JP2011170192A - 電気泳動装置の駆動方法、駆動回路、電気泳動装置、及び電子機器 - Google Patents

電気泳動装置の駆動方法、駆動回路、電気泳動装置、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】電気泳動装置における表示状態の保持と遷移との少なくとも一方をより適切に行うことを可能とする駆動方法等を提供すること。
【解決手段】本発明の一形態における電気泳動装置の駆動方法は、第1の電極110と第2の電極120との間に、電気泳動粒子160を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動粒子160の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極110と前記第2の電極120とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にすることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電極対に所定の電圧を加えることによりその表示を変化される電気泳動装置の駆動方法、電気泳動装置の駆動回路、電気泳動装置、及び電気泳動装置を含む電子機器に関する。
電気泳動装置は、非発光型・反射型の、電気泳動現象を利用したデバイスとして知られており、主に表示装置として用いられる。電気泳動現象は、液体(分散媒)中に微粒子(電気泳動粒子)を分散させた分散系に電界を印加したときに、電気泳動粒子がクーロン力により泳動する現象である。電気泳動装置は、電極対を所定の間隔で対向させ、その間に分散媒と、黒色(低反射率)の電気泳動粒子及び白色(高反射率)の電気泳動粒子とからなる電気泳動素子を配置した構成とし、この電気泳動素子をアレイ状に配置するのが一般的である。
ここで、電気泳動装置の駆動方法としては、電気泳動装置の電極間に一定電圧を印加した後、電極対を等電位にする方法があり、特開2002−116733号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2002−116733号公報
しかし、上記従来の駆動方法で電気泳動装置を駆動する場合、電気泳動装置の表示状態が保持されなかったり、表示状態の遷移が不十分であったりする場合があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、上記課題の少なくとも一つを解決し、電気泳動装置における表示状態の保持と遷移との少なくとも一方をより適切に行うことを可能とする駆動方法等を提供することにある。
かかる課題を解決するために、本発明の一形態における電気泳動装置の駆動方法は、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にすることを特徴とする。
また、本発明の一形態における電気泳動装置の駆動回路は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成されたことを特徴とする。
上記の電気泳動装置において、電気泳動粒子の色(例えば黒色)による表示状態に遷移させた後に、第1の電極と第2の電極とを同電位にすると、黒色での表示状態がやや白っぽい表示状態へと遷移してしまうという現象を生じる。この場合、電気泳動装置が所望の黒色の表示状態に保持されないという問題が生じる。
上記の本発明の一形態における駆動方法または駆動回路によれば、電気泳動粒子の色(例えば黒色)による表示状態に遷移させた後に、第1の電極と第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするように、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方を駆動する。これによって、電気泳動装置の表示が白っぽい表示状態へ遷移することを防止し、黒色での表示状態を保持することができる。
なお、電気泳動粒子の色は黒色以外の、例えば赤、青、又は緑などであってもよい。この電気泳動粒子の色は、他の色の電気泳動粒子が存在する場合は、当該他の色の電気泳動粒子よりも低い反射率を有する色であればよい。また、この電気泳動粒子の色は、他の色の電気泳動粒子が存在しない場合は、分散媒よりも低い反射率を有する色であればよい。このことは、以下で述べる電気泳動粒子のうち、黒色を例とするものについても同様である。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動方法は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態に、または前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にすることを特徴とする。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動回路は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態に、または前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にするよう構成されたことを特徴とする。
上記の電気泳動装置において、電気泳動粒子の色(例えば白色)による表示状態に遷移させた後に、第1の電極と第2の電極の間に、電気泳動装置を白色の表示状態に遷移させるための書込電圧(例えばLoの電位である−10Vなど)を再度印加する。すると、電気泳動装置の反射率が低下し、白色での表示状態がやや黒っぽい表示状態へと遷移してしまうという現象を生じる。この場合、電気泳動装置が所望の白色の表示状態に保持されないという問題が生じる。
