JP2011198818A - サーミスタ素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 絶縁体の量を抑えながら抵抗値を従来構造よりも大幅に高くすることができるサーミスタ素子およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 板状の金属酸化物焼結体2と、該金属酸化物焼結体2の上下面にそれぞれ一部を電極接合部2aとして除いて形成された絶縁層3と、金属酸化物焼結体2の上下面の少なくとも電極接合部2aに形成された一対の電極層4と、を備えている。そして、金属酸化物焼結体2の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料が混合されており、絶縁層3が、金属酸化物焼結体2の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車関係等の温度計測に用いられるサーミスタ素子およびその製造方法に関する。
一般に、自動車エンジン周りの触媒温度や排気系温度等を計測する温度センサとして、サーミスタ温度センサが採用されている。このサーミスタ温度センサに用いられるサーミスタ素子は、例えば、上記自動車関連技術、情報機器、通信機器、医療用機器、住宅設備機器等の温度センサとして利用され、大きな負の温度係数を有する酸化物半導体の焼結体の素子を用いている。
通常、サーミスタ素子を用いて温度を測定するためには、サーミスタ素子と通常1kΩ前後のプルアップ抵抗とを直列に接続して数Vの電圧を印加し、その抵抗の両端にかかった電圧を測定して温度に換算している。そのため、サーミスタ素子の抵抗値としては、測定温度範囲で低温側では数十kΩ以下、高温側では数十Ω以上の抵抗値が要求される。さらに近年、自動車業界をはじめとしたOBD(On Board Diagnosis)と呼ばれる自己診断システムの義務化により低温から高温まで幅広いレンジで温度を測定することを求められている。
測定温度領域が広がるにつれて、より温度に対する抵抗値変化が穏やかなワイドレンジ特性、つまりB定数が小さいことが求められ、用途によってはB定数が2000K付近のものも要求されるようになった。一方でB定数が小さくなると抵抗率も小さくなる傾向にあることから、一般的に通常のセンサ素子の大きさで用いる場合には、抵抗値が低くなりすぎてサーミスタ材料単体では実現が難しい。
そこで、従来、例えば特許文献1には、抵抗値を高くするためにサーミスタ材料に絶縁体を加え、混合焼結体にする方法が提案されている。
特開2009−88494号公報
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来の絶縁体を加えた混合焼結体にして抵抗値を高くする方法では、B定数が小さくなるにつれ、所望の特性を出すためにはかなりの比率の絶縁体を加える必要がある。そのため、この方法では、絶縁体の量の僅かなばらつきが抵抗値のばらつきにつながり、安定して作製することが難しいという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、絶縁体の量を抑えながら抵抗値を従来構造よりも大幅に高くすることができるサーミスタ素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のサーミスタ素子では、板状の金属酸化物焼結体と、該金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて形成された絶縁層と、前記金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも前記電極接合部に形成された一対の電極層と、を備えていることを特徴とする。
このサーミスタ素子では、金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて形成された絶縁層と、金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも電極接合部に形成された一対の電極層と、を備えているので、電極層と金属酸化物焼結体との接合が電極接合部だけであって実効的な電極面積が低減されるため、金属酸化物焼結体中の絶縁体を増加させずに抵抗値を高めることができる。また、この実効的な電極面積が低減された本発明のサーミスタ素子では、金属酸化物焼結体中の絶縁体を増加させる場合に比べて、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
また、本発明のサーミスタ素子では、前記金属酸化物焼結体の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料が混合されており、前記絶縁層が、前記金属酸化物焼結体の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜であることを特徴とする。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法では、板状の金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて絶縁層を形成する工程と、前記金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも前記電極接合部に一対の電極層を形成する工程と、を有し、前記金属酸化物焼結体の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料を混合し、前記絶縁層を形成する工程において、焼結により前記金属酸化物焼結体の表面に前記絶縁皮膜を析出させて前記絶縁層を形成することを特徴とする。
