以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1には、第1実施形態に係る光記録媒体10と、この光記録媒体10の記録再生に用いられる光ピックアップ90の構成が示されている。光ピックアップ90は、第1光学系100と第2光学系200を備える。第1光学系100は、第1光記録媒体10の記録再生層群14に対して記録・再生を行う光学系となる。第2光学系200は、第1光学系100を利用して記録再生層群14に情報を記録する時に、後述するサーボ層18を利用してトラッキング制御を行う光学系となる。
第1光学系100の光源101から出射された比較的短い青色波長380〜450nm(ここでは405nm)となる発散性のビーム170は、球面収差補正手段193を備えたコリメートレンズ153を透過し、第2光学系200の波長選択フィルタ260を透過して偏光ビームスプリッタ152に入射する。偏光ビームスプリッタ152に入射したビーム170は、偏光ビームスプリッタ152を透過して、更に4分の1波長板154の透過によって円偏光に変換された後、対物レンズ156で収束ビームに変換される。このビーム170は、光記録媒体10の内部に形成された複数の記録再生層群14のいずれか記録再生層の上に集光される。
対物レンズ156の開口はアパーチャ155で制限され、開口数NAを0.70〜0.90(ここでは0.85)としている。例えば記録再生層群14で反射されたビーム170は、対物レンズ156、4分の1波長板154を透過して往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ152で反射される。なお、この偏光ビームスプリッタ152は波長選択特性を有しており、第1光学系100の光源101からのビーム170は反射可能であるが、後述する第2光学系200の比較的長い赤色波長のビーム270は常に透過するようになっている。
偏光ビームスプリッタ152で反射されたビーム170は、集光レンズ159を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ157を経て、光検出器132に入射する。ビーム170には、シリンドリカルレンズ157を透過する際、非点収差が付与される。
光検出器132は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(以下FEとする)信号、再生時に限定されるプッシュプル法によるトラッキング誤差(以下TEとする)信号、光記録媒体10に記録された情報の再生信号等が生成される。FE信号およびTE信号は、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されて、フォーカス制御およびトラッキング制御がなされる。なお、第1光学系100によるトラッキング制御は再生時のみ利用される。
第2光学系200の光源201から出射された波長630〜680nm(ここでは650nm)となる発散性のビーム270は、球面収差補正手段293を備えたコリメートレンズ253を透過し、偏光ビームスプリッタ252に入射する。偏光ビームスプリッタ252に入射したビーム270は、偏光ビームスプリッタ252を透過して、更に第2光学系用の4分の1波長板254を透過して円偏光に変換された後、波長選択フィルタ260で反射されて、第1光学系100と共有される偏光ビームスプリッタ152を透過する。このビーム270は更に対物レンズ156で収束ビームに変換されて、第1光記録媒体10の内部に形成されたサーボ層18に集光される。サーボ層18で反射されたビーム270は、対物レンズ156、及び偏光ビームスプリッタ152を透過して第2光学系200の波長選択フィルタ260で反射し、4分の1波長板254において往路とは90度異なる直線偏光に変換された後、偏光ビームスプリッタ252で反射される。偏光ビームスプリッタ252で反射されたビーム270は、集光レンズ259を透過して収束光に変換され、シリンドリカルレンズ257を経て、光検出器232に入射する。ビーム270には、シリンドリカルレンズ257を透過する際、非点収差が付与される。
光検出器232は、図示しない4つの受光部を有し、それぞれ受光した光量に応じた電流信号を出力する。これら電流信号から、非点収差法によるフォーカス誤差(FE)信号、プッシュプル法によるトラッキング誤差(TE)信号が生成される。なお、サーボ層18にも情報が記録されている場合は再生信号も生成される。
第1光学系100による記録再生層群14への情報の記録時は、第2光学系200のTE信号について、所望のレベルに増幅および位相補償が行われた後、アクチュエータ191および192にフィードバック供給されてトラッキング制御がなされる。この結果、第2光学系200のトラッキング制御に基づいて、第1光学系100が記録再生層群14に情報を記録するようになっている。なお、本実施形態では、記録再生層群14に記録済みの情報を再生する際は、記録再生層群14上の記録マークを利用して第1光学系100が独自にトラッキング制御するようにしている。一方、この第2光学系200のトラッキング制御を利用しながら再生することも勿論可能である。
