JP2011174486A - 無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】手動変速モードを選択した状態での走行時にも、危険回避等の為に必要な加速力を得られる構造を実現する。
【解決手段】予め設定された互いに異なる変速比である複数段の値の何れかに、運転者の操作に基づいて調節する手動変速機能と、同じく変速比を、運転者の操作に基づかずに、その時点での運転状態に応じて自動的に調節する自動変速機能とを備える。運転者の変速操作に基づき前記複数段のうちの何れかの変速段が選択され、且つ、当該変速段に対応する変速比に調節されている状態で、アクセルペダルの踏み込み量が急増した場合に、運転者が前記手動変速機能に基づいて前記変速比を減速側に変更しない場合でも、その時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節する機能を有する。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば車両(自動車)用自動変速装置として利用する、無段変速装置の改良に関する。
具体的には、変速比の制御装置中に、車速やアクセル開度等から自動的に変速比を選択して制御する自動変速モードに加えて、運転者が変速比を選択する手動変速モードを実現する機能を有する構造で、このうちの手動変速モードを選択した状態での走行時にも、危険回避等の為に必要な加速力を確実に得られる構造の実現を意図したものである。
車両(自動車)用変速装置としてトロイダル型無段変速機を使用する事が、例えば多くの刊行物に記載され、且つ、一部で実施されて周知である。又、変速比の変動幅を大きくすべく、トロイダル型無段変速機と差動ユニット(例えば歯車式の差動ユニットである遊星歯車式変速機)とを組み合わせた無段変速装置も、例えば特許文献1〜2等に記載される等により従来から広く知られている。このうちの特許文献1には、トロイダル型無段変速機のみで動力を伝達するモード(例えば、第一のモード、低速モード)と、差動ユニットである遊星歯車式変速機により主動力を伝達し、前記トロイダル型無段変速機により変速比の調節を行う、所謂パワー・スプリット状態を実現するモード(例えば、第二のモード、高速モード)とを備えた無段変速装置が記載されている。又、前記特許文献2には、入力軸を一方向に回転させたまま、出力軸の回転状態を停止させる、所謂ギヤード・ニュートラル(GN)状態を挟んで、この出力軸の回転状態を正転、逆転に切り換えられるモード(例えば、第一のモード、低速モード)を備えた無段変速装置が記載されている。
図6〜7は、前記特許文献2に記載された、ギヤード・ニュートラル状態を実現できるモードを備えた無段変速装置を示している。このうちの図6は無段変速装置のブロック図を、図7は、この無段変速装置を制御する為の油圧回路を、それぞれ示している。エンジン1の出力は、ダンパ2を介して、入力軸3に入力される。この入力軸3に伝達された動力は、直接又はトロイダル型無段変速機4を介して、差動ユニットである遊星歯車式変速機5に伝達される。そして、この遊星歯車式変速機5の構成部材の差動成分が、クラッチ装置6、即ち、図7の低速用、高速用各クラッチ7、8を介して、出力軸9に取り出される。又、前記トロイダル型無段変速機4は、入力側、出力側各ディスク10、11と、複数個のパワーローラ12と、複数個のトラニオン(図示省略)と、アクチュエータ13(図7)と、押圧装置14と、変速比制御ユニット15とを備える。
このうちの入力側、出力側各ディスク10、11は、互いに同心に、且つ相対回転自在に配置されている。又、前記各パワーローラ12は、互いに対向する前記入力側、出力側各ディスク10、11の内側面同士の間に挟持されて、これら入力側、出力側各ディスク10、11同士の間で動力(力、トルク)を伝達する。又、前記各トラニオンは、前記各パワーローラ12を回転自在に支持している。又、前記アクチュエータ13は、油圧式のもので、前記各パワーローラ12を支持した前記各トラニオンを、それぞれの両端部に設けた枢軸の軸方向に変位させて、前記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を変える。又、前記押圧装置14は、油圧の導入に伴ってこの油圧に比例した押圧力を発生させる油圧式のものであり、前記入力側ディスク10と前記出力側ディスク11とを互いに近付く方向に押圧する。又、前記変速比制御ユニット15は、前記入力側ディスク10と出力側ディスク11との間の変速比を所望値にする為に、前記アクチュエータ13の変位方向及び変位量を制御する。
図示の例の場合、前記変速比制御ユニット15は、制御器(ECU)16と、この制御器16からの制御信号に基づいて切り換えられる、ステッピングモータ17と、ライン圧制御用電磁開閉弁18と、変速比補正用電磁弁19と、シフト用電磁弁20と、これら各部材17〜20により作動状態を切り換えられる制御弁装置21とにより構成している。尚、この制御弁装置21は、変速比制御弁22と、差圧シリンダ23と、補正用制御弁24a、24bと、高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26(図7)とを合わせたものである。このうちの変速比制御弁22は、前記アクチュエータ13への油圧の給排を制御するものである。又、前記差圧シリンダ23は、前記トロイダル型無段変速機4を通過する力(通過トルク)に応じて、このトロイダル型無段変速機4の変速比を補正すべく、前記変速比制御弁22の切換状態を調節する為のものである。又、前記補正用制御弁24a、24bは、前記差圧シリンダ23への圧油の給排を制御するものである。更に、前記高速クラッチ用、低速クラッチ用各切換弁25、26は、前記低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の導入状態を切り換えるものである。
