JP2011220203A - 可変動弁装置付エンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】カムシャフトの両端部に夫々設けられたカム位相可変機構器のうち一方に作動油を優先して供給し迅速に作動可能とする。
【解決手段】吸気カムシャフト4の両端部に油圧駆動式の第1のカム位相可変機構30、第2のカム位相可変機構31が備えられるとともに、吸気カムシャフト4がシリンダヘッドに複数設けられた軸受け部23a、23eにより回転可能に支持される可変動弁装置付エンジンにおいて、第1のカム位相可変機構30及び第2のカム位相可変機構31への油路は、互いに異なる軸受け部23a、23eにおいてシリンダヘッド内の油路と吸気カムシャフト4内との油路とが連通するように形成されるとともに、第1のカム位相可変機構30へ作動油を導入する油路は吸気カムシャフト4の外周面に円環状の油溝54を備え、第2のカム位相可変機構31へ作動油を導入する油路は軸受け部23eの内周面に円環状の油溝63を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、カムの位相を変更可能なカム位相可変機構を備えたエンジンに関するものである。
近年、バルブの開閉時期(カムの位相)を変化させる可変動弁装置として、カム位相可変機構を備えたエンジンが増加してきている。更に、1つの気筒にバルブが複数備えられたエンジンに上記カム位相可変機構を2個使用し、エンジンの運転状態に応じて複数のバルブの全体及び一部の開閉時期を変化させる技術が開発されている。
こうしたエンジンの動弁装置に用いられるカムシャフトは、シャフト部材に別体のカム山部を回動可能に嵌め合わせて組み立てられ、シリンダヘッドに複数形成された軸受け部に回転可能に支持されている。カム位相可変機構は、例えばベーン式アクチュエータのような油圧機器が用いられ、カムシャフトの両端に配置されている。そして、2個のカム位相可変機構のうち一方は複数のバルブ全体の位相を、他方は複数のバルブのうち一部のバルブとその他のバルブとの位相を可変させるスプリット可変を可能としている(特許文献1)。
特開2009−144521号公報
上記特許文献1では、カム位相可変機構はオイルポンプからシリンダヘッド及びカムシャフト内に形成された油路を介して作動油が供給される。この油路は、夫々のカム位相可変機構に近接した軸受け部でシリンダヘッド内とカムシャフト内とを連通するように形成されており、相対的に回転する軸受け部とカムシャフトとの間で常に連通するように、軸受け部の内周面に円環状の溝を備えている。
しかしながら、このように相対的に回転する軸受け部とカムシャフトとの間には隙間を有するので、この隙間から作動油が漏れ、カム位相可変機構への作動油の供給量が低下する虞がある。そして、作動油の供給量が低下するとカム位相可変機構の応答性が低下して、バルブの駆動に迅速かつ正確に対応して可変作動を行うことが困難となる虞がある。特に、特許文献1のようにカムシャフトの両端部にカム位相可変機構が2個設けられた場合、いずれも高い応答性が必要となるが、バルブ全体の位相を可変するカム位相可変機構とスプリット可変を行うカム位相可変機構の可変応答性をバランス良く設計する必要が生じたり、いずれか一方を優先した設計が求められたりする。
本発明の目的は、カムシャフトの両端部に夫々設けられたカム位相可変機構の可変応答性をいずれか一方を優先したり、または、そのバランスをとった可変動弁装置付エンジンを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、カムシャフトの両端部にバルブ駆動用カムの位相を可変する油圧駆動式のカム位相可変機構が夫々備えられるとともに、カムシャフトがシリンダヘッドに複数設けられた軸受け部により回転可能に支持される可変動弁装置付エンジンにおいて、両端部に設けられた2個のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は、シリンダヘッド内及びカムシャフト内に夫々形成され、互いに異なる軸受け部においてシリンダヘッド内の油路とカムシャフト内との油路とが連通するように形成されるとともに、2個のカム位相可変機構のうち一方の第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路はカムシャフトの外周面に円環状の油溝を備え、他方の第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は軸受け部の内周面に円環状の油溝を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1において、エンジンは1つの気筒に複数の吸気バルブが備えられ、第1のカム位相可変機構は複数の吸気バルブ全体の位相を可変するとともに、第2のカム位相可変機構は複数の吸気バルブのうち一部の吸気バルブの位相を可変することを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項2において、第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部は、第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部より内径が大きく形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項1の可変動弁装置付エンジンによれば、第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は回転するカムシャフトの外周面に円環状の油溝を備え、第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は固定された軸受け部の内周面に円環状の油溝を備えるので、第1のカム位相可変機構への油溝に供給する油路の開口部ではカムシャフト外周面の円環状油溝内の油も油溝に引きずられて回転しており、開口部に対して油の流れは速く、第2のカム位相可変機構への油溝に供給する油路の開口部では軸受け部内周面の円環状油溝内の油は回転するカム軸面側だけが引きずられて回転しており、開口部に対して油の流れが遅くなる。これにより、油溝への供給油路の開口部付近での圧力差が生じ、第1のカム位相可変機構への油路の開口部付近よりも第2のカム位相可変機構への油路の開口部付近の油圧が低くなり、油溝内へ作動油を供給し易くなる。したがって、第1のカム位相可変機構よりも第2のカム位相可変機構への作動油の流通性が向上し、第2のカム位相可変機構に優先して作動油が供給され迅速に作動可能にすることができる。
本発明の請求項2の可変動弁装置付エンジンによれば、第1のカム位相可変機構による複数の吸気バルブ全体の位相の可変よりも、第2のカム位相可変機構による一部の吸気バルブの位相を優先して可変させることができる。したがって、例えばエンジンの低速低負荷時にオイルポンプからの作動油の供給量が低下した場合でも、第2のカム位相可変機構による所謂吸気バルブのスプリット可変を優先して迅速に行うことができ、要求される最適なカムタイミングに遅れなく変更することができるので、高いドライバビリティを維持しながら燃費性能を向上させることができる。
本発明の請求項3の可変動弁装置付エンジンによれば、第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部は、第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部よりも内径が大きく形成されているので、油溝内での作動油の周速が増加し、油路の開口部付近の油圧が増大し難くい。これにより、例えば第2のカム位相可変機構により所謂吸気バルブのスプリット可変を行うようにすれば、この吸気バルブのスプリット可変を優先して迅速に行うことができ、高いドライバビリティと燃費性能が維持されつつ、設計自由度が高くでき、強度信頼性が高められる。また、カムシャフトの両端部に夫々設けられたカム位相可変機構の可変応答性のバランスをとることができる。
本実施形態に係る可変動弁装置付エンジンにおけるシリンダヘッド内の構造を示す上面図である。 吸気カムシャフトの及びその支持部の構造を示す断面図である。 油溝内での作動油の周速を示す説明図であり、A)はカムシャフト側に油溝を設けた場合、B)はシリンダヘッド側に油溝を設けた場合を示す。C)はカムシャフト側に油溝を設けた場合での溝幅方向の断面図、D)はシリンダヘッド側に油溝を設けた場合での溝幅方向の断面図である。 シリンダヘッド側に油溝を設けた場合での、油路の配置例を示す断面図である。
以下、図面に基づき本発明の一実施形態について説明する。
図1は本実施形態の可変動弁装置付エンジン(以下、単にエンジン1という)のシリンダヘッド2内の構造を示す上面図である。図2は、吸気カムシャフト4及びその支持部の構造を示す断面図である。
本実施形態のエンジン1は、DOHC式の動弁機構を有する直列3気筒のエンジンである。図1に示すように、シリンダヘッド2の内部に設けられた排気カムシャフト3及び吸気カムシャフト4には、夫々カムスプロケット5、6が接続され、これらのカムスプロケット5、6はチェーン7を介して図示しないクランクシャフトに連結されている。
エンジン1の1つの気筒8には、2つの吸気バルブ9、10と図示しない2つの排気バルブとが設けられている。2つの吸気バルブ9、10は、吸気カムシャフト4に交互に配置された第1の吸気カム11及び第2の吸気カム12により駆動される。詳しくは、2つの吸気バルブのうち第1の吸気バルブ9は第1の吸気カム11に、第2の吸気バルブ10は第2の吸気カム12により駆動される。一方、2つの排気バルブは、排気カムシャフト3に固定された排気カム13により駆動される。