図2には、本実施形態の光記録媒体10の断面構造が拡大して示されている。
この光記録媒体10は、外径が約120mm、厚みが約1.2mmの円盤形状となっている。この光記録媒体10は、光入射面10A側から、カバー層11、記録再生層群14及び中間層群16、スペーサ層17、サーボ層18、支持基板12を備えて構成される。
記録再生層群14は、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fを備えて構成されており、それぞれに情報を記録できる構造となっている。この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造となっており、第1光学系100から高エネルギーとなる記録用のビーム170が照射されると、記録マークが形成される。なお、この記録再生層群14の種類として、情報の追記が出来るが書き換えが出来ない追記型記録再生層と、情報の書換が可能な書換型記録再生層がある。
支持基板12は、光記録媒体に求められる厚み(約1.2mm)を確保するための、厚さ1.0mmで直径120mmとなる円盤形状の基板であり、この支持基板12の光入射面10A側の面にサーボ層18が形成される。具体的には、支持基板12における光入射面10A側に、その中心部近傍から外縁部に向けてグルーブおよびランドが螺旋状に形成される。このグルーブおよびランドが、トラッキング制御用の凹凸(溝)となり、第2光学系200のビーム270がガイドされるようになっている。
なお、支持基板12の材料としては種々の材料を用いることが可能であり、例えば、ガラス、セラミックス、樹脂を利用できる。これらのうち成型の容易性の観点から樹脂が好ましい。樹脂としてはポリカーボネイト樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、加工性などの点からポリカーボネイト樹脂やオレフィン樹脂が特に好ましい。なお、支持基板12は、ビーム270の光路とならないことから、高い光透過性を有している必要はない。
支持基板12の上に形成されるサーボ層18は、支持基板12の表面にトラッキング制御用の凹凸(グルーブおよびランド)と反射性の層を形成することによって構成される。このサーボ層18は、Ag等の金属層を形成して光反射膜として機能させれば良い。また、必要に応じて記録が可能な反射性の記録層を設けても良い。
サーボ層18におけるトラッキング制御用の凹凸のトラックピッチPは、ここでは、記録再生層14A〜14Fに記録予定とされる記録マークのトラックピッチの2倍に設定される。具体的に、記録再生層14A〜14Fに記録予定とされるトラックピッチは、BD規格との互換性のために0.32μm前後としていることから、サーボ層18のグルーブ/ランドのトラックピッチPは0.64μm前後に設定される。0.64μm前後のトラックピッチPであれば、比較的長い赤色波長領域のビーム270であっても十分なトラッキングが可能である。特に本実施形態では、グルーブとランドの双方を利用してトラッキング制御を行うようにしているので、結果として、凹凸のピッチは0.64μm前後となるが、記録再生層14A〜14Fに記録される記録マークのトラックピッチは、その半分の0.32μm前後とすることができる。従って、サーボ層18のトラックピッチを小さくしなくても、記録再生層群14の記録マークのトラックピッチを2倍にできるので、記録容量を増大させることができる。
スペーサ層17は、光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、ここでは90μmの膜厚に設定されている。
スペーサ層17の光入射面10A側には記録再生層群14が積層される。この記録再生層群14は、光入射面10A側から順番に、第1〜第6記録再生層14A〜14Fを備えている。第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、それぞれ、追記型記録膜の両外側に誘電体膜を積層した3層構造となっている(図示省略)。なお、この第1〜第6記録再生層14A〜14Fは、第1光学系100における青色波長領域(短い波長)のビーム170に対して光反射率・吸収率・透過率等が最適化されており、一方で、第2光学系200の赤色波長領域(長い波長)のビーム270は充分透過するようになっている。
各記録再生層の誘電体膜は、追記型記録膜を保護するという基本機能に加えて、記録マークの形成前後における光学特性の差を拡大させる役割も果たす。
なお、ビーム170を照射した場合に、誘電体膜に吸収されるエネルギーが大きいと記録感度が低下しやすい。従って、これを防止するためには、これらの誘電体膜の材料として、380nm〜450nm(特に405nm)の波長領域において低い吸収係数(k)を有する材料を選択することが好ましい。なお、本実施の形態においては、誘電体膜の材料としてTiO2を用いている。
