JP2011164480A - 静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤 - Google Patents

静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤 Download PDF

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Abstract

【課題】被覆層が剥がれにくい静電潜像現像用キャリアを提供する。
【解決手段】芯材と、芯材を被覆し樹脂を含む被覆層と、を有し、樹脂の硬さが100N/mm以下であり、樹脂の戻り率が60%以上である、静電潜像現像用キャリアである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤に関する。
特許文献1では、コア粒子とコア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリアにおいて、樹脂被覆層がアクリル系樹脂等の被覆樹脂を含有し、被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率が特定の範囲とすることが開示されている。
また特許文献2では、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)とを含有するアクリル樹脂(A)とポリイソシアナートプレポリマー(C)を必須とし、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の含有比率、短側鎖ヒドロキシル基(a1)と長側鎖ヒドロキシル基(a2)の合計ヒドロキシル価、アクリル樹脂(A)とポリラクトンポリオール(B)の固形分割合、ポリイソシアナートプレポリマー(C)の配合量が、それぞれ特定範囲である塗料組成物が開示されている。
特開2008−040271公報 特開2007−031690公報
本発明の課題は、被覆層に含まれる樹脂の硬さ又は戻り率が下記範囲から外れる場合に比べて、被覆層が剥がれにくい静電潜像現像用キャリアを提供することである。
請求項1に係る発明は、
芯材と、
前記芯材を被覆し、樹脂を含む被覆層と、を有し、
前記樹脂の硬さが100N/mm以下であり、
前記樹脂の戻り率が60%以上である、静電潜像現像用キャリアである。
請求項2に係る発明は、
前記樹脂の硬さが20N/mm以下であり、前記樹脂の戻り率が70%以上である、請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアである。
請求項3に係る発明は、
前記樹脂は、ヒドロキシル基を有する炭素数10以上の側鎖を含むアクリル樹脂と、イソシアネートと、の重合体である、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用キャリアである。
請求項4に係る発明は、
前記樹脂は、ヒドロキシル基を有する側鎖を含むアクリル樹脂と、炭素数6以上のポリオールと、イソシアネートと、の重合体である、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用キャリアである。
請求項5に係る発明は、
前記樹脂は、フッ素原子を含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアである。
請求項6に係る発明は、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、トナーと、を有する静電潜像現像用現像剤である。
請求項1に係る発明によれば、被覆層に含まれる樹脂の硬さ又は戻り率が上記範囲から外れる場合に比べて、被覆層が剥がれにくい、という効果を奏する。
請求項2に係る発明によれば、被覆層に含まれる樹脂の硬さ又は戻り率が上記範囲から外れる場合に比べて、被覆層が剥がれにくい、という効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、炭素数10以上でありヒドリキシル基を有する側鎖をアクリル樹脂が含まない場合に比べて、被覆層が剥がれにくい、という効果を奏する。
請求項4に係る発明によれば、被覆層に含まれる樹脂が上記ポリオールを用いずに重合して得られたものである場合に比べて、被覆層が剥がれにくい、という効果を奏する。
請求項5に係る発明によれば、被覆層に含まれる樹脂がフッ素原子を含まない場合に比べて、キャリアの凝集が抑制される、という効果を奏する。
請求項6に係る発明によれば、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の硬さ又は戻り率が上記範囲から外れる場合に比べて、キャリアの被覆層が剥がることに起因する画質の劣化が抑制される、という効果を奏する。
樹脂の戻り率等の測定における荷重と押し込み深さとの関係を示すグラフの図である。
以下、本発明の静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像剤の実施形態について詳細に説明する。
[静電潜像現像用キャリア]
本実施形態に係る静電潜像現像用キャリア(以下、「キャリア」と称する場合がある)は、芯材と、芯材を被覆する被覆層と、を含む。また被覆層は、樹脂を含み、前記樹脂の硬さが100N/mm以下であり、前記樹脂の戻り率が60%以上である。
