JP2011206992A - インクジェット描画装置及びその設計方法並びに描画品質改善方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明によるインクジェット描画装置は、複数のノズルが二次元配列された吐出面を有する液体吐出ヘッドと被描画媒体とを第1方向に相対移動させる走査手段と、走査手段による相対移動の速度に依存しない固定の周波数で振動し、被描画媒体とノズルとの間に相対振動をもたらす部材と、を備え、画像形成時における走査手段による相対走査速度をvp、固定の周波数をfv、二次元配列された複数のノズルのうち、被描画媒体上で前記第1方向と直交する第2方向に隣接するドットを形成するノズル対の第1方向のオフセット距離をOSyとするとき、OSy≒k×vp/fv(ただし、kは自然数)の関係を満たすように構成される。
【選択図】図3
Description
二次元配列ノズルを持つヘッドでは、用紙上でx方向に隣接するドット(またはドットがy方向に連続して繋がって描かれるラスター)を形成するノズル対において、ヘッドのノズルレイアウト上、y方向に距離を隔てたノズル位置関係となるノズル対(以下、「yオフセット隣接ノズル対」と呼ぶ。)が存在する。
ます、振動ムラの発生原因とこれに対応した本発明の原理について説明する。なお、以下の説明では用紙搬送方向(y方向)が「第1方向」、これに直交するx方向が「第2方向」に対応している。
振動ムラの原因は、主に以下の2つである。
インクジェット描画装置内には、固定の周波数で振動する部品や部位が存在する。例えば、ヘッドユニットの固有振動、用紙搬送用のドラムを保持する支持フレーム(側板)の固有振動、モータの回転をプーリに伝達するベルトの固有振動、ドラムへの用紙の吸引吸着などに使用する真空ポンプの振動、などがあり得る。
つまり、搬送速度に依らず固定の振動数(fv)で振動源が揺れているとき、その揺れに起因して用紙上に現れる振動の周期Pv(y方向のピッチ)は、搬送速度(vp)に依存して異なる。搬送速度(vp)が速くなれば、用紙上に現れる振動の周期(Pv)は長くなる。逆に、搬送速度(vp)が遅いほど、用紙上に現れる振動の周期(Pv)は短く(ピッチが細かく)なる。
ヘッドのノズル配列に起因した「yオフセット隣接ノズル対」のy方向のオフセット量(「オフセット距離」に相当)OSyと、用紙上におけるx方向相対振動の周期Pv(固定の振動周波数fvと相対走査の速度vpから式1により定まる周期)との関係により、「yオフセット隣接ノズル対」で記録される2本の走査線(ラスター)間のx方向間隔変動ΔD(y)の程度が変わる。
ΔD(y)=Av ・ [ sin{θ(y)}−sin{θ(y)+2π・OSy/Pv} ]
=2・Av・sin{−π・OSy/Pv} ・ cos{θ(y)+π・OSy/Pv} …(式2)
また、(式1)からラスター間隔変動の最大値ΔDmaxは、次のように表される。
ΔDmax=max|ΔD(y)|=2・Av・|sin{π・OSy/Pv}| …(式3)
ここで、ΔDmax はラスター間隔変動の振幅となるが、Av、及び、OSy、Pvの関係で決まる値である。つまり、ΔDmax はyに対して定数成分(yに依存しない値)となる。一方、(式2)におけるcos{θ(y)+π・OSy/Pv}の要素は、yにより変化する変動成分となる。
用紙とヘッドとの間に相対的な振動があると、当該ヘッドのyオフセット隣接ノズル対で用紙上に描かれるラスターは、その相対振動の周期で揺らぐ(波打つ)。その結果、図2に示すように、ラスター間のx方向間隔D(y)は用紙送り方向の位置yに応じて変化する(yの関数となる)。
同様に、注目するyオフセット隣接ノズル対の他方のノズルBによって記録されるラスターの位置(x方向位置)は、理想的な位置(基準位置x2)を中心として片振幅Avで変動し、更に、ノズルAとノズルBとの間にはy方向のオフセット量OSyに相当する初期位相差(2π・OSy/Pv)があるため、ノズルBによるラスター位置XB の変動量ΔXBはyの関数として以下のように表せる。
したがって、ノズルAとノズルBからなる「yオフセット隣接ノズル対」によるラスター間のx方向間隔の変動量ΔD(y)はノズルAのラスター変動(ΔXA)とノズルBのラスター変動(ΔXB)と差で表すことができ、[数2]のように表される。なお、式の変形に際して、加法定理から派生する積和の公式を用いた。また、yオフセット隣接ノズル対について、どちらのノズルをノズルA或いはノズルBと定めるかについては、本質的な問題ではなく、両者の関係を入れ替えても同様の議論が成立する。
良好な条件[1]に該当する図5、図7では、図20、図23に見られた振動ムラが低減していることが分かる。なお、比較のために、ここでは相対振動の片振幅は同じく5μmであり、相対振動の周期を500pix=10.6mmとした。
