JP2011192816A - 半導体発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高出力動作時でも低電圧で駆動する半導体発光素子を提供する。
【解決手段】基板上に、第1クラッド層112と、活性層113と、第2クラッド層114と、コンタクト層117とが形成された半導体発光素子であって、第2クラッド層114とコンタクト層117との間に、コンタクトバリア層116bとコンタクトウェル層116wとを有する量子井戸へテロバリア層116が形成されている。コンタクトウェル層116wは、コンタクト層側の第1コンタクトウェル層116w1と第2クラッド層側の第2コンタクトウェル層116w3とを含む。第2クラッド層114、コンタクト層117、第1コンタクトウェル層116w1及び第2コンタクトウェル層116w3の禁制帯幅エネルギーをECLD2、ECNT、ECW1及びECW2としたときに、ECLD2>ECNT、かつ、ECW1<ECW2である。
【選択図】図1A

Description

本発明は、半導体発光素子に関し、特に、高温高出力動作に適した低動作電圧を可能にする半導体発光素子に関する。
半導体レーザ又は発光ダイオード等の半導体発光素子は、様々な分野で幅広く使用されている。中でも、AlGaAs系の半導体レーザは、発振波長が780nm帯である赤外レーザ光を出力することができる。また、AlGaInP系の半導体レーザは、発振波長が650nm帯である赤色レーザ光を出力することができる。これらのAlGaAs系及びAlGaInP系の半導体レーザは、CDやDVDに代表される光ディスクシステムの分野において、光源として広く使用されている。
また、近年の光ディスクシステムの大容量化の進展により、CDやDVDよりもさらに大容量の記録を可能にするBD(Blu−ray)の光ディスクシステム市場が立ち上がっている。BDの光ディスクシステムでは、発振波長が405nm帯である青紫レーザ光を出力することができるAlGaInN等の窒化物材料系の半導体レーザが実用化されている。
このような中、光ディスクシステムの光源となる半導体レーザには、記録速度の高倍速化による高出力動作、及び、85℃以上での高温動作が強く要望されている。従って、記録再生可能な光ディスクシステムの光源となる高出力半導体レーザには、上記いずれの波長帯を問わず、高温高出力動作が要望されている。
半導体レーザにおいて、高温高出力動作を阻害する大きな要因の一つとして、動作電圧の増大がある。動作電圧が増大すると、素子の動作電力の増大を招き、ジュール発熱による温度上昇をもたらす。この結果、動作電流が増大し、さらに、動作電圧が大きくなって素子の信頼性が低下する。また、半導体レーザを駆動するための駆動回路は、その駆動電圧に上限値がある。従って、動作電圧の増大を抑制することは、素子の信頼性の観点からも、駆動回路による動作制御の観点からも重要である。
このような半導体レーザにおける動作電圧の増大について、以下、AlGaInP系の赤色レーザを例にとって説明する。
AlGaInP系の半導体レーザにおいては、通常、活性層の一方側に形成されるp型AlGaInPからなるクラッド層上に、当該クラッド層よりも禁制帯幅エネルギー(バンドギャップエネルギー)が小さいp型のGaAsからなるコンタクト層が形成される。そして、当該コンタクト層上に金属電極が形成される。
このように、金属電極をクラッド層上ではなくコンタクト層上に形成するのは、p型のGaAsのコンタクト層のバンドギャップエネルギーが、p型のAlGaInPのクラッド層のバンドギャップエネルギーよりも相対的に小さいからである。従って、p型のGaAsのコンタクト層上に金属電極を形成した方が、金属電極との間における接触抵抗を小さくすることができる。
しかしながら、この場合、p型のAlGaInPのクラッド層とp型のGaAsのコンタクト層との界面には、両層のバンドギャップエネルギーの差によって生じる電位障壁(ヘテロスパイク)が形成される。これは、金属電極からのホール(正孔)がp型クラッド層に注入するときの電気的障壁となる。この電位障壁によって、ホールをp型クラッド層に注入するために必要な印加電圧が増大し、動作電圧が大きくなる。
従って、通常、赤色半導体レーザでは、図13に示すように、p型のAlGaInPのクラッド層とp型のGaAsのコンタクト層との間に、バンドギャップエネルギーが当該クラッド層と当該コンタクト層との間の大きさとなるp型のGaInPからなる中間層を形成する。これにより、電位障壁を2つに分割するとともに、個々の電位障壁の大きさ(ΔEV1及びΔEv2)を小さくすることができ、動作電圧の増大を抑制することができる。
ここで、GaAsに格子整合する材料として、AlGaInP系材料を用いた場合、この材料の原子組成は、(AlxGa1-x0.51In0.49P(0≦X≦1)と表すことができる。このとき、Al組成が0であるGaInPのバンドギャップエネルギーは1.9eVである。また、通常、クラッド層として用いられるAl組成は0.7であり、(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pであり、このAlGaInPのバンドギャップエネルギーは、2.32eVである。また、GaAsのバンドギャップエネルギーは、1.42eVである。
従って、p型のGaAs層とp型の(Al0.7Ga0.30.51In0.49P層とを接合させた場合、価電子帯には0.7eV程度の電位障壁が生じる。一方、GaAs層とGaInP層とを接合させた場合、価電子帯には、図13に示すように、電位障壁(ΔEv1)の大きさは0.5eV程度となる。このように、p型のGaInPからなる中間層を用いることにより、価電子帯に生じる個々の電位障壁の大きさをある程度低減することができる。
しかしながら、電位障壁をある程度低減できたとしても、依然として、p型のGaInPの中間層とp型のGaAs層のコンタクト層との間には、上述のとおり、0.5eV程度の大きさの電位障壁(ΔEv1)が残っている。
従って、図14に示すように、この電位障壁(ΔEv1)によって、GaAs層に供給されたホールはGaInP層に効率よく伝導することができず、動作電圧の増大を十分に抑制することができない。
そこで、特許文献1に開示される半導体レーザ装置が提案されている。以下、特許文献1に開示される従来の半導体レーザ装置について、図15を用いて説明する。図15は、従来の半導体レーザ装置の断面図である。
図15に示すように、従来の半導体レーザ装置500は、n型のGaAs基板501(15°off)上に、n型のGaInPからなる中間層502、n型のAlGaInPからなる第1Nクラッド層503、及び、n型のAlGaInPからなる第2Nクラッド層504が順次形成されている。第2Nクラッド層504上には、多重量子井戸層505(Multiple Quantum Well:MQW)、p型のAlGaInPからなる第1Pクラッド層506、及び、p型のGaInPからなるエッチングストップ層507が形成されている。なお、多重量子井戸層505は、AlGaInPからなるガイド層505g、GaInPからなる井戸層505w、及び、AlGaInPからなるバリア層505bとからなる。
エッチングストップ層507上には、p型の(Al0.7Ga0.30.511In0.489Pからなる第2Pクラッド層508、p型のGa0.508In0.492Pからなる中間層509、及び、p型のGaAsからなるキャップ層511(コンタクト層)が形成されている。
従来の半導体レーザ装置500では、さらに、p型のGaInPからなる中間層509とGaAsからなるキャップ層511との間に、3層のGaAs層513a〜513cと3層のGaInP層514とで構成される量子井戸へテロバリア層510が形成されている。
量子井戸へテロバリア層510におけるGaAs層513a〜513cの3層は、それぞれGaInP層514で挟まれた構成となっており、また、それぞれ膜厚が異なる。上層から順に、第1のGaAs層513aの膜厚は6nmであり、第2のGaAs層513bの膜厚は4nmであり、第3のGaAs層513cの膜厚は2.5nmである。このように、GaAs層513a〜513cにおける各層の膜厚は、キャップ層511から中間層509に向かうに従って膜厚が小さくなるように構成されている。
次に、このように構成された従来の半導体レーザ装置500の動作について、図16A、図16B及び図17を参照して説明する。
図16Aは、従来の半導体レーザ装置500において、量子井戸へテロバリア層510のGaAs層513a〜513cの膜厚に対するエネルギー準位とエネルギーの大きさの関係を示す図である。図16Bは、図16Aにおいて、GaAsの膜厚が20Å以下のときにおけるGaInPとGaAsのエネルギーバンドを示す図である。なお、図16Aにおいて、エネルギーは、GaInP価電子帯端エネルギーからの大きさを表している。
図16Aに示すように、量子井戸へテロバリア層510のGaAs層513a〜513cの膜厚が薄くなればなるほど、量子井戸層である各GaAs層に形成される量子化されたエネルギー準位の大きさは、ホールに対して高エネルギー側にシフトする。また、GaAs層513a〜513cの膜厚が薄くなればなるほど、量子井戸へテロバリア層510内に形成されるエネルギー準位の数も少なくなる。なお、図16A中、HHで示される曲線は、ヘビーホールにおけるエネルギー準位のエネルギーを表し、LHで示される曲線は、ライトホールにおけるエネルギー準位のエネルギーを表している。また、HH1及びLH1で示される曲線は、それぞれヘビーホール及びライトホールに対する基底状態のエネルギーを表し、HH2、HH3等、数字が大きくなるにつれて高次のエネルギー状態のエネルギーを表している。
具体的には、図16Aに示すように、GaAs層の膜厚が25Å(2.5nm)の場合は、2つのヘビーホールのエネルギー準位と1つのライトホールのエネルギー準位が形成され、膜厚が40Å(4nm)の場合は、3つのヘビーホールのエネルギー準位と2つのライトホールのエネルギー準位が形成され、膜厚が60Å(6nm)の場合は、5つのヘビーホールのエネルギー準位と2つのライトホールのエネルギー準位が形成される。従って、GaAs/GaInPからなる量子井戸ヘテロバリア層510内には、合計15個のエネルギー準位が形成される。
なお、図16Bに示すように、コンタクトウェル層の厚さを20Å以下に薄膜化したとしても、GaInPからなる中間層の価電子帯端よりも0.3eV程度のエネルギー障壁(ΔEvq)が存在する。
次に、従来の半導体レーザ装置500において、p型のAlGaInPからなる第2Pクラッド層508、p型のGaInPからなる中間層509、GaAs/GaInPからなる量子井戸へテロバリア層510、及び、p型のGaAsからなるキャップ層511の価電子帯バンドについて、図17を用いて説明する。図17は、上記各層を接合したときのバイアス電圧を加えない熱平衡状態(ゼロバイアス時)における価電子帯バンドを示す図である。
図17に示すように、p型のGaAsからなるキャップ層511側に正のバイアス電圧を印加していくと、当該キャップ層511から供給されたホールは、GaAs/GaInPからなる量子井戸ヘテロバリア層510に形成されたエネルギー準位を経て、GaInPからなる中間層509に伝わる。
このとき、量子井戸ヘテロバリア層510には、上述の図16Aに示したように、複数のエネルギー準位が形成されており、キャップ層511におけるホールのエネルギーが継承され、比較的高次のエネルギー準位にもホールが入りやすくなる。このとき、高次のエネルギー準位とGaInPからなる中間層509のエネルギーレベルとの間のエネルギー差が小さいことから、中間層509に対して容易にホールが注入される。
すなわち、キャップ層511から注入されたホールは、トンネル効果で第1のGaInP層514を通過して第1のGaAs層513aに到達し、さらに、第2のGaInP層514、第2のGaAs層513b、第3のGaInP層514を通過して、第3のGaAs層513cに到達する。このとき、第3のGaAs層513cに分布するホールのうち、高いエネルギー準位に存在するホールに対しては、中間層509との電位障壁が小さくなる。
しかも、第1のGaAs層513aから第3のGaAs層513cの膜厚を徐々に薄くすることにより、第3のGaAs層513cに存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、同一エネルギー準位におけるエネルギーの大きさを徐々に大きくすることができる。これにより、第3のGaAs層513cにおいて、高いエネルギーを有するホールの存在確率を高めることができる。
このように、従来の半導体レーザ装置500によれば、p型のGaInPからなる中間層509とGaAsからなるキャップ層511との間に、GaAs/GaInPからなる量子井戸ヘテロバリア層510を挿入することにより、中間層509とキャップ層511との界面におけるホールに対する電位障壁の影響を緩和することができる。従って、低電圧でホールを注入することが可能となり、半導体レーザ装置の動作電圧を低下させることができる。
特開2008−78255号公報
しかしながら、図17に示すように、従来の半導体レーザ装置500においては、第3のGaAs層513cには、依然として低いエネルギー準位が存在し、このエネルギー準位にもホールが存在する。
