JP2011185797A - 薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法 - Google Patents

薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】探針バイアス方法を用いても高抵抗の半導体薄膜の抵抗率をより正確に測定することができる薄膜抵抗測定装置を提供する。
【解決手段】薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置100であって、所定の間隔で離間され、薄膜に接触させて薄膜に所定の定電流を供給するための第1端子1及び第2端子2と、薄膜に接触させて薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための第3端子3と、第1端子1及び第2端子2に接続された定電流源13と、第1端子1及び第2端子2と、第3端子3とに所定のバイアス電圧を供給するためのバイアス電圧印加部14とを備え、第1端子1は第2端子2に対して高電位であり、第3端子3は、第1端子1を囲むように、ループ状に構成されている、又は、当該第3端子3と第2端子2とによって平面を構成するように配置されている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法に関する。特に、液晶ディスプレイ又は有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等に用いられる薄膜トランジスタ等における半導体薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法に関する。
半導体薄膜等の各種薄膜の抵抗率を測定する場合、一般的には、シート抵抗測定装置が用いられる。従来のシート抵抗測定装置は、4探針法又は2探針法という測定法に基づいてシート抵抗(薄膜抵抗)を測定するものである。
図21A及び図21Bは、それぞれ、4探針法及び2探針法を用いた従来のシート抗測定装置の要部概略構成を示した図である。図21Aに示すように、4探針法による従来のシート抵抗測定装置300は、一列に並んだ4本の探針を用いるものであり、外側の2本の探針301、302によって薄膜に定電流を流し、内側の2本の探針304、305によって薄膜の電圧を測定するものである。また、図21Bに示すように、2探針法による従来のシート抵抗測定装置400は、4探針法の電流印加の探針と電圧測定の探針とを共用した構成となっており、2本の探針401、402を備える。
図22は、4探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置300の模式図である。図22に示すように、4探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置300は、被測定物の試料を載せるステージ320と、4つの探針が設けられたプローブヘッド311とを備える。プローブヘッド311は、上下方向に移動可能に制御される。ステージ320は、YY平面(XY,XYθ,Rθ)上を任意に移動可能に制御される。ステージ320を移動させることにより任意の測定位置にプローブヘッド311を配置することができる。薄膜抵抗を測定する際は、プローブヘッド311を下げてプローブヘッド311の探針を薄膜に接触させる。
図22に示すように、プローブヘッド311には、4つの探針が直線状に配置されている。外側の2本の探針301、302は薄膜に定電流を流すための探針であり、内側の2本の探針304、305は薄膜の電圧を測定するための探針である。また、プローブヘッド311には、定電流源313及び電圧測定回路315が接続されている。定電流源313は外側の探針301、302に定電流を供給するものである。また、電圧測定回路315は、内側の探針304、305からの出力電圧によって探針間における被測定物の電位差を測定するものである。従来、4探針法を用いたシート抵抗測定回路として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。
図23は、2探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置の模式図である。図23に示すように、2探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置400は、図22の4探針法を用いたシート抵抗測定装置300と同様の構成である。4探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置300との違いは、プローブヘッド411の構成、及び、探針401、402と定電流源413又は電圧測定回路415との接続方法である。すなわち、上述の図22に示す4探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置400では、電流供給の探針と電圧測定の探針とを別々に構成した。これに対し、図23に示す2探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置300では、電流印加の探針と電圧測定の探針とを共用し、探針は2本の探針401、402で構成されている。
従来の2探針法のシート抵抗測定装置を用いて測定できるシート抵抗の測定範囲は、およそ100M(1×106)Ω/sqから1T(1×1012)Ω/sqまでの範囲である。また、従来の4探針法のシート抵抗測定装置を用いて測定できるシート抵抗の測定範囲は、およそ1m(1×10-3)Ω/sqから100M(1×106)Ω/sqまでの範囲である。
物質の電気抵抗(Ω)は、物質の導電性の尺度として一般的に用いられているものである。電気抵抗(Ω)を単位体積(1cm×1cm×1cm)当たりで示した値が、抵抗率(体積抵抗率)ρ(Ω・cm)である。
ここで、ある物質の断面積をS、幅をW、厚さをTとすると、S(cm2)=W(cm)×T(cm)として表される。この物質に一定電流I(A)を流したときに、距離L(cm)だけ離れた位置における電位差E(V)を計測すると、抵抗率ρは、以下に示す式(1)として表すことができる。
ρ(Ω・cm)=(E/I)・(W×T/L)=(E/I)・(S/L) 式(1)
また、薄膜表面の伝導率(抵抗)を必要とする場合、又は、厚さが不明の薄膜の場合には、抵抗率ρではなくシート抵抗(表面抵抗率)ρs(Ω/sq,Ω/cm2)を用いて表すことができる。この場合、上記式(1)の抵抗率ρは以下の式(2)で表すことができる。また、シート抵抗ρsは、以下の式(3)として表すことができる。
ρ(Ω・cm)=(E/I)・(W/L) 式(2)
ρs(Ω/sq)=ρ/T 式(3)
ここで、絶縁物上に形成された高抵抗の半導体薄膜のシート抵抗を測定する場合、絶縁物中又は絶縁物界面の電荷によって半導体薄膜が空乏化し、本来のシート抵抗よりも2桁から3桁ほど抵抗値が高くなる現象が現れる。この現象について図24を用いて説明する。図24は、化学気相成長法(CVD法)によって成膜したn+a−Si(リンドープのa−Si)からなる半導体薄膜について、膜厚とシート抵抗との関係を示した図である。なお、シート抵抗は、2探針法のシート抵抗測定装置によって測定した。
図24に示すように、膜厚が180nmの場合のシート抵抗は1E+8(1×108)(Ω/sq)である。一方、膜厚が50nm以下の場合のシート抵抗は、1E+11(1×1011)(Ω/sq)ないし1E+12(1×1012)(Ω/sq)である。抵抗率に換算しても、薄い膜厚の方がシート抵抗(表面抵抗率)は2桁ほど高くなっていることが分かる。
このような結果になることについて、図25A〜図25Cを用いて説明する。図25A〜図25Cは、半導体薄膜のシート抵抗を測定する場合において、半導体薄膜の膜厚の変化に伴って変化する空乏化層を示した半導体装置の断面図である。なお、図25A〜図25Cに示すように、各半導体装置510、520、530は、それぞれ、SiO2の絶縁物511、521、531上に、n+a−Siからなる半導体薄膜512、522、532が形成されたものである。また、2本の電圧測定用の探針401、402によって電圧を測定することによりシート抵抗を測定している。図25A〜図25Cにおいて、端子間下方に示される三角形の領域は電流経路を示している。
絶縁物511、521、531と半導体薄膜512、522、532との界面には界面準位と呼ばれる固定電荷が存在する。従って、図25A及び図25Bに示すように、半導体薄膜の厚さが比較的薄い場合は、半導体薄膜512、522はほぼ全て空乏化している。すなわち、キャリアが存在しない状態となっている。一方、半導体薄膜の厚さが図25Bに示す厚さよりも厚くなっていくと、図25Cに示すように、半導体薄膜532の膜厚が厚くなったためにその一部は空乏化せずに導電層533となり、抵抗が低下する状態となる。
図26は、図25A〜図25Cに示す半導体薄膜のシート抵抗が変化する様子を示す図であり、n+a−Siの半導体薄膜における膜厚とシート抵抗との関係を示した図である。なお、図26中、実線で示す曲線は、絶縁物(SiO2)に固定電荷がある場合を示しており、図24に示す関係と同様の関係を示す曲線である。また、図26中、破線で示す曲線は、絶縁物に固定電荷がない場合を示している。
図26に示すように、n+a−Siの半導体薄膜の膜厚を徐々に大きくしていくと、絶縁物に固定電荷がある場合(実線)は、ある膜厚領域を境にして半導体薄膜の一部が空乏化しなくなる。このように、半導体薄膜の一部が空乏化しなくなるような膜厚に達すると、シート抵抗は急激に低下することになる。
これは、図25A〜図25Cで説明したように、膜厚が薄い場合は、絶縁物中又は絶縁物界面の固定電荷によって半導体薄膜が空乏化し、これによりシート抵抗が高く測定されるからである。逆に、膜厚が厚くなると、その一部は空乏化せずに導電層となり、抵抗が低下することになるからである。
なお、絶縁物中の固定電荷をなくすことができれば空乏化しなくなるので、図26の実線で示すような上記の現象は生じなくなり、破線で示すような曲線となる。しかしながら、図26の破線で示す曲線は理想的な状態であって、現実には難しい。これは、絶縁物中の固定電荷の多くは界面付近の結合を形成しない原子によってもたらされるため、固定電荷をなくすことは難しいからである。
このように、半導体薄膜のシート抵抗を測定する際に、半導体薄膜の一部が空乏化すること自体は、特殊な現象ではなく通常に起こっている現象である。但し、不純物濃度(キャリア濃度)が大きい場合は、空乏化している層(空乏層)はわずか1nm程度以下であり、誤差の範囲である。従って、この場合、本来半導体薄膜が有する真のシート抵抗と実測されるシート抵抗との差はごくわずかであるので、実効的に問題は生じていなかった。
