JP2011185570A - 排熱回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制し得る排熱回収装置を提供する。
【解決手段】排熱発生装置G、熱回収部R、大気開放型の熱媒貯留タンク1を経由して熱媒Cを循環させる熱媒循環路2と、排熱発生装置Gにて発生する排熱を熱回収部Rにて熱媒Cを介して回収すべく、熱媒循環路2を通して熱媒Cを循環させる熱媒循環手段3とが設けられ、熱媒Cは、水W及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものである排熱回収装置であって、熱回収部Rに供給する熱媒Cの供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段Aと、熱回収部Rにて熱媒Cから回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段Mと、回収熱量計測手段Mの計測情報に基づいて、回収熱量が目標熱量になるように熱媒供給状態調整手段Aの作動を制御する制御手段7とが設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】排熱発生装置G、熱回収部R、大気開放型の熱媒貯留タンク1を経由して熱媒Cを循環させる熱媒循環路2と、排熱発生装置Gにて発生する排熱を熱回収部Rにて熱媒Cを介して回収すべく、熱媒循環路2を通して熱媒Cを循環させる熱媒循環手段3とが設けられ、熱媒Cは、水W及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものである排熱回収装置であって、熱回収部Rに供給する熱媒Cの供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段Aと、熱回収部Rにて熱媒Cから回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段Mと、回収熱量計測手段Mの計測情報に基づいて、回収熱量が目標熱量になるように熱媒供給状態調整手段Aの作動を制御する制御手段7とが設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、排熱発生装置、熱回収部、大気開放型の熱媒貯留タンクを経由して熱媒を循環させる熱媒循環路と、前記排熱発生装置にて発生する排熱を前記熱回収部にて前記熱媒を介して回収すべく、前記熱媒循環路を通して熱媒を循環させる熱媒循環手段とが設けられ、前記熱媒は、水及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものである排熱回収装置に関する。
かかる排熱回収装置は、排熱発生装置にて発生する排熱を熱回収部にて回収して利用するものであり、排熱発生装置の一例としては、発電機を駆動するエンジン等が挙げられ、熱回収部は、例えば、回収した排熱により貯湯タンクの湯水を加熱するように構成される。
そして、熱媒循環路中の熱媒の凍結を防止するために、熱媒は、水及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含んだものが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、凝固点降下剤の一例としてエチレングリコールが用いられる。
そして、熱媒循環路中の熱媒の凍結を防止するために、熱媒は、水及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含んだものが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、凝固点降下剤の一例としてエチレングリコールが用いられる。
このような排熱回収装置においては、従来、熱媒貯留タンクの熱媒の貯留量が下限になると、貯留量が上限になるまで熱媒貯留タンクに水を補給するように構成されていた。
又、上記特許文献1には明確に記載されていないが、排熱発生装置から送出される熱媒の温度を所定の温度に維持すべく熱媒循環路を通流する熱媒の流量を調整するように構成されていた。
又、上記特許文献1には明確に記載されていないが、排熱発生装置から送出される熱媒の温度を所定の温度に維持すべく熱媒循環路を通流する熱媒の流量を調整するように構成されていた。
ところで、熱媒貯留タンクは大気開放型であるため、熱媒貯留タンクでは熱媒の成分が蒸発するが、水と凝固点降下剤とでは蒸気圧が異なるために、水と凝固点降下剤とで熱媒貯留タンクでの蒸発の程度が異なる。しかも、水と凝固点降下剤とでは、比熱も異なる。
例えば、凝固点降下剤としてエチレングリコールが用いられる場合では、水と凝固点降下剤とでは、水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい。
そして、例えば、このように水と凝固点降下剤とでは水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、熱媒貯留タンクでは水の方が蒸発し易いので、時間経過に伴って、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が高くなって熱媒の比熱が小さくなる。
ちなみに、熱媒の比熱が小さくなると、熱媒循環路を通流する熱媒の温度が同じであっても、熱媒循環路を通流する熱媒により運ばれる熱量が少なくなる。
例えば、凝固点降下剤としてエチレングリコールが用いられる場合では、水と凝固点降下剤とでは、水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい。
そして、例えば、このように水と凝固点降下剤とでは水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、熱媒貯留タンクでは水の方が蒸発し易いので、時間経過に伴って、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が高くなって熱媒の比熱が小さくなる。
ちなみに、熱媒の比熱が小さくなると、熱媒循環路を通流する熱媒の温度が同じであっても、熱媒循環路を通流する熱媒により運ばれる熱量が少なくなる。
しかしながら、従来の排熱回収装置のように、熱媒貯留タンクの熱媒の貯留量が下限になると上限になるまで水を補給する状態で、排熱発生装置から送出される熱媒の温度が一定になるように熱媒の流量を調整する構成では、時間経過に伴って、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が高くなって熱媒の比熱が小さくなると、熱回収部にて熱媒から回収される回収熱量が減少することになるので、改善の余地があった。
又、熱回収部での回収熱量が減少すると、排熱発生装置の温度が過度に上昇する虞もあった。
