JP2011209127A - 原子力プラントの監視システム及びその監視方法 - Google Patents

原子力プラントの監視システム及びその監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子力プラントの運転データ及び構成機器等の採取データを、一元管理して効果的に連携させ、運転計画・保全計画に有効活用する原子力プラントの監視技術を提供する。
【解決手段】原子力プラント10の監視システム20において、原子力プラント10から送信される運転データRを受信するデータ受信部23と、対象機器11,12,13の採取データSを取得するデータ取得部21と、前記対象機器11,12,13に対応させたパッケージに前記運転データR及び前記採取データSを割り付けてデータ蓄積部25に蓄積させるパッケージ割付部22と、前記運転データR及び前記採取データSをパラメータとして前記パッケージに対応する対象機器11,12,13の健全性を評価する機器健全性評価部42と、前記機器健全性評価部42の評価に基づいて前記原子力プラント10を構成する前記対象機器の組み合わせを選定する構成選定部46と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子力プラントを構成する機器の健全性評価を融合させた原子力プラントの監視技術に関する。
原子力プラントは、約13ヶ月に1回プラントを停止させて一律に点検を行う従来の保全方法に代えて、科学的な根拠に基づく最適な点検時期を見出して、個々のプラントの特性に応じた合理的な保全方法が模索されている。
そして近年、機器運転時のデータを収集・分析・評価してその状態確認や適切な保全計画の立案をする状態監視保全(CBM:Condition Based Maintenance)が積極的に採用されている。
さらに、機器の重要度・リスク等に基づき保全方式を選定する信頼性重視保全(RCM:Reliability Centered Maintenance)が導入されている。
このような保全方式の導入により、原子力プラントの安全性、信頼性及び経済性の更なる向上を図ることができる。
このような状況の下、原子力プラントの最適な点検期間を科学的な根拠に基づいて見出すために、その構成である個々の系統・機器等のデータを収集、蓄積、有効活用し、これらの特性を網羅的に把握することが求められている。
一方で、大規模なプロセス計算機システム等で構成されるプラント監視システムが、運転中の原子力プラントから様々な運転データを受信して、収集・加工・表示・蓄積等の各種処理をして、プラントの運転・監視の補助を担っている。
この運転データは、プラントを構成する系統・機器の各種プロセス量、接点信号、それらに基づく計算値等の数多くが対象となっている。
現状のプラント監視システムにおいては、プラントの運転データは目的に応じて分類・整理され、監視性・操作性向上の為の工夫が成されており、画面上の情報を用いて自動的に関連情報の集約表示を可能とする発明等も考案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−193195号公報
しかし、特許文献1の発明は、画面上に予め割り付けられた運転データの信号をトレンドグラフ化するのみであり、監視性・操作性の向上には繋がるものの、同一画面に予め入力されているデータ以外の別個のデータとの連携を可能とするものではない。
また、CBMデータに関しては、その採取方法や採取したデータの判定処理等に関する要素技術が整いつつあるが、運転データと関連付けて、原子力プラントの運転計画及び点検計画に活用するまでは至っていない。
ところで、プラント監視システムは、これら運転データのみならず、CBMデータ(以後、「採取データ」とも言う)も有効活用することにより、原子力プラントの安全性、信頼性及び経済性の更なる向上に資すると考えられる。
しかし、従来型のプラント監視システムは、採取したCBMデータを反映させるのは困難な設計となっている。
また、CBMデータをプラント監視システムとは異なる専用のサブシステムで扱うことが考えられるが、それでは運転データとCBMデータとが分離され、関連性のあるデータが散在・偏在する問題を招くこととなる。
