JP2011183236A - 嵩高性を有する耐熱フィルター用濾材の製造方法および該濾材を使用したフィルター - Google Patents
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Abstract
【課題】
汎用の繊維及び樹脂を組合せることにより厚さ5mm以上の不織布において嵩高性と耐熱性及び圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター濾材の製造方法を開発し、該方法で得られた濾材を用いた排ガスフィルター、換気扇フィルターなどの耐熱フィルターを提供する。
【解決手段】
ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性有機繊維とオレフィン系繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の低融点繊維又は該繊維を含む複合繊維をそれぞれ混綿、カーディング、ラッピング後ニードルパンチ工程にて嵩高く繊維を絡合したのち熱風にて低融点繊維を融着固化せしめ、次いで嵩高さを維持した状態で熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸―サクション加工を行い、再度耐熱性有機繊維を固着固化する。
【選択図】 なし
汎用の繊維及び樹脂を組合せることにより厚さ5mm以上の不織布において嵩高性と耐熱性及び圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター濾材の製造方法を開発し、該方法で得られた濾材を用いた排ガスフィルター、換気扇フィルターなどの耐熱フィルターを提供する。
【解決手段】
ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性有機繊維とオレフィン系繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の低融点繊維又は該繊維を含む複合繊維をそれぞれ混綿、カーディング、ラッピング後ニードルパンチ工程にて嵩高く繊維を絡合したのち熱風にて低融点繊維を融着固化せしめ、次いで嵩高さを維持した状態で熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸―サクション加工を行い、再度耐熱性有機繊維を固着固化する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れた嵩高性を有し、耐熱性、難燃性、圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材の製造方法ならびに該濾材を使用したフィルターに関するものである。本発明の耐熱フィルター用炉材は、例えば、各種の排ガスフィルター、ディーゼルエンジンなどから排出される高温ダストなどを集塵、除去するための排ガスフィルターあるいは厨房用換気扇フィルターなどに好適に使用される。
嵩高性を必要とする耐熱フィルターとして一般的に換気扇フィルターがあり、熱融着繊維にビニロン,ポリエステル等の合成繊維や、非溶融性繊維あるいは捲縮繊維を併用し、熱処理して繊維間を接着した嵩密度0.01〜0.05g/cm3の嵩高フィルターが提案されている。(例えば特許文献1,2,3参照)
また別途、嵩高性を付与する方法として繊維断面が不定形でくびれを有する40〜160dtexのビスコースレーヨン繊維を用いた方法も提案されている。(例えば特許文献4,5参照)
一方、耐熱性を必要とする排ガス用フィルターとしては耐熱性有機繊維を使用したバグフィルターが知られている。(例えば特許文献6参照)
しかし、上記各フィルターにおいて前記の熱融着性繊維を用いた嵩高性フィルターよりなる換気扇フィルターは150℃以上の高温の熱風に長時間曝されると、繊維が再融着し、初期の嵩高性が失われてしまうという難点があり、繊維断面が不定形で比較的太い繊維を使用し、かつ樹脂により固定したフィルターの場合は性能的に一応良好であるとしても、使用繊維が全く特殊なため高価となって汎用性に欠ける難を有している。また、耐熱フィルターのバグフィルターの場合にはニードルパンチ加工あるいはウォーターパンチ加工され、更にカレンダー加工などの圧密加工が施されるのが一般的であり、嵩高いフィルター用濾材には適しない。
また別途、嵩高性を付与する方法として繊維断面が不定形でくびれを有する40〜160dtexのビスコースレーヨン繊維を用いた方法も提案されている。(例えば特許文献4,5参照)