誘電体膜に挟まれる追記型記録膜は不可逆的な記録マークが形成される膜であり、記録マークが形成された部分とそれ以外の部分(ブランク領域)は、ビーム170に対する反射率が大きく異なる。この結果、データの記録・再生を行うことができる。なお、この追記型記録膜についても、トラッキング用の第2光学系200のビーム270の赤色波長領域おいては高い透過性を有する。
追記型記録膜は、Bi及びOを含む材料を主成分として形成される。この追記型記録膜は、無機反応膜として機能し、レーザー光の熱による化学的又は物理的な変化で反射率が大きく異なるようになっている。具体的な材料としては、Bi−Oを主成分とするか、又は、Bi−M−O(ただしMは、Mg、Ca、Y、Dy、Ce、Tb、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Mo、W、Mn、Fe、Zn、Al、In、Si、Ge、Sn、Sb、Li、Na、K、Sr、Ba、Sc、La、Nd、Sm、Gd、Ho、Cr、Co、Ni、Cu、Ga、Pbの中から選択される少なくとも1種の元素)を主成分とすることが好ましい。なお、本実施形態では、追記型記録膜の材料として、Bi−Ge−Oを用いている。
なお、ここでは第1〜第6記録再生層14A〜14Fにおいて追記型記録膜を採用する場合を示したが、繰り返し記録が可能な相変化記録膜を採用することも可能である。この場合の相変化記録膜は、SbTeGeとすることが好ましい。
中間層群16は、光入射面10Aから近い側から順番に第1〜第5中間層16A〜16Eを有しており、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの間に積層される。各中間層16A〜16Eは、アクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂によって構成される。この中間層16A〜16Eの膜厚は、10μm以上となる第1距離T1と、この第1距離よりも3μm以上大きい第2距離T2が交互に設定されている。具体的に第1距離T1と第2距離T2は、3μm〜5μmの差を有していることが好ましく、更に好ましくは、4μm以上の差を有するようにする。
本光記録媒体10では、第1距離T1として12μm、第2距離T2として16μmを採用しており、第5中間層16Aが16μm、第4中間層16Bが12μm、第3中間層16Cが16μm、第2中間層16Dが12μm、第1中間層16Eが16μmとなっている。つまり、2種類の膜厚(16μm、12μm)の中間層が交互に積層されている。詳細は後述するが、このようにすると層間クロストーク及び共焦点クロストークの双方を低減させることができる。
カバー層11は、中間層群16と同様に光透過性のアクリル系の紫外線硬化型樹脂により構成されており、38μmの膜厚に設定されている。
光記録媒体10は、上記のように構成される結果、サーボ層18は、光入射面10Aから0.2mm(200μm)の距離に位置しており、また、記録再生層群14の中で光入射面10Aから最も遠い第6記録再生層14Fは、光入射面10Aから0.11mm(110μm)の距離に位置しており、第5記録再生層14Eは光入射面10Aから94μm、第4記録再生層14Dは光入射面10Aから82μm、第3記録再生層14Cは光入射面10Aから66μm、第2記録再生層14Bは光入射面10Aから54μm、そして、光入射面10Aに最も近い第1記録再生層14Aは、光入射面10Aから38μmの距離に位置することになる。また、記録再生層群14の全体的な厚み(第1記録再生層14A〜第6記録再生層14F間の距離)は72μmとなる。
次に、この光記録媒体10の製造方法について説明する。まず、金属スタンパを用いることによる、ポリカーボネイト樹脂の射出成型法により、グルーブおよびランドが形成された支持基板12を作製する。なお、支持基板12の作製は射出成型法に限られず、2P法や他の方法によって作製しても構わない。
その後、支持基板12におけるグルーブ及びランドが設けられた側の表面にサーボ層18を形成する。サーボ層18は、、Ag合金を用いたスパッタリングによって光反射性の金属層を形成することで行う。更に、サーボ層18の上にスペーサ層17を形成する。スペーサ層17は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光透過性樹脂からなる光透過性シートを接着剤や粘着剤等を用いてサーボ層18の上に貼り付けることで形成することもできる。
次に、第6記録再生層14Fを形成する。具体的には、誘電体膜、追記型記録膜、誘電体膜の順に気相成長法を用いて形成する。中でもスパッタリング法を用いることが好ましい。その後、第6記録再生層14Fの上に第5中間層16Eを形成する。第5中間層16Eは、例えば、粘度調整された紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、その後、この紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射して硬化することにより形成する。この手順を繰り返すことで、第5記録再生層14E、第4中間層16D、第4記録再生層14D、第3中間層16C・・・と順番に積層していく。