ここで、上記樹脂の戻り率とは、樹脂の自己修復性(応力によってできた歪みを応力の除荷時に復元する性質)を示す指標であり、以下のようにして求められる。
具体的には、測定装置としてフィッシャースコープHM2000(フィッシャー社製)を用い、ポリイミドフィルムに塗布し重合して形成したサンプル樹脂層を、スライドガラスに接着剤で固定し、上記測定装置にセットして測定を行う。
図1に、戻り率の測定における荷重(F)と押し込み深さ(h)との関係を示す。まず、サンプル樹脂層に室温(23℃)で0.5mNまで15秒間かけて荷重をかけていき(図1の点Aから点Bまでの矢印)0.5mNで5秒間保持する(図1の点Bから点Cまでの矢印)。その際の最大変位を「h1」とする。その後、15秒かけて0.005mNまで除荷していき(図1の点Cから点Dまでの矢印)、0.005mNで1分間保持する(図1の点Dから点Eまでの矢印)。そのときの変位(荷重をかける前の位置からの変位)を「h2」として、戻り率「(h1−h2)/h1」を計算する。
また、上記樹脂の硬さは、上記戻り率の測定に用いた測定装置を用い、最大荷重時の歪みから求める。具体的には、硬度(N/mm)=最大荷重/押し込み深さから求めた圧子の表面積=最大荷重(N)/(26.43×(押し込み深さ(mm)))で求められる。なお、上記最大荷重は0.0005Nである。また上記押し込み深さは、上記測定においてサンプル樹脂層に室温(23℃)で0.5mNまで15秒間かけて荷重をかけていった時点の変位「h0」(図1の点Bにおける押し込み深さ)である。
また、キャリアの表面層に含まれる樹脂の戻り率及び硬さを確認する場合は、例えば、測定対象のキャリアの被覆層に含まれる樹脂をH−NMR(核磁気共鳴)等によって分析し、同じ組成の樹脂のサンプル樹脂層を上記と同様の方法で形成し、測定を行う。
本実施形態のキャリアは上記構成であるため、被覆層に含まれる樹脂の硬さ又は戻り率が上記範囲から外れる場合に比べて、被覆層が剥がれにくい。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
従来のキャリアは、被覆層を剥がれにくくするために、硬い樹脂によって芯材を被覆したものが一般的であった。そのように、被覆層に含まれる樹脂が硬い(すなわち樹脂の硬さが上記範囲よりも大きい)場合は、樹脂が塑性変形しにくく、キャリアが受けた衝突のエネルギーが吸収されにくいため、衝撃に弱く、キャリアの被覆層に亀裂が生じやすいと考えられる。そして、キャリアの被覆層に亀裂が生じると、そこから被覆層が割れて、芯材から剥がれやすくなると考えられる。
一方、本実施形態では、従来に比べて軟らかい樹脂を被覆層に用いている。すなわち本実施形態のキャリアは、被覆層に含まれる樹脂の硬さが上記範囲であるため、上記範囲よりも大きい場合に比べ、例えば現像器中の撹拌によってキャリア同士が衝突しても、被覆層の樹脂が柔軟に塑性変形してエネルギーを吸収するため、被覆層が割れにくいと考えられる。
また、樹脂の硬さが上記範囲であっても、戻り率が上記範囲よりも小さい場合は、衝突エネルギーを吸収して樹脂が塑性変形することによって被覆層表面に生じた傷等が修復されにくい。そのため、さらに衝突エネルギーを受けると、修復されずに残った傷から亀裂が生じやすく、結果的に被覆層が割れやすくなることが考えられる。一方、本実施形態では、樹脂の硬さが上記範囲であることに加えて戻り率が上記範囲であるため、戻り率が上記範囲よりも小さい場合に比べ、樹脂の塑性変形によって生じた被覆層表面の傷が修復されやすい。そのため、さらに衝突エネルギーを受けたとしても、傷が修復された後にエネルギーを受けることになるため、再度樹脂の塑性変形によってエネルギーが吸収され、被覆層の割れが生じにくく、その結果被覆層が芯材から剥がれにくくなると推測される。
本実施形態のキャリアにおいては、被覆層に含まれる樹脂の硬さは、上記の通り100N/mm以下であり、20N/mm以下が好ましく、3N/mm以下がさらに好ましく、被覆層の剥がれにくさという観点においては低ければ低いほど好ましいが、現実的には1N/mm以上であると想定される。
本実施形態のキャリアにおいては、被覆層に含まれる樹脂の戻り率は、上記の通り60%以上であり、70%以上が好ましく、90%以上がさらに好ましく、被覆層の剥がれにくさという観点においては大きければ大きいほど好ましく、100%がもっとも理想的である。
本実施形態では、上記のように、被覆層に含まれる樹脂の硬さ及び戻り率が上記範囲であれば、特に樹脂の種類等は限定されないが、硬さ及び戻り率が上記範囲となる樹脂の具体例としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。
具体的には、例えば、ヒドロキシル基を有する炭素数10以上の側鎖(以下、「ヒドロキシル長側鎖」と称する場合がある)を含むアクリル樹脂と、イソシアネートと、を重合して得られた樹脂が挙げられる。
また、例えば、ヒドロキシル基を有する側鎖(以下、「ヒドロキシル側鎖」と称する場合がある)を含むアクリル樹脂と、炭素数6以上のポリオール(以下、「長鎖ポリオール」と称する場合がある)と、イソシアネートと、を重合して得られた樹脂も挙げられる。
以下、上記ヒドロキシル長側鎖等を重合して得られた樹脂、及び上記長鎖ポリオール等を重合して得られた樹脂を、「特定樹脂」と称する場合がある。
