JP2011178846A - ポリエステル樹脂水性分散体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、必要により有機溶剤(S)を含有する水性媒体(W)中に分散されてなる水性分散体であって、(a)中の遊離のカルボン酸含有量が2000ppm以下であり、かつ(a)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm3)1/2であるポリエステル樹脂水性分散体(X)。
【選択図】 なし
Description
ポリマー微粒子の水性分散体を得る方法としては、溶剤法、転相乳化法、高温乳化法等の従来技術が知られているが、水性分散体の保存(貯蔵)安定性が不十分な場合があった。
また、小粒経のポリマー微粒子の水性分散体を得る方法として、非イオン性界面活性剤の存在下、該非イオン性界面活性剤の曇点から上下にそれぞれ10℃の温度範囲内で、水系媒体中で該ポリマーを微粒子化する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、ポリマー微粒子の小粒経化が十分とは言えず、さらなる小粒経化が要望されている。
すなわち、本発明は、アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、必要により有機溶剤(S)を含有する水性媒体(W)中に分散されてなる水性分散体であって、(a)中の遊離のカルボン酸含有量が2000ppm以下であり、かつ(a)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm3)1/2であるポリエステル樹脂水性分散体(X);並びに上記のポリエステル樹脂水性分散体(X)から水性媒体(W)が除去されてなるポリエステル樹脂粒子(A);である。
本発明におけるポリエステル樹脂(a)は、アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されて得られる。
アルコール成分(x)としては、モノオール(X1)、ジオール(X2)、および3価〜8価もしくはそれ以上のポリオール(X3)が挙げられ、カルボン酸成分(y)としては、モノカルボン酸(y1)、ジカルボン酸(y2)、および3価〜8価もしくはそれ以上のポリカルボン酸(y3)が挙げられる。
これらのうち、耐ブロッキング性の観点から、好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族アルコール(ベンジルアルコール等)である。
これらのうち、好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものは、炭素数2〜10のアルキレングリコール、ビスフェノール類のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜5)である。
これらのうち好ましいものは、3〜8価もしくはそれ以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)であり、とくに好ましいものはノボラック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2〜30)である。
これらのうち好ましいものは、炭素数7〜36の芳香族モノカルボン酸であり、さらに好ましくは、安息香酸、メチル安息香酸、およびP−t−ブチル安息香酸である。
上記エステル形成性誘導体としては、酸無水物、アルキル(炭素数1〜24:メチル、エチル、ブチル、ステアリル等)エステル、および部分アルキル(上記と同様)エステル等が挙げられる。以下のエステル形成性誘導体についても同様である。これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる
これらのうち好ましいものはトリメリット酸およびピロメリット酸並びにこれらのエステル形成性誘導体である。
このとき必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の例には、スズ含有触媒(例えばジブチルスズオキシド)、三酸化アンチモン、チタン含有触媒、ジルコニウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、および酢酸亜鉛等が挙げられる。これらの中では、環境問題への対応と触媒活性の観点から、チタン含有触媒が好ましい。
Ti(−X)m(−OR1)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR1)q (II)
[式(I)および(II)中、R1はH、1〜5個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜18のアルキル基、または炭素数1〜18のアシル基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。nが2以上の場合、それぞれのR1は同一であっても異なっていてもよい。]
炭素数1〜18のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。
炭素数1〜18のアシル基の具体例としては、炭素数1〜18の脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、芳香族モノカルボン酸または芳香族ポリカルボン酸から、1個のCOOH基中のOHを除いた残基である。脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。芳香族モノカルボン酸の具体例としては、安息香酸、サリチル酸、ナフチル酸などが挙げられる。芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
これらR1のうち好ましくは、Hおよび炭素数1〜18のアシル基であり、さらに好ましくは、Hおよび脂肪族モノカルボン酸および芳香族ポリカルボン酸から1個のCOOH基中のOHを除いた残基であり、特に好ましくは、Hおよびアセチル基であり、最も好ましくはHである。
上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、およびテトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基(OR1基のR1がHの場合)と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下するためオリゴマー成分が増え、保存安定性悪化の原因になる。
Xとして好ましいものは、モノアルカノールアミン(とくにエタノールアミン)の残基、ジアルカノールアミン(とくにジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(とくにトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。
式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。 mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
nが2以上の場合、複数存在するR1は同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