従って、電位障壁による動作電圧の増大を効率よく抑制することができず、動作電圧を十分に低減することができないという問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、低動作電圧で、高出力動作が可能な半導体発光素子を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様は、第1導電型の半導体基板上に、第1導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、第2導電型の半導体層からなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、前記第2クラッド層と前記コンタクト層との間に、第2導電型のコンタクトバリア層と第2導電型のコンタクトウェル層とを有する量子井戸へテロバリア層が形成され、前記コンタクトウェル層は、少なくとも、前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、前記第2クラッド層、前記コンタクト層、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の禁制帯幅エネルギーをそれぞれECLD2、ECNT、ECW1及びECW2としたときに、ECLD2>ECNT、かつ、ECW1<ECW2である。
この構成により、第2クラッド層側の第1コンタクトウェル層に形成される最大エネルギー準位の大きさを、コンタクト層側の第2コンタクトウェル層に形成される最大エネルギー準位のエネルギーの大きさよりも大きくすることができる。この結果、第2コンタクトウェル層に注入されたキャリアが第2クラッド層に向かって伝導して第1コンタクトウェル層に到達した時において、キャリアの有するポテンシャルエネルギーが増大する。これにより、低いバイアス電圧の印加時においても電流を流すことが可能となり、動作電圧を低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各禁制帯幅エネルギーは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大することが好ましい。
この構成により、量子井戸へテロバリア層を構成する複数層のバンドギャップエネルギーは、第2クラッド層に近づくにつれて徐々に大きくなる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて、各コンタクトウェル層に存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを徐々に大きくすることができる。
このため、第2クラッド層に近いコンタクトウェル層の最大エネルギー準位に存在するホールの存在確率を高めることができ、かつ、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の最低エネルギーの大きさも増大させることが可能となる。また、第2クラッド層に向かって流れるキャリアは、各コンタクトバリア層をトンネル効果で通過し、第2クラッド層に近づくに従って、コンタクトウェル層に存在するキャリアは、よりエネルギーの高い準位に存在することができる。
従って、第2クラッド層に近づくに従って、注入されたキャリアを、効率よく、かつ選択的に、高いエネルギー準位に存在させることができる。このため、低いバイアス電圧においてもキャリアがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大し、半導体発光素子の動作電圧を効率よく低減することができる。
さらに、本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトバリア層の禁制帯幅エネルギーをECBとすると、ECLD2≧ECB>ECW2>ECW1≧ECNTであることが好ましい。
この構成により、量子井戸ヘテロバリア層におけるコンタクトバリア層と、第2クラッド層及びコンタクト層とのヘテロスパイクによる動作電圧の増大を防止することができる。
さらに、本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各膜厚は、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に減少することが好ましい。
この構成により、コンタクトウェル層内に形成されるエネルギー準位を第2クラッド層に近いコンタクトウェル層に対して徐々に大きくし、かつ、エネルギー準位の数を減らすことが可能となる。
これにより、第2クラッド層に近いコンタクトウェル層において最もエネルギー準位の大きさ準位に存在するキャリアの数をより多くすることが可能となる。従って、注入されたキャリアは、コンタクトバリア層と当該コンタクトバリア層に接する層との界面におけるヘテロスパイクに対して、より低いバイアス電圧においても通過することが可能となり、半導体発光素子の動作電圧をさらに低減することができる。
さらに、本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記半導体基板の格子定数よりも小さいことが好ましい。
この構成により、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができ、コンタクトバリア層のバンドギャップエネルギーを増大させることができる。これにより、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位のエネルギーの大きさを大きくすることが可能となる。従って、注入されたキャリアは、コンタクトバリア層と当該コンタクトバリア層に接する層との界面におけるヘテロスパイクに対して、より低いバイアス電圧においても通過することが可能となり、半導体発光素子の動作電圧をさらに低減することができる。
さらに、本発明に係る第1の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記第2クラッド層の格子定数よりも小さいことが好ましい。
この構成により、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができ、コンタクトバリア層のバンドギャップエネルギーを増大させることができる。これにより、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位のエネルギーの大きさを大きくすることが可能となる。従って、注入されたキャリアは、コンタクトバリア層と当該コンタクトバリア層に接する層との界面におけるヘテロスパイクに対して、より低いバイアス電圧においても通過することが可能となり、半導体発光素子の動作電圧をさらに低減することができる。
また、本発明に係る第2の半導体発光素子の一態様は、第1導電型のGaAs基板上に、第1導電型のAlGaInPからなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型のAlGaInPからなる第2クラッド層と、第2導電型のGaAsからなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、前記第2クラッド層と前記コンタクト層の間に、(AlXbpGa1-XbpYbpIn1-YbpPからなるコンタクトバリア層(0≦Xbp≦1、0<Ybp<1)とAlXwpGa1-XwpAsからなるコンタクトウェル層(0≦Xwp<1)とを有する量子井戸ヘテロバリア層が形成され、前記コンタクトウェル層は、少なくとも前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層のAl組成を、それぞれXwp1、Xwp2としたときに、Xwp1<Xwp2である。
この構成により、量子井戸へテロバリア層の複数のAlGaAsコンタクトウェル層において、バンドギャップエネルギーを第2クラッド層に近づく層につれて大きくすることができる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて各量子井戸へテロバリアウェル層に存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを大きくすることができる。
このため、第2クラッド層に最も近いAlGaAsコンタクトウェル層の最大エネルギー準位に存在するホールの存在確率を高め、かつ、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の最低エネルギーの大きさも増大させることが可能となる。また、第2クラッド層に向かって流れるキャリアは、各AlGInPコンタクトバリア層をトンネル効果で通過し、第2クラッド層に近づくに従って、コンタクトウェル層に存在するキャリアは、よりエネルギーの高い準位に存在することができる。
従って、第2クラッド層に近づくに従って、注入されたキャリアを、効率よく、かつ選択的に高いエネルギー準位に存在させることができる。このため、低いバイアス電圧においてもキャリアがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大し、半導体発光素子の動作電圧を効率よく低減することができる。
さらに、本発明に係る第2の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各Al組成Xwpは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大することが好ましい。
この構成により、量子井戸へテロバリア層を構成する複数層の各バンドギャップエネルギーは、第2クラッド層に近づくにつれて徐々に大きくなる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて、各コンタクトウェル層に存在するエネルギー準位の数を最も少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを徐々に大きくすることができる。
従って、第2クラッド層に近づくに従って、注入されたキャリアを、効率よく、かつ選択的に、高いエネルギー準位に存在させることができ、低いバイアス電圧においてもキャリアがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大し、半導体発光素子の動作電圧を効率よく低減することができる。
さらに、本発明に係る第2の半導体発光素子の一態様において、前記第1コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記コンタクト層に最も近い層であって、そのAl組成Xwp1が0以上、0.1以下であり、前記第2コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記第2クラッド層に最も近い層であって、そのAl組成Xwp2が0.2以上、0.3以下であることが好ましい。
GaASコンタクト層に最も近いコンタクトウェル層のAl組成を0以上0.1以下とすることにより、GaAsコンタクト層に最も近いAlGaAsコンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の数を大きくすることができ、GaAsコンタクト層からGaAsコンタクト層に最も近いAlGaAsコンタクトウェル層へとキャリアが通過するトンネル確率を増大させることができる。
また、第2クラッド層に最も近いコンタクトウェル層のAl組成を0.2以上0.3以下とすることにより、コンタクトバリア層と第2クラッド層間にGaInP中間層を形成した場合に、コンタクトウェル層のエネルギー準位の大きさをコンタクトウェル層がGaInP中間層に近づくにつれて、GaInP中間層の価電子帯エネルギーの大きさに徐々に近づけることが可能となり、キャリアのポテンシャルエネルギーを効率よく高めることが可能となる。この結果、低いバイアス電圧においてもキャリアは第2クラッド層に流れることが可能となり、半導体発光素子の動作電圧を低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る第2の半導体発光素子の一態様において、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の膜厚は、20Å以上、60Å以下であり、前記コンタクトバリア層の膜厚は、20Å以上、80Å以下であることが好ましい。
この構成により、コンタクトウェル層においてエネルギー準位を制御性良く形成することが可能となり、また、キャリアがコンタクトバリア層をトンネル効果により通過する確率を高めることが可能となる。
さらに、本発明に係る第2の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記GaAs基板の格子定数よりも小さいことが好ましい。
この構成により、AlGaInPコンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができ、量子井戸ヘテロバリア層のバンドギャップエネルギーを大きくし、各コンタクトウェル層に形成される最低エネルギー準位のエネルギー大きさを大きくすることが可能となる。これにより、コンタクトウェル層の最も低いエネルギー準位に存在するキャリアのポテンシャルエネルギーを増大させることが可能となる。この結果、低いバイアス電圧においてもホールがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率をより増大させることができ、半導体発光素子の動作電圧をさらに効率よく低減することができる。