上記の特定樹脂は、アクリル樹脂の側鎖に含まれるヒドロキシル基や長鎖ポリオールに含まれるヒドロキシル基が、イソシアネートと反応してウレタン結合を形成することによって架橋され、炭素数の長い架橋部が形成されていると考えられる。ここで、架橋部とは、主鎖と主鎖をつなぐ部分を示し、例えば2つのヒドロキシル側鎖がイソシアネート及び長鎖ポリオールによって架橋されて架橋部が形成された場合、架橋に用いられたヒドロキシル側鎖、イソシアネート、及び長鎖ポリオールに由来する成分すべてが架橋部に含まれる。
すなわち、アクリル樹脂がヒドロキシル長側鎖を含む場合は、架橋部におけるヒドロキシル長側鎖に由来する成分の炭素数が長いため、結果的に架橋部全体の炭素数も長くなると考えられる。またアクリル樹脂に含まれるヒドロキシル側鎖の炭素数が10未満であっても、長鎖ポリオールを用いることで、架橋部の炭素数が長くなると考えられる。
このように、上記特定樹脂は、架橋部の炭素数が長いことにより硬さ及び戻り率が上記範囲内となるため、キャリアの被覆層に用いられると、被覆層が剥がれにくくなると推測される。
なお、上記ヒドロキシル長側鎖の炭素数としては、例えば10以上60以下の範囲が挙げられる。
また、長鎖ポリオール全体の炭素数として、例えば6以上が挙げられる。そして、長鎖ポリオールの1つのヒドロキシル基からもう1つのヒドロキシル基までをつなぐ鎖に含まれる炭素の数のうち最も多い炭素数(以下、「長鎖炭素数」と称する場合がある)としては、例えば6以上が挙げられる。長鎖炭素数としては、好ましくは20以上がよい。
特定樹脂は、上記の通り、少なくともヒドロキシル側鎖を含むアクリル樹脂とイソシアネートとを用いて重合して得られた樹脂であり、その架橋部にヒドロキシル長側鎖に由来する成分及び長鎖ポリオールに由来する成分の少なくとも一方が含まれるものであればよい。そして上記特定樹脂は、ヒドロキシル長側鎖に由来する成分と長鎖ポリオールに由来する成分との両方が架橋部に含まれるものであってもよい。
また本実施形態では、被覆層に含まれる樹脂がフッ素原子を含むことがよい。上記硬さ及び戻り率が上記範囲であり、かつフッ素原子を含む樹脂を被覆層に用いることにより、キャリアの表面層が剥がれにくいことに加えて汚染されにくいため、長期にわたって画質の良好な画像が形成される。また、キャリアの被覆層に含まれる樹脂がフッ素原子を含有すると、フッ素原子を含有しない場合に比べ、キャリアの凝集が抑制され、またキャリアの凝集に起因する画像濃度の低下が抑制される。画像濃度の低下が抑制される理由は定かではないが、キャリアの凝集に起因するトナーとの接触確率の低下が抑制されるためであると推測される。
以下、本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアを構成する材料や、その製造方法等について詳細に説明する。
<被覆層>
(特定樹脂)
被覆層に含まれる樹脂の一例として、上記特定樹脂について説明する。
上記特定樹脂は、上記の通り、少なくともヒドロキシル側鎖を含むアクリル樹脂とイソシアネートとを用いて重合して得られた樹脂であり、その架橋部にヒドロキシル長側鎖に由来する成分及び長鎖ポリオールに由来する成分の少なくとも一方が含まれている。
−アクリル樹脂−
上記特定樹脂の重合に用いられるアクリル樹脂は、少なくともヒドロキシル側鎖を有する。また長鎖ポリオールを用いない場合はヒドロキシル長側鎖を有するアクリル樹脂を用いる必要がある。
前記アクリル樹脂の製造には、少なくともヒドロキシル基を有するモノマー及びカルボキシ基を有するモノマーの少なくとも一種が用いられ、その他にヒドロキシル基を有さないモノマーがさらに用いられてもよい。
上記ヒドロキシル基を有するモノマーとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミン等のヒドロキシ基を有するエチレン性モノマー等が挙げられる。
また、カルボキシ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のカルボキシ基を有するエチレン性モノマーが挙げられる。
さらに、ヒドロキシル基を有さないモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等のエチレン性モノマーが挙げられる。
ヒドロキシル長側鎖を有するアクリル樹脂を製造する場合に用いるモノマーとしては、例えば、3モル以上5モル以下のε−カプロラクトンを1モルの(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルに付加したもの等が挙げられる。
アクリル樹脂に含まれるヒドロキシル側鎖全体に対する、ヒドロキシル長側鎖の割合が多いほど、樹脂の硬さの値が低くなり、戻り率の値が高くなる傾向にある。前記ヒドロキシル長側鎖の割合としては、例えば長鎖ポリオールを用いない場合は30モル%以上の範囲が挙げられ、好ましくは50モル%以上あってもよい。また、長鎖ポリオールを用いる場合は、上記ヒドロキシル長側鎖はなくてもよい。
また、アクリル樹脂に含まれるヒドロキシル側鎖及びヒドロキシル基を有さない側鎖全体に対する、ヒドロキシル側鎖の割合としては、例えば10モル%以上80モル%以下の範囲が挙げられる。
また、上記アクリル樹脂はフッ素原子を含有してもよい。フッ素原子を含有するアクリル樹脂としては、モノマーとして、2−(パーフルオロブチル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、パーフルオロヘキシルエチレン等を更に重合させて得られた共重合体が挙げられる。
上記フッ素原子を含有するモノマーの含有量としては、前記アクリル樹脂の合成に用いる全モノマーに対して0.1以上0.7以下(モル比)であることが好ましく、0.2以上0.5以下(モル比)であることがより好ましい。