上記の本発明の一形態における駆動方法または駆動回路によれば、電気泳動粒子の色(例えば白色)による表示状態に遷移させた後に、第1の電極と第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態に、または第1の電極と第2の電極とを同電位にするように、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方を駆動する。これによって、電気泳動装置の表示における反射率の低下を防止し、白色での表示状態を保持することができる。
なお、電気泳動粒子の色は白色以外であって、他の色の電気泳動粒子が存在する場合は当該他の色の電気泳動粒子よりも高い反射率を有する、例えば黄色、または水色などであってもよい。また、電気泳動粒子の色は、他の色の電気泳動粒子が存在しない場合は、分散媒よりも高い反射率を有する色であってもよい。このことは、以下で述べる電気泳動粒子のうち、白色を例とするものについても同様である。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動方法は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にすることを特徴とする。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動回路は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成されたことを特徴とする。
上記の電気泳動装置において、他の色による表示状態から、電気泳動粒子の色(例えば黒色)による表示状態に遷移させる場合、まず、第1の電極と第2の電極との間に第1の電圧として、電気泳動装置を黒色の表示状態に遷移させるための書込電圧(例えばHiの電位である+10Vなど)を印加する。その後、黒色の表示状態となった電気泳動装置の表示状態を保持しようとして第1の電極と第2の電極とを同電位にすると、黒色での表示状態がやや白っぽい表示状態へと遷移してしまうという現象を生じる。その結果、電気泳動装置が所望の黒色の表示状態に遷移されないという問題が生じる。
上記の本発明の一形態における駆動方法または駆動回路によれば、第1の電極と第2の電極との間に第1の電圧を印加し、その後第1の時間経過後に、第1の電極と第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする。これによって、一度黒色の表示状態へと遷移した電気泳動装置の表示が白っぽい表示状態へ戻ってしまうことを防止し、電気泳動装置を所望の黒色での表示状態に遷移させることができる。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動方法は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第2の電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第2の電圧を印加してから第2の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にし、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にしてから第3の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にすることを特徴とする。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動回路は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第2の電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第2の電圧を印加してから第2の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にし、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にしてから第3の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成されたことを特徴とする。
上記の電気泳動装置において、他の色による表示状態から、電気泳動粒子の色(例えば白色)による表示状態に遷移させる場合、まず、第1の電極と第2の電極との間に第2の電圧として、白色の表示状態に遷移させるための書込電圧(例えばLoを示す−10Vなど)を印加する。ここで、このまま白色の書込電圧を印加し続けたとしても、反射率はある程度以上には上昇しない。そこで、書込電圧の印加を停止し、第1の電極と第2の電極とを同電位にする。こうすることで反射率がさらに上昇し、電気泳動装置を所望の白色の表示状態に遷移させることができる。
すなわち、上記の本発明の一形態における駆動方法または駆動回路によれば、
(a)第1の電極と第2の電極との間に第2の電圧を印加し、
(b)第1の電極と第2の電極との間に第2の電圧を印加してから第2の時間経過後に、第1の電極と第2の電極とを同電位にし、
(c)前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にしてから第3の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする。
上記のように電気泳動装置を駆動することで、第2の電圧を印可するだけでは得られない高い反射率を得ることができ、この反射率を保持することが可能となる。
また、本発明の他の一形態における電気泳動装置の駆動回路は、第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にすることを特徴とする。