また、本発明に係る第3の半導体発光素子の一態様は、第1導電型のGaN基板上に、第1導電型のAlGaInN系材料からなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型のAlGaInN系材料からなる第2クラッド層と、第2導電型のGaNからなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、前記第2クラッド層と前記コンタクト層との間に、AlXbnGaYbnIn1-Xbn-YbnNからなるコンタクトバリア層(0≦Xbn<1、0<Ybn≦1、0≦1−Xbn−Ybn<1)とAlXwnGaYwnIn1-Xwn-YwnNからなるコンタクトウェル層(0≦Xwn<1、0<Ywn≦1、0≦1−Xwn−Ywn<1)とを有する量子井戸ヘテロバリア層が形成されており、前記コンタクトウェル層は、少なくとも前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層のAl組成を、それぞれXwn1、Xwn2としたときに、Xwn1<Xwn2である。
この構成により、量子井戸へテロバリア層の複数のAlGaAsコンタクトウェル層において、バンドギャップエネルギーを第2クラッド層に近づくにつれて徐々に大きくすることができる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて各量子井戸へテロバリアウェル層に存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを徐々に大きくすることができる。
このため、第2クラッド層に最も近いAlGaInNコンタクトウェル層の最大エネルギー準位に存在するホールの存在確率を高めることができ、かつ、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の最低エネルギーの大きさも増大させることが可能となる。また、第2クラッド層に向かって流れるキャリアは、各AlGaInNコンタクトバリア層をトンネル効果で通過し、第2クラッド層に近づくに従って、コンタクトウェル層に存在するキャリアは、よりエネルギーの高い準位に存在することができる。
従って、第2クラッド層に近づくに従って、注入されたキャリアを、効率よく、かつ選択的に高いエネルギー準位に存在させることができる。このため、低いバイアス電圧においてもキャリアがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大し、半導体発光素子の動作電圧を効率よく低減することができる。
さらに、本発明に係る第3の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各禁制帯幅エネルギーは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大することが好ましい。
この構成により、量子井戸へテロバリア層を構成する複数層のバンドギャップエネルギーは、第2クラッド層に近づくにつれて徐々に大きくなる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて、各コンタクトウェル層に存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを徐々に大きくすることができる。
従って、第2クラッド層に近づくに連れて、注入されたキャリアを、効率よく、かつ選択的に、高いエネルギー準位に存在させることができる。このため、低いバイアス電圧においてもキャリアがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大し、動作電圧を効率よく低減することができる。
さらに、本発明に係る第3の半導体発光素子の一態様において、前記第1コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する層のうち前記コンタクト層に最も近い層であって、そのAl組成Xwn1が0以上、0.05以下であり、前記第2コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記第2クラッド層に最も近い層であって、そのAl組成Xwn2が前記第2クラッド層のAl組成の大きさ以下であることが好ましい。
この構成により、GaNコンタクト層に最も近いAlGaInPコンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の数を大きくすることができ、GaNコンタクト層からGaNコンタクト層に最も近いAlGaInPコンタクトウェル層へとキャリアが通過するトンネル確率を増大させることができる。
また、第2クラッド層に最も近いコンタクトウェル層のAl組成を第2クラッド層のAl組成の大きさ以下とすることにより、コンタクトウェル層のエネルギー準位の大きさを、コンタクトウェル層がAlGaNクラッド層に近づくにつれて、AlGaNクラッド層の価電子帯エネルギーの大きに徐々に近づけることが可能となる。これにより、キャリアのポテンシャルエネルギーを効率よく高めることが可能となる。この結果、低いバイアス電圧においてもキャリアはクラッド層に流れることが可能となり、半導体発光素子の動作電圧を低減することが可能となる。
さらに、本発明に係る第3の半導体発光素子の一態様において、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の膜厚は、20Å以上、60Å以下であり、前記コンタクトバリア層の膜厚は、20Å以上、80Å以下であることが好ましい。
この構成により、コンタクトウェル層においてエネルギー準位を制御性良く形成することが可能となり、また、キャリアがコンタクトバリア層をトンネル効果により通過する確率を高めることが可能となる。
さらに、本発明に係る第3の半導体発光素子の一態様において、前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記GaN基板の格子定数よりも小さいことが好ましい。
この構成により、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができ、コンタクトバリア層のバンドギャップエネルギーを増大させることができる。これにより、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位のエネルギーの大きさを大きくすることが可能となる。従って、注入されたキャリアは、コンタクトバリア層と当該コンタクトバリア層に接する層との界面におけるヘテロスパイクに対して、より低いバイアス電圧においても通過することが可能となり、半導体発光素子の動作電圧をさらに低減することができる。
本発明に係る半導体発光素子によれば、量子井戸へテロバリア層の複数のコンタクトウェル層の各バンドギャップエネルギーを、第2クラッド層に近づく層につれて徐々に大きくすることができる。これにより、第2クラッド層に近づくにつれて各コンタクトウェル層に存在するエネルギー準位の数を少なくし、かつ、最大のエネルギー準位の大きさを大きくすることができる。
このため、第2クラッド層に近いコンタクトウェル層の最大エネルギー準位に存在するキャリアの存在確率を高め、かつ、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位の最低エネルギーの大きさも増大させることが可能となる。
従って、注入されたキャリアを、効率よく、選択的に高いエネルギー準位に存在させることができる。この結果、低いバイアス電圧においてもホールがヘテロスパイクのエネルギー障壁を越える確率が増大させることができるので、動作電圧を効率よく低減することができる。
これにより、低動作電圧の半導体発光素子を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 図1Aに示す領域Aの拡大図であって、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。 図1Aに示す領域Bの拡大図であって、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。 AlGaAsコンタクトウェル層(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 AlGaAsコンタクトウェル層(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置において、中間層、量子井戸へテロバリア層及びコンタクト層を接合したときのゼロバイアス時における価電子帯バンドを示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置における電流−電圧特性を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置における電流−光出力特性を示す図である。 第1の実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置において、中間層、量子井戸へテロバリア層及びコンタクト層を接合したときのゼロバイアス時における価電子帯バンドを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 図7Aに示す領域Cの拡大図であって、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。 図7Aに示す領域Dの拡大図であって、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。 図8Aに示す領域Eの拡大図であって、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。 AlGaNコンタクトウェル層(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 AlGaNコンタクトウェル層(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 AlGaNコンタクトウェル層(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 AlGaNコンタクトウェル層(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。 p型AlGaInP/p型GaInP/p型GaAs接合時のバンドを示す図である。 p型GaInP/p型GaAs接合時の価電子帯バンドを示す図である。 従来の半導体レーザ装置の断面図である。 従来の半導体レーザ装置において、量子井戸へテロバリア層のGaAs層の膜厚に対するエネルギー準位とエネルギーの大きさの関係を示す図である。 GaInPとGaAsのエネルギーバンドを示す図である。 従来の半導体レーザ装置において、第2クラッド層、中間層、量子井戸へテロバリア層及びキャップ層を接合したときのゼロバイアス時における価電子帯バンドを示す図である。
以下、本発明の実施形態に係る半導体発光素子について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態においては、半導体発光素子の一態様として、半導体レーザ装置の場合について説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置について、図1A〜図1Cを用いて説明する。図1Aは、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。また、図1Bは、図1Aに示す領域Aの拡大図であって、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。図1Cは、図1Aに示す領域Bの拡大図であって、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図である。
図1Aに示すように、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100は、AlGaInP系の赤色レーザ光を出力する半導体レーザ装置であって、(100)面から[011]方向に10°傾けた面を主面とするn型のGaAs基板110上に、n型のGaAsからなるバッファ層111(0.2μm)、n型の(AlX2Ga1-X20.51In0.49Pからなる第1クラッド層112(2.0μm)、歪量子井戸構造の活性層113、p型の(AlX1Ga1-X10.51In0.49Pからなる第2クラッド層114、p型のGa0.51In0.49Pからなる中間層115(500Å)、p型の量子井戸へテロバリア層116、及び、p型のGaAsからなるコンタクト層117(0.4μm)が形成されている。
