JP2011202779A - パッドクリップ - Google Patents

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博司 磯部
Koichi Yoshida
弘一 吉田
Kenichi Shimamura
健一 島村
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Abstract

【課題】パッド摺動抵抗を低く抑えつつ、パッドラトル音を低減するパッドクリップを提供する。
【解決手段】非制動時にパッドクリップ40Rにかかる荷重が所定値未満の場合には、ブレーキパッド18は第1の弾性部40R1のみに押し上げられ、第2の弾性部40R2はブレーキパッド18との間にクリアランスを有する。パッドクリップ40Rにかかる荷重が所定値以上になると、ブレーキパッド18は、第1の弾性部40R1及び第2の弾性部40R2に押し上げられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスクブレーキのブレーキパッドを接触保持するパッドクリップに関する。
従来における車両用のディスクブレーキでは、ディスクロータを挟んで両側にブレーキパッドを配置し、これを車体側に固定されたサポートに保持させてディスクロータの軸方向に摺動できるように装着し、制動時にはブレーキパッドを液圧シリンダ装置により加圧移動させ、ディスクロータを挟持してブレーキ力を得るようにしている。
このようなディスクブレーキにおいては、ブレーキ制動時に約1000〜1万数千Hzの周波数の異音が発生することがある。制動時に発生する異音を防ぐために、サポートのトルク受け面と、ブレーキパッドのトルク伝達面との間に、制御時にディスクロータからブレーキパッドに与えられるトルクをトルク受け面へ伝達する弾性部材を配設することにより、弾性部材にブレーキパッドのロータ周方向の振動を吸収させてトルク受け部材に伝達される振動を低減させる技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
また、ブレーキの非制動時においても、ブレーキパッドとサポートとの間に隙間が存在するため、ブレーキパッドが特にディスクロータの径方向にばたついてブレーキパッドがサポートを叩きパッドラトル音が発生する場合がある。このパッドラトル音を防止するために、従来においては、例えば図10に示すように、ブレーキパッドとサポートとの間にパッドクリップを設け、当該パッドクリップでブレーキパッドをディスクロータの径方向に押圧してプレーキバッドの底面を押し上げることにより、ブレーキパッドのばたつきを防止している(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−107330号公報 特開平8−233000号公報
しかしながら、図10に示すような従来のトルク受け構造では、車両が砂利道を走行する等で車両が激しく揺れる場合には、パッドクリップに大きな荷重がかかるため、パッドクリップが経時劣化によりへたってしまいパッドラトル音が発生するという問題点があった。また、パッドクリップが歪んでしまうことにより、ブレーキパッドがパッドクリップから浮いて、パッドラトル音がさらに大きくなるという問題点があった。一方、パッドクリップのへたりを防止するためにパッドクリップのバネ定数を高くすると、パッド摺動抵抗が上がり、ブレーキパッドが引き摺ってしまうという問題点があった。
本発明は、以上のような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、パッド摺動抵抗を低く抑えつつ、パッドラトル音を低減するパッドクリップを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るパッドクリップは、ディスクブレーキのディスクロータに対向して配置されたブレーキパッドを接触保持するパッドクリップであって、前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの径外周方向に押し上げるための第1の弾性部と第2の弾性部とを有し、少なくとも前記第1の弾性部は常に前記ブレーキパッドと接触していることを特徴とする。
上記構成によれば、パッドクリップは第1の弾性部と第2の弾性部とを有し、少なくとも第1の弾性部は常にブレーキパッドと接触しているため、パッドクリップにかかる荷重が少ない時には第1の弾性部のみでブレーキパッドを支えることでパッド摺動抵抗を低く抑えることができる。一方、パッドクリップにかかる荷重が大きい時には第1の弾性部と第2の弾性部との両方がブレーキパッドに接触してブレーキパッドを押し上げることで押し上げ箇所を分散することができ、パッドクリップのへたりを防止し接触を安定させてパッドラトル音を低減することができる。