ところが、液晶ディスプレイなどに用いられる薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)を構成するn+a−Si等の半導体薄膜の場合は、他のデバイスの半導体薄膜よりも、2桁から3桁程度、不純物濃度(キャリア濃度)が低い。従って、n+a−Si等の半導体薄膜では、空乏層が2桁から3桁程度広くなり、50nm程度にまで達する。従って、TFT等の半導体薄膜はシート抵抗が高くなり、真のシート抵抗が測定できないという問題が生じる。
この問題を解決する方法として2つの方法が知られている。1つ目の方法は、基板にバイアスをかけることにより、絶縁物中又は絶縁物界面の固定電荷を打ち消すという基板バイアス方法である。2つ目の方法は、基板はフローティングのままで、シート抵抗測定装置の探針にバイアスをかけて絶縁物中又は絶縁物界面の固定電荷を打ち消すという探針バイアス方法である。
特開平8−278335号公報
しかしながら、基板バイアス方法及び探針バイアス方法は、通常、素子形成後などに用いられるプローバと呼ばれる電気測定装置において用いられる方法であり、薄膜形成後、パターンを形成せずに、探針を用いて薄膜抵抗を測定するような薄膜抵抗測定装置では用いられていない。しかも、薄膜抵抗測定装置を改造して上記2つの方法を適用することは非常に困難である。
本発明が課題としているのは、薄膜形成後、パターンを形成せずに探針を用いて薄膜抵抗を測定するための薄膜抵抗測定装置についてである。
以下、プローバと薄膜抵抗測定装置(「シート抵抗測定装置」又は単に「抵抗測定装置」と呼ばれることもある)の違いについて説明する。
プローバとは、半導体集積回路や液晶ディスプレイデバイスなど微細な回路素子の製造後に回路素子の特性を測定するための装置であり、パッドと呼ばれる回路素子の取出し部にプローブ(接触子)を接触させて所定の信号を入力し計測する装置のことである。
プローバは、定電圧源、定電流源、電圧測定回路、電流測定回路及び容量測定回路等が、スイッチングボックス(接続切り替え器)を介してプローブに接続された構成を備える。プローバでは、プログラムによってプローブに任意の電圧又は電流を印加して、プローブに発生する電圧や電流が計測される。
これに対し、薄膜抵抗測定装置は、上述のように4探針法又は2探針法を用いて、半導体薄膜又は金属薄膜についての表面低効率(シート抵抗)又は体積抵抗率等の抵抗率を簡単に高精度に測定することができる専用の測定装置である。
薄膜抵抗測定装置は、クリーンルーム内のスパッタ装置又はCVD装置などの薄膜形成装置の近くに置かれることが多く、薄膜成膜直後、パターンを形成する前に測定する用途として用いられる。
また、プローバは、プログラムによって、印加する電圧及び電流を決定することができるため、上述した基板バイアス方法又は探針バイアス方法を容易に用いることができる。しかし、プローバは汎用装置であるため、スイッチングボックスや長い配線などによって漏れ電流が発生するので、高抵抗の薄膜測定には不向きである。しかも、プログラムを作成しなければならないので、簡便性に欠ける面もある。
一方、薄膜抵抗測定装置は、専用装置であるため、パターンを形成する必要もなく非常に簡便に測定できるという特徴がある。もっとも、高抵抗薄膜の薄膜抵抗を測定するためには、回路間の絶縁性を確保する等、高精度の回路にする必要があること、また、試料を置くだけで自動測定することができる等の簡便性が求められる。このため、基板バイアス方法又は探針バイアス方法を印加できる薄膜抵抗測定装置は市販されていないし、使用者が容易に改造できるものでもない。
このように、基板バイアス方法又は探針バイアス方法を容易に印加できる薄膜抵抗測定装置を入手したり改良したりすること困難ではある。しかしながら、半導体薄膜の薄膜測定において、絶縁物中又は絶縁物界面の固定電荷を打ち消す方法として、基板バイアス方法又は探針バイアス方法は有効であると考えられる。
そこで、本願の発明者らは、基板バイアス方法又は探針バイアス方法を薄膜抵抗測定装置に適用し、適用した場合の課題を解決することを試みた。以下、この点について詳述する。
まず、基板バイアス方法を薄膜抵抗測定装置に適用した場合について説明する。
図27A〜図27Cは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に基板バイアス方法を適用した場合において、半導体薄膜の膜厚の変化に伴う半導体薄膜の様子を表した半導体装置の断面図である。なお、4探針法と2探針法とでは探針の数は異なるが、ここでの説明では探針の数が異なっても特に違いが生ずることはないので、以下、2探針法の場合で説明する。
図27A〜図27Cに示す半導体装置610、620、630は、低抵抗の金属又は半導体からなる基板611、621、631上に、SiO2からなる絶縁物612、622、632と、n+a−Siからなる半導体薄膜613、623、633とが順次形成されたものである。また、2本の電圧測定用の探針401、402によって電圧を測定することにより半導体薄膜のシート抵抗を測定する。
基板バイアス方法を適用する場合、図27A〜図27Cに示すように、電源616等によって基板611、621、631に所定のバイアスをかける。この場合、絶縁物612、622、632と半導体薄膜613、623、633との界面には界面順位と呼ばれる固定電荷が存在するが、基板611、621、631に所定のバイアスをかけているので、図27Aに示すように、半導体薄膜613の膜厚が薄い場合であっても、半導体薄膜613は空乏化せずに導電層614の領域が形成される。
また、図27B及び図27Cにおいては、もともと膜厚が厚いことから半導体薄膜623、633は全て空乏化しないこともあるが、基板621、631に所定のバイアスをかけることにより半導体薄膜623、633には空乏層が形成されず、全て導電層624、634となっている。
この場合、実測されるシート抵抗は、基板611、621、631に印加するバイアス電圧に依存する。この様子について図28を用いて説明する。図28は、基板バイアス方法を適用した2探針法による薄膜抵抗測定装置において、基板バイアス電圧を変化させた場合における膜厚とシート抵抗との関係をプロットした図である。図28中、曲線A、曲線B、曲線C及び曲線Dは、それぞれ基板バイアス電圧が、0(V)、5(V)、10(V)、15(V)の場合を示している。
図28に示すように、基板バイアス電圧が大きくなればなるほど、大きなシート抵抗を示す膜厚の範囲は縮小していくことが分かる。例えば、半導体薄膜の膜厚が30nmの場合のる特定の膜厚に注目してみると、図29に示すように、シート抵抗は、ある基板バイアス電圧に達すると急激に低下し、その基板バイアス電圧以上になると低下しなくなることが分かる。従って、予め十分な基板バイアス電圧(図26の場合は15V程度以上)をかけて測定することにより、空乏層の影響を排除してほぼ真のシート抵抗を測定することができる。
しかしながら、この基板バイアス方法は、バイアス電圧を印加する基板が、金属等の導体又は低抵抗の半導体である必要があり、液晶ディスプレイなどに用いられるガラス基板等の絶縁物基板に対しては適用することができない。
そこで、次に、探針バイアス方法を薄膜抵抗測定装置に適用した場合について説明する。
図30A〜図30Cは、2探針法による薄膜抵抗測定装置に探針バイアス方法を適用した場合において、半導体薄膜の膜厚の変化に伴う半導体薄膜が変化する様子を表した半導体装置の断面図である。なお、この場合においても、4探針法と2探針法とでは特に違いが生ずることはないので、2探針法の場合で説明する。
この方法は、液晶ディスプレイなどに用いられるガラス基板等の絶縁物基板であっても実現できる方法である。
図30A〜図30Cに示すように、各半導体装置710、720、730は、SiO2からなる絶縁物711、721、731上に、n+a−Siからなる半導体薄膜712、722、732が形成されたものである。また、2本の電圧測定用の探針401、402によって出力電圧を測定することにより半導体薄膜のシート抵抗を測定することができる。
探針バイアス方法を適用する場合、図30A〜図30Cに示すように、電圧測定用の探針401、402には、電源416によって所定のバイアスがかけられる。この場合、絶縁物711、721、731と半導体薄膜712、722、732との界面には界面順位と呼ばれる固定電荷が存在するが、電圧測定用の探針401、402に所定のバイアスをかけているため、図30A〜図30Cに示すように、半導体薄膜712、722、732が空乏化してもごく薄い層(領域)ではあるが、半導体膜厚に電流が流れるようになる。これは、実験により絶縁物よりも低いシート抵抗値が測定されることがその裏づけである。なお、図30Cの膜厚が厚い場合は、導電層733の領域が形成されている。
このように、電圧測定用の探針401、402にバイアスをかけることにより、電流が流れる層(領域)ができ、抵抗を下げることができる。実験的に、図30Aに示す半導体薄膜が薄い場合に比べて、半導体薄膜がやや厚い図30Bの場合の方が、電流が流れる層(領域)が大きくなることを確認した。
以上説明した探針バイアス方法は、半導体薄膜がガラスのような絶縁物基板に形成された場合にも適用できるという利点がある。
しかしながら、基板バイアス方法の場合に比べて、バイアス印加による効果が十分ではない。この点について図31を用いて説明する。図31は、探針バイアス電圧を変化させた場合における膜厚とシート抵抗との関係をプロットしたものである。図31中、曲線A、曲線B、曲線C及び曲線Dは、それぞれ探針バイアス電圧が、0(V)、5(V)、10(V)、15(V)の場合を示している。
図31に示すように、探針バイアス電圧が大きくなればなるほど、大きなシート抵抗を示す膜厚の範囲は縮小していることが分かる。
しかしながら、図28に示した基板バイアス電圧を印加した場合と比べると、大きなシート抵抗を示す膜厚の範囲が縮小する割合は小さい。すなわち、探針バイアス電圧を印加してもあまりシート抵抗値が下がらない領域があるということが分かる。例えば、図32に示すように、半導体薄膜の膜厚が30nmの場合の特定の膜厚に注目した場合、図29に示す基板バイアス方法の場合と比べて、探針バイアスをかけたときのシート抵抗値の低下が緩慢であることが分かる。