一方、耐熱性を必要とする排ガス用フィルターとしては耐熱性有機繊維を使用したバグフィルターが知られている。(例えば特許文献6参照)
しかし、上記各フィルターにおいて前記の熱融着性繊維を用いた嵩高性フィルターよりなる換気扇フィルターは150℃以上の高温の熱風に長時間曝されると、繊維が再融着し、初期の嵩高性が失われてしまうという難点があり、繊維断面が不定形で比較的太い繊維を使用し、かつ樹脂により固定したフィルターの場合は性能的に一応良好であるとしても、使用繊維が全く特殊なため高価となって汎用性に欠ける難を有している。また、耐熱フィルターのバグフィルターの場合にはニードルパンチ加工あるいはウォーターパンチ加工され、更にカレンダー加工などの圧密加工が施されるのが一般的であり、嵩高いフィルター用濾材には適しない。
しかも、これら既知の各フィルターでは厚さが1mm以上、更には5mm以上で優れた嵩高性と共に耐熱性,難燃性,圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材を得ることは困難であり、現在、未だ開発が進んでいないのが実状である。
上述の如く汎用の繊維及び樹脂を組合せることにより厚さ1mm以上更には5mm以上の不織布において嵩高性と耐熱性及び圧縮弾性回復率に優れたということは至難であり、未だ解決に至っていない。そこで、本発明者らは上記実状に鑑み、汎用の不織布の製造工程、加工工程及び加工樹脂の硬さ及び耐熱性に着目し、これらの組合せ及び加工順序を変更することにより、厚さ1mm以上更には5mm以上で嵩高性、耐熱性、圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材を得る方法を確立し、さらにはそれらを用いた耐熱フィルターを提供することを目的とするものである。
即ち、上記目的に適合する本発明耐熱フィルター用濾材の製造方法は、請求項1に記載する如く、ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性有機繊維とオレフィン系繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維、オレフィン/ポリエステル芯鞘繊維、変性ナイロン/ポリエステル芯鞘繊維などからなる群から選ばれた1種の融点100〜180℃の低融点繊維又は該繊維を鞘部とする複合繊維をそれぞれ計量、混綿、カーディング、ラッピング後ニードルパンチ工程にて嵩高く見掛け密度が20gf/cm2の荷重を加えたとき0.005〜0.020g/cm3の範囲にある如く繊維を絡合したのち熱風にて低融点繊維を融着固化せしめ、次いで、該嵩高さを維持した状態でポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸―サクション加工を行い、再度、耐熱性有機繊維を固着固化させて嵩高性、耐熱性、圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材を得ることにある。
ここで耐熱性有機繊維と低融点繊維の混合比率は前者が50〜90重量%、後者が50〜10重量%程度であることが好ましく、熱硬化性樹脂がそれら繊維に対して10〜50重量%付与することが好適である。とりわけ、耐熱性有機繊維がメタアラミド繊維,低融点繊維が融点150℃の変性ポリエステル繊維であって熱硬化性樹脂がポリアクリル酸エステル系樹脂であることは最も実用的である。
また、耐熱性有機繊維は、繊度は1.5〜20dtexで、繊維長が30〜75mmであることが好ましく、作られた濾材は繊維目付が100〜200g/m2、熱硬化性樹脂の付着量が50〜100g/m2であることが好適である。
請求項6,7は上記方法で製造された濾材の利用であり、耐熱フィルター,排ガス又は換気扇用フィルターに用いられる。
上記本発明の不織布製造・加工方法にて製造されたフィルター用濾材は、厚さ5mm以上であっても嵩高く耐熱性を有する。また本フィルター用濾材を用いた耐熱フィルターとしては排ガスフィルター、換気扇フィルターなどとして優れた性能を発揮する。
以下、更に本発明の具体的態様について説明する。本発明は先ず上述の如く耐熱性有機繊維と該繊維と融着可能な低融点繊維を混綿し、嵩高く絡合した後、低融点繊維を融着固化せしめ、その後、嵩高状態を維持して熱硬化性樹脂を付与し、嵩高性,耐熱性,圧縮弾性回復率に優れた濾材を製造する方法にある。