図2に示すように、吸気カムシャフト4は、中空状のアウタカムシャフト21とアウタカムシャフト21に挿入されたインナカムシャフト22とを備えた2重構造となっている。アウタカムシャフト21及びインナカムシャフト22は、若干の隙間を有しつつ同心上に配置され、エンジン1のシリンダヘッド2に形成された複数の軸受け部23a〜23eに回動可能に支持されている。
アウタカムシャフト21には、第1の吸気カム11が固定されている。また、アウタカムシャフト21には回動可能に第2の吸気カム12が支持されている。第2の吸気カム12は、アウタカムシャフト21が挿入される略円筒状の支持部12aと支持部12aの外周から突出し第2の吸気バルブ10を駆動するカム山部12bとから構成されている。第2の吸気カム12とインナカムシャフト22とは固定ピン24により固定されている。固定ピン24は、第2の吸気カム12の支持部12a、アウタカムシャフト21及びインナカムシャフト22を貫通しており、インナカムシャフト22に設けられた孔に略隙間なく挿入されるとともに、両端部がかしめられて支持部12aに固定されている。アウタカムシャフト21には固定ピン24が通過する長孔25が周方向に延びて形成されている。よって、第1の吸気カム11はアウタカムシャフト21の回転により駆動し、第2の吸気カム12はインナシャフト22の回転により駆動する構成となっている。
吸気カムシャフト4の両端には、第1のカム位相可変機構30及び第2のカム位相可変機構31が設けられている。第1のカム位相可変機構30及び第2のカム位相可変機構31は、例えば公知のベーン式油圧アクチュエータが用いられている。ベーン式油圧アクチュエータは、円筒状のハウジング内にベーンロータが回動可能に設けられて構成されており、ハウジング内への作動油の供給に応じて、ハウジングに対するベーンの回転角度を可変させる機能を有する。
第1のカム位相可変機構30は吸気カムシャフト4の前端部に設けられている。詳しくは、第1のカム位相可変機構30のハウジングにカムスプロケット6が固定されているとともに、第1のカム位相可変機構30のベーンロータにアウタカムシャフト21が固定されている。
第2のカム位相可変機構31は、吸気カムシャフト4の後端部に設けられている。詳しくは、第2のカム位相可変機構31のハウジングにアウタカムシャフト21が固定されているとともに、第2のカム位相可変機構31のベーンロータにインナカムシャフト22が固定されている。
したがって、第1のカム位相可変機構30は、カムスプロケット6に対するアウタカムシャフト21の回転角を可変させる機能を有する一方、第2のカム位相可変機構31は、アウタカムシャフト21に対するインナカムシャフト22の回転角を可変させる機能を有する。即ち、第1のカム位相可変機構30は、排気バルブの開閉時期に対して第1の吸気バルブ9及び第2の吸気バルブ10全体の開閉時期を可変させる機能を有するとともに、第2のカム位相可変機構31は、第1の吸気バルブ9の開閉時期と第2の吸気バルブ10の開閉時期との差を可変させるスプリット可変機能を有する。
図1に示すように、シリンダヘッド2には、アウタカムシャフト21の実回転角を検出する第1のカムセンサ32と、第1のカム位相可変機構30への作動油の吸排を制御する第1のOCV33とが固定されている。第1のOCV33は、第1のカム位相可変機構30に近接した位置に配置されており、エンジン1のシリンダブロックに固定された図示しないオイルポンプから、シリンダヘッド2に上下方向に延びて形成された油路40を介して作動油が供給される。第1のカムセンサ32は、第1のOCV33の制御、即ち第1のカム位相可変機構30の作動制御に用いられる。
シリンダヘッド2の後部には、第2のカム位相可変機構31への作動油の吸排を制御する第2のOCV34と、第2のカム位相可変機構31のベーンロータの回転角を検出する第2のカムセンサ35が固定されている。第2のOCV34は、油路40及びこの油路40から分岐した油路41を介して、前記第1のOCV33に供給するオイルポンプから作動油が供給される。第2のカムセンサ35は、第2のカム位相可変機構31のベーンロータに固定されている部位であるカバー36に面してシリンダヘッド2に固定されており、カバー36の実回転角を検出することで、インナカムシャフト22の実回転角を検出する。
したがって、第2のカムセンサ35と第1のカムセンサ32とによりアウタカムシャフト21とインナカムシャフト22との実回転角差を検出することが可能となり、この実回転角差が第2のOCV34の制御、即ち第2のカム位相可変機構31の作動制御に用いられる。
図2に示すように、第1のOCV33から第1のカム位相可変機構30へは、シリンダヘッド2に形成された油路51、吸気カムシャフト4に形成された油路52を介して作動油が供給される。特に、軸受け部23aに支持される吸気カムシャフト4の部位であるカムジャーナル53には、その外周面に円環状に油溝54が形成されており、この油溝54に面して軸受け部23aの内周面に油路51が開口している。これにより、相対的に回転する軸受け部23aとカムジャーナル53との間で常に油路51、52が連通する構造となっている。
