JP2011222128A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命特性および歩留まりを向上させることが可能な二次電池を提供する。
【解決手段】このリチウムイオン二次電池(二次電池)100は、正極活物質層12を含む正極10と、負極活物質層22を含み、セパレータ30を挟んで正極10と対向するように配された負極20とを有する電極群40と、正極10および負極20と接続される集電部材50と、電極群40および集電部材50を非水電解液とともに封入する金属製の外装容器60とを備えている。外装容器は、外装缶70と外装缶70を封口する封口板80とを含んで構成されている。そして、上記外装缶70と封口板80とによって集電部材50に押圧力が加えられており、この集電部材50を介して、電極群40(正極10、負極20)が、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加えられていない状態で外装容器60内に固定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池に関する。
近年、民生用の携帯電話機やポータブル電子機器、携帯情報端末などの急速な小型軽量化および多機能化に伴い、その電源である電池に対して、小型軽量で高エネルギー密度かつ長期間繰り返し充放電が可能な二次電池の開発が強く要求されている。これらの要求を満たす二次電池として、他の二次電池に比べてエネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池が最も有望であり、より優れたリチウムイオン二次電池を開発すべく、種々の研究が推進されている。
また、近年では、地球温暖化などの環境問題を踏まえて、電力貯蔵用途にリチウムイオン二次電池が利用されるようになってきている。さらに、二酸化炭素(CO2)削減やエネルギー問題への対策として、低燃費で低排気ガスのハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(EV:Electric Vehicle)の普及に期待が高まっており、車載用電池をターゲットにしたリチウムイオン二次電池の開発および製品化も進められている。
このようなリチウムイオン二次電池は、一般的に、正極活物質層が形成された正極と負極活物質層が形成された負極とが、セパレータを挟んで対向するように配された状態で外装体(収納容器)内に収納された後、非水電解液が注液されることにより形成されている。そして、正極と負極との間でリチウムイオンを移動させることにより充放電が行われる。なお、このようなリチウムイオン二次電池の一例が、たとえば、特許文献1に記載されている。
特許登録第3482604号公報
上記のように、リチウムイオン二次電池は、携帯電話機などの携帯機器のみならず、電気自動車などの大型の動力用としての需要も高まっている。そして、リチウムイオン二次電池の需要の高まりに伴い、大容量、かつ、500サイクル以上といった長い寿命が求められるようになってきている。また、低価格への要求も高まっており、高い歩留まりが求められている。
しかしながら、このようなリチウムイオン二次電池では、充放電時における活物質層の膨張収縮によって、活物質層からの活物質の剥離や脱落により内部短絡が発生する場合があり、この内部短絡の発生により電池寿命が低下するという不都合が生じる。これにより、寿命特性や信頼性が低下するという問題が生じる。
また、電池製造時において内部短絡が発生した場合には、歩留まりが低下するという問題が生じる。リチウムイオン二次電池の大容量化を図ろうとした場合、高価な正極活物質や電解液などを非常に多く使用するため、歩留まりの低下により、製品価格の上昇を招く。このため、リチウムイオン二次電池における製造歩留まりの向上は、非常に重要である。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、歩留まりを向上させることが可能な二次電池を提供することである。
この発明のもう1つの目的は、寿命特性に優れた信頼性の高い二次電池を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による二次電池は、活物質層を含む電極と、電極を収納する収納容器と収納容器を封口する封口体とを含む外装容器とを備えている。そして、電極が、活物質層に押圧力が加えられていない状態で、外装容器内に固定されている。
この一の局面による二次電池では、上記のように、電極の活物質層に押圧力を加えないようにすることによって、電極にバリ突起などが発生している場合でも、バリ突起などが発生している部分には押圧力が加わらないので、バリ突起などに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。このため、電池組立時における内部短絡の発生を抑制することができる。これにより、歩留まりを向上させることができる。また、歩留まりを向上させることによって、大容量の二次電池を製造する際に、容易に、製品価格の低減を図ることができる。
また、一の局面では、活物質層に押圧力が加えられていない状態で、電極を外装容器内に固定することによって、電極の位置ずれを抑制することができる。これにより、サイクル特性を向上させることができる。したがって、上記のように構成することにより、寿命特性および信頼性を向上させることができる。
さらに、一の局面では、上記のように構成することによって、活物質層の縁部に押圧力が加わらないように構成することができるので、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時において、電極の縁部(端部)で内部短絡(微小短絡)が生じるのを抑制することができる。したがって、これによっても、サイクル特性を向上させることができる。加えて、信頼性を向上させることもできる。
上記一の局面による二次電池において、好ましくは、電極と接続される集電部材をさらに備え、集電部材を介して、上記電極が外装容器内に固定されている。このように構成すれば、容易に、活物質層に押圧力が加えられていない状態で、外装容器内に電極を固定することができる。
この場合において、好ましくは、収納容器および封口体によって、集電部材に押圧力が加えられている。このように構成すれば、容易に、集電部材を固定することができるので、集電部材を介して、容易に、上記電極を外装容器内に固定することができる。
上記一の局面による二次電池において、好ましくは、電極は、正極集電体とこの正極集電体上に形成された正極活物質層とを有する正極と、負極集電体とこの負極集電体上に形成された負極活物質層とを有するとともに正極と対向するように配された負極とを含み、正極および負極が、それぞれ、正極活物質層および負極活物質層に押圧力が加えられていない状態で、外装容器内に収納されている。
この場合において、好ましくは、電極と接続される集電部材を備え、この集電部材が、正極集電体と接続される第1集電部材と、負極集電体と接続される第2集電部材とを含み、収納容器および封口体によって、第1集電部材および第2集電部材のそれぞれに押圧力が加えられている。このように構成すれば、活物質層に押圧力が加わるのを抑制しながら、効果的に、正極および負極の位置ずれを抑制することができる。これにより、効果的に、サイクル特性を向上させることができるとともに、効果的に、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記正極および負極を備えた構成において、正極集電体および負極集電体は、それぞれ、正極活物質層および負極活物質層が形成されずに露出された集電体露出部を有し、収納容器および封口体によって、集電体露出部に押圧力を加えるように構成してもよい。このように構成した場合でも、活物質層に押圧力が加わるのを抑制しながら、効果的に、正極および負極の位置ずれを抑制することができる。
上記正極および負極を備えた構成において、正極と負極との間に配されるセパレータをさらに備え、正極、セパレータおよび負極が順次積層されることによって積層体が構成されているのが好ましい。このように構成すれば、寿命特性に優れた信頼性の高い積層型の二次電池を高い歩留まりで得ることができる。
この場合において、好ましくは、積層体は、正極および負極をそれぞれ複数有し、正極および負極が交互に積層されている。このように構成すれば、積層型二次電池の大容量化を容易に図ることができる。
上記正極および負極と接続される集電部材を備えた構成において、好ましくは、正極集電体および負極集電体は、それぞれ、正極活物質層および負極活物質層が形成されずに露出された集電体露出部を有し、集電部材は、集電体露出部と接続される櫛歯状の接続片を含む。このように構成すれば、容易に、集電部材を電極に接続することができるので、集電部材を介して、容易に、上記電極を外装容器内に固定することができる。これにより、より容易に、活物質層に押圧力が加えられていない状態で、外装容器内に電極を固定することができる。その結果、活物質層に押圧力が加わるのを抑制しながら、より効果的に、正極および負極の位置ずれを抑制することができる。
上記一の局面による二次電池において、収納容器および封口体は、それぞれ、金属材料から構成することができる。
上記一の局面による二次電池において、電極と接続される集電部材を備え、電極は、封口体と対向するように配されているとともに、収納容器は、電極と対向する底面部を含むように構成されているのが好ましい。この場合、封口体および収納容器の底面部の少なくとも一方には、集電部材に向かって突出する凸部が形成されているのが好ましい。このように構成すれば、上記凸部によって、集電部材を押圧し易くすることができる。このため、上記凸部で集電部材を押圧することによって、集電部材を容易に固定することができるので、集電部材を介して、容易に、上記電極を外装容器内に固定することができる。
上記一の局面による二次電池において、好ましくは、収納容器および封口体の少なくとも一方は、その電池内部側の面に高分子ラミネート材がコーティングされている。なお、高分子ラミネート材によるコーティングは、電池内部側および電池外部側の両面に施されていてもよい。
上記一の局面による二次電池において、好ましくは、収納容器は、角形に形成されているとともに、最も面積の大きい面が底面部となっており、上記電極が、底面部と対向するように、収納容器内に配されている。このように構成すれば、容易に、大容量の角形二次電池を得ることができる。また、このように構成すれば、収納容器に電極(正極および負極)を収納する際の作業性を改善することができる。
以上のように、本発明によれば、歩留まりを向上させることが可能な二次電池を容易に得ることができる。
また、本発明によれば、寿命特性に優れた信頼性の高い二次電池を容易に得ることができる。
