JP2011191102A - グリース寿命算出方法及びグリース設計方法 - Google Patents

グリース寿命算出方法及びグリース設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軸受の運転条件を必要とせず、グリース寿命までの時間を精度よく算出できるグリース寿命算出方法を提供する。
【解決手段】本発明は、グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値に基づいて、グリースの寿命時間を算出する、という方法を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、グリース寿命算出方法及びグリース設計方法に関するものである。
回転軸を回転自在に支持する軸受(例えば転がり軸受)には、回転軸の円滑な回転を維持するために、一般的には潤滑油が供給されている。一方、潤滑油を貯留するためのタンクを省略できるという理由等から、軸受にグリースを塗布するグリース潤滑を適用する場合がある。グリースとは、基油となる潤滑油に増ちょう剤を分散させて半固体状にした潤滑剤である。増ちょう剤は繊維状で網の目のように絡み合っており、その隙間に基油を保持している。毛細管現象により増ちょう剤に保持された基油が滲み出し、軸受の摺動・転動部に供給され、潤滑を維持すると考えられている。
軸受を長時間使用すると、通常、その摺動・転動部の表面が剥離して使用不可となる剥離寿命に達する。しかし、グリース潤滑においては、軸受の剥離寿命よりも、増ちょう剤に保持される基油が減少又は枯渇して焼き付きが生じる等、グリースが変質することで使用不可となるグリース寿命に早く到達する場合が多い。よって、グリース潤滑を用いる装置を設計する場合には、グリース寿命を明確にする必要がある。グリース寿命を予測する方法として、例えば非特許文献1に開示されたグリース寿命の予測式を用いる方法がある。
伊藤・小泉・中、「密封玉軸受用グリースの寿命式」、NSK Technical Journal No.660 (1995) p.8〜14
非特許文献1に開示されたグリース寿命の予測式には、軸受の回転速度や軸受温度等がパラメータとして導入されているものの、グリース自体の物性値を含む特性はパラメータとして導入されておらず、同種組成のグリースでも特性が異なるため、グリース寿命が異なるが、同グリース寿命の予測式では差異を明確にできない、したがって、所定の寿命を有するグリースを設計・開発するための指針は得られなかった。そのため、新たなグリースの設計・開発をする場合、多数の試験用軸受、及び該試験用軸受を所定の条件下(温度、回転速度、荷重等)で回転させる試験装置を必要とする。そのため、これらの試験環境を準備するために多大なコストが発生するという課題があった。また、グリース寿命の実際の計測は複数の条件下で各々実施されることから、計測のために長い時間を要し、計測の手間やコストが増加し、要する時間を短縮できないという課題があった。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、特性が異なる同種組成のグリースでも、グリース寿命の差異を明確に評価するために必要な手間及びコストを削減できるグリース寿命算出方法を提供することを目的とする。また、本発明は、所定の寿命を有するグリースを設計・開発するために要する時間を短縮できるグリース設計方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値に基づいて、グリースの寿命時間を算出するという方法を採用する。
本発明によれば、多数の試験用軸受、及び該試験用軸受を所定の条件下で回転させる試験装置が不要となることから、試験環境を準備するためのコストが削減される。また、グリース自体の物性値を含む特性のパラメータによるグリース寿命を予測することで、新たなグリースの設計・開発を効率よく行うことが可能となる。
また、本発明は、物性値として、グリースの酸化開始温度と、蒸発速度と、基油浸透量と、負荷が加えられたときの基油分離割合とを用いる、という方法を採用する。
また、本発明は、物性値として、さらにグリースの基油浸透速度を用いる、という方法を採用する。
また、本発明は、物性値として、さらにグリースの増ちょう剤分解温度を用いる、という方法を採用する。
また、本発明は、物性値として、さらにグリースの基油粘度を用いる、という方法を採用する。
また、本発明は、物性値及びグリースの成分比率に基づいて、グリースの寿命時間を算出する、という方法を採用する。
また、本発明は、成分比率として、グリースに含まれるリン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、及びモリブデンの各含有率を用いる、という方法を採用する。
また、本発明は、グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値とグリース寿命予測値との関係式を求める第1設計工程と、第1設計工程で得られた関係式に基づいて物性値の値を決定する第2設計工程とを有する、という方法を採用する。
本発明によれば、第1設計工程で得られた関係式に基づくことで、グリースにおける物性値のグリース寿命に対する影響度の大きさを導き出すことが可能となる。また、第2設計工程では、上記影響度の大きさに基づいてグリースの物性値の値を決定することで、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことが可能となる。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、グリース寿命を予測するために必要な手間及びコストを削減できるという効果がある。また、本発明によれば、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、新たなグリースの設計・開発に要する時間を短縮できるという効果がある。
