JP2011193728A - EpCAMに結合能を有するペプチド - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、化学合成法や遺伝子工学的方法により簡単に作製が可能な、EpCAMに結合能を有する新規のペプチドを提供することにある。
【解決手段】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、固相化したEpCAMタンパク質に、多様なペプチド配列をファージ粒子上に提示するファージ集団を接触させ、EpCAMタンパク質に結合したファージ粒子を回収し、得られたファージ粒子を大腸菌中で増殖させた。次いで、この増殖させたファージ粒子を、再度EpCAMタンパク質に接触させるパニング操作を繰り返すことにより、EpCAMに特異的に結合するファージクローンを得ることに成功した。このファージクローンのDNA配列を解析し、EpCAMに特異的に結合するアミノ酸配列を特定し、本発明を完成するに至った。
【選択図】なし

Description

本発明は、EpCAMに結合能を有するペプチドや、かかるペプチドを用いたEpCAMの検出・定量方法や、かかるペプチドを含む癌の診断及び/又は治療用組成物等に関する。
上皮細胞接着分子(Epithelial cell adhesion molecule:EpCAM)は、1979年にG. Riethmuellerにより初めて報告された癌特異的細胞表面抗原タンパク質であり、現在までに知られている癌抗原のなかでも最も重要な癌抗原の一つである。EpCAMは、膜貫通型糖タンパク質であり(非特許文献1)、17−1A抗原、KSA、EGP40、GA733−2、ks1−4又はesaとも呼ばれている(例えば、非特許文献2)。また、悪性腫瘍患者の血清中EpCAMタンパク質の量を健常者と比較した結果から、悪性腫瘍患者の10%において有意にEpCAMが増加していることが明らかにされている(非特許文献3)。この結果は、EpCAMが腫瘍細胞表面から解離して、体循環中に放出されていることを示しており、EpCAMが血清中の腫瘍マーカーとして利用できる可能性を示唆するものである。これに関連する報告として、EpCAMが細胞増殖を促進するシグナルを誘起する際に、細胞膜上などに存在するプロテアーゼによりEpCAMの細胞内ドメインが切り出され、これがFHL2タンパク質と相互作用することにより、β-catenin/TCF/Lefシグナル伝達経路を活性化することが示されている(特許文献1、非特許文献4)。
既にEpCAMを利用した癌ワクチンが開発されており、バキュロウイルス等による昆虫細胞発現系を利用して調製した組換えEpCAMタンパク質や、抗EpCAM抗体の抗原認識部位に結合する抗イディオタイプ抗体IGN−101(edrecolomab) を用いたワクチン療法が報告されている。また、癌治療用抗EpCAM抗体も開発され、Adecatumumab(MT201)、ING−1等の抗EpCAM抗体を用いた治験が行われている。これらの抗体を用いた治療では、癌細胞表面上のEpCAMに抗体が結合し、生体内の免疫系により細胞性免疫(細胞障害活性)を誘導することにより癌を縮小させることを狙いとしている。さらに、抗EpCAM抗体による細胞障害活性を高める目的で、抗EpCAM抗体と緑膿菌外毒素を融合させたProxiniums Vivendiums (VB4−845)や、IL−2と融合させたEMD 273 066(huKS−IL2)や、抗CD3活性を併せ持つCatumaxomab(removab)等が開発されている。
さらに、EpCAMを循環癌細胞の表面マーカーとして、磁気ビーズ(非特許文献5)や、MEMSデバイス(非特許文献6)に結合させたEpCAM抗体により循環癌細胞の捕捉が試みられている。循環癌細胞は癌の転移と密接な関係にあり、癌患者の予後を予測する指標となりうることから、このような循環癌細胞検出方法の確率は非常に重要である。
抗EpCAM抗体以外にも、生体内でEpCAMと特異的に結合する分子として、αアクチニン、クローディン7、CD44のスプライシングバリアントであるCD44v4‐v7、テトラスパニンの一種であるD6.1Aタンパク質などが知られている (非特許文献7)。
国際公開第07/141029号パンフレット Litvinow et al., J Cell Biology 125: 437-446, 1994 Herlyn M et al., Proc Natl Acad SciUSA76: 1438-1442, 1979, Abe H et al., J Immunol Methods 270: 227-233, 2002 Baeuerle PA et al., Br J Cancer 96: 417-423, 2007 Cohen SJ et al., Clin Colorectal Cancer 6: 125-132, 2006 Nagrath S et al., Nature 450: 1235-1239, 2007 Kuhn, S. et al., Mol Cancer Res 5: 553-567, 2007
上述のように、抗体等のEpCAMに特異的に結合する分子は、広く癌の診断・治療に利用できる可能性がある。しかし、これまでに知られている抗体やその他の天然の(生体内に存在する)EpCAM結合能を有する分子は、単離や調製が難しく、高いコストを必要する。また、培養細胞等を用いたタンパク質調製における有害物のコンタミネーションなどの生物学的なリスクも考えられる。本発明の課題は、化学合成法や遺伝子工学的方法により簡単に作製することができる、EpCAMに結合能を有する新規のペプチドを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究し、固相化したEpCAMタンパク質に、多様なペプチド配列をファージ粒子上に提示するファージ集団を接触させ、EpCAMタンパク質に結合したファージ粒子を回収し、得られたファージ粒子を大腸菌中で増殖させた。次いで、この増殖させたファージ粒子を、再度EpCAMタンパク質に接触させるパニング操作を繰り返すことにより、EpCAMに特異的に結合するファージクローンを得ることに成功した。このファージクローンのDNA配列を解析し、EpCAMに特異的に結合するアミノ酸配列がKSLQCINNLCWP(配列番号7)であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)配列番号7に示されるアミノ酸配列からなるEpCAMに結合能を有するペプチドや、(2)配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつEpCAMに結合能を有するペプチドや、(3)配列番号7に示されるアミノ酸配列において、4、5、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されていることを特徴とする上記(2)記載のペプチドや、(4)配列番号7に示されるアミノ酸配列において、3、4、5、6、8、9、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されていることを特徴とする上記(2)又は(3)記載のペプチドや、(5)配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1番目のリジン、2番目のセリン、7番目のアスパラギン及び12番目のプロリンのうち、少なくとも1以上のアミノ酸がアラニンに置換されていることを特徴とする上記(2)〜(4)のいずれか記載のペプチドに関する。
