JP2011173377A - 印刷ブランケット - Google Patents

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Abstract

【課題】UVインキの印刷に適したEPDMを主成分とする表面ゴム層を備え、しかも被印刷物の表面に先に転写されたインキが前記表面ゴム層の表面に逆転写しにくいためインキの混入による色調の大幅な変化を生じにくい印刷ブランケットを提供する。
【解決手段】印刷ブランケットは、エチレンプロピレンジエンゴムと、前記エチレンプロピレンジエンゴム100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下の塩素化ポリエチレンとで表面ゴム層を形成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、オフセット印刷方法等の印刷方法に用いる印刷ブランケットに関するものである。
印刷ブランケットを用いるオフセット印刷方法等においては、インキとして、油性インキ(酸化重合タイプ)やUVインキ(紫外線硬化タイプ)を用いるのが一般的である。
このうち油性インキは古くから使用されており、安価で経済的である。しかしその反面、油性インキは有機溶剤を含むため、作業環境等の保全のためにはその取り扱いに十分に注意を払う必要がある。
また油性インキは硬化するまでに比較的、長い時間を要するため、印刷物を積み重ねるいわゆる棒積み時に、上に積んだ印刷物の裏面に下側の印刷物のインキが付着するのを防止するためには、印刷後の印刷物の表裏いずれかの面にパウダーを散布する必要がある。そのため、作業環境等の保全のためにはパウダーの飛散防止にも十分に注意を払わなければならない。
一方、UVインキは紫外線照射によって瞬時に硬化するため棒積み時にパウダーを散布する必要がない上、基本的に有機溶剤を含まないため作業環境等の保全という観点で油性インキよりも優れており、近年に至って需要が増加しつつある。
油性インキ用の印刷ブランケットとしては、有機溶剤に対する耐膨潤性と加工性とを考慮して、インキと直接に接触する表面を構成する表面ゴム層を、アクリロニトリル量が31〜35%程度に調整されたアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、いわゆる中高ニトリルゴムを単独で用いて形成したり、あるいは前記中高ニトリルゴムと、アクリロニトリル量が異なる他のNBR等とをブレンドした配合ゴムによって形成したりしたものが一般的に用いられる(特許文献1等参照)。
しかしNBRは、UVインキ中に含まれるアクリルモノマーに対して過剰に膨潤するという問題がある。表面ゴム層の表面は、ある程度はインキに膨潤できないと版からのインキの転写性(着肉性)が不十分になって良好な印刷を行えないが、NBRからなる表面ゴム層はUVインキに対して膨潤しすぎる。
そして、印刷を繰り返すことで表面ゴム層がUVインキによって過剰に膨潤し、それによって表面ゴム層の厚みが過大に増加するとともに硬さが大幅に低下すると、前記表面ゴム層が外力によって変形しやすくなる。
その結果、版から表面ゴム層へのインキの転写時や、あるいは前記表面ゴム層から被印刷物へのインキの再転写時などにおける、前記表面ゴム層の変形量が大きくなりすぎて印刷品質が低下するという問題を生じる。
したがって、表面ゴム層を中高ニトリルゴム等のNBRによって形成した印刷ブランケットは、UVインキには使用することができない。
UVインキ用の印刷ブランケットとしては、アクリルモノマーに対して過剰に膨潤しすぎることのない非極性ゴム、特にエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)によって表面ゴム層を形成した印刷ブランケットが好適に用いられる(特許文献2等参照)。
例えば多色刷の印刷をする場合、被印刷物の搬送方向に沿って所定の色に対応した複数の印刷ユニットを配設した印刷機が用いられる。そして被印刷物を前記搬送方向に搬送しながら、前記被印刷物の表面に、各印刷ユニットを通過するごとに所定の色のインキを重ねて印刷することで多色刷の印刷がされる。
UVインキは、その名のとおり紫外線を照射しないと硬化せず、被印刷物の表面にセット、すなわち定着されない。そのため多色刷の印刷をする場合は、各色の印刷ユニットの、被印刷物の搬送方向の後方にそれぞれUVランプを配設し、1色印刷するごとにUVランプから紫外線を照射してUVインキを硬化させるのが理想的である。