また、活性層113は、図1Bに示すように、2つの光ガイド層と、3つのウェル層と、2つのバリア層とからなり、第1クラッド層112上に、第2光ガイド層113g2、第3ウェル層113w3、第2バリア層113b2、第2ウェル層113w2、第1バリア層113b1、第1ウェル層113w1及び第1光ガイド層113g1の順で形成されている。
なお、第1光ガイド層113g1及び第2光ガイド層113g2は、いずれも(Al0.5Ga0.50.51In0.49Pからなり、膜厚は200Åである。また、第1ウェル層113w1、第2ウェル層113w2及び第3ウェル層113w3は、いずれもGaInPからなる。また、第1バリア層113b1及び第2バリア層113b2は、いずれも(Al0.5Ga0.50.51In0.49Pからなる。
また、図1Aに示すように、本実施形態に係る半導体レーザ装置100においては、リッジ部が形成されており、リッジ部の側面を覆うようにして、SiNからなる誘電体の電流ブロック層118(0.7μm)が形成されている。さらに、コンタクト層117の開口部に接し、電流ブロック層118を被覆するようにして、Ti/Pt/Auの積層構造からなるp型のオーミック電極119が形成されている。また、GaAs基板110に接するようにして、AuGe/Ni/Auの積層構造からなるn型のオーミック電極120が形成されている。
本実施形態において、第2クラッド層114は、当該第2クラッド層114のリッジ上部と活性層113との距離が1.4μmとなるように、また、当該第2クラッド層114のリッジ下端部と活性層113との距離dpが0.2μmとなるように構成されている。また、活性層113に注入されたキャリアが熱によってオーバーフローすることを抑制するために、第1クラッド層112のAl組成X1及び第2クラッド層114のAl組成X2は、最もバンドギャップエネルギーが大きい0.7としている。
本実施形態に係る半導体レーザ装置100において、オーミック電極119を介してコンタクト層117に電流が注入されると、コンタクト層117から注入された電流は、電流ブロック層118よってリッジ部のみに狭窄され、リッジ底部の下方に位置する活性層113に集中して電流が注入される。
これにより、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が、数十mA程度の少ない注入電流によって実現することができる。この時、活性層113に注入されたキャリアの再結合によって発光した光は、光閉じ込め効果によって高出力レーザ発振となる。具体的には、活性層113に対して垂直な方向においては、第1クラッド層112及び第2クラッド層114によって垂直方向の光閉じ込めが行われ、活性層113と平行な方向においては、電流ブロック層118が第2クラッド層114よりも屈折率が低いために水平方向の光閉じ込めが行われる。しかも、電流ブロック層118は、レーザ発振光に対して透明であるため光吸収がないので、電流ブロック層118を形成することによって、低損失の光導波路を実現することができる。さらに、光導波路内を伝播するレーザ光の光分布は、電流ブロック層118に大きくしみ出すことができるため、高出力動作に適した10-3のオーダの屈折率差(Δn)を容易に得ることができる。しかも、その大きさを、第2クラッド層114のリッジ下端部と活性層113との距離dpの大きさによって、同じく10-3のオーダで精密に制御することができる。このため、光分布を精密に制御しつつ、低動作電圧の高出力半導体レーザを得ることができる。
ところで、半導体レーザ素子を光ディスクシステムの記録再生の光源として用いる場合、レーザ出射光を光ディスク上に集光するために、半導体レーザにおける光分布は単峰性の基本横モード発振動作を生じさせる必要がある。
高温高出力状態においても安定した基本横モード発振を生じさせるためには、高次横モード発振をカットオフするように導波路の構造を決めなければならない。このためには、上述のΔnを10-3のオーダで精密に制御するのみならず、リッジ部の底部の幅を狭くし、高次横モード発振をカットオフ状態にする必要がある。高次横モード発振を抑制するためには、リッジ部底部の幅を3μm以下に狭くする必要がある。
しかしながら、リッジ部底部の幅を狭くすると、リッジ部のメサ形状に応じてリッジ部上部の幅も狭くなる。リッジ部上部の幅が狭くなりすぎると、リッジ部上部から素子に向かって注入される電流経路の幅が狭くなり、素子の直列抵抗(Rs)の増大を招き、動作電圧を増大させてしまうことになる。
従って、安定な基本横モード発振を生じさせるために、リッジ部底部の幅を単純に狭くしてしまうと、動作電圧を増大させてしまい、これが発熱の原因となって高温高出力動作を困難にしてしまう。
そこで、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100では、低動作電圧を実現するために、中間層115とコンタクト層117との間に、量子井戸へテロバリア層116を設けている。
図1Cに示すように、本実施形態に係る量子井戸へテロバリア層116は、p型の(AlXbpGa1-XbpYbpIn1-YbpPからなるコンタクトバリア層116b(0≦Xbp≦1、0<Ybp<1)と、p型のAlXwpGa1-XwpAsからなるコンタクトウェル層116w(0≦Xwp<1)とを有する。
コンタクトバリア層116bは、第1コンタクトバリア層116b1、第2コンタクトバリア層116b2及び第3コンタクトバリア層116b3とからなる複数層で構成されている。また、コンタクトウェル層116wは、第1コンタクトウェル層116w1、第2コンタクトウェル層116w2及び第3コンタクトウェル層116w3とからなる複数層で構成されている。
量子井戸へテロバリア層116の上記各層は、中間層115上に、第3コンタクトウェル層116w3、第3コンタクトバリア層116b3、第2コンタクトウェル層116w2、第2コンタクトバリア層116b2、第1コンタクトウェル層116w1及び第1コンタクトバリア層116b1が順に形成されている。
本実施形態において、第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3のAl組成Xwp1〜Xwp3は、Xwp1<Xwp2<Xwp3となるように構成されている。さらに、コンタクトウェル層116wを構成する各層の各Al組成Xwpは、コンタクト層117側の層から中間層115側(第2クラッド層114側)の層に向かって単調に増大するように構成されている。なお、第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3の膜厚については、いずれも40Åとした。
また、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3については、中間層115と同じ組成比となるように、Xbp=0、Ybp=0.51とし、いずれもGa0.51In0.49Pとした。なお、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3の膜厚については、いずれも60Åとした。
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100における量子井戸ヘテロバリア層116の作用について説明する。まず、コンタクトウェル層116wのAl組成について説明する。
ここで、例えば、量子井戸へテロバリア層116を構成する各コンタクトウェル層116wの材料を、従来の半導体レーザ装置のように全てGaAsにしたとする。この場合、図16Aに示すように、コンタクトウェル層の厚さを20Å以下に薄膜化したとしても、価電子帯に形成されるホールに対するエネルギー準位は、コンタクトウェル層の価電子帯端エネルギーより0.1eV程度高エネルギー化されているに過ぎず、図16Bに示すように、GaInPからなる中間層の価電子帯端よりも0.3eV程度のエネルギー障壁(ΔEvq)が存在する。
従って、この場合、仮に、従来の半導体レーザ装置500と同様に、中間層115に近づくに従って3層のGaAsからなるコンタクトウェル層の膜厚を60Åから20Åへと段階的に薄膜化したとしても、ホールに対するエネルギー準位の最低エネルギーの大きさは高々0.1eV程度しか増大しない。このため、中間層115に接するコンタクトウェル層116wにおいて、最大エネルギーとなるホールのエネルギー準位と、GaInPからなる中間層115の価電子帯端よりのエネルギーの大きさが0.15eVとなるようにヘテロ障壁の大きさが低減されたホールのエネルギー準位とを形成することができたとしても、基底状態のエネルギー準位には依然としてホールが存在する。この結果、コンタクト層117と中間層115との間における全てのホールに対するヘテロ障壁の大きさを効率よく低減することができない。
そこで、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100では、量子井戸ヘテロバリア層116を構成する第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3をAlGaAsで構成し、上述のとおり、Al組成Xwp1〜Xwp3が、Xwp1<Xwp2<Xwp3とし、各Al組成Xwpがコンタクト層117側の層から中間層115側(第2クラッド層114側)の層に向かって単調に増大するように構成した。また、コンタクトバリア層116bは、GaInPで構成した。これにより、第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3の各バンドギャップエネルギーは、GaInPからなる中間層115に近づくほど大きくなる。
ここで、コンタクトウェル層116wのAl組成に対するコンタクトウェル層116wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係について、図2を用いて説明する。図2は、AlGaAsのコンタクトウェル層116w(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層116wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。なお、図2において、コンタクトウェル層116wの膜厚は量子効果を得ることができる40Åとした。また、コンタクトウェル層116wのAl組成は、0から0.35に変化させている。なお、図中、エネルギーは、GaInP価電子帯端エネルギーからの大きさを表している。また、HH又はLHで示される曲線は、それぞれ、ヘビーホール又はライトホールにおけるエネルギー準位のエネルギーを表している。HH1及びLH1で示される曲線は、それぞれヘビーホール及びライトホールに対する基底状態のエネルギーを表し、HH2、HH3等、数字が大きくなるにつれて高次のエネルギー状態のエネルギーを表している。HH及びLHについては、以降の実施形態においても同様である。
図2に示すように、コンタクトウェル層116wのAl組成を大きくするに従って、コンタクトウェル層116w内に形成されるホールの基底状態のエネルギー準位は、GaInP価電子帯端エネルギーに近づいていくことが分かる。また、図2に示すように、Al組成0.35では、GaInP価電子帯端エネルギーとコンタクトウェル層116w内に形成されるエネルギーの大きさはほぼ等しくなる。
さらに、図2に示すように、コンタクトウェル層116wのAl組成を大きくするに従って、コンタクトウェル層116w内に形成されるエネルギー準位の数も少なくなることが分かる。
従って、コンタクト層117に最も近いコンタクトウェル層のAl組成を低くし、中間層115に近づくにつれてコンタクトウェル層のAl組成を大きくすることにより、コンタクトウェル層116wを伝導するに従って、コンタクトウェル層116wに存在するホールのエネルギーを効率良くGaInP価電子帯端エネルギーに近づけることが可能となる。
特に、本実施形態において、コンタクト層117に最も近いコンタクトウェル層である第1コンタクトウェル層116w1のAl組成を、0以上、0.1以下の範囲に設定することが好ましい。これにより、図2に示すように、第1コンタクトウェル層116w1に形成される基底状態のホールのエネルギー準位を、GaInP価電子帯端に対して、0.1eV程度近づけることができる。この場合、コンタクト層117から注入されたホールは、大きなヘテロ障壁を感受することなくトンネル効果によって第1コンタクトウェル層116w1に注入される。
また、本実施形態において、中間層115に最も近いコンタクトウェル層である第3コンタクトウェル層116w3のAl組成を、0.2以上、0.3以下の範囲に設定することが好ましい。これにより、図2に示すように、第3コンタクトウェル層116w3に存在するホールが中間層115に伝導する場合に感受するヘテロ障壁の大きさを、0.15eV程度以下とすることができる。この場合、第3コンタクトウェル層116w3に存在するホールは、大きなヘテロ障壁を感受することなく中間層115に注入される。
なお、以上、本実施形態において、コンタクトウェル層116wは、第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3の3層で構成し、各層のAl組成Xwp1〜Xwp3を、それぞれXwp1=0.05、Xwp2=0.15、Xwp3=0.25とし、中間層115に近づくにつれて、Al組成を徐々に増加させている。