第1実施形態で用いる説明変数の係数の値を示す概略図である。 第1実施形態で用いる説明変数の指数の値を示す概略図である。 第1実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。 第1実施形態で用いる重回帰式の各項のグリース寿命時間に対する影響度を示す概略図である。 第2実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。 第3実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。 第4実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。 第5実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。 第6実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1から図9を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
グリース潤滑を用いる場合に回転軸やそれを支持する軸受の円滑な回転を長時間維持するためには、グリースが軸受等の被潤滑箇所に対して適切に基油を供給でき、蒸発することなく転走面で基油を保持できることが必要となる。そのため、被潤滑箇所に対するグリース潤滑のメカニズム(仕組み)、すなわち、毛細管現象により増ちょう剤に保持された基油が滲み出し、軸受の摺動・転動部に供給・保持され、潤滑を維持するというメカニズムが、グリース寿命に大きく関係している。そこで、本実施形態ではグリースの寿命までの時間(寿命時間)を算出するために、グリースの物性値として増ちょう剤分解温度、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合、及び基油粘度の各物性値と、添加剤としてグリースに含まれるリン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、及びモリブデンの各含有率(成分比率)とを用いている。まず、これらの物性値及びグリース含有物と、グリース潤滑のメカニズムとの関係を以下に説明する。なお、各物性値及びグリース含有物の測定方法も併せて説明する。
増ちょう剤分解温度は、グリース内の増ちょう剤が熱により分解し始めるときの温度である。増ちょう剤が分解すると、増ちょう剤が基油を保持できなくなり、保持可能な基油の量が減少することから、増ちょう剤分解温度はグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。増ちょう剤分解温度は、示差熱分析(DTA:Differential Thermal Analysis)を用いて測定する。グリースを試料として基準試料とともに示差熱分析装置で加熱すると、最初に吸熱変化(基準試料の温度に比べて、試料の温度が低くなること)が現れる。この吸熱変化は、増ちょう剤の熱分解を示しているため、吸熱変化が現れた時点での温度を増ちょう剤分解温度としている。
酸化開始温度は、グリース内の基油が酸化し始めるときの温度である。基油が酸化すると、例えば基油の炭化やスラッジ化が生じる場合があり、炭化・スラッジ化した基油の流動性は著しく低下することから、基油の酸化はグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。酸化開始温度も上述した示差熱分析を用いて測定する。グリースを示差熱分析装置で加熱すると、上述した最初の吸熱変化の後に、発熱変化(基準試料の温度に比べて、試料の温度が高くなること)が現れる。この発熱変化は、基油の酸化(燃焼)を示しているため、発熱変化が現れた時点での温度を基油の酸化開始温度としている。
蒸発速度は、グリース内の基油が蒸発する速度を示す物性値である。基油の蒸発速度が速ければ、グリース内の基油が早期に減少してしまい基油の供給が滞るもしくは転走面で基油を保持できない虞がある。そのため、基油の蒸発速度はグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。基油の蒸発速度は、熱重量分析(TG:Thermogravimetric Analysis)を用いて測定する。なお、本実施形態では、この測定を上述した示差熱分析と同時に行っている(TG-DTA)。グリースを熱重量−示差熱分析装置で加熱すると、装置内の温度が150℃に近づいた時点でグリースの重量が減少し始める。これは、グリース内の基油が蒸発し始めたことを示している(なお、この時点で示差熱分析における発熱変化が現れる)。なお、装置内の温度が250℃を超えると基油は、顕著に酸化及び燃焼が進行するため、本実施形態の蒸発速度は、装置内の温度が150℃から250℃に上昇するまでに減少したグリース重量の重量比(重量パーセント)を、上昇温度である100℃で除算したものである(単位は%/℃)。
基油浸透速度は、基油が毛細管現象によって浸透していく速度を示す物性値である。基油は、網の目のように絡み合った繊維状の増ちょう剤に保持されているため、毛細管現象によって浸透する速度がグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。基油浸透速度の測定には、所定の窪み部を備えるガラス板を使用する。ガラス板の窪み部に測定対象のグリースを塗布充填し、充填されたグリースの表面がガラス面に対して面一になるように整えた後、上記ガラス面を覆う大きさのパラフィン紙をガラス面及びグリース上に配置する。さらに、窪み部を上方に向けた状態で、ガラス板を所定の角度(例えば45°)に傾けて保持し、窪み部に充填されたグリースから基油がパラフィン紙を斜め下方に浸透していく速度を測定する。浸透の速度は次第に遅くなることから、本実施形態では測定開始後の所定の測定時間(例えば20時間ないし30時間)での浸透速度を測定している。上記測定時間で基油がパラフィン紙に浸透した距離を測定し、この距離を上記測定時間で除算することで基油浸透速度を算出している。