一般式(I)で表されるものの具体例としては、チタン・トリエタノールアミン(4)〔チタンにトリエタノールアミンが4個配位した化合物を意味する。以下同様の記載法で表記する。〕、チタン・ジエタノールアミン(4)、チタン・モノエタノールアミン(4)、チタン・トリエタノールアミン(3)・ジエタノールアミン(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(3)、チタン・トリエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・ジエタノールアミン(3)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(2)・OH(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・モノプロパノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(2)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・プロピオン酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノエタノールアミン(2)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・N−メチルジエタノールアミン(2)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(3)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(2)・酢酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・フタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・トリエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・フマル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・テレフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・イソフタル酸(2)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・フマル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・テレフタル酸(1)、チタン・ジエタノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(1)・イソフタル酸(1)、チタン・モノプロパノールアミン(1)・OH(1)・酢酸(2)、チタン・N−ブチルジエタノールアミン(1)・OH(1)・マレイン酸(1)・アジピン酸(1)、チタン・N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン(1)・OH(1)・トリメリット酸(2)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(I−1)、(I−2)、または(I−3)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の具体例としては、下記一般式(II−1)または(II−2)で表される少なくとも1種の化合物などが挙げられる。
上記遊離のカルボン酸量が2000ppmより高いと、乳化性が悪化して樹脂粒子(A)の体積平均粒経が粗大化するとともに、粒度分布が広がる。
ポリエステル樹脂(a)中の遊離のカルボン酸含有量を低減する手段としては、反応温度を上げる、反応時間を延ばす、チタン含有触媒等の高活性触媒を用いる、および触媒量を増やす等のエステル化反応を促進する手段が挙げられる。
装置(一例) : SIL20AHT/20ACHT
Prominence UFLC 〔島津(株)製〕
カラム(一例): Capcellpack C18 〔資生堂(株)製〕
移動相 : 0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル=1/4(体積比)
流速 : 0.6ml/min
カラム温度 : 40℃
溶液注入量 : 10μm
検出装置 : UV検出器
なお、上記および以下において、%は特に断りの無い場合、重量%を意味する。
1.ポリエステル樹脂(a)を重縮合する際に原料として使用したカルボン酸成分(y)を0.02gを100mlメスフラスコへ入れ、体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlに調製する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液1]とする。
2.[標準サンプル溶液1]をピペット等で50ml正確に秤取し、100mlメスフラスコに移す。これを体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlとして[標準サンプル溶液1]を2倍希釈する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液2]とする。
3.[標準サンプル溶液2]をピペット等で20ml正確に秤取し、100mlメスフラスコに移す。これを体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液で正確に100mlとして[標準サンプル溶液2]を4倍希釈する。
これを0.5μmのフィルターで濾過し、[標準サンプル溶液3]とする。
上記[標準サンプル溶液1〜3]を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定し、濃度とピーク面積の関係から各カルボン酸成分(y)の検量線を作成する。
1.ポリエステル樹脂2gをクロロホルム20gに完全に溶解させる。
2.そこへ、体積比1/4の0.05%リン酸水溶液/アセトニトリル混合溶液を加えて、1分間よく振とうさせた後、12時間静置する。
3.その後、上相(水相)を抽出し、0.5μmのフィルターで濾過し、高速液体クロマトグラフィー用試料溶液を調製した。
上記試料溶液を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて測定し、各カルボン酸成分(y)の検量線を用いて、樹脂中の遊離のカルボン酸含有量を決定する。
SP値が10.5未満では、水性媒体(W)への分散性が不十分となり、12.5を越えると環境条件の影響を受けやすくなり、Tgが低下し、ポリエステル樹脂水性分散体(X)の保存(貯蔵)安定性が悪化する。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,ROBERT F.FEDORS.(147〜154頁)」
また、(a)の水酸基価は、好ましくは0〜100(mgKOH/g、以下同じ)、さらに好ましくは0〜70、とくに好ましくは0〜50である。水酸基価が100以下であるとポリエステル樹脂粒子(A)の耐熱保存性がより良好となる。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、ポリエステル樹脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
(a)のTgが45℃以上であると、ポリエステル樹脂水性分散体(X)中での樹脂粒子(A)の再凝集を防止でき、保存(貯蔵)安定性が向上する。
なお、上記および以下において、Tgはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター{たとえば、(株)島津製作所製、CFT−500D}を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
(i)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加するか、またはあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子(A)を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂粒子(A)を得た後、それを適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法、