振動ムラの主要因である振動発生源の振動量を低減することには限界がある。そこで、副要因である振動周期とノズル配列との関係を最適化することで、振動ムラの低減を行う。具体的には、固有の振動周期fvと相対走査の速度vpから規定される用紙上における振動周期Pv(「式1」参照)と、ノズル配列で決まる「yオフセット隣接ノズル対」のオフセット量Osyとの関係を、表1の条件[1]又はこれに近い条件となるように装置を構成する。
これは、式1を利用して、次の(関係式1’)に書き替えることができる。
一方、(式3)からΔDmaxは、0〜2Avの値をとり得る。ΔDmaxの値によってムラ低減の効果の程度が異なり、ΔDmaxの値が小さいほど、ムラによる画質劣化が抑制される。固有の振動周期fvと相対走査速度vpに対応する周期で生じる相対振動のx方向方振幅がAvであることを考慮すると、実効性ある望ましいレベルで振動ムラの低減効果を得る観点から、ΔDmaxがAv/2以下であることが好ましく、より好ましくは、Av/4以下であることが好ましい。
より好ましくは、以下に示す(関係式3)を満たすことが好ましい。
これらの関係式2,3はそれぞれ(式1)を利用して、次の関係式2’、3’に書き書き換えることができる。
|sin{π・OSy・fv/vp}|≦1/8…(関係式3’)
図18で説明した2行×N列のノズル配列の場合、yオフセット隣接ノズル対のオフセット量OSyは一定の値であるが、図21で示した6行×N列のノズル配列のように、yオフセット隣接ノズル対のオフセット量が異なる値をもつ場合がある。つまり、1行目(最下行)のノズルと2行目のノズルのオフセット量は100pix、2行目と3行目、3行目と4行目、4行目と5行目もそれぞれオフセット量は100pixであるが、6行目と1行目のオフセット量は500pixである。
図8は、本発明の実施形態に係るインクジェット描画装置の構成例を示す全体構成図である。図9は図8と反対側の側面部に設けられたドラム回転駆動機構の構成図である。これらの図面に示したとおり、本例のインクジェット描画装置100は、主として、給紙部112、処理液付与部(プレコート部)114、描画部116、乾燥部118、定着部120、及び排紙部122から構成されている。インクジェット描画装置100は、描画部116の圧胴(描画ドラム170)に保持された記録媒体124(以下、便宜上「用紙」と呼ぶ場合がある。)にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yから複数色のインクを打滴して所望のカラー画像を形成するシングルパス方式のインクジェット記録装置であり、インクの打滴前に記録媒体124上に処理液(ここでは凝集処理液)を付与し、処理液とインク液を反応させて記録媒体124上に画像形成を行う2液反応(凝集)方式が適用されたオンデマンドタイプの画像形成装置である。
給紙部112には、枚葉紙である記録媒体124(「被描画媒体」に相当)が積層されており、給紙部112の給紙トレイ150から記録媒体124が一枚ずつ処理液付与部114に給紙される。記録媒体124として、紙種や大きさ(用紙サイズ)の異なる複数種類の記録媒体124を使用することができる。給紙部112において各種の記録媒体をそれぞれ区別して集積する複数の用紙トレイ(不図示)を備え、これら複数の用紙トレイの中から給紙トレイ150に送る用紙を自動で切り換える態様も可能であるし、必要に応じてオペレータが用紙トレイを選択し、若しくは交換する態様も可能である。なお、本例では、記録媒体124として、枚葉紙(カット紙)を用いるが、連続用紙(ロール紙)から必要なサイズに切断して給紙する構成も可能である。
処理液付与部114は、記録媒体124の記録面に処理液を付与する機構である。処理液は、描画部116で付与されるインク中の色材(本例では顔料)を凝集させる色材凝集剤を含んでおり、この処理液とインクとが接触することによって、インクは色材と溶媒との分離が促進される。
描画部116は、描画ドラム(「描画胴」或いは「ジェッティング胴」とも言う)170、用紙抑えローラ174、及びインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yを備えている。描画ドラム170は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)171を備える。描画ドラム170に固定された記録媒体124は、記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yからインクが付与される。
乾燥部118は、色材凝集作用により分離された溶媒に含まれる水分を乾燥させる機構であり、図8に示すように、乾燥ドラム(「乾燥胴」とも言う)176、及び溶媒乾燥装置178を備えている。乾燥ドラム176は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)177を備え、この保持手段177によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