基油浸透量は、一定の体積のグリースから染み出すことのできる基油量を示す物性値である。一定の体積のグリースから染み出す基油量が多ければ、被潤滑箇所に供給される基油量も多くなるため、基油浸透量はグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。基油浸透量は、上述した基油浸透速度の測定方法と同一の方法を用いて測定する。基油浸透量は、測定開始後から70時間以上放置し基油の浸透が飽和(サチレート)した時点での、基油がパラフィン紙に浸透した距離を測定している(単位はmm)。
基油分離割合は、グリースに所定の負荷(例えば遠心力)が加えられたときの、グリースからの基油の分離割合を示す物性値である。軸受に塗布されたグリースは、軸受の回転とともにその摺動・転動部から所定の遠心力を受けている。遠心力が加えられることで増ちょう剤に保持されている基油が染み出すことから、基油分離割合はグリース潤滑のメカニズムに関係すると考えられる。基油分離割合は遠心分離装置を用いて測定する。5000Gの負荷を48時間加え続けた場合の、グリース全体に対し分離した基油の割合(重量パーセント)を測定している。
基油粘度は基油の粘度を示す物性値であり、軸受等の被潤滑箇所の潤滑性に影響する油膜厚さに関係することから、グリースの寿命に直結すると考えられる。本実施形態で使用する基油粘度の値は、グリースの製造会社から提供されるカタログ値を参照している。なお、本実施形態における基油粘度は、基油の温度が40℃であるときの粘度の値を用いている。
添加剤は、グリースの所定の性能(例えば潤滑性や酸化安定性)を向上させるために添加されるものである。本実施形態において測定する、リン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、及びモリブデンは、増ちょう剤成分もしくは基油の性能を向上させるためにグリースに添加される物質である。基油の潤滑性や酸化安定性が向上すれば、被潤滑箇所に対する潤滑効果や酸化安定性が向上することから、上記添加剤は軸受等の適切な潤滑を長時間維持することに関係していると考えられる。グリースに含まれる上記添加剤の含有率(ppm、重量パーセント濃度)は、発光分光分析(SOAP:Spectrometric Oil Analysis Program)を用いて測定している。
本実施形態では、12種類のグリースを測定対象として、上述した物性値及び添加剤の含有率を測定している。12種類のグリースにおける測定結果を表1に示す。なお、表1及び後述する表2では、グリースの種類を(イ)から(ヲ)で表している。
Figure 2011191102
次に、測定したグリースの各物性値及び添加剤の含有率に基づいて、グリースの寿命時間を算出するための数式を導出する。本実施形態では、上記数式を導出するために非線形の重回帰分析を用いている。まず、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(1)のように設定する。式(1)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
L=aAα+bBβ+cCχ+dDδ+eEε+fFφ+g1G1γ1+g2G2γ2+g3G3γ3+g4G4γ4+g5G5γ5+g6G6γ6+hHη ・・・ (1)
式(1)示す重回帰式では、説明変数を、A,B,C,D,E,F,G1,G2,G3,G4,G5,G6,Hで表している(表1参照)。これらの説明変数は、グリースにおける、増ちょう剤分解温度、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値、リン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、モリブデンの各含有率、及び基油粘度の物性値をそれぞれ代入するための変数である。また、説明変数の係数を、a,b,c,d,e,f,g1,g2,g3,g4,g5,g6,hで表し、説明変数の指数を、α,β,χ,δ,ε,φ,γ1,γ2,γ3,γ4,γ5,γ6,ηで表している。
次に、式(1)に示す重回帰式の係数及び指数を算出するために、所定の試験方法を用いて12種類のグリースの各寿命時間を実際に計測する。この試験方法には例えばIP300に準拠した四球試験機を用いる。四球試験機では、回転する1つの上部回転球と、該上部回転球に当接し且つ上部回転球に追従して公転及び自転する3つの下部回転球との間に、寿命時間を計測するグリースを塗布し、上部回転球に所定の負荷(2.7GPa)を加えつつ回転させ(1200rpm)、グリースの劣化により潤滑不良(焼き付き)に至るまでの時間を計測する。なお、試験時の温度は、増ちょう剤の分解温度を考慮して175℃としている。四球試験機によって測定した各グリースの寿命時間の計測値を、表2に示す。
Figure 2011191102
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(1)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。なお、本実施形態では、式(1)の説明変数A,B,C,D,E,F,Hに表1の値を代入する場合には、グリース(イ)の値を基準(1.00)とした相対値を代入している。算出した説明変数の係数の値を表3に示し、算出した説明変数の指数の値を表4に示す。表3及び表4に示す説明変数の係数及び指数を式(1)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。
Figure 2011191102
Figure 2011191102
また、表3及び表4を、それぞれ図1及び図2に示す。図1は、本実施形態で用いる説明変数の係数の値を示す概略図である。図2は、本実施形態で用いる説明変数の指数の値を示す概略図である。図1に示すように、説明変数の係数には正の値と負の値とが存在する。係数が負の値である場合には、その説明変数が大きくなるに従い、グリースの寿命時間は減少することになる。
次に、式(1)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。