上記アクリル樹脂の合成方法としては、例えば、前述のモノマーを混合し、通常のラジカル重合やイオン重合等を行った後、精製する方法等が挙げられる。
また上記アクリル樹脂は、1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。
−長鎖ポリオール−
前記長鎖ポリオールとしては、炭素数6以上のポリオールであれば特に制限はないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物に代表される2官能ポリカプロラクトンジオール類、下記一般式(2)で表される化合物に代表される3官能ポリカプロラクトントリオール類、その他4官能ポリカプロラクトンポリオール等が挙げられる。長鎖ポリオールは1種のみでもよいし2種以上であってもよい。
(式(1)中、Rは、C、COC、C(CH(CHのいずれかであり、mおよびnは4以上35以下の整数である。)
(式(2)中、Rは、CHCHCH、CHC(CH、CHCHC(CHのいずれかであり、l+m+nは3以上30以下の整数である。)
また、上記長鎖ポリオールはフッ素原子を含有してもよい。フッ素原子を含有する長鎖ポリオールとしては、1H,1H,9H,9H−Perfluoro−1,9−nonanediol,Fluorinated tetraethylene glycol,1H,1H,8H,8H−Perfluoro−1,8−octanediol等が挙げられる。
上記フッ素原子を含有する長鎖ポリオールの含有量としては、例えば、前記アクリル樹脂が有するヒドロキシル基のモル数に対する、添加するフッ化ポリオール(長鎖ポリオール)中のヒドロキシル基のモル数の比が、0.1倍以上10倍以下である範囲が挙げられる。
前記長鎖ポリオールの官能基数(すなわち、長鎖ポリオール1分子中に含まれるヒドロキシル基の数)としては、例えば2から5の範囲が挙げられ、2から3の範囲が好ましい。
尚、前記重合する全アクリル樹脂中のヒドロキシル基のモル数(A)と、それに添加して重合する全長鎖ポリオール中のヒドロキシル基のモル数(B)の比((B)/(A))は、大きいほど、樹脂の硬さの値が低くなり、戻り率の値が高くなる傾向にある。具体的には、例えば、(B)/(A)=0.1以上10以下(モル比)の範囲が挙げられ、(B)/(A)=1以上4以下(モル比)の範囲が好ましい。
−イソシアネート−
前記イソシアネートは、前記アクリル樹脂と前記長鎖ポリオール、アクリル樹脂同士、又は長鎖ポリオール同士を架橋する架橋剤として機能する。またイソシアネートは、1分子中にイソシアネート基を2以上有するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、メチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。またイソシアネートがフッ素原子を含んでもよい。そして、用いられるイソシアネートは1種のみであってもよいし2種以上であってもよい。
尚、上記イソシアネートの含有量としては、用いられるイソシアネート基のモル数(C)が、前記アクリル樹脂のヒドロキシル基のモル数(A)と前記ポリオールのヒドロキシル基のモル数(B)との合計モル数((A)+(B))に対し、0.5倍量以上3倍量以下であることが好ましい。
(導電剤)
導電剤は、例えばキャリアの抵抗値を調整する目的で、必要に応じて用いられるものであり、例えば被覆層に含まれる樹脂中に分散させて用いられる。
また導電剤は、上記被覆層とは別の層に用いられてもよい。被覆層とは別の層に用いられる形態としては、例えば、芯材を導電剤で被覆して導電剤層を形成した後に、被覆層を形成する形態が挙げられる。導電剤層を形成する形態において被覆層中に導電剤を含んでもよいが、上記導電剤層の形成によって目的の抵抗値が得られれば、被覆層中に導電剤が含まれていなくてもよい。
上記導電剤として用いられる材料としては、具体的には、例えば、金属(例えば金、銀、銅)、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等が挙げられる。
また導電剤として、金属ナノ粒子を用いてもよい。金属ナノ粒子は、1つの粒子の大きさがnmオーダーの金属粒子であり、この金属粒子としては、金属(合金を含む)または金属酸化物による粒子が挙げられる。
上記金属ナノ粒子の材料としては、例えば、周期律表の8族、9族、10族、11族、12族、13族、14族および15族から選択される1種以上の単体、合金、または酸化物が挙げられ、Au、Ag、Cu、Pt、Ni、Alの金属や、Au、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、Sn、Bi、Zn、Fe、Coの中から選択される二種以上の金属からなる合金や、Ag、Cu、Pt、Ni、Al、Sn、Bi、Zn、Fe、Coの中から選択される金属の酸化物が挙げられる。また、上記金属、合金、または金属酸化物に、Ga,Al,Tb,Nb等をドープ(添加)したものが挙げられる。
金属ナノ粒子の平均粒径は、例えば、投影面積における直径で表した場合の平均粒径として2nm以上1000nm以下、または2nm以上500nm以下が挙げられる。金属ナノ粒子の粒径は、カーボン膜を貼り付けたCuメッシュに希釈した金属ナノ粒子を載せて乾燥させ、透過型電子顕微鏡(TEM:例えば日本電子製1200EX)で撮影したネガを粒径測定器(例えばカールツァイス製KS−300)で測定される算術平均で示される。