また、上記構成において、前記パッドクリップは、前記第2の弾性部は、パッドクリップ本体にかかる荷重が所定値未満の場合に前記ブレーキパッドとの間にクリアランスを有し、前記所定値以上の場合に前記ブレーキパッドと接触することを特徴とする。
上記構成によれば、パッドクリップ本体にかかる荷重が所定値以上の場合にのみパッドクリップの押し上げ箇所を分散することができるため、荷重が所定値未満の時にはパッド摺動抵抗を低く抑えることができるとともに、荷重が所定値以上の時に発生するパッドラトル音を低減することができる。
上記構成において、前記第1の弾性部と前記第2の弾性部とは、個別のバネ定数を有していることを特徴とする。
上記構成によれば、第1の弾性部と前記第2の弾性部とのバネ定数を個別に設定することで、パッド摺動抵抗とパッドラトル音との低減の両立を図ることができる。
本発明によれば、パッドクリップは第1の弾性部と第2の弾性部とを有し、少なくとも第1の弾性部は常にブレーキパッドと接触しているため、パッドクリップにかかる荷重が少ない時には第1の弾性部のみでブレーキパッドを支えることでパッド摺動抵抗を低く抑えることができる。一方、パッドクリップにかかる荷重が大きい時には第1の弾性部と第2の弾性部との両方がブレーキパッドに接触してブレーキパッドを押し上げることで押し上げ箇所を分散することができ、パッドクリップのへたりを防止し接触を安定させてパッドラトル音を低減することができる。
本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキの組付状態をインナ側から見た正面図である。 同実施形態に係るパッドクリップに所定値以上の荷重がかかった場合のディスクブレーキをインナ側から見た正面図である。 (a)はパッドクリップ40Rの斜視図、(b)はパッドクリップ40Rの展開図、(c)はパッドクリップ40Rを(a)に示す矢印D1の方向から見た側面図、(d)はパッドクリップ40Rを(a)に示す矢印D2の方向から見た側面図、(e)は(d)に示すパッドクリップ40RをA−A線で切断して上から見た平面図である。 (a)はパッドクリップ40Lの斜視図、(b)はパッドクリップ40Lの展開図、(c)はパッドクリップ40Lを(a)に示す矢印D5の方向から見た側面図、(d)はパッドクリップ40Lを(a)に示す矢印D6の方向から見た側面図、(e)は(d)に示すパッドクリップ40LをB−B線で切断して上から見た平面図である。 同実施形態に係るパッドクリップからブレーキパッドにかかる力を説明するための図である。 同実施の形態に係る車両が非制動状態で走行している時のブレーキパッドのストロークと、パッドクリップにかかるバネ荷重との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るディスクブレーキをインナ側からみた正面図である。 (a)はパッドクリップ50Rの斜視図、(b)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D10の方向から見た側面図、(c)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D11の方向から見た側面図、(d)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D12の方向から見た平面図である。 (a)はパッドクリップ50R’の斜視図、(b)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D20の方向から見た側面図、(c)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D21の方向から見た側面図、(d)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D22の方向から見た平面図である。 従来における非制動時のブレーキパッドのトルク受け構造を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るディスクブレーキの組付状態をインナ側から見た正面図である。このディスクブレーキは、ディスクロータ10の外縁部分を跨ぐように断面逆U字形状に形成されたサポート12を有している。このサポート12は、ディスクロータ10の内面側に位置して車体への取り付け側となるインナブリッジ14を有し、これに設けた一対のねじ穴16、16に固定ボルトを通して車体に締め付けることで固定される。サポート12のインナブリッジ14及び不図示のアウタ部には、夫々ブレーキパッド18を保持するためのパッド収容切欠20が形成されており、このパッド収容切欠20に一対のブレーキパッド18がディスクロータ10の軸方向に移動可能に装着されている。