又、熱回収部での回収熱量が減少すると、排熱発生装置の温度が過度に上昇する虞もあった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制し得る排熱回収装置を提供することにある。
本発明の排熱回収装置は、排熱発生装置、熱回収部、大気開放型の熱媒貯留タンクを経由して熱媒を循環させる熱媒循環路と、前記排熱発生装置にて発生する排熱を前記熱回収部にて前記熱媒を介して回収すべく、前記熱媒循環路を通して熱媒を循環させる熱媒循環手段とが設けられ、前記熱媒は、水及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものであって、
第1特徴構成は、前記熱回収部に供給する熱媒の供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段と、
前記熱回収部にて前記熱媒から回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段と、
その回収熱量計測手段の計測情報に基づいて、前記回収熱量が目標熱量になるように前記熱媒供給状態調整手段の作動を制御する制御手段とが設けられている点にある。
第1特徴構成は、前記熱回収部に供給する熱媒の供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段と、
前記熱回収部にて前記熱媒から回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段と、
その回収熱量計測手段の計測情報に基づいて、前記回収熱量が目標熱量になるように前記熱媒供給状態調整手段の作動を制御する制御手段とが設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、熱回収部にて熱媒から回収される回収熱量が目標熱量になるように、熱媒供給状態調整手段により、熱回収部に供給する熱媒の供給状態が調整される。
つまり、蒸気圧が異なるために水と凝固点降下剤とで熱媒貯留タンクでの蒸発の程度が異なり、しかも、水と凝固点降下剤とで比熱が異なっても、熱回収部に供給する熱媒の供給状態が調整されることにより、熱回収部での回収熱量そのものが目標熱量になるように調整されるので、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができる。
しかも、熱回収部での回収熱量の減少を抑制することができるようになることにより、排熱発生装置の過度な昇温を防止することができるようになった。
つまり、蒸気圧が異なるために水と凝固点降下剤とで熱媒貯留タンクでの蒸発の程度が異なり、しかも、水と凝固点降下剤とで比熱が異なっても、熱回収部に供給する熱媒の供給状態が調整されることにより、熱回収部での回収熱量そのものが目標熱量になるように調整されるので、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができる。
しかも、熱回収部での回収熱量の減少を抑制することができるようになることにより、排熱発生装置の過度な昇温を防止することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒循環路を通流する熱媒の流量を調整自在な熱媒流量調整手段にて構成されている点にある。
前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒循環路を通流する熱媒の流量を調整自在な熱媒流量調整手段にて構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、回収熱量計測手段の計測情報に基づいて、回収熱量が目標熱量になるように、熱媒流量調整手段により、熱媒循環路を通流する熱媒の流量が熱回収部への熱媒の供給状態として調整される。
つまり、熱媒の比熱が小さくなっても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させると、熱媒循環路を通流する熱媒により運ばれる熱量を増加させることができる。そこで、時間経過に伴って、熱媒中の凝固点降下剤の濃度の変化により熱媒の比熱が小さくなっても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させることにより、熱回収部での回収熱量を目標熱量に調整することができるのである。
そして、熱媒循環路を通流する熱媒流量の変化は、速やかに熱回収部での回収熱量の変化に反映されるので、熱回収部での回収熱量が目標熱量から減少し始めても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させることにより、回収熱量を速やかに目標熱量に調整することができる。
従って、時間経過に伴う回収熱量の減少をより的確に抑制することができるようになった。
つまり、熱媒の比熱が小さくなっても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させると、熱媒循環路を通流する熱媒により運ばれる熱量を増加させることができる。そこで、時間経過に伴って、熱媒中の凝固点降下剤の濃度の変化により熱媒の比熱が小さくなっても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させることにより、熱回収部での回収熱量を目標熱量に調整することができるのである。
そして、熱媒循環路を通流する熱媒流量の変化は、速やかに熱回収部での回収熱量の変化に反映されるので、熱回収部での回収熱量が目標熱量から減少し始めても、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を増加させることにより、回収熱量を速やかに目標熱量に調整することができる。
従って、時間経過に伴う回収熱量の減少をより的確に抑制することができるようになった。
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒貯留タンクへの水又は凝固点降下剤の補給を断続自在な熱媒成分補給断続手段にて構成されている点にある。
前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒貯留タンクへの水又は凝固点降下剤の補給を断続自在な熱媒成分補給断続手段にて構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、回収熱量計測手段の計測情報に基づいて、回収熱量が目標熱量になるように、熱媒成分補給断続手段により、熱媒貯留タンクへの水又は凝固点降下剤の補給が断続されることにより、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が熱回収部への熱媒の供給状態として調整される。
