JP2011185504A - 蒸発器ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】気相冷媒と冷却対象空間へ送風される空気とを熱交換させる顕熱交換部を含む蒸発器ユニットの温度分布を抑制する。
【解決手段】蒸発器ユニット20のうち、空気流れ風上側に配置される風上側熱交換器23に顕熱交換部20eおよび流出側蒸発部20cを設け、風下側熱交換器24に吸引側蒸発部20dおよび流出側蒸発部20cを設ける。さらに、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部20eと吸引側蒸発部20dとを互いに重合させ、流出側蒸発部20c同士を互いに重合させるように配置する。これにより、各蒸発部および熱交換部20c、20d、20eで冷却された空気のうち、最も温度が高くなる顕熱交換部20eにて冷却された空気を、さらに最も温度が低くなる吸引側蒸発部20dにて冷却することができ、蒸発器ユニット20全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エジェクタ式冷凍サイクルに適用される蒸発器ユニットに関する。
従来、冷媒減圧手段としてのエジェクタを備えるエジェクタ式冷凍サイクルが知られている。この種のエジェクタは冷媒流入出口に加えて冷媒吸引口を有しているので、エジェクタ式冷凍サイクルでは、冷媒流入出口のみを有する減圧手段を備える通常の冷凍サイクルに対して、エジェクタと他のサイクル構成機器との接続が複雑化しやすい。
このため、エジェクタ式冷凍サイクルでは、通常の冷凍サイクルに対して、空調装置等の製品へ搭載する際の搭載性が悪化しやすい。これに対して、例えば、特許文献1には、エジェクタおよび蒸発器を蒸発器ユニットとして一体化したものが開示されている。このような一体化は、エジェクタ式冷凍サイクルの製品への搭載性を向上させる手段として有効である。
具体的には、特許文献1の蒸発器ユニットでは、エジェクタ、エジェクタのディフューザ部から流出した冷媒を蒸発させる流出側蒸発部、流出側蒸発部から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器、気液分離器から流出した液相冷媒を蒸発させてエジェクタの冷媒吸引口側へ流出させる吸引側蒸発部、および、気液分離器から流出した気相冷媒を流通させて圧縮機吸入口側へ流出させる顕熱交換部等を一体化している。
さらに、特許文献1の蒸発器ユニットでは、顕熱交換部、流出側蒸発部および吸引側蒸発部を平板状に配置して、水あるいはグリコールといった熱媒体を、顕熱交換部→流出側蒸発部→吸引側蒸発部の順(熱交換温度の低くなる順)に通過させて冷却している。そして、冷却された熱媒体をヒータと呼ばれる熱媒体−空気熱交換器へ流入させ、熱媒体と空気とを熱交換させることで、熱媒体が空気から吸熱できるようにしている。
国際公開第2009/090073号パンフレット
ところが、特許文献1の蒸発器ユニットのように、熱媒体を介して空気を冷却し、当該空気を冷却対象空間に送風する構成では、上述したエジェクタ式冷凍サイクルを製品へ搭載する際の搭載性向上効果を得ることができたとしても、空調装置全体としては、熱媒体を循環させる熱媒体循環回路や熱媒体−空気熱交換器を設ける必要がある。その結果、空調装置全体としての構成が複雑化してしまう。
このような空調装置(製品)全体としての構成の複雑化を回避するためには、蒸発器ユニットにて冷媒と冷却対象空間に送風される空気とを直接熱交換させて、冷媒に直接空気から吸熱させる手段が考えられる。しかしながら、特許文献1の蒸発器ユニットのように、顕熱交換部、流出側蒸発部および吸引側蒸発部を平板状に配置して空気を直接冷却すると、蒸発器ユニットから吹き出される空気に温度分布が生じてしまう。
特に、顕熱交換部では冷媒が空気から顕熱分の吸熱しかできないため、蒸発器ユニットの顕熱交換部の部分から吹き出される空気は、流出側蒸発部や吸引側蒸発部のように冷媒が空気から蒸発潜熱分の吸熱を行うことのできる熱交換部から吹き出される空気に対して温度が上昇してしまう。
本発明は、上記点に鑑み、気相冷媒と冷却対象空間へ送風される空気とを熱交換させる顕熱交換部を含む蒸発器ユニットの温度分布を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷媒を減圧させるノズル部(21a)から噴射される高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(21c)から吸引し、冷媒吸引口(21c)から吸引された吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(21)と、エジェクタ(21)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(22)と、冷媒と熱交換して冷却対象空間へ送風される空気の流れの風上側に配置される風上側熱交換器(23)と、風上側熱交換器(23)に対して、空気の流れの風下側に配置される風下側熱交換器(24)とを備え、
風上側熱交換器(23)には、気液分離器(22)から流出した気相冷媒と空気とを熱交換させる顕熱交換部(20e)が設けられ、風下側熱交換器(24)には、気液分離器(22)から流出した液相冷媒を空気と熱交換させることによって蒸発させて冷媒吸引口(21c)側へ流出させる吸引側蒸発部(20d)が設けられ、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)は、空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されている蒸発器ユニットを特徴とする。
ここで、顕熱交換部(20e)では、気液分離器(22)から流出した気相冷媒と空気とを熱交換させるので、空気は顕熱分の吸熱しかされない。一方、吸引側蒸発部(20d)では、気液分離器(22)から流出した液相冷媒と空気とを熱交換させるので、空気は冷媒の蒸発潜熱分の吸熱がなされる。従って、吸引側蒸発部(20d)にて冷却された空気の温度は、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気の温度よりも低くなる。
これに対して、請求項1に記載の発明によれば、顕熱交換部(20e)を風上側熱交換器(23)に設け、吸引側蒸発部(20d)を風下側熱交換器(24)に設け、さらに、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)を互いに重合するように配置している。
従って、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気を、さらに吸引側蒸発部(20d)にて冷却することができる。その結果、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気が、そのままの温度で蒸発器ユニットから吹き出されてしまうことを回避して、蒸発器ユニット全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制することができる。
また、請求項2に記載の発明では、冷媒を減圧させるノズル部(21a)から噴射される高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(21c)から吸引し、冷媒吸引口(21c)から吸引された吸引冷媒と噴射冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(21)と、エジェクタ(21)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(22)と、冷媒と熱交換して冷却対象空間へ送風される空気の流れの風上側に配置される風上側熱交換器(23)と、風上側熱交換器(23)に対して、空気の流れの風下側に配置される風下側熱交換器(24)とを備え、
風上側熱交換器(23)には、気液分離器(22)から流出した気相冷媒と空気とを熱交換させる顕熱交換部(20e)が設けられ、風下側熱交換器(24)には、気液分離器(22)から流出した液相冷媒を空気と熱交換させることによって蒸発させて冷媒吸引口(21c)側へ流出させる吸引側蒸発部(20d)、および、エジェクタ(21)から流出した冷媒を空気と熱交換させることによって蒸発させて気液分離器(22)入口側へ流出させる流出側蒸発部(20c)が設けられ、顕熱交換部(20e)、並びに、吸引側蒸発部(20d)および流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方は、空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されている蒸発器ユニットを特徴とする。