これによれば、電気泳動装置をグレー表示にすることができる。
また、本発明はその一形態として、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電気泳動粒子と、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の駆動回路と、を備えた電気泳動装置を含む。
かかる構成によれば、例えば、黒色での表示状態を保持したい電気泳動装置において、白っぽい表示状態へ遷移することを防止することができるなど、上記いずれかの特徴を有する電気泳動装置を構成することができる。
また、本発明はその一形態として、上記の電気泳動装置を含む電子機器を含む。
電気泳動装置の画素領域の構成を示す図。 電気泳動装置の画素領域の第1の動作例を示す第1の信号図。 電気泳動装置の画素領域の第1の動作例を示す第2の信号図。 電気泳動装置の画素領域の第1の動作例を示す第3の信号図。 電気泳動装置の画素領域の第1の動作例を示す第4の信号図。 電気泳動装置の画素領域の第2の動作例を示す第1の信号図。 電気泳動装置の画素領域の第2の動作例を示す第2の信号図。 電気泳動装置の全体の構成例を示す図。 電気泳動装置の具体的動作の一例を示す第1の図。 電気泳動装置の具体的動作の一例を示す第2の図。 本実施形態の電気泳動装置を含む電子機器の第1の具体例を示す図。 本実施形態の電気泳動装置を含む電子機器の第2の具体例を示す図。
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って、図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下の実施形態はあくまで本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、各図面において、同一の部品には同一の符号を付している。
1.電気泳動装置の画素領域の構成例
2.電気泳動装置の画素領域の第1の動作例
(1)白色から黒色への表示状態の遷移
(2)黒色から白色への表示状態の遷移
(3)黒色の表示状態の保持
(4)白色の表示状態の保持
3.電気泳動装置の画素領域の第2の動作例
(1)黒色から白色への表示状態の遷移
(2)白色の表示状態の保持
4.電気泳動装置全体の構成例
5.電気泳動装置の具体的動作の例
6.電気泳動装置の利用例
<1.電気泳動装置の画素領域の構成例>
本発明は電気泳動装置の駆動方法等に関するが、電気泳動装置は例えば可撓性を有する電気光学装置などに広く利用されうる。
図1は、本発明の一形態としての、電気泳動装置の画素領域の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態における電気泳動装置の画素領域は、基板100、画素電極110、対向電極120、及び透過性基板130を含んで構成される。さらに、画素電極110と対向電極120との間に電気泳動素子140を含む。電気泳動素子140は、分散媒150、及び複数の電気泳動粒子160と170を含む。ここで、本実施形態では第1の電気泳動粒子160を黒色、第2の電気泳動粒子170を、第1の電気泳動粒子160よりも高い反射率を有する白色とする例について説明する。以下においては、第1の電気泳動粒子160、及び第2の電気泳動粒子170を、それぞれ「黒色電気泳動粒子160」及び「白色電気泳動粒子170」ともいう。
<基板100>
基板100は、その基板上に複数の画素電極110を形成するよう構成される。また、図示していないが、基板100には複数の画素電極110を駆動するための複数の半導体素子などが形成されており、これらの半導体素子などが動作することにより、画素電極110の電位を変化させることができる。
<画素電極110>
画素電極110は、上記のように基板上にアレイ状に複数形成され、後述の駆動回路によって電位を変化可能に構成される。具体的には、画素電極110は、Hi(例えば+10V)、Lo(例えば−10V)、対向電極120の固定電位と同電位である0V(「接地電位」、「GND」ともいう)、及びいずれの電位にも接続されていないハイインピーダンス状態の4つの状態に変化可能である。
<対向電極120>
対向電極120は、透過性を有する材料により、複数の画素電極110と向かい合うように形成される。画素電極110は画素毎に1つ形成されるのに対して、対向電極120は複数の画素電極110に対して1つ形成される。なお、対向電極120は、一般的には電気泳動装置の画素領域全体に共通に1つ形成されるがこれに限られない。つまり、電気泳動装置の画素領域全体を複数のブロックに区分けし、それぞれのブロックに1つの対向電極を形成してもよい。また、対向電極120は、所定の電位に固定されるよう形成されている。本実施形態においては、対向電極120は0V(「接地電位」、「GND」ともいう)の固定電位を有するものとして説明する。
<透過性基板130>
透過性基板130は、対向電極120の視認面方向に形成される。すなわち、電気泳動装置の描画画像を見る者は、透過性基板130の基板面に垂直な方向(図の上方)から透過性基板130と対向電極120とを通して電気泳動素子140を見ることとなる。透過性基板130の材料としては、例えばガラス、プラスチックなどが用いられるが、これらに限定するものではない。
<電気泳動素子140>
電気泳動素子140は、例えば丸いカプセル状になっており、当該カプセルの中に分散媒150を備え、その分散媒150に浮遊するようにして黒色電気泳動粒子160、及び白色電気泳動粒子170を含む。本実施形態では電気泳動素子140は丸いカプセル状になっているが、必ずしも丸い必要はなく、立方体などの形状であってもよい。また、黒色電気泳動粒子160、及び白色電気泳動粒子170は、周囲媒体である分散媒150に電界が生じた場合に、それぞれ異なる方向に流動するような特性を有している。