サポート12には、不図示の油圧シリンダ機構を有するキャリパ24がサポート12に対して摺動可能に取り付けられている。キャリパ24と液圧シリンダ機構とによってディスクロータ10を挟着し、ブレーキパッド18がディスクロータ10とともに回転しようとする際に、ブレーキパッド18の側縁部をサポート12によってアンカすることで制動力を発揮させるようにしている。
ブレーキパッド18は、ディスクロータ10外周側の左右両側面から側方に張り出す一対の上段耳部28R、28Lと、ディスクロータ10内周側の左右両側面から側方に張り出す一対の下段耳部29R、29Lとを備えている。サポート12には、パッド収容切欠20の両側の上段耳部28R、28L及び下段耳部29R、29Lと対向する位置に階段状のガイド溝30R、30Lが形成されており、下段耳部29Rの先端面と対面する部分をアンカ部32Rとしている。
車両進行時のロータ回出側のガイド溝30Rとブレーキパッド18との間にはパッドクリップ40Rが装着されており、ロータ回入側のガイド溝30Lとブレーキパッド18との間にはパッドクリップ40Lが装着されている。パッドクリップ40Rとパッドクリップ40Lとの形状は異なっている。以下、それぞれについて説明する。
図3(a)はパッドクリップ40Rの斜視図、図3(b)はパッドクリップ40Rの展開図、図3(c)はパッドクリップ40Rを(a)に示す矢印D1の方向から見た側面図、図3(d)はパッドクリップ40Rを(a)に示す矢印D2の方向から見た側面図、図3(e)は(d)に示すパッドクリップ40RをA−A線で切断して上から見た平面図である。また、図2はパッドクリップ40R、40Lに所定値以上の荷重がかかった場合のディスクブレーキをインナ側から見た正面図である。
これらの図に示すように、パッドクリップ40Rは、第1の弾性部40R1と、第2の弾性部40R2と、凹部40R3と、挟着爪部40R4、40R5と、張り出し部40R6と、係合爪部40R7とを有する。パッドクリップ40Rは、図3(b)に示す、係合爪部40R7が突出した平板部材をサポート12の内側側辺のガイド溝30Rの形状に沿って、概ねコの字形状に折り曲げることにより形成される。概ねコの字状に折り曲げて形成される天板部、中央部、底面部のうち、天板部の先端部分には、当該部分を上方に膨出させるように半円弧状に湾曲させることにより、第1の弾性部40R1が形成されている。天板部と中央部との間の係合爪部40R7が設けられている部分には、当該部分を外側に膨らませた張り出し部40R6が形成されている。張り出し部40R6は、底面と側面と上面とを有する。底面は水平方向に略平行に形成され、側面は垂直方向に略平行に形成され、上面は上方に膨出させるように半円弧状に湾曲させることにより形成されており、側面に係合爪部40R7を有する。張り出し部40R6及び第1の弾性部40R1の半円弧状の部分を湾曲させる度合いによって第1の弾性部40R1のバネ定数が調整される。パッドクリップ40Rをサポート12に装着した時に、張り出し部40R6の底面がガイド溝30Rのガイド溝段面30R1上に当接し、係合爪部40R7が、ガイド溝30Rの上段に設けられた切り欠き部15と係合する。
コの字形状の底面部の先端部分には、当該部分を上方に膨出させるように半円弧状に湾曲させることにより、第2の弾性部40R2が形成されている。中央部と底面部との間の角度を調整することによって、第2の弾性部40R2のバネ定数が調整される。
コの字形状の中央部の両側縁から側方に張り出している挟着爪部40R4、40R5は、外側に略90度の角度で折り曲げられている。中央部の両側縁のうち挟着爪部40R4、40R5との接合箇所の上下位置には、溝40R8が設けられている。パッドクリップ40Rをサポート12に装着した時に、挟着爪部40R4、40R5はサポート12をガイド溝30R側から挟持し、サポート12から外れるのを防止する。挟着爪部40R4、40R5は、内側にへの字形状に折り曲げられた形状を有しており、挟持力が高められている。
コの字形状の中央部内側には凹部40R3が形成され、パッドクリップ40Rをサポート12に装着した時に、凹部40R3にブレーキパッド18の下段耳部29Rが嵌入する。
第1の弾性部40R1は、サポート12に装着されて非制動状態で車両が走行しているときに、パッドクリップ40Rにかかる荷重に関わらず、図1及び図2に示すように、ブレーキパッド18の上段耳部28Rに接触し、上段耳部28Rを上方(ディスクロータ10の径外周方向)に押し上げる。
第2の弾性部40R2は、非制動状態で車両が平坦な道路を走行している等で、車両の揺れが少なくパッドクリップ40Rにかかる荷重が所定値未満の場合には、図1に示すように、ブレーキパッド18と接触しておらず、ブレーキパッド18との間にクリアランスC2を有する。