また本発明は、(6)検出可能なマーカーで標識された上記(1)〜(5)のいずれか記載のペプチドや、(7)上記(1)〜(5)のいずれか記載のペプチドと、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合させた融合ペプチドや、(8)マルトース結合タンパク質(MBP)融合ペプチドであることを特徴とする上記(7)記載の融合ペプチドや、(9)上記(1)〜(6)のいずれか記載のペプチド、若しくは上記(7)又は(8)記載の融合ペプチドと、EpCAMとが結合したEpCAM−ペプチド複合体に関する。
さらに本発明は、(10)上記(1)〜(5)のいずれか記載のペプチドを、その粒子表面上に提示することを特徴とするEpCAMに結合能を有するファージや、(11)上記(1)〜(5)のいずれか記載のペプチドを認識する抗体や、(12)上記(1)〜(5)のいずれか記載のペプチドをコードするDNAや、(13)上記(12)記載のDNAを含み、かつEpCAMに結合能を有するペプチドを発現することができる組換えベクターや、(14)組換えプラスミドベクターである上記(12)記載の組換えベクターや、(15)上記(13)又は(14)記載の組換えベクターが導入された形質転換体に関する。
また本発明は、(16)上記(1)〜(6)のいずれか記載のペプチド、若しくは上記(7)又は(8)記載の融合ペプチドを用いることを特徴とする、EpCAMの検出・定量方法や、(17)上記(1)〜(6)のいずれか記載のペプチド、若しくは上記(7)又は(8)記載の融合ペプチドを用いることを特徴とする、EpCAMを発現する細胞の分離方法や、(18)上記(1)〜(6)のいずれか記載のペプチド、若しくは上記(7)又は(8)記載の融合ペプチドを含むことを特徴とする、癌の治療又は診断用組成物や、(19)上記(1)〜(6)のいずれか記載のペプチド、若しくは上記(7)又は(8)記載の融合ペプチドを含むことを特徴とする、ドラッグデリバリーシステムの運搬体に関する。
本発明のEpCAMに特異的に結合するペプチドは、簡単に化学合成することができ、また、遺伝子工学的手法を用いることで他のタンパク質等と融合させた融合ペプチドを作製することができる。これらのEpCAMに特異的に結合するペプチドや融合ペプチドは、EpCAMの検出・定量や、EpCAMを発現する細胞の分離に利用できるだけでなく、EpCAMを高発現する癌細胞をターゲットとした癌治療用組成物やドラッグデリバリーシステムの運搬体としても有用である。
本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドとしては、配列番号7に示されるアミノ酸配列Lys−Ser−Leu−Gln−Cys−Ile−Asn−Asn−Leu−Cys−Trp−Pro(KSLQCINNLCWP;以下、「Ep301(WT)」ということもある)からなるEpCAMに結合能を有するペプチドや、配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつEpCAMに結合能を有するペプチド(以下、「Ep301(VT)」ということもある)であれば特に制限されるものではないが、Ep301(VT)において「EpCAMに結合能を有する」とは、Ep301(WT)のEpCAMに対する結合能の少なくとも80%以上の結合能を有することを意味し、Ep301(VT)としては、Xaa−Xaa−Xaa−Gln−Cys−Xaa−Xaa−Xaa−Xaa−Cys−Trp−Xaa(配列番号8;Xaaは任意のアミノ酸残基)等の配列番号7に示されるアミノ酸配列において、4、5、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されているペプチドを例示することができ、中でも、Xaa−Xaa−Leu−Gln−Cys−Ile−Xaa−Asn−Leu−Cys−Trp−Xaa(配列番号9)等の配列番号7に示されるアミノ酸配列において、3、4、5、6、8、9、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されているペプチドを好適に例示することができ、具体的には、Ala−Ser−Leu−Gln−Cys−Ile−Asn−Asn−Leu−Cys−Trp−Pro(配列番号10),Lys−Ala−Leu−Gln−Cys−Ile−Asn−Asn−Leu−Cys−Trp−Pro(配列番号11),Lys−Ser−Leu−Gln−Cys−Ile−Ala−Asn−Leu−Cys−Trp−Pro(配列番号12),Lys−Ser−Leu−Gln−Cys−Ile−Asn−Asn−Leu−Cys−Trp−Ala(配列番号13)など、配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1番目のリジン、2番目のセリン、7番目のアスパラギン及び12番目のプロリンのうち、少なくとも1以上のアミノ酸がアラニンに置換されているペプチドを、EpCAMへの優れた結合能を有するペプチドとして好適に挙げることができる。