(ii)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体(W)中に分散させ、これを加熱または減圧等によって溶剤を除去する方法、
(iii)ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な分散剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法、
等が挙げられる。
上記(ii)、(iii)の方法では、ポリエステル樹脂(a)を溶剤に溶解した樹脂溶液に中和剤を加えて、(a)のカルボキシル基をイオン化して、水性媒体(W)中に分散してもよい。中和剤としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液、アリルアミン、イソプロピルアミン、エチルアミン、トリエチルアミンなどの炭素数2〜18のアミン等のアミン類を使用することができる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(X)を製造するのに用いる分散装置は、一般に乳化機、分散機として市販されているものであればとくに限定されず、例えば、ホモジナイザー(IKA社製) 、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(荏原製作所社製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。このうち粒径の均一化の観点で好ましいものは、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが挙げられる。
[R−NH−(CH2)n−COO]mM
[式中、Rは1価の炭化水素基;nは通常1または2;mは1または2;Mは水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウムカチオン、アミンカチオン、アルカノールアミンカチオンなどである。]
具体的には、例えば、アルキルアミノプロピオン酸型両性界面活性剤(ステアリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウムなど);アルキルアミノ酢酸型両性界面活性剤(ラウリルアミノ酢酸ナトリウムなど)などが挙げられる。
ポリエステル樹脂(a)との親和性の観点から、好ましくはテトラヒドロフラン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチルが用いられる。
上記の方法において有機溶剤(S)を除去する方法は特に限定されず、公知の方法が適用でき、例えば以下の〔1〕〜〔2〕及びこれらを組合せた方法等が適用できる。
〔1〕一般的な攪拌脱溶剤槽やフィルムエバポレータ等において、加熱及び/又は減圧により脱溶剤する方法。
〔2〕液面、あるいは液中においてエアーブローして脱溶剤する方法。
上記〔1〕の方法で、加熱する際の温度は、樹脂(a)のガラス転移温度(Tg)以下であることが好ましく、通常Tgの5℃以下が好ましく、より好ましくは10℃以下、特に好ましくは20℃以下である。減圧する際の減圧度(ゲージ圧)は、−0.03MPa以下が好ましく、より好ましくは−0.05MPa以下である。
また、ポリエステル樹脂水性分散体(X)中の樹脂粒子(A)の含量としては、(X)中での(A)の再凝集を防止するため、50%以下であることが好ましい。さらに好ましくは45%以下、特に好ましくは5〜40%である。
なお、本発明において、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)やマルチサイザーIII(コールター社製)、光学系としてレーザードップラー法を用いるELS−800(大塚電子社製)などで測定できる。もし、各測定装置間で粒径の測定値に差を生じた場合は、ELS−800での測定値を採用する。
〔1〕ポリエステル樹脂粒子(A)を減圧下または常圧下で乾燥する方法
〔2〕遠心分離器、スパクラフィルター、フィルタープレスなどにより固液分離し、得られた粉末を乾燥する方法
〔3〕ポリエステル樹脂粒子(A)を凍結させて乾燥させる方法(いわゆる凍結乾燥)等が例示される。
上記〔1〕、〔2〕において、得られた粉末を乾燥する際、流動層式乾燥機、減圧乾燥機、循風乾燥機など公知の設備を用いて行うことができる。
また、必要に応じ、風力分級器などを用いて分級し、所定の粒度分布とすることもできる。
(a)とブレンドしてもよいし、一部反応させてもよい。他の樹脂の含有量は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下である。
(1)あらかじめポリエステル樹脂(a)と添加剤を混合した後、分散させる方法
(2)添加剤を含まない、ポリエステル樹脂水性分散体(X)を形成させた後、公知の染着の方法で添加剤を添加したり、有機溶剤(S)とともに含浸させる方法。
が挙げられる。
[ポリエステル樹脂(a−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下POと記載)付加物:ニューポールBP−2P(三洋化成工業製:PO2モル付加物98%、3モル付加物2%)512部(0.90モル部)、ビスフェノールAのPO付加物:ニューポールBP−3P(三洋化成工業製:PO2モル付加物30%、3モル付加物41%、4モル付加物23%、5モル以上付加物6%)238部(0.36モル部)、テレフタル酸271部(1.00モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、230℃に昇温した。230℃にて1時間撹拌した後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸17部(0.05モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−1)とする。
(a−1)のTgは55℃、Tmは105℃、Mpは6000、酸価は9、SP値は10.8、遊離のカルボン酸含有量は800ppmであった。
なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意味する(以下同様)。
[ポリエステル樹脂(a−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール714部(2.00モル部)、テレフタル酸679部(0.87モル部)、アジピン酸89部(0.13モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは338部(0.95モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸29部(0.03モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−2)とする。
(a−2)のTgは64℃、Tmは115℃、Mpは9500、酸価は14、SP値は11.7、遊離のカルボン酸含有量は900ppmであった。
[ポリエステル樹脂(a−3)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、テレフタル酸419部(0.50モル部)、イソフタル酸419部(0.50モル部)、エチレングリコール626部(2.00モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に1時間反応させた。次いで、無水トリメリット酸25部を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。回収されたモノエチレングリコールは303部(0.97モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−3)とする。