金属ナノ粒子の合成法としては、例えば、(1)1級アルコールを用いるアルコール還元法、(2)2級、3級、2価または3価のアルコールを用いるポリオール還元法、(3)熱分解法、(4)超音波分解法、(5)強力還元剤還元法、(6)水素還元法などが用いられる。また、反応系で分類すると、(7)高分子存在法、(8)高沸点溶媒法、(9)正常ミセル法、(10)逆ミセル法、などが挙げられる。具体的には、高分子存在下でのポリオール還元、高分子存在下での強力還元剤還元、逆ミセル中での強力還元剤還元、高沸点溶媒中でのアルコールまたは水素還元、などが挙げられる。
金属ナノ粒子の導電剤層を芯材に直接設ける方法としては、例えば湿式合成法が挙げられ、具体的には、例えば、金属ナノ粒子の溶剤への分散液と芯材とを真空脱気型ニーダーに入れて、加熱攪拌した後に、減圧して溶剤を留去することで、金属ナノ粒子による層によって被覆された磁性粒子である被覆粒子を得て、さらに、この被覆粒子を真空焼却炉において100℃以上1300℃以下で0.5時間以上24時間以下焼成処理することによって、金属ナノ粒子を芯材の表面で焼結させる方法が挙げられる。
(被覆層の形成)
被覆層を形成する方法としては、例えば、上記樹脂の原料及び被覆層に含有させるその他の成分(導電剤等)を混合した溶液(被覆層形成用塗布液)を、芯材(又は導電剤層が形成された芯材)に付着させ、加熱する方法等が挙げられる。
例えば、被覆層に含まれる上記樹脂として上記特定樹脂を用いる場合、被覆層形成用塗布液として、上記アクリル樹脂、上記イソシアネート、必要に応じて上記長鎖ポリオール、及び被覆層に含有させるその他の成分を混合した溶液を用いる。そして、芯材等の表面に被覆層形成用塗布液を付着させた後、85℃で60分加熱し、130℃で0.5時間加熱することにより、樹脂を硬化させ、被覆層を形成する。
なお、芯材表面に上記被覆層形成用塗布液を付着させる方法は特に限定されず、具体的には、例えば、芯材を被覆層形成用塗布液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用塗布液を芯材の表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用塗布液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で芯材と被覆層形成用塗布液とを混合し溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
被覆層に上記樹脂以外の成分が含まれる場合、被覆層中における上記樹脂の含有量としては、例えば89質量%以上99.9質量%以下の範囲が挙げられる。
また被覆層の膜厚としては、例えば1μm以上2μm以下の範囲が挙げられ、0.1μm以上5μm以下の範囲であってもよい。
<芯材>
芯材は、特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、鉄、鋼、ニッケル、若しくはコバルト等の磁性金属粒子、これらの磁性金属とマンガン、クロム、若しくは希土類等との合金、フェライト若しくはマグネタイト等の磁性酸化物粒子、又は磁性粒子とバインダー樹脂とを含む磁性粒子分散型の芯材等が挙げられる。
また上記フェライトとしては、例えば、Mn、Ca、Li、Mg、Cu、Zn、Srなどの金属との混合物が挙げられる。
芯材の体積電気抵抗としては、例えば、1×10Ω・cm以上1×1010Ω・cm以下の範囲が挙げられる。
なお、上記体積電気抵抗は、以下の方法で測定した値をいう。中温中湿下(温度20℃、湿度50%RH)で、芯材を2×10−4の断面積を有する容器に厚み1mmになるように充填し、その後、充填した芯材に、金属製部材により、1×10kg/mの荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に10V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下、30μm以上150μm以下、及び30μm以上100μm以下が挙げられる。
なお、この体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
[静電潜像現像用現像剤]
次に本実施形態の静電潜像現像用現像剤(以下、「現像剤」と称す場合がある)について説明する。本実施形態の現像剤は、上記キャリアと、トナーと、を含むものである。
ここで、トナーとキャリアとの混合比(質量比)としては、例えば、トナー:キャリア=1:100から20:100程度の範囲、3:100から15:100程度の範囲が挙げられる。
トナーとしては、公知のものが利用され、その製造方法も特に限定されるものではない。トナーの製造方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤に加え、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と着色剤、離型剤また必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤また必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用される。また上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法が使用される。これらの方法の中でも、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が良く、乳化重合凝集法が特に良い。