上記本発明ペプチドは、そのアミノ酸配列に従って、一般的な化学合成法により製造することができる。化学合成法には、通常の液相法及び固相法によるペプチド合成法が包含され、より詳しくは、アミノ酸配列情報に基づいて、各アミノ酸を1個ずつ逐次結合させ鎖を延長させていくステップワイズエロゲーション法と、アミノ酸数個からなるフラグメントを予め合成し、次いで各フラグメントをカップリング反応させるフラグメント・コンデンセーション法とが包含される。本発明のペプチドを合成するには、そのいずれの方法をも採用することができる。上記ペプチド合成に採用される縮合法も、公知の各種方法に従うことができる。その具体例としては、例えばアジド法、混合酸無水物法、DCC法、活性エステル法、酸化還元法、DPPA(ジフェニルホスホリルアジド)法、DCC+添加物(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシサクシンアミド、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド等)、ウッドワード法等を例示できる。これら各方法に利用できる溶媒もこの種ペプチド縮合反応に使用されることがよく知られている一般的なものから適宜選択することができ、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサホスホロアミド、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル等及びこれらの混合溶媒等を挙げることができる。
さらに、上記本発明のペプチドは、本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドをコードするDNAの塩基配列情報により、遺伝子工学的手法を用いて常法により調製することもできる。このようにして得られる本発明のEpCAMに結合能を有するペプチド、通常の方法に従って、例えばイオン交換樹脂、分配クロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、向流分配法等のペプチド化学の分野で汎用されている方法に従って、適宜その精製を行うことができる。
上記本発明のペプチドは、検出可能なマーカーで標識されていてもよく、上記検出可能なマーカーとしては、従来知られているペプチド標識用のマーカーであれば特に制限されるものではないが、例えば、H、14C、125I等の放射性同位体や、ダンシルクロライド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート等の蛍光物質や、ビオチン、ジゴキシゲニンのような生物学的に関連する結合構造や、生物発光化合物や、化学発光化合物や、金属キレート等を具体的に挙げることができる。
また、本発明のペプチドは、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグに結合した融合ペプチドであってもよい。本発明の融合ペプチドとしては、本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドと、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとが結合しているものであればどのようなものでもよく、上記マーカータンパク質やペプチドタグは従来知られているものであれば特に制限されるものではないが、上記マーカータンパク質としては、例えば、アルカリフォスファターゼ、HRP等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に挙げることができ、また、上記ペプチドタグとしては、例えば、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質(MBP)、ビオチン化ペプチド 、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどを具体的に例示することができる。なかでも、本発明のEpCAMに結合能を有するペプチド(Ep301(WT))とマルトース結合タンパク質(MBP)とを結合させたMBP−Ep301(WT)は、後述の実施例でも示されているように、EpCAMへの優れた結合能を有する融合ペプチドであり、特に好例として挙げることができる。以上のような、本発明の標識されたペプチドや融合ペプチドは、常法により作製することができ、本発明のペプチドの精製や、本発明のペプチドの検出の際に有用であるだけでなく、後述するように被検試料中のEpCAMを検出・定量やEpCAMを発現する細胞の検出・分離等を行う際にも非常に有用である。
さらに、本発明には、上記本発明のペプチドや融合ペプチドを、EpCAMタンパク質と結合させたEpCAM−ペプチド複合体も含まれる。本発明のEpCAM−ペプチド複合体としては、本発明のペプチドや融合ペプチドとEpCAMとが結合したEpCAM−ペプチド複合体であれば特に制限されるものではなく、EpCAMと他の分子(タンパク等)との相互作用の検討など、EpCAMの分子レベルでの機能解析に有効に用いることができる。
本発明のEpCAMに結合能を有するファージとしては、本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドをその粒子表面上に提示するファージであればどのようなものでもよく、かかるEpCAMに結合能を有するファージは、ファージライブラリスクリーニングの過程で、EpCAMに強く結合したペプチド提示ファージを、その他のファージ集団から分離することにより得られる他、本発明のEpCAMに結合有するペプチドをコードするDNAを、常法によりファージミドベクターに組み込んで大腸菌等の宿主細胞を形質転換し、ヘルパーファージを感染させることで得ることもできる。
本発明のペプチドを認識する抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記本発明のペプチドを抗原として用いて常法により作製することができるが、なかでもモノクローナル抗体がその特異性の点でより好ましい。かかる本発明のペプチドに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)に本発明のペプチド又はその断片を免疫することにより産生され、例えばモノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生される抗体をもたらす、ハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1975)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Immunology Today 4, 72, 1983)及びEBV−ハイブリドーマ法(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc.,1985)など任意の方法を用いることができる。以下に、本発明のペプチドのひとつであるEp301(WT)に対して特異的に結合するマウスのモノクローナル抗体、すなわち抗Ep301(WT)モノクローナル抗体の作製方法を説明する。