(a−3)のTgは62℃、Tmは125℃、Mpは11000、酸価は10、SP値は12.4、遊離のカルボン酸含有量は1200ppmであった。
[ポリエステル樹脂(a−4)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール155部(0.53モル部)、ネオペンチルグリコール339部(0.85モル部)、テレフタル酸643部(0.95モル部)、アジピン酸30部(0.05モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは74部(0.25モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸22部(0.03モル部)を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−4)とする。
(a−4)のTgは56℃、Tmは107℃、Mpは10500、酸価は15、SP値は11.5、遊離のカルボン酸含有量は1100ppmであった。
[ポリエステル樹脂(a−5)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、エチレングリコール413部(1.50モル部)、ネオペンチルグリコール231部(0.50モル部)、テレフタル酸442部(0.60モル部)、イソフタル酸295部(0.40モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収されたモノエチレングリコールは260部(0.94モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸34部(0.04モル部)を加え、常圧下で3時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で10時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−5)とする。
(a−5)のTgは56℃、Tmは107℃、Mpは10500、酸価は20、SP値は11.8、遊離のカルボン酸含有量は1500ppmであった。
[ポリエステル樹脂(a−6)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール340部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール232部(0.50モル部)、テレフタル酸708部(0.96モル部)、アジピン酸29部(0.05モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が110℃になった時点で取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは150部(0.44モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−6)とする。
(a−6)のTgは50℃、Tmは110℃、Mpは9100、酸価は1、SP値は11.3、遊離のカルボン酸含有量は800ppmであった。
[ポリエステル樹脂(a−7)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール309部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール212部(0.50モル部)、テレフタル酸645部(0.96モル部)、アジピン酸27部(0.05モル部)、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、軟化点が100℃になった時点で冷却した。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸89部(0.11モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、5〜20mmHgの減圧下に水を留去しながら同温度で1時間反応後、取り出した。回収された1,2−プロピレングリコールは136部(0.44モル部)であった。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a−7)とする。
(a−7)のTgは59℃、Tmは120℃、Mpは9400、酸価は52、SP値は11.7、遊離のカルボン酸含有量は950ppmであった。
[ポリエステル樹脂(Ra−1)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール330部(1.00モル部)、ネオペンチルグリコール226部(0.50モル部)、テレフタル酸688部(0.96モル部)、アジピン酸29部(0.05モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。回収された1,2−プロピレングリコールは145部(0.44モル部)であった。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.03モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Ra−1)とする。
(Ra−1)のTgは64℃、Tmは112℃、Mpは9800、酸価は14、SP値は11.5、遊離のカルボン酸含有量は3000ppmであった。
[ポリエステル樹脂(Ra−2)の合成]
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、水素添加ビスフェノールA674部(1.05モル部)、テレフタル酸39部(0.10モル部)、アジピン酸351部(0.90モル部)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで230℃まで除々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する水を除去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が99℃になった時点で冷却した。次いで、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸26部(0.05モル部)を加え、常圧下で1時間反応後、取り出した。得られた樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Ra−2)とする。
(Ra−2)のTgは62℃、Tmは111℃、Mpは9900、酸価は17、SP値は10.3、遊離のカルボン酸含有量は1000ppmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−1)の調整]
製造例1で得られたポリエステル樹脂(a−1)10部をテトラヒドロフラン(THF)30部に溶解し、トリエチルアミン2部を加えた。よく撹拌されているこの溶液に水23部を徐々に加えた後、40℃、−0.03MPaでガスクロマトグラフィーで測定したTHF含有量が0.1重量%となるまで脱溶剤して、ポリエステル樹脂(a−1)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−1)を得た。(X−1)をエバポレータで40℃,0.01MPaで脱溶剤し、次いで濾別、乾燥して、ポリエステル樹脂粒子(A−1)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.03μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−2)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−2)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−2)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−2)、およびポリエステル樹脂粒子(A−2)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.03μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−3)の調整]