本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の全体斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の正極の構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の構成を示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の負極の構成を示した平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の構成を示した断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の断面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を示した断面図(集電部材が取り付けられた状態の図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群と集電部材とを模式的に示した斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の斜視図(封口板を取り付ける前の状態を示した図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の外装缶の斜視図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の外装缶の平面図である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図(図3のA−A線に沿った断面図)である。 本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した側面図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 第1実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の断面図である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した側面図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図である。 第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した側面図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の断面図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の分解斜視図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を示した分解斜視図である。 本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 第3実施形態の第1変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 第3実施形態の第2変形例によるリチウムイオン二次電池の集電部材の平面図である。 図31のB方向の側面図である。 本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図(集電部材が接続された状態の電極群を模式的に示した図)である。 本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図(集電部材が接続された状態の電極群の一部を示した図)である。 本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を示した分解斜視図(集電部材が接続された状態の電極群の一部を示した図)である。 第4実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図(集電部材が接続された状態の電極群の一部を示した図)である。 本発明の第5実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。 本発明の第5実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図(集電タブが取り付けられた状態の電極群の一部を示した図)である。 実施例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。 実施例2によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。 比較例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、二次電池の一例である積層型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1および図2は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の全体斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池の平面図である。図5〜図18は、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池を説明するための図である。なお、図4では、リチウムイオン二次電池の内部がわかるように、本来設けられている封口板80を取り除いた状態を示している。まず、図1〜図18を参照して、本発明の第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100について説明する。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、図1〜図4に示すように、角形扁平形状(図3参照)を有しており、正極10(図1参照)および負極20(図1参照)を含む電極群40(図1および図2参照)と、正極10および負極20と接続される集電部材50と、電極群40および集電部材50を非水電解液とともに封入する金属製の外装容器60とを備えている。なお、正極10および負極20は、それぞれ、本発明の「電極」の一例である。
電極群40は、図1および図5に示すように、正極10と負極20との短絡を抑制するためのセパレータ30をさらに備えている。そして、正極10および負極20が、セパレータ30を挟んで互いに対向するように配されている。また、電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30をそれぞれ複数備えており、正極10、セパレータ30および負極20が順次積層されることによって、積層構造(積層体40a)に構成されている。なお、正極10および負極20は、1つずつ交互に積層されている。また、上記電極群40は、隣り合う2つの負極20の間に、1つの正極10が位置するように構成されている。さらに、上記電極群40における最も外側には、セパレータ30が配されている。
具体的には、上記電極群40は、たとえば、正極10を24枚、負極20を25枚、セパレータ30を50枚含んで構成されており、正極10および負極20がセパレータ30を挟んで交互に積層されている。
電極群40を構成する正極10は、図6および図7に示すように、正極集電体11の両面に、正極活物質層12が担持された構成を有している。
正極集電体11は、正極活物質層12の集電を行う機能を有している。この正極集電体11は、たとえば、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄などの金属箔、または、これらの合金からなる合金箔から構成されており、約1μm〜約500μm(たとえば約20μm)の厚みを有している。なお、正極集電体11は、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔が好ましく、その厚みは、20μm以下であるのが好ましい。
また、正極集電体11は、上記以外に、たとえば、導電性および耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いてもよい。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。また、銅とアルミニウムのクラッド材、ステンレス鋼とアルミニウムのクラッド材、あるいは、これらの金属を組み合わせたメッキ材などを用いてもよい。2つ以上の金属箔を貼り合わせた集電体を用いることもできる。さらに、上記正極集電体11は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
正極活物質層12は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる正極活物質を含んで構成されている。正極活物質としては、たとえば、リチウムを含有した酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoO2、LiFeO2、LiMnO2、LiMn24、および、これら酸化物中の遷移金属を一部他の金属元素で置換した化合物などが挙げられる。中でも、通常の使用において、正極が保有するリチウム量の80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質に用いるのが好ましい。それにより過充電などの事故に対する二次電池の安全性を高めることが可能となる。このような正極活物質としては、たとえば、LiMn24のようなスピネル構造を有する化合物や、LiMPO4(Mは、Co、Ni、Mn、Feから選択される少なくとも1種以上の元素)で表されるオリビン構造を有する化合物などが挙げられる。中でも、MnおよびFeの少なくとも一方を含む正極活物質がコストの観点から好ましい。さらに、安全性および充電電圧の観点からは、LiFePO4を用いるのが好ましい。LiFePO4は、全ての酸素(O)が強固な共有結合によって燐(P)と結合しているため、温度上昇による酸素の放出が起こりにくい。そのため、安全性に優れている。
なお、上記正極活物質層12の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記正極活物質層12は、正極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、正極活物質層12は、正極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。
導電材は、正極10の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、たとえば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト(天然黒鉛、人造黒鉛)、炭素繊維などの炭素質材料や導電性金属酸化物などを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性および塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。
増粘材としては、たとえば、ポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類、ポリN−ビニルピロリドン類などを用いることができる。これらの中で、増粘材としては、ポリエチレングリコール類、カルボキシメチルセルロース(CMC)などのセルロース類などが好ましく、CMCが特に好ましい。
結着材は、活物質粒子および導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピリジン、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。
正極活物質、導電材、結着材などを分散させる溶剤としては、たとえば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。
上記した正極10は、たとえば、正極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合剤としたものを、正極集電体11の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記正極10は、図7に示すように、平面的に見て、矩形形状を有しており、4つの縁部14(X方向の2つの縁部14a、Y方向の2つの縁部14b)を有している。なお、第1実施形態では、上記正極10は、Y方向の幅w1が、たとえば、約146mmとされており、X方向の長さg1が、たとえば、約208mmとされている。また、正極活物質層12の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅w11が、正極10の幅w1と同じ、たとえば、約146mmとされており、X方向の長さg11が、たとえば、約196mmとされている。このため、塗布領域に形成された正極活物質層12は、平面的に見て、矩形形状に形成されており、4つの縁部13(X方向に沿った2つの縁部13a、Y方向に沿った2つの縁部13b)を有している。