しかし各色の印刷ユニットごとに1つずつUVランプを配設することにすると印刷機が大型化するため設置スペース等の制約を受けやすくなる上、UVランプの数が多い分、運転時の印刷機の消費エネルギーが増大したり、メンテナンスの手間がかかったり、これらの結果としてランニングコストが高くついたりし、さらには印刷機のイニシャルコストも高くつくといった問題がある。
そのため通常は、複数色(例えば2色)の印刷ユニットごとに1つのUVランプを配設して、前記複数色のUVインキを一度に硬化させるようにするとともに、全ての印刷ユニットを通過した後の最終位置に1つのUVランプを配設して全てのUVインキの硬化を完了させるのが一般的である。
特公平7−17113号公報 特開2004−106418号公報
ところが、前記多色刷の印刷機においては、1つのUVランプの前に配設される例えば2色の印刷ユニットのうち被印刷物の搬送方向の後方に配設される印刷ユニットのインキ(後刷りインキ)に、前記搬送方向の前方に配設される印刷ユニットのインキ(前刷りインキ)が混入して、前記後刷りインキの色調が大きく変化しやすいという問題がある。
特に、先に説明したEPDM等の非極性ゴムからなる表面ゴム層を備えた印刷ブランケットを組み込んで印刷をするとこの現象が顕著に発生する。
すなわち、前記印刷ブランケットを組み込んで印刷をした場合、先の印刷ユニットで被印刷物の表面に印刷された前刷りインキは、UVランプで紫外線が照射される前の未硬化の状態で後の印刷ユニットに送られるため、前記後の印刷ユニットでの印刷のために前記被印刷物に圧接される印刷ブランケットの表面に逆転写されやすい。
特に、印刷ブランケットの表面のうち、版から転写された後刷りインキが乗っている領域(画線部)ではこの逆転写は生じにくいが、前記後刷りインキが乗っていない素の領域(非画線部)において前刷りインキが逆転写されやすい傾向がある。
そして逆転写された前刷りインキが、次の印刷のために印刷ブランケットが版の表面に圧接された際に、前記版上の後刷りインキに混入して、前記後刷りインキの色調を大きく変化させるのである。
本発明の目的は、UVインキの印刷に適したEPDMを主成分とする表面ゴム層を備え、しかも被印刷物の表面に先に転写されたインキが前記表面ゴム層の表面に逆転写しにくいためインキの混入による色調の大幅な変化を生じにくい印刷ブランケットを提供することにある。
前記課題を解決するため、発明者は、特に表面ゴム層がEPDMからなる印刷ブランケットにおいて前記逆転写が生じる原因について検討した。その結果、前記表面ゴム層を形成するEPDMが、先に説明したように非極性で水に濡れにくいのが原因であることを見出した。
すなわち一般的なオフセット印刷では、周知のように版の画線部を親油性、非画線部を親水性とし、親油性のインキと浸し水とを前記版の表面に交互に供給することでインキパターンを形成している。
印刷ブランケットの表面ゴム層が適度の親水性を有していれば、前記非画線部の浸し水が画線部のインキとともに前記表面ゴム層の表面の非画線部に転写されて、前記非画線部に水の膜が形成されるため、前刷りインキが前記非画線部に逆転写されるのを抑制できる。
しかしEPDMは前記のように非極性で水に濡れにくく、非画線部に水の膜が形成されないため、逆転写が発生するのである。
そこで発明者は、EPDMのUVインキに対する適度な膨潤性、親和性を維持しながら、表面ゴム層の表面の極性を調整して親水性を付与するべく、前記表面ゴム層に含有させる第2の成分についてさらに検討した。
その結果、EPDM100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下の塩素化ポリエチレンを含有させると、表面ゴム層の表面のUVインキに対する適度な膨潤性、親和性を維持しながら、前記表面に適度な親水性を付与して、印刷時の非画線部に水の膜を形成できやすくして前刷りインキの逆転写を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
したがって本発明は、少なくとも表面ゴム層を備え、前記表面ゴム層は、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)と、前記EPDM100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下の塩素化ポリエチレンとを含むことを特徴とする印刷ブランケットである。