これを更に詳述すれば、本発明は先ず前記の耐熱性有機繊維と低融点繊維を夫々連続的に所定量計量後、混綿,カーディング,ラッピング後、ニードルパンチ加工することによりこれら繊維の一部を厚さ方向に配列させながら繊維相互を機械的に絡合し、所望の嵩高さを得た後に低融点繊維の融点以上の熱風を上から下、あるいは下から上に貫通させることにより、低融点繊維を一部ああるいは全てを溶融し耐熱性有機繊維に固着,冷却,固化させて一時的に嵩高さを維持させる。そして、得られた嵩高不織布の嵩高さを維持させた状態で、熱硬化性樹脂とその触媒、及び場合により架橋剤を適宜調合した状態で、スプレー加工あるいは含浸−サクション加工することにより前記不織布の厚さ方向に均一に付与,乾燥,熱処理を施すことにより、熱硬化性樹脂が、先の低融点繊維に代わり、耐熱性有機繊維に固着,固化し、さらに優れた耐熱性、嵩高性と圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材を作成する。
以下 ここで本発明に用いる耐熱性有機繊維としては、ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、一部にレーヨン、木綿などのセルロース系繊維を含んでいてもよい。さらには耐熱性繊維としてガラス繊維、炭素繊維などの無機耐熱繊維であってもよい。
これらの耐熱性繊維の中でも特にポリフェニレンサルファイド繊維、メタアラミド繊維は耐熱性、価格などの点から最も好適である。そして、これら耐熱性有機繊維の繊度は1.5〜20dtex、繊維長は30〜75mmが、嵩高性の維持、操業性、不織布の仕上がりの点で好ましい。
一方、本発明に用いる低融点繊維としては、融点が100〜180℃の範囲にある繊維であり、ポリプロピレン繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維、ポリエチレン/ポリプロピレンの芯鞘繊維、変性ナイロン/ポリエステルの芯鞘繊維などの各種の芯鞘繊維あるいはサイドバイサイドなどの複合型低融点繊維が挙げられ、これらは少なくとも1種以上を含有していることが好ましい。ここで、芯鞘繊維又はサイドバイサイドの複合型繊維は、鞘部又は一部が低融点成分よりなり、芯部又は一方は高融点成分であることは勿論であり、低融点成分が上記融点100〜180℃の範囲であればよい。なお、これらの低融点繊維の中でも融点の選択範囲が比較的広い、変性ポリエステル繊維が好ましい。低融点繊維の繊度、繊維長については、操業性を損なわず、かつ不織布の表面状態の仕上がりに問題なければ、特にその範囲を設けるものではない。
しかして、上記耐熱性有機繊維と低融点繊維は夫々、計量後、混綿されてその後のカーディング・ラッピング工程を経てニードルパンチ工程で互いに繊維が絡合されて濾材の基布となる不織布に形成されるが、この場合、形成される不織布は嵩高状態であることが肝要であり、見掛け密度が20gf/m2の荷重を加えたときに0.005〜0.020g/cm3の範囲であることが好適である。
なお、上記耐熱性有機繊維と低融点繊維の混綿にあたり用いられる耐熱性有機繊維の混合比率は、50〜90重量%、好ましくは65〜75重量%である。混合比率が50重量%以下になると、不織布としたときに風合いに腰、硬さが乏しく好ましくなく、一方、90重量%以下になると、相対的に低融点繊維が少なくなり、不織布の保形性が悪くなり好ましくない。
一方、上記耐熱性有機繊維に混綿される低融点繊維の混合比率は、10〜50重量%、好ましくは25〜35重量%である。混合比率が10重量%以下になると、接着成分が乏しく不織布全体の保形性が乏しくなり好ましくない。一方、50重量%以上になると後に加熱処理を施した際に繊維の融着塊が多く発生し外観、風合い上、好ましくない。そして、上記耐熱性有機繊維と低融点繊維の混綿により形成された不織布は次に引き続き熱風により低融点繊維の融点以上で熱処理し、低融点繊維を融着固化して耐熱性有機繊維同士を接着する。
以上のようにして得られた不織布に対し次に上記嵩高さを維持した状態で熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸−サクション加工により付与することによって再度、耐熱性有機繊維を固着固化させる。使用する熱硬化性樹脂としてはポリアクリル酸エステル樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,フェノール樹脂などからなる群より選ばれた少なくとも一種の熱硬化性樹脂が好ましい。
これらの熱硬化性樹脂の中でもホルムアルデヒドを含有あるいは遊離発生することがなく比較的安価なポリアクリル酸エステル樹脂が好ましい。
なお、これら熱硬化性樹脂を使用する際には、適宜各種アミンの塩酸塩あるいは塩化マグネシウムなどの金属塩などの触媒、更には短鎖のエポキシ樹脂、多官能のイソシアナート、低分子量のウレタン樹脂,オキサゾリンなどの架橋剤を併用することが好ましい。