また、上記正極10は、X方向の一端に、正極活物質層12が形成されずに正極集電体11の表面が露出された集電体露出部11aを有している。この集電体露出部11aには、外部に電流を取り出すための、集電部材50(図4および図13参照)が電気的に接続されている。なお、正極活物質層12における4つの縁部13は、Y方向に沿った2つの縁部13bのうちの一方側(集電体露出部11a側の縁部13b)を除き、上記正極10における縁部14と一致している。
電極群40を構成する負極20は、図8および図9に示すように、負極集電体21の両面に、負極活物質層22が担持された構成を有している。
負極集電体21は、負極活物質層22の集電を行う機能を有している。この負極集電体21は、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、ニッケルメッキ層などの金属箔、または、これらの合金からなる合金箔から構成されており、約1μm〜約100μm(たとえば約16μm)の厚みを有している。なお、負極集電体21は、銅またはステンレス鋼からなる金属箔が好ましく、その厚みは、4μm以上20μm以下であるのが好ましい。
また、上記負極集電体21は、箔状以外に、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などの形状であってもよい。
負極活物質層22は、リチウムイオンを吸蔵・放出しうる負極活物質を含んで構成されている。負極活物質としては、たとえば、リチウムを含む物質、あるいは、リチウムの吸蔵・放出が可能な物質からなる。また、高エネルギー密度電池を構成するためには、リチウムの吸蔵/放出する電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものが好ましい。その典型例としては、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状など)の天然黒鉛もしくは人造黒鉛が挙げられる。なお、負極活物質として、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末などを黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。また、非晶質炭素を表面付着させた黒鉛粒子を使用することもできる。さらに、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物および酸化シリコンなども使用可能である。リチウム遷移金属酸化物としては、たとえば、Li4Ti512に代表されるチタン酸リチウムを使用すると、負極20の劣化が少なくなるため、電池の長寿命化を図ることが可能となる。
なお、上記負極活物質層22の厚みは、20μm〜2mm程度が好ましく、50μm〜1mm程度がより好ましい。
また、上記負極活物質層22は、負極活物質を少なくとも含んでいれば、その構成は特に制限されるものではない。たとえば、負極活物質層22は、負極活物質以外に、導電材、増粘材、結着材などの他の材料を含んでいてもよい。なお、導電材、増粘材、結着材などの他の材料は、正極活物質層12に用いることが可能なものを用いることができる。
上記した負極20は、たとえば、負極活物質、導電材、増粘材および結着材を混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合剤としたものを、負極集電体21の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成される。
また、上記負極20は、図9に示すように、平面的に見て、矩形形状を有しており、4つの縁部24(X方向の2つの縁部24a、Y方向の2つの縁部24b)を有している。また、上記負極20は、正極10(図7および図8参照)よりも大きい平面積に形成されている。なお、第1実施形態では、上記負極20は、Y方向の幅w2が、正極10の幅w1(図7参照)よりも大きい、たとえば、約150mmとされており、X方向の長さg2が、正極10の長さl1(図7参照)より長い、たとえば、約210mmとされている。また、負極活物質層22の塗布領域(形成領域)は、Y方向の幅w21が、負極20の幅w2と同じ、たとえば、約150mmとされており、X方向の長さg21が、たとえば、約200mmとされている。このため、塗布領域に形成された負極活物質層22は、平面的に見て、矩形形状に形成されており、4つの縁部23(X方向に沿った2つの縁部23a、Y方向に沿った2つの縁部23b)を有している。
また、上記負極20は、正極10と同様、Y方向の一端に、負極活物質層22が形成されずに負極集電体21の表面が露出された集電体露出部21aを有している。この集電体露出部21aには、外部に電流を取り出すための、集電部材50(図4および図13参照)が電気的に接続されている。なお、負極活物質層22における4つの縁部23は、Y方向に沿った2つの縁部23bのうちの一方側(集電体露出部21a側の縁部23b)を除き、上記負極20における縁部24と一致している。
電極群40を構成するセパレータ30は、強度が十分でかつ電解液を多く保持できるものがよく、そのような観点から、厚みが10μm〜50μmで空隙率が30%〜70%のポリエチレン、ポリプロピレン、またはエチレン−プロピレン共重合体を含む微多孔フィルムや不織布などが好ましい。
また、セパレータ30は、上記以外に、たとえば、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテル(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド)、セルロース(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステルなどの高分子からなる微多孔フィルムなどを用いることができる。さらに、これらの微多孔フィルムを重ね合わせた多層フィルムを用いることもできる。
セパレータ30の厚みとしては、5μm〜100μmが好ましく、10μm〜30μmであればより好ましい。また、セパレータ30の空隙率としては、30%〜90%が好ましく、40%〜80%であればより好ましい。セパレータ30の厚みが5μmより小さくなるとセパレータ30の機械的強度が不足し、電池の内部短絡の原因となる。一方、セパレータ30の厚みが100μmより大きくなると正極負極間の距離が長くなり、電池の内部抵抗が高くなる。また、空隙率が30%より低いと、非水電解液の含有量が減り、電池の内部抵抗が高くなる。一方、空隙率が90%より高いと、正極10と負極20とが物理的な接触を起こしてしまい、電池の内部短絡の原因となる。また、セパレータ30は、厚みと空隙率により、機械的強度や非水電解液の含有量や電池の内部抵抗や電池の内部短絡のし易さなどを考慮し、複数枚重ねて使用することも可能である。
また、上記セパレータ30は、図10に示すように、正極活物質層12の塗布領域(形成領域N)および負極活物質層22の塗布領域(形成領域M)よりも大きい形状を有している。具体的には、上記セパレータ30は、図5および図10に示すように、たとえば、縦方向の長さ(X方向に対応する方向の長さ)が約154mm、横方向の長さ(Y方向に対応する方向の長さ)が約206mmの矩形形状に形成されている。
上記した正極10および負極20は、正極10の集電体露出部11aと負極20の集電体露出部21aとが互いに反対側に位置するように配され、正極負極間にセパレータ30を介在させて積層されている。
集電部材50は、図1に示すように、正極10に接続される正極用の集電部材50aと、負極20に接続される負極用の集電部材50bとを含んで構成されている。この集電部材50aおよび50bは、それぞれ、集電体露出部11aおよび21aに沿って延びる(Y方向に延びる)本体部51と、この本体部51の一方の側面51aに設けられた櫛歯状の接続片52とを有している。また、図11に示すように、集電部材50の高さh1(本体部51の高さh1)は、電極群40(図2および図14参照)の積層方向の厚み(正極10、セパレータ30および負極20の合計厚み)よりも大きくなるように構成されている。具体的には、上記集電部材50の高さh1は、たとえば、約12mm〜約17mmに構成されている。なお、正極用の集電部材50aは、本発明の「第1集電部材」の一例であり、負極用の集電部材50bは、本発明の「第2集電部材」の一例である。
また、第1実施形態では、上記集電部材50は、金属材料から構成されており、接続片52が本体部51と一体的に形成されている。櫛歯状の接続片52は、たとえば、ダイシングソーなどで金属材料にスリットを入れることによって形成することが可能である。接続片52の厚みは、図12に示すように、集電部材50が正極用の集電部材50aの場合には、隣り合う正極10間の間隔に略等しくなるように構成されているのが好ましい。また、隣り合う接続片52の間には、正極10(集電体露出部11a)が挿入されるため、隣り合う接続片52間の間隔は、正極集電体11の厚みと略等しくなるように構成されているのが好ましい。同様に、集電部材50が負極用の集電部材50bの場合には、接続片52の厚みは、隣り合う負極20間の間隔に略等しくなるように構成されているのが好ましい。また、隣り合う接続片52間の間隔は、負極集電体21の厚みと略等しくなるように構成されているのが好ましい。
集電部材50を構成する金属材料としては、たとえば、鉄、チタン、アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼またはこれらの合金などを用いることができる。なお、正極用の集電部材50aと負極用の集電部材50bとは、互いに同材質のものを用いてもよいし、互いに異なる材質のものを用いてよい。また、上記集電部材50は、集電体と同材質のものを用いることが可能であるが、異なる材質でもかまわない。
また、第1実施形態では、正極用の集電部材50aは、その接続片52が正極集電体11の集電体露出部11aと電気的に接続されており、負極用の集電部材50bは、その接続片52が負極集電体21の集電体露出部21aと電気的に接続されている。そのため、図14に示すように、正極用の集電部材50aは、電極群40に対してX方向の一方側に配されており、負極用の集電部材50bは、電極群40に対してX方向の他方側に配されている。また、集電部材50aおよび50bの接続片52は、溶接や超音波接合などによって、それぞれ、正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aに接続固定することができる。なお、集電部材50と電極との接続固定は、溶接、超音波接合以外に、たとえば、導電性接着剤などを用いて行うこともできる。
外装容器60内に電極群40および集電部材50とともに封入される非水電解液は、特に限定されるものではないが、溶媒として、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチルなどの極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して混合溶媒として使用してもよい。
また、非水電解液には、電解質支持塩が含まれていてもよい。電解質支持塩としては、たとえば、LiClO4、LiBF4(ホウフッ化リチウム)、LiPF6(六フッ化リン酸リチウム)、LiCF3SO3(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)、LiF(フッ化リチウム)、L■Cl(塩化リチウム)、LiBr(臭化リチ
ウム)、LiI(ヨウ化リチウム)、LiAlCl4(四塩化アルミン酸リチウム)などのリチウム塩が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、電解質支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.5mol/L〜2.5mol/Lが好ましく、1.0mol/L〜2.2mol/Lがより好ましい。電解質支持塩の濃度が、0.5mol/L未満の場合には、非水電解液中において電荷を運ぶキャリア濃度が低くなり、非水電解液の抵抗が高くなるおそれがある。また、電解質支持塩の濃度が、2.5mol/Lより高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、非水電解液中のキャリア濃度が上がらないおそれがある。