本発明において、塩素化ポリエチレンの含有割合が前記範囲に限定されるのは、下記の理由による。
すなわちEPDM100質量部あたりの塩素化ポリエチレンの含有割合が5質量部未満では、前記塩素化ポリエチレンを含有させることによる、先に説明した表面ゴム層の表面の極性を調整して親水性を付与する効果が得られず、非画線部に水の膜が形成されないため、前刷りインキの逆転写を抑制することができない。そのため、先に説明したように前刷りインキが後刷りインキに混入して後刷りインキの色調が変化するという問題を生じる。
また含有割合が100質量部を超える場合には、相対的にEPDMの含有割合が少なくなるため、前記EPDMによる、表面ゴム層がアクリルモノマーに対して過剰に膨潤しすぎるのを抑制する効果が得られず、前記表面ゴム層が、印刷を繰り返すうちにアクリルモノマーによって過剰に膨潤しやすくなる。そして過剰な膨潤が発生すると、表面ゴム層の厚みが過大に増加するとともに硬さが大幅に低下し、表面ゴム層が外力によって変形しやすくなって、版から表面ゴム層へのインキの転写時や、あるいは前記表面ゴム層から被印刷物へのインキの再転写時などにおける、前記表面ゴム層の変形量が大きくなりすぎて印刷品質が低下するという問題を生じる。
本発明によれば、UVインキの印刷に適したEPDMを主成分とする表面ゴム層を備え、しかも被印刷物の表面に先に転写されたインキが前記表面ゴム層の表面に逆転写しにくいためインキの混入による色調の大幅な変化を生じにくい印刷ブランケットを提供することができる。
本発明の印刷ブランケットは、少なくとも表面ゴム層を備え、前記表面ゴム層は、エチレンプロピレンジエンゴムと、前記エチレンプロピレンジエンゴム100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下の塩素化ポリエチレンとを含むことを特徴とするものである。
前記のうちEPDMとしては、エチレン、プロピレン、およびジエンの共重合体であって、前記3成分の割合を調整したり、ジエン分の種類(エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン等)を選択したり、あるいは新たな第4の成分を加えたりすることによって合成される、種々の特性を有する各種のEPDMの中から、先に説明したようにUVインキ中に含まれるアクリルモノマーに対して過剰に膨潤しないという非極性ゴムとしてのEPDM本来の特性を有するものがいずれも使用可能である。
かかるEPDMの具体例としては、例えばJSR(株)製のJSR(登録商標)EP33〔ジエン分:エチリデンノルボルネン、ジエン含量8.1質量%、C2:52%、ムーニー粘度:28ML(1+4)125℃〕、三井化学(株)製のMITSUI EPT4045〔ジエン分:エチリデンノルボルネン、ヨウ素価:超高、エチレン含量:中、ムーニー粘度:45ML(1+4)100℃〕、住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)505A〔エチレン含量50%、ジエン含量9.5%、ムーニー粘度:47ML(1+4)100℃〕、501A〔エチレン含量52%、ジエン含量4.0%、ムーニー粘度:44ML(1+4)100℃〕等の1種または2種以上が挙げられる。
塩素化ポリエチレンとしては、ポリエチレンの分子構造に含まれる水素の一部を塩素に置き換えた、種々の特性を有する各種の塩素化ポリエチレンの中から、前記EPDMによる、表面ゴム層の表面のUVインキに対する適度な膨潤性、親和性を維持しながら、前記表面に適度な親水性を付与できるものがいずれも使用可能である。
かかる塩素化ポリエチレンの具体例としては、例えば昭和電工(株)製のエラスレン(登録商標)301AE、ダウケミカル(株)製のタイリン3611P等の少なくとも1種が挙げられる。
前記塩素化ポリエチレンの含有割合が、EPDM100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下に限定されるのは、下記の理由による。
