JP2011173150A - 鋼材加工方法 - Google Patents

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光隆 内田
Atsushi Noda
篤志 野田
Takafumi Hayashi
貴文 林
Shun Uezono
俊 上薗
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Abstract

【課題】鋼材加工全体に要する時間をより短縮可能なように改善する。
【解決手段】鋼材よりなるワークをオーステナイト領域の温度まで加熱する加熱工程と、加熱された状態のワークWを金型外でマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度まで強制冷却する一次冷却工程と、一次冷却工程から受け取ったワークWを金型11,12内で加圧成形し、金型12による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで冷却する二次冷却・成形工程と、を備えている鋼材加工方法とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、ワークをホットスタンプが可能な温度まで加熱する加熱工程と、加熱された状態のワークを金型内で加圧成形する成形工程と、成形されたワークを冷却する冷却工程とを備えた鋼材加工方法に関する。
この種の鋼材加工方法に関連する先行技術文献情報として下記に示す特許文献1がある。この特許文献1には、鋼板を850℃以上に加熱後、10℃/秒以上の冷却速度で冷却しながら、プレス成形開始温度を600℃以上とし、プレス成形終了温度をマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以上としてプレス成形し、その後300℃以下まで10℃/秒以上の冷却速度で冷却する方法が記載されている。この方法で、マルテンサイト変態に基づく焼入れ効果によって高強度の鋼板が得られるとしている。
特開2007−275937号公報(0031段落)
しかし、特許文献1に記された鋼材加工方法では、プレス成形開始までの冷却を、ワークを金型内での抜熱によって行うために、プレス成形開始までの冷却に時間を要し、鋼材加工全体に要する時間も十分に短縮化できないままであった。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術による鋼材加工方法が与える課題に鑑み、鋼材加工全体に要する時間をより短縮可能な鋼材加工方法を提供することにある。
本発明による鋼材加工方法の第1の特徴構成は、
鋼材よりなるワークをオーステナイト領域の温度まで加熱する加熱工程と、
加熱された状態のワークを金型外でマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度まで強制冷却する一次冷却工程と、
前記一次冷却工程から受け取ったワークを金型内で加圧成形し、前記金型による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで冷却する二次冷却・成形工程と、を備えている点にある。
本発明の第1の特徴構成による鋼材加工方法では、加熱工程でオーステナイト領域の温度まで加熱された状態のワークを、一次冷却工程では、金型外でマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度まで水のミスト噴霧などで強制冷却できる。よって、一次冷却工程を金型内での抜熱によって行う従来の方法に比して、短時間で次の二次冷却・成形工程を開始でき、鋼材加工全体に要する時間を効果的に短縮することが可能となる。
本発明の他の特徴構成は、前記一次冷却工程は、所定の冷却速度を備えた前期工程と、前期工程よりも冷却速度の小さな後期工程とを含む点にある。
消費エネルギー削減の観点から、一次冷却工程以降はワークの再加熱は行わない。そのため、一貫して同じ冷却速度で冷却する方法では、急冷によるオーバーシュートを避けるために、冷却速度を控えめに設定する必要があり、結果的に一次冷却工程の短縮化が困難になる。しかし、本構成であれば、急速に冷却する前期工程の後に、比較的緩慢でワーク温度を制御し易い後期工程が設けられているので、前期工程での急冷によるオーバーシュートの虞が抑制され、結果的に前期工程での冷却速度を大きく設定して一次冷却工程を短縮化できる。
本発明の他の特徴構成は、前記一次冷却工程ではワークに水を間欠的に噴霧する間欠噴霧法を用いる点にある。
本構成であれば、間欠噴霧で交互に実施される噴霧工程とインターバル工程とのうち、インターバル工程でワークの内部の熱が一旦冷えた表面側に移行し、移行した熱を次の噴霧工程で効果的に奪うため、噴霧工程のみによる冷却法よりも効果的に冷却できる。また、ワークの内部の熱の表面側への移行によってワークの内外の温度が均一化した後でのワークの真の温度を制御し易くなり、ワークの温度制御を精度良く行うことができる。