このように従来は、n+a−Si等の高抵抗の半導体薄膜については空乏化しやすいことから、探針バイアス方法を用いて半導体薄膜のシート抵抗(表面抵抗率)を測定しようとしても、正確なシート抵抗値を測定することができないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、探針バイアス方法を用いても高抵抗の半導体薄膜の抵抗率をより正確に測定することができる薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法を提供することを目的とする。また、広範囲の抵抗測定領域を実現することができる薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置であって、所定の間隔で離間され、前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定の定電流を供給するための第1端子及び第2端子と、前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための第3端子と、前記第1端子及び前記第2端子に接続された定電流源と、前記第1端子及び前記第2端子と、前記第3端子とに所定のバイアス電圧を供給するためのバイアス電圧印加部と、前記薄膜からの出力電圧を測定するための電圧測定回路とを備え、前記第1端子は前記第2端子に対して高電位であり、前記第3端子は、前記第1端子を囲むようにループ状に構成されている、又は、前記第1端子を囲むように当該第3端子と前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている。
また、本発明に係る薄膜抵抗測定方法の一態様は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定方法であって、定電流源及びバイアス電圧印加部に接続された第1端子及び第2端子を前記薄膜に接触させて、前記薄膜に定電流を供給するとともにバイアス電圧を印加する工程と、バイアス電圧印加部に接続され、前記第2端子よりも高電位である前記第1端子を囲むように、ループ状に構成されている、又は、前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている第3端子を、前記薄膜に接触させることにより前記薄膜にバイアス電圧を印加する工程と、前記第1端子及び前記第2端子によって、又は、前記第1端子及び第2端子とは異なる端子である第4端子及び第5端子によって、前記薄膜からの出力電圧を測定する工程とを備える。
本発明に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法によれば、絶縁物上に形成された高抵抗の半導体薄膜であっても、より正確に薄膜の抵抗率を測定することができる。また、本発明に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法によれば、広い範囲の抵抗測定領域を実現することができる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置のブロック図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブとステージの概略構成を示す模式図である。 図2Aは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図2Bは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図3Aは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図3Bは、図3Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図4Aは、薄い膜厚の半導体薄膜の抵抗率を本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図4Bは、中程度の膜厚の半導体薄膜の抵抗率を本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図4Cは、厚い膜厚の半導体薄膜の抵抗率を本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図5は、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置において、第3端子に印加するバイアス電圧を変化させた場合における、膜厚とシート抵抗との関係をプロットした図である。 図6は、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置において、膜厚が30nmの半導体薄膜についてのバイアス電圧とシート抵抗との関係をプロットした図である。 図7Aは、本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図7Bは、本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図8Aは、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図8Bは、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図9Aは、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図9Bは、図9Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図10Aは、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図10Bは、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図11Aは、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図11Bは、図11Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図12は、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブとステージの概略構成を示す模式図である。 図13Aは、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図13Bは、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置における端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図14Aは、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図14Bは、図14Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図15Aは、本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図15Bは、本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図16Aは、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図16Bは、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図17Aは、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図17Bは、図17Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図18Aは、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。 図18Bは、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。 図19Aは、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。 図19Bは、図19Aにおける電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。 図20は、n+a−Siの半導体薄膜のシート抵抗と膜厚との関係において、本発明に係る薄膜抵抗測定装置と従来に係る薄膜抵抗測定装置との測定可能領域を示す図である。 図21Aは、4探針法を用いた従来のシート抗測定装置の要部概略構成を示した図である。 図21Bは、2探針法を用いた従来のシート抗測定装置の要部概略構成を示した図である。 図22は、4探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置の模式図である。 図23は、2探針法を用いた従来のシート抵抗測定装置の模式図である。 図24は、n+a−Siからなる半導体薄膜における膜厚とシート抵抗との関係を示した図である。 図25Aは、薄い膜厚の半導体薄膜の抵抗率を2探針法による従来の薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図25Bは、中程度の膜厚の半導体薄膜の抵抗率を2探針法による従来の薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図25Cは、厚い膜厚の半導体薄膜の抵抗率を2探針法による従来の薄膜抵抗測定装置によって測定する場合の半導体装置の断面図である。 図26は、n+a−Siの半導体薄膜における膜厚とシート抵抗との関係を示した図である。 図27Aは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に基板バイアス方法を適用した場合における、薄い膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図27Bは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に基板バイアス方法を適用した場合における、中程度の膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図27Cは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に基板バイアス方法を適用した場合における、厚い膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図28は、基板バイアス方法を適用した2探針法による薄膜抵抗測定装置において、基板バイアス電圧を変化させた場合における膜厚とシート抵抗との関係をプロットした図である。 図29は、基板バイアス方法を適用した2探針法による薄膜抵抗測定装置において、膜厚が30nmについての半導体薄膜の基板バイアス電圧とシート抵抗との関係をプロットした図である。 図30Aは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に探針バイアス方法を適用した場合における、薄い膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図30Bは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に探針バイアス方法を適用した場合における、中程度の膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図30Cは、2探針法の薄膜抵抗測定装置に探針バイアス方法を適用した場合における、厚い膜厚の半導体薄膜が形成された半導体装置の断面図である。 図31は、探針バイアス方法を適用した2探針法による薄膜抵抗測定装置において、基板バイアス電圧を変化させた場合における膜厚とシート抵抗との関係をプロットした図である。 図32は、探針バイアス方法を適用した2探針法による薄膜抵抗測定装置において、膜厚が30nmについての半導体薄膜の基板バイアス電圧とシート抵抗との関係をプロットした図である。