定着部120は、定着ドラム(「定着胴」とも言う)184、ハロゲンヒータ186、定着ローラ188、及びインラインセンサ190で構成される。定着ドラム184は、処理液ドラム154と同様に、その外周面に爪形状の保持手段(グリッパー)185を備え、この保持手段185によって記録媒体124の先端を保持できるようになっている。
図8に示すように、定着部120に続いて排紙部122が設けられている。排紙部122は、排出トレイ192を備えており、この排出トレイ192と定着部120の定着ドラム184との間に、これらに対接するように渡し胴194、搬送ベルト196、張架ローラ198が設けられている。記録媒体124は、渡し胴194により搬送ベルト196に送られ、排出トレイ192に排出される。搬送ベルト196による用紙搬送機構の詳細は図示しないが、印刷後の記録媒体124は無端状の搬送ベルト196間に渡されたバー(不図示)のグリッパーによって用紙先端部が保持され、搬送ベルト196の回転によって排出トレイ192の上方に運ばれてくる。
図9に示したようにインクジェット描画装置100には、用紙搬送系の動力源としてのモータ(「動力発生手段」に相当、以下「ドラム回転用モータ」という。)202が設けられている。該ドラム回転用モータ202の動力はタイミングベルト(無端状の歯付きベルト)204を介してプーリ206に伝えられる。プーリ206には歯車208が同軸で一体に連結されおり、プーリ206と共に歯車208が回転する。この歯車208と噛合する歯車210が図9上で歯車208の左上に設けられており、該歯車210はプレコート部(処理液付与部114)における処理液ドラム154の端部に直結された歯車(ギア)214と噛合している。処理液ドラム154の歯車214は、中間搬送部126を構成する渡し胴の端部に設けられた歯車216と噛み合い、この歯車216は描画部116における描画ドラム170の端部に設けられた歯車220と噛み合っている。以下、歯車220は中間搬送部128を構成する渡し胴の歯車222と噛み合い、更に、乾燥ドラム176の歯車224、中間搬送部130の渡し胴の歯車226、定着ドラム184の歯車228の順に順次噛合している。
例えば、図9〜11の符号204で示したタイミングベルトの固有振動数がfv=25Hzであり、用紙の搬送速度がvp=500mm/secであったとすると、用紙上における振動周期はPv=vp/fv=20mmとなる。この時、図18の二次元配列ノズル(2行×N列)を有するヘッドで描画するとした場合、yオフセット隣接ノズル対のオフセット量はOSy=10.6mm (解像度1200dpiの場合の500pix 相当)となる。
用紙搬送速度を変更する例として、出力すべき画像の品質(画質)に応じて用紙搬送速度を切り換える速度変更モードを備える具体例を説明する。
以上の状況は、動力伝達ベルトの固有振動に限らず、ヘッドユニット(インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Y)の固有振動や、ドラムを支持している側板(ドラム支持プレート)の固有振動、真空ポンプなどの振動発生源の振動についても同様である。
本例のインクジェット描画装置100は、例えば最大菊半サイズの記録媒体(記録用紙)までの記録が可能であり、圧胴(描画ドラム)170として、記録媒体幅720mmに対応した直径約500mmのドラムが用いられる。また、各インクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yのインク吐出体積は、例えば2plであり、記録密度は主走査方向(記録媒体124の幅方向)及び副走査方向(記録媒体124の搬送方向)ともに例えば1200dpiである。
図9〜図11で説明した歯車伝動機構に代えて、図12のように歯付きベルト(タイミングベルト)230を用いてドラムを回転させる構成も可能である。図12では、中間搬送部126の渡し胴236と描画ドラム170について例示するが、他のドラムについても同様に適用できる。図12のように、渡し胴236の軸に直結された歯車(プーリ)237と描画ドラム170の軸に直結された歯車(プーリ)240の間に、無端状の歯付きベルト230が巻き掛けられた構成によって、動力を伝達してもよい。
次に、インクジェットヘッドの構造について説明する。各色に対応するインクジェットヘッド172M,172K,172C,172Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号250によってヘッドを示すものとする。
図16は、インクジェット描画装置100のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット描画装置100は、通信インターフェース270、システムコントローラ272、メモリ274、モータドライバ276、ヒータドライバ278、プリント制御部280、画像バッファメモリ282、ヘッドドライバ284、ポンプドライバ285等を備えている。