本発明の他の特徴構成は、前記二次冷却・成形工程は、互いに異なる金型によって順次実施される複数の成形工程を含み、上流側の成形工程で用いられる金型ほど高温に保持されている点にある。
二次冷却・成形工程が複数段の成形工程を含む場合、工程の上流側に設けられた成形工程の金型ほどワークとの密着度合いがワーク毎に異なる傾向が生じる。このため、成形に伴ってワークが受ける温度低下の幅が大きければ、最終的に得られる製品の品質にバラツキが生じる虞がある。しかし、本構成であれば、上流側の成形工程の金型ほど高温に保持されているので、成形に伴ってワークが受ける温度低下の幅が小さく抑えられ、最終的に得られる製品の品質にバラツキが生じ難い。
本発明の他の特徴構成は、一つの成形工程によってワークが受ける温度低下が50℃以内となるように、前記金型の温度または前記金型内での保持時間を制御する点にある。
本構成であれば、二次冷却・成形工程を複数段で構成した場合も、最終段の金型による成形時のワークの温度がマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以下となる虞が抑制される。このため、マルテンサイト組織の生成前にワークの加工を終了することができ、不必要な内部応力の発生を抑えた金属組織を得ることができる。
本発明の他の特徴構成は、次工程に向けて搬送中にワークが受ける温度低下が50℃以内となるように、前記搬送に要する時間を制御する点にある。
本構成であれば、搬送中でのワークの温度低下が小さく、最終段の金型による成形時のワークの温度がマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以下となる虞が抑制される。このため、マルテンサイト組織の生成前にワークの加工を終了することができ、不必要な内部応力の発生を抑えた金属組織を得ることができる。
本発明の他の特徴構成は、前記加熱工程より前に前記ワークの表面に防錆処理を施す工程を有する点にある。
本構成であれば、後述する加熱工程や加熱後の搬送工程などでワークの表面に酸化によるスケールが形成される虞が少なくなる。よって、金型による成形後にショットブラストなどでスケールを除去するといった余分な工程が不要となる。
本発明による鋼材加工方法を設備と共に示す工程図である。 図1の工程に伴ってワークが受ける温度変化の例を示すグラフである。 本発明の別実施形態による鋼材加工方法を設備と共に示す工程図である。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
本発明による鋼材加工方法は、ホットスタンプまたはダイクエンチなどと呼ばれる成形、焼き入れ加工が可能な全ての鋼材に適用可能である。特に有効な鋼材としては炭素量が約0.2%の鋼板などが挙げられる。
本発明による鋼材加工方法を実施するために用いる設備として、鋼材からなるワークを短時間でオーステナイト領域の温度まで急速加熱するための加熱装置、加熱されたワークをマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い所定温度まで急冷するための一次冷却装置、一次冷却工程から受け取ったワークを加圧成形するためのプレス装置、プレス装置で拘束された状態のワークをマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで急冷するための二次冷却装置、処理装置から次の処理装置までワークを搬送するための搬送装置、各加熱工程や冷却工程における温度管理や時間長さを制御する制御装置が挙げられる。
以下、上記の各設備を備えたライン構成の例を示す図1に沿って、本発明による鋼材加工方法について、同方法を構成する工程ごとに説明する。
(ワーク供給)
図1に示すように、打ち抜き加工されたコイル材などの鋼材からなるワークW(メッキなし)を搬送装置のチャック部1で挟持する(図2のA点を参照)。
尚、後述する加熱工程以降では、ワークWの酸化を抑制するために、窒素などの不活性ガスをワークWに吹き付けながら搬送してもよい。また、搬送中のワークWの搬送装置への熱移動による不都合な温度低下を抑制するために、チャック部1を熱伝導率の低い材質(特に多孔質で且つ高耐火度のセラミックなど)で構成することができる。
(防錆剤塗布)
図2のA−B間において、図1に示すように、ワークWの表面に、防錆処理として、酸化防止剤のスラリーをスプレー装置2またはローラによって塗布する。本発明の大きな特徴は、一旦加熱されたワークWを冷却工程において、ワークWを金型外において、すなわち一般に金型内に収納された状態よりもワークWの表面が酸化され易い状態で急冷する点にある。よって、メッキ加工されていないワークWの表面を事前に防錆処理する工程は重要な構成である。防錆処理が施されているために、後述する加熱工程や加熱後の搬送工程などでワークWの表面に酸化によるスケールが形成される虞が少なくなり、最終の金型による成形後にショットブラストなどでスケールを除去する余分な工程が不要となる。