上記問題を解決するために、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置であって、所定の間隔で離間され、前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定の定電流を供給するための第1端子及び第2端子と、前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための第3端子と、前記第1端子及び前記第2端子に接続された定電流源と、前記第1端子及び前記第2端子と、前記第3端子とに所定のバイアス電圧を供給するためのバイアス電圧印加部と、前記薄膜からの出力電圧を測定するための電圧測定回路とを備え、前記第1端子は前記第2端子に対して高電位であり、前記第3端子は、前記第1端子を囲むようにループ状に構成されている、又は、前記第1端子を囲むように当該第3端子と前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている。
このように、薄膜にバイアス電圧を印加する端子が面を構成するようにして配置されているので、薄膜に対して平面的な広い領域にバイアス電圧を印加することができる。これにより、薄膜に対して平面的な広い領域に電界領域を形成することができる。また、高電位の第1端子を囲むように第3端子を配置しているので、深い領域にまで電界領域を形成することができる。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第1端子及び前記第2端子は、前記電圧測定回路に接続されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第1端子及び前記第2端子を挟み、所定の間隔で離間された第4端子及び第5端子を備え、前記第4端子及び前記第5端子は、前記電圧測定回路に接続されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第1端子又は前記第2端子に供給されるバイアス電圧と、前記第3端子に供給されるバイアス電圧とは異なることが好ましい。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第2端子に供給されるバイアス電圧と前記第3端子に供給されるバイアス電圧とが同じであり、前記第1端子は、前記第2端子と前記第3端子とによって囲まれていることが好ましい。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第3端子は、前記ループ状であって、前記第3端子は、前記第1端子に加えて前記第2端子も囲むように構成されていることが好ましい。
さらに、本発明に係る薄膜抵抗測定装置の一態様において、前記第3端子が複数本の探針からなり、平面視したときに、前記第3端子は環状に配置されることが好ましい。
また、本発明に係る薄膜抵抗測定方法の一態様は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定方法であって、定電流源及びバイアス電圧印加部に接続された第1端子及び第2端子を前記薄膜に接触させて、前記薄膜に定電流を供給するとともにバイアス電圧を印加する工程と、バイアス電圧印加部に接続され、前記第2端子よりも高電位である前記第1端子を囲むように、ループ状に構成されている、又は、前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている第3端子を、前記薄膜に接触させることにより前記薄膜にバイアス電圧を印加する工程と、前記第1端子及び前記第2端子によって、又は、前記第1端子及び第2端子とは異なる端子である第4端子及び第5端子によって、前記薄膜からの出力電圧を測定する工程とを備える。
以下、本発明の実施形態に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法について、図面を参照しながら説明する。
以下説明する本発明の実施の形態に係る薄膜抵抗測定装置は、薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置である。被測定物である薄膜としては、例えば、低い不純物濃度(キャリア濃度)である高抵抗の半導体薄膜等がある。以下の各実施形態では、被測定物の薄膜として、TFTを構成するn+a−Siの半導体薄膜を用いた。また、試料としては、ガラス基板上の絶縁物(SiO2)上にn+a−Siが形成されたものを用いた。なお、n+a−Siは、a−Si(アモルファスシリコン)である非晶質シリコンに、不純物としてリン(P)を高濃度にドーピングすることにより形成されるものであり、n+層とも呼ばれる。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置について説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置のブロック図である。
図1Aに示すように、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100は、2探針法を用いた薄膜抵抗測定装置であって、プローブ10、ステージ20、制御部30及び演算部40を備える。さらに、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100は、使用者とのユーザーインターフェイスに相当する、入力部50、表示部60、印字部70、記録部80及び通信部90を備える。
プローブ10は、プローブヘッド11に設けられた端子部12、定電流源13、バイアス電圧印加部14及び電圧測定回路15を備える。端子部12は、薄膜の抵抗率を測定する際、被測定物である薄膜に接触させるための複数の端子(「探針」とも称す)で構成される。定電流源13は、端子部12の所定の端子に一定電流を供給する電源である。バイアス電圧印加部14は、本実施形態の特徴構成でもあり、端子部12の所定の端子に所定のバイアス電圧を印加するものである。電圧測定回路15は、端子部12の所定の端子によって被測定物である薄膜からの出力電圧を測定する回路である。
ステージ20は、被測定物となる薄膜を有する試料を載せる台である。試料はステージ20によって保持される。ステージ20の電位は、接地又はフローティングのどちらでもよいが、本実施形態では、試料のステージに接触する部分がガラス基板であることから、ステージはフローティング状態にして測定を行った。
制御部30は、プローブヘッド位置制御部31、印加電流制御部32、電圧印加制御部33及びステージ制御部34を備える。プローブヘッド位置制御部31は、端子部12が設けられるプローブヘッド11の位置を制御する制御回路である。印加電流制御部32は、定電流源13の定電流の値を制御する制御回路である。電圧印加制御部33は、バイアス電圧印加部14が出力するバイアス電圧を制御する制御回路である。ステージ制御部34は、ステージ20の位置を制御する制御回路である。
演算部40は、電圧測定回路15によって測定された出力電圧と、定電流源13の定電流値と、出力電圧を測定した端子間距離とに基づいて、被測定物である薄膜の抵抗率を算出するものである。演算部40は、プロセッサ又はプロセッサを備えたパーソナルコンピュータ等の既知のハードウェアで構成されている。
入力部50は、制御対象を制御するために制御部30の各制御回路に所定の信号を入力するものであり、入力ボタン又は入力タッチパネル等で構成されている。
表示部60は、演算部40で算出された薄膜抵抗の値等を表示するものであり、例えば、LCD等のディスプレイで構成されている。
印字部70は、演算部40で算出された薄膜抵抗の値等を印字するものであり、例えば、プリンターで構成されている。
記録部80は、演算部40で算出された薄膜抵抗の値等を記録するものであり、メモリ等で構成されている。
通信部90は、演算部40で算出された薄膜抵抗の値等を外部に送信する等、外部装置との通信を行うためのものである。
次に、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100におけるプローブ10とステージ20について、図1Bを参照して詳述する。図1Bは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブとステージの概略構成を示す模式図である。
図1Bに示すように、プローブ10は、プローブヘッド11に設けられた端子部12と、定電流源13と、バイアス電圧印加部14と、電圧測定回路15とがモジュール化されたものである。プローブヘッド11は、プローブヘッド位置制御部31によって上下方向に移動可能に制御される。ステージ20は、ステージ制御部34によってYY平面(XY,XYθ,Rθ)上を任意に移動可能に制御される。これにより、ステージ20上の任意の測定位置にプローブヘッド11を配置することができる。
薄膜の抵抗率を測定する際は、ステージ20の上に被測定物の試料を載せ、試料がプローブヘッド11に対向するようにステージ20を移動させる。その後、プローブヘッド位置制御部31によってプローブヘッド11を下げて、端子部12の端子(探針)を試料の薄膜に接触させる。これにより、薄膜の抵抗率を測定することができる。
次に、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの構成について、図2A及び図2Bを用いてさらに詳細に説明する。図2Aは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。また、図2Bは、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。
図2Aに示すように、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置のプローブ10は、第1端子1、第2端子2及び第3端子3からなる端子部12と、定電流源13と、電圧測定回路15と、バイアス電圧印加部14とを備える。