第1記録再生層14Aまで完成したら、その上にカバー層11を形成してこの光記録媒体10が完成する。なおカバー層11は、例えば、粘度調整されたアクリル系またはエポキシ系の紫外線硬化型樹脂をスピンコート法等により皮膜し、これに対して紫外線を照射して硬化することにより形成する。なお、本実施形態では上記製造方法を説明したが、本発明は上記製造方法に特に限定されるものではなく、他の製造技術を採用することもできる。
次に、光ピックアップ90を用いて、光記録媒体10に情報を記録再生する手順について説明する。
この光記録媒体10の第6記録再生層14Fに情報を記録する場合、まず、第2光学系200の赤色波長領域のビーム270をサーボ層18に照射してトラッキング制御を行う。この作業と同時に、第1光学系100の青色波長領域の記録用ビーム170を第6記録再生層14Fに照射する。なお、このサーボ層18には、光記録媒体シリーズに関する基本仕様や、記録再生層群14の積層数に関する情報が、記録ピットやBCA(バーストカッティングエリア)に予め記録されており、トラッキング制御を開始する時に常に読み出すようになっている。本実施形態において、光記録媒体シリーズに関する基本情報としては、サーボ層の位置、第1〜第6記録再生層14A〜14Fの位置、記録再生層群の層間距離に関するルールを含むようになっている。
その後、サーボ層18を利用してトラッキング制御を行いながら、第6記録再生層14Fに情報を記録していく。記録完了後は、今回の追記情報(記録に関するアドレス情報、コンテンツ情報等)をサーボ層18側に記録して完了する。なお、サーボ層18が記録膜を有しない場合は、この追記情報を、光入射面10Aから最も遠い第6記録再生層14Fや、光入射面10Aに最も近い第1記録再生層14Aに記録して完了することが望ましい。
次に、例えば第6記録再生層14Fに記録された情報を再生する際には、先ず、第2光学系200のビーム270を利用してサーボ層18を再生することで、上述の基本仕様と、記録に基づく追記情報(例えば第6記録再生層14Fに記録したコンテンツ情報等)を読み出す。その後、これらの情報に基づいて、第1光学系100のビーム170を利用して第6記録再生層14Fの所定アドレスにアクセスして再生を行う。この際は、第6記録再生層14Fに既に情報が記録されていることが明らかであるので、その記録マークを利用してトラッキング制御を行えば良い。従って、第6記録再生層14Fのコンテンツ再生中は、第2光学系200のビーム270は不要とすることができる。
なお、この実施形態では、サーボ層18に6層分の記録再生層群の位置情報が含まれる場合を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、光入射面から最も遠い第6記録再生層の位置情報と、既に述べた第1距離(12μm)、第1距離よりも厚い第2距離(16μm)に関する情報を含めるようにしても良い。なお、既に述べたように、この光記録媒体は、第2距離(16μm)となる中間層と、第1距離(12μm)の中間層が、光入射面10Aの近い側又は遠い側から交互に積層される仕様となっている。従って、このルールに基づいて、例えば、第1記録再生層14Aの位置を基準にして、第2〜第6記録再生層14B〜14Fの位置をプログラムによって推測することができる。この推測計算に基づいて、第1光学系100のビーム170を、第2〜第6記録再生層14B〜14Fに直接フォーカスさせて情報を記録することができる。勿論、第6記録再生層14Fの位置を基準にして推測しても良く、他の記録再生層を基準にしても良い。
次に、この光記録媒体10における記録再生層群14の層間距離、反射率、屈折率の関係と、クロストークについて詳細に説明する。
<クロストークが生じる原理の説明>
まず、記録再生層群14において、隣接する記録再生層の映り込みによる層間クロストークについて説明する。記録再生層間の層間距離が小さすぎると、隣接する記録再生層から層間クロストークの影響を受ける。従って、所定値以上の層間距離が必要となる。未公知の実験によって、層間厚みとクロストークの影響を研究した結果を図3に示す。なお、ここでは各記録再生層の反射率がほぼ等しい光記録媒体において、層間厚みとジッタとの関係を示している。図3の横軸は層間厚み、縦軸はジッタ値を示している。層間厚みが薄くなるとジッタは劣化し、変曲点は約8μmとなり、それ以下の層間厚みでは急激なジッタの劣化が起こることを明らかにしている。
なお、一般的に光記録媒体の設計や製造上、各記録再生層の反射率は、1.5倍程度の差が生じ得る。例えば、記録再生対象となる記録再生層の反射率に対して、隣接する他の記録再生層の反射率が1.5倍となる場合、干渉の影響は、光の振幅比で√1.5倍となる。この反射率変動の影響を含めた層間厚みに対するジッタは、図3の破線で示されているようになる。従って、実際の設計上では、層間厚みの最小値は、8μmから2μm増やして10μm以上に設定することが好ましい。このようにすると、他の記録再生層の迷光が光検出器で検出される際の光量密度は、反射率1.5×(8/10)2=0.96となり、他の記録再生層の反射効率の増加分を、層間厚みの増加で相殺することができる。結論として、層間厚みの最小値は10μmが最適となる。一方で中間層を成膜する際にも膜厚に誤差が生じる。この膜厚の公差として前後2.0μmを見込んでおくとすれば、中間層群16の各膜厚が10μm未満にならないための設計基準の最小値としては12μmが好ましいことになる。