又、前記ダンパ2部分から取り出した動力により駆動される給油ポンプ27(図7の27a、27b)から吐出した圧油は、前記制御弁装置21並びに前記押圧装置14に送り込まれる。即ち、油溜28(図7)から吸引されて前記給油ポンプ27a、27bにより吐出された圧油は、押圧力調整弁29及び低圧側調整弁30(図7)により所定圧に調整される。このうちの押圧力調整弁29は、前記アクチュエータ13にピストンを挟んで設けた1対の油圧室31a、31b同士の間に存在する油圧の差(差圧)に応じた油圧、並びに、前記制御器16からの指令により制御される前記ライン圧制御用電磁開閉弁18の開閉に基づく油圧の導入に基づき、開弁圧を調節される。そして、この様な開弁圧の調節に基づき、前記押圧装置14が発生する押圧力を、その時点での運転状態に応じた最適な値に規制する。
又、前記押圧力調整弁29により調整された圧油は、手動油圧切換弁32、並びに、減圧弁33、前記高速クラッチ用切換弁25又は低速クラッチ用切換弁26を介して、前記低速用クラッチ7又は高速用クラッチ8の油圧室内に送り込まれる。又、これら低速用、高速用各クラッチ7、8のうちの低速用クラッチ7は、減速比を大きくする{変速比無限大(ギヤード・ニュートラル状態)を含む}低速モードを実現する際に接続されると共に、減速比を小さくする高速モードを実現する際に接続を断たれる。これに対して、前記高速用クラッチ8は、前記低速モードを実現する際に接続を断たれると共に前記高速モードを実現する際に接続される。又、これら低速用、高速用各クラッチ7、8への圧油の給排状態は、前記シフト用電磁弁20の切り換えに応じて切り換えられる。
図8は、トロイダル型無段変速機4の速度比(1/変速比、増速比)と無段変速装置全体としての速度比との関係の1例を示している。例えば、前記低速用クラッチ7が接続され、前記高速用クラッチ8の接続が断たれた低速モードでは、実線αで示す様に、トロイダル型無段変速機4の変速比を、ギヤード・ニュートラル状態を実現できる値(GN値、GNポイント)から減速側に変化させる程、無段変速装置全体としての変速比を停止状態(変速比0の状態)から前進方向(+:正転方向)に、増速する方向に変化させられる。又、同じくGN値から増速側に変化させる程、同じく停止状態から後退方向(−:逆転方向)に増速する方向に変化させられる。一方、前記高速用クラッチ8が接続され、前記低速用クラッチ7の接続が断たれた高速モードでは、実線βで示す様に、前記トロイダル型無段変速機4の変速比を増速側に変化させる程、前記無段変速装置全体としての変速比を(前進方向に)増速側に変化させられる。
上述した様な無段変速装置を組み込んだ車両では、アクセルペダルの操作(アクセル開度)や車両の走行速度(車速)から得られる、その時点での車両の走行状態(運転状態)に基づいて、制御器16により、前記無段変速装置の最適な変速比(目標変速比)を求める。そして、この目標変速比を実現すべく、前記制御器16の制御信号に基づいてステッピングモータ17を駆動し、変速比制御弁22を切り換える事により、トロイダル型無段変速機4の変速比を、前記目標変速比に対応する目標変速比に調節する。又、これと共に、必要に応じて(無段変速装置の目標変速比に応じて)シフト用電磁弁20を切り換える事により、前記低速用、高速用各クラッチ7、8の断接状態を切り換え、必要な走行モード(低速モード或いは高速モード)を選択する。これらにより、前記無段変速装置の変速比を、その時点での車両の走行状態に応じた最適な値(目標変速比)に調節する。
又、特許文献3には、上述の様な、無段変速装置の変速比を車両の走行状態(運転状態)に基づいてその時点の最適な値に自動的に調節する自動変速モードの他、運転者の意思(操作)に応じて前記変速比を有段式に変化させる手動変速モードでも運転を行える様にした構造が記載されている。この特許文献3に記載された構造の場合には、予め設定した複数段(例えば、5段、5速。尚、トロイダル型無段変速機単独の構造で、6段或は8段に設定したものが、既に実用化されている)のうちの何れかの変速段に、運転者の操作に基づいて変速可能としている。
この様な手動変速モード付の無段変速装置の場合、自動変速モードを選択した状態では、この無段変速装置の変速比を、車速やアクセル開度等の車両状況に応じて最適な値にすべく、前記制御器16が、前記高速用、低速用、両クラッチ用切換弁25、26を制御して、前記低速用、高速用、両クラッチ7、8の断接状態を切り換える他、前記変速比制御ユニット15への圧油の給排状態を切り換えて、前記トロイダル型無段変速機4の変速比を制御する。この状態では、前記制御器16が適切と判断する変速比を実現して、運転者による変速動作を不要にし、運転者の負担軽減、延いては運転者の運転疲労軽減を図れる。これに対して、前記手動変速モードを選択した状態では、前記予め設定した複数段の変速段のうちから、運転者が任意で変速比(変速段)を選択可能になる。