図3での横軸はグリースの寿命時間の算出値を示し、縦軸はグリースの寿命時間の計測値を表している。図3では、12種類のグリースにおけるそれぞれの算出値と計測値との交点に打点することで、算出値と計測値との間の関係を示している。1つのグリースを除いて、算出値と計測値とが正確に対応していることが確認できる。また、式(1)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.7334となっている。決定係数は、グリースの寿命時間の計測値を、式(1)の重回帰式がどれほど説明できているかを示す値である。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち73.34%を式(1)の重回帰式で説明できている。すなわち、本実施形態では、グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値に基づくことで、軸受の温度や回転速度等の条件を必要とせずに、グリースの寿命時間を精度よく算出することができる。
また、本実施形態では、グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値に基づいて、グリースの寿命時間を算出するための式(1)を導き出している。そのため、例えば組成的には同種でも物性値の異なる複数のグリースにおいて、それらのグリースの寿命における差異を明確にすることができる。
また、例えば新しく採用するグリースを検証する場合において、実際の軸受を用いた長期間(例えば1〜2ヶ月)の運転試験を行う前に、式(1)に示す重回帰式を用いることで、グリースの事前の検証を容易に行うことができる。すなわち、式(1)に示す重回帰式を用いることで、必要とする性能に比べ顕著に劣った性能しか有しないグリースを予め除外することができ、長期間の運転試験の手間を大幅に省くことができる。
続いて、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する方法を以下に説明する。この方法は、上述した式(1)を求める第1設計工程と、該式(1)に基づいてグリースの物性値及び添加物の含有率を決定する第2設計工程とを有する。
まず、上述した手順に従って式(1)を求める(第1設計工程)。
式(1)における各々の項は、各説明変数にそれぞれ対応する係数及び指数を乗じたものであり、その単位は(h)となっている。すなわち、各々の項は、グリースの寿命時間を表す目的変数Lに対する各説明変数の影響度の大きさを表している。ここで、表1に示す12種類の各グリースにおける物性値及び添加剤の含有率の、全グリース間で平均した値を式(1)の説明変数に代入し、各項の値を算出した結果を表5に示す。
Figure 2011191102
また、表5の結果を図4に示す。図4は、本実施形態で用いる重回帰式の各項のグリース寿命時間に対する影響度を示す概略図である。図4において、各項の示す値の絶対値(各棒状グラフの長さで示される)が大きいほど、説明変数の目的変数Lへの影響度が大きいことを示している。一方、各項の示す値の絶対値が小さいほど、説明変数の目的変数Lへの影響度は小さく、当該説明変数の値を増減させても目的変数Lへの影響は小さいことがわかる。このことから、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合に、図4に示された各項の影響度の大きさ参照することで、目的変数Lすなわちグリースの寿命時間を所定の時間とするために、どの説明変数(すなわち物性値及び添加剤の含有率)を調整すればよいかが判別できる。したがって、所定の寿命を有する新たなグリースの設計・開発指針を得ることができる。
次に、式(1)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づいて、グリースの物性値及び添加物の含有率を決定する(第2設計工程)。
上述したように、新たなグリースの設計・開発指針が得られることから、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値及び添加物の含有率を決定することができる。なお、物性値及び添加物の含有率を上記決定した値に調整するには、グリースに使用される基油、増ちょう剤及び添加剤に関する種類及び含有量を調整する。このように、新たなグリースの設計・開発指針が得られることから、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、特性が異なる同種組成のグリースでも、グリース寿命の差異を明確に評価するために必要な手間及びコストを削減できるという効果がある。また、本発明によれば、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、新たなグリースの設計・開発に要する時間を短縮できるという効果がある。
〔第2実施形態〕
第1実施形態で説明した図4によれば、各項のグリース寿命時間への影響度の大きさを確認することができる。そこで、グリースの寿命時間に対する影響度が小さな説明変数を除外するとともに、第1実施形態と同様にグリースの寿命時間を算出する方法を、以下に説明する。
本実施形態では、第1実施形態で使用した各説明変数のうち、基油粘度の説明変数を除外してグリースの寿命時間を算出する。図4に示すように、基油粘度のグリース寿命時間への影響度は、添加剤の影響度を除けば最も小さい。ところが、図2に示すように、基油粘度の説明変数に対応する指数は他の指数に比べて遙かに大きく、本来であれば基油粘度のグリース寿命時間への影響度は大きくなるはずである。これは、基油粘度の各グリース間での差異がほとんどなく、結果として影響度が小さくなったものである。
本実施形態において、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(2)のように設定する。式(2)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