つまり、蒸気圧が異なるために水と凝固点降下剤とで熱媒貯留タンクでの蒸発の程度が異なり、しかも、水と凝固点降下剤とで比熱が異なっても、水及び凝固点降下剤のうちで蒸発し易い方を熱媒貯留タンクへ補給することにより、回収熱量が目標熱量になるように、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を調整して熱媒の比熱を調整することができるのである。
例えば、水と凝固点降下剤とでは水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、水の方が蒸発し易く、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が高くなり易いが、熱媒成分補給断続手段により、熱媒貯留タンクへの水の補給を断続することにより、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を回収熱量が目標熱量になるように調整することができるのである。
逆に、水と凝固点降下剤とでは凝固点降下剤の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、凝固点降下剤の方が蒸発し易く、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が低くなり易いが、熱媒成分補給断続手段により、熱媒貯留タンクへの凝固点降下剤の補給を断続することにより、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を回収熱量が目標濃度になるように調整することができるのである。
つまり、蒸気圧が異なるために水と凝固点降下剤とで熱媒貯留タンクでの蒸発の程度が異なり、しかも、水と凝固点降下剤とで比熱が異なっても、水及び凝固点降下剤のうちで蒸発し易い方を熱媒貯留タンクへ補給することにより、回収熱量が目標熱量になるように、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を調整して熱媒の比熱を調整することができるのである。
例えば、水と凝固点降下剤とでは水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、水の方が蒸発し易く、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が高くなり易いが、熱媒成分補給断続手段により、熱媒貯留タンクへの水の補給を断続することにより、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を回収熱量が目標熱量になるように調整することができるのである。
逆に、水と凝固点降下剤とでは凝固点降下剤の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、凝固点降下剤の方が蒸発し易く、熱媒中の凝固点降下剤の濃度が低くなり易いが、熱媒成分補給断続手段により、熱媒貯留タンクへの凝固点降下剤の補給を断続することにより、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を回収熱量が目標濃度になるように調整することができるのである。
そして、熱媒中の凝固点降下剤の濃度を調整するようにすることにより、熱媒循環路を通流する熱媒の流量を低い状態に維持しながら、熱回収部での回収熱量を目標熱量に調整することができるので、熱媒循環手段の駆動エネルギが増加するのを抑制することができる。
従って、排熱回収装置のエネルギ効率が低下するのを抑制しながら、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができるようになった。
従って、排熱回収装置のエネルギ効率が低下するのを抑制しながら、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができるようになった。
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記排熱発生装置が、発電機を駆動するエンジンである点にある。
前記排熱発生装置が、発電機を駆動するエンジンである点にある。
上記特徴構成によれば、発電機から電力が出力されると共に、エンジンの排熱が熱回収部で回収される。
そして、エンジンの排熱が熱回収部で回収されるに当たって、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができる。
つまり、コージェネレーションシステムにおいて、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができると共に、そのことにより、発電機を駆動するエンジンの過度な昇温を防止することができるようになった。
そして、エンジンの排熱が熱回収部で回収されるに当たって、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができる。
つまり、コージェネレーションシステムにおいて、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制することができると共に、そのことにより、発電機を駆動するエンジンの過度な昇温を防止することができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明に係る排熱回収装置をコージェネレーションシステムに適用した場合の実施形態について説明する。
図1に示すように、コージェネレーションシステムは、排熱発生装置G、熱回収部R、大気開放型の熱媒貯留タンク1を経由して熱媒Cを循環させる熱媒循環路2と、排熱発生装置Gにて発生する排熱を熱回収部Rにて熱媒Cを介して回収すべく、熱媒循環路2を通して熱媒Cを循環させる熱媒循環手段としての熱媒循環ポンプ3と、このコージェネレーションシステムの運転を制御する運転制御部4とを備えて構成されている。
そして、熱媒Cは、水W及び熱媒Cの凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものであり、この実施形態では、凝固点降下剤としてエチレングリコールが適用されている。
又、この実施形態では、排熱発生装置Gが、発電機5を駆動するエンジン6である。
図1に示すように、コージェネレーションシステムは、排熱発生装置G、熱回収部R、大気開放型の熱媒貯留タンク1を経由して熱媒Cを循環させる熱媒循環路2と、排熱発生装置Gにて発生する排熱を熱回収部Rにて熱媒Cを介して回収すべく、熱媒循環路2を通して熱媒Cを循環させる熱媒循環手段としての熱媒循環ポンプ3と、このコージェネレーションシステムの運転を制御する運転制御部4とを備えて構成されている。