本発明において用いられる耐熱性有機繊維及び低融点繊維重量に対する上記熱硬化性樹脂の比率は、10〜50重量%であり、好ましくは25〜40重量%である。熱硬化性樹脂の比率が、10重量%以下であると、製品となった後の使用条件下において十分な耐熱性が示されず徐々に嵩高性が損なわれていく。一方熱硬化性樹脂の比率が50重量%以上になると耐熱性有機繊維間を埋める比率が高くなり、求めるフィルター性能が得がたくなってしまうという不具合が生じる。
かくして得られた本発明の耐熱フィルター用濾材の見掛け密度は、さきの不織布における嵩高い状態を維持して20gf/cm2の荷重を加えたときに0.005〜0.020g/cm3の範囲、好ましくは0.010〜0.015g/cm3である。見掛け密度が0.005g/cm2であると繊維間の空隙が多すぎて十分な風合い硬さが得られない。一方見かけ密度が0.020g/cm3以上になると通気抵抗が上がりかつ塵埃の捕集量が少なくなり好ましくない。
本発明方法により得られる製品目付としては、繊維目付50〜200g/m2、付着熱硬化性樹脂量20〜100g/m2の合計70〜300g/m2であるが、換気扇フィルター用濾材としては、50〜100g/m2が好適であり、排ガスフィルター用濾材としては150〜250g/m2が好適である。
以上、説明した本発明の製造方法の中で、特に重要なことはニードルパンチ工程における条件が通常の条件よりも甘く、繊維間を密に絡合させずより嵩高く仕上げることにある。そのため使用される繊維量にもよるが、ニードルパンチ条件としては、針深さは10mm以下、ペネ数は20ケ/cm2以下が好ましい。また、ニードルパンチ加工上がりの不織布の厚さ、嵩高さを損なうことなく低融点繊維を溶融―冷却―固化させる方法としては、低融点繊維の融点以上の熱風を該不織布の両面から貫通させるのが好適である。低融点繊維を溶融させるために熱源となる加熱ローラーなどに接触させる方法は、厚さ、嵩高さが損なわれ、更には熱源のローラーを汚す可能性がある。最後に、低融点繊維で固定された該不織布に熱硬化性樹脂の塗布方法は、厚さ、嵩高さを損なわない方法であるスプレー加工、含浸―サクション加工するのが好適である。
かくして、上記の製造方法、加工方法の組合せ及び加工順序を踏むことにより、求める耐熱性、嵩高性と圧縮弾性回復率に優れた耐熱フィルター用濾材が得られる。即ち、低融点繊維の溶融―冷却―固化の目的は、後の熱硬化性樹脂を塗布する工程を該不織布が、嵩高さを維持しつつ安定的に通過させることにあり、最終製品に求められる真の耐熱性及び圧縮弾性回復率は、熱硬化性樹脂の付与によって達成されるものである。なお、本発明の製造方法中において熱硬化性樹脂を付与する際に、難燃剤、消臭剤、撥水剤、抗菌剤などの機能性加工剤の1種以上を併用すると更に高機能の耐熱フィルター用濾材の提供あるいはフィルターを製造することが可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の%は特に断らない限り重量基準である。
繊度6.1デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(デュポン製)80重量%と繊度17デシテックス、繊維長51mm、融点150℃の変性ポリエステル繊維(ユニチカ製、L−PET)20重量%をそれぞれ計量後混綿、カーディング、ラッピング工程を経た後針番手40番(オルガン製FPD1−40)でもって針深さ8mm、ペネ数15ケ/cm2にてニードルパンチ加工を行い目付150g/m2の不織布を得た。次いで該不織布を熱風の温度150℃に保ったコンベア式連続熱処理機の中にて1分間加熱処理を行い低融点繊維を溶融固着し、厚さ20mmの不織布を得た。更に該不織布の両面に消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製ビニトールB)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い50g/m2のドライ付着量、合計製品目付200g/m2、厚さ20mmの嵩高耐熱性不織布を得た。
実施例1で得たニードルパンチ、加熱・溶融処理を施した不織布に対して消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製ビニトール)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い80g/m2のドライ付着量、合計製品目付230g/m2、厚さ20mmの嵩高耐熱性不織布を得た。