(防錆剤乾燥)
引き続き、ワークWの表面に塗布された酸化防止剤のスラリーを塗布後から10秒以内で乾燥させる。乾燥は温風発生装置3などによる温風の吹き付けなどによって実施する。プロセス全体に要する時間を短縮するために、酸化防止剤は塗布後から短時間で乾燥可能なものが適用されるが、特に乾燥工程によって全体の工程時間が増えないように、防錆剤乾燥は加熱装置4までワークWを搬送する最中に実施する。したがって、温風発生装置3はワークWと共に搬送装置によって移動自在に設けられている。
(加熱)
図2のB−Cで示すように、ワークをホットスタンプ可能なオーステナイト領域(オーステナイト変態完了温度AC3より高い温度領域)の加熱ピーク温度T1まで短時間(10秒以内)で加熱する。加熱装置4として通電加熱装置または高周波加熱装置などの高速で所定温度まで加熱可能な装置を用いることで、加工全体に要する時間を短縮化でき、短時間で加熱することで加熱中の酸化も抑制できる。加熱装置4による加熱は、所定の昇温曲線に従って実行されるように、赤外線温度計7や放射線温度計によって検出したワークWの表面温度の測定結果に基づいて、加熱装置の電流値、電圧値、加熱時間を制御装置8によるフィードバック制御によって行う。尚、加熱時間を変更するとサイクルタイムに変化が生じて生産性に影響が出る虞があるため、電流値または電圧値の変更による制御がより望ましい。
加熱時の酸化を抑制させるためにガス噴射装置6によって窒素などの不活性ガスをワークWに吹き付けながら加熱してもよい。酸化抑制のための不活性ガス吹き付けは、この加熱工程に限らず、加熱されたワークWを搬送装置によって次工程までする搬送中にも実施してよい。
加熱装置4による加熱は、ワークWがチャック部1から解放された状態で行っても良いが、チャック部1で挟持したまま実施してもよい。
(搬送・一次冷却)
図2のC−D−Eで示すように、搬送装置によって加熱装置4から次工程の第1金型11まで搬送中のワークWを、搬送・一次冷却工程として、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度まで冷却する。一次冷却は、例えばスプレーノズル8によってミスト状の水を、未だ金型内に収納されることなく、チャック部1で挟持した状態で搬送中のワークWの表面に噴霧する強制冷却とする。したがって、スプレーノズル8もワークWと共に搬送装置によって移動自在に設けられている。
ミスト状の水による冷却は冷却速度が速いので、ワークWの表面と内部との間に温度差が生じ易い。そこで、この強制冷却は、水を所定秒数に亘って吹き付けるスプレー工程と、一定の秒数に亘って吹き付けを中断するインターバル工程とを交互に繰り返す間欠噴射法で実施する。インターバル工程によって、ワークWの内部の熱が一旦冷えた表面側に移行するため、より効果的に冷却できる。また、ワークWの内部の熱の表面側への移行によってワークWの内外の温度が均一化した後でのワークWの真の温度を制御し易くなる。
ところで、ワークWの表面に噴霧されたミスト状の水はワークWから奪った熱によって高温化した状態でワークWの表面から立ち上る。搬送装置には、このように高温化した水を回収するミストコレクターが設置されている。したがって、このように高温化した水がスプレーノズル8によって噴霧されるミスト状の水に交じり合う虞が抑制され、搬送・一次冷却工程による冷却効果が安定化する。
尚、後続する二次冷却・成形工程における成形はワークWのマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度領域で実施する必要がある。また、エネルギーコスト削減の観点から、前述した加熱工程以降はワークWの再加熱は原則的に行わない。よって、一次冷却によってワークWが達する一次冷却到達温度T2は、後続する二次冷却・成形工程における温度低下を勘案して設定する必要がある。したがって、一次冷却到達温度T2はマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高いが、一般に、二次冷却・成形工程で実施される工程段数(成形を何段に分割して行うか)によっても異なる。特に、一次冷却到達温度T2はワークWの酸化が促進され易い700℃以上の温度領域を素早く通り過ぎるように迅速に行うことが望ましい。種々の方策によってワークWの酸化が抑制されるように配慮することで、加工後の鋼材から酸化層を除去する工程が不要となるため、結果的にコスト削減効果が得られる。
また、ワークWが冷却されると、素材の伸び特性が低下して、次の成形工程でワークWに破断が生じ易くなる傾向がある。このため、そのような破断を抑制するために、ワークWの全体を均等に冷却するのではなく、成形工程で比較的変形を強いられない箇所を中心とする部分冷却を行ってもよい。