すなわち、これらのサーミスタ素子およびその製造方法では、絶縁層が、金属酸化物焼結体の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜であるので、焼結と同時に自動的に絶縁層を形成でき、焼結後の金属酸化物焼結体の表面に別途、絶縁層を形成する工程を設ける場合よりも工程数を削減することができる。また、金属酸化物焼結体の原料に混合された絶縁材料によって、金属酸化物焼結体自体の抵抗値を高めることができる。
また、本発明のサーミスタ素子では、前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、前記絶縁層が、Y層であることを特徴とする。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、前記絶縁層が、Y層であることを特徴とする。
すなわち、これらのサーミスタ素子およびその製造方法では、金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、絶縁層が、Y層であるので、絶縁性の高い良好な絶縁皮膜として析出されるY層によって、ばらつきの小さい抵抗値特性を得ることができる。
特に、金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)(Y1−yLa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦1.0、0<z≦0.8)で示されるものであることが好ましい。
また、本発明のサーミスタ素子では、前記一対の電極層に接続された一対のリード線と、前記金属酸化物焼結体と前記リード線の接続部分とをガラスまたは耐熱樹脂で封止したモールド部と、を備えていることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ素子では、金属酸化物焼結体とリード線の接続部分とがガラスまたは耐熱樹脂のモールド部で封止されているので、モールド部によって雰囲気から金属酸化物焼結体を遮断して耐環境性を向上させることができる。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、前記金属酸化物焼結体の両面全体に前記絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の一部にレーザ光を照射して部分的に前記絶縁層を除去して前記電極接合部を形成する工程と、を有していることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ素子の製造方法では、絶縁層の一部にレーザ光を照射して部分的に絶縁層を除去して電極接合部を形成するので、レーザ照射した部分だけ金属酸化物焼結体を露出させることができ、幅狭な電極接合部を高精度に形成することができる。
また、本発明のサーミスタ素子の製造方法は、前記金属酸化物焼結体の両面全体に前記絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の一部をサンドブラスト法により前記絶縁層を除去して前記電極接合部を形成する工程と、を有していることを特徴とする。
すなわち、このサーミスタ素子の製造方法では、絶縁層の一部をサンドブラスト法により絶縁層を除去して電極接合部を形成するので、レーザ照射では金属酸化物焼結体に与えてしまう熱の影響などが無い。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法によれば、金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて形成された絶縁層と、金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも電極接合部に形成された一対の電極層と、を備えているので、実効的な電極面積が低減されて抵抗値を高めることができると共に、金属酸化物焼結体中の絶縁体を増加させる場合に比べて、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
したがって、本発明のサーミスタ素子は、高い抵抗率であると共に抵抗値ばらつきが小さく、低温域から高温域までの広範囲で高精度な測定が可能であり、特に自動車エンジン周りの触媒温度や排気系温度を検出する広範囲測定用温度センサとして好適である。
本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の一実施形態において、サーミスタ素子を示す断面図である。 本実施形態において、金属酸化物焼結体の要部断面を模式的に示す図である。 本実施形態において、サーミスタ素子の製造方法の電極形成工程までを工程順に示す平面図である。 本実施形態において、サーミスタ素子の製造方法のダイシング工程を示す平面図である。 本実施形態において、ダイシング後のサーミスタ素子を示す平面図および断面図である。
以下、本発明に係るサーミスタ素子およびその製造方法の一実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能又は認識容易な大きさとするために必要に応じて縮尺を適宜変更している。
本実施形態のサーミスタ素子1は、図1に示すように、板状の金属酸化物焼結体2と、該金属酸化物焼結体2の上下面にそれぞれ一部を電極接合部2aとして除いて形成された絶縁層3と、金属酸化物焼結体2の上下面の少なくとも電極接合部2aに形成された一対の電極層4と、一対の電極層4に接続された一対のリード線5と、金属酸化物焼結体2とリード線5の接続部分とをガラスまたは耐熱樹脂で封止したモールド部6と、を備えている。
上記金属酸化物焼結体2の原料には、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料が混合されており、上記絶縁層3が、図2に示すように、金属酸化物焼結体2の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜である。