すなわち含有割合が前記範囲未満では、塩素化ポリエチレンを含有させることによる、先に説明した表面ゴム層の表面の極性を調整して親水性を付与する効果が得られず、非画線部に水の膜が形成されないため、前刷りインキの逆転写を抑制することができない。そのため、先に説明したように前刷りインキが後刷りインキに混入して後刷りインキの色調が変化するという問題を生じる。
また含有割合が100質量部を超える場合には、相対的にEPDMの含有割合が少なくなるため、前記EPDMによる、表面ゴム層がアクリルモノマーに対して過剰に膨潤しすぎるのを抑制する効果が得られず、前記表面ゴム層が、印刷を繰り返すうちにアクリルモノマーによって過剰に膨潤しやすくなる。そして過剰な膨潤が発生すると、表面ゴム層の厚みが過大に増加するとともに硬さが大幅に低下し、表面ゴム層が外力によって変形しやすくなって、版から表面ゴム層へのインキの転写時や、あるいは前記表面ゴム層から被印刷物へのインキの再転写時などにおける、前記表面ゴム層の変形量が大きくなりすぎて印刷品質が低下するという問題を生じる。
なお表面ゴム層の、アクリルモノマーに対する膨潤をより一層有効に抑制することを考慮すると、EPDM100質量部あたりの塩素化ポリエチレンの含有割合は、前記範囲内でも50質量部以下であるのが好ましい。
本発明の印刷ブランケットは、前記表面ゴム層を備えること以外は従来同様に構成できる。すなわち印刷ブランケットは、前記表面ゴム層単独で形成してもよいし、前記表面ゴム層と支持体層との積層構造としてもよい。また支持体層としては、合成あるいは天然繊維からなる基布や、多孔質構造を有する圧縮性層等を適宜の層数と配置で積層した任意の構造を有するものがいずれも使用可能である。
本発明の印刷ブランケットを製造するためには、まずEPDMを含むゴム分に、前記所定の可塑剤と、例えば加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、スコーチ防止剤、老化防止剤、補強剤、充てん剤、着色剤等の各種添加剤とを配合するとともに溶剤を加えて粘度を調整して表面ゴム層用のゴム糊を調製する。
次に、この表面ゴム層用ゴム糊を支持体層もしくはその前駆体(未加硫のゴム分を含むもの)の上に、所定の厚みとなるように塗布(糊引き)したのち、例えば連続加硫機や加硫缶などを用いて所定の温度に加熱して、前記ゴム糊中のゴム分を加硫させて表面ゴム層を形成する。この際、支持体層の前駆体中の未加硫のゴム分もほぼ同時に加硫される。
その後、必要に応じて表面ゴム層の表面を所定の表面粗さ、および厚みとなるように研磨すると印刷ブランケットが製造される。
あるいはまた、前記ゴム分に前記所定の可塑剤とその他の添加剤とを配合したゴムコンパウンドを、支持体層またはその前駆体上に、必要に応じて加硫接着のための加硫接着剤やプライマーゴム糊の層を解して積層したのち、同様に連続加硫機や加硫缶などを用いて所定の温度に加熱して、前記ゴムコンパウンド中のゴム分を加硫させて表面ゴム層を形成する。この際、支持体層の前駆体中の未加硫のゴム分もほぼ同時に加硫される。
その後、必要に応じて表面ゴム層の表面を所定の表面粗さ、および厚みとなるように研磨すると印刷ブランケットが製造される。
前記添加剤のうち加硫剤としては、例えば硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等の1種または2種以上が挙げられる。また有機含硫黄化合物としては4,4′−ジチオジモルホリン等が挙げられ、有機過酸化物としてはベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオカルバミン酸類、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のチアゾール類、トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素等のチオウレア類、あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサージ(PbO)等の無機促進剤などの1種または2種以上が挙げられる。
加硫促進助剤としては、例えば亜鉛華(酸化亜鉛)等の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸などの1種または2種以上が挙げられる。