図14(a)に例示したように、二次元配列ノズルを有する複数のヘッドモジュールを千鳥配列で並べて一つの長尺ヘッドを構成した場合、同一のヘッドモジュール内におけるyオフセット隣接ノズル対のみならず、異なるヘッドモジュール間にまたがるyオフセッット隣接ノズル対についても同様に振動ムラの課題があり、同様の手段で解決できる。
上述の知見から、インクジェット描画装置を製作するにあたり、関係式1’,関係式2’又は関係式3’を満たすように、ノズル配列(OSy)と相対走査速度(vp)と、固定の振動数(fv)を関連付けて設計することが有益である。例えば、ノズル配列におけるyオフセット隣接ノズル対のオフセット量の寸法を設計するに際して、装置仕様から規定される相対走査速度と、振動発生源の固定の振動数から適切なオフセット量を決定する。或いは、逆に、ノズル配列がすでに設計済みの場合に、当該ノズル配列との関係で適切な相対走査速度や固定の振動数、或いはこれらの組み合わせを決定する。このように、ノズル配列と、相対走査速度、固定の振動数との関係を考慮した設計を行うことにより、振動ムラを低減したインクジェット描画装置を製造することが可能である。
また、上述した関係式1’,関係式2’又は関係式3’を満たすことで振動ムラを抑制するという技術によれば、既に設計済みのインクジェットヘッド、或いは製造済みのインクジェットヘッドについて設計変更等をせずに、相対走査速度の変更や、固有の振動源となる部品の設計変更や部品の変更、駆動条件(ポンプ回転数など)の変更によって、描画品質を良化することができる。
本発明の実施に際して、モータの動力を伝達する機構は、図9〜図12で説明した部品構成(タイミングベルト204、プーリ203,206、歯車208,210,214等)に限らず、様々な形態が可能である。
上述の実施形態ではドラム回転方式を例に説明したが、用紙とヘッドを相対走査させる構成はこれに限定されない。例えば、平板状のステージに用紙を固定し、ステージをy方向に搬送する形態も可能である。この場合、ステージを移動させる手段として、例えば、ステージに直線状のギヤ歯(ラック)が設けられ、これに噛合する歯車(ピニオン)を回転させて、ステージを駆動する態様を採用できる。また、このようなラックアンドピニオン方式に代えて、ボールねじを利用し、ボールねじを回転させてステージをボールねじの軸方向に移動させる構成を採用してもよい。このような搬送方式についても、同様の課題があり、同様の手段で解決できる。
上述の実施形態では、停止したヘッドに対して記録媒体を搬送する構成を例示したが、本発明の実施に際しては、停止した記録媒体(被描画媒体)に対してヘッドを移動させる構成も可能である。また、ヘッド及び記録媒体(被描画媒体)の両者を移動させることにより描画する方式を採用すること可能である。これらいずれの構成であっても、同様の課題があり、同様の手段で解決できる。
本発明の実施に際して、被描画媒体の材質や形状等は、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体に適用できる。
上記の実施形態では、グラフィック印刷用のインクジェッット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、各種デバイスの製造装置、吐出用の機能性液体として樹脂液を用いるレジスト印刷装置、カラーフィルター製造装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得るインクジェットシステムにも広く適用できる。
Claims (11)
- 複数のノズルが二次元配列された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記ノズルから吐出させた液を付着させる被描画媒体及び前記液体吐出ヘッドのうち少なくとも一方を搬送することにより前記被描画媒体と前記液体吐出ヘッドを第1方向に相対移動させる走査手段と、
前記走査手段による前記相対移動の速度に依存しない固定の周波数で振動し、前記被描画媒体と前記ノズルとの間に相対振動をもたらす部材と、を備え、
前記相対移動と前記液体吐出ヘッドからの打滴によって前記被描画媒体上に画像を形成する際の前記走査手段による相対走査速度をvp、前記固定の周波数をfv、前記二次元配列された前記複数のノズルのうち、前記被描画媒体上で前記第1方向と直交する第2方向に隣接するドットを形成するノズル対の前記第1方向のオフセット距離をOSyとするとき、
OSy≒k×vp/fv(ただし、kは自然数)の関係を満たすことを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1において、
|sin(π×OSy×fv/vp)|≦1/4
の関係を満たすことを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1又は2において、