トナーは、結着樹脂と着色剤とを含み、更に離型剤を含むことが良く、また、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。なお、トナーの体積平均粒径としては、2μm以上12μm以下や、3μm以上9μm以下が挙げられる。
なお、トナーの体積平均粒径は、LS−Particle−Size−Analyzer(COULTER社)を用い、体積粒度分布に対し小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径として求めたものである。
上記結着樹脂としては、例えば、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体が例示される。特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が挙げられる。
また、着色剤としては、例えば、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が挙げられる。
離型剤としては、例えば、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等が挙げられる。
また、トナーには必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものが使用される。帯電制御剤としては、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤が挙げられる。なお、湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが良い。
本実施の形態で用いられるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーであってもよく、磁性材料を含有しない非磁性トナーであってもよい。
トナーには種々の目的で外添剤粒子を外添しても良い。例えば、付着力低減や帯電制御のため、体積平均粒径が20nm以上300nm以下の無機酸化物を添加してもよい。これらの無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、メタチタン酸、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化クロム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の粒子が挙げられる。
トナーが外添剤を含む場合は、トナー粒子および外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって、トナーが製造される。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添してもよい。
[画像形成方法]
本実施形態における現像剤は、公知の電子写真方式の画像形成方法を用いる画像形成装置で用いられる。
公知の電子写真方式の画像形成方法としては、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電された像保持体の表面を露光して潜像を形成する潜像形成工程と、本実施の形態の現像剤によって、像保持体表面に形成された潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、像保持体表面に形成されたトナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、記録媒体表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、転写工程を終えた後の像保持体表面に付着した付着物を除去する除去工程とを含むものが挙げられる。
本実施形態の現像剤に含まれるキャリアは、上述のように、被覆層に含まれる樹脂の硬さ及び戻り率が上記範囲である。よって本実施の形態のキャリアは、被覆層の剥がれが抑制された構成であることから、電子写真方式の画像形成装置においてを用いた場合には、キャリアから剥がれた樹脂層がトナーと共に像保持体側へ供給されて、各種機器を介して記録媒体上に転写されることが抑制される。このため、画質劣化が抑制される。
以下、本発明の実施例を具体的に挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
[実施例1]
(特定樹脂A1の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーA1の合成>
ヒドロキシル基を有し炭素数3のヒドロキシル側鎖を形成するモノマーであるヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)91.0部と、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマーであるプラクセルFM3(ダイセル化学社製、化合物名:ラクトン変性メタアクリレート)660.8部と、ノルマルブチルメタクリレート(nBMA)298.2部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA1を合成した。
<樹脂層サンプルA1(特定樹脂A1)の形成>
下記A1液に下記C1液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルA1を得た。