尚、一次冷却工程は、所定の冷却速度を備えた前期工程(図2のC−D)と、前期工程よりも冷却速度の小さな後期工程(図2のD−E)とするなど、複数の冷却工程に分割し、後段の冷却工程ほど冷却速度を遅くして実施すれば、ワークWの温度が予定の温度以下までオーバーシュートする虞が抑制される。その結果、前段の冷却工程での冷却速度を大きめに設定できるので、一次冷却工程に要する時間を短縮化できる。
(搬送)
図2のD−Eで示すように、一次冷却を終えたワークWを次工程のために待機中の金型に向けて搬送装置によって送り出す。尚、一次冷却を、加熱工程を終えたワークWを待機中の金型に向けて送り出すための搬送を実施しながら行えば、サイクルタイムすなわち一段の二次冷却・成形工程に要する時間をさらに短縮できる。
(二次冷却・成形工程)
図2のE−Hで示す期間では、一次冷却工程から受け取ったワークWを、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度領域において、2つの金型11,12内で次々に加圧成形し、そのまま2つ目の第2金型12による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで急速に冷却することで、ワークWの内部に焼入れ組織(マルテンサイト組織)を得る。
ワークWの温度がマルテンサイト変態開始温度(Ms点)まで下がる以前に最終形状まで加工が完了している必要があるので、前述したように、最終の第2金型12による最終段の成形工程も、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度領域で実施する必要がある。
また、第2金型12による最終段の成形工程では、ワークWはサーボプレスのスライダを下死点まで押し下げる成形(図2のG点付近)の後、引き続きスライダと第2金型12によるワークWの拘束を継続し、最終の二次冷却・成形工程でワークWがマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下(図2のH点)まで冷却されるように温度管理を行う。
第2金型12による最終の二次冷却・成形工程では、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)からマルテンサイト変態終了温度(Mf点)までの急速な冷却過程で、ワークWの内部に焼入れ組織(マルテンサイト組織)を形成する必要がある。したがって、このMs点からMf点までの冷却期間中は、第2金型12からワークWに対して8MPa以上の加圧が保持されるようにする。また、金型11,12によってワークWを拘束中における金型11,12との密着性を高めることで、ワークWの冷却速度を速めるために、金型11,12の内面は研磨や磨きによって平滑度を高めておく必要がある。
金型11,12内で拘束されたワークWの冷却速度を管理するために、金型11,12の内部には熱電対14が設置され、金型11,12の内部に形成された温調用水路(不図示)に温調用の水を循環させる循環水路15が設置されており、熱電対14による温度検出結果に基づいて、循環水路15に供給する水の温度や循環速度を制御する金型温調装置16が設けられている。循環水路15の異常などで金型11,12の温度が設定値を超えると完成したワークWに硬度不良が生じる虞があるので、ブザーや警告灯などで構成された異常警報器17から警報が発される構成となっている。
特に、最終の第2金型12で拘束されたワークWの内部でマルテンサイト変態が円滑に進むためには、ワークWの冷却速度を、例として30〜100℃に保持する必要があり、そのためには、循環水路15に10〜30℃に温度管理された水を循環させることで、第2金型12の温度は常に常温〜100℃の範囲に保持する必要がある。
他方、金型11など、最終段以外で用いる金型については、最終の第2金型12による成形時のワークWの温度がマルテンサイト変態開始温度(Ms点)以下とならないように、1段の二次冷却・成形工程当たりの温度低下が50℃以内に抑えることが望ましい。そのためには、循環水路15に75〜95℃などに温度管理された温水または加温したオイルを循環させ、ワークWと金型11,12の接触時間を0.5秒以下に抑え、さらに、ワークWに対して8MPa以下の加圧を保持することで、ワークWの冷却速度を小さくし、ワーク温度低下を50℃以内に抑えている。
金型11,12による加圧成形のための加圧装置としては、ワークWと金型11,12の接触時間を短縮化できるようにために、また、ワークWの金型11,12へのセッティングや処理済みワークWの金型11,12からの離脱を迅速に実施可能なように、スライドモーションを自在に設定可能なサーボプレス(不図示)を用いるべきである。
最終段の成形と最終以外の段の成形とではスライドモーションが異なるので、別々のサーボプレスを用いるべきである。また、図2のD−Eで示すように、第1金型11から取り出したワークWを第2金型12など次段の金型まで搬送する際にも前述した搬送装置を用いるが、搬送中にワークWが自然に受ける空冷による冷却速度は10℃/秒以下なので、搬送によるワークWの温度低下を50℃以下に抑えるために、搬送時間は5秒以内で実施する。