繊度6.1デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(デュポン製)60重量%と繊度4デシテックス、繊維長51mm、融点150℃の変性ポリエステル繊維(ユニチカ製 L−PET)40重量%をそれぞれ計量後混綿、カーディング、ラッピング工程を経た後針番手40番(オルガン製FPD1−40)でもって針深さ8mm、ペネ数15ケ/cm2にてニードルパンチ加工を行い目付150g/m2の不織布を得た。次いで該不織布を熱風の温度150℃に保ったコンベア式連続熱処理機の中にて1分間加熱処理を行い低融点繊維を溶融固着し、厚さ20mmの不織布を得た。更に該不織布の両面に消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製 ビニトールB)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い50g/m2のドライ付着量、合計製品目付200g/m2、厚さ20mmの嵩高耐熱性不織布を得た。
繊度8.0デシテックス、繊維長51mmのイミド繊維(東洋紡製)80重量%と繊度17デシテックス、繊維長51mmの変性ポリエステル繊維(ユニチカ製、L−PET)20重量%をそれぞれ計量後混綿、カーディング、ラッピング工程を経た後針番手40番(オルガン製FPD1−40)でもって針深さ8mm、ペネ数15ケ/cm2にてニードルパンチ加工を行い目付150g/m2の不織布を得た。次いで該不織布を熱風の温度150℃に保ったコンベア式連続熱処理機の中にて1分間加熱処理を行い低融点繊維を溶融固着し、厚さ20mmの不織布を得た。更に該不織布の両面に消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製 ビニトールB)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い50g/m2のドライ付着量、合計製品目付200g/m2、厚さ20mmの嵩高耐熱性不織布を得た。
比較例1
繊度6.1デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(デュポン製)100重量%を計量後混綿、カーディング、ラッピング工程を経た後針番手40番(オルガン製FPD1−40)でもって針深さ8mm、ペネ数15ケ/cm2にてニードルパンチ加工を行い目付150g/m2の不織布を得た。該不織布の両面に消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製 ビニトールB)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い50g/m2のドライ付着量、合計製品目付200g/m2、厚さ8mmの耐熱性不織布を得た。かくして上記実施例及び比較例より得られた各不織布、フィルター用濾材について夫々、下記に従ってその特性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)製品目付 JIS L1096の8.4.2に記載の方法に準ず
(2)厚さ JIS L1096の8.5.1に記載の方法に準ず
(3)見掛密度 (1)(2)から算出
(4)圧力損失 風速1m/秒時の圧力損失
(5)圧縮率と圧縮弾性回復率
先ず試験片に11.0kPaの荷重を加えた時の厚さT0(mm)を測定する。次いで試験片に30.7kPaの荷重を加えた時の厚さT1(mm)を測定する。再度、試験片に11.0kPaの荷重を加えた時の厚さT2(mm)を測定する。
圧縮率(%)=(To−T1)/T0×100
圧縮弾性回復率(%)=(T2−T1)/(T0−T1)×100
(6)乾熱収縮率 JIS L1906の5.9.1に記載の方法に準じ、熱処理条件を240℃×30時間に変更し冷却後測定
(7)厚さ保持率 (6)同様に処理、冷却後の厚さを(2)同様に測定
(8)燃焼性 JIS D1201に準ず
比較例1
繊度6.1デシテックス、繊維長76mmのメタアラミド繊維(デュポン製)100重量%を計量後混綿、カーディング、ラッピング工程を経た後針番手40番(オルガン製FPD1−40)でもって針深さ8mm、ペネ数15ケ/cm2にてニードルパンチ加工を行い目付150g/m2の不織布を得た。該不織布の両面に消泡剤ノプコ8034(サンノプコ製)および浸透剤ネオコールSWC(第一工業製薬製)を適宜添加し不揮発分20重量%に調整したポリアクリル酸エステル系の熱硬化性樹脂(名古屋油化製 ビニトールB)をスプレー加工にて付与し、熱風の温度170℃に保ったコンベア式連続熱処理機にて2分間乾燥、熱処理を行い50g/m2のドライ付着量、合計製品目付200g/m2、厚さ8mmの耐熱性不織布を得た。かくして上記実施例及び比較例より得られた各不織布、フィルター用濾材について夫々、下記に従ってその特性を評価した。その結果を表1に示す。