本発明は前記した問題を解決することを課題とし、CBMデータ等の採取データ及び運転データを、一元管理して効果的に連携させ、原子力プラントの運転計画・保全計画に有効活用する監視技術を提供することを目的とする。
本発明に係る原子力プラント監視システムは、原子力プラントから送信される運転データを受信するデータ受信部と、対象機器の採取データを取得するデータ取得部と、前記対象機器に対応させたパッケージに前記運転データ及び前記採取データを割り付けてデータ蓄積部に蓄積させるパッケージ割付部と、前記運転データ及び前記採取データをパラメータとして前記パッケージに対応する対象機器の健全性を評価する機器健全性評価部と、前記機器健全性評価部の評価に基づいて前記原子力プラントを構成する前記対象機器の組み合わせを選定する構成選定部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、原子力プラントの運転データ及び構成機器等の採取データを、一元管理して効果的に連携させ、運転計画・保全計画に有効活用する原子力プラントの監視技術を提供することができる。
本発明に係る原子力プラントの監視システムの実施形態を示すブロック図。 原子力プラントの概略構成ブロック図。 データ蓄積部にパッケージ割付されて蓄積されるパラメータ情報。 対象機器における複数(三つ)のパラメータを点数評価させたレーダチャート。 (A)原子力プラントにおける構成機器の系統図、(B)パラメータの自己回帰分析グラフ、(C)健全性が最大となる推奨機器ラインアップ、(D)構成機器のトレンドグラフ及びレーダチャート、(E)多重化されたCBM対象機器のレーダチャートを、多段階層表示する画面の構成図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、本発明の実施形態は、複数の構成機器11〜15を備え原子力発電を行う原子力プラント10と、その運転状態を監視する監視システム20と、運転員により集中監視や集中遠隔操作が行なわれる中央操作室50と、から構成されている。
ここで、構成機器11〜15とは、回転・往復する動的機器、又は弁や配管等の静的機器等であって、プラント運転に関連する各種プロセス量及び接点状態等の運転データRを出力するものである。なお、図2において、構成機器11〜15として、復水・給水配管に設けられているものを例示しているが、これらに限定されるものではない。
また、これら構成機器11〜15の内の一部は(図1中、符号11,12,13)、CBM対象機器に指定されている。
CBM対象となっている構成機器11,12,13は、保全計画の適正かつ合理的な立案を目指して、それぞれ個別に運転状態のデータが収集・分析評価されている。
ポンプ機器についてのCBM診断を例示すると、「振動診断」、「潤滑油分析」、「赤外線診断」等が挙げられる。
「振動診断」は、変位・速度・加速度・周波数を測定し、これらの測定データから、ポンプインペラなど回転体のアンバランスやミスアライメント、軸受の異常、回転体の摩耗などの故障・劣化モードについて評価するものである。
「潤滑油分析」は、粘度・水分・清浄度などを測定・分析し、油の性状、汚染度や摩耗痕などの故障・劣化モードについて評価するものである。
「赤外線診断」は、ポンプの表面温度を測定することにより、軸受部の発熱などの異常部位の確認や温度分布を確認するものである。
原子力プラント10は、図2に示されるように、原子炉16で発生した蒸気が、主蒸気管に導かれてタービン17を回転駆動させて、同軸上に接続された発電機18を駆動させる。このタービン17で仕事をして膨張した蒸気は、復水器19で冷却され凝縮して復水となる。この復水は、復水・給水配管上の第3ポンプ群13、第2ポンプ群12、第1ポンプ群11を経て原子炉16内に戻される。
そして、第1ポンプ群11、第2ポンプ群12、第3ポンプ群13は、CBM対象機器に指定されており、それぞれA号機、B号機、C号機、D号機が並列接続されて多重化している。
これらA号機、B号機、C号機、D号機は、それぞれが「待機状態」、「運転状態」の組み合わせを適宜変更させながら、復水及び給水の送液を実行している。