第1端子1及び第2端子2は、所定の間隔で離間されて配置されている。第1端子1及び第2端子2は定電流源13に接続されており、薄膜の抵抗率を測定する際、第1端子1及び第2端子2を薄膜に接触させることにより薄膜に所定の定電流が供給される。
本実施形態において、第1端子1及び第2端子2は、さらに、電圧測定回路15にも接続されている。すなわち、本実施形態において、第1端子1及び第2端子2は、薄膜からの出力電圧を測定するための電圧測定用の端子でもある。
このように、本実施形態における第1端子1及び第2端子2は、薄膜に定電流を供給するための端子であって、薄膜の出力電圧を測定するための端子でもある。つまり、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100は、2探針法を用いた薄膜抵抗測定装置に関するものである。
さらに、本実施形態においては、第1端子1及び第2端子2は、薄膜の抵抗率を測定する際、薄膜に接触させて薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための端子でもある。薄膜に印加するバイアス電圧は、バイアス電圧印加部14から供給される。本実施形態では、第2端子2がバイアス電圧印加部14に直接に接続されている。従って、第1端子1は高電位の電圧(高電圧)となり、第2端子2は、低電位の電圧(低電圧)となる。
第3端子3は、薄膜の抵抗率を測定する際、薄膜に接触させて薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための端子である。第3端子3は、複数本の端子(探針)からなり、全てバイアス電圧印加部14に接続されている。従って、第3端子3は、第2端子2と同電位であり、第2端子2と同じ低電位の電圧となっている。
また、複数本の第3端子3は、図2A及び図2Bに示すように、当該第3端子3と第1端子1と第2端子2とは直線状に配置されずに、当該第3端子3と第1端子1と第2端子2とよって平面を構成するように配置されている。つまり、バイアス電圧印加部14によって薄膜にバイアス電圧を印加する端子群は、図2Bに示すように、その先端部が二次元的な面を構成するようにして配置されている。
また、本実施形態では、第3端子3は、高電圧側の第1端子1も低電圧側の第2端子2もいずれの端子をも囲むようにして配置されている。なお、本実施形態において、第3端子3は、8本の端子で構成されており、平面視したときに、同じ円上であって等間隔に位置するように環状に配置されている。
定電流源13は、第1端子1及び第2端子2に、それぞれ所定の定電流を供給するための電源である。
電圧測定回路15は、第1端子1及び第2端子2によって得られる薄膜からの出力電圧を測定するための制御回路であり、増幅器等の既知の構成を備えている。電圧測定回路15によって測定した第1端子1と第2端子2との間の電位差と、定電流源13の電流値と、第1端子1と第2端子2との端子間距離とに基づいて、被測定物である薄膜の抵抗率を算出することができる。
バイアス電圧印加部14は、第1端子1、第2端子2及び第3端子3のそれぞれの端子に、所定のバイアス電圧を印加するものである。本実施形態では、図2Aに示すように、電源16によって構成されている。本実施形態では、上述のとおり、第2端子2と第3端子3とは同電位のバイアス電圧が印加される。また、第1端子1には、少なくとも薄膜の抵抗率による電圧成分が重畳されたバイアス電圧が印加される。
以上のように構成される薄膜抵抗測定装置100において、第1端子1、第2端子2及び第3端子3の合計10本の端子は、全て、材質がタングステンカーバイドであり、大きさがφ0.5mm×17.5mmであり、先端半径が150μmであり、針圧は100〜200gである。また、8本の第3端子3は、端子外周半径が2mmとなるように円状に配置されている。端子外周半径は、測定しようとする薄膜の種類や厚さ等によって変動し、当該半径を小さくすると端子を束ねる加工が難しくなり、逆に、半径を大きくするとバイアスとして印加する電圧を高くする必要が生ずる。例えば、膜厚が30nm程度のa−Siの半導体薄膜に対しては、端子外周半径は1〜3mm程度とすることが好ましい。なお、端子を保持する機構又は針圧をかける機構等は、既知のプローブヘッドと同じように構成することができる。
また、本実施形態は、上述のとおり、電流供給と電圧測定の端子(探針)を共用にした2探針法の薄膜抵抗測定装置に関する。従って、その他の詳細な測定方法等については2探針法に準拠する。
次に、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定方法について説明する。
まず、被測定物である薄膜が形成された試料をステージ20に載せ、ステージ20を移動させることにより試料をプローブヘッド11に対向させる。
次に、プローブヘッド11を下降させて、第1端子1、第2端子2及び第3端子3を所定の針圧で薄膜に接触させる。
次に、第1端子1、第2端子2及び第3端子3によって、薄膜に定電流を供給するとともにバイアス電圧を印加する。なお、第1端子1、第2端子2及び第3端子3に定電流及びバイアス電圧が印加した状態で、その後で各端子を薄膜に接触させてもよい。
次に、電圧測定回路15によって、電圧測定用端子(第1端子1及び第2端子2)が接触する部分の薄膜における出力電圧を測定する。
測定された出力電圧は演算部40に送信され、当該出力電圧と、電圧測定用端子間の距離と、第2端子2を流れる電流値とに基づき、演算部40によって薄膜の抵抗率が算出される。
次に、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100によって薄膜の抵抗率を測定するときの薄膜の状態について図3A及び図3Bを参照しながら説明する。図3Aは、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置によって薄膜の抵抗率を測定する場合における薄膜内部の状態を模式的に示した断面図である。図3Bは、そのときの電界分布の状態を示した薄膜の平面図である。なお、本実施形態では、図3Aに示すように、試料として、SiO2の絶縁物201上にn+a−Siからなる半導体薄膜202が形成された半導体装置200を用いた。
半導体薄膜202の抵抗率を測定する際、本実施形態では、バイアス電圧印加部14によって、第1端子1、第2端子2及び第3端子3に所定のバイアス電圧が印加される。これにより、第1端子1と、第2端子2及び第3端子3とを介して、半導体薄膜202には各回路に応じた所定のバイアス電圧が印加される。これにより、図3Aに示すように、中央の第1端子1は高電位となり、第2端子2及び第3端子3は低電位となる。なお、図中、高電位をプラス(+)として表記し、低電位をマイナス(−)として表記している。
この場合、通常は、絶縁物201と半導体薄膜202との界面には固定電荷によって界面順位が存在するので半導体薄膜202の層は空乏化している。しかし、本実施形態では、半導体薄膜202を測定する際に、第1端子1及び第2端子2に加えて第3端子3にもバイアス電圧を印加しているので、図3A及び図3Bに示すように、平面状に広がる広い範囲で、かつ、より深い領域にまで電界領域を形成することができる。
すなわち、本実施形態では、薄膜にバイアス電圧を印加するための端子である第1端子1、第2端子2及び第3端子3が平面を構成するようにして配置されているので、薄膜に対して平面的にバイアス電圧を印加することができる。これにより、面方向に広がる領域に電界領域を形成することができる。また、高電位の第1端子1を中心にして囲むように第3端子3を配置しているので、深い領域にまで電界領域を形成することができる。これにより、測定領域である第1端子1と第2端子2との間の半導体薄膜202の層を空乏化させずに、電流が流れるようになる。従って、基板バイアス法と同様の効果を得ることができる。
本実施形態では、低電圧側の第3端子3を円状に配置し、高電圧側の第1端子1をその円の中心に配置している。これにより、図3Bに示すように、平面視したときに略円形の電界分布となり、図3A及び図3Bに示すように、半導体薄膜202の層内には、円中心を高電位として周辺にいくほど低電位となるような略逆円錐形状の電界領域が形成される。
図4A〜図4Cは、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置を用いて半導体薄膜のシート抵抗を測定する場合に、半導体薄膜の膜厚の変化に伴って変化する空乏化層を示した半導体装置の断面図である。図4A〜図4Cに示すように、各半導体装置210、220、230は、それぞれ、SiO2の絶縁物211、221、231上に、n+a−Siからなる半導体薄膜212、222、232が形成されたものである。
図4A及び図4Bに示すように、本実施形態においては、半導体薄膜212、222の膜厚が薄い場合であっても、電流が流れる層(領域)が存在することが分かる。これは、第3端子3によってバイアス電圧を印加しているからである。また、図4Cに示すように、半導体薄膜232の膜厚が厚く薄膜表面下に導電層233の領域が形成される場合であっても、図4A及び図4Bと同様の電流が流れる層(領域)が存在する。このように、本実施形態では、半導体薄膜の厚さによって生じる空乏層又は導電層による影響をなくし、異なる膜厚であっても同程度の電流経路を形成することができる。従って、半導体薄膜の空乏化による高抵抗化を防止し、半導体薄膜212、222、232の抵抗率を正しく測定することができる。
この様子について図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置において、第3端子に印加するバイアス電圧を変化させた場合における膜厚とシート抵抗との関係をプロットした図である。図5中、曲線A、曲線B、曲線C及び曲線Dは、それぞれバイアス電圧が、0(V)、5(V)、10(V)、15(V)の場合を示している。
図5に示すように、バイアス電圧が大きくなればなるほど、大きなシート抵抗(表面抵抗率)を示す膜厚の範囲が縮小していくことが分かる。例えば、半導体薄膜の膜厚が30nmの場合である特定の膜厚に注目してみると、図6に示すように、シート抵抗は、あるバイアス電圧に達すると急激に低下し、そのバイアス電圧以上になると低下しなくなることが分かる。従って、予め十分なバイアス電圧をかけて測定することにより、空乏層の影響を排除してほぼ真のシート抵抗を測定することができる。これは、図27A〜図27C及び図28に示す基板バイアス法と比べても、遜色のない結果を得ることができている。なお、本実施形態では、バイアス電圧を15V以上印加することにより、空乏層の影響をほぼ排除することができる。