一方、非制動状態において、車両が砂利道を走行する等でパッドクリップ40Rにかかる荷重が所定値以上となっている場合には、図2に示すように、第1の弾性部40R1が上段耳部28Rと接触したままの状態で、第2の弾性部40R2が下段耳部29Rと接触し、第2の弾性部40R2はブレーキパッド18の下段耳部29Rを上方に押し上げる。
図4(a)はパッドクリップ40Lの斜視図、図4(b)はパッドクリップ40Lの展開図、図4(c)はパッドクリップ40Lを(a)に示す矢印D5の方向から見た側面図、図4(d)はパッドクリップ40Lを(a)に示す矢印D6の方向から見た側面図、図4(e)は(d)に示すパッドクリップ40LをB−B線で切断して上から見た平面図である。
これらの図に示すように、パッドクリップ40Lは、第1の弾性部40L1と、第2の弾性部40L2と、凹部40L3と、挟着爪部40L4、40L5と、張り出し部40L6とを有する。パッドクリップ40Lがパッドクリップ40Rと異なる部分は、コの字形状に形成された部分のうち天板部付近の形状のみであるため、以下、パッドクリップ40Lの天板部付近の形状について説明する。
天板部と中央部との間の部分には、外側に膨らませた張り出し部40L6が形成されている。張り出し部40L6は、底面と側面と上面とを有し、底面が水平方向に略平行に形成され、側面が垂直方向に略平行に形成されている。上面は、上方に膨出させるように弧状に湾曲させた部分と、略斜め45度に傾斜する部分とを有する。略斜め45度に傾斜する部分の下端は天板部と繋がる。天板部は水平方向に略平行に形成されており、天板部の先端部分には、下向きに略90度に折り曲げられた第1の弾性部40L1が形成されている。張り出し部40L6の孤状の部分を湾曲させる度合いによって第1の弾性部40L1のバネ定数を調整することができる。
このように形成されたパッドクリップ40Lをサポート12に装着した時には、凹部40L3にブレーキパッド18の下段耳部29Lが嵌入し、挟着爪部40L4、40L5がサポート12をガイド溝30L側から挟持し、張り出し部40L6の底面がガイド溝30Lのガイド溝段面30L1上に当接し、第1の弾性部40L1が下方に押し下げられてブレーキパッド18の上段耳部28Lと下段耳部29Lとの間の溝28Ldに接触することとなる。
第1の弾性部40L1は、サポート12に装着されて非制動状態で車両が走行しているときに、パッドクリップ40Lにかかる荷重に関わらず、図1及び図2に示すように、ブレーキパッド18の溝28Ldに接触し、ブレーキパッド18をディスクロータ10の回転方向に弾圧付勢する。
第2の弾性部40L2は、非制動状態で車両が平坦な道路を走行している等で、車両の揺れが少なくパッドクリップ40Lにかかる荷重が所定値未満の場合には、図1に示すように、ブレーキパッド18と接触せず、ブレーキパッド18との間にクリアランスC1を有している。
一方、非制動状態において、車両が砂利道を走行している等で車両の揺れが激しく、パッドクリップ40Lにかかる荷重が所定値以上となっている場合には、図2に示すように、第1の弾性部40L1がブレーキパッド18と接触したままの状態で、第2の弾性部40L2が下段耳部29Lと接触し、第2の弾圧部40L2はブレーキパッド18の下段耳部29Lを上方に押し上げる。
このように構成されたディスクブレーキは、制動操作が行われずに車両が平坦な道路を走行している場合には、図5(a)に示すように、車両前進時におけるディスクロータ10の回転方向(矢印Rの方向)の回入側では、パッドクリップ40Lの作用により、下段耳部29Lが凹部40L3に接触する。また、上段耳部28Lと下段耳部29Lとの間の溝28Ldが弾性部40L1に接触し、ブレーキパッド18をディスクロータ10の回転方向に力F1で弾圧付勢する。この時に第2の弾性部40L2はブレーキパッド18に接触していない。
一方、回出側では、パッドクリップ40Rの作用により、下段耳部29Rが凹部40R3に接触する。また、第1の弾性部40R1は、ブレーキパッド18の上段耳部28Rに接触し、ブレーキパッド18を上方に力F2で押し上げる。この時に第2の弾性部40R2はブレーキパッド18に接触していない。
次に、制動操作が行われない状態で車両が砂利道等を走行し、パッドクリップ40L、40Rにかかる荷重が所定値以上となると、図5(b)に示すように、回入側では、第1の弾性部40L1が溝28Ldと接触したままの状態で、ブレーキパッド18をディスクロータ10の回転方向に力F3で弾圧付勢するとともに、第2の弾性部40L2が下段耳部29Lと接触し、第2の弾性部40L2がブレーキパッド18の下段耳部29Lを上方に向けて力F4で押し上げる。このとき第1の弾性部40L1には大きな荷重がかかり、第2の弾性部40R2にはブレーキパッド18が接触する程度に2次的に荷重がかかることとなる。したがって、力F3の方が力F4よりも大きくなる。一方、回出側では、第1の弾性部40R1が上段耳部28Rと接触したままの状態で上段耳部28Rを上方に力F5で押し上げるとともに、第2の弾性部40R2が下段耳部29Rと接触し、下段耳部29Rを上方に向けて力F6で押し上げる。このとき第1の弾性部40R1には大きな荷重がかかって張り出し部40R6が湾曲するが、第2の弾性部40R2にはブレーキパッド18が接触する程度に2次的に荷重がかかる。したがって、力F5の方が力F6よりも大きくなる。