第2のOCV34から第2のカム位相可変機構31へは、シリンダヘッド2に形成された油路61、アウタカムシャフト21に形成された油路62を介して作動油が供給される。特に、軸受け部23eには、その内周面に円環状に油溝63が形成されており、この油溝63に面して、軸受け部23eに支持される吸気カムシャフト4の部位であるカムジャーナル64の外周面に油路62が開口している。これにより、相対的に回転する軸受け部23eとカムジャーナル64との間で常に油路61、62が連通する構造となっている。
更に、本実施形態のエンジン1では、第2のカム位相可変機構31への油路61が形成された軸受け部23eの内径が、第1のカム位相可変機構30への油路51が形成された軸受け部23aの内径よりも大きく形成されている。
以上のように、エンジン1には、相対的に回転するシリンダヘッド2の軸受け部23a、23eと吸気カムシャフト4との間で作動油が常に流通可能なように、軸受け部23eの内周面あるいはカムジャーナル53の外周面のいずれか一方に円環状の油溝54、63が設けられている。特に、本実施形態のエンジン1では、第1のカム位相可変機構30への油路51が形成された軸受け部23aでは、カムジャーナル53の外周面に円環状の油溝54が設けられる一方、第2のカム位相可変機構31への油路61が形成された軸受け部23eでは、軸受け部23eの内周面に円環状の油溝63が設けられる。このように、円環状の油溝54、63を固定された軸受け部23a、23e及び回転するカムジャーナル53、64のいずれかに設けることで、その油溝54、63内への作動油の流入し易さが異なり、作動油の流通性が異なる。以下、その理由について、図3を用いて説明する。
図3は、油溝54、63内での作動油の周速を示す説明図であり、A)はカムシャフト(カムジャーナル53)側に油溝54を設けた場合での回転方向の断面図、B)はシリンダヘッド(軸受け部63e)側に油溝63を設けた場合での回転方向の断面図である。なお、本図では、周速が比較しやすいように直線的に図示している。また、図3のC)は、カムシャフト側に油溝54を設けた場合での溝幅方向断面図、D)はシリンダヘッド側に油溝63を設けた場合での溝幅方向断面図であり、油溝内の速度分布を示す。
第2のカム位相可変機構31への油溝63に供給する油路61の開口部では、軸受け部23eの内周面に設けられた円環状の油溝63内の油は回転するカムシャフト側だけが引きずられて回転しており、開口部に対して油の流れが遅くなる。これにより、油溝63への供給油路の開口部付近での圧力差が生じ、第1のカム位相可変機構30への油路51の開口部付近よりも第2のカム位相可変機構31への油路61の開口部付近の方が油圧が低くなり、油溝63内へ作動油を供給し易くなる。
図3(A)及び(C)に示すように、回転するカムシャフト(カムジャーナル53)側に円環状の油溝54を設けた場合は、カムシャフト外周面の円環状の油溝54内の油も油溝54に引きずられて回転しており、油溝54内の溝壁近傍では作動油の周速が大きくなる(図中b)。したがって、油溝54の油路51の開口部付近での作動油の周速(図中a)も比較的大きくなる。
一方、図3(B)、(D)に示すように、シリンダヘッド2に固定された部位である軸受け部23e側に設けられた油溝63内では、油路61の開口部付近の反対側においてはカムジャーナル64の回転に伴って粘性により作動油が回転するが(図中c)、溝壁近傍では作動油が回転し難く周速が比較的小さい(図中d)。したがって、油溝63の油路61の開口部付近での作動油の周速(図中c)は比較的小さくなる。
油溝への供給油路の開口部付近での作動油の周速が異なることで、油圧が異なり、この油圧差が軸受け部23a、23eに形成された油路51、61から油溝54、63内への作動油の流入し易さに影響する。即ち、図3(B)、(D)に示すようにシリンダヘッド2側に油溝63を設けた方が供給油路の開口部付近での油圧が小さく作動油が流入し易くなり、図3(A)、(C)に示すようにカムシャフト側に油溝54を設けた方が供給油路の開口部付近での油圧が大きく作動油が流入し難くなる。本実施形態では、シリンダヘッド2側に油溝63を設けた油路を用いて第2のカム位相可変機構31に作動油が供給されるので、吸気カムシャフト4側に油溝54を設けた油路を用いて作動油が供給される第1のカム位相可変機構30よりも優先して作動油が供給され、第2のカム位相可変機構31によるスプリット可変の作動応答性を向上させることができる。