次に、図4を参照して、この光記録媒体10に共焦点クロストークが生じる原理について説明する。なお、説明の便宜上、カバー層11の膜厚をTc、上記中間層群における第1距離をT1、第2距離をT2として説明する。また、nを自然数とし、光入射面10A側から順番に、第n番目の記録再生層を第n記録再生層と定義する。また、第n記録再生層の単層反射率をrn、単層透過率をtnとする。なお、多層の光記録媒体10では、これらの単層反射率をrn、単層透過率をtnの実測は困難である。そこで本実施形態では、第n記録再生層にビームを照射する際に、光入射面10Aにおける入射光と出射光の比率となる総合反射率をRn(即ち、多層状態での反射率)を利用して、単層反射率rnと単層透過率tnを仮想的に類推する手法をとる。従って、この総合反射率Rnは、他の第n記録再生層以外で反射した迷光成分も含んだ実測値となる。
図4(A)のように、再生または記録のために第6記録再生層14Fに集光されたビーム170は、記録再生層の半透過性により複数の光ビームに分岐してしまう。例えば、L6記録再生層14Fへの記録再生目的のビーム170の一部は、第4記録再生層14Dで反射して分岐ビーム171となって第2記録再生層14Bで焦点を結び、この反射光が再び第4記録再生層14Dで反射してビーム170に合流し、一緒に検出される。この現象を、記録再生層の裏焦点光と呼ぶ。ビーム170の光路長と分岐ビーム171の光路長が、共にTc×2+T1×4+T2×6となるのでクロストークが生じやすい。
図4(B)のように、第6記録再生層14Fの記録再生目的のビーム170は、例えば第5記録再生層14Eで分岐して分岐ビーム173となり、この分岐ビーム173は他の記録再生層で焦点を結ばないが、更に第1記録再生層14A、第2記録再生層14Bの順で反射して検出される。ビーム170の光路長と分岐ビーム173の光路長が、共にTc×2+T1×4+T2×6となるのでクロストークが生じやすい。
これらの図4(A)(B)で示す現象において、仮にT1=T2に設定すると、ここで例示した以外の多様なバリエーションの分岐ビームの光路長が一致することが容易に推察できる。換言すると、本光記録媒体10では、第1距離T1と第2距離T2に3μm以上の差、具体的には4μmの差を設けておくことで、分岐ビームの光路長が一致する確率を大幅に減少させている。なお、ここで3μm以上の差を設ける理由としては、中間層群16を成膜する際、トラック一周当たりの公差として1.5μmを見込んでおく必要があるからである。即ち、例えば第1中間層16Aの成膜時に−1.5μmの誤差が生じると第1中間層16Aの膜厚は14.5μmとなる。また、第2中間層16Bの成膜時に+1.5μmの誤差が生じると、第2中間層16Bの膜厚は13.5μmとなる。即ち、成膜誤差を考慮しても、3μm以上の余裕を持たせておけば、隣接する中間層の膜厚が一致することを回避できる。なお、中間層群の成膜する際、面全体の公差としては2.0μm程度を見込んでおくことが好ましい事から、第1距離T1と第2距離T2に4μm以上の差を設けておくことが好ましい。一方で、必要以上に膜厚差を設けると、層間距離が大きくなりすぎるので、第1距離T1と第2距離T2の差は5μm以下に収めておくようにすることが望ましい。
一方、既に図4(A)(B)に示しているように、互いに異なる第1距離T1と第2距離T2を層間距離として交互に設定しても、多面反射光となる分岐ビーム171、173の光路長が本来のビーム170の光路長と一致することは避けられない。そこで、ビーム170と比較して、多面反射光である分岐ビーム171、173の光量を小さくすることが重要となる。本実施形態の光記録媒体10では、以下の2種類の条件を満たすようにして各記録再生層群14の単体の反射率、透過率を設計することで、この分岐ビーム171、173の光量が、極めて小さくなるようにしている。なお、第1、第2条件の全てを満たすことが好ましいが、これらの条件のいずれか1つを満たしておけば、分岐ビーム171、173の光量を小さくすることができる。
(第1条件)全ての記録再生層群における総合反射率Rが2%以下となるようにする。
(第2条件)(Rn−1 (n−1)/Rn (nー2))で定義される単層反射率rnが、全ての記録再生層において10%以下となるようにする。
次に上記条件について補足説明する。なお、ここでは便宜上、記録再生層群14において、単層反射率と単層透過率が互いに等しいことにし、この単層反射率をr、単層透過率をtと定義する。
まず第1条件について説明する。例えば図4(A)の状態において、入射させるビーム170のエネルギーを1と定義した場合に、第6記録再生層14Fの本来の記録再生光(ビーム170)の出射光のエネルギーJは、第1〜第5記録再生層を各2回透過すると共に、第6記録再生層14Fで1回反射するので、J=1×t10×rで表現できる。一方、分岐ビーム171側の出射光のエネルギーKは、同様に考えるとK=1×t8×r3で表現できる。即ち、本来の記録再生光のエネルギーに対する迷光側のエネルギーの比率(K/J)は、(r/t)2になる。なお、これの考え方は、図4(B)の状態を含めた、全ての記録再生層群14で同様となる。