ここで、上述の如く、吸引側蒸発部(20d)にて冷却された空気および流出側蒸発部(20c)にて冷却された空気の温度は、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気の温度よりも低くなる。
これに対して、請求項2に記載の発明によれば、顕熱交換部(20e)を風上側熱交換器(23)に設け、吸引側蒸発部(20d)および流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方を風下側熱交換器(24)に設け、さらに、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部(20e)、並びに、吸引側蒸発部(20d)および流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方を互いに重合するように配置している。
従って、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気を、さらに吸引側蒸発部(20d)および流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方にて冷却することができる。その結果、顕熱交換部(20e)にて冷却された空気が、そのままの温度で蒸発器ユニットから吹き出されてしまうことを回避して、蒸発器ユニット全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制することができる。
なお、本請求項における「顕熱交換部(20e)、並びに、吸引側蒸発部(20d)および流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方は、空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されている」という記載は、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)が互いに重合するように配置されていること、顕熱交換部(20e)および流出側蒸発部(20c)が互いに重合するように配置されていること、さらに、顕熱交換部(20e)および双方の蒸発部(20c、20d)が互いに重合するように配置されていることを含む意味である。
さらに、請求項3に記載の発明のように、請求項2に記載の蒸発器ユニットにおいて、風上側熱交換器(23)には、流出側蒸発部(20c)の一部が設けられ、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)は、空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置され、風上側熱交換器(23)に設けられた流出側蒸発部(20c)および風下側熱交換器(24)に設けられた流出側蒸発部(20c)は、空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されていることを特徴とする。
ここで、エジェクタ式冷凍サイクルでは、エジェクタ(21)の昇圧作用によって、流出側蒸発部(20c)における冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を吸引側蒸発部(20d)における冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも上昇させることができる。従って、吸引側蒸発部(20d)にて冷却された空気の温度は、流出側蒸発部(20c)にて冷却された空気の温度よりも低くなる。
そのため、各部にて冷却された空気の温度は、顕熱交換部(20e)→流出側蒸発部(20c)→吸引側蒸発部(20d)の順に低くなる。これに対して、請求項3に記載の発明によれば、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)を互いに重合させ、さらに、流出側蒸発部(20c)同士を互いに重合させているので、蒸発器ユニットから冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を効果的に抑制できる。
つまり、顕熱交換部(20e)および吸引側蒸発部(20d)を互いに重合させることで、風下側熱交換器(24)のうち吸引側蒸発部(20d)から吹き出される空気の温度と風下側熱交換器(24)のうち流出側蒸発部(20c)から吹き出される空気の温度との温度差を小さくすることができる。その結果、蒸発器ユニットから冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を効果的に抑制できる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸発器ユニットにおいて、風上側熱交換器(23)および風下側熱交換器(24)のうち、少なくとも一方は、空気と熱交換する冷媒が流通する複数のチューブ(23a、24a)と複数のチューブ(23a、24a)に対する冷媒の分配、集合の機能を果たすタンク部(23c、23d、24c、24d)とを有し、気液分離器(22)は、タンク部(23c、23d、24c、24d)によって形成されていることを特徴とする。
これによれば、タンク部(23c、23d、24c、24d)の内部空間を有効に利用することができ、気液分離器(22)を風上側熱交換器(23)および風下側熱交換器(24)の外部に配置する場合に対して、蒸発器ユニット全体としての小型化を図ることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の蒸発器ユニットにおいて、タンク部(23c、23d、24c、24d)の内部には、気液分離器(22)から流出する液相冷媒を減圧させる減圧機構(22a)が配置されていることを特徴とする。これによれば、減圧機構(22a)を風上側熱交換器(23)および風下側熱交換器(24)の外部に配置する場合に対して、蒸発器ユニット全体としての小型化を図ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの模式的な斜視図である。 第1実施形態の風下側熱交換器の下側タンク部の模式的な長手方向断面図である。 第1実施形態の蒸発器ユニットの温度分布を説明するグラフである。 第2実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第2実施形態の蒸発器ユニットの模式的な斜視図である。 第2実施形態の蒸発器ユニットの温度分布を説明するグラフである。 第3実施形態の蒸発器ユニットの模式的な斜視図である。 第4実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第4実施形態の蒸発器ユニットの模式的な斜視図である。 第4実施形態の蒸発器ユニットの温度分布を説明するグラフである。 第5実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルの全体構成図である。 第5実施形態の蒸発器ユニットの模式的な斜視図である。 第5実施形態の蒸発器ユニットの温度分布を説明するグラフである。
(第1実施形態)
図1〜4により、本発明の第1実施形態に係る蒸発器ユニット20について説明する。この蒸発器ユニット20は、エジェクタを備える冷凍サイクルであるエジェクタ式冷凍サイクル10に適用されており、エジェクタ式冷凍サイクル用蒸発器ユニットあるいはエジェクタ一体型蒸発器ユニット等とも呼ばれうる。
図1は、本実施形態の蒸発器ユニット20が適用されたエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成図である。このエジェクタ式冷凍サイクル10は、車両用空調装置に適用されており、冷却対象空間である車室内へ送風される送風空気を冷却する機能を担う。さらに、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。
まず、エジェクタ式冷凍サイクル10において、圧縮機11は、冷媒を吸入して圧縮するものである。この圧縮機11は、車両のエンジンルーム内に配置されて、図示しない車両走行用エンジンから駆動力が伝達されて回転駆動される。さらに、本実施形態では、圧縮機11として、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機を採用している。
圧縮機11の吐出容量は、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって制御される。もちろん、圧縮機として、電磁クラッチの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機を採用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を採用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の冷媒吐出側には、エンジンルーム内に配置された放熱器12が接続されている。放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と冷却ファン12aにより送風される外気とを熱交換させて、高圧冷媒を放熱させる放熱用熱交換器である。冷却ファン12aは、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
放熱器12の出口側には、内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aの入口側が接続されている。内部熱交換器13は、高圧側冷媒流路13aを通過する放熱器12出口側冷媒と低圧側冷媒流路13bを通過する圧縮機11吸入側冷媒とを熱交換させて、高圧側冷媒流路13aを通過する冷媒を冷却するものである。
これにより、後述する蒸発器ユニット20の風上側熱交換器23および風下側熱交換器24に設けられた流出側蒸発部20cおよび吸引側蒸発部20dへ流入する冷媒とこれらの蒸発部20c、20dから流出する冷媒とのエンタルピ差を増大させて、これらの蒸発部20c、20dにて発揮される冷凍能力を拡大させることができる。
内部熱交換器13の具体的構成としては、高圧側冷媒流路13aと低圧側冷媒流路13bとを形成する冷媒配管同士をろう付け接合して熱交換させる構成や、高圧側冷媒流路13aを形成する内側管の外側に低圧側冷媒流路13bを配置する2重管方式の熱交換器構成等を採用できる。
内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aの出口側には、本実施形態の蒸発器ユニット20の冷媒入口20a側が接続されている。また、蒸発器ユニット20の冷媒出口20b側には、内部熱交換器13の低圧側冷媒流路13bの入口側が接続されている。そして、低圧側冷媒流路13bの出口側には、圧縮機11の吸入側が接続されている。
蒸発器ユニット20は、図示しない車両用空調装置の室内ユニット内に形成された空気通路内に配置されており、送風ファン14から車室内へ向けて送風される送風空気と内部を流通する冷媒とを熱交換させて冷却するものである。なお、送風ファン14は、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
さらに、蒸発器ユニット20は、エジェクタ式冷凍サイクル10を構成するサイクル構成機器のうち、エジェクタ21、エジェクタ21から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器22、冷媒と熱交換して送風空気の流れの風上側に配置される風上側熱交換器23、および、風上側熱交換器23に対して、送風空気の流れの風下側に配置される風下側熱交換器24等を一つのユニットとして一体化したものである。
蒸発器ユニット20の詳細構成については、図1に加えて、図2を用いて説明する。なお、図2は、蒸発器ユニット20を構成する各構成機器の配置、および、蒸発器ユニット20の内部構成を示す模式的な斜視図であり、蒸発器ユニット20内における冷媒の流れを太実線矢印で示している。また、図2中の上下の各矢印は、蒸発器ユニット20を車両に搭載した状態における上下の各方向を示し、白抜き矢印は、送風空気の流れ方向を示している。
まず、エジェクタ21は、内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aから流出した冷媒を減圧する冷媒減圧手段としての機能を果たすとともに、高速で噴射される噴射冷媒の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段としての機能を果たすものである。
具体的には、エジェクタ21は、内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aから流出した冷媒の冷媒通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧させるノズル部21a、および、その内部にノズル部21aを収容してエジェクタ21の外殻を形成するボディ部21bを有している。
ボディ部21bは、ノズル部21aから噴射される噴射冷媒の噴射方向(ノズル部21aの軸線方向)に延びる略円筒形状に形成されており、ボディ部21bの円筒壁面には、ノズル部21aの冷媒噴射口と連通するように配置されて、後述する風下側熱交換器24の吸引側蒸発部20dから流出した冷媒を吸引する冷媒吸引口21cが形成されている。
さらに、ボディ部21b内に形成された冷媒流路のうち、ノズル部21aおよび冷媒吸引口21cの冷媒流れ下流側には、ノズル部21aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口21cから吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる混合昇圧部としてのディフューザ部21dが形成されている。
ディフューザ部21dは、冷媒流れ方向に向かって冷媒通路面積が徐々に大きくなる形状に形成されており、噴射冷媒と吸引冷媒との混合冷媒の流速を減速して混合冷媒の圧力を上昇させる昇圧作用、つまり、混合冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換する作用を果たす。
次に、風上側熱交換器23は、送風ファン14から車室内へ向けて送風される送風空気と内部を流通する冷媒とを熱交換させるものである。
より具体的には、風上側熱交換器23は、図2に示すように、冷媒が流通する複数本のチューブ23a、空気と冷媒との熱交換を促進する複数の熱交換フィン23b、および、各チューブ23aに対して冷媒の集合および分配を行う一対のタンク部23c、23dを有して構成された、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器である。
なお、図2では、図示の明確化のため、チューブ23aおよび熱交換フィン23bの一部のみを示しているが、各チューブ23aは一定の方向に積層配置されており、熱交換フィン23bは、隣り合うチューブ23a間に配置されている。そして、このチューブ23aと熱交換フィン23bとの積層構造によって、空気と冷媒とを熱交換させる熱交換コア部23eが形成されている。
さらに、一対のタンク部としては、上側タンク部23cおよび下側タンク部23dが設けられている。双方のタンク部23c、23dは、チューブ23aおよび熱交換フィン23bの積層方向に延びる形状に形成されており、各チューブ23aの長手方向両端側に配置されている。
そして、双方のタンク部23c、23dの内部空間が各チューブ23aの冷媒通路に連通している。また、双方のタンク部23c、23dの内部空間は、仕切部材としての第1、第2セパレータ23f、23gによって複数の空間に仕切られている。なお、第1、第2セパレータ23f、23gによって仕切られた各空間については後述する。
風下側熱交換器24は、送風ファン14から車室内へ向けて送風されて風上側熱交換器23を通過した送風空気と内部を流通する冷媒とを熱交換させるもので、その基本的構成は風上側熱交換器23と同様である。
従って、風下側熱交換器24も、チューブ24a、熱交換フィン24b、および、上側タンク部24c、下側タンク部24dを有するタンクアンドチューブ型の熱交換器である。また、風下側熱交換器24の上側タンク部24cおよび下側タンク部24dの内部空間も、第1、第2セパレータ24f、24gによって複数の空間に仕切られている。
さらに、本実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の上側タンク部23c、24c同士の少なくとも一部、並びに、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の下側タンク部23d、24d同士の少なくとも一部を同一部材で形成して、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24を一体化している。
この際、各タンク部23c〜24dの長手方向が、互いに平行となるように配置している。もちろん、これらのタンク部23c〜24dを別部材で形成し、ろう付け接合等の接合手段によって、同様に一体的に構成してもよいし、ボルト締め等の機械的締結手段によって、同様に一体的に構成してもよい。