電極群40を封入する外装容器60は、大型の扁平角形容器であり、図1〜図3に示すように、電極群40および集電部材50などを収納する外装缶70と、この外装缶70を封口する封口板80とを含んで構成されている。また、電極群40を収納した外装缶70は、封口板80で二重巻き締め封口されている。なお、外装缶70は、本発明の「収納容器」の一例であり、封口板80は、本発明の「封口体」の一例である。
外装缶70は、たとえば、金属板に深絞り加工などを施すことによって形成されており、底面部71と側壁部72とを有している。また、図15および図16に示すように、外装缶70の一端(底面部71の反対側)には、電極群40(図14参照)を挿入するための開口部73が設けられている。また、上記外装缶70は、角形缶に形成されており、最も面積の大きい面が底面部71となっている。
外装缶70の内径サイズは、集電部材50が接続された電極群40(図14参照)が、その電極面が底面部71と対向するようにして収納することが可能な大きさとなっている。具体的には、上記外装缶70は、たとえば、縦方向の長さ(図16のY方向の長さL)が約164mmに形成されており、横方向の長さ(図16のX方向の長さW)が約228mmに形成されている。外装缶70の深さは、たとえば、約20mmに形成されている。
また、上記外装缶70は、Y方向の一方側の側壁部72に、電極端子74が形成されている。さらに、外装缶70の開口部73における周縁には、二重巻き締め封口を行うための容器折り返し部75が設けられている。
封口板80は、たとえば、金属板をプレス加工することによって形成されている。この封口板80は、図2に示すように、外装缶70の開口部73を塞ぐ略平板状のパネル部81と、パネル部81の外周端に連なり上方に延びるチャックウォール部82と、チャックウォール部82の外周端に連接された折り返し部83とを有している。さらに、図2および図3に示すように、X方向の一方側に非水電解液を注液するための注液孔84が形成されている。この注液孔84は、たとえば、φ2mmの大きさに形成されている。
なお、外装缶70および封口板80は、たとえば、鉄、ステンレススチール、アルミニウムなどの金属板や鉄にニッケルメッキを施した鋼板やアルミメッキを施した鋼板などを用いて形成することができる。鉄は安価な材料であるため価格の観点では好ましいが、長期間の信頼性を確保するためには、ステンレススチールやアルミニウムなどからなる金属板または鉄にニッケルメッキを施した鋼板やアルミメッキを施した鋼板などを用いるのがより好ましい。また、上記以外に、金属板の表面を高分子材料でラミネートした高分子ラミネート材(ラミネート板)を用いることもできる。この場合、少なくとも、電池内部側となる面にコーティング処理が施されているのが好ましい。なお、金属板の厚みは、たとえば約0.4mm〜約1.2mm(たとえば約1.0mm)とすることができる。
また、図4および図14に示すように、上記した電極群40は、正極10(図5参照)および負極20(図5参照)が、外装缶70の底面部71と対向するようにして、外装缶70内に収納されている。また、図14に示すように、電極群40に接続された集電部材50は、外装缶70の内側におけるX方向の両端に配されている。さらに、図4に示すように、正極10の集電体露出部11a(図7参照)と接続された集電部材50aおよび負極20の集電体露出部21a(図9参照)と接続された集電部材50bは、それぞれ、集電リード5を介して、外装缶70の電極端子74と電気的に接続されている。これにより、収納された電極群40は、正極10および負極20が、それぞれ、集電部材50および集電リード5を介して、外装缶70の電極端子74と電気的に接続されている。なお、集電リード5には、集電体と同材質のものを用いることが可能であるが、異なる材質でもかまわない。
そして、図17に示すように、外装缶70の開口部73が上記封口板80で二重巻き締め封口されている。具体的には、封口板80の折り返し部83の先端部分が、外装缶70の容器折り返し部75に巻き込むように圧着されることによって、封口板80が外装缶70に取り付けられている。なお、図17では、セパレータ30の記載は省略している。
また、封口板80のパネル部81は、チャックウォール部82によって、外装缶70の開口部73における周縁より所定距離だけ下側(底面部71側)に位置している。これにより、図17および図18に示すように、集電部材50(50a、50b)の本体部51が、外装缶70(底面部71)と封口板80(パネル部81)とによって、積層方向(外装缶70の深さ方向;Z方向)に押圧力が加えられた状態となっている。この際、外装容器60と集電部材50とが電気的に短絡するのを抑制するために、外装容器60と集電部材50とは、たとえば、絶縁材などを介して間接的に接触されている。具体的には、たとえば、集電部材50における外装容器60と接触する部分に絶縁樹脂などが塗布されている。これ以外に、集電部材50と外装容器60(封口板80および外装缶70)との間に、たとえば、樹脂材料などからなる絶縁シート(図示せず)などを介在させてもよい。さらに、外装容器60の電池内部側となる面に、高分子ラミネート材などをコーティングするのも好ましい。
また、第1実施形態では、外装缶70と封口板80とによって、集電部材50(50a、50b)に押圧力が加えられることにより、外装容器60内において、集電部材50aおよび50bが固定された状態となっている。このため、集電部材50aに接続された正極10および集電部材50bに接続された負極20においても、外装容器60内で固定された状態となっている。
さらに、第1実施形態では、外装缶70と封口板80とによって、集電部材50aおよび50bに押圧力が加えられている一方、電極群40(正極10および負極20)には、積層方向(Z方向)に押圧力が加わらないように構成されている。すなわち、第1実施形態では、図10および図17に示すように、正極活物質層12(正極活物質層12の形成領域N)および負極活物質層22(負極活物質層22の形成領域M)に押圧力が加えられていない状態で、集電部材50(50a、50b)を介して、電極群40(正極10、負極20)が外装容器60内に固定されている。
非水電解液は、外装缶70の開口部73が封口板80で封口された後に、注液孔84から、たとえば、減圧注液されている。そして、注液孔84とほぼ同じ直径の金属球90(図3参照)を注液孔84に設置した後、抵抗溶接やレーザ溶接などにより、注液孔84が封口されている。
なお、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、過充電時や高温状態において、電池内圧が上昇した場合、電池の爆発等の危険を避けるために、電池内圧を開放するための安全弁(図示せず)が設けられている。そして、この安全弁が作動する前に外装容器60が開かないように、封口部分の耐圧が安全弁の動作圧以上となる封口強度で封口板80が取り付けられている。
第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、上記のように、活物質層に押圧力が加えられていない状態で、電極群40(正極10、負極20)を外装容器60内に固定することによって、正極10および負極20の位置ずれを抑制することができる。これにより、サイクル特性を向上させることができる。したがって、上記のように構成することにより、寿命特性および信頼性を向上させることができる。
ここで、上記正極10および負極20は、いずれも長尺の帯状集電体シートを用い、これらの集電体シートに正極活物質層12または負極活物質層22を所定の方法で塗布した後に、個々の電極分の長さに切断することによって作製される。この集電体シートへの活物質層の塗布には、たとえば、1個分の電極形成に必要な長さ分だけ塗布した後に、活物質層を塗布しない集電体露出部11aおよび21aを設け、さらに次の電極分の活物質層を塗布するという操作を繰り返して塗布する、いわゆる間欠的に塗布する方法(以下、「間欠塗布法」と呼ぶ)が用いられる。また、他の塗布方法として、たとえば、集電体露出部11aおよび21aを長手方向と直交する側の一端に位置させて連続して塗布する塗布法(以下、「連続塗布法」と呼ぶ)が用いられる場合もある。
上述のような連続塗布法を採用した場合、長尺の集電体シートを切断する際に、活物質層および活物質層を支持する集電体が同時に切断されることになる。そのため、集電体の切断面にはバリ突起が発生するとともに、切断時の衝撃によって活物質層の切断面および切断面付近は不安定な状態となるので、活物質層の端部において、活物質層の一部が滑落し易くなる。
一方、間欠塗布法を採用した場合には、集電体露出部11aおよび21aで切断が行われるため、活物質層の滑落の問題は発生し難くなる。しかしながら、間欠塗布法の場合には、合剤ペーストの粘度等にもよるが、活物質層の塗布始端および塗布終端に盛り上がり部分が形成される場合がある。すなわち、活物質層の端部(縁部)に突出部が形成される場合がある。また、集電体の無塗工部(集電体露出部)と活物質層との境界部分に、段差が生じる場合もある。
したがって、第1実施形態では、上記のように、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加わらないようにすることによって、正極10および負極20の形成工程(切断工程)において、正極10および負極20の切断面にバリ突起が発生している場合でも、このバリ突起によって正極10と負極20とが短絡するのを抑制することができる。また、切断時の衝撃によって活物質層の切断面および切断面付近が不安定な状態となり、活物質層の端部において、活物質層の一部が滑落し易くなっていたとしても、このような部分に押圧力が加わるのを抑制することができるので、活物質の滑落などを抑制することができる。これにより、滑落した活物質がセパレータ30を貫通することに起因する内部短絡の発生を抑制することができる。したがって、上記のように構成することにより、大容量のリチウムイオン二次電池100を高い歩留まりで得ることができる。
また、第1実施形態では、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加わらないようにすることによって、活物質層の塗布始端および塗布終端に突出部が形成されている場合でも、このような突出部に押圧力が加わるのを抑制することができる。加えて、集電体露出部と活物質層との境界部分に段差が生じている場合でも、この段差部分に押圧力が加わるのを抑制することができる。このため、突出部や段差などが形成されている領域に押圧力が加えられることに起因して、セパレータ30が損傷するという不都合が生じるのを抑制することができる。これにより、セパレータ30の損傷に起因する正極活物質層12と負極活物質層22との接触を抑制することができるので、これによっても、内部短絡の発生を抑制することができる。
さらに、第1実施形態では、上記のように構成することによって、正極10の縁部14および負極20の縁部24に押圧力が加わらないように構成することができるので、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時において、電極の縁部(端部)で内部短絡が生じるのを抑制することができる。したがって、これによっても、サイクル特性を向上させることができる。加えて、信頼性を向上させることもできる。
このように、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100では、寿命特性および信頼性を向上させることができることに加えて、歩留まりを向上させることができるので、大容量で電池寿命の長いリチウムイオン二次電池100を低価格で提供することができる。
また、第1実施形態では、正極10の集電体露出部11aと接続される集電部材50aおよび負極20の集電体露出部21aと接続される集電部材50bを備え、これら集電部材50aおよび50bを介して、正極10および負極20を外装容器60内に固定することによって、容易に、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加えられていない状態で、外装容器60内に、正極10および負極20を固定することができる。