製造例3で得られたポリエステル樹脂(a−3)10部をテトラヒドロフラン(THF)30部に溶解し、トリエチルアミン2部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(三洋化成工業製、「エレミノールMON−7」)1部を加えた。よく撹拌されているこの溶液に水23部を徐々に加えた後、40℃、−0.03MPaでガスクロマトグラフィーで測定したTHF含有量が0.1重量%となるまで脱溶剤して、ポリエステル樹脂(a−3)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−3)を得た。(X−3)をエバポレータで40℃,0.01MPaで脱溶剤し、次いで濾別、乾燥して、ポリエステル樹脂粒子(A−3)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.05μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−4)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−4)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−4)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−4)、およびポリエステル樹脂粒子(A−4)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.04μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−5)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−5)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−5)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−5)、およびポリエステル樹脂粒子(A−5)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.06μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−6)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−6)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−6)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−6)、およびポリエステル樹脂粒子(A−6)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.15μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(X−7)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(a−7)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(a−7)を含有する樹脂粒子の水性分散体(X−7)、およびポリエステル樹脂粒子(A−7)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.20μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(RX−1)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(Ra−1)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(Ra−1)を含有する樹脂粒子の水性分散体(RX−1)、およびポリエステル樹脂粒子(RA−1)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.50μmであった。
[ポリエステル樹脂水性分散体(RX−2)の調整]
ポリエステル樹脂(a−1)をポリエステル樹脂(Ra−2)に変える他は、実施例1と同様にして、ポリエステル樹脂(Ra−2)を含有する樹脂粒子の水性分散体(RX−2)、およびポリエステル樹脂粒子(RA−2)を得た。
ELS−800で測定した樹脂粒子の体積平均粒径は0.40μmであった。
ポリエステル樹脂水性分散体(X−1)〜(X−7)、および(RX−1)、(RX−2)を下記の方法で評価した保存(貯蔵)安定性の評価結果を表2に示す。
〔保存(貯蔵)安定性〕
50℃に温調された乾燥機にポリエステル樹脂水性分散体を24時間静置し、沈殿物の状態により下記の基準で評価した。
○ : 沈殿物なし。
△ : 沈殿物が発生するが、軽くゆすると容易に分散する。
× : 沈殿物が発生し、軽くゆすっても分散しない。
Claims (7)
- アルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(a)を含有する樹脂粒子(A)が、必要により有機溶剤(S)を含有する水性媒体(W)中に分散されてなる水性分散体であって、(a)中の遊離のカルボン酸含有量が2000ppm以下であり、かつ(a)のSP値が10.5〜12.5(cal/cm3)1/2であるポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- ポリエステル樹脂(a)の酸価が5〜50(mgKOH/g)である請求項1記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- ポリエステル樹脂(a)のピークトップ分子量が2000〜15000であり、軟化点が90〜150℃である請求項1または2記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- ポリエステル樹脂(a)がチタン含有触媒の存在下でアルコール成分(x)とカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなる請求項1〜3のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- ポリエステル樹脂水性分散体(X)中の有機溶剤(S)の含有量が0.02〜2重量%である請求項1〜4のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- 樹脂粒子(A)の体積平均粒経が0.01〜0.2μmである請求項1〜5のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)。
- 請求項1〜6のいずれか記載のポリエステル樹脂水性分散体(X)から水性媒体(W)が除去されてなるポリエステル樹脂粒子(A)。
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