=aAα+bBβ+cCχ+dDδ+eEε+fFφ+g1G1γ1+g2G2γ2+g3G3γ3+g4G4γ4+g5G5γ5+g6G6γ6 ・・・ (2)
式(2)示す重回帰式では、説明変数を、A,B,C,D,E,F,G1,G2,G3,G4,G5,G6で表している。これらの説明変数は、グリースにおける、増ちょう剤分解温度、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値、リン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、モリブデンの各含有率をそれぞれ代入するための変数である。
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(2)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。算出した係数及び指数を式(2)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。なお、本実施形態にて算出した係数及び指数の値は省略する。
次に、式(2)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。式(2)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.7245となっている。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち72.45%を式(2)の重回帰式で説明できている。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、第1実施形態に比べてグリース寿命時間の算出に必要な物性値の数が減少しているので、物性値を準備する手間を削減することができる。
また、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合には、第1の実施形態と同様に、上述した式(2)を求める第1設計工程と、該式(2)に基づいてグリースの物性値及び添加物の含有率を決定する第2設計工程とを実施する。
式(2)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づくことで、新たなグリースの設計・開発指針が得られ、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値及び添加物の含有率を決定することができる。したがって、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
〔第3実施形態〕
本実施形態では、第2実施形態で使用した各説明変数のうち、増ちょう剤分解温度の説明変数を除外してグリースの寿命時間を算出する。
本実施形態において、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(3)のように設定する。式(3)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
=bBβ+cCχ+dDδ+eEε+fFφ+g1G1γ1+g2G2γ2+g3G3γ3+g4G4γ4+g5G5γ5+g6G6γ6 ・・・ (3)
式(3)示す重回帰式では、説明変数を、B,C,D,E,F,G1,G2,G3,G4,G5,G6で表している。これらの説明変数は、グリースにおける、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値、リン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、モリブデンの各含有率をそれぞれ代入するための変数である。
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(3)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。算出した係数及び指数を式(3)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。なお、本実施形態にて算出した係数及び指数の値は省略する。
次に、式(3)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。式(3)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.7219となっている。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち72.19%を式(3)の重回帰式で説明できている。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、第1実施形態及び第2実施形態に比べてグリース寿命時間の算出に必要な物性値の数が減少しているので、物性値を準備する手間を削減することができる。
また、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合には、第1の実施形態と同様に、上述した式(3)を求める第1設計工程と、該式(3)に基づいてグリースの物性値及び添加物の含有率を決定する第2設計工程とを実施する。
式(3)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づくことで、新たなグリースの設計・開発指針が得られ、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値及び添加物の含有率を決定することができる。したがって、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
〔第4実施形態〕
本実施形態では、第3実施形態で使用した各説明変数のうち、各添加剤に関する説明変数を除外してグリースの寿命時間を算出する。