また、これら第1ポンプ群11、第2ポンプ群12、第3ポンプ群13の上流側又は下流側には、加熱装置14やろ過・脱塩装置15といったその他の構成機器が配置されている。
中央操作室50は、図1に示されるように、機器健全性の評価結果を音声で運転員に認識させる音声告知手段51と、運転員が原子力プラント10の制御情報及び監視情報を操作するための対話手段52と、これら情報を運転員に視認させる表示手段53とから構成されている。
監視システム20は、原子力プラント10から送信される運転データRとCBM対象機器から採取されたCBMデータ(採取データS)に基づいて、機器健全性評価を実行し、原子力プラント10の保全上、適切な運転計画を中央操作室50の運転員に示すものである。
そして監視システム20は、CBMデータ取得部21と、パッケージ割付部22と、運転データ受信部23と、時間情報付加部24と、データ蓄積部25と、トレンドグラフ作成部26と、系統図形成部27と、パラメータ抽出部31と、回帰演算部32と、基準値格納部33と、音声出力部34と、音声データ格納部35と、画像処理部36と、画面フォーム格納部37と、比較部41と、機器健全性評価部42と、レーダチャート作成部43と、重み付部44と、点数化部45と、構成選定部46と、プラント制御情報認識部47と、から構成されている。
運転データ受信部23は、原子力プラント10から送信されるアナログ信号又は接点信号である運転データRを受信するものである。そして受信された運転データRは、時間情報付加部24によりタイムスタンプされ、系統図形成部27及びトレンドグラフ作成部26に送られて、対応する構成機器11〜15の系統図(図5(A))上の表示数値(図示略)及びトレンドグラフ(図5(D))を出力させる。
CBMデータ取得部21(データ取得部)は、CBM対象機器(対象機器)から採取されたCBMデータ(採取データS)を取得するものである。つまり対象機器11,12,13から採取された振動、温度、運転継続時間、補修実績等の採取データSを、運転データRとは異なる経路で取得するものである。
ここで、採取データSとは、電気的に通信されるものに限定されず手入力される場合もあり、また採取データSはCBMデータに限定されるものでもない。
パッケージ割付部22は、CBM対象機器11,12,13に対応させたパッケージP(図3)に運転データR及び採取データSを割り付けてデータ蓄積部25に蓄積させるものである。
パッケージPは、過去から現在にわたり蓄積された運転データR及び採取データSが、それぞれパラメータ毎に分類され束となってデータ蓄積部25に蓄積されている。
ポンプの状態に関連するパラメータとしては、ポンプを通過する流体の入口圧力、出口圧力、入口流量、出口流量等が挙げられる。
これらのパラメータはポンプ性能に依存するのみならず、プラント・系統の状態にも依存して変化するものである。しかし、ポンプの通常の運転時における圧力、流量は、概ね一定範囲に定まるものであり、そのような通常値からパラメータがずれている場合は、プラント・系統の異常か、又は当該ポンプ自体の異常が要因として考えられる。
パッケージ処理を行う理由は、他のパラメータと比較することにより、いずれの異常が、当該パラメータの通常値を外す要因であるかについての判断材料になるからである。
なお、当該パラメータが通常値を大きく逸脱する際にはポンプ停止のインターロックが働くようになっている。
さらに、ポンプの機器健全性評価に関する圧力・流量以外の関連パラメータとしては、ポンプの軸受け温度や軸受油の温度、磨耗痕、ポンプ各所の各方向の振動値、その他、ポンプ駆動用機器(モータ、タービン等)の振動、温度、電流、電圧等、それらから計算されるポンプ効率等がある。
また、ポンプの起動停止信号から運転継続時間を積算することで一つのパラメータとなる。さらには点検時の点検手入れ前のデータ(As Foundデータ)、点検後の試験時データ、故障回数(故障頻度)もポンプの経年劣化を評価するひとつのパラメータとなる。