スコーチ防止剤(加硫遅延剤)としては、例えばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸等の芳香族有機酸、N−ニトロソジフェニルアミン、N−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミン等のニトロソ化合物、あるいはN−シクロヘキシルチオフタルイミド等の1種または2種以上が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類、あるいはジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、スチレン化フェノール等のフェノール類などの1種または2種以上が挙げられる。
補強剤としては、例えばシリカ系またはケイ酸塩系のいわゆるホワイトカーボン、カーボンブラック、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等の無機補強剤や、あるいはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチレン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン共重合体)等の有機補強剤などの1種または2種以上が挙げられる。
充てん剤としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土、マイカ、アスベスト、グラファイト等の無機充てん剤や、あるいは再生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、にかわ等の有機充てん剤の1種または2種以上が挙げられる。
さらに着色剤としては、各色の顔料等が挙げられる。
また前記以外にも、表面ゴム層用ゴム糊には、例えば粘着性付与剤、分散剤等を適宜配合してもよい。
支持体層に含まれる圧縮性層としては、各種ゴムに発泡剤を配合して前記ゴムの加硫とともに発泡させるか、または中空状の微小粒子を配合する等して形成される独立気孔構造を有するもの、あるいはゴムに食塩等の粒子を分散させて前記ゴムを加硫した後、温水等で食塩等の粒子を溶解、除去して形成される連続気孔構造を有するもの等が挙げられる。
以下の実施例、比較例の印刷ブランケットの製造、特性の測定、および試験を、特記した以外は温度23±1℃、相対湿度55±1%の環境下で実施した。
〈実施例1〉
(プライマーゴム糊の調製)
下記表1に示す各成分を、その総量(130質量部)の2倍量のトルエンと配合してプライマーゴム糊を調製した。
Figure 2011173377
表中の各成分は下記のとおり。
NBR:中高ニトリルゴム、JSR(株)製のN232S、アクリロニトリル量35%
クマロン樹脂:粘着性付与剤
亜鉛華:酸化亜鉛、加硫促進助剤
ステアリン酸:加硫促進助剤
DOA:アジピン酸ジオクチル、可塑剤
粉末硫黄:加硫剤
ノクセラー(登録商標)DM:加硫促進剤、ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
ノクセラーTT:加硫促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
(圧縮性層用ゴム糊の調製)
表2に示す各成分を、その総量(162質量部)の2倍量のトルエンと配合して圧縮性層用ゴム糊を調製した。
Figure 2011173377
表中の各成分は下記のとおり。
NBR:日本ゼオン(株)製のNIPOL(登録商標)DN202、アクリロニトリル量31%
カーボンブラックHAF 40:補強剤
亜鉛華:酸化亜鉛、加硫促進助剤
ステアリン酸:加硫促進助剤
DOA:アジピン酸ジオクチル、可塑剤
粉末硫黄:加硫剤
ノクセラーDM:加硫促進剤、ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
ノクセラーTT:加硫促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
マイクロバルーン:松本油脂製薬(株)製のマツモトマイクロスフェアー(登録商標)F50D
(支持体層前駆体の作製)
1枚の綿布の片面に前記プライマーゴム糊を塗布した後、その上に別の綿布を張り合わせる作業をして、2枚の綿布を、プライマーゴム糊を介して積層して積層体Aを形成した。
また、別に用意した1枚の綿布の片面に前記圧縮性層用ゴム糊を塗布した後、連続加硫機を通過させて前記圧縮性層用ゴム糊を加硫すると共に綿布と加硫接着させて、前記マイクロバルーン起源の独立気孔構造を有する圧縮性層と綿布との積層体Bを形成した。加硫条件は圧力19.6kPa、温度140℃、加硫時間30分間とした。