本実施形態において、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(4)のように設定する。式(4)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
=bBβ+cCχ+dDδ+eEε+fFφ ・・・ (4)
式(4)示す重回帰式では、説明変数を、B,C,D,E,Fで表している。これらの説明変数は、グリースにおける、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値をそれぞれ代入するための変数である。
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(4)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。算出した係数及び指数を式(4)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。なお、本実施形態にて算出した係数及び指数の値は省略する。
次に、式(4)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図7を参照して説明する。図7は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。式(4)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.4768となっている。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち47.68%を式(4)の重回帰式で説明できている。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、第1実施形態から第3実施形態に比べてグリース寿命時間の算出に必要な物性値の数が減少しているので、物性値を準備する手間を削減することができる。
また、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合には、第1の実施形態と同様に、上述した式(4)を求める第1設計工程と、該式(4)に基づいてグリースの物性値を決定する第2設計工程とを実施する。
式(4)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づくことで、新たなグリースの設計・開発指針が得られ、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値を決定することができる。したがって、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
〔第5実施形態〕
本実施形態では、第4実施形態で使用した各説明変数のうち、基油浸透速度の説明変数を除外してグリースの寿命時間を算出する。
本実施形態において、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(5)のように設定する。式(5)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
=bBβ+cCχ+eEε+fFφ ・・・ (5)
式(5)示す重回帰式では、説明変数を、B,C,E,Fで表している。これらの説明変数は、グリースにおける、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値をそれぞれ代入するための変数である。
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(5)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。算出した係数及び指数を式(5)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。なお、本実施形態にて算出した係数及び指数の値は省略する。
次に、式(5)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図8を参照して説明する。図8は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。式(5)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.4849となっている。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち48.49%を式(5)の重回帰式で説明できている。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、第1実施形態から第4実施形態に比べてグリース寿命時間の算出に必要な物性値の数が減少しているので、物性値を準備する手間を削減することができる。
また、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合には、第1の実施形態と同様に、上述した式(5)を求める第1設計工程と、該式(5)に基づいてグリースの物性値を決定する第2設計工程とを実施する。
式(5)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づくことで、新たなグリースの設計・開発指針が得られ、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値を決定することができる。したがって、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
〔第6実施形態〕
本実施形態では、第2実施形態で使用した各説明変数のうち、各添加剤に関する説明変数を除外してグリースの寿命時間を算出する。
本実施形態において、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式を下記式(6)のように設定する。式(6)では算出されるグリースの寿命時間を、目的変数L(単位はh)で表している。