以上、本発明の実施形態に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法では、第3端子3は8本用いたが、これに限るものではない。例えば、第3端子3は少なくとも2本用いることにより、第2端子2と合わせて低電位側の端子を3本とすることができ、この3本の低電圧側の端子によって平面を構成して、その平面の中に高電圧側の端子を配置することができる。これにより、電界領域を増大する効果を得ることができる。さらに、安定した電界領域を得るためには、第3端子3は3本にして低電位側の端子を4本用いることが好ましい。また、本実施形態では、電圧測定回路15の一方をバイアス電圧印加部14に接続するように構成しているが、電圧測定回路15の特性上、フローティングとすることも可能である。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置100aについて説明する。
図7Aは、本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10aの模式図である。また、図7Bは、本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10aの各端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図7A及び図7Bにおいて、図2A及び図2Bにおける本発明の実施の形態1に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態2に係る薄膜抵抗測定装置100aが、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と異なる点は、バイアス電圧印加部の構成である。本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100aのバイアス電圧印加部14aは、第1電源16aと第2電源16a’の2つの電源を備えている。
第1電源16aは、第1端子1及び第2端子2にバイアス電圧を印加する電源である。この第1電源16aは、実施の形態1と同様に、第2端子2に対して直接に接続されている。
第2電源16a’は、第3端子3のみに接続されており、全ての第3端子3に対して所定のバイアス電圧を印加する電源である。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100aは、図3A及び図3Bに示す本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と同様の電界領域を形成することができる。従って、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100aによって薄膜抵抗を測定した場合も、図4A〜図4C及び図5に示した実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と同様の効果を奏することができる。なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
また、本実施形態では、第1端子1及び第2端子2にバイアス電圧を印加する電源(第1電源16a)と、第3端子3にバイアス電圧を印加する電源(第2電源16a’)とが独立している。これにより、第3端子3に印加するバイアス電圧を調整することができるので、高電圧側の第1端子1から低電圧側の第3端子3に流れる電流を調整することができる。
なお、第3端子3にバイアス電圧を印加せずに、第3端子3をフローティングにすることにより、探針バイアス法による2探針法を用いた薄膜対抗測定装置とすることができる。さらに、第1端子1及び第2端子2にもバイアス電圧を印加せずに、探針バイアスもゼロとすることにより、従来の2探針法を用いた薄膜抵抗測定装置とすることができる。これにより、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100aによって得られる測定結果について、校正を行うことができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置100bについて説明する。
図8Aは、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10bの模式図である。図8Bは、本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10bの各端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図8A及び図8Bにおいて、図2A及び図2Bにおける本発明の実施の形態1に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態3に係る薄膜抵抗測定装置100bが、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と異なる点は、2探針法における低電圧側の端子を、広電界領域を形成する第3端子3と兼用させている点である。すなわち、本実施形態では、図2Aに示した本発明の実施の形態1に係る第3端子3の1つを、定電流供給用及び電圧測定用としての低電圧側の第2端子2と兼用させた構成としている。
図8A及び図8Bに示すように、本実施形態において、定電流供給用及び電圧測定用の第2端子2は、第3端子3と同じ円上に配置され、1つの第2端子2と7本の第3端子3とで環状となるように配置されている。また、その円の中心には高電圧側の端子である第1端子1が配置されている。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100bは、図9Bに示すように、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と同様の略円形の電界領域分布を形成することができる。なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
また、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100bは、実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と異なり、図8Bに示すように、高電圧側の第1端子1と全ての低電圧側の端子(第2端子2と第3端子3)との距離が同じである。従って、図9Aに示すように、なだらかな電位勾配を有する電界領域を形成することができ、電流が一様に流れる。よって、より安定で、かつ、より正確な薄膜抵抗の測定を行うことができるとともに、電界による電流分布の計算が容易になって薄膜抵抗の算出を容易に行うことができる。但し、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100bでは、本発明の実施の形態1、2に係る薄膜抵抗測定装置100、100aと比べて、大きな電圧値の電源を用いることが好ましい。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置100cについて説明する。
図10Aは、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10cの模式図である。図10Bは、本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10cの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図10A及び図10Bにおいて、図2A及び図2Bにおける本発明の実施の形態1に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態4に係る薄膜抵抗測定装置100cが、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と異なる点は、第3端子3の構成である。すなわち、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置では、複数本の第3端子を環状に配置したが、本実施形態では、第3端子としてリング状の端子を用いている。
図10A及び図10Bに示すように、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100cにおけるプローブ10cでは、第3端子3cの形状をリング状とし、第3端子3cに囲まれるようにして、当該第3端子3cの中心に高電圧側の第1端子1が配置されている。なお、本実施形態に係る第3端子3cの材質としては、タングステンカーバイドを用いた。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100cは、低電圧側の第3端子3cがリング状であるので、図11Bに示すように、実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と比べて、平面視したときに、より円に近い電界領域を形成することができる。従って、安定した薄膜抵抗の測定を行うことができる、なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
また、第3端子3cは、薄膜にバイアス電圧を印加することだけを目的とした端子であるため、複数本の端子とするよりも、1つの端子とする方が構造の簡略化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態1〜4に係る2探針法による薄膜抵抗測定装置では、抵抗率測定に用いる電流値は、正の定電流源側の端子である第2端子2に流れる電流を用いることが好ましい。端子(探針)が2つのみの通常の2探針法においては、定電流源13の正負の2つの端子を流れる電流は、他の電流経路が存在しないために、誤差の範囲で一致する。しかし、本発明の実施の形態1〜4に係る薄膜抵抗測定装置では、高電圧側端子である第1端子1から低電圧側端子(第2端子及び第3端子)に流れる電流経路が2つ存在する。この場合、第1端子1から第2端子2に流れる電流経路と、第1端子1から第3端子3(又は3c)に流れる電流経路とでは、流れる電流が一致しない。従って、薄膜の抵抗率を測定するために用いる電流値としては、低電圧側、すなわち、正の電流源側の第2端子2を流れる電流値を採用することが好ましい。
(実施の形態5)
次に、4探針法を用いた本発明に係る薄膜抵抗測定装置について、以下、4つの実施の形態5〜8について説明する。
まず、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dについて説明する。
図12は、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブとステージの概略構成を示す模式図である。なお、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置の構成要素は、図1Aに示すものと同様であるので説明は省略する。また、上述した本発明の実施の形態1に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。