従って、迷光成分となる分岐ビームのエネルギー比率を小さくするためには、単層反射率rを小さく、単層透過率tを大きくすることが好ましいことが分かる。本発明者らは、この単層反射率rの判断をしなくても、第1条件として、全ての記録再生層群14における総合反射率Rが2%以下となるようにしておけば、結果として各記録再生層群の単層反射率も2%〜20%程度の範囲内に収められることから、クロストークが生じないレベルまで、分岐ビーム側のエネルギー比率を低減させることができることを実験的に明らかにしている。
次に第2条件について説明する。既に図4(A)、(B)で示したように、第6記録再生層14Fにおける本来の記録再生光のエネルギーJはJ=1×t10×rで表現できる。このエネルギーJは、総合反射率R6と殆ど同一視できるので、R6=t10×rとなる。同様に、第5記録再生層14Eにおける総合反射率R5はR5=t8×r、第4記録再生層14Dにおける総合反射率R4はR4=t6×r、第3記録再生層14Eにおける総合反射率R3はR3=t4×rと表現できる。ここで例えば、第5記録再生層14Eと第4記録再生層14Dの総合反射率R5、R4の比(R5/R4)をとると、(R5/R4)=t2になることが分かる。即ち、隣接する記録再生層の総合反射率の比は常に(Rn/Rnー1)=t2になる。また、第5記録再生層14Eの総合反射率はR5=t8×rとなるので、単層反射率r=R5×(1/t8)となる。これに上記(R5/R4)=t2を導入すると、r=R4 4/R5 3となる。第4記録再生層14Dと第3記録再生層14Cとの関係を同様に考えるとr=R3 3/R4 2となり、第6記録再生層14Fと第5記録再生層14Eとの関係を同様に考えると、r=R5 5/R6 4となる。即ち、これを一般化すれば、仮想的な単層反射率rnはrn=(Rn−1 (n−1)/Rn (nー2))と定義することが出来る。この単層反射率rnを10%以下に設定しておけば、3回以上の反射を伴う分岐ビームの光量が小さくなるので、クロストークを低減させることが可能となる。
以上、本実施形態の光記録媒体10によれば、記録再生層群14の層間距離として、第1距離と、第1距離よりも3μm以上大きい第2距離を交互に設定している。この結果、中間層群16の成膜時の仮に1.5μm未満の膜厚誤差が発生したとしても、第1距離と第2距離が一致してしまうことを回避できる。この結果、共焦点クロストークの増大を防止できる。また、この第1距離が10μm以上、実際には12μmに設定しているので、隣接する記録再生層が接近することによる層間クロストークも低減することが可能となっている。
特に、本光記録媒体10では、第1距離が10μm〜14μmの範囲内となる12μm、第2距離が14μm〜18μmの範囲内の16μmに最適設定されていることから、クロストークの発生を抑制しながらも、層間距離を小さくすることが可能となり、記録再生層を増やすことが出来る。例えば、BDの場合、光入射面から最も遠い記録再生層を光入射面から110μmの範囲内にすることが好ましいが、本実施形態で示したように、記録再生層群14を6層にしてもこの範囲内に収めることが出来る。
更に本光記録媒体では、記録再生層群14の総合反射率Rが2%以下に設定されるので、層間距離を2種類に限定することによって生じ得る共焦点クロストークの影響を低減させることができる。即ち、中間層群16の膜厚を2種類に限定することと、総合反射率Rが2%以下にすることによって、層間距離を最小化と共焦点クロストークの抑制という相矛盾する問題を合理的に解決できる。
また本実施形態では、(Rn−1 (n−1)/Rn (nー2))で定義される単層反射率rnを、記録再生層群14の全てにおいて10%以下に設定しているので、3回以上の反射を繰り返す迷光成分を小さくすることができ、共焦点クロストークを抑制できる。
更に、本光記録媒体10の記録再生層群14は、トラッキング制御用の凹凸を有しない平面構造となっており、サーボ層18において、ランドとグルーブの双方を利用したトラッキングによって、これらの記録再生層群14に情報を記録するようになっている。従って、中間層群16の成膜作業においてスタンパが不要になり、上述の様に層間距離を12μm、16μmで最小化しても、中間層群16の膜厚を所望の公差内に収めることが可能となる。
更に、サーボ層18のトラッキング用の凹凸のトラックピッチが、記録再生層群14に記録予定となるトラックピッチの2倍に設定されている。このようにするとで、サーボ層では、安価となる波長の長い赤色のビーム270を採用することによって、ランド及びグルーブの双方を用いたトラッキングを行うようにすれば、記録再生層群14側では、結果として2倍のトラックピッチによる記録が可能となる。そこで、サーボ層18側のトラックピッチを0.64μmに設定することで、第2光学系200はDVD規格の既存製品をほとんどそのまま用いることが出来る。一方、記録再生層群14は0.32μmのトラックピッチとなるので、第1光学系100は、BD規格の既存製品をほとんどそのまま用いることが出来る。即ち、光ピックアップ90側は新たな開発負担が無く、既存の部品を有効活用しながら、本記録媒体10に適合させることが可能となる。