(1)製品目付 JIS L1096の8.4.2に記載の方法に準ず
(2)厚さ JIS L1096の8.5.1に記載の方法に準ず
(3)見掛密度 (1)(2)から算出
(4)圧力損失 風速1m/秒時の圧力損失
(5)圧縮率と圧縮弾性回復率
先ず試験片に11.0kPaの荷重を加えた時の厚さT0(mm)を測定する。次いで試験片に30.7kPaの荷重を加えた時の厚さT1(mm)を測定する。再度、試験片に11.0kPaの荷重を加えた時の厚さT2(mm)を測定する。
圧縮率(%)=(To−T1)/T0×100
圧縮弾性回復率(%)=(T2−T1)/(T0−T1)×100
(6)乾熱収縮率 JIS L1906の5.9.1に記載の方法に準じ、熱処理条件を240℃×30時間に変更し冷却後測定
(7)厚さ保持率 (6)同様に処理、冷却後の厚さを(2)同様に測定
(8)燃焼性 JIS D1201に準ず
上記表より本発明の不織布の製造方法は、嵩高く耐熱性を有するフィルター濾材の製造に有効であり、かつ得られたフィルター濾材は、排ガスフィルター用濾材、換気扇フィルター用濾材として利用可能である。
Claims (8)
- ポリフェニレンサルファイド繊維、メタ系アラミド繊維、パラ系アラミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリイミド繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の耐熱性有機繊維と、オレフィン系繊維、変性ナイロン繊維、変性ポリエステル繊維、オレフィン/ポリエステル芯鞘繊維、変性ナイロン/ポリエステル芯鞘繊維などからなる群から選ばれた少なくとも1種の融点100〜180℃範囲の低融点繊維又は該繊維を鞘部とする複合繊をそれぞれ計量、混綿、カーディング、ラッピング後ニードルパンチ工程にて嵩高く見掛け密度が20gf/cm2の荷重を加えたとき0.005〜0.020g/cm3の範囲にある如く繊維を絡合したのち熱風にて低融点繊維を融着固化せしめ、次いで該嵩高さを維持した状態でポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂などからなる群から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂をスプレー加工あるいは含浸―サクション加工を行い再度耐熱性有機繊維を固着固化することを特徴とする嵩高性、耐熱性、風合い硬さを併せ有する耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 耐熱性有機繊維が50〜90重量%、低融点繊維が50〜10重量%であり、前記熱硬化性樹脂を該繊維に対して10〜50重量%付与する請求項1記載の耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 耐熱性有機繊維がメタアラミド繊維,低融点繊維が融点150℃の変性ポリエステル繊維であって、熱硬化性樹脂がポリアクリル酸エステル樹脂である請求項1または2記載の耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 前記耐熱性有機繊維の繊度が、1.5〜20dtexであり繊維長が30〜75mmである請求項1,2または3に記載の耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 濾材の繊維目付が100〜200g/m2で、熱硬化性樹脂の付着量が50〜100g/m2の範囲にある請求項1,2,3または4に記載の耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 前記耐熱フィルター用濾材の圧縮弾性回復率が、70%以上である請求項1〜5の何れか1項に記載の耐熱フィルター用濾材の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載する方法で製造された耐熱フィルター用濾材を所定の形状に成形した不織布を使用した耐熱フィルター。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載する方法で製造された耐熱フィルター用濾材を所定の形状に成形した不織布を使用したことを特徴とする排ガスまたは換気扇用フィルター。
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