そして、熱媒Cは、水W及び熱媒Cの凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものであり、この実施形態では、凝固点降下剤としてエチレングリコールが適用されている。
又、この実施形態では、排熱発生装置Gが、発電機5を駆動するエンジン6である。
本発明では、熱回収部Rに供給する熱媒Cの供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段Aと、熱回収部Rにて熱媒Cから回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段Mと、その回収熱量計測手段Mの計測情報に基づいて、回収熱量が目標熱量になるように熱媒供給状態調整手段Aの作動を制御する制御手段7とが設けられ、この制御手段7が前記運転制御部4により構成されている。本例では、熱媒供給状態調整手段Aは、熱媒流量調整手段Vである熱媒循環ポンプ3と熱媒成分補給断続手段である水補給断続弁16から成っている。
コージェネレーションシステムの各部について、説明を加える。
発電機5の出力側には、系統連系用のインバータ8が設けられ、そのインバータ8は、発電機5の出力電力を商用系統9から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
商用系統9は受電電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷11に電気的に接続されている。
インバータ8は、発電電力供給ライン12を介して受電電力供給ライン10に電気的に接続され、発電機5の発電電力がインバータ8及び発電電力供給ライン12を介して電力負荷11に供給されるように構成されている。
発電機5の出力側には、系統連系用のインバータ8が設けられ、そのインバータ8は、発電機5の出力電力を商用系統9から受電する受電電力と同じ電圧及び同じ周波数にするように構成されている。
商用系統9は受電電力供給ライン10を介して、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電力負荷11に電気的に接続されている。
インバータ8は、発電電力供給ライン12を介して受電電力供給ライン10に電気的に接続され、発電機5の発電電力がインバータ8及び発電電力供給ライン12を介して電力負荷11に供給されるように構成されている。
図示を省略するが、受電電力供給ライン10には、電力負荷11にて消費される電力(負荷電力)を計測する負荷電力計測手段が設けられ、この負荷電力計測手段は、受電電力供給ライン10を通して流れる電流に逆潮流が発生するか否かをも検出するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ8により発電機5から受電電力供給ライン10に供給される電力が制御され、出力電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ13にて消費されるように構成されている。この電気ヒータ13は、詳細な説明及び図示を省略するが、消費電力を調整自在に構成されて、出力電力の余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ13の消費電力を調整するように構成されている。
そして、逆潮流が生じないように、インバータ8により発電機5から受電電力供給ライン10に供給される電力が制御され、出力電力の余剰電力は、その余剰電力を熱に代えて回収する電気ヒータ13にて消費されるように構成されている。この電気ヒータ13は、詳細な説明及び図示を省略するが、消費電力を調整自在に構成されて、出力電力の余剰電力の大きさに応じて電気ヒータ13の消費電力を調整するように構成されている。
この実施形態では、前記エンジン6として、ガス燃料(例えば天然ガス)を燃料とするガスエンジンが用いられている。前記熱媒循環路2は、エンジン6を冷却するエンジン冷却部6j(いわゆるエンジンジャケット)を通して熱媒Cをエンジン冷却水として通流させるように設けられ、熱媒循環ポンプ3は、熱媒貯留タンク1から吸い込んだ熱媒Cをエンジン冷却部6jに向けて吐出するように、熱媒循環路2における熱媒貯留タンク1よりも下流側の部分に設けられている。
エンジン6の排ガスEは、排ガス路14を通して排気され、前記熱回収部Rは、この排ガス路14を通流する排ガスEからも排熱を回収するように構成されている。
エンジン6の排ガスEは、排ガス路14を通して排気され、前記熱回収部Rは、この排ガス路14を通流する排ガスEからも排熱を回収するように構成されている。
熱媒貯留タンク1に水Wを補給する補給水路15には、熱媒貯留タンク1への水Wの補給を断続自在な熱媒成分補給断続手段としての水補給断続弁16が設けられている。
又、貯留タンク1には、その貯留タンク1の熱媒Cの貯留高さ(以下、水位と記載する場合がある)が下限水位よりも低いことを検出する下限水位センサ17、及び、貯留タンク1の水位が上限水位よりも高いことを検出する上限水位センサ18が設けられている。
又、貯留タンク1には、その貯留タンク1の熱媒Cの貯留高さ(以下、水位と記載する場合がある)が下限水位よりも低いことを検出する下限水位センサ17、及び、貯留タンク1の水位が上限水位よりも高いことを検出する上限水位センサ18が設けられている。
前記熱回収部Rは、温度成層を形成する状態で湯水Hを貯留する貯湯タンク20、その貯湯タンク20の底部と頂部とに接続された湯水循環路21、その湯水循環路21を通して貯湯タンク20内の湯水Hを循環させる湯水循環ポンプ22、前記熱媒循環路2を通流する熱媒Cと湯水循環路21を通流する湯水Hとを熱交換させて熱媒Cから湯水Hに排熱を回収する熱媒用熱交換器23、前記排ガス路14を通流する排ガスEと湯水循環路21を通流する湯水Hとを熱交換させて排ガスEから湯水Hに排熱を回収する排ガス用熱交換器24等を備えて構成されている。
湯水循環ポンプ22は、貯湯タンク20の底部から吸い込んだ湯水Hを貯湯タンク20の頂部に戻す形態で通流作用するように湯水循環路21に設けられ、その湯水循環路21における湯水循環ポンプ22よりも下流側の部分に、前記排ガス用熱交換器24、前記熱媒用熱交換器23が湯水通流方向上流側から順に並べて設けられている。尚、熱媒用熱交換器23は、熱媒循環路2においては、エンジン冷却部6jから吐出された熱媒Cが熱媒貯留タンク1に至る部分に設けられて、エンジン冷却部6jから送出されて熱媒貯留タンク1に流入する前の熱媒Cから排熱を回収するように構成されている。
前記電気ヒータ13は、湯水循環路21における熱媒用熱交換器23よりも下流側にて、湯水循環路21を通流する湯水Hを加熱可能なように設けられている。