図12に示すように、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dのプローブ10dは、実施の形態1と同様に、プローブヘッド11に設けられた端子部12dと、定電流源13と、バイアス電圧印加部14と、電圧測定回路15とがモジュール化されたものである。
本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dにおけるプローブ10dと、実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100におけるプローブ10とが異なる点は、本実施形態に係るプローブヘッド11dの端子部12dの構成である。すなわち、本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100は、電流供給用の端子と電圧測定用の端子とを兼用した2探針法によるものであったが、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dでは、電流供給用の端子と電圧測定用の端子とを独立に構成した4探針法によるものである。
なお、本実施形態に係る4探針法による薄膜抵抗測定装置100dによって測定する薄膜抵抗は、2探針法による薄膜抵抗測定装置によって測定する薄膜抵抗よりも低抵抗のものである。
次に、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dにおけるプローブ10dの構成について、図13A及び図13Bを用いてさらに詳細に説明する。図13Aは、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブの模式図である。また、図13Bは、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置における端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図13A及び図13Bにおいて、図2A及び図2Bにおける本発明の実施の形態1に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。
図13Aに示すように、本実施形態において、第1端子1及び第2端子2は定電流源13に接続されているが、電圧測定回路15には接続されていない。その代わりに、第4端子4及び第5端子5が設けられており、第4端子4及び第5端子5が電圧測定回路15に接続されている。
第4端子4及び第5端子5は、第1端子1と第2端子2とを挟むようにして所定の間隔で離間されて配置されている。第4端子4及び第5端子5と、第1端子1及び第2端子2とは直線状に配置されている。第4端子4及び第5端子5は、薄膜からの出力電圧を測定するための電圧測定用の端子であり、第1端子1及び第2端子2とは独立した端子である。なお、第4端子4及び第5端子5は、電圧測定用の端子であって薄膜にバイアス電圧を印加するものではないので、通常は電位が固定されることなくフローティングになっている。第4端子4及び第5端子5の形状等は、第1端子1及び第2端子2と同様のものを用いる。
また、本実施形態における第3端子3は、実施の形態1に係る第3端子3と同様である。但し、本実施形態では、第3端子3は、第1端子1及び第2端子2に加えて、第4端子4及び第5端子5も囲むように配置されている。このため、第3端子3の端子外周半径は、実施の形態1とは異なっており、8本の第3端子3は、端子外周半径が5mmとなるように円状に配置されている。なお、端子外周半径は、測定しようとする薄膜の種類や厚さ等によって変動するが、膜厚が30nm程度のa−Siの半導体薄膜に対しては、端子外周半径は3〜15mm程度とすることが好ましい。
また、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dは、4探針法の薄膜抵抗測定装置に関するのであるので、その他の詳細な測定方法等については4探針法に準拠する。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dは、図14A及び図14Bに示すように、図3A及び図3Bに示す本発明の実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と同様の電界領域を形成することができる。従って、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100dによって薄膜抵抗を測定した場合も、図4A〜図4C及び図5に示した実施の形態1に係る薄膜抵抗測定装置100と同様の効果を奏することができる。なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置100eについて説明する。
図15Aは、本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10eの模式図である。また、図15Bは、本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10eの各端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図15A及び図15Bにおいて、図2A、図2B、図13A及び図13Bにおける本発明の実施の形態1、5に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態6に係る薄膜抵抗測定装置100eが、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと異なる点は、バイアス電圧印加部の構成である。本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100eのバイアス電圧印加部14eは、第1電源16eと第2電源16e’の2つの電源を備えている。
第1電源16eは、第1端子1及び第2端子2にバイアス電圧を印加する電源である。この第1電源16eは、実施の形態5と同様に、第2端子2に対して直接に接続されている。
第2電源16e’は、第3端子3のみに接続されており、全ての第3端子3に対して所定のバイアス電圧を印加する電源である。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100eは、図14A及び図14Bに示す本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと同様の電界領域を形成することができる。従って、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100eによって薄膜抵抗を測定した場合も、実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと同様の効果を奏することができる。なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
また、本実施形態では、第1端子1及び第2端子2にバイアス電圧を印加する電源(第1電源16e)と、第3端子3にバイアス電圧を印加する電源(第2電源16e’)とが独立している。これにより、第3端子3の端子群に印加するバイアス電圧を調整することができ、高電圧側の第1端子1から低電圧側の第3端子3に流れる電流を調整することができる。
なお、第3端子3の端子群にバイアス電圧を印加せずに、第3端子3をフローティングにすることにより、探針バイアス法による4探針法を用いた薄膜対抗測定装置とすることができる。さらに、第1端子1及び第2端子2にもバイアス電圧を印加せずに、探針バイアスもゼロとすることにより、従来の4探針法を用いた薄膜抵抗測定装置とすることができる。従って、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100eよって得られる測定結果について、校正を行うことができる。
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置100fについて説明する。
図16Aは、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10fの模式図である。図16Bは、本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10fの各端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図2A、図2B、図13A及び図13Bにおける本発明の実施の形態1、5に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態7に係る薄膜抵抗測定装置100fが、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと異なる点は、4探針法における低電圧側の端子を、広電界領域を形成する第3端子3と兼用させている点である。すなわち、本実施形態では、図13Aに示した本発明の実施の形態5に係る第3端子3の1つを、定電流供給用としての低電圧側の第2端子2と兼用させた構成としている。
図16A及び図16Bに示すように、本実施形態において、定電流供給用の第2端子2は、第3端子3と同じ円上に配置され、1つの第2端子2と7本の第3端子3とで環状となるように配置されている。また、その円の中心には高電圧側の端子である第1端子1が配置されている。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100fは、図17Bに示すように、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと同様の略円形の電界領域を形成することができる。なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
さらに、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100fは、実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと異なり、図16Bに示すように、バイアス電圧を印加する高電圧側の第1端子1と全ての低電圧側の端子(第2端子2及び第3端子3)との距離が同じである。従って、図17Aに示すように、なだらかな電位勾配を有する電界領域を形成することができ、電流が一様に流れる。よって、より安定で、かつ、より正確な薄膜抵抗の測定を行うことができるとともに、電界による電流分布の計算が容易になって薄膜抵抗の算出を容易に行うことができる。但し、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100fでは、本発明の実施の形態5、6に係る薄膜抵抗測定装置100d、100eと比べて、大きな電圧値の電源を用いることが好ましい。