マルテンサイト変態終了温度(Mf点)を下回る温度まで冷却されたワークWは、第2金型12から取り出され、搬送装置によって順次箱詰めされる。
尚、ここでは、二次冷却・成形工程は、互いに異なる2つの金型11,12によって順次実施される2つの二次冷却・成形工程からなる例を説明するが、加工形状などに応じて、3つ以上の二次冷却・成形工程で構成しても、また、図3に例示するように単一の二次冷却・成形工程で構成してもよい。
〔別実施形態〕
図3には、二次冷却・成形工程が第1金型11のみによって実施される設備の構成例が示されている。
図3による構成でも、基本的に図1と同様の手順で進められるが、相違点は、第1金型11によって最初で最後となる一段の成形工程が実施されることである。
ワークWの温度がマルテンサイト変態開始温度(Ms点)まで下がる以前に最終形状まで加工が完了している必要があるので、第1金型11による成形工程も、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度領域で実施される。
すなわち、一次冷却工程から受け取ったワークWを、第1金型11による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで急速に冷却することで、ワークWの内部に焼入れ組織(マルテンサイト組織)を得る。このMs点からMf点までの冷却期間中は、金型11からワークWに対して8MPa以上の加圧が保持されるようにする。
そして、第1金型11による成形工程では、ワークWはサーボプレスのスライダを下死点まで押し下げる成形の後、引き続きスライダと金型11によるワークWの拘束を継続し、ワークWがマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで冷却されるように温度管理を行う。
特に、第1金型11で拘束されたワークWの内部でマルテンサイト変態が円滑に進むためには、ワークWの冷却速度を、例として30〜100℃に保持する必要があり、そのためには、循環水路15に10〜30℃に温度管理された水を循環させることで、第1金型11の温度は常に常温〜100℃の範囲に保持される。
鋼材よりなるワークをオーステナイト領域の温度まで加熱する加熱工程と、加熱された状態のワークを金型内で加圧成形し、金型による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで冷却する二次冷却・成形工程とを備えている鋼材加工方法を、鋼材加工全体に要する時間をより短縮可能なように改善する方法として利用できる。
C3 オーステナイト変態完了温度
Ms マルテンサイト変態開始温度
Mf マルテンサイト変態終了温度
T1 加熱ピーク温度
T2 一次冷却到達温度
W ワーク(鋼材)
1 チャック部(搬送装置)
4 加熱装置(加熱工程)
8 スプレーノズル(一次冷却工程)
11 第1金型(二次冷却・成形工程)
12 第2金型(二次冷却・成形工程)
15 循環水路(二次冷却・成形工程)

Claims (7)

  1. 鋼材よりなるワークをオーステナイト領域の温度まで加熱する加熱工程と、
    加熱された状態のワークを金型外でマルテンサイト変態開始温度(Ms点)よりも高い温度まで強制冷却する一次冷却工程と、
    前記一次冷却工程から受け取ったワークを金型内で加圧成形し、前記金型による加圧下でマルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下まで冷却する二次冷却・成形工程と、を備えている鋼材加工方法。
  2. 前記一次冷却工程は、所定の冷却速度を備えた前期工程と、前期工程よりも冷却速度の小さな後期工程とを含む請求項1に記載の鋼材加工方法。
  3. 前記一次冷却工程ではワークに水を間欠的に噴霧する間欠噴霧法を用いる請求項1または2に記載の鋼材加工方法。
  4. 前記二次冷却・成形工程は、互いに異なる金型によって順次実施される複数の成形工程を含み、上流側の成形工程で用いられる金型ほど高温に保持されている請求項1から3のいずれか一項に記載の鋼材加工方法。
  5. 一つの成形工程によってワークが受ける温度低下が50℃以内となるように、前記金型の温度または前記金型内での保持時間を制御する請求項4に記載の鋼材加工方法。
  6. 次工程に向けて搬送中にワークが受ける温度低下が50℃以内となるように、前記搬送に要する時間を制御する請求項1から5のいずれか一項に記載の鋼材加工方法。
  7. 前記加熱工程より前に前記ワークの表面に防錆処理を施す工程を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の鋼材加工方法。
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