また、第1実施形態では、集電体露出部11aおよび21aと接続される櫛歯状の接続片52を有するように上記集電部材50(50a、50b)を形成することによって、容易に、集電部材50(50a、50b)を正極10および負極20に接続固定することができる。これにより、集電部材50(50a、50b)を介して、容易に、上記電極群(正極10および負極20)を外装容器60内に固定することができる。これにより、より容易に、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加えられていない状態で、外装容器60内に電極群40(正極10および負極20)を固定することができる。その結果、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加わるのを抑制しながら、より効果的に、正極10および負極20の位置ずれを抑制することができる。
さらに、第1実施形態では、外装缶70と封口板80とによって、集電部材50aおよび50bに押圧力を加えることにより、容易に、集電部材50aおよび50bを固定することができるので、これら集電部材50aおよび50bを介して、容易に、正極10および負極20を外装容器60内に固定することができる。これにより、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加わるのを抑制しながら、効果的に、正極10および負極20の位置ずれを抑制することができる。その結果、効果的に、サイクル特性を向上させることができるとともに、効果的に、内部短絡の発生を抑制することができる。
上記のように構成された第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、長寿命が要求される定置用の電力貯蔵用蓄電池として好適に用いることができる。また、ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)などの車載用の蓄電池としても好適に用いることができる。また、第1実施形態によるリチウムイオン二次電池100は、単電池容量が10Ah以上の蓄電池に適しており、特に、単電池容量が50Ah以上の大容量蓄電池により適している。
(第1実施形態の変形例)
図19は、第1実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図である。この図19では、集電部材50が接続された状態の電極群40を模式的に示している。次に、図19を参照して、第1実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、図19において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
第1実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池では、図19に示すように、集電部材50aおよび50bの接続片52が、ネジ止めによって、正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aにそれぞれ接続固定されている。
具体的には、集電部材50(50a、50b)の接続片52、集電体露出部11aおよび21aには、集電部材50(50a、50b)の接続片52の間に集電体露出部11aおよび21aが挿入された状態で、積層方向(Z方向)に連通する貫通孔(図示せず)が形成されている。そして、この貫通孔にネジ110が挿入されて締め込まれることにより、集電部材50aおよび50bの接続片52が、正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aに接続固定されている。この際、必要に応じて、ワッシャやスペーサなどを介してネジ110を締め込むようにしてもよい。なお、第1実施形態の変形例では、2カ所でネジ止め固定されている。
第1実施形態の変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、第1実施形態の変形例の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態)
図20は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図であり、図21は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の断面図である。図22は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した側面図であり、図23は、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図である。次に、図6〜図9、図11および図20〜図23を参照して、本発明の第2実施形態によるリチウムイオン二次電池200について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第2実施形態によるリチウムイオン二次電池200では、図20および図21に示すように、上記第1実施形態の構成において、集電部材250の高さh2(本体部251の高さh2)が、上記第1実施形態の集電部材50の高さh1(図11参照)よりも小さくなるように構成されている。具体的には、この第2実施形態では、上記集電部材250の高さh2が、たとえば、約10mm〜約11mmに構成されている。
上記集電部材250は、図23に示すように、正極10に接続される正極用の集電部材250aと、負極20に接続される負極用の集電部材250bとを含んで構成されている。なお、集電部材250は、図21に示すように、本体部251の高さh2が小さくなっている点を除き、図11に示した第1実施形態の集電部材50と同様の構成を有している。
また、第2実施形態では、図20および図23に示すように、封口板80のパネル部81に、集電部材250に向かって(Z方向に)突出する凸部85が形成されている。この凸部85は、プレス加工などによって封口板80と一体的に形成されており、略平面状の押圧面85a(図23参照)を有している。また、封口板80の凸部85は、集電部材250(250a、250b)の各々の本体部251と対応するように、パネル部81の2カ所に形成されているとともに、集電部材250の本体部251に沿って延びるように細長状に形成されている。なお、図23では、セパレータの記載は省略している。
また、外装缶70の底面部71には、上記封口板80と同様、集電部材250に向かって(Z方向に)突出する凸部76が形成されている。この凸部76は、外装缶70の底面部71に一体的に形成されており、略平面状の押圧面76aを有している。凸部76の押圧面76aは、封口板80に形成された凸部85の押圧面85aと略同一形状に形成されている。すなわち、外装缶70の凸部76も、集電部材250の本体部251と対応するように、底面部71の2カ所に形成されているとともに、集電部材250の本体部251に沿って延びるように細長状に形成されている。
そして、外装缶70に封口板80が取り付けられることにより、図23に示すように、封口板80の凸部85と外装缶70の凸部76とによって、集電部材250(250a、250b)の本体部251に押圧力が加えられている。これにより、外装容器60内において、集電部材250aおよび250bが固定された状態となっており、集電部材250aに接続された正極10(図23参照)および集電部材250bに接続された負極20(図23参照)においても、外装容器60内で固定された状態となっている。
なお、第2実施形態では、図22および図23に示すように、封口板80の凸部85および外装缶70の凸部76によって、集電部材250(250a、250b)に押圧力が加えられている一方、集電部材250の高さh2(図21参照)が小さい場合でも、電極群40(正極10、負極20)には、押圧力が加わらないように構成されている。したがって、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、正極活物質層12(図7参照)および負極活物質層22(図9参照)に押圧力が加えられていない状態で、集電部材250を介して、電極群40(正極10、負極20)が外装容器60内に固定されている。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。また、第1実施形態の変形例のように、集電部材250(250a、250b)の接続片52を、ネジ止めにより、正極集電体11(図6参照)の集電体露出部11a(図6参照)および負極集電体21(図8参照)の集電体露出部21a(図8参照)に接続固定することもできる。
第2実施形態では、上記のように、封口板80および外装缶70のそれぞれに、凸部85および76を形成することによって、この凸部85および76により、集電部材250(250a、250b)を押圧し易くすることができる。このため、上記凸部85および76で集電部材250(250a、250b)を押圧することによって、集電部材250(250a、250b)を容易に外装容器60内で固定することができる。その結果、集電部材250aおよび250bを介して、容易に、正極活物質層12および負極活物質層22に押圧力が加えられていない状態で、外装容器60内に電極群40(正極10、負極20)を固定することができる。
また、第2実施形態では、上記凸部85および76で集電部材250を押圧することによって、充放電に伴い活物質層が膨張収縮した場合でも、活物質層に押圧力が加わらないように構成することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の変形例)
図24は、第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した側面図である。図25は、第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池を模式的に示した断面図である。図24では、集電部材250が接続された状態の電極群40を模式的に示している。また、図25では、セパレータを省略して記載している。次に、図24および図25を参照して、第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
第2実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池では、図24および図25に示すように、封口板80の凸部85および外装缶70の凸部76によって、集電部材250(250a、250b)の接続片52にZ方向の押圧力が加えられている。これにより、外装容器60内において、集電部材250aおよび250bとともに、電極群40(正極10、負極20)が固定された状態となっている。
なお、この場合、集電部材250(250a、250b)の接続片52は、溶接やネジ止めなどで、正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aに固定されていなくても、正極10および負極20の位置ずれを抑制することが可能となる。ただし、溶接やネジ止めなどで、集電部材250(250a、250b)の接続片52を、正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aに接続固定してもよい。上記第1実施形態の変形例のように、ネジ止めによって、集電部材250aおよび250bの接続片52を正極集電体11の集電体露出部11aおよび負極集電体21の集電体露出部21aに接続固定する場合には、ネジ部分(ネジの頭部)に押圧力を加えるように構成することにより、集電部材250が固定されるようにしてもよい。また、ネジ止め部分を避けて、接続片52の部分に押圧力が加わるように構成することにより、集電部材250および電極(電極群40)が固定されるようにしてもよい。
第2実施形態の変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。また、第2実施形態の変形例の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態)