金属酸化物焼結体2は、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、絶縁層3が、Y層である。特に、金属酸化物焼結体2は、一般式:(1−z)(Y1−yLa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦1.0、0<z≦0.8)で示されるものであることが好ましい。
なお、図2において、白丸はY結晶粒A、黒丸はペロブスカイト型酸化物の結晶粒Bを模式的に示したものである。
また、上記Y層である絶縁層3の層厚は、3μm以上形成されている。特に、絶縁層3の層厚は、10μm以下であることが好ましい。
上記電極層4は、例えばスパッタリングで金属酸化物焼結体2の上下面全面に形成されたPt膜等である。
上記電極接合部2aは、上下面にそれぞれ対向して直線状に一対形成されている。
上記リード線5は、例えば白金線である。
これらリード線5は、Agの焼き付け電極7を用いて一対の電極層4に固定されている。
次に、このサーミスタ素子1の製造方法について、図3から図5を参照して説明する。
本実施形態のサーミスタ素子1の製造方法は、板状の金属酸化物焼結体2の上下面にそれぞれ一部を電極接合部2aとして除いて絶縁層3を形成する工程と、金属酸化物焼結体2の上下面の少なくとも電極接合部2aに一対の電極層4を形成する工程と、を有している。
この製造方法では、金属酸化物焼結体2の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料を混合し、絶縁層3を形成する工程において、焼結により金属酸化物焼結体2の表面に絶縁皮膜を析出させて絶縁層3を形成する。
また、絶縁層3を形成する工程では、金属酸化物焼結体2の両面全体に絶縁層3を形成し、絶縁層3の一部にレーザ光を照射して部分的に絶縁層3を除去して電極接合部2aを形成することが好ましい。
なお、上記レーザ照射による電極接合部2aの形成の他に、絶縁層3の一部をサンドブラスト法により絶縁層3を除去して電極接合部2aを形成する工程を採用しても構わない。
以下に、上記サーミスタ素子1の製造方法の一例について説明する。
まず、La、Cr及びMnOの各粉末を秤量後にボールミルに入れ、Zrボールと純水とを適量入れて約24時間混合を行う。上記混合したものを取り出して乾燥させた後、1100℃、5時間にて焼成し、例えば上記一般式においてx=0.5,y=1.0とされたLa(Cr0.5Mn0.5)Oの仮焼粉を得る。この仮焼粉とYとが40:60(mol%)になるように秤量してYの粉末を加え、さらに溶剤およびバインダーを加えてスラリーにしてキャスティングを行うことで、100μm厚のグリーンシートを作製する。
その後、このグリーンシートを3層重ねてプレス機で熱圧着を行い、厚み約0.3mmの積層シートを作製する。次に、図3の(a)に示すように、積層シートを50mm×50mmの寸法に切断して、1550℃、5時間で焼成して金属酸化物焼結体2のウェハWを作製する。このとき、焼成後にウェハWの上下面には、厚さ数μmのYの絶縁層3が析出される。
さらに、図3の(b)に示すように、レーザ加工機でレーザ光を幅30μmでウェハWの表面に直線状に複数回照射し、レーザ光を当てた領域だけ絶縁層3を除去して、サーミスタ素子1の導電体層を露出させた複数の直線状の電極接合部2aを形成する。次に、図3の(c)に示すように、絶縁層3および電極接合部2aの表面全体にPtをスパッタリングして電極層4を形成する。そして、これらの工程をウェハWの上面だけでなく下面に対しても同様に行う。
次に、図4および図5に示すように、ダイシングマシーンによりウェハWを格子状にカットして0.4mm角のフレーク状に切り出す。なお、図4中の二点鎖線は、ダイシングマシーンによる切り出し線の例である。その後、Agの焼き付け電極7を用いて一対のリード線5を一対の電極層4に固定し、さらに、金属酸化物焼結体2とリード線5の接続部分とにガラスモールドを施し、モールド部6を形成することで、サーミスタ素子1が作製される。
このように本実施形態のサーミスタ素子1では、金属酸化物焼結体2の上下面にそれぞれ一部を電極接合部2aとして除いて形成された絶縁層3と、金属酸化物焼結体2の上下面の少なくとも電極接合部2aに形成された一対の電極層4と、を備えているので、電極層4と金属酸化物焼結体2との接合が電極接合部2aだけであって実効的な電極面積が低減されるため、金属酸化物焼結体2中の絶縁体(Y)を増加させずに抵抗値を高めることができる。
また、この実効的な電極面積が低減された本実施形態のサーミスタ素子1では、金属酸化物焼結体2中の絶縁体(Y)を増加させる場合に比べて、抵抗値のばらつきを小さくすることができる。
さらに、絶縁層3が、金属酸化物焼結体2の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜であるので、焼結と同時に自動的に絶縁層3を形成でき、焼結後の金属酸化物焼結体2の表面に別途、絶縁層3を形成する工程を設ける場合よりも工程数を削減することができる。また、金属酸化物焼結体2の原料に混合された絶縁材料(Y)によって、金属酸化物焼結体2自体の抵抗値を高めることができる。
また、金属酸化物焼結体2が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、絶縁層3が、Y層であるので、絶縁性の高い良好な絶縁皮膜として析出されるY層によって、ばらつきの小さい抵抗値特性を得ることができる。
また、金属酸化物焼結体2とリード線5の接続部分とがガラスまたは耐熱樹脂のモールド部6で封止されているので、モールド部6によって雰囲気から金属酸化物焼結体2を遮断して耐環境性を向上させることができる。
さらに、絶縁層3の一部にレーザ光を照射して部分的に絶縁層3を除去して電極接合部2aを形成するので、レーザ照射した部分だけ金属酸化物焼結体2を露出させることができ、幅狭な電極接合部2aを高精度に形成することができる。また、絶縁層3の一部をサンドブラスト法により絶縁層3を除去して電極接合部を形成する方法を採用すれば、レーザ照射では金属酸化物焼結体2に与えてしまう熱の影響などが無い。