また、記録再生層群14の層間距離として、第1距離と第2距離が交互に設定されるので、光ピックアップ90が記録再生層群14の位置を計算によって推測することができ、記録再生速度を高めることが出来る。
次に、図5を参照して、本発明の第2実施形態として、第1実施形態の光記録媒体10を第1光記録媒体とし、これに加えて、第2光記録媒体20、第3光記録媒体30を備えた光記録媒体シリーズについて説明する。なお、第1光記録媒体10の構造については説明を省略し、第2、第3光記録媒体20、30は第1光記録媒体10と異なる点を重点的に説明する。なお、第1〜第3光記録媒体10、20、30の間で相関する部材については符号の下一桁を共通させている
第2光記録媒体20は、記録再生層群24が4層構造(第1〜第4記録再生層24A〜24D)になる点と、その間に挿入される再生層群26が3層構造(第1〜第3中間層26A〜26C)になる点と、カバー層21の膜厚が異なる点を除いては、第1光記録媒体10と同じ構造となっている。具体的に、第1〜第3中間層26A〜26Cの膜厚は、第1光記録媒体10と同様に、第1中間層26Aが16μm、第2中間層26Bが12μm、第3中間層26Cが16μmとなる。この結果、第1〜第3記録再生層24A〜24Dの層間距離は、第1光記録媒体10と同様に、光入射面側から順番に第1距離(16μm)と、この第1距離と異なる第2距離(12μm)が交互に設定されることになる。また、第1距離と第2距離の差は4μmに設定される。
従って、サーボ層28は、光入射面20Aから0.2mmの距離に位置しており、また、記録再生層群24の中で光入射面20Aから最も遠い第4記録再生層24Dは、光入射面20Aから0.11mm(110μm)の距離に位置しており、第3記録再生層24Cは光入射面20Aから94μm、第2記録再生層24Bは光入射面20Aから82μm、そして、光入射面20Aに最も近い第1記録再生層24Aは、光入射面20Aから66μmの距離に位置することになる。また、記録再生層群24の全体的な厚み(第1記録再生層24A〜第4記録再生層24D間の距離)は44μmとなる。
次に第3光記録媒体30について説明する。この第3光記録媒体30は、記録再生層群24が5層構造(第1〜第5記録再生層34A〜34E)になる点と、その間に挿入される再生層群36が4層構造(第1〜第4中間層36A〜36D)になる点と、カバー層31の膜厚が異なる点を除いては、第1光記録媒体10と同じ構造となっている。具体的に第1〜第4中間層36A〜36Dの膜厚は、第1光記録媒体10と同様に、第1中間層36Aが12μm、第2中間層36Bが16μm、第3中間層36Cが12μm、第4中間層36Dが16μmとなる。この結果、第1〜第5記録再生層34A〜34Eの層間距離として、光入射面側から順番に第1距離(12μm)と、この第1距離と異なる第2距離(16μm)が交互に設定されることになる。また、第1距離と第2距離の差は4μmに設定される。
従って、サーボ層37は、光入射面30Aから0.2mmの距離に位置しており、また、記録再生層群34の中で光入射面30Aから最も遠い第5記録再生層34Eは、光入射面30Aから0.11mm(110μm)の距離に位置しており、第4記録再生層34Dは光入射面30Aから94μm、第3記録再生層34Cは光入射面30Aから82μm、第2記録再生層34Bは光入射面30Aから66μm、そして、光入射面30Aに最も近い第1記録再生層34Aは、光入射面30Aから54μmの距離に位置することになる。また、記録再生層群34の全体的な厚み(第1記録再生層34A〜第5記録再生層34E間の距離)は56μmとなる。
次に、第2実施形態における光記録媒体シリーズにおける記録再生層群の層間距離の関係について図6を参照して説明する。
これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30の間では、全部の記録再生層の積層数が複数となっており、且つこの積層数が光記録媒体間で互いに異なっていながらも、サーボ層18、28、38の光入射面からの位置が互いに一致される。更に、これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30の間では、少なくとも3層の記録再生層の光入射面からの位置が互いに等しく設定されている。