上記抗Ep301(WT)モノクローナル抗体は、抗Ep301(WT)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマをインビボ又はインビトロで常法により培養することにより生産することができる。例えば、インビボ系においては、齧歯動物、好ましくはマウス又はラットの腹腔内で培養することにより、またインビトロ系においては、動物細胞培養用培地で培養することにより得ることができる。インビトロ系でハイブリドーマを培養するための培地としては、ストレプトマイシンやペニシリン等の抗生物質を含むRPMI1640又はMEM等の細胞培養培地を例示することができる。抗Ep301(WT)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、例えば、Ep301(WT)を用いてBALB/cマウスを免疫し、免疫されたマウスの脾臓細胞とマウスNS−1細胞(ATCC TIB−18)とを、常法により細胞融合させ、免疫蛍光染色パターンによりスクリーニングすることにより、抗Ep301(WT)モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作出することができる。また、かかるモノクローナル抗体の分離・精製方法としては、タンパク質の精製に一般的に用いられる方法であればどのような方法でもよく、アフィニティークロマトグラフィー等の液体クロマトグラフィーを具体的に例示することができる。
また、上記Ep301(WT)に対する一本鎖抗体をつくるためには、一本鎖抗体の調製法(米国特許第4,946,778号)を適用することができる。また、ヒト化抗体を発現させるために、トランスジェニックマウス又は他の哺乳動物等を利用したり、上記抗体を用いて、そのEp301(WT)を発現するクローンを単離・同定したり、アフィニティークロマトグラフィーでそのポリペプチドを精製することもできる。さらに、上記抗Ep301(WT)モノクローナル抗体等の抗体に、例えば、FITC(フルオレセインイソシアネート)又はテトラメチルローダミンイソシアネート等の蛍光物質や、125I、32P、14C、35S又はH等のラジオアイソトープや、アルカリフォスファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ又はフィコエリトリン等の酵素で標識したものや、グリーン蛍光タンパク質(GFP)等の蛍光発光タンパク質などを融合させた融合タンパク質を用いることによって、上記Ep301(WT)を検出・定量等を行うことができる。上記抗体を用いた免疫学的測定方法としては、RIA法、ELISA法、蛍光抗体法、プラーク法、スポット法、血球凝集反応法、オクタロニー法等の方法を挙げることができる。
本発明の組換えベクターとしては、前記本発明のDNAを含み、かつEpCAMに結合能を有するペプチドを発現することができる組換えベクターであれば特に制限されず、本発明の組換えベクターは、本発明のDNAを発現ベクター、好ましくは発現プラスミドベクターに適切に挿入することにより構築することができる。かかる発現ベクターとしては、宿主細胞において自立複製可能であるものや、あるいは宿主細胞の染色体中へ組込み可能であるものが好ましく、また、本発明のDNAが転写できる位置にプロモーター、エンハンサー、ターミネーター等の制御配列を含有しているものを好適に使用することができる。
上記発現ベクターとして、例えば、pCMV6−XL3(OriGene Technologies Inc.社製)、EGFP-C1(Clontech社製)、pGBT−9(Clontech社製)、pcDNAI(フナコシ社製)、pcDM8(フナコシ社製)、pAGE107(Cytotechnology, 3,133, 1990)、pCDM8(Nature, 329, 840, 1987)、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pAGE103(J.Blochem., 101, 1307,1987)、pAGE210等を例示することができる。また、プロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、SV40の初期プロモーター、レトロウイルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることができる。さらに、プロモーターの下流に蛍光蛋白質をコードする遺伝子等のレポーター遺伝子を融合することができる。蛍光蛋白質としては、緑色蛍光蛋白質(Green Fluorescence Protein(GFP))、シアン蛍光蛋白質(Cyan Fluorescence Protein(CFP))、青色蛍光蛋白質(Blue Fluorescence Protein(BFP))、黄色蛍光蛋白質(Yellow Fluorescence Protein(YFP))、赤色蛍光蛋白質(Red Fluorescence Protein(RFP))、ルシフェラーゼ(luciferase)を例示することができる。
また、本発明の形質転換体としては、上記本発明の組換えベクターが宿主細胞に導入され、かつ本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドを発現する形質転換体であれば特に制限されるものではなく、形質転換酵母、形質転換植物(細胞、組織、個体)、形質転換細菌、形質転換動物(細胞、組織、個体)等を挙げることができるが、形質転換動物細胞が好ましい。
本発明のペプチド又は融合ペプチドは、EpCAMの検出・定量に利用することができる。本発明のEpCAMの検出・定量方法としては、本発明のペプチド又は融合ペプチドを用いるものであれば、どのような方法でもよく、検出可能なマーカーで標識された本発明のペプチドや、本発明の融合ペプチドを用いる場合は、使用したマーカー等の標識物質の種類に応じて適切な検出・定量手法を選択することができる。また、上記EpCAMの検出・定量方法としては、本発明のペプチドと本発明の抗体を組み合わせて行うこともでき、この場合には、RIA法、ELISA法、蛍光方法法、プラーク法、スポット法、血球凝集反応法、オクタロニー法、ウエスタンブロット法等の公知の免疫学的測定方法を選択することができる。