以上、コンタクトウェル層116wの膜厚が40Åの場合で説明したが、次に、コンタクトウェル層116wの膜厚が20Åの場合について、図3を用いて説明する。図3は、AlGaAsコンタクトウェル層(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層に形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。図3と図2とは、コンタクトウェル層116wの膜厚が異なる。なお、図3においても、エネルギーは、GaInP価電子帯端エネルギーからの大きさを表している。
図2及び図3を比較すると、コンタクトウェル層116wの膜厚を薄くすると、同じAl組成で比べたときに、コンタクトウェル層116wに形成されるホールのエネルギー準位の数が減少することが分かる。例えば、コンタクトウェル層116wのAl組成を0.05とした場合、図3に示すように、膜厚が20Åのときは、ホールのエネルギー準位の数は3準位であり、図2に示す膜厚が40Åの場合よりもエネルギー準位の数が減少する。従って、コンタクトウェル層116wの膜厚を薄くすると、コンタクトバリア層116bをトンネル効果により通過するホールの確率が低下する。逆に、コンタクトウェル層116wの膜厚を厚くすると、コンタクトバリア層116bをトンネル効果により通過するホールの確率は高くなる。
但し、コンタクトウェル層116wの膜厚を厚くしすぎると、コンタクトウェル層116w内に形成されるホールのエネルギー準位の数が多くなりすぎて、高いエネルギー状態にあるホールの確率が低下してしまう。すなわち、GaInP価電子帯端エネルギーに最も近いエネルギー準位に存在するホールの確率が低下してしまうことになる。
なお、コンタクトウェル層116wとコンタクトバリア層116bとの界面においては界面層同士が混晶化する場合があり、この場合はさらにコンタクトウェル層116wの平均Al組成が大きくなり、エネルギー準位の数の減少につながる。
従って、コンタクトウェル層116wの膜厚は、20Å以上、60Å以下とすることが好ましい。なお、本実施形態では、各コンタクトウェル層116wの膜厚は40Åとしている。
次に、コンタクトバリア層116bの電気伝導について、コンタクトバリア層116bの膜厚との関係について説明する。
半導体レーザ装置100にバイアス電圧を印加し、半導体レーザ装置100に電流を供給すると、コンタクト層117から注入されたホールは、まず、コンタクトバリア層116b1を介してコンタクトウェル層116w1を通過する。この時、コンタクトバリア層116b1の膜厚を薄くして、ホールがトンネル効果によりコンタクトバリア層116b1を通過できるようにする必要がある。これにより、ホールは、コンタクトバリア層116b1とコンタクト層117との界面にヘテロ障壁が存在していても、低いバイアス電圧時においてもコンタクトウェル層116w1に到達することができる。
このトンネル効果を生じさせるためには、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3の厚さは、ホールの波動関数の波長程度以下の薄さである必要があり、80Å以下でなければならない。
逆に、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3の厚さを薄くしすぎると、コンタクトウェル層間の量子準位の結合が強くなり、ミニバンドが形成されてしまうことになる。
この場合、各コンタクトウェル層116w1〜116w3で形成されるホールのエネルギー準位が***し、コンタクトウェル層内においてエネルギーの低い状態に存在するホールの確率が増大することになる。このため、第3コンタクトウェル層116w3から中間層115にホールが伝導する場合に、依然として、大きなヘテロ障壁の影響を受けるホールの割合が増し、動作電圧の低減効果が薄れてしまうことになる。
従って、高いトンネル確率を維持し、コンタクトウェル層間のホールの量子準位の結合によるミニバンドの形成を防止するためには、コンタクトバリア層116bの膜厚は、20Å以上、80Å以下とすることが好ましい。なお、本実施形態において、各コンタクトバリア層116bの膜厚は60Åとしている。
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100において、中間層115、量子井戸へテロバリア層116及びコンタクト層117を接合したときの価電子帯バンドについて説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100において、中間層、量子井戸へテロバリア層及びコンタクト層を接合したときのゼロバイアス時における価電子帯バンドを示す図である。
本実施形態において、第2クラッド層114は、(Al0.7Ga0.30.51In0.49Pとし、中間層115は、Ga0.51In0.49Pとし、コンタクト層117はGaAsとした。
また、第1コンタクトウェル層116w1〜第3コンタクトウェル層116w3の各層のAl組成Xwp1〜Xwp3は、上述のとおり、Xwp1=0.05、Xwp2=0.15、Xwp3=0.25とした。すなわち、コンタクト層117側の第1コンタクトウェル層116w1をAl0.05Ga0.95Asとし、中間の第2コンタクトウェル層116w2をAl0.15Ga0.85Asとし、中間層115側の第3コンタクトウェル層116w3をAl0.25Ga0.75Asとした。
以上の本実施形態に係る半導体レーザ装置100における、第2クラッド層114、コンタクト層117、第1コンタクトウェル層116w1、第2コンタクトウェル層116w2及び第3コンタクトウェル層116w3について、各バンドギャップエネルギーをECLD2、ECNT、ECW1、ECW2及びECW3としたときに、ECLD2>ECNT、かつ、ECW1<ECW2<ECW3となっている。
また、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3については、膜厚を60Åとし、Al組成及びGa組成を、Al組成Xbp=0、Ga組成Ybp=0.51として、Ga0.51In0.49Pとしている。
これにより、コンタクト層117に最も近い第1コンタクトバリア層116b1に形成されるホールのエネルギー準位の数は5準位となり、エネルギー準位を多くすることができる。これにより、コンタクト層117からコンタクトバリア層116b1にトンネル効果で通過するホールの割合を大きくすることができる。
このとき、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3のバンドギャップエネルギーをEcbとしたときに、ECLD2≧ECB>ECW3>ECW2>ECW1≧ECNTとなっている。
このように構成された本実施形態に係る半導体レーザ装置100では、図4に示すように、ホールが量子井戸へテロバリア層116をトンネル効果によって伝導するに従って、コンタクトウェル層116w1から116w3へと効率よくホールの高いエネルギー準位を介して伝導することになる。この場合、第3コンタクトウェル層116w3で形成されるホールの最大エネルギー準位に対して、GaInP価電子帯端エネルギーからのエネルギーの大きさが0.05eVまで低減されるので、ホールは低いバイアス電圧印加時においても、コンタクト層117から中間層115へと伝導することができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100における電流−電圧特性及び電流−光出力特性について、図5A及び図5Bを用いて説明する。図5Aは、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の電流−電圧特性を示す図である。図5Bは、本発明の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置の電流−光出力特性を示す図である。なお、図5Bは、85℃、50ns、デューティ50%の状態での高温パルス駆動における電流−光出力特性である。また、図5A及び図5Bにおいて、「本発明」とは、量子井戸へテロバリア層116を用いた本実施形態に係る半導体レーザ装置100における特性曲線を表しており、「比較例」とは、量子井戸へテロバリア層を用いない半導体レーザ装置における特性曲線を表している。
図5Aに示すように、量子井戸へテロバリア層116を用いた本実施形態に係る半導体レーザ装置100は、比較例の量子井戸へテロバリア層を用いない半導体レーザ装置と比べて、動作電圧を0.2V程度安定して低減することが可能となった。
また、図5Bに示すように、量子井戸へテロバリア層116を用いた本実施形態に係る半導体レーザ装置100は、比較例の量子井戸へテロバリア層を用いない半導体レーザ装置と比べて、熱飽和レベルが50mW程度改善していることが確認できた。
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置について説明する。
上記の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100では、コンタクトウェル層116wを構成する層の膜厚は一定としたが、本変形例に係る半導体レーザ装置では、コンタクトウェル層116wを構成する膜厚を変化させている。
すなわち、本変形例に係る半導体レーザ装置では、コンタクトウェル層116wを構成する層のAl組成をコンタクト層117から中間層115に近づくにつれて徐々に大きくするとともに、コンタクトウェル層116wを構成する層の膜厚をコンタクト層117から中間層115に近づくにつれて徐々に薄くなるように変化させている。なお、その他の構成については、上述の第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100と同様である。
具体的には、コンタクト層117に最も近い第1コンタクトウェル層116w1の膜厚を60Åとし、Al組成を0.05とした。また、第2コンタクトウェル層116w2の膜厚を40Åとし、Al組成を0.15とした。また、中間層115に最も近い第3コンタクトウェル層116w31の膜厚を20Åとし、Al組成を0.25とした。
図6は、第1の実施形態の変形例に係る半導体レーザ装置において、中間層、量子井戸へテロバリア層及びコンタクト層を接合したときのゼロバイアス時における価電子帯バンドを示す図である。
図6に示すように、本変形例に係る半導体レーザ装置は、コンタクトウェル層116wに存在するホールのエネルギーを、中間層115に近いコンタクトウェル層ほど、GaInP価電子帯端エネルギーに近づけることができる。さらに、本変形例に係る半導体レーザ装置は、ホールのエネルギー準位の数を減少させることもできる。
この結果、コンタクト層117から注入されたホールを、第3コンタクトウェル層116w3において最もGaInP価電子帯端エネルギーに近いエネルギー準位に効率良く存在させることが可能となり、上記の第1の実施形態の半導体レーザ装置100よりもさらに動作電圧を低減することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置について、図7A〜図7Cを用いて説明する。図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。また、図7Bは、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図であり、図7Aに示す領域Cの拡大図である。図7Cは、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図であり、図7Aに示す領域Dの拡大図である。
図7Aに示すように、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置200は、AlGaAs系の赤外レーザ光を出力する半導体レーザ装置であって、n型のGaAs基板210上に、n型のGaAsからなるバッファ層211(0.5μm)、n型の(AlX4Ga1-X40.51In0.49Pからなる第1クラッド層212(2.0μm)、量子井戸構造の活性層213、p型の(AlX3Ga1-X30.51In0.49Pからなる第2クラッド層214、p型のGa0.51In0.49Pからなる中間層215(500Å)、p型の量子井戸へテロバリア層216、及び、p型のGaAsからなるコンタクト層217(0.4μm)が形成されている。
また、活性層213は、図7Bに示すように、第1光ガイド層213g1、第2光ガイド層213g2、第1ウェル層213w1、第2ウェル層213w2、及び、第1バリア層213b1によって構成されている。これらの層は、第1クラッド層212上に、第2光ガイド層213g2、第2ウェル層213w2、第1バリア層213b1、第1ウェル層213w1及び第1光ガイド層213g1の順で形成されている。
なお、第1光ガイド層213g1及び第2光ガイド層213g2は、いずれも、Al0.5Ga0.5Asからなり、膜厚は200Åである。また、第1ウェル層213w1及び第2ウェル層213w2は、いずれもGaAsからなる。また、第1バリア層213b1は、Al0.5Ga0.5Asからなる。