=aAα+bBβ+cCχ+dDδ+eEε+fFφ ・・・ (6)
式(6)示す重回帰式では、説明変数を、A,B,C,D,E,Fで表している。これらの説明変数は、グリースにおける、増ちょう剤分解温度、酸化開始温度、蒸発速度、基油浸透速度、基油浸透量、基油分離割合の各物性値をそれぞれ代入するための変数である。
次に、説明変数の係数及び指数を算出する。表1に示す各物性値及び添加剤の含有率の値を式(6)の対応する説明変数に代入して得られるグリースの寿命時間の算出値と、表2に示す四球試験機によって測定された寿命時間の計測値との間の差を、12種類のグリースの各々で算出して合計し、この合計した値が最小となるような説明変数の係数及び指数を算出する。算出した係数及び指数を式(6)に代入することで、グリースの寿命時間を算出するための重回帰式が導出される。なお、本実施形態にて算出した係数及び指数の値は省略する。
次に、式(6)の説明変数に表1の値を代入してグリースの寿命時間を算出した値(算出値)と、四球試験機によって得られた各グリースにおける寿命時間の計測値との間の関係を、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態におけるグリースの寿命時間の算出値と計測値との間の関係を示す概略図である。式(6)に示す重回帰式の決定係数(R)は、0.576となっている。本実施形態では、寿命時間の計測値のうち57.6%を式(6)の重回帰式で説明できている。したがって、本実施形態では、第1実施形態と同様の効果に加え、第1実施形態及び第2実施形態に比べてグリース寿命時間の算出に必要な物性値の数が減少しているので、物性値を準備する手間を削減することができる。
また、所定の寿命を有する新たなグリースを設計・開発する場合には、第1の実施形態と同様に、上述した式(6)を求める第1設計工程と、該式(6)に基づいてグリースの物性値を決定する第2設計工程とを実施する。
式(6)すなわち各説明変数の目的変数Lへの影響度に基づくことで、新たなグリースの設計・開発指針が得られ、この指針に従って所定の寿命を有するグリースの物性値を決定することができる。したがって、所定の寿命を有するグリースの設計・開発を効率よく行うことができ、設計・開発に要する時間を短縮することができる。
上述した第2実施形態から第6実施形態では、説明変数の数を減らす代わりにグリース寿命時間の算出値の精度が低下している。しかし、説明変数の数を減らすことで、グリースの物性値等又は添加物の含有率の測定が不要になることから、測定の手間は減少している。そのため、算出値に必要とされる精度と、物性値等を測定するための手間・コストとの関係を考えて、説明変数の数を適宜選択してよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、第1実施形態で示した物性値及び添加剤の含有率以外にも、グリースの基油供給能力、又は軸受等の適切な潤滑を長時間維持することに関係する所定の物性値をさらに加えて重回帰式を導出してもよい。
また、上記実施形態では、軸受の運転条件を示す変数は上述した説明変数に含まれていないが、これに限定されるものではなく、例えば軸受温度を示す値を新たな変数に加えて重回帰式を導出してもよい。

Claims (8)

  1. グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値に基づいて、前記グリースの寿命時間を算出することを特徴とするグリース寿命算出方法。
  2. 請求項1に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記物性値として、前記グリースの酸化開始温度と、蒸発速度と、基油浸透量と、負荷が加えられたときの基油分離割合と、を用いることを特徴とするグリース寿命算出方法。
  3. 請求項2に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記物性値として、さらに前記グリースの基油浸透速度を用いることを特徴とするグリース寿命算出方法。
  4. 請求項2又は3に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記物性値として、さらに前記グリースの増ちょう剤分解温度を用いることを特徴とするグリース寿命算出方法。
  5. 請求項2から4のいずれか一項に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記物性値として、さらに前記グリースの基油粘度を用いることを特徴とするグリース寿命算出方法。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記物性値及び前記グリースの成分比率に基づいて、前記グリースの寿命時間を算出することを特徴とするグリース寿命算出方法。
  7. 請求項6に記載のグリース寿命算出方法において、
    前記成分比率として、前記グリースに含まれるリン、ホウ素、ナトリウム、カルシウム、亜鉛、及びモリブデンの各含有率を用いることを特徴とするグリース寿命算出方法。
  8. グリース潤滑のメカニズムに関係するグリースの物性値とグリース寿命予測値との関係式を求める第1設計工程と、
    前記第1設計工程で得られた前記関係式に基づいて、前記物性値の値を決定する第2設計工程とを有することを特徴とするグリース設計方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016132684A1 (ja) * 2015-02-18 2016-08-25 日本電気株式会社 影響度可視化システム、方法およびプログラム
CN106596903A (zh) * 2016-11-29 2017-04-26 洛阳双瑞特种装备有限公司 一种桥梁支座用硅脂使用寿命预测方法

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