さらに、上記本発明のペプチド又は融合ペプチドを用いることにより、EpCAMを発現する細胞を検出・分離することができる。EpCAMを発現する細胞を分離するには、本発明のペプチドと標識された本発明の抗体を組み合わせて用いることができるほか、検出可能なマーカーで標識された本発明のペプチドや、本発明の融合ペプチドを用いることもでき、使用したマーカー等の標識物質の種類に応じて適切な分離手法を選択することができる。例えば、標識物質として蛍光物質を使用した場合には、蛍光を指標としたフローサイトメトリー(シングルセルソーター)によって、効率的かつ高精度のEpCAM発現細胞の分離が可能となる。また、標識物質としてビオチンを採用した場合においてもアビジンとの結合反応を利用してEpCAMを発現する細胞を分離することができる。また、マグネットビーズを採用した場合にも同様に、磁石を用いて良好な分離が可能である。さらに、マイクロマニピュレーターやマイクロメッシュフィルターを用いてEpCAMを発現する細胞を分離することもできる。
本発明の癌の治療及び/又は診断用組成物としては、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドを含むものであれば特に制限されるものではないが、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドに、診断及び/又は治療用作用物質を結合されたものが好ましく、上記用作用物質としては、例えば、緑膿菌外毒素、ジフテリア毒素、リシン毒素等の毒素、インターロイキン、インターフェロン、腫瘍壊死因子(TNF)等のサイトカイン、免疫刺激物質、放射性標識物質、画像処理剤等を挙げることができる。また、本発明には、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドを癌の治療用組成物や診断用組成物として使用する方法や、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドを癌の治療用組成物や診断用組成物の製造における使用方法も含まれる。
また、上記本発明のペプチド又は融合ペプチドは、ドラッグデリバリーシステムに用いることもできる。ドラッグデリバリーシステム(DDS)とは、癌細胞や標的組織等を狙い撃ちする薬物や遺伝子送達システムを意味するものであり、その中でも特にターゲティング(標的指向)DDSとは、薬物を「体内の必要な部位に」、「必要な量を」、「必要な時間だけ」送り込むといった概念である。ターゲティングDDSの代表的な運搬体として微粒子性キャリアーであるリポソームが挙げられるが、この粒子に標的指向機能をもたせるために、リポソームの脂質の種類、組成比、粒子径、表面電荷を変化させるなどの受動的ターゲティング法があり、さらに高機能の能動的ターゲティング法として、リポソーム膜面上にリガンドを結合させ、標的組織の細胞膜面上に存在するレセプターに特異的に認識させることによって、積極的にターゲティングを可能にさせる方法が開発されている。本発明のペプチド又は融合ペプチドをリポソーム膜面上に結合させたDDS運搬体は、細胞表面上にEpCAMを発現する癌細胞をターゲットとしたDDSに用いることができる。また、本発明には、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドをドラッグデリバリーシステムの運搬体として使用する方法や、本発明のペプチド又は本発明の融合ペプチドをドラッグデリバリーシステムの運搬体の製造における使用方法も含まれる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[EpCAM結合ペプチドのスクリーニング]
1.EpCAMコートプレートの作製
EpCAM細胞外ドメインとヒトIgG1−Fc領域の融合タンパク質であるEpCAM/Fcキメラタンパク質(以下、EpCAM/Fcと記載することもある)を用いて、EpCAM/Fcコートプレートを作製した。EpCAM/Fcキメラタンパク質(cat# 960-EP、R&D systems社製)は、Phosphate buffered saline (PBS:NaCl 8.0g、KCl 0.2g、NaHPO 1.15g、KHPO 0.2gを超純水1000mLに溶解したもの)を用いて10μg/mLに希釈した。このEpCAM/Fc溶液を、ELISA用96ウェルプレート(IMMURON 4HBX、Thermo Fisher Scientific社製)に100μL/ウェルとなるように加え、4℃で1晩静置し吸着させた。翌日、溶液を取り除き、0.5%のウシ血清アルブミン(BSA、岩井化学薬品社製)を含むTris Buffered Saline(TBS:50mM Tris−HCl、150mM NaCl、pH7.5)を300μL/ウェルとなるよう加え、37℃で1時間静置することにより、ブロッキングを行った。その後、0.1%のPolyoxyethylenesorbitan monolaurate(Tween20、シグマ社製)を含むTBSにより150μL/ウェルで3回洗浄した。また、同様の方法により、BMPRII/Fcキメラタンパク質(cat# 811-BR、R&D systems社製)を用いてBMPRII/Fcコートプレートを作製した。
2.ファージライブラリを用いたスクリーニング
スクリーニングには、Ph.D 12 peptide phage display kit(D−12;New England Biolabs社製)を使用した。このライブラリは、12残基の直線状ランダムペプチドを提示するファージライブラリであり、2.7x10種類の多様性を有する。
まず、ヒトIgG1Fcに結合するファージクローンを取り除く目的で、BMPRII/Fcコートプレートにファージライブラリを結合させた。ファージライブラリを0.1% Tween20を含むTBSで希釈し、1.0x1011plaque formation unit(pfu)/ウェルとなるように、BMPRII/Fcコートプレート加えた後、マイルドミキサー(PA−12、タイテック社製)上で穏やかに攪拌しながら室温で1時間反応させた。
次に、反応後の溶液(上清)を採取し、EpCAM/Fcコートプレートに移し、室温で1時間穏やかに攪拌し、EpCAMにファージクローンを結合させた。その後、EpCAM/Fcコートプレートから溶液を取り除き、0.1% Tween20を含むTBS(150μL/ウェル)で10回洗浄を行った。EpCAM/Fcとファージとの結合を解離させるために、1mg/mL BSAを含む0.2M Glycine−HCl(pH2.2)を100μL/ウェルとなるよう添加し、室温で10分間穏やかに攪拌した。反応後の溶液をエッペンドルフチューブ(1.5mL)に回収し、直ちに1M Tris−HCl(pH9.1)を15μL添加し中和した。中和後の溶液の一部を用いて解離したファージの力価測定を行い、残りを大腸菌に感染させることにより増幅した。力価測定及びファージの増幅は常法(Phage Display-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001)に従い行った。