また、本実施形態に係る半導体レーザ装置200は、第1の実施形態に係る半導体レーザ装置100と同様に、リッジ部が形成されており、リッジ部の側面を覆うようにして、SiNからなる誘電体の電流ブロック層218(0.7μm)が形成されている。さらに、コンタクト層217の開口部に接し、電流ブロック層218を被覆するようにして、Ti/Pt/Auの積層構造からなるp型のオーミック電極219が形成されている。また、GaAs基板110に接するようにして、AuGe/Ni/Auの積層構造からなるn型のオーミック電極220が形成されている。
本実施形態において、第2クラッド層214は、当該第2クラッド層214のリッジ上部と活性層213との距離が1.4μmとなるように、また、当該第2クラッド層214のリッジ下端部と活性層213との距離dpが0.24μmとなるように構成されている。
また、活性層213に注入されたキャリアが熱によってオーバーフローすることを抑制するために、第1クラッド層のAl組成X3及び第2クラッド層のAl組成X2はそれぞれ、最もバンドギャップエネルギーが大きい0.7としている。
また、本実施形態では、活性層213にAlGaAs系材料を使用し、第1クラッド層212及び第2クラッド層214にAlGaInP系材料を使用しているため、活性層とクラッド層間のバンドギャップエネルギーの差が大きくなり、活性層213に注入されたキャリアの熱によるオーバーフローの発生をさらに抑制することができる。
このように構成される本実施形態に係る半導体レーザ装置200は、オーミック電極219を介してコンタクト層217に電流が注入されると、コンタクト層217から注入された電流は、電流ブロック層218よってリッジ部のみに狭窄され、リッジ底部の下方に位置する活性層213に集中して電流が注入される。
これにより、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が、数十mA程度の少ない注入電流によって実現することができる。この時、活性層213に注入されたキャリアの再結合によって発光した光は、光閉じ込め効果によって高出力レーザ発振となる。具体的には、活性層213に対して垂直な方向においては、第1クラッド層212及び第2クラッド層214によって垂直方向の光閉じ込めが行われ、活性層213と平行な方向においては、電流ブロック層218が第2クラッド層214よりも屈折率が低いために水平方向の光閉じ込めが行われる。しかも、電流ブロック層218は、レーザ発振光に対して透明であるため光吸収がないので、電流ブロック層218を形成することによって、低損失の光導波路を実現することができる。さらに、光導波路内を伝播するレーザ光の光分布は、電流ブロック層218に大きくしみ出すことができるため、高出力動作に適した10-3のオーダのΔnを容易に得ることができる。しかも、その大きさを、第2クラッド層214のリッジ下端部と活性層213との距離dpの大きさによって、同じく10-3のオーダで精密に制御することができる。このため、光分布を精密に制御しつつ、低動作電圧の高出力半導体レーザを得ることができる。
第1の実施形態と同様に、本実施形態に係る半導体レーザ装置200を光ディスクシステムの記録再生の光源として用いる場合、レーザ出射光を光ディスク上に集光するために、半導体レーザにおける光分布は単峰性の基本横モード発振動作を生じさせる必要がある。
高温高出力状態においても安定した基本横モード発振を生じさせるためには、高次横モード発振をカットオフするように導波路の構造を決めなければならない。このためには、上述のΔnを10-3のオーダで精密に制御するのみならず、リッジ部の底部の幅を狭くし、高次横モード発振をカットオフ状態にする必要がある。高次横モード発振を抑制するためには、リッジ部底部の幅を4μm以下に狭くする必要がある。
しかしながら、リッジ部底部の幅を狭くすると、リッジ部のメサ形状に応じてリッジ部上部の幅も狭くなる。リッジ部上部の幅が狭くなりすぎると、リッジ部上部から素子に向かって注入される電流経路の幅が狭くなり、素子の直列抵抗(Rs)の増大を招き、動作電圧を増大させてしまうことになる。
従って、安定な基本横モード発振を生じさせるために、リッジ部底部の幅を単純に狭くしてしまうと、動作電圧を増大させてしまい、これが発熱の原因となって高温高出力動作を困難にしてしまう。
そこで、本発明の第2の実施形態に係る半導体レーザ装置200では、低動作電圧を実現するために、中間層215とコンタクト層217との間に、量子井戸へテロバリア層216を設けた。
本実施形態に係る量子井戸へテロバリア層216は、図7Cに示すように、p型のGaInPからなるコンタクトバリア層216bと、p型のAlGaAsからなるコンタクトウェル層216wとを有する。
コンタクトバリア層216bは、第1コンタクトバリア層216b1、第2コンタクトバリア層216b2及び第3コンタクトバリア層216b3とからなる複数層で構成されている。また、コンタクトウェル層216wは、第1コンタクトウェル層216w1、第2コンタクトウェル層216w2及び第3コンタクトウェル層216w3とからなる複数層で構成されている。
量子井戸へテロバリア層116の上記各層は、中間層215上に、第3コンタクトウェル層216w3、第3コンタクトバリア層216b3、第2コンタクトウェル層216w2、第2コンタクトバリア層216b2、第1コンタクトウェル層216w1及び第1コンタクトバリア層216b1が順に形成されている。
本実施形態において、第1コンタクトウェル層216w1〜第3コンタクトウェル層216w3のAl組成は、コンタクト層217側の層から中間層215側(第2クラッド層214側)の層に向かって単調に増大するように構成されている。
また、第1コンタクトウェル層216w1〜第3コンタクトウェル層216w3の膜厚は、量子効果を得ることができる40Åとした。また、コンタクトウェル層116wのAl組成は、第1の実施形態と同様に、中間層215に近づくにつれて、0.05、0.15、0.25と徐々に増加させている。
この様な構成とすることにより、ホールがコンタクトウェル層216wを中間層215に向かって伝導するに従って、コンタクトウェル層216wに存在するホールのエネルギーを効率良くGaInP価電子帯端エネルギーに近づけることが可能となる。従って、AlGaAs系の活性層を有し、クラッド層がAlGaInP系材料からなる赤外レーザ素子においても、動作電圧を低減することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8Aは、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の断面図である。また、図8Bは、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置の要部拡大断面図であり、図8Aに示す領域Eの拡大図である。
図8Aに示すように、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置は、窒化物材料系の青紫レーザ光を出力する半導体レーザ装置であって、GaN基板310上に、n型のAlGaNからなる第1クラッド層312(2.5μm)、n型のAlGaNからなる第1ガイド層313(860Å)、InGaN系材料からなる量子井戸構造の活性層314、p型のAlGaNからなる電子ブロック層315(100Å)、p型のAlGaNからなる第2クラッド層316、p型の量子井戸へテロバリア層317、及び、p型のGaNからなるコンタクト層318(0.1μm)が順に形成されている。
また、本実施形態に係る半導体レーザ装置300は、リッジ部が形成されており、リッジ部の側面を覆うようにして、SiNからなる誘電体の電流ブロック層319(0.1μm)が形成されている。さらに、コンタクト層318の開口部に接し、電流ブロック層319を被覆するようにして、Pd/Pt/Ti/Auの積層構造からなるp型のオーミック電極320が形成されている。また、GaN基板310に接するようにして、Ti/Pt/Auの積層構造からなるn型のオーミック電極321が形成されている。なお、本実施形態において、リッジ部の幅は1.4μmとした。
本実施形態において、第2クラッド層316は、当該第2クラッド層316のリッジ上部と活性層314との距離が0.5μmとなるように、また、当該第2クラッド層316のリッジ下端部と活性層314との距離dpが0.1μmとなるように構成されている。
また、活性層314に注入されたキャリアが熱によってオーバーフローすることを抑制するために、第2クラッド層のAl組成は、0.1としている。
また、本実施形態において、第1クラッド層312及び第2クラッド層316のAl組成を大きくすることにより、活性層とクラッド層間のバンドギャップエネルギー差を大きくすることができ、活性層314に注入されたキャリアの発熱によるキャリアオーバーフローをさらに抑制することができる。但し、AlGaN層とGaN基板との熱膨張係数の差のために、AlGaNからなるクラッド層のAl組成を大きくしすぎると、格子欠陥が生じて信頼性の低下につながる。従って、クラッド層のAl組成は、0.2以下で素子を作製することが好ましい。
このように構成される本実施形態に係る半導体レーザ装置300は、オーミック電極320を介してコンタクト層318に電流が注入されると、コンタクト層318から注入された電流は、電流ブロック層319よってリッジ部のみに狭窄され、リッジ底部の下方に位置する活性層314に集中して電流が注入される。
これにより、レーザ発振に必要なキャリアの反転分布状態が、数十mA程度の少ない注入電流によって実現することができる。この時、活性層314に注入されたキャリアの再結合によって発光した光は、光閉じ込め効果によって高出力レーザ発振となる。具体的には、活性層314に対して垂直な方向においては、第1クラッド層312及び第2クラッド層316によって垂直方向の光閉じ込めが行われ、活性層314と平行な方向においては、電流ブロック層319が第2クラッド層316よりも屈折率が低いために水平方向の光閉じ込めが行われる。しかも、電流ブロック層319は、レーザ発振光に対して透明であるため光吸収がないので、電流ブロック層319を形成することによって、低損失の光導波路を実現することができる。さらに、光導波路内を伝播するレーザ光の光分布は、電流ブロック層319に大きくしみ出すことができるため、高出力動作に適した10-3のオーダの屈折率差(Δn)を容易に得ることができる。しかも、その大きさを、第2クラッド層316のリッジ下端部と活性層314との距離dpの大きさによって、同じく10-3のオーダで精密に制御することができる。このため、光分布を精密に制御しつつ、低動作電圧の高出力半導体レーザを得ることができる。
本実施形態に係る半導体レーザ装置300を光ディスクシステムの記録再生の光源として用いる場合、第1及び第2の実施形態と同様に、レーザ出射光を光ディスク上に集光するために、半導体レーザにおける光分布は単峰性の基本横モード発振動作を生じさせる必要がある。
高温高出力状態においても安定した基本横モード発振を生じさせるためには、高次横モード発振をカットオフするように導波路の構造を決めなければならない。このためには、上述のΔnを10-3のオーダで精密に制御するのみならず、リッジ部の底部の幅を狭くし、高次横モード発振をカットオフ状態にする必要がある。高次横モード発振を抑制するためには、リッジ部底部の幅を1.5μm以下に狭くする必要がある。
しかしながら、リッジ部底部の幅を狭くすると、リッジ部のメサ形状に応じてリッジ部上部の幅も狭くなる。リッジ部上部の幅が狭くなりすぎると、リッジ部上部から素子に向かって注入される電流経路の幅が狭くなり、素子の直列抵抗(Rs)の増大を招き、動作電圧を増大させてしまうことになる。
従って、安定な基本横モード発振を生じさせるために、リッジ部底部の幅を単純に狭くしてしまうと、動作電圧を増大させてしまい、これが発熱の原因となって高温高出力動作を困難にしてしまう。
そこで、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300では、低動作電圧を実現するために、第2クラッド層316とコンタクト層318との間に、量子井戸へテロバリア層317を設けた。
本実施形態に係る量子井戸へテロバリア層317は、図8Bに示すように、p型のAlXbnGaYbnIn1-Xbn-YbnNからなるコンタクトバリア層317b(0≦Xbn<1、0<Ybn≦1、0≦1−Xbn−Ybn<1)と、p型のAlXwnGaYwnIn1-Xwn-YwnNからなるコンタクトウェル層317w(0≦Xwn<1、0<Ywn≦1、0≦1−Xwn−Ywn<1)とからなる。
コンタクトバリア層317bは、第1コンタクトバリア層317b1、第2コンタクトバリア層317b2及び第3コンタクトバリア層317b3とからなる複数層で構成されている。また、コンタクトウェル層317wは、第1コンタクトウェル層317w1、第2コンタクトウェル層317w2及び第3コンタクトウェル層317w3とからなる複数層で構成されている。
量子井戸へテロバリア層317の上記各層は、第2クラッド層316上に、第3コンタクトウェル層317w3、第3コンタクトバリア層317b3、第2コンタクトウェル層317w2、第2コンタクトバリア層317b2、第1コンタクトウェル層317w1及び第1コンタクトバリア層317b1が順に形成されている。