さらに、本実施形態では、エジェクタ21を風下側熱交換器24の上側タンク部24cの内部空間のうち、第1セパレータ24fによって仕切られた長手方向一端側の第1空間241内に配置して、エジェクタ21と風下側熱交換器24とを一体化している。より具体的には、エジェクタ21は、その長手方向が風下側熱交換器24の上側タンク部24cの長手方向と平行になるように配置されている。
そして、エジェクタ21のノズル部21aの冷媒流入口が蒸発器ユニットの冷媒入口20aに接続され、冷媒吸引口21cが第1空間241内で開口し、さらに、エジェクタ21の出口側が第1セパレータ23fによって仕切られた長手方向他端側の第2空間242内で開口している。なお、第2空間242の容積は第1空間241の容積の約2倍程度確保されている。
また、図2に示すように、風上側熱交換器23の上側タンク部23cの内部空間についても、風下側熱交換器24の上側タンク部24cと同様に、第1セパレータ23fによって一端側の第1空間231および他端側の第2空間232に仕切られている。なお、図2では、図示の明確化のため、各空間を示す符号に引き出し線の先端に黒丸印を付している。
さらに、風上側熱交換器23の第2空間232および風下側熱交換器24の第2空間242は、双方の上側タンク部23c、24cの壁面に形成された連通穴を介して、直接連通している。従って、エジェクタ21から流出した冷媒は、風上側熱交換器23の第2空間232および風下側熱交換器24の第2空間242の双方に流入する。
また、図2に示すように、風上側熱交換器23の下側タンク部23dおよび風下側熱交換器24の下側タンク部24dの内部空間についても、風下側熱交換器24の上側タンク部24cと同様に、それぞれ第1セパレータ23f、24fによって、一端側の第3空間233、234および他端側の第4空間243、244に区画されている。
そして、双方の熱交換器23、24の上側タンク部23c、24cの第1空間231、241と下側タンク部23d、24dの第3空間233、243同士が、同一のチューブ23a、23b群によって接続され、上側タンク部23c、24cの第2空間232、242と下側タンク部23d、24dの第4空間234、244同士が、同一のチューブ23a、24a群によって接続されている。
さらに、双方の下側タンク部23d、24dの第4空間234、244は、長手方向に延びる第2セパレータ23g、24gによって上側空間と下側空間とに仕切られており、いわゆる二階建て構造となっている。また、第4空間234、244の上側空間同士は、双方の下側タンク部23d、24dに形成された連通穴を介して互いに連通している。
従って、双方の熱交換器23、24の上側タンク部23c、24cの第2空間232、242および下側タンク部23d、24dの第3空間234、244同士を接続するチューブ23a、23b群から流出した冷媒は、双方の下側タンク部23d、24dの第4空間234、244の上側空間で合流する。
また、風下側熱交換器24の下側タンク部24dの第2セパレータ24gには、上側空間と下側空間とを連通させる連通穴241gが設けられており、第4空間234、244の上側空間で合流した冷媒は、この連通穴241gを介して、風下側熱交換器24の第4空間244の下側空間へ流入する。
この下側空間は、エジェクタ21から流出した冷媒の気液を分離する気液分離空間を構成している。換言すると、本実施形態の気液分離器22は、風下側熱交換器24の下側タンク部24dによって形成されている。
従って、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第2空間232から第4空間234へ至る領域、および、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第2空間242から第4空間244へ至る領域は、エジェクタ21から流出した冷媒を送風空気と熱交換させて蒸発させるとともに、気液分離器22入口側へ流出させる流出側蒸発部20cとして機能する。
つまり、本実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の双方に流出側蒸発部20cの一部が設けられており、風上側熱交換器23に設けられた流出側蒸発部20cおよび風下側熱交換器24に設けられた流出側蒸発部20cは、送風空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されている。
次に、図3を用いて、気液分離器22の詳細構成を説明する。なお、図3は、風下側熱交換器24の下側タンク部24dの模式的な長手方向断面図であり、図2と同様に、蒸発器ユニット20内(気液分離器22)における冷媒の流れを太実線矢印で示している。
図3に示すように、下側タンク部24dを第3空間243と第4空間244に仕切る第1セパレータ24fのうち、気液分離器22内の液相冷媒の液面より下方側には、気液分離器22にて分離された液相冷媒を第3空間243側へ流出させる液相冷媒出口穴22aが形成されている。この液相冷媒出口穴22aは、減圧機構である固定絞り(オリフィス)として機能して、液相冷媒出口穴22aから流出する液相冷媒を減圧させる。
ここで、前述の図2で説明したように、風下側熱交換器24の第3空間243は、チューブ24aによって、風下側熱交換器24の第1空間241に接続されており、エジェクタ21の冷媒吸引口21cは、風下側熱交換器24の第1空間241内で開口している。
従って、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第3空間243から第1空間241へ至る領域は、気液分離器22から流出した液相冷媒を送風空気と熱交換させることによって蒸発させて冷媒吸引口21c側へ流出させる吸引側蒸発部20dとして機能する。
また、下側タンク部24dのうち気液分離器22を形成するタンク壁面であって、液相冷媒の液面より上方側には、気液分離器22にて分離された気相冷媒を風上側熱交換器23の第4空間234の下側空間側へ流出させる気相冷媒出口穴22bが形成されている。この気相冷媒出口穴22bは、気液分離器22にて分離された気相冷媒の圧力損失を極力抑えるために、液相冷媒出口穴22aよりも大きな開口面積となっている。
さらに、風上側熱交換器23の第4空間234の下側空間は、第1セパレータ23fに形成された連通穴を介して、風上側熱交換器23の第3空間233に連通している。
ここで、前述の如く、風上側熱交換器23の第3空間233は、風上側熱交換器23の第1空間231に連通している。従って、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第3空間233から第1空間231へ至る領域は、気液分離器22から流出した気相冷媒を送風空気と熱交換させる顕熱交換部20eとして機能する。
つまり、本実施形態では、風上側熱交換器23に設けられた顕熱交換部20eおよび風下側熱交換器24に設けられた吸引側蒸発部20dは、送風空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されている。また、風上側熱交換器23の第1空間231は、蒸発器ユニット20の冷媒出口20bに連通している。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種空調制御機器(例えば、圧縮機11、冷却ファン12a、送風ファン14等)の作動を制御する。
空調制御装置の入力側には、車室内温度を検出する内気センサ、外気温を検出する外気センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置の作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ等が設けられている。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。操作パネルの作動スイッチが投入されると、空調制御装置が空調制御用のセンサ群の検出値から圧縮機11の目標冷媒吐出能力、冷却ファン12aおよび送風ファン14の目標送風能力等の目標値を決定し、目標値となる能力が得られるように圧縮機11、冷却ファン12a、送風ファン14等へ制御信号を出力する。これにより、エジェクタ式冷凍サイクル10も作動する。
まず、圧縮機11から吐出された高温高圧冷媒は、放熱器12へ流入する。放熱器12へ流入した高温高圧冷媒は、冷却ファン12aから送風された室外空気と熱交換して冷却されて凝縮する。放熱器12から流出した高圧冷媒は、内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aへ流入し、低圧側冷媒流路13bを流通する低圧冷媒と熱交換して、さらに冷却されてエンタルピを低下させる。