但し、この様な手動変速モードで運転中、運転者の変速操作のみに基づいて、トロイダル型無段変速機の変速比、延いては、無段変速装置の変速比の調節をそのまま行うと、次の様な不都合を生じる可能性がある。即ち、前記手動変速モードでは、基本的に運転者が選択できる変速比(変速段)が決められており、運転者が変速指示(セレクトレバー操作)を行わなければ、その変速比(変速段)に固定される。ところが、例えば変速比を高速段に固定した状態で運転者がシフトダウン操作を忘れたまま、車両を減速乃至は停止させてしまった場合、エンジンがノッキングしたり、著しい場合にはエンジンが停止(エンスト)する可能性がある。逆に、例えば変速比を低速段に固定した状態で運転者がシフトアップ操作を忘れたまま、車両の走行速度が上昇した場合には、エンジンが過回転(オーバーラン)する可能性がある。
この様な事情に鑑みて、手動変速モードで運転中の状態で、しかも運転者が変速比を変更すべき指示(セレクトレバー操作)を行わなくても、自動的に変速比を変更する機能を有する無段変速装置が、例えば特許文献4、5に記載される等により、従来から知られている。即ち、自動変速モードに加えて手動変速モードを有する無段変速装置で、手動変速モードの選択時に、運転者がシフト操作を忘れたまま車両の走行速度が大きく変動した場合に、自動的に変速動作を行う構造も、従来から知られている。従来から知られているこの様な構造としては、次の(A) 〜(C) に示す様な3通りのものがある。
(A) 手動変速モードでの走行時に、その時点での選択されている変速比に比べて走行速度が遅くなり過ぎた場合に、低速側の変速比に変速(減速比を大きく)する機能を持たせる。
無段変速装置の制御器にこの機能を持たせる事により、エンジンがノッキングしたり、或はエンストしたりする事を防止できる。
(B) 手動変速モードでの走行時に、その時点での選択されている変速比に比べて走行速度が速くなり過ぎた場合に、高速側の変速比に変速(増速比を大きく)する機能を持たせる。
無段変速装置の制御器にこの機能を持たせる事により、エンジンがオーバーランする事を防止できる。
(C) 手動変速モードで走行中、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を急増させた場合に、低速側の変速比に変速(減速比を大きく)する機能を持たせる。
無段変速装置の制御器にこの機能を持たせる事により、アクセルペダルの踏み込み量を増大させた瞬間の変速比のままでは、運転者が意図する様な加速を得られない場合でも、この加速を得られる様になる。
上述の(A) 〜(C) に示した従来構造は何れも、手動変速モードで運転者が適切な変速操作を失念した場合でも、予め設定されている変速比(変速段)への変速動作(シフトダウン又はシフトアップ)を自動的に行うものである。この為、自動的に変更(選択)された変速比が、その時点での走行状態に応じた適切なものであるとは限らないと言った問題がある。
但し、上記(A)(B)に示した従来構造の第1、2例の場合には、その時点での車速やエンジン回転数に応じて、1段(1速)づつ、変速比の変更動作(変速動作、シフトダウン又はシフトアップ)を繰り返せば、大きな問題とはなりにくい。即ち、上記(A)(B)に示した従来構造でも、選択されている変速比が、その時点での走行速度に対応した変速比の適正値から大きくずれた場合には、前記変速動作を1段ずつ行う事で、最適な加速度/減速度を得られるまでに或る程度の時間を要する点で問題が残る。但し、手動変速モード中でもあり、運転者による変速操作が無い状況を鑑みると、特に大きな問題を生じるとは言えない。
これに対して、上記(C) に示した従来構造の場合には、危険回避等の面から、無視できない問題となる可能性がある。即ち、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を急増させた場合には、このアクセルペダルを踏み込んだ時点から、直ちに急加速する必要がある場合が多い。従って、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を急増させた場合には、このアクセルペダルを踏み込んだ時点で直ちに、無断変速装置の変速比を最適値(必要とする加速状態を実現できる程度に減速比が大きな状態)にする事が望ましい(段階を踏んで変速比を最適値にする事に伴って、タイムラグを生じる事は好ましくない)。
一方、上記(C) に示した従来構造の様に、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を急増させた場合に、低速側の変速比に変速するだけでは、無断変速装置の変速比が、アクセルペダルを踏み込んだ時点で直ちに最適値になるとは限らない。例えば、アクセルペダルの踏み込み量の急増を検出した場合に制御器が、「現在の変速段−1速」なる変速動作を行うとした場合、変速動作後の変速比が、依然として高速側に偏ったままに止まり、その時点での車速では十分な加速が得られなかったり、上り坂であれば減速し、著しい場合にはエンジンがノッキングする可能性がある。この様な不都合を防止すべく、アクセルペダルの踏み込み量の急増を検出した場合に制御器が、「現在の変速段−2速」なる変速動作を行うとした場合、変速動作後の変速比が低速側に偏り過ぎてしまい、その時点での車速では加速度が過大になったり、エンジンの回転速度が急激に上昇して、著しい場合にはこのエンジンがオーバーランする可能性がある。