そして、貯湯タンク20の底部から取り出した湯水Hを、排ガス用熱交換器24にて排ガスEから回収した熱により加熱し、続いて、熱媒用熱交換器23にて熱媒Cから回収した熱により加熱し、更に、発電機5の余剰電力を消費する電気ヒータ13にて加熱して貯湯タンク20の頂部に戻すことにより、貯湯タンク20に温度成層を形成する状態で湯水Hを貯留するように構成されている。
前記電気ヒータ13は、湯水循環路21における熱媒用熱交換器23よりも下流側にて、湯水循環路21を通流する湯水Hを加熱可能なように設けられている。
そして、貯湯タンク20の底部から取り出した湯水Hを、排ガス用熱交換器24にて排ガスEから回収した熱により加熱し、続いて、熱媒用熱交換器23にて熱媒Cから回収した熱により加熱し、更に、発電機5の余剰電力を消費する電気ヒータ13にて加熱して貯湯タンク20の頂部に戻すことにより、貯湯タンク20に温度成層を形成する状態で湯水Hを貯留するように構成されている。
熱媒循環路2には、この熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を検出する熱媒流量センサ25、エンジン冷却部6jから熱媒用熱交換器23に供給される熱媒Cの温度を検出する熱媒往き温度センサ26、及び、熱媒用熱交換器23から熱媒貯留タンク1を経由したのちエンジン冷却部6jに戻る熱媒Cの温度を検出する熱媒戻り温度センサ27が設けられている。
つまり、熱媒流量センサ25、熱媒往き温度センサ26及び熱媒戻り温度センサ27夫々の検出情報に基づいて、熱媒用熱交換器23において熱媒循環路2を通流する熱媒Cから湯水循環路21を通流する湯水Hへ回収される回収熱量を求めることができ、これら熱媒流量センサ25、熱媒往き温度センサ26及び熱媒戻り温度センサ27により、前記回収熱量計測手段Mが構成されることになる。
つまり、熱媒流量センサ25、熱媒往き温度センサ26及び熱媒戻り温度センサ27夫々の検出情報に基づいて、熱媒用熱交換器23において熱媒循環路2を通流する熱媒Cから湯水循環路21を通流する湯水Hへ回収される回収熱量を求めることができ、これら熱媒流量センサ25、熱媒往き温度センサ26及び熱媒戻り温度センサ27により、前記回収熱量計測手段Mが構成されることになる。
貯湯タンク20の頂部には、貯湯タンク20内の湯水Hを取り出して給湯先等の熱負荷28に給湯する給湯路29が接続され、貯湯タンク20の底部には、給湯路29から湯水が取り出されるのに伴って貯湯タンク20に給水する給水路30が接続されている。
図示を省略するが、熱負荷28に対して貯湯タンク20の湯水により供給される熱量では不足する熱量を補うように、給湯路29にはガス燃焼式等の補助加熱器が設けられている。
又、熱負荷28にて消費される熱量(負荷熱量)を計測する負荷熱量計測手段も設けられている。
図示を省略するが、熱負荷28に対して貯湯タンク20の湯水により供給される熱量では不足する熱量を補うように、給湯路29にはガス燃焼式等の補助加熱器が設けられている。
又、熱負荷28にて消費される熱量(負荷熱量)を計測する負荷熱量計測手段も設けられている。
運転制御部4の制御動作について説明する。
この運転制御部4は、マイクロコンピュータを用いて構成されて、所定のプログラムを実行することにより、このコージェネレーションシステムの運転を制御するように構成されている。
先ず、エンジン6を制御する制御動作について説明する。
運転制御部4は、電力負荷11にて消費される負荷電力の計測情報及び熱負荷28にて消費される負荷熱量の計測情報に基づいて、過去の時系列的な負荷電力データ及び時系列的な負荷熱量データを管理して、その管理データに基づいて、1日等の運転周期の時系列的な予測負荷電力データ及び時系列的な予測負荷熱量データを求めるように構成されている。
そして、運転制御部4は、時系列的な予測負荷電力データ及び時系列的な予測負荷熱量データに基づいて、エネルギ削減量等の運転メリットが高くなるように運転周期における発電機5の運転計画を定めて、その運転計画にて発電機5を運転すべくエンジン6の作動を制御する計画運転を実行するように構成されている。ちなみに、発電機5の運転計画としては、例えば、発電機5の出力電力を時系列的な予測負荷電力データに追従させると仮定して、運転周期における発電機5の運転時間帯を定める。
この運転制御部4は、マイクロコンピュータを用いて構成されて、所定のプログラムを実行することにより、このコージェネレーションシステムの運転を制御するように構成されている。
先ず、エンジン6を制御する制御動作について説明する。
運転制御部4は、電力負荷11にて消費される負荷電力の計測情報及び熱負荷28にて消費される負荷熱量の計測情報に基づいて、過去の時系列的な負荷電力データ及び時系列的な負荷熱量データを管理して、その管理データに基づいて、1日等の運転周期の時系列的な予測負荷電力データ及び時系列的な予測負荷熱量データを求めるように構成されている。
そして、運転制御部4は、時系列的な予測負荷電力データ及び時系列的な予測負荷熱量データに基づいて、エネルギ削減量等の運転メリットが高くなるように運転周期における発電機5の運転計画を定めて、その運転計画にて発電機5を運転すべくエンジン6の作動を制御する計画運転を実行するように構成されている。ちなみに、発電機5の運転計画としては、例えば、発電機5の出力電力を時系列的な予測負荷電力データに追従させると仮定して、運転周期における発電機5の運転時間帯を定める。
次に、熱媒供給状態調整手段Aの作動を制御する制御動作について、説明する。
この実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aが、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を調整自在な熱媒流量調整手段Vにて構成されている.
そして、この実施形態では、熱媒循環ポンプ3の回転速度が調整自在に構成され、その熱媒循環ポンプ3の回転速度を調整することにより熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を調整自在に構成されて、熱媒循環ポンプ3が熱媒流量調整手段Vとして機能するように構成されている。
又、この実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aが、熱媒貯留タンク1への水Wの補給を断続自在で熱媒成分補給断続手段である水補給断続弁16にても構成されている。
この実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aが、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を調整自在な熱媒流量調整手段Vにて構成されている.