このように、運転データR及びCBMデータ(採取データS)を、対象機器毎にパッケージ化してデータ蓄積部25に一定期間蓄積することにより、これらデータをパラメータとした各種判定処理に用い、視覚による画像監視及び聴覚による音声告知を可能とする。なお本説明は、ポンプを例示してパッケージ化されるパラメータの具体例を挙げたが、CBM適用可能な機器全般に当てはまるものである。
トレンドグラフ作成部26は、表示手段53に図5(D)の左側のように示されるトレンドグラフ画面を形成し、各種パラメータ(運転データR及びCBMデータS)の経時変化を視覚的に確認できるようにするものである。
その表示方法は、運転員の対話手段52の操作により、注目するプラント構成機器を選択し、多数のパラメータの中から少なくとも一種類を選択入力し、閲覧要求する。要求されたパラメータは、データ蓄積部25から抽出され、画面フォーム格納部37に格納されている所定の表示フォームに基づいてトレンドグラフを形成し、表示手段53に表示される。
系統図形成部27は、表示手段53に図5(A)に示される系統図表示画面を形成し、構成機器のプロセス量(図示略)、及び構成機器の状態(「運転状態」又は「待機状態」の区別)を確認できるようにするものである。
音声出力部34は、機器健全性評価部42の判定結果に基づき、音声データ格納部35に格納されている音声ガイダンス情報を抽出し音声告知手段51から出力させるものである。
画像処理部36は、画面フォーム格納部37に格納されている画面フォーム情報と、各種機能部(符号26,27,42,46,52等)からもたらされる表示情報を組み合わせて、表示手段53に表示させる画面を作成する処理を実施するものである。なお、表示手段53に表示される画面は、画像処理部36に新しい表示情報がもたらされることにより逐次更新される。
比較部41は、CBM対象機器の過去のパラメータ又は基準値と現在のパラメータとを比較させ機器健全性評価部42に送るものである。これら過去及び現在のパラメータは、パラメータ抽出部31によりデータ蓄積部25から抽出され、基準値は、基準値格納部33から抽出される。
比較部41における比較判定処理は、抽出された現在のパラメータの基準値からの逸脱を監視したり、また現在のパラメータと過去のパラメータと偏差を算出したりすることにより実行される。
回帰演算部32は、過去及び現在のパラメータに基づいて自己回帰分析を実行するものであり、その分析結果は、基準値格納部33に格納されている基準値と比較部41において比較される。
自己回帰分析とは、過去から現在にわたるパラメータの変化の傾向を直線又は曲線等により近似して将来におけるパラメータ推移を予測するものである(図5(B)参照)。
この自己回帰分析の結果は、トレンドグラフ作成部26に転送されて(図1中で矢線の記載を省略)、図5(D)に示されるように、将来的なデータ変化の経過を視覚的に確認できるようトレンドグラフ化される。
そして、比較部41で閾値として設定された基準値に、パラメータの推移曲線(直線)が到達する時点が認定される。そして、この認定された閾値到達時点は、機器健全性評価部42において、対象機器11,12,13の経年劣化傾向の予測、点検推奨時期の算出に適用され、以降の処理における保全計画に活用される。
機器健全性評価部42では、このようにデータ蓄積部25から抽出され演算処理されたパラメータ(運転データR及び採取データS)に基づいて対応する対象機器11,12,13の機器健全性評価計算を実施する。
機器健全性評価部42は、例えばポンプによっては通水後3ヶ月間連続して停止していてはならないといった制約のあるものもあるため、各種パラメータからポンプ停止時間の情報を導き出し、健全性評価に反映させることもできる。
レーダチャート作成部43は、機器健全性評価部42により実行された複数のパラメータの評価を、点数化部45により点数化し、図4に示すように識別表示させたレーダチャートを作成するものである。
点数化部45における点数化とは、機器健全性評価部42で導かれる各種パラメータの基準値からの偏差を点数付けしたものである。そして、点数化された各種パラメータは、その合計点数に基づいて多重化された同種機器同士の健全性相互比較をするのに利用される。
重み付部44は、点数化された複数のパラメータに対し、それぞれ異なる係数を付与してレーダチャートに反映させるものである。そして、機器の健全性相互比較を行う際に、優先的に重視すべきパラメータについては重み付係数を調整することにより優先度を定量化する。