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、手動変速モードを選択した状態での走行時にも、危険回避等の為に必要な加速力を得られる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の無段変速装置は、入力軸と出力軸との間の変速比を調節する為の制御器が、それぞれが予め設定された互いに異なる変速比である複数段の値の何れかに、運転者の変速操作に基づいて調節する手動変速機能と、同じく変速比を、運転者の変速操作に基づかずに、その時点での運転状態に応じて自動的に調節する自動変速機能とを備える。
特に、本発明の無段変速装置に於いては、前記制御器が、運転者の変速操作に基づき前記複数段のうちの何れかの変速段が選択され、且つ、当該変速段に対応する変速比に調節されている状態で、アクセルペダルの踏み込み量が急増した場合に、運転者が前記手動変速機能に基づいて前記変速比を減速側に変更しない場合でも、その時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節する機能を有する。
上述の様な本発明の無段変速装置の発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、前記制御器に、その時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後もアクセルペダルが踏み続けられた場合に、変速比を、それぞれの時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される値に調節し続ける機能を持たせる。
上述の様な請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、その時点で最適と判断される変速比の値を、エンジンの回転速度を、その時点での車速に対応した最適な回転速度に維持できる値とする。
尚、この車速に対応した最適な回転速度に維持できる変速比の値とは、次の(a) 〜(c) のうちから選択した、何れかの値を言う。
(a) その時点での車速で、エンジンの回転速度が最大トルクを発生する回転速度となる値。
(b) その時点での車速で、エンジンの回転速度が最大馬力を発生する回転速度となる値。
(c) その時点での車速と上記(a)(b)とを勘案して設計的に定めた、最適なエンジン回転速度となる様な値{これら(a)(b)の中間の値として定めたチューニング値}。
又、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記制御器に、前記アクセルペダルの踏み込み量の急増に伴って、その時点での車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後、このアクセルペダルの踏み込み量が減少した場合、この変速比を自動的に調節する機能を解除させる。そして、前記制御器に、この機能に基づいてこの変速比を減速側に自動的に調節する以前の、手動変速機能により変速比を調節する状態に戻す機能を持たせる。
本発明を実施する場合に好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記制御器に、前記アクセルペダルの踏み込み量の急増に伴って、その時点での車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後、このアクセルペダルの踏み込み量がそのまま維持されて、その時点での車速に対応して最適と判断される変速比に調節し続けた結果、この変速比を自動的に調節し始める以前の変速比に達した場合に、この変速比を自動的に調節する機能を解除させる。そして、この機能に基づいてこの変速比を減速側に自動的に調節する以前の、手動変速機能により変速比を調節する状態に戻す機能を持たせる。
尚、本発明を実施する場合に、キックダウン操作が行なわれたか否か(変速比を減速側に変化させる必要がある様な状況下で、前記アクセルペダルの踏み込み量が急増したか否か、後述する実施の形態の動作を示すフローチャートを表した図3中のステップ8で、F−KICKDNフラグをONするか否か)を判定する方法としては、次の(a) 〜(d) の何れかの方法を採用できる。
(a) アクセルペダルの踏み込み量が急に変化したか否かにより判定する。
例えば、アクセルペダルの踏み込み速度が「1%/10ms以上」で、且つ、アクセルペダルの踏み込み量が80%以上である(全く踏み込んでいない状態から完全に踏み込み切った状態までの全ストロークの80%以上踏み込まれている)場合に、キックダウン操作が行われたと判定する。
(b) アクセルペダルの奥に設けられた、このアクセルペダルが完全に踏み込まれた状態でONされるキックダウンスイッチ(ON/OFFスイッチ)が、前記アクセルペダルが完全に踏み込まれた事を検知した場合に、キックダウン操作が行われたと判定する。