したがって、例えばオイルポンプからの作動油の供給量が低下する低負荷低回転時であっても、第2のカム位相可変機構31によるスプリット可変の応答性を確保することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1のカム位相可変機構30への油路が形成された軸受け部23aより、第2のカム位相可変機構31への油路が形成された軸受け部23eの方が、内径が大きく形成されているので、これに伴い油溝54よりも油溝63内での作動油の周速、特にその最大値が大きくなる。このように周速の最大値が大きくなっても、油溝63内の供給油路の開口部付近の作動油の周速は低いので、圧力が小さく、油溝63内に作動油が流入しやすくなる。したがって、第1のカム位相可変機構30よりも第2のカム位相可変機構31の方へ作動油が供給され易い状態が維持できる。すなわち、ジャーナル径を大きく設計可能となり高いドライバビリティと燃費性能が維持されつつ、設計自由度が高くでき、強度信頼性が高められる。また、カムジャーナルの油溝配置を異ならせることで供給油路の開口部付近での油圧を調整し、第1のカム位相可変機構30と第2のカム位相可変機構31の可変応答性をバランスすることもできる。
なお、本実施形態では、第1のカム位相可変機構30及び第2のカム位相可変機構31のいずれも、第1のカム位相可変機構30に近接した油路40を介して作動油が供給されるので、オイルポンプから第1のカム位相可変機構30までの油路の方が、オイルポンプから第2のカム位相可変機構31までの油路よりも距離が短くなっている。したがって、油路の全体的な距離を考慮すると、第2のカム位相可変機構31までの油路の方が圧損が大きくなってしまうが、上記のように軸受け部23a、23eの構成により、第2のカム位相可変機構31への作動油の供給性を向上させることで、作動油の供給性の不利を解消することができる。このように、油圧源から遠い油圧機器に対して油路が形成される軸受け部を拡径させることで、作動油の供給性の低下を回避することができ、オイルポンプ、第1のカム位相可変機構30及び第2のカム位相可変機構31の配置や、油路の配置の設計自由度を向上させることができる。
図4(A)〜(D)は、シリンダヘッド(軸受け部63e)側に油溝63を設けた場合での、油溝63に対する油路61の配置例を示す断面図である。(A)〜(C)は溝幅方向の断面図、(D)は回転方向の断面図である。
シリンダヘッド側に油溝63を設けた場合には、上記のように、油溝63内での作動油はカムジャーナル64側だけが引きずられて回転し、油溝63に対する油路61の供給口(開口部)付近の作動油の速度が遅くなるので、油路61から油溝63への作動油が供給し易くなる。よって、図4(A)〜(D)に示すように、油溝63への作動油の供給位置及び供給方向を自由に設定しても、作動油が供給不足され難くなり、油路61の配置等の設計自由度を高くすることが可能となる。
1 エンジン
2 シリンダヘッド
4 吸気カムシャフト
9 第1の吸気バルブ
10 第2の吸気バルブ
30 第1のカム位相可変機構
31 第2のカム位相可変機構
23a、23e 軸受け部
54、63 油溝

Claims (3)

  1. カムシャフトの両端部にバルブ駆動用カムの位相を可変する油圧駆動式のカム位相可変機構が夫々備えられるとともに、前記カムシャフトがシリンダヘッドに複数設けられた軸受け部により回転可能に支持される可変動弁装置付エンジンにおいて、
    前記両端部に設けられた2個のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は、前記シリンダヘッド内及び前記カムシャフト内に夫々形成され、互いに異なる前記軸受け部において前記シリンダヘッド内の油路と前記カムシャフト内との油路とが連通するように形成されるとともに、
    前記2個のカム位相可変機構のうち一方の第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は前記カムシャフトの外周面に円環状の油溝を備え、他方の第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路は前記軸受け部の内周面に円環状の油溝を備えることを特徴とする可変動弁装置付エンジン。
  2. 前記エンジンは1つの気筒に複数の吸気バルブが備えられ、
    前記第1のカム位相可変機構は前記複数の吸気バルブ全体の位相を可変するとともに、前記第2のカム位相可変機構は前記複数の吸気バルブのうち一部の吸気バルブの位相を可変させることを特徴とする請求項1に記載の可変動弁装置付エンジン。
  3. 前記第2のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部は、前記第1のカム位相可変機構へ作動油を導入する油路が形成された軸受け部より内径が大きく形成されていることを特徴とする請求項2に記載の可変動弁装置付エンジン。
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