内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aから流出した高圧冷媒は、蒸発器ユニット20の冷媒入口20aから、エジェクタ21のノズル部21aへ流入して、等エントロピ的に減圧される。この際、ノズル部21aにて冷媒の圧力エネルギが速度エネルギに変換され、ノズル部21aの冷媒噴射口から気液二相状態の冷媒が高速度となって噴射される。
そして、この噴射冷媒の吸引作用により、冷媒吸引口21cから風下側熱交換器24の上側タンク部24cの第1空間241内の冷媒が吸引される。前述の如く、この第1空間241内の冷媒は、吸引側蒸発部20dから流出した冷媒である。
ノズル部21aから噴射された噴射冷媒と冷媒吸引口21cより吸引された吸引冷媒は、ディフューザ部21dへ流入し混合される。さらに、ディフューザ部21dでは、冷媒通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギが圧力エネルギに変換されて混合冷媒の圧力が上昇する。
エジェクタ21(具体的には、ディフューザ部21d)から流出した冷媒は、風下側熱交換器24および風上側熱交換器23の上側タンク部24d、23dの第2空間242、232へ流入し、第2空間242、232から風下側熱交換器24および風上側熱交換器23に設けられた流出側蒸発部20cへ流入する。
風上側熱交換器23に設けられた流出側蒸発部20cでは、流入した冷媒が送風ファン14から送風された送風空気から吸熱して蒸発する。また、風下側熱交換器24に設けられた流出側蒸発部20cでは、流入した冷媒が風上側熱交換器23に設けられた流出側蒸発部20cにて冷却された送風空気から、吸熱して蒸発する。これにより、風上側熱交換器23の流出側蒸発部20cを通過後の送風空気がさらに冷却される。
風下側熱交換器24および風上側熱交換器23に設けられた流出側蒸発部20cから流出した冷媒は、それぞれ風下側熱交換器24の下側タンク部24dの第4空間244および風上側熱交換器23の下側タンク部23dの第4空間234へ流入する。そして、双方の下側タンク部23d、24dに形成された連通穴を介して合流する。
合流した冷媒は、風下側熱交換器24の下側タンク部24dの第2セパレータ24gに形成された連通穴241gを介して、風下側熱交換器24の下側タンク部23dによって形成された気液分離器22内へ流入する。気液分離器22では、流入した冷媒の気液が分離される。
気液分離器22の気相冷媒出口穴22bから流出した気相冷媒は、風上側熱交換器23の第4空間234の下側空間→第3空間233の順に流れ、風上側熱交換器23に設けられた顕熱交換部20eへ流入する。顕熱交換部20eでは、流入した気相冷媒が流入した冷媒が送風ファン14から送風された送風空気と熱交換して、送風空気を冷却する。
顕熱交換部20eから風上側熱交換器23の第1空間231へ流出した冷媒は、蒸発器ユニット20の冷媒出口20bから流出する。蒸発器ユニットの冷媒出口20bから流出した冷媒は、内部熱交換器13の低圧側冷媒流路13bにて高圧側冷媒流路13aを流通する高圧冷媒と熱交換した後、再び圧縮機11に吸入されて圧縮される。
気液分離器22の液相冷媒出口穴22aから流出する液相冷媒は、液相冷媒出口穴22aにて等エンタルピ的に減圧されて、風下側熱交換器24の第3空間233へ流入し、さらに、第3空間233から風下側熱交換器24に設けられた吸引側蒸発部20dへ流入する。吸引側蒸発部20dでは、流入した冷媒が風上側熱交換器23に設けられた顕熱交換部20eを通過して冷却された送風空気から吸熱して蒸発する。
これにより、顕熱交換部20eを通過後の送風空気がさらに冷却される。吸引側蒸発部20dから風下側熱交換器24の第1空間241へ流出した冷媒は、エジェクタ21の冷媒吸引口21cからエジェクタ21の内部へ吸引される。
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10は、上述の如く作動するので、蒸発器ユニット20にて送風ファン14から車室内へ向けて送風された送風空気を冷却することができる。さらに、顕熱交換部20eを有する蒸発器ユニット20であっても、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布を抑制することができる。
このことを図4の温度分布図を用いて説明する。なお、図4では、蒸発器ユニット20を風下側熱交換器24側から(送風空気流れに対向する方向から)見たときの蒸発器ユニット20全体として吹き出される温度分布を太実線で示し、風上側熱交換器23のみで冷却した場合の温度分布を太破線で示し、風下側熱交換器24のみで冷却した場合の温度分布を太一点鎖線で示している。
ここで、顕熱交換部20eでは、気液分離器22から流出した気相冷媒と送風空気とを熱交換させるので、空気は顕熱分の吸熱しかされない。一方、流出側蒸発部20cおよび吸引側蒸発部20dでは、気液分離器22から流出した液相冷媒と送風空気とを熱交換させるので、送風空気は冷媒の蒸発潜熱分の吸熱がなされる。
さらに、エジェクタ式冷凍サイクル10では、エジェクタ21の昇圧作用によって、流出側蒸発部20cにおける冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を吸引側蒸発部20dにおける冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも上昇させることができる。
従って、図4の太破線および太一点鎖線に示すように、流出側蒸発部20cおよび吸引側蒸発部20dにて冷却された空気の温度は、顕熱交換部20eにて冷却された空気の温度よりも低くなる。さらに、吸引側蒸発部20dにて冷却された空気の温度は、流出側蒸発部20cにて冷却された空気の温度よりも低くなる。
これに対して、本実施形態によれば、顕熱交換部20eおよび流出側蒸発部20cを風上側熱交換器23に設け、吸引側蒸発部20dおよび流出側蒸発部20cを風下側熱交換器24に設け、さらに、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部20eと吸引側蒸発部20dとを互いに重合させ、流出側蒸発部20c同士を互いに重合させるように配置している。
従って、各蒸発部および熱交換部20c、20d、20eで冷却された空気のうち、最も温度が高くなる顕熱交換部20eにて冷却された空気を、さらに最も温度が低くなる吸引側蒸発部20dにて冷却することができる。これにより、図4の太実線で示すように、風下側熱交換器24の吸引側蒸発部20dから吹き出される送風空気の温度と流出側蒸発部20cから吹き出される送風空気の温度との温度差を小さくすることができる。
その結果、蒸発器ユニット20全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、気液分離器22を風下側熱交換器24の下側タンク部24dによって形成しているので、下側タンク部24dの内部空間を有効に利用することができる。しかも、気液分離器22を風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の外部に配置する場合に対して、蒸発器ユニット20内部を流通する冷媒の圧力損失を抑制できるとともに、蒸発器ユニット20全体としての小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、減圧機構として機能する液相冷媒出口穴22aを風下側熱交換器24の下側タンク部24d内の第1セパレータ24fに配置しているので、減圧機構を風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の外部に配置する場合に対して、蒸発器ユニット20全体としての小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、蒸発器ユニット20の冷媒入口20aに接続されるエジェクタ21を風下側熱交換器24の上側タンク部24cの第1空間241に配置し、冷媒出口20bを風上側熱交換器23の上側タンク部23cの第1空間231に連通させているので、冷媒入口20aおよび冷媒出口20bを近接配置することができ、蒸発器ユニット20を車両用空調装置に搭載する際の搭載性を向上できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図5の全体構成図および図6の模式的な斜視図に示すように、蒸発器ユニット20の構成を変更した例を説明する。つまり、第1実施形態では、風上側熱交換器23に顕熱交換部20eおよび流出側蒸発部20cを設けた例を説明したが、本実施形態では、風上側熱交換器23に顕熱交換部20eのみを設けた例を説明する。