(c) アクセルペダルの踏み込み量が急に変化し、しかもキックダウンスイッチでアクセルペダルが完全に踏み込まれた事を検知した場合に、キックダウン操作が行われたと判定する。
例えば、アクセルペダルの踏み込み速度が「1%/10ms以上」で、且つ、キックダウンスイッチがONされた場合に、キックダウン操作が行われたと判定する。
(d) 車速が予め設定した所定値V1(例えば、V1=30km/h)で、且つ、アクセルペダルが上記(a) 〜(c) で前記アクセルペダルの踏み込み量が急増したと判定される場合にのみ、前記キックダウン操作が行われたと判定する。
又、何れにしても、停車中に本発明の特徴となる制御を行わない事は勿論、その時点での車速が、その時点で無段変速装置の変速比を1速(減速比が最大の状態)とした場合に、エンジンの回転速度が、最大トルク又は最大馬力を発生する回転速度(又は許容最高回転数)以上となる様な場合も、本発明の特徴となる制御は行わない。
更に、上述の(a) 〜(d) に示した何れかの方法によりキックダウン操作が行われたと判定した後、前述の請求項4、5に記載した発明の様に、所定の条件を満たした場合に、手動変速機能により変速比を調節する状態に戻す(キックダウン操作が行われたとの判定を解除し、前記F−KICKDNフラグをOFF)するのを判定する方法としては、次の(a) 〜(d) の何れかの方法を採用できる。
(a) アクセルペダルが戻されたか否かを判定する。
例えば、一度大きく踏み込まれたアクセルペダルの踏み込み状態が開放方向に変化して、且つ、アクセルペダルの踏み込み量が50%以下である(全ストロークの50%を超えて踏み込まれていない)場合に、キックダウン操作が行われたとの判定を解除する。
(b) キックダウンスイッチがOFFされた場合に、キックダウン操作が行われたとの判定を解除する。
(c) キックダウンスイッチがOFFされ、しかも、アクセルペダルの踏み込み量が50%以下となった場合に、キックダウン操作が行われたとの判定を解除する。
(d) キックダウン操作が行われたとの判定に基づいて無段変速装置の変速比を自動的に調節し、その結果、現在の変速比が元の変速比(手動変速モードにより選択していた変速比)に戻った場合に、キックダウン操作が行われたとの判定を解除する。
上述の様に構成する本発明の無段変速装置によれば、手動変速モードを選択した状態での走行時にも、危険回避等の為に必要な加速力を得られる構造を実現できる。
即ち、本発明の無段変速装置の場合には、無段変速装置の変速モードとして、手動変速モードを選択し、この無段変速装置の変速比を特定の値(変速段、例えば5速等)に固定した状態で走行中に、運転者がアクセルペダルの踏み込み量を急増させた(キックダウンによる加速操作が行われた)場合には、制御器が、単に変速段をずらせる(「現在の変速段−1速」としたり、或は「現在の変速段−2速」とする)のではなく、その時点での車速に応じた最適な変速比(例えばエンジンの回転速度が、最大トルク又は最大馬力を発生する回転速度となる様な変速比)に自動シフトダウン制御を行う。この為、運転者がシフトダウン操作を忘れたままアクセルペダルを大きく踏み込んだ場合でも、その時点で運転者が必要であると考える様な、最適な加速状態を実現できる。即ち、例えば危険回避等の為に、一時的に急加速が必要な場合等に、シフト操作を行わずに、アクセルペダルの踏み込み動作のみで、必要な加速状態を実現できて、運転者が意図する様な危険回避の為の加速状態を実現できる。
又、本発明の無段変速装置の場合には、運転者が、アクセルペダルを大きく踏み込んだ状態のままに維持した(加速し続けた)場合には、制御器が、上述の様にして得られる最適な加速状態を維持する様に(例えばエンジンの回転速度を、最大トルク又は最大馬力を発生する回転速度に維持できる変速比)、車速の上昇に伴って無段変速装置の変速比を、増速側に調節する。
この結果、前記無段変速装置の変速比が、手動変速モードにより選択していた変速比である、元の変速比(変速段)と同じ値になるまで増速側に変化(シフトアップ)した場合には、本発明の特徴であるキックダウン操作が行われたとの判定に基づく変速制御を終了し、以後、前記元の変速比(固定変速段)を維持する。
この為、例えば、高速道路の合流等の際に、比較的長い時間に亙って加速を必要とする際に、運転者が手動によるシフトダウン操作を失念しても、必要とする加速を、問題となる様な時間遅れを生じる事なく得る事ができ、しかも、必要とする加速を実現した以後は、先に運転者が選択した変速比に基づいて、この運転者の意図する運転状況を再開できる。
一方、運転者がアクセルペダルを大きく踏み込んだ後、このアクセルペダルを戻した場合には、運転者が一時的な(短時間の)加速を希望し、その希望が既に達せられたと判断されるので、キックダウンによる加速は完了したと判定し、前記元の変速比(変速段)に戻す。
この為、一時的な加速を行った場合でも、それ以後は、運転者が選択した変速比に基づいて、運転者の意図する運転状況を維持できる。即ち、例えば危険回避等で一時的に急加速が必要な場合等でも、上述した比較的長い時間に亙って加速を必要とする場合と同様に、運転者が手動によるシフトダウン操作を失念しても、必要とする加速を、問題となる様な時間遅れを生じる事なく得る事ができ、しかも、必要とする加速を実現した以後は、先に運転者が選択した変速比に基づいて、この運転者の意図する運転状況を再開できる。