図4に示されるレーダチャートにおいては、機器健全性評価に直接的に関連するパラメータとして「振動」、「軸受温度」、「効率」を点数評価対象とし、それぞれの点数を5段階評価して示している。そして、これら三つの評価対象と密接に関わる流量、圧力、運転/停止時間の状態パラメータを用いて、重み付部44における係数設定について説明する。
ポンプにおいては、振動値が増加すると軸受温度が上昇に転じ軸受けの磨耗が発覚するという事象の流れが経験的事実であることから、それぞれの事象の発生は、振動値の増加が初期兆候となる。
このため、振動のパラメータを重視するために、他のパラメータよりも大きな重み付係数を割り当てることになる。もしくは、構成選定部46において、多重化ポンプの順位付けをする際に同点である場合は、振動パラメータの数値に着目して順位付けをする。
構成選定部46は、機器健全性評価部42に基づくレーダチャートの評価に基づいて、原子力プラント10を構成する対象機器の組み合わせを選定するものである。そして、この対象機器が多重化されている場合は、健全性評価が最大になるようにその組み合わせを選定するものである。
図4を参照して、対象機器としてA号機、B号機及びC号機と多重化された第3ポンプ群13(図2)を例示して説明する。
ここでは、振動値のパラメータに対して重み付係数2を付与して点数倍化処理を行っている。定格流量時のA号機のポンプが振動値8点、軸受温度3点、効率4点の計15点、B号機のポンプが振動値6点、軸受温度3点、効率5点の計14点、C号機のポンプは待機中であるが前回定格運転時では振動値8点、軸受温度2点、効率4点の14点であり、連続停止時間は2ヶ月半(75日)が経過していると仮定する。
ここでB号機とC号機は同点であるが、振動値を重視する設定であった場合、定格時において優先して使用すべきポンプはA号機及びC号機という判定となる。
また、ポンプの連続停止時間を最優先とし、その逸脱閾値を3ヶ月、前段告知閾値を2ヶ月半とした場合、C号機は起動せねばならない時期となる為、最適なラインアップは総合点の最も高いA号機と、停止時間が前段告知閾値を越えているC号機という判定となる。
この説明では、振動値の増加が温度上昇に結びつく等の劣化・故障パターンがある場合を想定しているために、最初に変化するパラメータとして振動値を重視するよう設定している。
一方、エネルギーコストを優先する場合は、ポンプ効率を重視して順位付けする場合も考えられ、この場合は、総合点では同一でもポンプ効率の高い機器が推奨機器となる。
このように、CBM対象機器のパラメータをパッケージ処理して機器健全性評価を行うことによって、多重化された機器同士においては、単体での機器健全性評価結果を同種機器間で比較し、相対的な健全性の比較及び健全性の順位付けを行うことができる。
この順位付け結果に基づき、多重化されたCBM対象機器における運転号機と待機号機(マスタとスタンバイ)の組み合わせにおいて、総合的に健全性が常に最大となる機器ラインアップを選定することができる(図5(C)参照)。
そしてその結果を表示手段53の画面に表示することができる(図5(E)参照)。もしくは、音声告知手段51により運転員へ情報提供したり、音声ガイドにおいても優先号機のアナウンスをしたりすることができる。
プラント制御情報認識部47は、対話手段52で設定された原子力プラント10の制御情報(図示略のプラント制御システムに送られる情報)を認識するものである。
そして、プラント制御情報認識部47は、重み付係数をこのプラント制御情報に基づいて変更させるものである。これは、プラント制御の各フェーズにおいて、健全性評価で重視されるパラメータが異なる場合があるからである。
具体例を挙げると次の通りである。一般にポンプは起動後に軸受温度が上昇し一定時間内に安定するが、この上昇が続くようであれば軸受部の異常が推定される。この場合、ポンプ起動からある一定時間内においては軸受温度のパラメータの重み付係数を大きくし、軸受温度が安定した後は振動値のパラメータの重み付係数を大きくする。