そして、この実施形態では、熱媒循環ポンプ3の回転速度が調整自在に構成され、その熱媒循環ポンプ3の回転速度を調整することにより熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を調整自在に構成されて、熱媒循環ポンプ3が熱媒流量調整手段Vとして機能するように構成されている。
又、この実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aが、熱媒貯留タンク1への水Wの補給を断続自在で熱媒成分補給断続手段である水補給断続弁16にても構成されている。
前記目標熱量が予め設定されて、運転制御部4のメモリに記憶されている。又、熱媒循環ポンプ3により熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を調整するに当たって、上限流量、及び、その上限流量よりも少ない希釈時調整流量が予め設定されて、運転制御部4のメモリに記憶されている。
運転制御部4は、先ず、回収熱量計測手段Mにより計測される回収熱量が目標熱量になるように熱媒Cの流量を調整すべく、熱媒循環ポンプ3の回転速度を調整する流量調整による回収熱量制御を実行する。
この流量調整による回収熱量制御の実行中は、時間経過に伴って、熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなって熱媒Cの比熱が小さくなり、単位流量当たりの熱媒により運ばれる熱量が減少するので、回収熱量が目標熱量になるように熱媒循環ポンプ3により調整される熱媒Cの流量は、時間経過に伴って増加する。
この流量調整による回収熱量制御の実行中は、時間経過に伴って、熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなって熱媒Cの比熱が小さくなり、単位流量当たりの熱媒により運ばれる熱量が減少するので、回収熱量が目標熱量になるように熱媒循環ポンプ3により調整される熱媒Cの流量は、時間経過に伴って増加する。
そして、運転制御部4は、流量調整による回収熱量制御の実行中は熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量を監視して、その検出流量が上限流量以上になると、熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量が希釈時調整流量になるように熱媒循環ポンプ3の回転速度を減少調整すると共に、水補給断続弁16を開弁し、回収熱量計測手段Mにより計測される回収熱量が目標熱量になると水補給断続弁16を閉弁する濃度調整による回収熱量制御を実行する。
運転制御部4は、濃度調整による回収熱量制御を実行したのちは、再び流量調整による回収熱量制御に戻り、以降、この流量調整による回収熱量制御と濃度調整による回収熱量制御とを繰り返し実行する。
但し、運転制御部4は、流量調整による回収熱量制御の実行中に、下限水位センサ17により下限水位が検出されると、上限水位センサ18により上限水位が検出されるまで、水補給断続弁16を開弁して熱媒貯留タンク1に水Wを補給しながら、流量調整による回収熱量制御を実行する。
但し、運転制御部4は、流量調整による回収熱量制御の実行中に、下限水位センサ17により下限水位が検出されると、上限水位センサ18により上限水位が検出されるまで、水補給断続弁16を開弁して熱媒貯留タンク1に水Wを補給しながら、流量調整による回収熱量制御を実行する。
以下、目標熱量、上限流量及び希釈時調整流量夫々の設定の仕方について、説明を加える。
エチレングリコールの濃度が熱媒Cの凍結を十分に抑制可能な設定初期濃度(例えば25%)になるように、熱媒Cが調製され、そのように調製された熱媒Cが、エンジン冷却部6j、熱媒用熱交換器23、熱媒貯留タンク1にわたるように熱媒循環路2により形成される熱媒循環経路の全域に満たされると共に、熱媒貯留タンク1に上限水位にて貯留される。
エチレングリコールの濃度が熱媒Cの凍結を十分に抑制可能な設定初期濃度(例えば25%)になるように、熱媒Cが調製され、そのように調製された熱媒Cが、エンジン冷却部6j、熱媒用熱交換器23、熱媒貯留タンク1にわたるように熱媒循環路2により形成される熱媒循環経路の全域に満たされると共に、熱媒貯留タンク1に上限水位にて貯留される。
ところで、水とエチレングリコールの蒸気圧を比較すると、水が23hPa(20℃)であるのに対してエチレングリコールは16Pa(25℃)であり、蒸気圧は水の方がエチレングリコールよりもかなり大きい。従って、水とエチレングリコールを含む熱媒Cでは、水の方がエチレングリコールよりもかなり蒸発し易い。
そして、大気開放の熱媒貯留タンク1においては、水は蒸発するがエチレングリコールはほとんど蒸発しないものであるとすると、時間経過と共に水の蒸発量が増加して、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなる。
そこで、水補給断続弁16を開弁して補給水路15を通して熱媒貯留タンク1に水を補給すると、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度を低くすることができる。
そして、大気開放の熱媒貯留タンク1においては、水は蒸発するがエチレングリコールはほとんど蒸発しないものであるとすると、時間経過と共に水の蒸発量が増加して、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなる。
そこで、水補給断続弁16を開弁して補給水路15を通して熱媒貯留タンク1に水を補給すると、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度を低くすることができる。
又、水とエチレングリコールの比熱を比較すると、20℃において、エチレングリコールの比熱は2348.37J/kg・K(0.561cal/g・℃)であり、水の比熱は4186.05J/kg・K(1cal/g・℃)であり、比熱はエチレングリコールの方が水よりも小さい。
つまり、時間経過と共に熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなり、それに伴って、熱媒Cの比熱が小さくなるので、熱媒用熱交換器23において目標熱量の熱量を回収するには、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を増加する必要がある。
又、熱媒貯留タンク1に水Wを補給することにより、熱媒Cを希釈してエチレングリコールの濃度を低くすると、熱媒Cの比熱が大きくなるので、熱媒用熱交換器23において目標熱量の熱量を回収するに当って、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を減少することができる。