次いで、先に形成した積層体Aの、露出した片側の綿布の表面に前記プライマーゴム糊を塗布した後、その上に積層体Bを圧縮性層が積層体A上のプライマーゴム糊に接するように張り合わせて、綿布(上層基布)/圧縮性層/綿布(下層基布)/綿布(下層基布)の4層構造を有する支持体層の前駆体を作製した。
(表面ゴム層用ゴム糊の調製)
EPDM〔JSR(株)製のJSREP33〕100質量部、および塩素化ポリエチレン〔昭和電工(株)製のエラスレン301AE〕5質量部と、表3に示す各成分とを、その総量(143質量部)の2倍量である286質量部のトルエンと配合して表面ゴム層用ゴム糊を調製した。
Figure 2011173377
表中の各成分は下記のとおり。
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)VN3
ノクラック(登録商標)NS−6:老化防止剤、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、大内新興化学工業(株)製
イプシロンブルー:顔料
亜鉛華1号:酸化亜鉛、加硫促進助剤
ステアリン酸:加硫促進助剤
粉末硫黄:加硫剤
ノクセラーDM:加硫促進剤、ジベンゾチアジルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
ノクセラーTT:加硫促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製
バルノック(登録商標)R:加硫剤、4,4′−ジチオジモルホリン、大内新興化学工業(株)製
リターダーCTP:スコーチ防止剤、N−シクロヘキシルチオフタルイミド、東レ(株)製
(印刷ブランケットの製造)
先に作製した支持体層の前駆体のうち上層基布としての綿布の表面に、前記表面ゴム層用ゴム糊を塗布し、連続加硫機を通過させて前記表面ゴム層用ゴム糊を加硫させて表面ゴム層を形成するとともに、前駆体中に含まれるプライマーゴム糊を加硫して前記表面ゴム層、各綿布、および圧縮性層を加硫接着させて前記表面ゴム層と一体化された支持体層を形成し、さらに表面ゴム層の表面を研磨して、表面ゴム層/綿布(上層基布)/圧縮性層/綿布(下層基布)/綿布(下層基布)の5層構造を有する印刷ブランケットを製造した。
加硫条件は圧力19.6kPa、温度150℃、加硫時間30分間とした。
また各層の厚みは、表面ゴム層が0.3mm、圧縮性層が0.4mm、下層基布としての2枚の綿布がいずれも0.4mm、上層基布としての1枚の綿布が0.3mm、前記下層基布としての2枚の綿布間のプライマーゴム糊の層、および前記2枚のうち最上層の綿布と圧縮性層との間のプライマーゴム糊の層がそれぞれ0.08mmであり、全体の厚みは1.96mmであった。
〈実施例2〜7〉
塩素化ポリエチレンの含有割合を、EPDM100質量部あたり10質量部(実施例2)、20質量部(実施例3)、30質量部(実施例4)、40質量部(実施例5)、60質量部(実施例6)、および100質量部(実施例7)とし、前記塩素化ポリエチレンの増量に合わせてトルエンの量を固形分の総量の2倍量となるように増加させたこと以外は実施例1と同様にして表面ゴム層用ゴム糊を調製し、前記表面ゴム層用ゴム糊を用いたこと以外は実施例1と同様にして5層構造を有する印刷ブランケットを製造した。
各層の厚みは、いずれも実施例1と同じであった。
〈比較例1〉
塩素化ポリエチレンを含有させず、それに合わせてトルエンの量を固形分の総量の2倍量となるように減少させたこと以外は実施例1と同様にして表面ゴム層用ゴム糊を調製し、前記表面ゴム層用ゴム糊を用いたこと以外は実施例1と同様にして5層構造を有する印刷ブランケットを製造した。
各層の厚みは、いずれも実施例1と同じであった。
〈比較例2〉
塩素化ポリエチレンの含有割合を、EPDM100質量部あたり120質量部とし、前記塩素化ポリエチレンの増量に合わせてトルエンの量を固形分の総量の2倍量となるように増加させたこと以外は実施例1と同様にして表面ゴム層用ゴム糊を調製し、前記表面ゴム層用ゴム糊を用いたこと以外は実施例1と同様にして5層構造を有する印刷ブランケットを製造した。
各層の厚みは、いずれも実施例1と同じであった。
〈逆転写率の測定〉