前記二次元配列のノズル群は、前記オフセット距離が異なる前記ノズル対を含んでおり、これら異なるオフセット距離のうちの最大値を前記OSyとして前記関係を満たすことを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記固定の周波数で振動する前記部材として、モータの動力を伝達するベルト、前記走査手段を支持する支持機構を構成する部材、又は真空ポンプのいずれかを具備することを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記被描画媒体上に画像を形成する際の前記走査手段による相対走査速度の変更を指示する速度変更指示手段と、
前記速度変更指示手段の指示にしたがい前記相対走査速度を可変制御する速度制御手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記液体吐出ヘッドは、複数のノズルが二次元配列された吐出面を有するヘッドモジュールが複数個繋ぎ合わされて構成されており、
異なるヘッドモジュール間にまたがる前記ノズル対の前記オフセット距離をOSy_Bとするとき、
OSy_Bを前記OSyとして前記関係を満たすことを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項6において、
前記液体吐出ヘッドは、前記複数個のヘッドモジュールが千鳥配列で配置されていることを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項において、
前記走査手段として、前記被描画媒体を搬送する媒体搬送手段を備え、
前記媒体搬送手段は、ドラムの円柱表面に前記被描画媒体を保持して当該ドラムを回転させるドラム回転方式の構成であることを特徴とするインクジェット描画装置。 - 請求項1乃至8のいずれか1項において、
前記走査手段によって前記被描画媒体と前記液体吐出ヘッドとを前記第1方向へ1回だけ相対移動させて前記被描画媒体上に画像を形成するシングルパス方式の描画が行われることを特徴とするインクジェット描画装置。 - 複数のノズルが二次元配列された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルから吐出させた液を付着させる被描画媒体及び前記液体吐出ヘッドのうち少なくとも一方を搬送することにより前記被描画媒体と前記液体吐出ヘッドを第1方向に相対移動させる走査手段と、前記走査手段による前記相対移動の速度に依存しない固定の周波数で振動し、前記被描画媒体と前記ノズルとの間に相対振動をもたらす部材と、を備えるインクジェット描画装置を設計する方法であって、
前記相対移動と前記液体吐出ヘッドからの打滴によって前記被描画媒体上に画像を形成する際の前記走査手段による相対走査速度をvp、前記固定の周波数をfv、前記二次元配列された前記複数のノズルのうち、前記被描画媒体上で前記第1方向と直交する第2方向に隣接するドットを形成するノズル対の前記第1方向のオフセット距離をOSyとするとき、
OSy≒k×vp/fv(ただし、kは自然数)の関係を満たすように、前記液体吐出ヘッドのノズル配列、前記部材の振動の周波数、及び前記相対走査速度を決定することを特徴とするインクジェット描画装置の設計方法。 - 複数のノズルが二次元配列された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、前記ノズルから吐出させた液を付着させる被描画媒体及び前記液体吐出ヘッドのうち少なくとも一方を搬送することにより前記被描画媒体と前記液体吐出ヘッドを第1方向に相対移動させる走査手段と、前記走査手段による前記相対移動の速度に依存しない固定の周波数で振動し、前記被描画媒体と前記ノズルとの間に相対振動をもたらす部材と、を備えるインクジェット描画装置の描画品質を改善する方法であって、
前記相対移動と前記液体吐出ヘッドからの打滴によって前記被描画媒体上に画像を形成する際の前記走査手段による相対走査速度を示す情報を取得する第1ステップと、
前記部材の前記固定の周波数を示す情報を取得する第2ステップと、
前記二次元配列された前記複数のノズルのうち、前記被描画媒体上で前記第1方向と直交する第2方向に隣接するドットを形成するノズル対の前記第1方向のオフセット距離を示す情報を取得する第3ステップと、
前記第1ステップで得た前記相対走査速度をvp、前記第2ステップで得た前記固定の周波数をfv、前記第3ステップで得た前記オフセット距離をOSyとするとき、
OSy≒k×vp/fv(ただし、kは自然数)の関係を満たすように、前記走査手段による前記相対走査速度及び前記部材の前記固定の周波数のうち少なくとも一方を変更する第4ステップと、
を含むことを特徴とするインクジェット描画装置の描画品質改善方法。
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