また、本実施形態において、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3のAl組成Xwn1〜Xwn3は、Xwn1<Xwn2<Xwn3となるように構成されている。つまり、コンタクトウェル層317wを構成する複数層の各Al組成Xwpは、コンタクト層318側の層から第2クラッド層316に向かって単調に増大するように構成されている。
また、第1コンタクトバリア層317b1〜第3コンタクトバリア層317b3については、第2クラッド層316と同じ組成比となるように、Xbn=0.1、Ybn=0.9とし、いずれもAl0.1Ga0.9Nとした。
次に、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300における量子井戸ヘテロバリア層317の作用について詳述する。
量子井戸へテロバリア層317を用いない構造においては、p型のAlGaNからなる第2クラッド層316のAl組成を0.1、0.2とした場合、p型のGaNからなるコンタクト層318との界面において、ホールに対してそれぞれ0.07eV、0.14eVのヘテロ障壁が形成されることになる。
このヘテロ障壁のために、電流−電圧特性における立ち上がり電圧が増大するのみならず、素子の直列抵抗(Rs)が増大し、動作電圧の増大につながってしまう。本実施形態のように、窒化物系半導体レーザにおいては、材料物性上、バンドギャップエネルギーが大きいために、元々動作電圧が高い。従って、本実施形態のような窒化物系半導体レーザにおいては、動作電圧を低減することが非常に重要である。
そこで、上述のとおり、本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300では、p型のAlGaNからなる第2クラッド層316とp型のGaNからなるコンタクト層318との間に、コンタクトウェル層317wを有する量子井戸へテロバリア層317を設けている。
以下、第2クラッド層316と、量子井戸へテロバリア層317におけるコンタクトウェル層317w及びコンタクトバリア層317bと、コンタクト層318において、Al組成及び膜厚の関係について、図9〜図12を参照しながら詳述する。
図9は、AlGaNのコンタクトウェル層317w(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。
ここで、図9において、第2クラッド層316としてAl組成が0.1のAlGaNを用い、第1コンタクトバリア層317b1〜第3コンタクトバリア層317b3b3としてAl組成0.1がAlGaNを用い、さらに、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3として厚さが40ÅのAlGaNを用いた。この場合において、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3のAl組成を、0から0.08まで変化させた。なお、図9に示すエネルギーは、AlGaNのコンタクトバリア層の価電子帯端からの量子準位エネルギーの差を示している。
図9に示すように、AlGaNのコンタクトウェル層317wのAl組成を第2クラッド層316のAl組成(0.1)に近づけるようにして、コンタクトウェル層317wのAl組成を0.025、0.05、0.075と増大させる。この場合、コンタクトウェル層内に形成されるホールのエネルギー準位を第2クラッド層316の価電子帯端からのエネルギーに換算して、基底状態の正孔のエネルギー準位を、0.024eV、0.013eV、0.005eVと、0.01eV程度の小さな間隔で順次近づけることができる。
この結果、コンタクト層318から第2クラッド層316に向かって注入されるホールのエネルギーレベルは、第2クラッド層316に近づくにつれて効率良く増大し、これにより、注入されたホールは、量子井戸へテロバリア層317を介して、第2クラッド層316に効率よく到達する。この結果、動作電圧の増大を抑制することが可能となる。
図10は、AlGaNのコンタクトウェル層317w(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。なお、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3の厚さ以外は、図9と同様の条件である。
図10に示すように、AlGaNのコンタクトウェル層317wのAl組成を第2クラッド層316のAl組成(0.1)に近づけるように、コンタクトウェル層317wのAl組成を0.025、0.05、0.075と増大させる。この場合、コンタクトウェル層内に形成されるホールのエネルギー準位を第2クラッド層316の価電子帯端からのエネルギーに換算して、基底状態の正孔のエネルギー準位を、0.037eV、0.025eV、0.01eVと、0.01eV程度の小さな間隔で順次近づけることが可能となる。
この結果、上述の図9と同様に、コンタクト層318から第2クラッド層316に向かって注入されるホールのエネルギーレベルは、第2クラッド層316に近づくにつれて効率良く増大し、これにより、注入されたホールは、量子井戸へテロバリア層317を介して、第2クラッド層316に効率よく到達する。この結果、動作電圧の増大を抑制することが可能となる。
図11は、AlGaNのコンタクトウェル層317w(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。コンタクトウェル層317w(40Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。
ここで、図11において、第2クラッド層316としてAl組成が0.2のAlGaNを用い、第1コンタクトバリア層317b1〜第3コンタクトバリア層317b3としてAl組成が0.2のAlGaNを用い、さらに、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3として厚さが40ÅのAlGaNを用いた。この場合において、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3のAl組成を、0から0.16まで変化させた。なお、図11に示すエネルギーは、AlGaNのコンタクトバリア層の価電子帯端からの量子準位エネルギーの差を示している。
図11に示すように、AlGaNのコンタクトウェル層317wのAl組成を第2クラッド層316のAl組成(0.2)に近づけるようにして、コンタクトウェル層317wのAl組成を0.05、0.1、0.15と増大させる。この場合、コンタクトウェル層内に形成されるホールのエネルギー準位を第2クラッド層316の価電子帯端からのエネルギーに換算して、基底状態の正孔のエネルギー準位を、0.088eV、0.056eV、0.028eVと、0.03eV程度の小さな間隔で順次近づけることができる。
この結果、コンタクト層318から第2クラッド層316に向かって注入されるホールのエネルギーレベルは、第2クラッド層316に近づくにつれて効率良く増大し、これにより、注入されたホールは、量子井戸へテロバリア層317を介して、第2クラッド層316に効率よく到達する。この結果、動作電圧の増大を抑制することが可能となる。
図12は、AlGaNのコンタクトウェル層317w(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。コンタクトウェル層317w(20Å)のAl組成に対するコンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位とエネルギーの大きさとの関係を示す図である。なお、第1コンタクトウェル層317w1〜第3コンタクトウェル層317w3の厚さ以外は、図11と同様の条件である。
図12に示すように、AlGaNのコンタクトウェル層317wのAl組成を第2クラッド層316のAl組成(0.2)に近づけるようにして、コンタクトウェル層317wのAl組成を0.05、0.1、0.15と増大させる。この場合、コンタクトウェル層内に形成されるホールのエネルギー準位を第2クラッド層316の価電子帯端からのエネルギーに換算して、基底状態の正孔のエネルギー準位を、0.07eV、0.043eV、0.018eVと、0.03eV程度の小さな間隔で順次近づけることが可能となる。
この結果、上述の図11と同様に、コンタクト層318から第2クラッド層316に向かって注入されるホールのエネルギーレベルは、第2クラッド層316に近づくにつれて効率良く増大し、これにより、注入されたホールは、量子井戸へテロバリア層317を介して、第2クラッド層316に効率よく到達する。この結果、動作電圧の増大を抑制することが可能となる。
その他、コンタクトウェル層317wのAl組成に関し、特に、コンタクト層318に最も近い第1コンタクトウェル層317w1のAl組成は、0以上、0.05以下とすることが好ましい。これにより、第1コンタクトウェル層317w1で形成されるホールの基底状態のエネルギー準位を、p型GaNの価電子帯のホールのエネルギーと近づけることができるので、注入されたホールが、第1コンタクトバリア層317b1をトンネル効果で通過する確率が高まり、さらに動作電圧の低減を行うことができる。
さらに、コンタクトウェル層317wのAl組成は、第2クラッド層316のAl組成以下とすることが好ましい。これにより、コンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギーが必要以上に高くなることを防止することができる。
また、コンタクトウェル層317wの膜厚に関して、図9〜図12に示すように、コンタクトウェル層317wの膜厚を薄くした場合、コンタクトウェル層317wに形成されるホールのエネルギー準位の数が減少することが分かる。従って、コンタクトウェル層317wの膜厚を薄くした方が、コンタクトバリア層317bをトンネル効果により通過するホールの確率が低下する。逆に、コンタクトウェル層317wの膜厚を厚くすると、コンタクトバリア層317bをトンネル効果により通過するホールの確率は高くなる。
但し、コンタクトウェル層317wの膜厚を厚くしすぎると、コンタクトウェル層317w内に形成されるホールのエネルギー準位の数が多くなりすぎて、高いエネルギー状態にあるホールの確率が低下してしまう。すなわち、AlGaN価電子帯端エネルギーに最も近いエネルギー準位に存在するホールの確率が低下してしまうことになる。
なお、コンタクトウェル層317wとコンタクトバリア層317bとの界面においては界面層同士が混晶化する場合があり、この場合はさらにコンタクトウェル層317wの平均Al組成が大きくなり、エネルギー準位の数の減少につながる。
従って、本実施形態においても、コンタクトウェル層317wの膜厚は、20Å以上、60Å以下とすることが好ましい。なお、本実施形態例では、各コンタクトウェル層317wの膜厚は40Åとしている。
また、コンタクトバリア層317bについては、コンタクトバリア層317bにトンネル効果を生じさせるために、第1コンタクトバリア層317b1〜第3コンタクトバリア層317b3の厚さは、ホールの波動関数の波長程度以下の薄さである必要があり、80Å以下でなければならない。
逆に、第1コンタクトバリア層116b1〜第3コンタクトバリア層116b3の厚さを薄くしすぎると、コンタクトウェル層間の量子準位の結合が強くなり、ミニバンドが形成されてしまうことになる。
この場合、各コンタクトウェル層317w1〜317w3で形成されるホールのエネルギー準位が***し、コンタクトウェル層内においてエネルギーの低い状態に存在するホールの確率が増大することになる。このため、第3コンタクトウェル層317w3から第2クラッド層316にホールが伝導する場合に、依然として、大きなヘテロ障壁の影響を受けるホールの割合が増し、動作電圧の低減効果が薄れてしまうことになる。
従って、高いトンネル確率を維持し、コンタクトウェル層間のホールの量子準位の結合によるミニバンドの形成を防止するめには、コンタクトバリア層317bの膜厚は、20Å以上、80Å以下とすることが好ましい。なお、本実施形態において、各コンタクトバリア層317bの膜厚は60Åとしている。
以上説明したように、窒化物系の半導体レーザにおいても、p型のGaNからなるコンタクト層318と、p型のAlGaNからなる第2クラッド層316との間に、第2クラッド層316に向かっていくに従ってバンドギャップエネルギーが増大するようなコンタクトウェル層317wを有する量子井戸へテロバリア層317を備えることにより、低いバイアス電圧印加時においても、ホールは、p型のコンタクト層318からp型の第2クラッド層316へと効率よく伝導することが可能となる。
また、コンタクトウェル層317wのAl組成とバンドギャップエネルギーとは、第2クラッド層316に近づくにつれて、徐々に大きくし、また、膜厚は徐々に薄くなるように変化させてもよい。具体的には、コンタクト層318に近い方のコンタクトウェル層317wから順に、膜厚を60Å、40Å、20Åとし、Al組成を0.025、0.05、0.075とする。これにより、コンタクトウェル層317wに存在するホールのエネルギーを、第2クラッド層316に近いコンタクトウェル層ほど、AlGaN価電子帯端エネルギーに近づけることができる。さらに、本実施形態に係る半導体レーザ装置300は、ホールのエネルギー準位の数を減少させることが可能となる。