ファージの増幅の増幅は、次のように行った。対数増殖中のER2738菌[F‘laclq△(lacZ)M15proA+B+zzf::Tn10(TetR)fhuA2supEthi△(lac−proAB)△(hsdMS−mcrB)5(rk−mk−McrBC−)]に、得られたファージ溶出液を感染させ、20mLのLB中で振とう培養を行った。培養は、振とう培養機(BR−40LF、タイテック社製)を用い、37℃で激しく撹拌しながら4時間30分行った。ファージ感染菌を含む培養液を遠心チューブ(50mlクリスタル遠心管、グライナー社製)に移し、ユニバーサル冷却遠心機5922(久保田商事、中容量アングルローター)を用いて、4℃、8900 x gで5分間遠心した。遠心後、ER2738菌を取り除き、上清のファージ液を別のチューブに移した。このファージ液に、4mL(1/5量)の20%Polyethylene glycol 6000(以下PEG6000、Fluka社製)・NaCl(2.5M)溶液を加え、ミキサー(S−100、タイテック社製)により良く撹拌した後に氷上で1時間インキュベートし、ファージを沈殿させた。
インキュベート後のファージ溶液を、ユニバーサル冷却遠心機を用いて、4℃、8900 x gで、15分間遠心することにより上清を取り除き、さらに、8900 x gで、1分間遠心した。上清を完全に取り除いた後、得られたファージ沈殿に1mlのTBSを加え、氷上で冷却し、穏やかに懸濁した。このファージ懸濁液を、1.5mL微量遠心管(トレフ社製)に移し、冷却遠心機(5415R及びアングルローターF-45-24-11、エッペンドルフ社製)を用い13200rpmで5分間遠心し、上清を別のチューブに移し、懸濁されない残渣を取り除いた。ファージ懸濁液に再度、250μLの20%PEG6000・2.5M NaClを加え、ミキサーで良く撹拌した後、氷上で5分間インキュベートしてファージを沈殿させた。次に、冷却遠心機により13200rpmで5分間遠心することによりファージ沈殿を回収した。このようにして得られたファージ沈殿に、200μlの0.02%NaN(和光純薬社製)を含むTBSを加え、完全に懸濁させた。懸濁できない残渣は、冷却遠心機により13200rpmで5分間遠心することにより取り除き、得られた濃縮ファージ液の力価を求めた。
3.バイオパニング
以上のような、EpCAM/Fcに結合するファージの選別実験を複数回繰り返すことにより、結合特異性の高いペプチドを提示しているファージの濃縮を行った。選別作業において、結合・洗浄に用いる緩衝液(TBS)中のTween20の濃度を、2回目の選別作業では0.3%に、3及び4回目では0.5%にした。このように選別条件順次厳しくすることで、より特異性の高いファージを選別した。これらの作業により、EpCAM/Fcに対して結合するファージが濃縮されているかどうかを確認するため、EpCAM/Fcコートプレートに添加したファージの力価と、最終的に溶出したファージの力価との比を求め選別回数ごとにプロットした。その結果、図1に示すように、3回の選別作業で十分特異性の高いファージが得られていることが確認できた。
4.ファージクローンの配列決定
3回目の選別作業で得られた溶出ファージのクローンの配列を常法(Phage Display A Laboratory Manual,ColdSpring Harbor Laboratory Press, 2001)に従い決定した。塩基配列の決定は、提示ペプチド領域から96塩基下流に位置する塩基配列の相補鎖に相当するプライマー(−96gIII シーケンシングプライマー:配列番号1)を用いたダイデオキシターミネイト法により行った(CEQ DTCS Quick start kit、ベックマン社製)。反応産物の泳動とデータ解析にはキャピラリーシーケンサー(CEQ2000、ベックマン社製)を用いた。3回目の選別作業で得られた溶出ファージ12クローンについて、DNAの配列を確認したところ5種類のクローン(ファージクローンEp301、Ep305、Ep306、Ep307、Ep308)が確認された。それぞれのファージクローンの塩基配列を配列番号2〜6に、予想される提示ペプチドのアミノ酸配列を配列番号7、14〜17に示す。また、得られた12クローンには、ファージクローンEp301(配列番号2)と同じDNA配列のものが7クローン、ファージクローンEp308(配列番号6)と同じDNA配列のものが2クローン含まれていた。また、Ep301のアミノ酸配列を、EpCAMのアミノ酸配列と比較したところ、図2に示すように、EpCAMの106−119番目のアミノ酸残基と部分的な相同性を有することが明らかとなった。
[EpCAM結合ペプチドの特徴の決定]
1.結合能
実施例1で得られたファージクローンEp301、Ep305、Ep306、Ep307及びEp308をクローン化し、クローン化状態でのEpCAM/Fcに対する結合能力を評価した。実施例1と同様の方法で、96ウェルプレートに0.1μg/mLのEpCAM/Fcキメラタンパク質を、100μL/ウェルで結合させた、結合能検出用EpCAM/Fcコートプレートを新たに作製した。結合能検出に用いたファージの力価は1ウェル当たり1.0x1010pfu、反応及び洗浄には0.5% Tween20を含むTBSを使用した。この実験の結果、ファージクローンEp301および、Ep308が強い結合能を示すことが明らかとなった(図3)。
2.特異性
続いて、ファージクローンEp301及びEp308の結合特異性を確認するため、EpCAM/Fc又はBMPR2/Fcによりコートしたプレートと、タンパク質を吸着させていないブロッキングのみを行ったプレート対する、それぞれのファージの結合を調べた。その結果、図4に示すとおり、ファージクローンEp301はEpCAM/Fcのみに特異的に結合することが判明した。一方、ファージクローンEp308はEpCAM/FcだけでなくBMPR2/Fcにも結合したため、EpCAMに対する結合特異性が低いことが確認された。以上の実験により、ファージクローンEp301の提示するペプチド(配列番号7)がEpCAMに対して特異的に強い結合能を有することが明らかとなった。
3.アラニンスキャン実験
Ep301配列に類似の配列は、他のファージに認められなかったことから、Ep301のEpCAMへの結合能に重要なアミノ酸残基を同定することを目的としてアラニンスキャン実験を行った。すなわち、Ep301のアミノ酸配列(KSLQCINNLCWP:Ep301(WT))を1アミノ酸ごとにアラニンへと置換した12種類のEp301変異体(K1A、S2A、L3A、Q4A、C5A、I6A、N7A、N8A、L9A、C10A、W11A、P12A)を作製し、これらの変異体クローンのEpCAM/Fcへの結合量を検討した。