4色オフセット枚葉印刷機〔(株)小森コーポレーション製のリスロン(登録商標)40〕の4色の印刷ユニットに、それぞれ前記各実施例、比較例のいずれかで製造した同じ印刷ブランケットを組み込んだ。版としてはPS版〔DIC(株)製のUP−5〕を組み込んだ。また2色目と3色目の印刷ユニットの間、および4色目の印刷ユニットの後にそれぞれ1つずつUVランプを設置した。
次いで各印刷ユニットに1色目:墨、2色目:藍、3色目:紅、4色目:黄の各色のUVインキ〔いずれもDIC(株)製のダイキュア アビリオ(登録商標)〕を供給して、印刷速度10000枚/時の条件で、コート紙〔大王製紙(株)製のユトリロ(登録商標)コート110kg〕の表面に連続印刷をした。
逆転写の評価は、目立ちやすい紅(3色目、前刷り)のインキと黄(4色目、後刷り)のインキについて行った。すなわち紅のパターン中にベタ画線部を設けるとともに、黄のパターン中には前記紅のベタ画線部に対応する位置に非画線部を設けて1000枚の連続印刷をした後、1000枚目の印刷における紅のベタ画線部の濃度Drおよび黄のベタ画線部の濃度Dyを測定して、式(1)
逆転写率(%)=Dy/Dr×100 (1)
により、黄の印刷ブランケットへの紅の前刷りインキの逆転写率(%)を求めた。
前記黄の印刷ブランケットの表面の、黄のパターンの非画線部に対応する領域には、印刷を行うごとに紅のベタ画線部から紅の前刷りインキが逆転写され、その逆転写された紅の前刷りインキが印刷を繰り返すことで徐々に黄の後刷りインキ中に蓄積される結果、1000枚の連続印刷後の黄の後刷りインキは色調が変化し、黄のベタ画線部の濃度Dyは、印刷初期の濃度(Dy=1.40)よりも上昇していると考えられるため、前記式(1)によって逆転写率を求めることとした。
前記逆転写率が小さいほど、逆転写が少なく良好であると判断できる。ここでは、逆転写率が10%以下であるものを良好、10%を超えるものを不良として評価した。
〈UVインキに対する膨潤率測定〉
実施例、比較例で製造した印刷ブランケットをスライスして表面ゴム層(前記のように厚み0.3mm)を取り出した。
次いで前記表面ゴム層を、液温23±1℃に保持したUVインキの主成分であるアクリルモノマーに浸漬して24時間静置したのち引き上げて体積を測定し、浸漬前の体積に対する変化率ΔV%を、前記表面ゴム層の膨潤率として求めた。
前記膨潤率が小さいほど、表面ゴム層はアクリルモノマーに対して過剰に膨潤せず、常に良好な印刷品質を維持することができる。具体的には膨潤率が20%以下であるものを良好、20%を越えるものを不良として評価した。
以上の結果を表4に示す。
Figure 2011173377
表4の実施例1〜7と比較例1の結果より、EPDMからなる表面ゴム層に塩素化ポリエチレンを含有させない場合、すなわち塩素化ポリエチレンの含有割合がEPDM100質量部あたり5質量部未満では、紅の前刷りインキの、黄の印刷ブランケットへの逆転写と、それに伴う黄の後刷りインキの色調の変化とを抑制できないことが判った。
また実施例1〜7と比較例2の結果より、塩素化ポリエチレンの含有割合がEPDM100質量部あたり100質量部を超える場合には、アクリルモノマーによって表面ゴム層が過剰に膨潤してしまうことが判った。
これに対し実施例1〜7の結果より、EPDMからなる表面ゴム層に塩素化ポリエチレンを含有させるとともに、その含有割合をEPDM100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下とすることで、アクリルモノマーによって表面ゴム層が過剰に膨潤してしまうのを抑制しながら、なおかつ紅の前刷りインキの黄の印刷ブランケットへの逆転写と、それに伴う黄の後刷りインキの色調の変化とを抑制できることが判った。
また前記各実施例の結果より、表面ゴム層の膨潤をより一層有効に抑制することを考慮すると、EPDM100質量部あたりの塩素化ポリエチレンの含有割合は、前記範囲内でも50質量部以下であるのが好ましいことが判った。

Claims (1)

  1. 少なくとも表面ゴム層を備え、前記表面ゴム層は、エチレンプロピレンジエンゴムと、前記エチレンプロピレンジエンゴム100質量部あたり5質量部以上、100質量部以下の塩素化ポリエチレンとを含むことを特徴とする印刷ブランケット。
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