なお、このときパッドクリップ40L、40Rの押し上げ力によりブレーキパッド18がキャリパ24に接触した場合、キャリパ24は押し上げ力に抗する反力をブレーキパッド18に与えるため、ブレーキパッド18は安定してパッドクリップ40L、40Rに接触保持される。
図6は、車両が非制動状態で走行している時のブレーキパッド18のストロークと、ブレーキパッド18からパッドクリップ40Rにかかるバネ荷重との関係を示すグラフである。車両が平坦な道路を走行している等で車両の揺れが少ない状態では、ブレーキパッド18のストロークがS未満である「通常域」となる。この通常域ではバネ荷重がF以下であり、パッドラトル音は発生しない。
一方、車両が砂利道を走行する等で車両の揺れが激しい状態では、ブレーキパッド18のストロークがS以上となり、バネ荷重がF以上に上昇してパッドラトル音が発生する「ラトル音発生域」となる。したがって、上述した実施形態における「所定値」をFとし、ラトル音発生域において第1の弾性部40R1及び第2の弾性部40R2が弾性パッド40に接触するように第1の弾性部40R1及び第2の弾性部40R2のバネ定数を設定することで、通常領域においてはブレーキパッド18の回出側の押し上げ箇所を1箇所とし、ラトル音発生域においてはブレーキパッド18の回出側の押し上げ箇所を2箇所とすることができる。これにより、通常領域においては摺動抵抗を低く抑えブレーキパッド18の摺動性を保つことができ、ラトル音発生領域においては各々の弾性部40R1、40R2にかかる荷重を低減することができるため、パッドクリップ40Rの経時劣化による歪みが起り難く、安定してブレーキパッド18を接触保持することができ、パッドラトル音の発生を抑止することができる。なお、「所定値」はFに限らず、パッド摺動抵抗とパッドラトル音との両立を考慮して設定することができる。このように、第1の弾性部40R1と第2の弾性部40R2とのバネ定数及びバネ荷重の設定を個別に可変とすることができるため、パッドラトル音とパッド摺動抵抗に対してのチューニングが可能となる。なお、パッドクリップ40Lについても同様のことがいえる。
図7には、第2の実施形態に係るディスクブレーキをインナ側からみた正面図を示す。第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係るブレーキパッド18aは、ディスクロータ10の内周側左右両側面に、側方に張り出す耳部19R、19Lを有している。サポート12aのパッド収容切欠20aの両側面に設けられたガイド溝33R、33Lには、ブレーキパッド18の側面の形状に倣うように、ディスクロータ10の外周側に突起31R、31Lが設けられている。
車両進行時のロータ回入側のガイド溝33Lにはパッドクリップ50Lが装着され、ロータ回出側であるガイド溝33Rにはパッドクリップ50Rが装着されている。本実施形態では、パッドクリップ50Lとパッドクリップ50Rとの形状は同一であるため、パッドクリップ50Rのみの形状について以下説明する。
図8(a)はパッドクリップ50Rの斜視図、図8(b)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D10の方向から見た側面図、図8(c)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D11の方向から見た側面図、(d)はパッドクリップ50Rを(a)に示す矢印D12の方向から見た平面図である。
これらの図に示すように、パッドクリップ50Rは、第1の弾性部501と、第2の弾性部502と、凹部503と、挟着爪部504、505、506とを有する。パッドクリップ50Rは、平板部材をサポート12aの内側側辺のガイド溝33Rの形状に沿って、上方に階段部が設けられ、中央にコの字形状の部分が設けられ、下方にレの字形状の部分が設けられている。コの字形状に形成された部分の天板部、中央部、底面部のうち、底面部の一方の側縁から帯状の板部材が延びており、当該帯状の板部材を上側に2つ折りに屈曲させることにより第1の弾性部501が形成される。第1の弾性部501を形成する帯状の板部材の厚さ、幅、折り曲げ度合い等により、第1の弾性部501のバネ定数が調整される。レの字形状の部分の下方先端には、への字形状の第2の弾性部502が形成されている。レの字形状の部分及びへの字形状の部分の折り曲げ度合いによって、第2の弾性部502のバネ定数を調節することができる。