12種類の点変異体は、配列番号18〜29に示す合成DNAを用いてKunkel法(Molecular Cloning Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press)により作製した。点変異導入の確認は、実施例1と同様の方法でファージDNAの塩基配列を決定することにより行った。また、これらの12種類の点変異体のEpCAM/Fcへの結合能の測定は、実施例2に示す方法と同様に、結合能検出用EpCAM/Fcコートプレートを用いて行った。
各点変異体のEpCAM/Fcに対する結合実験の結果を図5に示す。K1A、S2A、N7A、P12Aの4種の変異体では、天然型のEp301(WT)と比較して結合能の低下は認められなかったが、それ以外の8種の変異体では結合能が顕著に低下した。これらの結果は、Ep301のEpCAMへの結合に、3、4、5、6、8、9、10、11番目のアミノ酸が関与している可能性を示唆している。また、前述のように、Ep301のアミノ酸配列はEpCAMの配列の106−119番目のアミノ酸残基と部分的な相同性を有しているが(図2)、EpCAMと相同性を示した部分のうち、1番目のアミノ酸残基以外、すなわち4、5、10、11番目のアミノ酸残基がEpCAMへの結合に重要な役割を果たしていることが、この実験で明らかとなった。
[MBP融合Ep301タンパク質の作製]
本実験で取得したペプチド配列の応用を考慮すると、ファージ上に提示された状態の他に、他のタンパク質の末端などにペプチドを融合して用いる用途が想定される。また、ファージに提示した状態で十分な結合能を有しているペプチドを、合成ペプチドや他のタンパク質の末端などに融合した場合に結合能がしばしば大きく低下することが起こりうる。ファージ上に提示している状態では、たとえばgIIIpに提示している場合、ペプチドはファージ粒子当たり約5本提示されており、この多価での提示による、ターゲットへの結合の際におけるエントロピーの寄与、いわゆるAvidity effectが無視できない場合も多く存在する。そこで、今回取得したペプチド提示ファージを元にしてマルトース結合タンパク質(MBP)のN末端側にペプチドを融合したタンパク質を作製し、EpCAMへの結合能を確認した。
1.発現ベクターの作製
MBP融合Ep301(WT)及びMBP融合Ep301(W11A)ペプチドの作製用の発現ベクターは、次のように作製した。まず、Ep301(WT)及びEp301(W11A)ペプチド提示ファージを作製し、それぞれのファージを大腸菌に感染させ増幅させた後、2本鎖ファージゲノムDNA抽出した。このファージゲノムDNAを制限酵素Asp718とEagIで切断し、DNA断片をMBP融合タンパク作製用ベクターであるpMal−pIIIベクタープラスミド(NEB社製)に、常法(例えば、Phage Display A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001に記載の方法)に従って挿入した。次に、これらのプラスミドを、制限酵素NdeIおよびSacIで切断し、MBP融合Ep301をコードするDNA断片を、T7系発現系であるpET−20b(+)ベクター(Merck社)へ挿入した。このプラスミドによりコードされるタンパク質は、g3pシグナル配列-Ep301(WT)又は(W11A)−リンカー配列(GGGS)−MBP−Hisx6タグ配列という形になり、大腸菌において発現を誘導すると、シグナル配列の働きにより細胞質内からペリプラズムへと分泌される。また、その際に、ファージのg3pシグナル配列が切断され、MBPのN末端にEp301(WT)又は(W11A)融合したタンパク質が発現する(配列番号30及び31)。また、この2種類のタンパク質と同時に、以降の実験での比較対象用にpMal−p2xの天然MBP遺伝子に相当部分をpET−20b(+)に組み込んだプラスミドも作製した。
2.形質転換
作製したT7発現プラスミドを用いて、大腸菌BL21(DE3)(Merck社製)を形質転換させた。形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを含むLB寒天培地に塗布し、37℃で一晩培養することによりコロニーを形成させた。このコロニーを50μg/mLアンピシリンを含むオートインダクション培地(1Lあたり、10gのトリプトン(Becton Dickinson社製)、5gの酵母エキス(Becton Dickinson社製)、25mM (NH)SO、50mM KHPO, 50mM NaHPO、5gのグリセロール、0.5gのグルコース、2gのα-ラクトースを含:Studier F. W.ら、Protein Expr. Purif.,2005, 41:207-34.を参考にした)200mLに植菌し、37℃で16時間、振盪培養した。
3.タンパクの精製
培養した形質転換体(菌体)を含む培養液を50mLチューブ2本に移し、4000xgで10分間遠心した。残りの培養液を再度同じ50mLチューブで遠心し、菌体を全て回収した。回収した菌体に20%スクロース(ナカライテスク社製)を含むTris−HCl(30mM、pH8.0)を40mL加え、菌体を再度懸濁させた後、終濃度が1mMになるようにEDTAを加えた。これをマイルドミキサー上において室温で穏やかに10分間攪拌し、4000 x gで10分間遠心した。上清を取り除き、氷冷した5mM MgSOを加えて、再度菌体を懸濁し、氷上で10分間穏やかに攪拌した。その後、8000 x gで10分間遠心し、ペリプラズム画分と残りの菌体を分離した。その後、分画したタンパク質の安定化のため、ペリプラズム画分溶液に終濃度で10mMになるように1MのTris−HCl(pH7.5)を加えた。
TALONレジン(クロンテック社製)を用いて、採取した分画からMBP融合ペプチドを精製した。精製は、TALONレジンのマニュアル記載の方法に従い、非変性条件、イミダゾール添加による溶出で行った。得られた精製タンパク質はCENTRIPREP-10(ミリポア社製)で限外濾過濃縮を行うと同時に、バッファーをTBSに置換した。得られたタンパク質溶液は使用時まで−80℃で保存した。また、タンパク質溶液の280nmの吸光度を測定し、ProtParamプログラム(Gasteiger E. et al. The Proteomics Protocols Handbook, Humana Press (2005).pp. 571-607)を用いて配列から算出した吸光係数を元に、その濃度を決定した。