従って、この光記録媒体シリーズに属している光記録媒体であれば、第1実施形態で示した利点に加えて、シリーズ間においてサーボ層の位置が統一されているので、光ピックアップ90における第2光学系200は、サーボ層の位置を容易に探すことが可能となり、素早くトラッキング制御を実行できるようになる。更に、少なくとも3層の記録再生層の位置が統一されているので、光ピックアップ90における第1光学系100は、この記録再生層の位置を容易に探すことが可能となり、素早く記録再生準備を実行できるようになる。このように、サーボ層と少なくとも1層の記録再生層の位置が統一されていれば、その組合せにおいて記録再生の初期動作を極めて素早く行える。即ち、記録再生層の層間距離となる第1距離、第2距離を、複数の光記録媒体の間で統一しておくことで、光学的な利点に加えて、シリーズ化することも容易になる。
また、このように3層の記録再生層の位置が一致していると、光ピックアップ90側において、3層の記録再生層の選択が容易となる、例えば、3層中のいずれかの記録再生層が記録済み状態の場合、残りの記録再生層を選択して情報の記録を開始することもできる。更に、3層の記録再生層の位置が一致していることにより、光ピックアップ90側では、この3層の記録再生層の層間距離(第1距離と第2距離)を参考にして他の記録再生層の層間距離を予め把握したり、予測したりすることが可能となる。
更に、これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30の間では、光入射面から最も遠い記録再生層の光入射面からの位置が互いに等しく設定されている。この結果、この光記録媒体シリーズに属している光記録媒体であれば、光ピックアップ90側では、この記録再生層よりも光入射面側に他の記録再生層が積層されていることを予め認識できる。従って、他の記録再生層を探すための動作時間を低減できる。
また更に、これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30の間では、中間層の膜厚が、第1距離、第2距離で統一されているので、本シリーズに属する光記録媒体であれば、第1距離又は第2距離の途中に更に記録再生層が介在することはないことを規格で保証できる。このようにすることで、光ピックアップ90側でも、記録再生中の記録再生層に対して、予測不能な記録再生層が接近して配置されることによる記録再生エラーを回避することができる。
また、これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30から任意に選択された2つの光記録媒体に関して、記録再生層の数が少ない側の全ての記録再生層の光入射面からの位置は、記録再生層の数が多い光記録媒体の記録再生層の位置と等しくなっている。例えば、第1、第2光記録媒体10、20を選択した場合、記録再生層の数が少ない第2光記録媒体20の第1〜第4記録再生層24A〜24Dの全ては、第1光記録媒体10の第3〜第6記録再生層14C〜14Fと位置が一致している。第1、第3光記録媒体10、30を選択した場合、記録再生層の数が少ない第3光記録媒体30の第1〜第5記録再生層34A〜34Eの全ては、第1光記録媒体10の第2〜第6記録再生層14B〜14Fと位置が一致している。第2、第3光記録媒体20、30を選択した場合、記録再生層の数が少ない第2光記録媒体20の第1〜第4記録再生層24A〜24Dの全ては、第3光記録媒体30の第2〜第5記録再生層34B〜34Eと位置が一致している。即ち、この光記録媒体シリーズでは、記録再生層の積層数の少ない光記録媒体におけるサーボ層と全ての記録再生層群の光入射面からの距離が、これよりも積層数の多い光記録媒体と一致する。このようにすることで、光記録媒体シリーズに属する光記録媒体の全ての記録再生層群の位置を効率的に統一できる。結果、これらの第1〜第3光記録媒体10、20、30のサーボ層やBCA等に対して、記録再生層群14、24、34の位置情報を記録しておいたり、光ピックアップ90側に保存しておいたりする場合に、その情報量を少なくすることが可能となる。
なお、この第2実施形態の光記録媒体シリーズによれば、第1〜第3光記録媒体10、20、30におけるサーボ層が、記録再生層群14、24、34と比較して光入射面から遠い位置に配置されている。このようにすると、トラッキング制御用の凹凸が、記録再生層群に照射される記録再生用のビーム170に悪影響を与えることを低減するできる。しかし本発明はこれに限定されず、記録再生層群と比較して光入射面側に配置することも可能である。
以上、本実施形態の光記録媒体では、記録再生層群において、16μm、12μmの層間距離を交互に設定する場合を示したが、本発明はこれに限定されず、他の距離を採用することもできる。
また、本実施形態の光記録媒体では、トラッキング専用のサーボ層を備える場合を示したが、本発明はこれに限定されず、記録再生層にランド/グルーブ等の凹凸が形成されるようにしても良い。
また、本実施形態では、記録再生層群と比較して、サーボ層が光入射面から遠い位置に配置される場合を示したが、本発明はこれに限定されず、サーボ層を記録再生層群よりも光入射面側に配置することも可能である。
なお、本実施形態の光記録媒体シリーズでは、記録再生層群の積層数の異なる3種類の光記録媒体を有する場合に限って示したが、本発明はこれに限定されず、2種類であってもよく、4種類以上の光記録媒体を有するようにしても良い。また、記録再生層群の積層数についても、ここでは4〜6層に限って示したが、本発明はこれに限定されない。