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置100gについて説明する。
図18Aは、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10gの模式図である。図18Bは、本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置におけるプローブ10gの端子を平面視したときの各端子の位置関係を示す図である。なお、図2A、図2B、図13A及び図13Bにおける本発明の実施の形態1、5に係る構成と同じ構成については同じ符号を付しており、その説明は簡略化又は省略している。また、プローブ以外のその他の構成も、実施の形態1、5の構成と同様であるので、説明は省略する。
本発明の実施の形態8に係る薄膜抵抗測定装置100gが、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと異なる点は、第3端子の構成である。すなわち、実施の形態5では、複数本の第3端子3を環状に配置したが、本実施形態では、第3端子3gとしてリング状の端子を用いている。
図18A及び図18Bに示すように、本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100gでは、第3端子3gの形状をリング状とし、第3端子3gに囲まれるようにして、当該第3端子3gの中心に高電圧側の第1端子1が配置されている。また、第2端子2、第4端子4及び第5端子5は、第3端子3gに囲まれている。なお、本実施形態に係る第3端子3gの材質としては、タングステンカーバイドを用いた。
以上のように構成された本実施形態に係る薄膜抵抗測定装置100gは、低電圧側の第3端子3gがリング状であるので、図19Bに示すように、本発明の実施の形態5に係る薄膜抵抗測定装置100dと比べて、平面視したときに、より円に近い電界領域を形成することができる。従って、安定した薄膜抵抗の測定を行うことができる、なお、薄膜抵抗の測定方法は、本発明の実施の形態1に係る測定方法と同様である。
また、第3端子3gは、薄膜にバイアス電圧を印加することだけを目的とした端子であるため、複数本の端子とするよりも、1つの端子とする方が構造の簡略化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態5〜8に係る4探針法による薄膜抵抗測定装置では、抵抗測定に用いる電流値は、負の定電流源側の端子である第1端子1に流れる電流を用いることが好ましい。通常の4探針法においては、定電流源の正負の2つの端子を流れる電流は、他の電流経路が存在しないために、誤差の範囲で一致する。しかし、本発明の実施の形態5〜8に係る薄膜抵抗測定装置では、正の定電流源側の端子である第2端子2から電界形成用の第3端子3(又は3g)に流れる電流経路が存在するので、定電流源の正負の2つの端子を流れる電流は一致しない。この差異を少なくするには、通常の4探針(第1、第2、第4、第5の各端子)の配置を電界形成用の第3端子3(又は3g)の中心からずらせばよい。つまり、正の定電流源側の第2端子2と電界形成用の第3端子3(又は3g)の距離を大きくすればよい。理想的には、正の定電流源側の第2端子2を、電界形成用の端子である第3端子3(又は3g)の円弧の中心に配置することにより、正の定電流源側の第2端子2から電界形成用の第3端子3(又は3g)に流れる電流を最小にすることができる。あるいは、電界形成用の第3端子3(又は3g)の端子配置半径を大きくすることも有効である。いずれにしても、抵抗測定に用いる電流値は、負の定電流源側の端子である第1端子1に流れる電流を用いることが好ましい。
以上のとおり、本発明の実施の形態1〜8に係る薄膜抵抗測定装置によれば、従来の薄膜抵抗測定装置と比べて、薄膜の抵抗率を測定することができる測定可能領域を拡大することができる。この点について、図20を用いて説明する。図20は、n+a−Siの半導体薄膜のシート抵抗と膜厚との関係において、本発明に係る薄膜抵抗測定装置と従来に係る薄膜抵抗測定装置との測定可能領域を示す図である。図20において、横軸は、測定しようとする薄膜の膜厚(nm)を表し、縦軸は、シート抵抗(Ω/sq)を表している。
図20に示すように、従来の薄膜抵抗測定装置における測定可能領域は、薄膜の膜厚が100nm以上の範囲で、薄膜のシート抵抗が100MΩ/sqまでの範囲であった。これに対し、本発明の実施形態に係る薄膜抵抗測定装置における測定可能領域は、薄膜の膜厚が、10nm以上の範囲で、薄膜のシート抵抗が10TΩ/sqの範囲にまで拡大することができた。このように、本発明の実施形態に係る薄膜抵抗測定装置及び測定方法を用いることにより、より薄い膜厚、より高い抵抗率を測定することができ、広い範囲(ワイドレンジ)の測定領域を実現することができる。
以上、本発明に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法について、実施形態に基づいて説明したが、本発明に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法は、上記の実施形態に限定されるものではない。各実施形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る薄膜抵抗測定装置及び薄膜抵抗測定方法は、薄膜トランジスタを構成する半導体薄膜の抵抗率を測定する装置及び方法に関するものであり、高抵抗の半導体薄膜の抵抗率の測定に有用である。
1 第1端子
2 第2端子
3、3c、3g 第3端子
4 第4端子
5 第5端子
10、10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g プローブ
11、11d、311、411 プローブヘッド
12、12d 端子部
13、313、413 定電流源
14、14a、14e バイアス電圧印加部
15、315、415 電圧測定回路
16、416、616 電源
16a、16e 第1電源
16a’、16e’ 第2電源
20、320 ステージ
30 制御部
31 プローブヘッド位置制御部
32 印加電流制御部
33 電圧印加制御部
34 ステージ制御部
40 演算部
50 入力部
60 表示部
70 印字部
80 記録部
90 通信部
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g 薄膜抵抗測定装置
200、210、220、230、510、520、530、610、620、630、710、720、730 半導体装置
201、211、221、231、511、521、531、612、622、632、711、721、731、 絶縁物
202、212、222、232、512、522、532、613、623、633、712、722、732 半導体薄膜
233、533、614、624、634、733 導電層
300、400 シート抵抗測定装置
301、302、304、305、401、402 探針
611、621、631 基板

Claims (8)

  1. 薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定装置であって、
    所定の間隔で離間され、前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定の定電流を供給するための第1端子及び第2端子と、
    前記薄膜に接触させて前記薄膜に所定のバイアス電圧を印加するための第3端子と、
    前記第1端子及び前記第2端子に接続された定電流源と、
    前記第1端子及び前記第2端子と、前記第3端子とに所定のバイアス電圧を供給するためのバイアス電圧印加部と、
    前記薄膜からの出力電圧を測定するための電圧測定回路と
    を備え、
    前記第1端子は前記第2端子に対して高電位であり、
    前記第3端子は、前記第1端子を囲むようにループ状に構成されている、又は、前記第1端子を囲むように当該第3端子と前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている
    薄膜抵抗測定装置。
  2. 前記第1端子及び前記第2端子は、前記電圧測定回路に接続されている
    請求項1に記載の薄膜抵抗測定装置。
  3. さらに、
    前記第1端子及び前記第2端子を挟み、所定の間隔で離間された第4端子及び第5端子を備え、
    前記第4端子及び前記第5端子は、前記電圧測定回路に接続されている
    請求項1に記載の薄膜抵抗測定装置。
  4. 前記第1端子又は前記第2端子に供給されるバイアス電圧と、前記第3端子に供給されるバイアス電圧とは異なる
    請求項2又は請求項3に記載の薄膜抵抗測定装置。
  5. 前記第2端子に供給されるバイアス電圧と前記第3端子に供給されるバイアス電圧とが同じであり、
    前記第1端子は、前記第2端子と前記第3端子とによって囲まれている
    請求項2又は請求項3に記載の薄膜抵抗測定装置。
  6. 前記第3端子は、前記ループ状であって、
    前記第3端子は、前記第1端子に加えて前記第2端子も囲むように構成されている
    請求項2又は請求項3に記載の薄膜抵抗測定装置。
  7. 前記第3端子が複数本の探針からなり、平面視したときに、前記第3端子は環状に配置される
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の薄膜抵抗測定装置。
  8. 薄膜の抵抗率を測定するための薄膜抵抗測定方法であって、
    定電流源及びバイアス電圧印加部に接続された第1端子及び第2端子を前記薄膜に接触させて、前記薄膜に定電流を供給するとともにバイアス電圧を印加する工程と、
    バイアス電圧印加部に接続され、前記第2端子よりも高電位である前記第1端子を囲むように、ループ状に構成されている、又は、前記第2端子とによって平面を構成するように配置されている第3端子を、前記薄膜に接触させることにより前記薄膜にバイアス電圧を印加する工程と、
    前記第1端子及び前記第2端子によって、又は、前記第1端子及び第2端子とは異なる端子である第4端子及び第5端子によって、前記薄膜からの出力電圧を測定する工程と
    を備える薄膜抵抗測定方法。
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