<動作原理>
本実施形態における電気泳動装置の画素領域は上記のような構成を有するが、ここでその動作原理について説明する。
図1にも示したように、画素電極110と対向電極120との間に電気泳動素子140が配置されている。ここで、上記のとおり、対向電極120は0Vの固定電位を有しており、画素電極110は駆動回路によってその電位を変化可能である。すなわち、画素電極110の電位を駆動回路によって変化させることで画素電極110と対向電極120との間に電位差が生じ、この電位差によって電界が発生することとなる。このように電界が発生すると、画素電極110と対向電極120との間に配置された電気泳動素子140に含まれる黒色電気泳動粒子160及び白色電気泳動粒子170が、クーロン力によってそれぞれ異なる方向に流動する。本実施形態では、画素電極110がHiの電位(+10V)になると黒色電気泳動粒子160が対向電極120の方へ流動し、逆に画素電極110がLoの電位(−10V)になると白色電気泳動粒子170が対向電極120の方へ流動する。黒色電気泳動粒子160が対向電極120の方に流動すると、視認面近くには黒色電気泳動粒子160が存在することとなり、当該対向電極120と画素電極110との領域はより黒っぽい表示状態となる。逆に白色電気泳動粒子170が対向電極120の方に流動すると、視認面近くには白色電気泳動粒子170が存在することとなり、当該対向電極120と画素電極110との領域はより白っぽい表示状態となる。
電気泳動装置は、表示画像を構成する個々の画素(ピクセル)が1つの画素電極に対応している。ある表示更新タイミングで白色または黒色の表示状態に遷移した画素は、次の表示更新タイミングで同じ色または異なる色の表示状態になる。すなわち、表示状態の変化パターンは、白色から黒色への遷移、黒色から白色への遷移、黒色の保持、及び白色の保持の4パターンが考えられる。以下、それぞれについて分説していく。
<補足>
なお、電気泳動粒子160及び170は、それぞれ黒色と白色以外の様々な2種類の色の組み合わせにすることが可能である。ただし、この場合でも、一方の色は極めて高い反射率を有し、他方の色は極めて低い反射率を有しすることが好ましい。このように反射率が大きく異なる色を有する電気泳動粒子160及び170を用いることにより、はっきりとしたコントラストの、視認性に優れた電気泳動装置を構成することが可能である。
また、本実施形態におけるHi、0V、及びLoの電位は、それぞれ+10V、0V、−10Vに限るものではない。すなわち、これらの電位は対向電極120を基準として、プラス側の電位、同電位、マイナス側の電位であれば構わない。すなわち、対向電極120の電位が所定の基準電位であれば、0Vに代えて当該基準電位を用いる。また、Hi及びLoについてはHi>基準電位>Loの関係が成立する電位であれば任意に選択可能である。
また、本実施形態では、画素電極110と対向電極120との間に電気泳動素子140が配置される構成について説明したが、本発明は当該構成に限られない。例えば、画素電極110と対向電極120との間に、層状に形成された電気泳動層を有し、当該電気泳動層には分散媒150と、電気泳動粒子160及び170を含むような構成でもよい。すなわち、電気泳動装置が、画素電極110と対向電極120との間に、電気泳動粒子160及び170を介在させる構成になっていればよい。
<2.電気泳動装置の画素領域の第1の動作例>
図2乃至図5は、本実施形態における、電気泳動装置の画素領域の第1の動作例を示す信号図である。
図2乃至図5において、(a)はある画素における画素電極110と対向電極120との間(以下、「電極間」ともいう。)に印加される電圧の時間変化を示し、(b)はその画素における電気泳動素子140の反射率の時間変化を示す。なお、既に説明したように、本実施形態では対向電極120は所定の固定電位を有しているので、(a)で示す電極間に印加される電圧の時間変化は、画素電極110に与える電位の時間変化であるということもできる。
<(1)白色から黒色への表示状態の遷移>
従来、電気泳動装置を、他の色による表示状態から黒色の表示状態に遷移させる場合、まず、電気泳動装置を黒色の表示状態に遷移させるために、電極間にHiの電圧(+10V)を印加していた。その後、黒色の表示状態となった電気泳動装置の表示状態を保持しようとして画素電極110と対向電極120とを同電位にしていた。しかし、このようにすると、黒色での表示状態がやや白っぽい表示状態へと遷移してしまうという現象が見られていた。その結果、電気泳動装置が所望の黒色の表示状態に遷移されないという課題が生じていた。以下で説明する動作例は、このような課題を解決するものである。
図2は、本実施形態に係る電気泳動装置を白色から黒色の表示状態に遷移させるときの電極間の印加電圧及び電気泳動装置の反射率の時間変化を示す図である。
図2において、時間t0より前の時間では電気泳動装置の反射率が高い状態であり、電気泳動装置は白色の表示状態になっている。すなわち、この表示状態のときは、白色電気泳動粒子170が対向電極120の近傍に、黒色電気泳動粒子160が画素電極110の近傍に存在する状態となっている。
時間t0において、駆動回路によって画素電極110にHiの電位(+10V)が与えられ、電極間にはHiの電圧が印加される。これによって電気泳動装置の反射率は次第に低下していき、時間t1には最低の反射率となる。言い換えれば、電気泳動装置は時間t0からt1にかけて徐々に白色から黒色の表示状態へと遷移していき、時間t1において黒色の表示状態となる。このとき、白色電気泳動粒子170が徐々に画素電極110の方向へと、黒色電気泳動粒子160が対向電極120の方向へと、それぞれ徐々に流動していく。