図26は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の断面図であり、図27は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材の分解斜視図である。図28は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を示した分解斜視図であり、図29は、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図である。図28および図29では、集電部材350が接続された状態の電極群40を模式的に示している。次に、図26〜図29を参照して、本発明の第3実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第3実施形態によるリチウムイオン二次電池では、図26および図27に示すように、上記第1および第2実施形態とは異なり、各接続片52が別体で形成された集電部材350を備えている。この集電部材350は、段差部311を有する複数の板状部材310を含んで構成されており、これら複数の板状部材310が、ネジ320およびナット330によって連結されている。板状部材310は、段差部311の底面部分である厚みの小さい薄板部312と、薄板部312よりも厚みの大きい厚板部313とを有しており、厚みの小さい薄板部312が集電部材350の接続片52として機能する。一方、厚板部313の所定領域には、厚み方向に貫通する貫通孔313aが形成されており、この貫通孔313aにネジ320が挿入されて締め込まれることにより、1個の集電部材350に組み立てられている。なお、厚板部313がネジ320によって連結されることにより、連結された厚板部313で集電部材350の本体部351が構成されている。また、第3実施形態では、厚板部313の2カ所でネジ止め固定されている。
このように、第3実施形態によるリチウムイオン二次電池では、集電部材350の接続片52(板状部材310)が別体で形成されているため、図28に示すように、電極(正極10、負極20)の集電体露出部11a(21a)に接続片52を予め接続固定した後に、集電部材350(図26および図27参照)に組み立てることが可能となる。これにより、図29に示すように、集電部材350を電極(電極群40)に容易に接続固定することができる。なお、上記集電部材350は、上記第1および第2実施形態と同様、正極(正極集電体の集電体露出部)に接続される正極用の集電部材350aと、負極(負極集電体の集電体露出部)に接続される負極用の集電部材350bとを含んで構成されている。
第3実施形態の集電部材350以外の構成は、上記第1または第2実施形態と同様である。
また、第3実施形態の効果は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第3実施形態の第1変形例)
図30は、第3実施形態の第1変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図である。この図30では、集電部材350が接続された状態の電極群40を模式的に示している。次に、図17、図28および図30を参照して、第3実施形態の第1変形例によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、図30において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
第3実施形態の第1変形例によるリチウムイオン二次電池では、図30に示すように、集電部材350の本体部351に段差部340が形成されており、段差部340の底面部分でネジ止めされている。これにより、ネジ320の頭部が本体部351の上面から突出しないように構成されているとともに、本体部351の下面からナット330(図28参照)が突出しないように構成されている。
第3実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
第3実施形態の第1変形例では、上記のように、ネジ320の頭部およびナット330(図28参照)が集電部材350の本体部351から突出しないように構成することによって、封口板80(図17参照)および外装缶70(図17参照)によって集電部材350の本体部351に押圧力を加える際に、封口板80(図17参照)および外装缶70(図17参照)と集電部材350の本体部351との接触面積を大きくすることができる。これにより、図17に示したように、外装容器60内に集電部材350を容易に固定することができるとともに、集電部材350の位置ずれを発生し難くすることができる。
第3実施形態の第1変形例のその他の効果は、上記第3実施形態と同様である。
(第3実施形態の第2変形例)
図31は、第3実施形態の第2変形例によるリチウムイオン二次電池の集電部材の平面図である。図32は、図31のB方向の側面図である。次に、図31および図32を参照して、第3実施形態の第2変形例によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
第3実施形態の第2変形例によるリチウムイオン二次電池では、図31および図32に示すように、集電部材350(板状部材310)がクリップ360によって一体化されている。この集電部材350は、上記第3実施形態の第1変形例と同様、本体部351に段差部340が形成されており、この段差部340の部分において、複数の板状部材310が一体に固定されている。
第3実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第3実施形態の第1変形例と同様である。また、上記第3実施形態のように、集電部材350の本体部351に段差部を設けない構成にしてもよい。
第3実施形態の第2変形例では、上記のように、集電部材350(板状部材310)をクリップ360で一体化することによって、上記第3実施形態の第1変形例のようにネジ孔(貫通孔)を設ける必要がなくなるので、その分、製造工数を削減することができる。
第3実施形態の第2変形例のその他の効果は、上記第3実施形態および第3実施形態の第1変形例と同様である。
(第4実施形態)
図33は、本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群を模式的に示した斜視図である。図34は、本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図である。図35は、本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の一部を示した分解斜視図である。図33および図34では、集電部材450が接続された状態の電極群40を模式的に示している。次に、図33〜図35を参照して、本発明の第4実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第4実施形態によるリチウムイオン二次電池では、図33〜図35に示すように、短冊片状の複数の金属板410によって集電部材450が構成されている。集電部材450を構成する金属板410は、集電体露出部11aおよび21aと略同じ大きさを有しており、各々の所定領域に、厚み方向に貫通する貫通孔411が形成されている。また、電極(正極10、負極20)の集電体露出部11a(21a)にも、金属板410の貫通孔411と対応する位置に、同様の貫通孔11bが形成されている。なお、上記集電部材450は、上記第1〜第3実施形態と同様、正極(正極集電体の集電体露出部)に接続される正極用の集電部材450aと、負極(負極集電体の集電体露出部)に接続される負極用の集電部材450bとを含んで構成されている。正極用の集電部材450aを構成する金属板410は、正極集電体の集電体露出部11aと略同じ大きさに形成されており、負極用の集電部材450bを構成する金属板410は、負極集電体の集電体露出部21aと略同じ大きさに形成されている。
また、図35に示すように、隣り合う電極(正極10、負極20)の間には、それぞれ、1つの金属板410(410a)が配されている。電極の間に配される金属板410aの厚みは、それぞれ、隣り合う電極間の間隔と等しくなるように構成されているのが好ましい。一方、集電部材450の最も外側に配される金属板410(410b)は、電極の間に配される金属板410aの厚みと同程度か、それよりも大きい厚みに形成されているのが好ましい。集電部材450の最も外側に配される金属板410bの具体的な厚みは、たとえば、1mm〜2mm程度とすることができる。
そして、これら複数の金属板410が、ネジ420およびナット430によって連結されている。複数の金属板410が一体化されることによって、上記集電部材450が構成されている。この際、上記貫通孔411および11bにネジ420が挿入されて締め込まれることにより、集電部材450(450a、450b)が、正極集電体の集電体露出部11aおよび負極集電体の集電体露出部21aに接続固定される。なお、第4実施形態では、集電部材450(金属板410)の2カ所でネジ止め固定されている。
このように、第4実施形態によるリチウムイオン二次電池の集電部材450は、接続片として機能する金属板410から構成されており、上記第1〜第3実施形態とは異なり、本体部を有さない構成となっている。このため、本体部を有さない分、外装容器内における集電部材450の収納スペースを削減することができる。
第4実施形態の集電部材450以外の構成は、上記第1および第2実施形態と同様である。
(第4実施形態の変形例)
図36は、第4実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図である。この図36では、集電部材450が接続された状態の電極群40を模式的に示している。次に、図36を参照して、第4実施形態の変形例によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、図36において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
第4実施形態の変形例では、図36に示すように、集電部材450を構成する金属板410のY方向の長さが、集電体露出部11a(21a)のY方向の長さよりも長くなるように構成されている。そして、金属板410におけるY方向の一方の端部および他方の端部に、それぞれ、厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。この貫通孔は、平面的に見て、集電体露出部11a(21a)とは重ならない領域に形成されている。このため、第4実施形態の変形例では、上記第4実施形態とは異なり、電極(正極10、負極20)の集電体露出部11a(21a)には、ネジ420が挿入される貫通孔が形成されない構成となっている。そして、上記貫通孔(図示せず)にネジ420が挿入されて締め込まれることにより、集電部材450が、正極集電体の集電体露出部11aおよび負極集電体の集電体露出部21aに接続固定されている。
第4実施形態の変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
第4実施形態の変形例では、上記のように集電部材450を構成することによって、集電体露出部11a(21a)に貫通孔を形成することなく、集電部材450を、正極集電体の集電体露出部11aおよび負極集電体の集電体露出部21aに接続固定することができる。このため、集電体露出部11a(21a)に貫通孔を形成しなくてもいいので、その分、製造工数を削減することができる。
第4実施形態の変形例のその他の効果は、上記第4実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図37は、本発明の第5実施形態によるリチウムイオン二次電池の分解斜視図である。図38は、本発明の第5実施形態によるリチウムイオン二次電池の電極群の平面図である。次に、図10、図37および図38を参照して、本発明の第5実施形態によるリチウムイオン二次電池について説明する。なお、各図において、対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明は省略する。