・A1液(上記アクリル樹脂プレポリマーA1の溶液、濃度44.2質量%):11.5部
・C1液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートV3000):21.7部
得られた樹脂層サンプルA1の測定を行ったところ、特定樹脂A1の硬さは18N/mmであり、弾性率は24%、戻り率は80%であった。
なお上記弾性率は、上記戻り率の測定によって得られた荷重変位曲線(図1)から、以下のようにして求められる値であり、以下同様である。具体的には、図1で示される点ABCDEFで囲まれた面積に相当する仕事量を「Welastic」とし、点CDEFGで囲まれた面積に相当する仕事量を「Wplastic」とすると、弾性率は、「Welastic/(仕事Wplastic+仕事Welastic)」で表される。
(キャリアA1の製造)
以下のようにして、上記特定樹脂A1を含む被覆層を有するキャリアA1を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、VXC72)を用い、上記A1液と上記C1液とを上記割合で混合した混合溶液に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の40%であった。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアA1の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれが僅かに観察されたが、許容範囲のレベルであった。
[実施例2]
(特定樹脂A2の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーA2の合成>
ヒドロキシル基を有し炭素数3のヒドロキシル側鎖を形成するモノマーであるヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)91.0部と、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマーであるプラクセルFM3(ダイセル化学社製、化合物名:ラクトン変性メタアクリレート)660.8部と、ノルマルブチルメタクリレート(nBMA)298.2部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA2を合成した。
<樹脂層サンプルA2(特定樹脂A2)の形成>
下記A2液に下記C2液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルA2を得た。
・A2液(上記アクリル樹脂プレポリマーA2の溶液、濃度44.2質量%):111.5部
・C2液(イソシアネート、旭化成ケミカルズ社製、デュラネートMHG80B):36.2部
得られた樹脂層サンプルA2の測定を行ったところ、特定樹脂A2の硬さは19N/mmであり、弾性率は25%、戻り率は70%であった。
(キャリアA2の製造)
以下のようにして、上記特定樹脂A2を含む被覆層を有するキャリアA2を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、VXC72)を用い、上記A2液と上記C2液とを上記割合で混合した混合溶液に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。さらに製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の51%であった。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアA2の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれが僅かに観察されたが、許容範囲のレベルであった。
[実施例3]
(特定樹脂A3の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーA3の合成>
ブチルメタクリレート(BMA、ヒドロキシル基を有さないモノマー)342.1部と、プラクセルFM3(ダイセル化学社製、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマー)1242.1部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA3を合成した。
<樹脂層サンプルA3(特定樹脂A3)の形成>
下記A3液と下記B3液とを、下記の割合で混合したのち、下記C3液をさらに加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルA3を得た。
・A3液(上記アクリル樹脂プレポリマーA3の溶液、濃度44.2質量%):113.1部
・B3液(プラクセル312、ダイセル化学工業社製、長鎖ポリオールである長鎖炭素数42のポリカプロラクタントリオール):103.5部
・C3液(デュラネートTKA100、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):138.2部
なお、アクリル樹脂プレポリマーA3が有するヒドロキシル基に対する、長鎖ポリオールが有するヒドロキシル基のモル比は、0.5倍であった。
得られた樹脂層サンプルA3の測定を行ったところ、特定樹脂A3の硬さは2.3N/mmであり、弾性率は86.5%、戻り率は94.1%であった。