コの字形状の部分の中央部の両側縁から張り出している挟着爪部504、506は、外側に略90度の角度で折り曲げられている。コの字形状の部分の天板部の一方の側縁から張り出している当該挟着爪部505も、外側に略90度の角度で折り曲げられている。パッドクリップ50Rのサポート12aへの装着時に、挟着爪部504がガイド溝33R側からサポート12に当接し、挟着爪部505が突起31Rの下側からサポート12に当接し、挟着爪部506がサポート12のディスクロータ10対向面に当接することにより、パッドクリップ50Rをサポート12aに固定する。コの字形状の部分の中央部の内側には凹部503が形成され、パッドクリップ50Rのサポート12aへの装着時に、凹部503にはブレーキパッド18の耳部19Rが嵌入する。
第1の弾性部501は、サポート12aへの装着時に、ブレーキパッド18の耳部19Rに接触し、耳部19Rを上方に押し上げる。
第2の弾性部502は、非制動状態において、車両が平坦な道路を走行している等で車両の揺れが少なく、パッドクリップ50Rにかかる荷重が所定値未満の場合には、図7(a)に示すようにブレーキパッド18と接触せず、クリアランスC3を有している。
一方、非制動状態において、車両が砂利道を走行している等で車両が激しく揺れ、パッドクリップ50Rにかかる荷重が所定値以上である場合には、図7(b)に示すように、第1の弾性部501がブレーキパッド18の耳部19Rと接触した状態で、第2の弾性部502がブレーキパッド18の底面と接触し、第2の弾圧部502はブレーキパッド18の底面を上方に押し上げる。
図9には、パッドクリップの形状の変形例を示す。図9(a)は変形例に係るパッドクリップ50R’の斜視図、図9(b)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D20の方向から見た側面図、図9(c)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D21の方向から見た側面図、図9(d)はパッドクリップ50R’を(a)に示す矢印D22の方向から見た平面図である。これらの図に示すように、パッドクリップ50R’は、パッドクリップ50Rとパッドクリップ50Lとを左右対称となるように組み合わせたものである。
なお、上述した実施形態では、第1の弾性部と第2の弾性部とが1つのパッドクリップに設けられている場合について説明したが、第1の弾性部と第2の弾性部とが別々の部材で構成されていてもよい。
また、弾性部は2つに限らず複数であってもよく、かかる荷重によってブレーキパッドと接触する弾性部が増加するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では非制動時における動作について説明したが、制動時においても本発明を適用することができる。
本発明は、フィストタイプのディスクブレーキ全般に適用できる。
10………ディスクロータ、12、12a………サポート、14………インナブリッジ、16………ねじ穴、18、18a………ブレーキパッド、20、20a………パッド収容切欠、24………キャリパ、28Ld………溝、28R、28L………上段耳部、29R、29L………下段耳部、19R、19L………耳部、30R、30L………ガイド溝、30R1、30L1………ガイド溝段面、31R、31L………突起、32R………アンカ部、33R、33L………ガイド溝、40R、40L………パッドクリップ、40R1、40L1、501………第1の弾性部、40R2、40L2、502………第2の弾性部、40R3、40L3、503………凹部、40R4、40L4、40R5、40L5………挟着爪部、40R7………係合爪部、40R8、40L8………溝、504、505、506………挟着爪部、40R6、40L6………張り出し部。

Claims (3)

  1. ディスクブレーキのディスクロータに対向して配置されたブレーキパッドを接触保持するパッドクリップであって、
    前記ブレーキパッドを前記ディスクロータの径外周方向に押し上げるための第1の弾性部と第2の弾性部とを有し、
    少なくとも前記第1の弾性部は常に前記ブレーキパッドと接触していることを特徴とするパッドクリップ。
  2. 前記第2の弾性部は、パッドクリップ本体にかかる荷重が所定値未満の場合に前記ブレーキパッドとの間にクリアランスを有し、前記所定値以上の場合に前記ブレーキパッドと接触することを特徴とする請求項1に記載のパッドクリップ。
  3. 前記第1の弾性部と前記第2の弾性部とは、個別のバネ定数を有していることを特徴とする請求項2に記載のパッドクリップ。
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