピニオン機構を含んで構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013166440A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Suzuki Motor Corp 車両用冷却水配管の配置構造

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