次に、上記実施形態のサーミスタ素子の製造方法において、金属酸化物焼結体の基本組成をLa(Cr,Mn)O+0.6Y(ρ=80Ω・cm、B=2000K)とし、レーザ光の照射幅(電極接合部の幅)を変化させて実際に複数の実施例を作製し、抵抗値のばらつき(標準偏差)を評価した結果を、以下の表1に示す。
なお、金属酸化物焼結体のフレークサイズは、幅W:0.4mm×長さL:0.4mm×厚さT:0.2mmとした。
各レーザ照射幅に対応した25℃での抵抗値(R25)、これらと同じ抵抗率を得るためのYを入れた場合の量およびその際の抵抗値ばらつき(標準偏差)も、併せて表1に示す。
Figure 2011198818
表1からわかるように、同じ抵抗値まで上昇させようとした場合、レーザ照射によって絶縁皮膜を取り除いて電極面積を低減する本発明の構造および製法の方が、単にYの絶縁材料を増加して抵抗値を上昇させた場合よりも全体的に、ばらつきが小さくなっている。特に、本発明は、抵抗値を大幅に上げる必要がある場合に有効である。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態および上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、絶縁層は、上記のように焼結時に析出した絶縁皮膜で形成することが好ましいが、焼結後に別途、絶縁層をスパッタリング等で金属酸化物焼結体の上下面に成膜しても構わない。
1…サーミスタ素子、2…金属酸化物焼結体、2a…電極接合部、3…絶縁層、4…電極層、5…リード線、6…モールド部、W…金属酸化物焼結体のウェハ

Claims (10)

  1. 板状の金属酸化物焼結体と、
    該金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて形成された絶縁層と、
    前記金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも前記電極接合部に形成された一対の電極層と、を備えていることを特徴とするサーミスタ素子。
  2. 請求項1に記載のサーミスタ素子において、
    前記金属酸化物焼結体の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料が混合されており、
    前記絶縁層が、前記金属酸化物焼結体の焼結時に表面に析出した絶縁皮膜であることを特徴とするサーミスタ素子。
  3. 請求項2に記載のサーミスタ素子において、
    前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される複合酸化物焼結体であり、
    前記絶縁層が、Y層であることを特徴とするサーミスタ素子。
  4. 請求項3に記載のサーミスタ素子において、
    前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)(Y1−yLa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦1.0、0<z≦0.8)で示されるものであることを特徴とするサーミスタ素子。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のサーミスタ素子において、
    前記一対の電極層に接続された一対のリード線と、
    前記金属酸化物焼結体と前記リード線の接続部分とをガラスまたは耐熱樹脂で封止したモールド部と、を備えていることを特徴とするサーミスタ素子。
  6. 板状の金属酸化物焼結体の上下面にそれぞれ一部を電極接合部として除いて絶縁層を形成する工程と、
    前記金属酸化物焼結体の上下面の少なくとも前記電極接合部に一対の電極層を形成する工程と、を有し、
    前記金属酸化物焼結体の原料に、焼結によって表面に一部が絶縁皮膜として析出する絶縁材料を混合し、
    前記絶縁層を形成する工程において、焼結により前記金属酸化物焼結体の表面に前記絶縁皮膜を析出させて前記絶縁層を形成することを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)ABO+zY(ただし、ABOはペロブスカイト型酸化物、0<z≦0.8)で示される金属酸化物焼結体であり、
    前記絶縁層が、Y層であることを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記金属酸化物焼結体が、一般式:(1−z)(Y1−yLa)(Cr1−xMn)O+zY(ただし、0.0≦x≦1.0、0.0≦y≦1.0、0<z≦0.8)で示されるものであることを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  9. 請求項6から8のいずれか一項に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記金属酸化物焼結体の両面全体に前記絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の一部にレーザ光を照射して部分的に前記絶縁層を除去して前記電極接合部を形成する工程と、を有していることを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
  10. 請求項6から8のいずれか一項に記載のサーミスタ素子の製造方法において、
    前記金属酸化物焼結体の両面全体に前記絶縁層を形成する工程と、
    前記絶縁層の一部をサンドブラスト法により前記絶縁層を除去して前記電極接合部を形成する工程と、を有していることを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。
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