なお、図5は、第1実施形態の図1に対応する全体構成図であり、図6は、第2実施形態の図2に対応する模式的な斜視図である。さらに、図5、6では、それぞれ図1、2と同一もしくは均等の部分に同一の符号を付している。このことは、以下の図面においても同様である。
より具体的には、本実施形態の蒸発器ユニット20では、図6に示すように、風上側熱交換器23の第1、第2セパレータ23f、23gを廃止している。従って、風上側熱交換器23の上側タンク部23cは、第1、第2空間231、232に仕切られることなく一つの内部空間230aを形成している。同様に、下側タンク部23dは、第3、第4空間233、234に仕切られることなく一つの内部空間230bを形成している。
さらに、本実施形態では、風上側熱交換器23の上側タンク部23cの内部空間230aと風下側熱交換器24の上側タンク部24cの第2空間242とを、直接連通させていない。従って、エジェクタ21のディフューザ部21dから流出した冷媒は、風下側熱交換器24の第2空間242のみに流入する。
また、気液分離器22の気相冷媒出口穴22bから流出した気相冷媒は、風上側熱交換器23の下側タンク部23dの内部空間230bへ流入する。本実施形態の内部空間230bは、複数のチューブ23aを介して上側タンク部23cの内部空間230aに連通している。
従って、本実施形態では、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第2空間242から第4空間244へ至る領域が流出側蒸発部20cとして機能し、第3空間243から第1空間241へ至る領域が、吸引側蒸発部20dとして機能する。さらに、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、内部空間230bから内部空間230aに至る全領域が顕熱交換部20eとして機能する。
なお、本実施形態では、風上側熱交換器23の第2空間242の容積は第1空間241の容積の約0.5倍程度確保され、第4空間244の容積も第3空間243の容積の約0.5倍程度確保されている。その他の蒸発器ユニット20およびエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成および作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、図7の温度分布図に示すように、顕熱交換部20eを有する蒸発器ユニット20であっても、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布を抑制することができる。なお、図7は、第1実施形態の図4に対応するグラフである。
つまり、本実施形態によれば、顕熱交換部20eを風上側熱交換器23に設け、吸引側蒸発部20dおよび流出側蒸発部20cを風下側熱交換器24に設け、さらに、空気の流れ方向から見たときに、顕熱交換部20eと吸引側蒸発部20dを互いに重合させ、顕熱交換部20eと流出側蒸発部20cとを互いに重合させるように配置している。
従って、各部20c、20d、20eで冷却された空気のうち、最も温度が高くなる顕熱交換部20eにて冷却された空気を、さらに流出側蒸発部20cおよび吸引側蒸発部20dにて冷却することができる。これにより、図6の太実線で示すように、風下側熱交換器24の吸引側蒸発部20dから吹き出される送風空気の温度と流出側蒸発部20cから吹き出される送風空気の温度との温度差を小さくすることができる。
その結果、蒸発器ユニット20全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制することができる。さらに、本実施形態の蒸発器ユニット20においても、第1実施形態と同様の、小型化効果および搭載性向上効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態の変形例である。本実施形態の蒸発器ユニット20は、図8の模式的な斜視図に示すように、エジェクタ21のうちノズル部21aの入口側の一部を風下側熱交換器24の上側タンク部24cの外部に露出させたものである。その他の構成および作動は第2実施形態と同様である。
従って、本実施形態においても、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布は、第2実施形態の図7と同様となり、第2実施形態と全く同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態によれば、エジェクタ21のノズル部21aの入口側を蒸発器ユニット20の冷媒入口20aとすることができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態に対して、図9の全体構成図および図10の模式的な斜視図に示すように、蒸発器ユニット20の構成を変更した例を説明する。つまり、第1実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の双方に流出側蒸発部20cを設けた例を説明したが、本実施形態では、流出側蒸発部20cを廃止している。
より具体的には、本実施形態の蒸発器ユニット20では、図10に示すように、風上側熱交換器23の下側タンク部23dの第1セパレータ23f、第2セパレータ23g、および、風下側熱交換器24の下側タンク部24dの第1セパレータ24fを廃止している。さらに、風下側熱交換器24の上側タンク部24cのうち、エジェクタ21の出口側が開口している第2空間242内に第2セパレータ24gを配置している。
そして、風下側熱交換器24の第2空間242cのうち、第2セパレータ24gによって仕切られた下側空間によって、エジェクタ21から流出した冷媒の気液を分離する気液分離空間を構成している。換言すると、本実施形態では、第1実施形態と同様の気液分離器22を、風下側熱交換器24の上側タンク部24cによって形成している。
本実施形態の気液分離器22では、下側タンク部24d内の第1セパレータ24fを廃止しているので、減圧機構として機能する液相冷媒出口穴22aも廃止されている。そこで、上側タンク部24cの下側空間に接続されるチューブ24aの入口穴を減圧機構として用いている。もちろん、チューブ24aの入口穴に、減圧機構としてのオリフィス等の固定絞りを配置してもよい。
なお、気相冷媒出口穴22bは、第1実施形態と同様に設けられ、風上側熱交換器23の第2空間232に連通している。また、風上側熱交換器23の下側タンク部23dは、第2実施形態と同様に、一つの内部空間230bを形成している。同様に、風下側熱交換器24の下側タンク部24dについても、第3、第4空間243、244に仕切られることなく一つの内部空間240bを形成している。
従って、本実施形態では、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第2空間242から内部空間240bへ至る領域および内部空間240bから第1空間241へ至る領域、すなわち熱交換コア部24eの全領域が吸引側蒸発部20dとして機能する。さらに、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第2空間231から内部空間230bへ至る領域および内部空間230bから第1空間231へ至る領域、すなわち熱交換コア部23eの全領域が顕熱交換部20eとして機能する。
なお、本実施形態では、双方の熱交換器23、24の第2空間232、242の容積を第1空間231、241の容積と約同等としている。その他の蒸発器ユニット20およびエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成および作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、図11の温度分布図に示すように、顕熱交換部20eを有する蒸発器ユニット20であっても、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布を抑制することができる。
なお、図11は、第1実施形態の図4に対応するグラフである。さらに、本実施形態の蒸発器ユニット20においても、第1実施形態と同様の、小型化効果および搭載性向上効果を得ることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図12の全体構成図および図13の模式的な斜視図に示すように、蒸発器ユニット20の構成を変更した例を説明する。つまり、第1実施形態では、風上側熱交換器23に顕熱交換部20eおよび流出側蒸発部20cを設けた例を説明したが、本実施形態では、風上側熱交換器23に顕熱交換部20e、流出側蒸発部20c、および、吸引側蒸発部20dを設けた例を説明する。