本発明の無段変速装置は、上述した様に、手動変速モードで走行中に、運転者がシフトダウンの為の変速操作を失念してアクセルペダルのみ大きく踏み込んだ場合でも、その時点での車速に応じた最適な変速比に自動的にシフトダウンして、問題となる様な時間的遅れを生じる事なく、必要な加速性能を得られる。
即ち、アクセルペダルを大きく踏み込んだにも拘らず、無段変速装置の変速比がそのままである事に伴って、必要とする加速性能を得られなかったり、或は、必要とする加速性能を得られるまでに、運転者が違和感を感じるほどの時間的遅れ(タイムラグ)を生じる事がない。この結果、アクセルペダルを大きく踏み込んだ後、運転者が意図する様な加速感を発生するまでの時間的遅れにより運転者に不安感を与える事(特に危険を回避する為に必要な加速であった場合等)を抑えられる。
本発明の実施の形態の1例を説明する為の、無段変速装置のブロック図。 変速比制御の為の油圧回路の1例を示す図。 変速比制御の動作を説明する為のフローチャート。 自動変速モードで変速比を調節する際に使用するマップの1例を示す図。 変速比制御の動作を説明する為の線図。 従来から知られている無段変速装置の1例を示すブロック図。 同じく変速比制御の為の油圧回路を示す図。 無段変速装置全体の速度比と、この無段変速装置に組み込まれたトロイダル型無段変速機の速度比との関係を示す線図。
本例の無段変速装置では、図1に示す様に、変速比制御の為の制御器16に、ポジションスイッチ37及びアクセルセンサ34の信号等、前述した従来構造の場合と同様の信号に加えて、シフトセンサ35及び加速度センサ36の信号を入力している。上記ポジションスイッチ37は、図2に示した手動油圧切換弁32aが選択したシフトレバーの位置(前進、後退、ニュートラル、パーキング)を検出するもので、従来から知られている無断変速装置の場合も備えているのに対して、前記シフトセンサ35は、前記手動油圧切換弁32aにより手動変速モード(図2の手動油圧切換弁32a中のMポジション)が選択された場合に、パドルシフトレバー等の手動変速用の変速比切換装置により、何れの変速比(変速段)が選択されたかを検出する為のものである。又、前記アクセルセンサ34は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するもので、前記加速度センサ36は、車両(車体)の加速度を検出するものである。
本例の無段変速装置は、図1〜2に示す様な構成を採用し、入力軸3と出力軸9との間の変速比を適切に調節する。即ち、運転者が前記手動油圧切換弁32aにより自動変速モード(図2の手動油圧切換弁32a中のDポジション)を選択した場合には、従来から広く知られている無段変速装置の場合と同様に、前記無断変速装置の変速比を、車速やアクセル開度等の車両状況に応じて最適な値に調節する。即ち、この場合には、前記制御器16が、図2に示した高速用、低速用、両クラッチ用切換弁25、26を制御して、低速用、高速用、両クラッチ7、8の断接状態を切り換える他、変速比制御ユニット15aへの圧油の給排状態を切り換えて、トロイダル型無段変速機4の変速比を制御する。この状態では、前記制御器16が適切と判断する変速比を実現して、運転者による変速動作を不要にし、運転者の負担軽減、延いては運転者の疲労軽減を図れる。これに対して、前記手動変速モードを選択した状態では、前記変速比切換装置により、予め設定した複数段の変速段のうちから、運転者が任意で変速比(変速段)を選択可能になる。
以上の構成及び作用に就いては、従来から広く知られている無段変速装置の場合と同様である。特に、本発明の無段変速装置の場合には、運転者が前記手動油圧切換弁32aにより手動変速モードを選択している状態で、前記変速比切換装置を操作する事無く、アクセルペダルを大きく踏み込んだ場合に、問題となる程の時間的遅れを生じる事なく、必要とされる加速性能を得られる様にすべく、前記無段変速装置の変速比を減速側に調節する。即ち、前記アクセルセンサ34により、アクセルペダルが大きく踏み込まれた事を検知した場合には、前記手動変速モードであっても、一時的に前記無段変速装置の変速比を、その時点に於ける車速で最適となる値に調節する(手動変速モードで予め設定されている固定変速比ではなく、その時の車速に応じた最適な変速比とする)。そして、運転者がシフトダウン操作を失念した場合でも、運転者が意図する様な加速性能を得られる様にして危険回避等の為の加速性能を得られる様にしている。以下、この様な特徴部分を含む、本例の無段変速装置の作用に就いて、図3〜5を参照しつつ説明する。
先ず、図3に示したステップ1で、現在の(その時点での)変速モードを判定する。このステップ1で、現在の変速モードが自動変速モードであると判定された場合には、ステップ2に移って、図4に示す様なマップに基づき、その時点での車速やアクセル開度等に応じて、適切な変速比に自動調節する。
これに対して、前記ステップ1で、現在の変速モードが手動変速モードであると判定された場合には、ステップ3に移り、その時点での車速を検出する。具体的には、その時点での車速が、無段変速装置の変速比を1速(最も低速側に調節した場合に実現できる変速比)に調節したと仮定した場合で、エンジンの回転速度を最高許容回転速度にまで上昇させたと仮定した場合の車速X1(例えば30km/h)以下であるか否か(更には停止状態にあるか否か)を判定する。このステップ3で、車速Vが前記閾値X1以下である(更には車両が停止状態にある)と判定された場合には、ステップ4に移り、車両を停止状態としたまま最適のクリープ力を発生させる為の制御(停車GN制御)を行うか、車両が走行状態にある場合には、変速比を前記1速に固定する。