そして、電気泳動装置の反射率が下がりきった時間t1において、駆動回路から画素電極110に電位を与えることを停止し、これによって画素電極110をハイインピーダンス状態(HIZ)とする。すなわち、この表示状態のときは、白色電気泳動粒子170が画素電極110の近傍に、黒色電気泳動粒子160が対向電極120の近傍に存在する状態となっている。
このように電極間の電圧を変化させることによって、電気泳動装置を白色の表示状態から黒色の表示状態へと遷移させることができる。
本実施形態における上記の駆動方法、または上記のように駆動可能に構成された駆動回路によれば、電極間にHiの電圧を印加し、その後所定の時間が経過した時間t1において、画素電極110をハイインピーダンス状態にする。これによって、一旦黒色の表示状態へと遷移した電気泳動装置の表示が白っぽい表示状態へ戻ってしまうことを防止し、電気泳動装置を所望の黒色での表示状態に遷移させることができる。
なお、ある対向電極120が存在する領域の全面について黒色の表示状態に遷移させる場合には、対向電極120の画素電極110をハイインピーダンス状態にすることに代えて、対向電極120をハイインピーダンス状態にしてもよい。この場合、駆動回路は対向電極120の電位を変化可能に構成される。
また、時間t0より前の時間の表示状態は、必ずしも反射率が高い、白色の表示状態である必要はない。例えば、白色と黒色との中間色の表示になっていることも考えられ、本実施形態ではそのような状態をも含むものである。
また、時間t1は、電極間にHiの電圧を印加した後、電気泳動装置の表示が所望の黒色の表示状態になるために十分な時間であり、例えば電気泳動装置の製造工程などで予め計測しておくものである。ここで、所望の黒色の表示状態とは、製品の仕様によっても異なるが、例えば当該電気泳動装置に期待される最も低い反射率の99%や90%に設定するなど、任意に決定されてよい。また、次回の表示更新(リフレッシュ)タイミングを時間t1とし、当該タイミングにおいて同じ黒色の表示状態を保持すべき場合に画素電極110をハイインピーダンス状態にしてもよい。
<(2)黒色から白色への表示状態の遷移>
図3は、本実施形態に係る電気泳動装置を黒色から白色の表示状態に遷移させるときの電極間の印加電圧及び電気泳動装置の反射率の時間変化の第1の例を示す図である。
図3において、時間t0より前の時間では電気泳動装置の反射率が低い状態であり、電気泳動装置は白色の表示状態になっている。すなわち、この表示状態のときは、黒色電気泳動粒子160が対向電極120の近傍に、白色電気泳動粒子170が画素電極110の近傍に存在する状態となっている。
時間t0において、駆動回路によって画素電極110にLoの電位(−10V)が与えられ、電極間にはLoの電圧が印加される。これによって電気泳動装置の反射率が次第に上昇していく。しかし、ある程度の反射率に達すると反射率の上昇が停止し、それ以降電極間にLoの電圧を印加し続けても反射率が上昇しなくなる。そこで、このような状態になった時間t2において、画素電極110と対向電極120とを同電位にし、電極間の電位差がない状態にする。すると、一旦上昇が停止していた電気泳動装置の反射率をさらに上昇させるという現象が生じ、これによって白色の表示状態をより鮮明にすることができる。言い換えれば、電気泳動装置は時間t0からt2にかけて黒色から白色の表示状態への第1段階の遷移を経た後、時間t2以降にさらに白色の表示状態への第2段階の遷移をする。
この現象は、電極間の電圧をLoにしたままでは白色電気泳動粒子170が分散媒150の中で密集した状態になることにより、反射率の上昇が停止すると考えられる。このとき、両電極を同電位にすると、電気泳動粒子160及び170の周辺の電界を除去することになる。すると、分散媒150の中の白色電気泳動粒子170が適度に分散される結果、さらに反射率が上昇するものと考えられる。
上記のように、駆動回路が電極間に印加する電圧を変化させることによって、電気泳動装置を黒色の表示状態から白色の表示状態へと遷移させることができる。
なお、時間t0より前の時間の表示状態は、必ずしも反射率が低い、黒色の表示状態である必要はない。例えば、白色と黒色との中間色の表示になっていることも考えられる。すなわち、本実施形態では、時間t0より前の時間において電気泳動装置が中間色での表示状態になっているものをも含むものである。
また、時間t2は、電極間にLoの電圧を印加した後、電気泳動装置の反射率の上昇が停止するまでの時間であり、例えば電気泳動装置の製造工程などで予め計測しておくものである。ここで、電気泳動装置の反射率の上昇が停止するまでの時間とは、反射率の上昇が完全に停止するまでの時間のみを指すわけではなく、反射率の上昇が少なくなった状態をも含む。
また、時間t2において駆動回路から画素電極110に対する電圧の印加を停止し、これによって画素電極110をハイインピーダンス状態にすれば、上記のような高い反射率ではなく、やや低めの反射率で電気泳動装置の表示状態を保持することが可能となる。すなわち、電気泳動装置を白色と黒色との中間色であるグレーの表示にすることができる。
<(3)黒色の表示状態の保持>
従来、電気泳動装置において、黒色の表示状態に遷移させた後に、黒色の表示状態を維持する場合、画素電極110と対向電極120とを同電位にしていた。しかし、このようにすると、黒色での表示状態がやや白っぽい表示状態へと遷移してしまうという現象が見られていた。この場合、電気泳動装置が所望の黒色の表示状態に保持されないという課題が生じていた。以下で説明する動作例は、このような課題を解決するものである。
図4は、本実施形態に係る電気泳動装置を黒色の表示状態で保持させるときの電極間の印加電圧の時間変化を示す図である。