より具体的には、本実施形態の蒸発器ユニット20では、図13に示すように、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の内部に第1セパレータ23f、24fを複数個配置して、双方の熱交換器23、24の上側タンク部23c、24cおよび下側タンク部23d、24dを複数の空間に仕切っている。
具体的には、風下側熱交換器24の上側タンク部24cの内部空間には、1つの第1セパレータ24fが配置されており、エジェクタ21が配置される側の長手方向一端側の第1空間241と、他端側の第2空間242に仕切られている。また、下側タンク部24dの内部空間には、2つの第1セパレータ24fが配置されており、エジェクタ21が配置される側の長手方向一端側から順に、第4〜第6空間244〜246に仕切られている。
さらに、下側タンク部24dの長手方向に延びる第2セパレータ24gは、長手方向中央部の第5空間245に配置されており、この第5空間245を上側空間と下側空間に仕切っている。この第5空間245の下側空間は、第1実施形態と同様の気液分離空間を構成している。従って、本実施形態の気液分離器22は、風下側熱交換器24の下側タンク部24dによって形成されている。
また、本実施形態の第2セパレータ24gには、上側空間と下側空間とを連通させる連通穴241gが設けられていない。一方、下側タンク部24d内に配置された第1セパレータ24fのうち、第5空間245と第6空間246とを仕切るセパレータ24fには、連通穴が形成されており、第5空間245の下側空間(すなわち、気液分離空間)と第6空間246が連通している。
次に、風上側熱交換器23の上側タンク部23cの内部空間には、2つの第1セパレータ23fが配置されており、エジェクタ21の配置される一端側から順に、第1、第2、第3空間231、232、233に仕切られている。また、下側タンク部23dの内部空間には、2つの第1セパレータ23fが配置されており、エジェクタ21の配置される側の一端側から順に、第4、第5、第6空間234、235、236に仕切られている。
そして、風上側熱交換器23の第3空間233と風下側熱交換器24の第2空間242が、双方の上側タンク部23c、24cの壁面に形成された連通穴を介して、直接連通している。従って、エジェクタ21から流出した冷媒は、風上側熱交換器23の第3空間233および風下側熱交換器24の第2空間242の双方に流入する。
また、風上側熱交換器23の第6空間236と風下側熱交換器24の第6空間246が、双方の上側タンク部23c、24cの壁面に形成された連通穴を介して、直接連通している。従って、風上側熱交換器23の第3空間233と第6空間236とを接続するチューブ23a群から流出した冷媒および風下側熱交換器24の第2空間242と第6空間246とを接続するチューブ24a群から流出した冷媒は、双方の下側タンク部23d、24dの第6空間236、246で合流する。
また、風下側熱交換器24の第5空間245の下側空間によって形成される気液分離器22の気相冷媒出口穴22bは、風上側熱交換器23の第5空間235に連通している。さらに、風下側熱交換器24の第4空間244と第5空間245とを仕切る第1セパレータ24fには、第1実施形態と同様の気液分離器22の液相冷媒出口穴22aが形成されている。
また、風下側熱交換器24の第4空間244と第5空間245の上側空間は第1セパレータ24fに形成された連通穴を介して連通し、風下側熱交換器24の第4空間244と風上側熱交換器23の第4空間234が、双方の下側タンク部23d、24dの壁面に形成された連通穴を介して直接連通している。
従って、気液分離器22の液相冷媒出口穴22aから流出した冷媒は、風下側熱交換器24の第4空間、風下側熱交換器24の第5空間の上側空間、および、風上側熱交換器23の第4空間に流入する。また、風上側熱交換器23の第2空間232は、蒸発器ユニット20の冷媒出口20bに連通している。
また、風上側熱交換器23の第1空間231と風下側熱交換器24の第1空間241が、双方の上側タンク部23c、24cの壁面に形成された連通穴を介して直接連通している。従って、風上側熱交換器23の第4空間234と第1空間231とを接続するチューブ23a群から流出した冷媒は、風下側熱交換器24の第1空間241へ流入する。
つまり、本実施形態では、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第3空間233から第6空間236へ至る領域は、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第2空間242から第6空間246へ至る領域は、流出側蒸発部20cとして機能する。
また、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第4空間234から第1空間231へ至る領域、並びに、風下側熱交換器24の熱交換コア部24eのうち、第4空間234から第1空間231へ至る領域および、第5空間235の上側空間から第1空間231へ至る領域は、吸引側蒸発部20dとして機能する。
さらに、風上側熱交換器23の熱交換コア部23eのうち、第5空間235から第2空間232へ至る領域は、顕熱交換部20eとして機能する。その他の蒸発器ユニット20およびエジェクタ式冷凍サイクル10の全体構成および作動は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10を作動させると、図14の温度分布図に示すように、顕熱交換部20eを有する蒸発器ユニット20であっても、蒸発器ユニット20から吹き出される送風空気の温度分布を抑制することができる。なお、図14は、第1実施形態の図4に対応するグラフである。
つまり、本実施形態によれば、吸引側蒸発部20d、顕熱交換部20eおよび流出側蒸発部20cを風上側熱交換器23に設け、吸引側蒸発部20dおよび流出側蒸発部20cを風下側熱交換器24に設け、さらに、空気の流れ方向から見たときに、吸引側蒸発部20d同士、顕熱交換部20eと吸引側蒸発部20d、および、流出側蒸発部20c同士を互いに重合させるように配置している。
従って、各部20c、20d、20eで冷却された空気のうち、最も温度が高くなる顕熱交換部20eにて冷却された空気を、さらに吸引側蒸発部20dにて冷却することができる。これにより、図6の太実線で示すように、風下側熱交換器24の吸引側蒸発部20dから吹き出される送風空気の温度と流出側蒸発部20cから吹き出される送風空気の温度との温度差を小さくすることができる。
その結果、蒸発器ユニット20全体として、冷却対象空間へ送風される空気の温度分布を抑制することができる。さらに、本実施形態の蒸発器ユニット20においても、第1実施形態と同様の、小型化効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24として、いわゆるタンクアンドチューブ型の熱交換器を採用し、それぞれのタンク部23c…24dによって、気液分離器22を形成した例を説明したが、気液分離器22をタンク部23c…24dとは別部材で構成してもよい。
この場合は、例えば、気液分離器22をタンク部23c…24dの長手方向に平行に延びる形状に形成して、ろう付け等の接合手段にてタンク部23c…24dに接合してもよいし、気液分離器22をチューブ23a、24aの長手方向に平行に延びる形状として、風上側熱交換器23あるいは風下側熱交換器24の側方に接合してもよい。
(2)上述の実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24として、タンクアンドチューブ型の熱交換器を採用し、双方の熱交換器23、24の各タンク部23c…24d同士の少なくとも一部を同一部材で形成して一体化した例を説明したが、もちろん、双方の熱交換器23、24を異なる熱交換器で構成し、それぞれの熱交換器を、ろう付け等の接合手段やボルト締め等の機械的係合手段によって一体化してもよい。
さらに、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24として、タンクアンドチューブ型の熱交換器に限定されることなく、他の形式の熱交換器を採用することができる。例えば、板状のチューブ部材および熱交換フィンを複数枚積層配置した積層型熱交換器を採用してもよい。
なお、この板状のチューブ部材は、伝熱性に優れる金属(本実施形態では、アルミニウム)にて形成された板状のプレートの平面に凹凸部を設け、一対のプレート同士を最中合わせ状に接合することによって形成されるもので、チューブおよびチューブの長手方向両端部にタンク部が形成されたものである。