このように、ポンプの起動から定格運転に移行するまでをフェーズ分割し、フェーズ毎にパラメータに付与する重み付係数の変更を行って、それぞれのフェーズに最適な監視方法をフェーズの遷移に対応させて自動切換えする。
また、そのような自動切換えを実行するだけでなく、パラメータ毎の比較・順位付けをフェーズ毎に表示して、運転員を補助してポンプラインアップを判断させる役割を担わせることもできる。
このような、フェーズの遷移に対応させた多重化機器の健全性順位付けが適用される場面としては次が挙げられる。
例えば、図2に示される第3ポンプ群13の一台目起動から二台目起動まで、第2ポンプ群12の全起動まで、第1ポンプ群11の全起動まで、定格流量まで、といったように同じ配管の他のポンプの起動時点をフェーズ遷移に関連させて、注目するポンプ単体の健全性判定等を行うことができる。
これにより、注目するポンプ群において、ポンプ起動から定格までの流量過渡時はA号機とB号機を動作させC号機は待機を推奨し、定格流量時においてはA号機とC号機の動作組み合わせを推奨するというような判定をすることができる。
このように、監視システム20では、機器健全性評価部42において評価された各種パラメータ(自己回帰分析に基づく予測値も含む)の点数付け結果を用いて、総合判定及び相互比較、優先して評価すべき重要パラメータに対する重み付けの設定による順位付け、起動/停止時間による判定、更に系統状態によって分割したフェーズ毎に監視方法を切替えるといった手法(これらの全部若しくは一部)により、機器の詳細な特性の把握、異常兆候の早期発見ができ、常に最適な機器ラインアップを運転員に提供できる。
また、常にラインアップが最適となるよう、これらの判定を逐次更新し、また過去の判定結果との比較、即ち同一機器の時間的比較も行うこともできる。
次に、図5を参照して、プラントの構成機器の状態、推移予測、健全性評価判定結果等の各種情報の提供方法について説明する。
機器の状態監視、劣化予測、機器健全性評価及び機器ラインアップは、表示手段53(図1)の画面を通して情報提供される。そしてこれら画面は、画像処理部36において、互いに関連付けられた多段階層式に構成されることで、対話手段52の操作により、関連する画面同士が相互にアクセス可能となり、監視性・操作性の向上が図られる。
原子力プラントにおける構成機器の系統図画面(図5(A))は、それぞれの対象機器の自己回帰分析画面(図5(B))にリンクしており、さらに当該対象機器のレーダチャート及びトレンドグラフ画面(図5(D))にリンクしており、さらに他の多重化された対象機器のレーダチャート画面(図5(E))にもリンクしており、推奨機器ラインアップ画面(図5(C))にもリンクしている。
このように用途に応じた各種画面を系統図画面(図5(A))から全て多段階層式に紐付けることにより、必要情報への容易なアクセスを可能とすることで監視性・操作性の向上が図られる。
本発明は前記した実施形態に限定されるものでなく、共通する技術思想の範囲内において、適宜変形して実施することができる。
例えば、監視システム20は、各機能部に対応する実行手段を含むコンピュータであって、プログラムに基づいて指定された演算やデータ処理を実行するものである場合も含まれる。さらに、発明は、ハードウェアを構成要素として特定しない原子力プラントの監視方法として定義することもできる。
本発明によれば、プラント運転中の主要なパラメータと、系統を構成する各種機器の詳細状態、機器健全性評価に関わるデータとをパッケージ処理して、連携・一元管理することを通じ、データ採取・管理の効率化・合理化が図られる。
また、系統図画面と機器状態監視、機器健全性評価、さらに自動立案されたCBM全機器総合の健全性が最高の組み合わせとなる機器ラインアップの運転計画との画面連携・音声ガイダンスによるプラント詳細監視の省力化、利便性の向上、科学的根拠に基づいた合理的運転を実施するための補助となる情報提供が可能になる。
本発明によれば、プラントの運転データとCBMデータ(採取データ)を融合させ、パラメータのパッケージ処理及び画面展開・音声ガイダンスによる効果的な各種連携によって、機器状態の監視、記録、評価比較、予測、これらに基づく機器ラインアップ計画までをトータルで可能とする。