つまり、時間経過と共に熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなり、それに伴って、熱媒Cの比熱が小さくなるので、熱媒用熱交換器23において目標熱量の熱量を回収するには、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を増加する必要がある。
又、熱媒貯留タンク1に水Wを補給することにより、熱媒Cを希釈してエチレングリコールの濃度を低くすると、熱媒Cの比熱が大きくなるので、熱媒用熱交換器23において目標熱量の熱量を回収するに当って、熱媒循環路2を通流する熱媒Cの流量を減少することができる。
図2に示すように、予め実験により、熱媒循環路2における熱媒Cの流量(リットル/min)と、熱媒C中のエチレングリコールの濃度(重量%)と、熱媒用熱交換器23にて熱媒Cから湯水Hに回収される回収熱量(W)との関係が求められている。
図2から、時間経過に伴って熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなると、回収熱量を一定に維持するには、熱媒Cの流量を増加させる必要があることが分かる。
又、熱媒Cの流量が一定であると、熱媒C中のエチレングリコールの濃度が低くなるほど回収熱量が増加することが分かる。
図2から、時間経過に伴って熱媒C中のエチレングリコールの濃度が高くなると、回収熱量を一定に維持するには、熱媒Cの流量を増加させる必要があることが分かる。
又、熱媒Cの流量が一定であると、熱媒C中のエチレングリコールの濃度が低くなるほど回収熱量が増加することが分かる。
そして、図2に示すように、目標熱量は、例えば、1200Wに設定されている。
又、上限流量は、熱媒循環ポンプ3の流量を調整可能な範囲内で、エチレングリコールの濃度が設定初期濃度よりもかなり高くなっても目標熱量の回収熱量が得られる流量、例えば、6.0リットル/minに設定されている。
又、希釈時調整流量は、設定初期濃度(例えば25%)よりも多少高いエチレングリコールの濃度の熱媒Cにより目標熱量が得られる流量、例えば、4.0リットル/minに設定される。
又、上限流量は、熱媒循環ポンプ3の流量を調整可能な範囲内で、エチレングリコールの濃度が設定初期濃度よりもかなり高くなっても目標熱量の回収熱量が得られる流量、例えば、6.0リットル/minに設定されている。
又、希釈時調整流量は、設定初期濃度(例えば25%)よりも多少高いエチレングリコールの濃度の熱媒Cにより目標熱量が得られる流量、例えば、4.0リットル/minに設定される。
希釈時調整流量が上述のように設定されているので、濃度調整による回収熱量制御が実行されると、エチレングリコールの濃度が設定初期濃度に近い濃度になるまで、熱媒循環経路に存在する熱媒Cが希釈されることになる。
そして、熱媒貯留タンク1ではエチレングリコールはほとんど蒸発しないものとして、熱媒循環経路に存在するエチレングリコールの量はほとんど変化しないものとすると、下限水位センサ17により下限水位が検出されることや、濃度調整による回収熱量制御を実行されることにより、熱媒貯留タンク1に水Wが補給されても、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度は設定初期濃度よりも低くならないので、熱媒の凍結を抑制する能力はほとんど低下しない。
そして、熱媒貯留タンク1ではエチレングリコールはほとんど蒸発しないものとして、熱媒循環経路に存在するエチレングリコールの量はほとんど変化しないものとすると、下限水位センサ17により下限水位が検出されることや、濃度調整による回収熱量制御を実行されることにより、熱媒貯留タンク1に水Wが補給されても、熱媒循環経路に存在する熱媒C中のエチレングリコールの濃度は設定初期濃度よりも低くならないので、熱媒の凍結を抑制する能力はほとんど低下しない。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aを熱媒流量調整手段Vにて構成する形態と、熱媒供給状態調整手段Aを水補給断続弁16にて構成する形態の両方を採用したが、いずれか一方のみを採用するように構成しても良い。
熱媒供給状態調整手段Aを熱媒流量調整手段Vにて構成する形態のみを採用する場合は、熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量が上限流量以上になると、上限水位センサ18により上限水位が検出されるまで水補給断続弁16を開弁する制御を実行しながら、流量調整による回収熱量制御を実行するように構成する。
あるいは、流量調整による回収熱量制御を実行すると共に、熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量が上限流量以上になると警報を発するように構成することもできる。この場合、警報が発せられると、人為的に水補給断続弁16を開弁して、熱媒貯留タンク1に水Wを補給することになる。
又、熱媒供給状態調整手段Aを水補給断続弁16にて構成する形態のみを採用する場合は、熱媒循環路2の熱媒Cの流量が所定の流量になるように熱媒循環ポンプ3の作動を制御する状態で、回収熱量計測手段Mにより計測される回収熱量が目標熱量になるように、水補給断続弁16の開閉動作を制御して、熱媒C中のエチレングリコールの濃度を調整するように構成する。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 上記の実施形態では、熱媒供給状態調整手段Aを熱媒流量調整手段Vにて構成する形態と、熱媒供給状態調整手段Aを水補給断続弁16にて構成する形態の両方を採用したが、いずれか一方のみを採用するように構成しても良い。
熱媒供給状態調整手段Aを熱媒流量調整手段Vにて構成する形態のみを採用する場合は、熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量が上限流量以上になると、上限水位センサ18により上限水位が検出されるまで水補給断続弁16を開弁する制御を実行しながら、流量調整による回収熱量制御を実行するように構成する。
あるいは、流量調整による回収熱量制御を実行すると共に、熱媒流量センサ25にて検出される熱媒Cの流量が上限流量以上になると警報を発するように構成することもできる。この場合、警報が発せられると、人為的に水補給断続弁16を開弁して、熱媒貯留タンク1に水Wを補給することになる。
又、熱媒供給状態調整手段Aを水補給断続弁16にて構成する形態のみを採用する場合は、熱媒循環路2の熱媒Cの流量が所定の流量になるように熱媒循環ポンプ3の作動を制御する状態で、回収熱量計測手段Mにより計測される回収熱量が目標熱量になるように、水補給断続弁16の開閉動作を制御して、熱媒C中のエチレングリコールの濃度を調整するように構成する。
(ロ) 熱媒Cを構成する凝固点降下剤の具体例は、上記の実施形態にて例示したエチレングリコールに限定されるものではなく、種々のものを採用することができる。例えば、プロピレングリコール、セロソルブ類、カルビトール類、低級アルコール等を用いることができる。
又、熱媒Cに、水及び凝固点降下剤以外に、例えば、防錆剤等の他の成分を添加しても良い。