従って、1つのプレート部材に風上側熱交換器23用のチューブ23aと風下側熱交換器24用のチューブ24aとを形成して、これらのチューブ23a、24aが互いに連通しないように形成することで、1つの積層型熱交換器を、機能的に風上側熱交換器23および風下側熱交換器24の2つの熱交換器に分割することができる。
さらに、熱交換器の形式として、一本のチューブを蛇行状に折り曲げ、チューブ間に熱交換フィンを配置することによって構成された、サーペンタイン型熱交換器を採用してもよい。
(3)上述の実施形態では、冷却対象空間に送風される空気(気体)を冷却するために蒸発器ユニット20を用いているが、蒸発器ユニット20にて冷却される流体として、例えば、車載電気機器等の冷却水のような二次熱媒体を冷却してもよい。さらに、二次熱媒体を通過させる二次熱媒体用のチューブを蒸発器ユニット20の各タンク部23c…24cあるいは各熱交換部23e、24eに設けて、空気と二次熱媒体との双方を冷却してもよい。
(4)上述の実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、内部熱交換器13の高圧側冷媒流路13aから流出した冷媒を蒸発器ユニット20へ流入させているが、エジェクタ式冷凍サイクルのサイクル構成は、これに限定されない。例えば、内部熱交換器13を廃止してもよいし、放熱器12の出口側から蒸発器ユニット20の冷媒入口20aへ至る冷媒流路に冷媒を減圧膨張させる膨張弁を配置してもよい。
さらに、この膨張弁として、圧縮機11吸入冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲の過熱度となるように弁開度が調整される温度式膨張弁を採用すれば、圧縮機11の液圧縮の問題を回避できる。また、この場合は、膨張弁を蒸発器ユニット20の構成機器としてエジェクタ21等に一体的に取り付けてもよい。
(5)上述の実施形態では、エジェクタ式冷凍サイクル10の冷媒として通常のフロン系冷媒を採用した例を説明したが、冷媒の種類はこれに限定されない。例えば、炭化水素系冷媒、二酸化炭素を用いてもよい。さらに、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超える超臨界冷凍サイクルに、本発明の蒸発器ユニット20を適用してもよい。
(6)上記の実施形態では、エジェクタ21として、通路面積が一定のノズル部21aを有する固定エジェクタを例示しているが、エジェクタ21として、通路面積を調整可能な可変ノズル部を有する可変エジェクタを用いてもよい。なお、可変ノズル部の具体例としては、例えば、可変ノズル部の通路内にニードルを挿入し、このニードルの位置を電気的アクチュエータにより制御して通路面積を調整する機構とすればよい。
(7)上述の各実施形態では、車両用空調装置に搭載されるエジェクタ式冷凍サイクル10に、本発明の蒸発器ユニット20を適用した例を説明したが、本発明の蒸発器ユニット20の適用はこれに限定されない。例えば、業務用冷蔵・冷蔵装置、自動販売機用冷却装置、冷蔵機能付きショーケース等の定置用のエジェクタ式冷凍サイクルに適用してもよい。
(8)上述の実施形態では、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24を室内側熱交換器として構成し、放熱器12を大気側へ放熱する室外熱交換器として構成しているが、逆に、風上側熱交換器23および風下側熱交換器24を大気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器12を空気あるいは水等の被加熱冷媒を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに、本発明の蒸発器ユニット20を適用してもよい。
20 蒸発器ユニット
20c 流出側蒸発部
20d 吸引側蒸発部
20e 顕熱交換部
21 エジェクタ
21a ノズル部
21c 冷媒吸引口
22 気液分離器
22a 液相冷媒出口穴
23 風上側熱交換器
23a、24b チューブ
23c、24c 上側タンク部
23d、24d 下側タンク部
24 風下側熱交換器

Claims (5)

  1. 冷媒を減圧させるノズル部(21a)から噴射される高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(21c)から吸引し、前記冷媒吸引口(21c)から吸引された吸引冷媒と前記噴射冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(21)と、
    前記エジェクタ(21)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(22)と、
    冷媒と熱交換して冷却対象空間へ送風される空気の流れの風上側に配置される風上側熱交換器(23)と、
    前記風上側熱交換器(23)に対して、前記空気の流れの風下側に配置される風下側熱交換器(24)とを備え、
    前記風上側熱交換器(23)には、前記気液分離器(22)から流出した気相冷媒と前記空気とを熱交換させる顕熱交換部(20e)が設けられ、
    前記風下側熱交換器(24)には、前記気液分離器(22)から流出した液相冷媒を前記空気と熱交換させることによって蒸発させて前記冷媒吸引口(21c)側へ流出させる吸引側蒸発部(20d)が設けられ、
    前記顕熱交換部(20e)および前記吸引側蒸発部(20d)は、前記空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されていることを特徴とする蒸発器ユニット。
  2. 冷媒を減圧させるノズル部(21a)から噴射される高速度の噴射冷媒の流れによって冷媒を冷媒吸引口(21c)から吸引し、前記冷媒吸引口(21c)から吸引された吸引冷媒と前記噴射冷媒とを混合させて昇圧させるエジェクタ(21)と、
    前記エジェクタ(21)から流出した冷媒の気液を分離する気液分離器(22)と、
    冷媒と熱交換して冷却対象空間へ送風される空気の流れの風上側に配置される風上側熱交換器(23)と、
    前記風上側熱交換器(23)に対して、前記空気の流れの風下側に配置される風下側熱交換器(24)とを備え、
    前記風上側熱交換器(23)には、前記気液分離器(22)から流出した気相冷媒と前記空気とを熱交換させる顕熱交換部(20e)が設けられ、
    前記風下側熱交換器(24)には、前記気液分離器(22)から流出した液相冷媒を前記空気と熱交換させることによって蒸発させて前記冷媒吸引口(21c)側へ流出させる吸引側蒸発部(20d)、および、前記エジェクタ(21)から流出した冷媒を前記空気と熱交換させることによって蒸発させて前記気液分離器(22)入口側へ流出させる流出側蒸発部(20c)が設けられ、
    前記顕熱交換部(20e)、並びに、前記吸引側蒸発部(20d)および前記流出側蒸発部(20c)のうち少なくとも一方は、前記空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されていることを特徴とする蒸発器ユニット。
  3. さらに、前記風上側熱交換器(23)には、前記流出側蒸発部(20c)の一部が設けられ、
    前記顕熱交換部(20e)および前記吸引側蒸発部(20d)は、前記空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置され、
    前記風上側熱交換器(23)に設けられた前記流出側蒸発部(20c)および前記風下側熱交換器(24)に設けられた前記流出側蒸発部(20c)は、前記空気の流れ方向から見たときに、互いに重合するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の蒸発器ユニット。
  4. 前記風上側熱交換器(23)および前記風下側熱交換器(24)のうち、少なくとも一方は、前記空気と熱交換する冷媒が流通する複数のチューブ(23a、24a)と前記複数のチューブ(23a、24a)に対する冷媒の分配、集合の機能を果たすタンク部(23c、23d、24c、24d)とを有し、
    前記気液分離器(22)は、前記タンク部(23c、23d、24c、24d)によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の蒸発器ユニット。
  5. 前記タンク部(23c、23d、24c、24d)の内部には、前記気液分離器(22)から流出する液相冷媒を減圧させる減圧機構(22a)が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の蒸発器ユニット。
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