4.ELISA
以上のようにして得られたEp301−MBPを、ELISAプレートに吸着させ、EpCAM/Fcキメラタンパク質の特異的結合について検討した。
まず、作製した3種類のMBP融合ペプチドを、TBSで10μg/mLになるようにそれぞれ希釈した。これらの溶液を、100μL/ウェルとなるようにELISA用96ウェルプレート(IMMURON 4HBX)に加え、4℃で一晩静置し吸着させた。1種類のMBP融合ペプチドにつき3ウェル分を用意した。
反応後のプレートからMBP溶液を除去し、0.5%BSA及び0.1%Tween20を含むTBSを、300μL/ウェルとなるように加え、37℃で1時間静置することによりブロッキングを行った。その後、ブロッキング溶液を除き、0.1%のTween20を含むTBS(150μL/ウェル)で3回洗浄した。洗浄後、0.1%Tween20を含むTBSで1μg/mLになるように希釈したEpCAM/Fcキメラタンパク質を、100μL/ウェルとなるように加え、マイルドミキサーを用いて室温で穏やかに1時間攪拌した。反応終了後、0.1%のTween20を含むTBS(150μL/ウェル)で3回洗浄し、二次抗体として、0.1%Tween20を含むTBSで1000倍希釈した抗ヒトIgG-Fc Horseradish peroxidase conjugate(シグマ社)を100μL/ウェルとなるように加え、マイルドミキサーを用いて室温で穏やかに1時間攪拌した。
0.1%のTween20を含むTBS(150μL/ウェル)で、再度3回の洗浄を行った後に、発色基質溶液[0.22mg/mL ABTS(2,2'-azino-bis(3-ethylbenzthiazoline-6-sulphonic acid:シグマ社製)含有50mMクエン酸ナトリウム(pH4.0)21mLに、30%過酸化水素水(和光純薬工業社製)を36μL加え混合した溶液]を200uL/ウェルとなるように添加し、室温で穏やかに攪拌しながら発色させた。1時間後にModel680 マイクロプレートリーダー(Bio-Rad社製)を用いて405nmの吸光度を測定した。
測定の結果を図6に示す。Ep301(WT)−MBPは、MBPのみ、又はEp301(W11A)−MBPよりも顕著に高い吸光度を示したことから、Ep301(WT)−MBPは、EpCAM/Fcに特異的に結合することが示された。
D−12ファージライブラリを用いた、EpCAMへのバイオパニングの結果を示す図である。 本発明のEpCAMに結合能を有するペプチドEp301(WT)のアミノ酸配列と、EpCAMの106−119番目のアミノ酸残基とが部分的に相同性を有することを示す図である。 本発明のファージクローンEp301、Ep305、Ep306、Ep307及びEp308の、EpCAMへの結合の強さを比較した結果を示す図である。 本発明のファージクローンEp301及びEp308の結合特異性を、EpCAM又はBMPR2をコートしたプレートを用いて検討した結果を示す図である。 本発明のEp301(WT)と、その点変異体(K1A、S2A、L3A、Q4A、C5A、I6A、N7A、N8A、L9A、C10A、W11A、P12A)のEpCAMへの結合能を比較した結果を示す図である。 本発明のEp301(WT)とマルトース結合タンパク質(MBP)との融合ペプチドであるEp301−MBPが、EpCAMへの結合能を有することを示す図である。

Claims (19)

  1. 配列番号7に示されるアミノ酸配列からなるEpCAMに結合能を有するペプチド。
  2. 配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつEpCAMに結合能を有するペプチド。
  3. 配列番号7に示されるアミノ酸配列において、4、5、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されていることを特徴とする請求項2記載のペプチド。
  4. 配列番号7に示されるアミノ酸配列において、3、4、5、6、8、9、10及び11番目のアミノ酸残基が保存されていることを特徴とする請求項2又は3記載のペプチド。
  5. 配列番号7に示されるアミノ酸配列において、1番目のリジン、2番目のセリン、7番目のアスパラギン及び12番目のプロリンのうち、少なくとも1以上のアミノ酸がアラニンに置換されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記載のペプチド。
  6. 検出可能なマーカーで標識された請求項1〜5のいずれか記載のペプチド。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載のペプチドと、マーカータンパク質及び/又はペプチドタグとを結合させた融合ペプチド。
  8. マルトース結合タンパク質(MBP)融合ペプチドであることを特徴とする請求項7記載の融合ペプチド。
  9. 請求項1〜6のいずれか記載のペプチド、若しくは請求項7又は8記載の融合ペプチドと、EpCAMとが結合したEpCAM−ペプチド複合体。
  10. 請求項1〜5のいずれか記載のペプチドを、その粒子表面上に提示することを特徴とするEpCAMに結合能を有するファージ。
  11. 請求項1〜5のいずれか記載のペプチドを認識する抗体。
  12. 請求項1〜5のいずれか記載のペプチドをコードするDNA。
  13. 請求項12記載のDNAを含み、かつEpCAMに結合能を有するペプチドを発現することができる組換えベクター。
  14. 組換えプラスミドベクターである請求項12記載の組換えベクター。
  15. 請求項13又は14記載の組換えベクターが導入された形質転換体。
  16. 請求項1〜6のいずれか記載のペプチド、若しくは請求項7又は8記載の融合ペプチドを用いることを特徴とする、EpCAMの検出・定量方法。
  17. 請求項1〜6のいずれか記載のペプチド、若しくは請求項7又は8記載の融合ペプチドを用いることを特徴とする、EpCAMを発現する細胞の分離方法。
  18. 請求項1〜6のいずれか記載のペプチド、若しくは請求項7又は8記載の融合ペプチドを含むことを特徴とする、癌の治療又は診断用組成物。
  19. 請求項1〜6のいずれか記載のペプチド、若しくは請求項7又は8記載の融合ペプチドを含むことを特徴とする、ドラッグデリバリーシステムの運搬体。
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