図4において、時間t0より前の時間では電気泳動装置は黒色の表示状態になっている。すなわち、この表示状態のときは、黒色電気泳動粒子160が対向電極120の近傍に、白色電気泳動粒子170が画素電極110の近傍に存在する状態となっている。
時間t0において、駆動回路が画素電極110に電位を与えることを停止する。これによって、画素電極110がハイインピーダンス状態となる。実際には、時間t0より前の時間において電気泳動装置は黒色の表示状態となっており、画素電極110には駆動回路から電位が与えられずハイインピーダンス状態であるため、そのままの状態を保持する。
本実施形態における上記の駆動方法、または上記のように駆動可能に構成された駆動回路によれば、画素電極110をハイインピーダンス状態で保持させる。これによって、電気泳動装置の表示が白っぽい表示状態へ遷移することを防止し、黒色での表示状態を保持することができる。
<(4)白色の表示状態の保持>
図5は、本実施形態に係る電気泳動装置を白色の表示状態で保持させるときの電極間の印加電圧の時間変化を示す図である。
図5において、時間t0より前の時間では電気泳動装置は白色の表示状態になっている。すなわち、この表示状態のときは、白色電気泳動粒子170が対向電極120の近傍に、黒色電気泳動粒子160が画素電極110の近傍に存在する状態となっている。
時間t0において、駆動回路は画素電極110に0Vの電圧を印加する。これによって、画素電極110と対向電極120とが同電位になる。実際には、時間t0より前の時間において電気泳動装置は白色の表示状態となっており、画素電極110は既に対向電極120と同電位である0Vの状態になっているため、そのままの状態を保持する。
本実施形態における上記の駆動方法、または上記のように駆動可能に構成された駆動回路によれば、電気泳動装置を白色の表示状態に遷移させた後に、画素電極110と対向電極120とを同電位にするように、画素電極110の電圧を駆動する。これによって、白色での表示状態を保持することができる。
<3.電気泳動装置の画素領域の第2の動作例>
<(1)黒色から白色への表示状態の遷移>
図6は、電気泳動装置を黒色から白色の表示状態に遷移させるときの、電極間の印加電圧及び電気泳動装置の反射率の時間変化の第2の例を示す図である。この例は、図3を用いて説明した、電気泳動装置の画素領域の第1の動作例における、黒色から白色への表示状態の遷移と同一の部分を含んでいる。具体的には、本第2の動作例においては、時間t2において駆動回路から画素電極110に与える電位を変化することに加え、時間t3においても駆動回路から画素電極110に与える電位を変化させる。以下では、第1の動作例との相違点である、時間t3以降における動作を中心に説明する。
図6において、時間t2で画素電極110を0Vにして対向電極120と同電位にすると、電気泳動装置の反射率が徐々に上昇していく。そして、電気泳動装置の反射率はある程度上昇した後、時間t3でその上昇が停止する。すなわち、既に説明したように、画素電極110と対向電極120とを同電位にすることで、分散媒150の中の白色電気泳動粒子170が適度に分散される。しかし、所定の時間(ここでは時間t2から時間t3までの時間)を経過した後は、この白色電気泳動粒子170の分散が安定状態となり、それ以上、両電極を同電位にしたとしてもさらなる分散は起こらず、反射率の上昇も起こらない。
そこで、時間t3において、駆動回路から画素電極110に対する電圧の印加を停止し、これによって画素電極110をハイインピーダンス状態にする。このようにしたとしても、画素電極110と対向電極120との電位を同電位にしたときと同様、反射率の低下は起こらない。
上記のように電気泳動装置を駆動することにより、一度白色の表示状態へと遷移した電気泳動装置の反射率が低下し、黒っぽい表示状態へ戻ってしまうことを防止し、電気泳動装置を所望の白色での表示状態に遷移させることができる。
また、時間t3は、画素電極110と対向電極120とを同電位にした後、電気泳動装置の反射率の上昇が停止するまでの時間であり、例えば電気泳動装置の製造工程などで予め計測しておくものである。ただし、電気泳動装置の反射率の上昇が完全に停止するまで待たずに、所望の反射率以上になった時点をもって時間t3を決定してもよい。すなわち、時間t3は、例えば当該電気泳動装置の反射率が、期待される最も高い反射率の99%や90%に達した時点に設定するなど、任意に決定されてよい。また、次回の表示更新(リフレッシュ)タイミングを時間t3とし、当該タイミングにおいて同じ白色の表示状態を保持すべき場合に、画素電極110をハイインピーダンス状態にしてもよい。
また、所望の反射率を達成するために、時間t2において駆動回路から画素電極110に対する電圧の印加を停止し、これによって画素電極110をハイインピーダンス状態にすることもできる。この場合、上記のような高い反射率ではなく、やや低めの反射率で電気泳動装置の表示状態を保持することが可能となる。
<(2)白色の表示状態の保持>
図7は、電気泳動装置を白色の表示状態で保持させるときの電極間の印加電圧の時間変化を第2の例を示す図である。この例は、図5を用いて説明した、電気泳動装置の画素領域の第1の動作例における、白色の表示状態の保持と同一の目的を達成するものであるが、その動作に違いがある。すなわち、本第2の動作例においては、図7に示すとおり、時間t0において画素電極110と対向電極120とを同電位にする代わりに、画素電極110をハイインピーダンス状態にすることで、電気泳動装置を白色の表示状態のまま保持する。
本実施形態における上記の駆動方法、または上記のように駆動可能に構成された駆動回路によれば、電気泳動装置を白色の表示状態に遷移させた後に、駆動回路から画素電極110に電位を与えるのを停止し、画素電極110をハイインピーダンス状態にする。これによって、電気泳動装置の表示における反射率の低下を防止し、白色での表示状態を保持することができる。