この結果、コンタクト層318から注入されたホールを、第3コンタクトウェル層317w3において最もAlGaN価電子帯端エネルギーに近いエネルギー準位に効率良く存在させることが可能となり、さらに動作電圧を低減することが可能となる。
なお、以上の本発明の第3の実施形態に係る半導体レーザ装置300では、p型の第2クラッド層316の材料として、AlGaNのみの例を示したが、第2クラッド層を含めて、コンタクトウェル層317w、コンタクトバリア層317bの材料としては、AlGaInNを用いてもよい。この場合、コンタクトウェル層317wとしては、p型の第2クラッド層のバンドギャップエネルギーよりも小さいバンドギャップエネルギーを有するAlGaInN材料を用い、また、コンタクトバリア層317bとしては、第2クラッド層のバンドギャップエネルギー以下であり、かつ、コンタクトウェル層317wのバンドギャップエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有するAlGaInN材料を用いても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、以上の第1〜第3の実施形態に係る半導体レーザ装置において、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせるように組成を設定することにより、コンタクトバリア層のバンドギャップエネルギーを増大させることができる。これにより、コンタクトウェル層に形成されるエネルギー準位のエネルギーの大きさを大きくすることができる。従って、コンタクトバリア層と中間層(又は第2クラッド層)との界面の電位障壁(ヘテロスパイク)に対して、より低いバイアス電圧においてもホールを通過させることが可能となり、さらに動作電圧を低減することができる。例えば、コンタクトバリア層の格子定数を半導体基板の格子定数より小さくすることにより、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができる。また、コンタクトバリア層の格子定数を第2クラッド層の格子定数より小さくすることによっても、コンタクトバリア層に引っ張り歪を生じさせることができる。
また、以上の第1〜第3の実施形態に係る半導体レーザ装置では、量子井戸ヘテロバリア層及びその前後の構成として、クラッド層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクト層の構成について説明を行ったが、クラッド層/コンタクトバリア層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクトウェル層/コンタクトバリア層/コンタクト層の構成であっても、同様の効果を得ることが可能である。
また、以上の第1〜第3の実施形態に係る半導体レーザ装置では、コンタクトウェル層の層数は3層の例について説明したが、量子井戸へテロバリア層の合計膜厚が、量子井戸ヘテロバリア層がない状態における、クラッド層とコンタクト層との界面でクラッド層に形成される電位障壁の存在する膜厚(通常0.1μm以下)を越えない範囲内とすることにより、電位障壁をホールがトンネル効果で伝導する効果によって動作電圧を低減することが可能となる。
なお、本発明に係る半導体発光素子は、半導体レーザ装置に限定されるものではなく、発光ダイオード等のその他の半導体発光素子においても同様の効果をもたらすものである。
また、その他、各実施形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る半導体発光素子は、半導体レーザ装置又は発光ダイオード等に有用である。
100、200、300、500 半導体レーザ装置
110、210、501 GaAs基板
111、211 バッファ層
112、212、312 第1クラッド層
113、213、314 活性層
113b1、213b1 第1バリア層
113b2、213b2 第2バリア層
113g1、213g1 第1光ガイド層
113g2、213g2 第2光ガイド層
113w1、213w1 第1ウェル層
113w2、213w2 第2ウェル層
113w3、213w3 第3ウェル層
114、214、316 第2クラッド層
115、215、502、509 中間層
116、216、317、510 量子井戸へテロバリア層
116b、216b、317b コンタクトバリア層
116b1、216b1、317b1 第1コンタクトバリア層
116b2、216b2、317b2 第2コンタクトバリア層
116b3、216b3、317b3 第3コンタクトバリア層
116w、216w、317w コンタクトウェル層
116w1、216w1、317w1 第1コンタクトウェル層
116w2、216w2、317w2 第2コンタクトウェル層
116w3、216w3、317w3 第3コンタクトウェル層
117、217、318 コンタクト層
118、218、319 電流ブロック層
119、120、219、220、320、321 オーミック電極
310 GaN基板
313 第1ガイド層
315 電子ブロック層
503 第1Nクラッド層
504 第2Nクラッド層
505 多重量子井戸層
505b バリア層
505g ガイド層
505w 井戸層
506 第1Pクラッド層
507 エッチングストップ層
508 第2Pクラッド層
513a、513b、513c GaAs層
514 GaInP層

Claims (16)

  1. 第1導電型の半導体基板上に、第1導電型の半導体層からなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型の半導体層からなる第2クラッド層と、第2導電型の半導体層からなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、
    前記第2クラッド層と前記コンタクト層との間に、第2導電型のコンタクトバリア層と第2導電型のコンタクトウェル層とを有する量子井戸へテロバリア層が形成され、
    前記コンタクトウェル層は、少なくとも、前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、
    前記第2クラッド層、前記コンタクト層、前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の禁制帯幅エネルギーをそれぞれECLD2、ECNT、ECW1及びECW2としたときに、
    CLD2>ECNT、かつ、ECW1<ECW2である
    半導体発光素子。
  2. 前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各禁制帯幅エネルギーは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大する
    請求項1記載の半導体発光素子。
  3. 前記コンタクトバリア層の禁制帯幅エネルギーをECBとすると、
    CLD2≧ECB>ECW2>ECW1≧ECNTである
    請求項1又は請求項2記載の半導体発光素子。
  4. 前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各膜厚は、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に減少する
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記半導体基板の格子定数よりも小さい
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記第2クラッド層の格子定数よりも小さい
    請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 第1導電型のGaAs基板上に、第1導電型のAlGaInPからなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型のAlGaInPからなる第2クラッド層と、第2導電型のGaAsからなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、
    前記第2クラッド層と前記コンタクト層の間に、(AlXbpGa1-XbpYbpIn1-YbpPからなるコンタクトバリア層(0≦Xbp≦1、0<Ybp<1)とAlXwpGa1-XwpAsからなるコンタクトウェル層(0≦Xwp<1)とを有する量子井戸ヘテロバリア層が形成され、
    前記コンタクトウェル層は、少なくとも前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、
    前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層のAl組成を、それぞれXwp1、Xwp2としたときに、
    Xwp1<Xwp2である
    半導体発光素子。
  8. 前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各Al組成Xwpは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大する
    請求項7に記載の半導体発光素子。
  9. 前記第1コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記コンタクト層に最も近い層であって、そのAl組成Xwp1が0以上、0.1以下であり、
    前記第2コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記第2クラッド層に最も近い層であって、そのAl組成Xwp2が0.2以上、0.3以下である
    請求項7又は請求項8記載の半導体発光素子。
  10. 前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の膜厚は、20Å以上、60Å以下であり、
    前記コンタクトバリア層の膜厚は、20Å以上、80Å以下である
    請求項7〜請求項9のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  11. 前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記GaAs基板の格子定数よりも小さい
    請求項7〜請求項10のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  12. 第1導電型のGaN基板上に、第1導電型のAlGaInN系材料からなる第1クラッド層と、活性層と、前記第1導電型とは異なる導電型である第2導電型のAlGaInN系材料からなる第2クラッド層と、第2導電型のGaNからなるコンタクト層とが形成された半導体発光素子であって、
    前記第2クラッド層と前記コンタクト層との間に、AlXbnGaYbnIn1-Xbn-YbnNからなるコンタクトバリア層(0≦Xbn<1、0<Ybn≦1、0≦1−Xbn−Ybn<1)とAlXwnGaYwnIn1-Xwn-YwnNからなるコンタクトウェル層(0≦Xwn<1、0<Ywn≦1、0≦1−Xwn−Ywn<1)とを有する量子井戸ヘテロバリア層が形成されており、
    前記コンタクトウェル層は、少なくとも前記コンタクト層側に形成された第1コンタクトウェル層と前記第2クラッド層側に形成された第2コンタクトウェル層とを含む複数層で構成されており、
    前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層のAl組成を、それぞれXwn1、Xwn2としたときに、
    Xwn1<Xwn2である
    半導体発光素子。
  13. 前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層の各禁制帯幅エネルギーは、前記コンタクト層側の層から前記第2クラッド層側の層に向かって単調に増大する
    請求項12に記載の半導体発光素子。
  14. 前記第1コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する層のうち前記コンタクト層に最も近い層であって、そのAl組成Xwn1が0以上、0.05以下であり、
    前記第2コンタクトウェル層は、前記コンタクトウェル層を構成する前記複数層のうち前記第2クラッド層に最も近い層であって、そのAl組成Xwn2が前記第2クラッド層のAl組成の大きさ以下である
    請求項12又は請求項13記載の半導体発光素子。
  15. 前記第1コンタクトウェル層及び前記第2コンタクトウェル層の膜厚は、20Å以上、60Å以下であり、
    前記コンタクトバリア層の膜厚は、20Å以上、80Å以下である
    請求項12〜請求項14のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  16. 前記コンタクトバリア層の格子定数は、前記GaN基板の格子定数よりも小さい
    請求項12〜請求項15のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
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