さらには、中央操作室50における監視性向上や省力化、運転中の機器故障リスクの最小化、機器寿命の延長、点検間隔の最適化が可能となり、プラントの安全性、信頼性、経済性等、新検査制度の本来的な目的である科学的・且つ合理的な運転・保全に対応することができる。
10…原子力プラント、11…第1ポンプ群(対象機器)、12…第2ポンプ群(対象機器)、13…第3ポンプ群(対象機器)、14…加熱装置、15…過・脱塩装置、16…原子炉、17…タービン、18…発電機、19…復水器、20…監視システム、21…CBMデータ取得部(データ取得部)、22…パッケージ割付部、23…運転データ受信部(データ受信部)、24…時間情報付加部、25…データ蓄積部、26…トレンドグラフ作成部、27…系統図形成部、31…パラメータ抽出部、32…回帰演算部、33…基準値格納部、34…音声出力部、35…音声データ格納部、36…画像処理部、37…画面フォーム格納部、41…比較部、42…機器健全性評価部、43…レーダチャート作成部、44…重み付部、45…点数化部、46…構成選定部、47…プラント制御情報認識部、50…中央操作室、51…音声告知手段、52…対話手段、53…表示手段、P…パッケージ、R…運転データ、S…CBMデータ(採取データ)。

Claims (6)

  1. 原子力プラントから送信される運転データを受信するデータ受信部と、
    対象機器の採取データを取得するデータ取得部と、
    前記対象機器に対応させたパッケージに前記運転データ及び前記採取データを割り付けてデータ蓄積部に蓄積させるパッケージ割付部と、
    前記運転データ及び前記採取データをパラメータとして前記パッケージに対応する対象機器の健全性を評価する機器健全性評価部と、
    前記機器健全性評価部の評価に基づいて前記原子力プラントを構成する前記対象機器の組み合わせを選定する構成選定部と、を備えることを特徴とする原子力プラントの監視システム。
  2. 前記データ蓄積部から過去又は現在の前記パラメータを抽出するパラメータ抽出部と、
    前記過去のパラメータ又は基準値と前記現在のパラメータとの比較により前記機器健全性評価部を動作させる比較部と、
    前記過去及び前記現在のパラメータに基づいて実行される自己回帰分析の結果と前記基準値とを前記比較部において比較させる回帰演算部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントの監視システム。
  3. 前記機器健全性評価部による複数の前記パラメータの評価をそれぞれ点数化して認識させるレーダチャート作成部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の原子力プラントの監視システム。
  4. 前記点数化された複数のパラメータに対しそれぞれ異なる係数を付与する重み付部と、
    前記重み付部で付与される前記係数を原子力プラントの制御情報に基づいて変更させるプラント制御情報認識部と、を備えることを特徴とする請求項3に記載の原子力プラントの監視システム。
  5. 前記構成選定部は、多重化されている前記対象機器の健全性評価が最大になるようにその組み合わせを選定するものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の原子力プラントの監視システム。
  6. 原子力プラントから送信される運転データを受信するデータ受信ステップと、
    対象機器の採取データを取得するデータ取得ステップと、
    前記対象機器に対応させたパッケージに前記運転データ及び前記採取データを割り付けてデータ蓄積部に蓄積させるパッケージ割付ステップと、
    前記運転データ及び前記採取データをパラメータとして前記パッケージに対応する対象機器の健全性を評価する機器健全性評価ステップと、
    前記機器健全性評価ステップの評価に基づいて前記原子力プラントを構成する前記対象機器の組み合わせを選定する構成選定ステップと、を含むことを特徴とする原子力プラントの監視方法。
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