<4.電気泳動装置全体の構成例>
図8は、電気泳動装置の全体の構成例を示す図である。図8に示すように、電気泳動装置200は、画素領域210、走査線駆動回路220、データ線駆動回路230、対向電極制御回路240、及び駆動回路250を備えている。
本実施形態の画素領域210は複数の画素から構成されており、これらの画素は、基板100、画素電極110、対向電極120、透過性基板130、及び電気泳動素子140を含んで構成される。一方、画素領域210の周辺領域には、走査線駆動回路220、データ線駆動回路230、及び対向電極制御回路240が形成されている。また、画素領域210には、図示のX方向に沿って平行に複数本の走査線201が形成されている。また、これと直交するY方向に沿って平行に複数本のデータ線202が形成されている。そして、各画素は走査線201とデータ線202との交差に対応してマトリクス状に配列されている。
電気泳動装置200の周辺回路には、駆動回路250が設けられている。この駆動回路250は表示信号生成部及びタイミングジェネレーターを含んでいる。ここで、表示信号生成部は、画像信号及び対向電極制御信号を生成し、それぞれデータ線駆動回路230及び対向電極制御回路240に入力する。対向電極制御回路240は、対向電極に基準電圧としての0Vを供給する。また、タイミングジェネレーターは、リセット設定や画像信号が表示信号生成部から出力されるときに、走査線駆動回路220やデータ線駆動回路230を制御するための各種タイミング信号を生成する。
<5.電気泳動装置の具体的動作の例>
図9は、電気泳動装置の具体的動作の一例を示す第1の図である。図9に示すように、電気泳動装置200には「Check me」との表示がなされており、当該表示に下線を引く動作を例に挙げて説明する。
電気泳動装置200は、その装置表面に所定の強さで圧力を加えられると、その圧力を感知することが可能なタッチセンサーを含んでいる。電気泳動装置200に表示された「Check me」の文字に対して、書込装置400を用いて下線を引くような動作をさせると、タッチセンサーは書込装置400によって圧力を与えられた場所を感知し、その場所に関する情報を駆動回路250に送信する。駆動回路250は、この情報に基づいて、白色の表示状態から黒色の表示状態へと遷移させるべき部分を特定し、所望の表示にするための信号を走査線駆動回路220、及びデータ線駆動回路230に送信する。
図10は、電気泳動装置の具体的動作の一例を示す第2の図である。図10において、走査線駆動回路220は画素領域210のうち、その表示状態を遷移させるべき走査線201の1つを指定する。データ線駆動回路230は、この表示状態を遷移させるべき走査線201の1つにおけるそれぞれの画素電極110に所望の電圧を与える。本実施形態の例では、書込装置400によって圧力が加えられた「Check me」との表示の下線部分を白色から黒色の表示状態へと遷移させ、それ以外の部分は白色の表示状態のまま保持する必要がある。
したがって、データ線駆動回路230は、電気泳動装置200のうち、白色から黒色の表示状態に遷移させたい部分の画素電極110に、最初にHiの電圧(+10V)を与える。そして、データ線駆動回路230は、時間t1が経過した後に画素電極110に電圧を与えることを停止し、これによって画素電極110がハイインピーダンス状態となる。一方で、データ線駆動回路230は、電気泳動装置200のうち、白色の表示状態のまま保持したい部分の画素電極110に電圧を与えることを停止してハイインピーダンス状態にする。なお、走査線201の複数にわたって画素領域210の表示状態を遷移させる必要がある場合は、上記処理を必要な走査線201に対して繰り返す。
このようにすることで、図10の右に示すように、「Check me」の表示の下線部分についてのみ白色から黒色の表示状態へと遷移させ、それ以外の部分には白色の表示状態のまま保持することができる。
なお、白色の表示状態のまま保持したい部分の画素電極110に対向電極120と同電位である0Vを印加する代わりに、画素電極110に対向電極120と同電位である0Vを印可してもよい。このようにしても、白色の表示状態を保持することができる。
<6.電気泳動装置の利用例>
図11及び図12は、本実施形態の電気泳動装置を含む電子機器の具体例を示す図である。図11は、本実施形態の電気泳動装置200をタッチパネル型の表示装置500に適用した例である。図12は、本実施形態の電気泳動装置200を電子ブック600に適用した例である。電子ブック600は、電気泳動装置200、蓋部601、操作ボタン602、及び外枠部603を含んで構成される。当該電子ブック600は、電気泳動装置200にメモを書き込むことが可能である。
このように本実施形態の電気泳動装置200を備えることにより、例えば、その表示の一部を黒色の表示状態に遷移させたいときに、一度黒色の表示状態へと遷移した表示が、その後白っぽい表示状態へ戻ってしまうことを防止することなどが可能となる。これによって、表示装置500や電子ブック600などの電子機器を、所望の表示状態へ遷移させたり、所望の表示状態で保持させたりすることが可能となる。
<補足>
なお、本実施形態において、画素電極110をハイインピーダンスにすることを一例として説明した箇所については、対向電極120をハイインピーダンス状態にすることで代用することができる。すなわち、画素電極110に代え、対向電極120をハイインピーダンス状態にすることによっても同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、駆動回路は画素電極110及び対向電極120との少なくとも一方の電位を変化させることが可能に構成された例を挙げて説明した。この駆動回路による電圧の変化は必ずしも直接的になされる必要はなく、別の回路等を介して間接的になされてもよい。