これに対して、前記ステップ3で、車速Vが前記閾値X1を超えている(V>X1)と判定された場合には、次のステップ5で、運転者の変速要求の有無を判定する。即ち、運転者が、パドルシフトレバー等の前記変速比切換装置を操作したか否かを判定する。そして、この様なステップ5で、運転者による変速要求が有ると判断された場合には、次のステップ6で、この変速要求に応じて、前記無段変速装置の変速比を、要求された値に変更する。又、アクセルペダルが大きく踏み込まれた(キックダウン状態となった)事を表す、キックダウン変速制御フラグ(F−KICKDNフラグ)がONされていた場合には、このフラグをOFFする。
一方、前記ステップ5で、運転者による変速要求が無いと判定された場合には、ステップ7で、アクセルペダルの踏み込み量増大に基づく変速比制御(キックダウン変速制御)中であるか否か{キックダウン変速制御フラグ(F−KICKDN)のON/OFF状態}を判定する。この様なステップ7で、F−KICKDNがOFFであると判定された場合には、次のステップ8に移り、アクセルペダルの踏み込み状況を判定する。
このステップ8で、アクセルペダルが急激に踏み込まれたと判定された場合には(判定基準に就いては前述した通り)、ステップ9で前記キックダウン変速制御フラグ(F−KICKDN)をONしてから、ステップ10で、本例の特徴である、キックダウン変速制御を行う。例えば、図5に示す様に、手動変速モード状態で5速を選択して走行中に、イ点でアクセルペダルの踏み込み量を急増させた場合に就いて説明する。この場合には、本発明の特徴である、前記キックダウン変速制御に基づき、前記無段変速装置の変速比が、ロ点で示した様に、その時点で必要十分な加速性能を得られる値(例えば、エンジンの回転速度が、最大トルクを発揮する6000min-1となる変速比)に調節する。前述した従来構造の様に、単に変速段をずらせる(「現在の変速段−1速」としたり、或は「現在の変速段−2速」とする)だけの場合には、図5の点ハで示す様に、エンジンの回転速度が不足し、十分な加速性能を得られなかったり(「現在の変速段−1速」とする場合)、或は、図5の点ニで示す様に、エンジンがオーバーランする(「現在の変速段−2速」とする場合)可能性がある。これに対して本発明を実施すれば、前記無段変速装置の変速比を、所望の加速性能を得る為に必要な最適値となる。
一方、前記ステップ8で、前記アクセルペダルの踏み込み量が急激に増加していないと判定された場合には、その時点での変速比(変速段)を維持したまま終了し、ステップ1に戻る。
又、前記ステップ7で、F−KICKDNがONであると判定された場合には、次のステップ11に移り、アクセルペダルの開放状況を判定する。このステップ11で、アクセルペダルが戻されていると判定された場合には、次のステップ12に移り、キックダウン変速制御フラグ(F−KICKDN)をOFFして、本発明の特徴であるキックダウン変速制御を解除してからステップ13に移り、元の変速比(変速段)ヘシフトアップ変速を行う。この際に無段変速装置の変速比は、図5のホ点からヘ点に移る。尚、アクセルペダルの開放状況の判定基準に就いては、前述した通りである。
更に、前記ステップ11で、アクセルペダルが十分には戻されていない場合には、続くステップ14で、現在の変速比(自動的に且つ連続的に変化させる変速比)と元の(前記変速比切換装置の操作に基づいて選択した、アクセルペダルの踏み込み量を急に増大させる以前の変速比=変速段)とを比較する。そして、現在の変速比が元の変速比に一致した場合に前記ステップ12に移り、キックダウン変速制御フラグ(F−KICKDN)をOFFして、本発明の特徴であるキックダウン変速制御を解除してからステップ13に移り、元の変速比(変速段)に固定する。この際に無段変速装置の変速比は、図5のロ点からト点に移る。
一方、前記ステップ14で、現在の変速比と元の変速比とが一致しない(現在の変速比≠元の変速比、具体的には、現在の変速比が元の変速比よりも減速側に偏っている)と判定された場合には、ステップ15に移り、その時点の車速及びアクセル開度に応じた最適の変速比に調節(エンジンが、必要とする加速性能を得る為に適切な回転速度となる様に、無段変速装置の変速比を調節)する。
以上の動作を、前記手動油圧切換弁32aにより前記手動変速モードを選択した状態の間中繰り返し行う。この為、例えば危険回避等で一時的に急加速が必要な場合等に、運転者が変速操作(パドルシフトレバー等によるシフトダウン変速指示)を失念し、アクセルペダルのみ操作した場合でも、必要な加速性能を、運転者に違和感を与えるほどの時間的遅れを生じる事なく、得る事ができる。
更に、必要とする加速性能を得た後の状態では、アクセルペダルの踏み込み状況や車速などに応じて、先に運転者が選択していた元の変速比(変速段)に、自動的に復元するので、必要とする加速を実現した以後は、先に運転者が選択した変速比に基づいて、この運転者の意図する運転状況を再開し、更に続行できる。即ち、本発明によれば、一時的なキックダウン制御に基づいて危険回避動作等を適切に行った後は、運転者が選択した元の変速比を保持する構造として、緊急避難的な場合の制御を適切に行いつつ、運転者の意志に基づく手動変速モードを広範囲で実現できる。