この第5実施形態によるリチウムイオン二次電池では、図37および図38に示すように、正極10の集電体露出部11aおよび負極20の集電体露出部21aのそれぞれに、短冊状の集電タブ550が接続されている。なお、集電タブ550は、本発明の「集電部材」の一例である。
また、第5実施形態では、上記集電タブ550が、外装缶70の電極端子74と電気的に接続されている。また、図37に示すように、封口板80および外装缶70には、上記第2実施形態と同様の凸部85および76がそれぞれ形成されている。そして、封口板80の凸部85と外装缶70の凸部76とによって、集電タブ550の取付領域である集電体露出部11aおよび21aに押圧力が加えられている。
さらに、第5実施形態では、上記第1〜第4実施形態と同様、電極群40(正極10、負極20)には、積層方向(Z方向)に押圧力が加わらないように構成されている。すなわち、第5実施形態では、正極活物質層12(正極活物質層12の形成領域N(図10参照))および負極活物質層22(負極活物質層22の形成領域M(図10参照))に押圧力が加えられていない状態で、電極群40(正極10、負極20)が外装容器60内に固定されている。
第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
また、第5実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
上記第1および第2実施形態にそれぞれ対応する実施例1および2のリチウムイオン二次電池と、比較例1によるリチウムイオン二次電池とを作製した。図39および図40は、それぞれ、実施例1および2によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図であり、図41は、比較例1によるリチウムイオン二次電池を簡略化して示した部分断面図である。
〈実施例1〉
実施例1では、図39に示すように、封口板80および外装缶70によって集電部材50の本体部に押圧力を加え、この集電部材50を介して、正極10および負極20が外装容器60内で固定されるように構成した。ただし、正極10(正極活物質層)および負極20(負極活物質層)には、押圧力が加わらないように構成した。なお、実施例1では、集電部材50の接続片と集電体露出部とは、超音波溶接で接続固定した。また、集電部材50は、正極側にはアルミニウム、負極側には銅を使用した。
〈実施例2〉
実施例2では、図40に示すように、封口板80および外装缶70に、それぞれ凸部85および76を形成することにより、この凸部85および76で集電部材250に押圧力を加えるように構成した。ただし、上記実施例1と同様、正極10(正極活物質層)および負極20(負極活物質層)には、押圧力が加わらないように構成した。なお、実施例2では、実施例1と同様、集電部材250の接続片と集電体露出部とは、超音波溶接で接続固定した。また、集電部材250は、実施例1と同様、正極側にはアルミニウム、負極側には銅を使用した。
〈比較例1〉
比較例1では、図41に示すように、集電部材および電極のいずれにも押圧力が加わらないように構成した。すなわち、比較例1では、外装容器60内において、正極10および負極20が固定されていない状態となっている。なお、比較例1では、実施例2と同様の集電部材250を用いた。また、集電部材250の接続片と集電体露出部とは、ネジ止めで接続固定した。
〈実施例1、2および比較例1共通〉
[正極の作製]
まず、活物質のLiFePO490重量部と、導電材のアセチレンブラック50重量部と、結着材のポリフッ化ビニリデン5重量部とを混合した後、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させることによって正極合剤スラリーを調整した。次に、この正極合剤スラリーを、1mmの厚みを有する発泡アルミニウム集電体(正極集電体)に均一に塗布、乾燥させた後、500μmの厚みまでロールプレスで圧縮した。最後に、所望の大きさに切断することにより、実施例1、2および比較例1の正極(正極板)を作製した。正極の活物質層を塗布する領域の大きさは、縦146mm、横196mmとし、正極(正極集電体)の大きさは、縦146mm、横208mmとした。
[負極の作製]
天然黒鉛(中国産天然黒鉛)90重量部と、ポリフッ化ビニリデン10重量部とを混合した後、N−メチル−2−ピロリドンを適宜加えて分散させることによって負極合剤スラリーを調整した。次に、この負極合剤スラリーを、1mmの厚みを有する発泡ニッケル集電体(負極集電体)に均一に塗布、乾燥させた後、500μmの厚みまでロールプレスで圧縮した。最後に、所望の大きさに切断することにより、実施例1、2および比較例1の負極(負極板)を作製した。負極の活物質層を塗布する領域の大きさは、縦150mm、横200mmとし、負極(負極集電体)の大きさは、縦150mm、横210mmとした。
[非水電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とを、30:70の容積比で混合した混合液(溶媒)に、LiPF6を1mol/L溶解することにより非水電解液を作製した。
[二次電池の組立]
正極板および負極板枚を、正極板、セパレータ、負極板、セパレータ、・・・の順に、正極板と負極板との間にセパレータが入るように積層することにより、電極群(積層体)を形成した。このとき、正極板に対して負極板が外側に位置するように、正極板を24枚、負極板を25枚用いた。また、セパレータを50枚用いることにより、電極群(積層体)の最も外側にはセパレータが位置するように構成した。
セパレータには、20μmの厚みを有する微多孔性ポリエチレンフィルムを用いた。セパレータの大きさは、正極板および負極板の活物質層が塗布されたサイズよりも大きくなるように、縦154mm、横206mmとした。
また、正極の集電体露出部および負極の集電体露出部には、それぞれ、集電部材の接続片を接続した。
外装容器は、ニッケルメッキを施した約1.0mmの厚みを有するスチール板を加工することにより、外装缶と封口板とを形成した。なお、外装缶の内径サイズは、縦164mm、横228mm、深さ20mmである。
そして、この外装缶に電極群(積層体)および集電部材を収納した後、封口板を載せ、二重巻き締めにより電池を封口した。なお、実施例1および2では、封口板を取り付けることにより、集電部材に押圧力が加わるように構成した。集電部材に加える押圧力は、集電部材を固定することが可能な押圧力とした。その一方、比較例1では、封口板を取り付けた際に、集電部材に押圧力が加わらないように構成した。
続いて、封口板に予め設けられたφ2mmの注液孔から所定量の非水電解液を減圧注液した。注液後、注液孔とほぼ同じ直径の金属球を注液孔に設置し、抵抗溶接により、注液孔を封口した。このようにして、実施例1、2および比較例1の電池を30個ずつ作製した。
上記のようにして作製した実施例1、2および比較例1によるリチウム二次電池電池について検査を行い、不良電池と良品電池とを選別した。電池製造時(電池組立時)の時点で電圧が0Vであった場合、内部短絡が生じていると考えられるため、このような電池は不良電池として除外した。そして、良品と判断された電池に対して、特性評価を行った。
具体的には、不良電池を除外した残りの電池に対して、3.5Vまで5時間の定電流定電圧充電を行い、その後、2Vまでの定電流放電を行うことにより、電池容量(初回電池容量)を測定した。そして、この電池を用いて、45℃の温度環境下で、上記充放電条件にてサイクル試験を行った。その後、200サイクル後の放電容量を測定し、その時の電池容量を初回の放電容量(初回電池容量)で除した割合(容量保持率)を評価した。
さらに、サイクル試験を行った電池を用いて、振動試験を行い、振動試験後の容量保持率を算出した。具体的には、200サイクル後の放電容量を測定した電池に対して、再度充電を行うことにより、満充電状態にした。そして、満充電状態にした電池を加振装置に取り付け、周波数10Hz〜50Hzの条件で、一方向(長手方向;X方向)に8時間振動を加えた。その後、電池の放電容量を測定し、充電容量で除した割合を容量保持率(%)として算出した。
これらの結果を、以下の表1に示す。なお、表1中における200サイクル後の容量保持率は、サイクル試験を行った電池の平均値を示している。また、振動試験後の容量保持率は、振動試験を行った電池の平均値を示している。
Figure 2011222128
上記表1に示すように、正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)に押圧力が加えられていない状態で、外装容器内に、集電部材を介して正極および負極が固定された実施例1および2では、正極および負極が固定されていない比較例1に比べて、不良電池の発生個数が少なくなることが確認された。具体的には、実施例1では、不良電池個数が1個、実施例2では、不良電池個数が0個であったのに対して、比較例1では、不良電池個数が5個と実施例に比べて非常に多く発生する結果となった。これは、実施例1および2では、正極活物質層および負極活物質層に押圧力が加えられていないことで、バリ突起などに起因する内部短絡が発生し難くなっているためであると考えられる。なお、比較例1でも、正極活物質層および負極活物質層に押圧力が加えられていないものの、比較例1では、正極および負極が固定されていないために、電池組立時に電極の位置ずれが生じ易くなっているものと考えられる。そして、電池組立時における電極の位置ずれに起因して内部短絡が発生し易くなるために、不良電池個数が実施例に比べて多くなったものと考えられる。
また、実施例1および2では、比較例1に比べて、200サイクル後の容量保持率も向上することが確認された。具体的には、実施例1では、200サイクル後の容量保持率が92%、実施例2では、200サイクル後の容量保持率が90%と、いずれも90%以上の高い容量保持率が得られた。このように、実施例1および2で高い容量保持率が得られた理由としては、集電部材に押圧力が加えられることによって、集電部材を介して正極および負極が固定されることにより、正極および負極の位置ずれが防止されたためであると考えられる。これに対し、比較例1では、容量保持率が81%と非常に低い結果となった。これは、電池の充放電に伴う活物質層の膨張収縮時に、正極および負極の位置ずれが生じ、電極の縁部(端部)などで内部短絡(微小短絡)が発生したためではないかと考えられる。すなわち、比較例1では、実施例とは異なり、集電部材に押圧力が加えられていないので、正極および負極が固定されておらず、正極および負極の位置ずれが生じ易くなっているために200サイクル後の容量保持率が低くなったものと考えられる。
さらに、実施例1および2では、比較例1に比べて、振動試験後の容量保持率も向上することが確認された。具体的には、実施例1および2では、振動試験後の容量保持率がいずれも99%とほとんど容量低下が見られなかった。これに対して、比較例1では、振動試験後の容量保持率が90%と、振動による容量保持率の低下が顕著に認められた。これは、実施例1および2では、正極および負極が外装容器内で固定されているために、振動に対して電極の位置ずれが生じ難くなっているためであると考えられる。一方、比較例1では、正極および負極が外装容器内で固定されていないため、振動に対して電極の位置ずれが生じ、これによって、容量保持率が低下したものと考えられる。
以上のように、正極(正極活物質層)および負極(負極活物質層)に押圧力が加えられていない状態で、電極(正極、負極)を外装容器内に固定することによって、歩留まり、寿命特性および信頼性を向上させることが可能となることが確認された。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、積層型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、巻回型のリチウムイオン二次電池に本発明を適用してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池(非水電解質二次電池)に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池に本発明を適用してもよい。また、非水電解質二次電池以外の二次電池に本発明を適用してもよい。さらに、今後開発される二次電池においても、本発明を適用することができる。