また、本実施形態における画素電極110に与える電位を変化させる時間は、電気泳動装置における分散媒150の温度などの条件に応じて変化させてもよい。これは、分散媒150の温度が変化することで分散媒150の中での電気泳動粒子160及び170の流動しやすさに変化が生じるためである。分散媒150の温度は、直接分散媒150の温度を測定するほか、周辺温度を測定し、その周辺温度から推定する方法などでもよい。
100…基板、110…画素電極、120…対向電極、130…透過性基板、140…電気泳動素子、150…分散媒、160…第1の電気泳動粒子(黒色電気泳動粒子)、170…第2の電気泳動粒子(白色電気泳動粒子)、200…電気泳動装置、201…走査線、202…データ線、210…画素領域、220…走査線駆動回路、230…データ線駆動回路、240…対向電極制御回路、250…駆動回路、400…書込装置、500…表示装置、600…電子ブック、601…蓋部、602…操作ボタン、603…外枠部

Claims (11)

  1. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする
    電気泳動装置の駆動方法。
  2. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態に、または前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にする
    電気泳動装置の駆動方法。
  3. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする
    電気泳動装置の駆動方法。
  4. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に第2の電圧を印加し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第2の電圧を印加してから第2の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にし、
    前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にしてから第3の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする
    電気泳動装置の駆動方法。
  5. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置の駆動方法であって、
    前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にする、
    請求項4に記載の電気泳動装置の駆動方法。
  6. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、
    前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成された
    電気泳動装置の駆動回路。
  7. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、
    前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させた後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態に、または前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にするよう構成された
    電気泳動装置の駆動回路。
  8. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、
    前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に第1の電圧を印加し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第1の電圧を印加してから第1の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成された
    電気泳動装置の駆動回路。
  9. 第1の電極と第2の電極との間に、電気泳動粒子を介在させた電気泳動装置を駆動する駆動回路であって、
    前記電気泳動装置を前記電気泳動粒子の色による表示状態に遷移させる場合には、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に第2の電圧を印加し、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に前記第2の電圧を印加してから第2の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にし、
    前記第1の電極と前記第2の電極とを同電位にしてから第3の時間経過後に、前記第1の電極と前記第2の電極とのいずれか一方をハイインピーダンス状態にするよう構成された
    電気泳動装置の駆動回路。
  10. 第1の電極と、
    第2の電極と、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置された電気泳動粒子と、
    請求項6乃至9のいずれか1項に記載の駆動回路と、を備えた
    電気泳動装置。
  11. 請求項10に記載の電気泳動装置を含む電子機器。
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