本発明は、トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とクラッチ装置とを組み合わせて、低速モード状態で入力軸を一方向に回転させたまま出力軸の回転方向を、停止状態を挟んで変換可能な、所謂ギヤード・ニュートラル型の無段変速装置は勿論、下記の(A) 〜(C) に示す様な、他の構造の各種無段変速装置でも実施できる。
(A) トロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とクラッチ装置とを組み合わせて、低速モード状態でこのうちのトロイダル型無段変速機で動力を伝達し、高速モード状態でトロイダル型無段変速機と遊星歯車式変速機とを通じて動力を伝達する事により、このトロイダル側無段変速機を通過するトルクを低減する、所謂パワー・スプリット型の無段変速装置。
(B) 遊星歯車式変速機を使用せず、トロイダル型無段変速機のみで構成した無段変速装置。
(C) それぞれが幅寸法を拡縮可能とした1対のプーリ同士の間にベルトを掛け渡した、ベルト式の無段変速装置。
1 エンジン
2 ダンパ
3 入力軸
4 トロイダル型無段変速機
5 遊星歯車式変速機
6 クラッチ装置
7 低速用クラッチ
8 高速用クラッチ
9 出力軸
10 入力側ディスク
11 出力側ディスク
12 パワーローラ
13 アクチュエータ
14 押圧装置
15、15a 変速比制御ユニット
16 制御器
17 ステッピングモータ
18 ライン圧制御用電磁開閉弁
19 変速比補正用電磁弁
20 シフト用電磁弁
21 制御弁装置
22 変速比制御弁
23 差圧シリンダ
24a、24b 補正用制御弁
25 高速クラッチ用切換弁
26 低速クラッチ用切換弁
27、27a、27b 給油ポンプ
28 油溜
29 押圧力調整弁
30 低圧側調整弁
31a、31b 油圧室
32、32a 手動油圧切換弁
33 減圧弁
34 アクセルセンサ
35 シフトセンサ
36 加速度センサ
37 ポジションスイッチ
特開平10−196759号公報 特開2006−349159号公報 特開2000−193077号公報 特開平9−310757号公報 特開2004−125071号公報

Claims (5)

  1. 入力軸と出力軸との間の変速比を調節する為の制御器が、それぞれが予め設定された互いに異なる変速比である複数段の値の何れかに、運転者の変速操作に基づいて調節する手動変速機能と、同じく変速比を、運転者の変速操作に基づかずに、その時点での運転状態に応じて自動的に調節する自動変速機能とを備えた無段変速装置に於いて、前記制御器が、運転者の変速操作に基づき前記複数段のうちの何れかの変速段が選択され、且つ、当該変速段に対応する変速比に調節されている状態で、アクセルペダルの踏み込み量が急増した場合に、運転者が前記手動変速機能に基づいて前記変速比を減速側に変更しない場合でも、その時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節する機能を有する事を特徴とする無段変速装置。
  2. 制御器が、その時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後もアクセルペダルが踏み続けられた場合に、変速比を、それぞれの時点での車速と前記アクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される値に調節し続ける機能を有する、請求項1に記載した無段変速装置。
  3. その時点で最適と判断される変速比の値が、エンジンの回転速度を、その時点での車速に対応した最適な回転速度に維持できる値である、請求項2に記載した無段変速装置。
  4. 制御器が、アクセルペダルの踏み込み量の急増に伴って、その時点での車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後、このアクセルペダルの踏み込み量が減少した場合、この変速比を自動的に調節する機能を解除し、この機能に基づいてこの変速比を減速側に自動的に調節する以前の、手動変速機能により変速比を調節した状態に戻す機能を有する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
  5. 制御器が、アクセルペダルの踏み込み量の急増に伴って、その時点での車速とアクセルペダルの踏み込み量とに応じて最適と判断される変速比に自動的に調節した後、このアクセルペダルの踏み込み量がそのまま維持されて、その時点での車速に対応して最適と判断される変速比に調節し続けた結果、この変速比を自動的に調節し始める以前の変速比に達した場合に、この変速比を自動的に調節する機能を解除し、この機能に基づいてこの変速比を減速側に自動的に調節する以前の、手動変速機能により変速比を調節した状態に戻す機能を有する、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した無段変速装置。
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