また、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、集電体の両面に活物質層を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、集電体の片面にのみ活物質層を形成してもよい。また、集電体の片面にのみ活物質層を形成した電極(正極、負極)を電極群の一部に含むように構成してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、二次電池の電解質として非水電解液を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、非水電解液以外のたとえばゲル状電解質、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩などを電解質として用いてもよい。
また、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、外装缶の開口部を封口板で二重巻き締め封口した例を示したが、本発明はこれに限らず、外装缶の封口方法は、二重巻き締め封口以外の方法であってもよい。たとえば、封口板を外装缶に溶接することによって外装缶の封口を行ってもよい。
また、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)では、正極(正極活物質層)よりも負極(負極活物質層)の方が大きくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、正極(正極活物質層)と負極(負極活物質層)とが同じ大きさになるように構成してもよいし、負極(負極活物質層)よりも正極(正極活物質層)の方が大きくなるように構成してもよい。
なお、上記第1〜第5実施形態(変形例を含む)において、外装容器の大きさや形状等については種々変更することができる。また、上記した第1〜第5実施形態(変形例を含む)の構成を適宜組み合わせることもできる。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、正極および負極の両方に集電部材を取り付けた例を示したが、本発明はこれに限らず、正極および負極の一方にのみ集電部材を取り付けるようにしてもよい。この場合、集電部材が取り付けられていない方の電極は、集電体露出部に押圧力を加えるなどの方法を用いて、位置ずれが生じないように構成しておくのが好ましい。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、集電部材を介して電極を固定するように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、封口板と外装缶とで電極の集電体露出部に押圧力を加えることによって、集電部材を介さずに電極を固定するように構成してもよい。この場合、電極の活物質層に押圧力が加わるのを抑制するために、集電体露出部のX方向の長さを長くすることによって、集電体露出部における活物質層から離れた領域に押圧力を加えるように構成するのが好ましい。
また、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)では、外装缶と封口板とで集電部材に押圧力を加えることによって、集電部材を外装容器内に固定した例を示したが、本発明はこれに限らず、外装缶と封口板とで集電部材に押圧力を加える方法以外の方法で、集電部材を外装容器内に固定するようにしてもよい。たとえば、接着剤などを用いて集電部材を外装容器内に固定するようにしてもよい。
なお、上記第1〜第4実施形態(変形例を含む)において、集電部材が位置ずれするのを抑制するために、封口板および外装缶の少なくとも一方に、位置ずれ防止用のリブを設けたり、集電部材が嵌合する溝部を設けたりしてもよい。
また、上記第1実施形態の変形例では、集電部材の接続片と電極の集電体露出部とを、2カ所でネジ止め固定した例を示したが、本発明はこれに限らず、1カ所または3カ所以上でネジ止め固定してもよい。また、第3および第4実施形態(変形例を含む)では、集電部材を組み立てる際に、2カ所でネジ止め固定した例を示したが、本発明はこれに限らず、第1実施形態の変形例と同様、1カ所または3カ所以上でネジ止め固定してもよい。なお、このようなネジ止め固定を行う場合、必要に応じて、ワッシャやスペーサなどを介してネジを締め込むようにしてもよい。
また、上記2実施形態では、封口板および外装缶の両方に凸部を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、封口板および外装缶の一方にのみ凸部を形成するようにしてもよい。
また、上記2実施形態では、封口板および外装缶に凸部を一体的に形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、上記凸部は別体で形成してもよい。
また、上記第2実施形態では、封口板および外装缶に形成した凸部で集電部材に押圧力を加えるように構成した例を示したが、本発明はこれに限らず、封口板および外装缶に凸部を形成せずに、封口板と集電部材との間および外装缶と集電部材との間の少なくとも一方に所定の厚みを有する絶縁部材などを介在させることによって、この絶縁部材などを介して集電部材に押圧力を加えるようにしてもよい。
なお、上記第2実施形態において、凸部の形状あるいは大きさ等は、集電部材を押圧することが可能な範囲内で、種々変更することができる。また、凸部の突出量についても、集電部材に対して所望の押圧力が加わるように、適宜調整することができる。
また、上記第3実施形態の第1変形例では、集電部材の本体部に段差部を形成することによって、ネジの頭部およびナットが本体部から突出しないように構成した例を示したが、段差部以外に、たとえば、座ぐり加工などを施すことによって、ネジおよびナットが集電部材の本体部から突出しないように構成してもよい。
また、上記第4実施形態(変形例を含む)では、複数の金属板をネジ止め固定することにより集電部材に組み立てた例を示したが、本発明はこれに限らず、第3実施形態の第2変形例で示したように、クリップなどを用いて複数の金属板を固定することにより集電部材に組み立ててもよい。また、上記第3実施形態(変形例を含む)において、集電部材の最も外側に配される金属板2枚を用いて、電極の集電体露出部を上下に挟み込むように構成してもよい。
5 集電リード
10 正極(電極)
11 正極集電体
11a 集電体露出部
11b 貫通孔
12 正極活物質層
20 負極(電極)
21 負極集電体
21a 集電体露出部
22 負極活物質層
30 セパレータ
40 電極群
40a 積層体
50、250、350、450 集電部材
50a、250a、350a、450a 正極用の集電部材(第1集電部材)
50b、250b、350b、450b 負極用の集電部材(第2集電部材)
51、251、351 本体部
52 接続片
60 外装容器
70 外装缶(収納容器)
71 底面部
72 側壁部
73 開口部
74 電極端子
75 容器折り返し部
76、85 凸部
76a、85a 押圧面
80 封口板(封口体)
81 パネル部
82 チャックウォール部
83 折り返し部
84 注液孔
100、200 リチウムイオン二次電池(二次電池)
110、320、420 ネジ
310 板状部材
311 段差部
312 薄板部
313 厚板部
360 クリップ
410、410a、410b 金属板
411 貫通孔
550 集電タブ(集電部材)

Claims (13)

  1. 活物質層を含む電極と、
    前記電極を収納する収納容器と前記収納容器を封口する封口体とを含む外装容器とを備え、
    前記電極が、前記活物質層に押圧力が加えられていない状態で、前記外装容器内に固定されていることを特徴とする、二次電池。
  2. 前記電極と接続される集電部材をさらに備え、
    前記集電部材を介して、前記電極が前記外装容器内に固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記収納容器および前記封口体によって、前記集電部材に押圧力が加えられていることを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記電極は、正極集電体と前記正極集電体上に形成された正極活物質層とを有する正極と、負極集電体と前記負極集電体上に形成された負極活物質層とを有するとともに前記正極と対向するように配された負極とを含み、
    前記正極および前記負極が、それぞれ、前記正極活物質層および前記負極活物質層に押圧力が加えられていない状態で、前記外装容器内に収納されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記電極と接続される集電部材を備え、
    前記集電部材は、前記正極集電体と接続される第1集電部材と、前記負極集電体と接続される第2集電部材とを含み、
    前記収納容器および前記封口体によって、前記第1集電部材および前記第2集電部材のそれぞれに押圧力が加えられていることを特徴とする、請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記正極集電体および前記負極集電体は、それぞれ、前記正極活物質層および前記負極活物質層が形成されずに露出された集電体露出部を有し、
    前記収納容器および前記封口体によって、前記集電体露出部に押圧力が加えられていることを特徴とする、請求項4または5に記載の二次電池。
  7. 前記正極と前記負極との間に配されるセパレータをさらに備え、
    前記正極、前記セパレータおよび前記負極が順次積層されることによって積層体が構成されていることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記積層体は、前記正極および前記負極をそれぞれ複数有し、
    前記正極および前記負極が交互に積層されていることを特徴とする、請求項7に記載の二次電池。
  9. 前記正極集電体および前記負極集電体は、それぞれ、前記正極活物質層および前記負極活物質層が形成されずに露出された集電体露出部を有し、
    前記集電部材は、前記集電体露出部と接続される櫛歯状の接続片を含むことを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の二次電池。
  10. 前記収納容器および前記封口体は、それぞれ、金属材料から構成されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の二次電池。
  11. 前記電極と接続される集電部材を備え、
    前記電極は、前記封口体と対向するように配されているとともに、前記収納容器は、前記電極と対向する底面部を含み、
    前記封口体および前記収納容器の底面部の少なくとも一方には、前記集電部材に向かって突出する凸部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の二次電池。
  12. 前記収納容器および前記封口体の少なくとも一方の電池内部側は、高分子ラミネート材でコーティングされていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の二次電池。
  13. 前記収納容器は、角形に形成されているとともに、最も面積の大きい面が底面部となっており、
    前記電極が、前記底面部と対向するように、前記収納容器内に収納されていることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の二次電池。
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