又、熱媒Cに、水及び凝固点降下剤以外に、例えば、防錆剤等の他の成分を添加しても良い。
(ハ) 水及び凝固点降下剤夫々の特性を比較すると、上記の実施形態のように、水の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合は、時間経過に伴って、熱媒C中の凝固点降下剤の濃度が高くなって熱媒Cの比熱が低下するので、熱媒成分補給断続手段としては、熱媒貯留タンク1への水の補給を断続自在なもの、例えば上記の実施形態のような水補給断続弁16にて構成することになる。
逆に、凝固点降下剤の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合、時間経過に伴って、熱媒C中の凝固点降下剤の濃度が低くなって熱媒Cの比熱が低下するので、熱媒成分補給断続手段としては、熱媒貯留タンク1への凝固点降下剤の補給を断続自在なものにて構成することになる。
逆に、凝固点降下剤の方が蒸気圧が高く、比熱も大きい場合、時間経過に伴って、熱媒C中の凝固点降下剤の濃度が低くなって熱媒Cの比熱が低下するので、熱媒成分補給断続手段としては、熱媒貯留タンク1への凝固点降下剤の補給を断続自在なものにて構成することになる。
(ニ) 熱媒流量調整手段Vの具体構成は、上記の実施形態のように、回転速度を調整自在な熱媒循環ポンプ3により構成する場合に限定されるものではない。例えば、熱媒循環路2に、熱媒Cの通流量を調整自在な比例弁を設けて、熱媒流量調整手段をこの比例弁にて構成しても良い。
(ホ) 熱回収部Rの具体構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、熱媒循環路2を通流する熱媒Cと床暖房装置や浴室暖房乾燥装置等の暖房端末に循環供給する熱媒とを熱交換する熱交換器を備えて構成して、排熱発生装置Gにて発生する排熱を暖房端末に循環供給する熱媒に直接回収するように構成しても良い。
例えば、熱媒循環路2を通流する熱媒Cと床暖房装置や浴室暖房乾燥装置等の暖房端末に循環供給する熱媒とを熱交換する熱交換器を備えて構成して、排熱発生装置Gにて発生する排熱を暖房端末に循環供給する熱媒に直接回収するように構成しても良い。
(ヘ) 上記の実施形態のように、本発明をコージェネレーションシステムに適用する場合、排熱発生装置Gの具体例は、上記の実施形態において例示した発電機5を駆動するエンジン6に限定されるものではなく、例えば、燃料電池、発電機5を駆動するガスタービンでも良い。
又、本発明は、コージェネレーションシステム以外に、ヒートポンプを駆動するエンジン、各種燃焼装置等を排熱発生装置として備えた各種排熱回収装置に適用することができる。
又、本発明は、コージェネレーションシステム以外に、ヒートポンプを駆動するエンジン、各種燃焼装置等を排熱発生装置として備えた各種排熱回収装置に適用することができる。
以上説明したように、時間経過に伴う回収熱量の減少を抑制し得る排熱回収装置を提供することができる。
1 熱媒貯留タンク
2 熱媒循環路
3 熱媒循環ポンプ(熱媒循環手段)
5 発電機
6 エンジン
7 制御手段
16 水補給断続弁(熱媒成分補給断続手段)
A 熱媒供給状態調整手段
C 熱媒
G 排熱発生装置
M 回収熱量計測手段
R 熱回収部
V 熱媒流量調整手段
W 水
2 熱媒循環路
3 熱媒循環ポンプ(熱媒循環手段)
5 発電機
6 エンジン
7 制御手段
16 水補給断続弁(熱媒成分補給断続手段)
A 熱媒供給状態調整手段
C 熱媒
G 排熱発生装置
M 回収熱量計測手段
R 熱回収部
V 熱媒流量調整手段
W 水
Claims (4)
- 排熱発生装置、熱回収部、大気開放型の熱媒貯留タンクを経由して熱媒を循環させる熱媒循環路と、
前記排熱発生装置にて発生する排熱を前記熱回収部にて前記熱媒を介して回収すべく、前記熱媒循環路を通して熱媒を循環させる熱媒循環手段とが設けられ、
前記熱媒は、水及び熱媒の凝固点を降下させるための凝固点降下剤を含むものである排熱回収装置であって、
前記熱回収部に供給する熱媒の供給状態を調整自在な熱媒供給状態調整手段と、
前記熱回収部にて前記熱媒から回収される回収熱量を計測する回収熱量計測手段と、
その回収熱量計測手段の計測情報に基づいて、前記回収熱量が目標熱量になるように前記熱媒供給状態調整手段の作動を制御する制御手段とが設けられている排熱回収装置。 - 前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒循環路を通流する熱媒の流量を調整自在な熱媒流量調整手段にて構成されている請求項1に記載の排熱回収装置。
- 前記熱媒供給状態調整手段が、前記熱媒貯留タンクへの水又は凝固点降下剤の補給を断続自在な熱媒成分補給断続手段にて構成されている請求項1又は2に記載の排熱回収装置。
- 前記排熱発生装置が、発電機を駆動するエンジンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の排熱回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010053428A JP2011185570A (ja) | 2010-03-10 | 2010-03-10 | 排熱回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011185570A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013074758A (ja) * | 2011-09-28 | 2013-04-22 | Kyocera Corp | 電力管理システム及び電力管理装置 |
US10575410B2 (en) | 2015-01-13 | 2020-02-25 | Dexerials Corporation | Anisotropic conductive film, manufacturing method thereof, and connection structure |
-
2010
- 2010-03-10 JP JP2010053428A patent/JP2011185570A/ja active Pending
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US9727038B2 (en) | 2011-09-28 | 2017-08-08 | Kyocera Corporation | Fuel cell control using pseudo power consumption |
US10575410B2 (en) | 2015-01-13 | 2020-02-25 | Dexerials Corporation | Anisotropic conductive film, manufacturing method thereof, and connection structure |
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