(キャリアA3の製造)
以下のようにして、上記特定樹脂A3を含む被覆層を有するキャリアA3を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、VXC72)を用い、上記A3液と上記B3液と上記C3液とを上記割合で混合した混合溶液に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。さらに製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の48%であった。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアA3の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれがほとんど観察されなかった。
[実施例4]
(特定樹脂A4の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーA4の合成>
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)95.3部と、プラクセルFM3(ダイセル化学社製)を692.0部と、FAMAC6(ユニマテック株式会社製、化合物名:2−(パーフルオロヘキシル)エチルメタクリレート、フッ素原子含有)を950.0部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーA4を合成した。
<樹脂層サンプルA4(特定樹脂A4)の形成>
下記A4液に下記C4液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルA4を得た。
・A4液(上記アクリル樹脂プレポリマーA4の溶液、濃度44.2質量%):113.1部
・C4液(デュラネートK6000(TKA100のブロック剤)、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):72部
得られた樹脂層サンプルA4の測定を行ったところ、特定樹脂A4の硬さは99N/mmであり、弾性率は76%、戻り率は91%であった。
(キャリアA4の製造)
以下のようにして、上記特定樹脂A4を含む被覆層を有するキャリアA4を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、VXC72)を用い、上記A4液と上記C4液とを上記割合で混合した混合溶液に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。さらに製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の90%であった。実施例1から実施例3までと比べて、キャリアの凝集が抑制されたため、メッシュを通る割合が多くなったものと思われる。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアA4の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれが僅かに観察されたが、許容範囲のレベルであった。
[比較例1]
(その他の樹脂B1の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーB1の合成>
ブチルメタクリレート(BMA、ヒドロキシル基を有さないモノマー)313.2部と、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、ヒドロキシル基を有し炭素数3のヒドロキシル側鎖を形成するモノマー)313.2部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーB1を合成した。
<樹脂層サンプルB1(その他の樹脂B1)の形成>
下記A5液に下記C5液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルB1を得た。
・A5液(上記アクリル樹脂プレポリマーB1の溶液、濃度44.2質量%):111.5部
・C5液(デュラネートTKA100、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):45.3部
得られた樹脂層サンプルB1の測定を行ったところ、その他の樹脂B1の硬さは155N/mmであり、弾性率は50%、戻り率は60%であった。
(キャリアB1の製造)
以下のようにして、上記その他の樹脂B1を含む被覆層を有するキャリアB1を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、VXC72)を用い、上記A5液と上記C5液とを上記割合で混合した混合溶液に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の40%であった。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアB1の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれが観察され、許容範囲を超えていた。
[比較例2]
(その他の樹脂B2の合成)
<樹脂層サンプルB2(その他の樹脂B2)の形成>
以下のようにして、樹脂層サンプルB2を形成した。具体的には、シクロヘキシルメタクリレートとメタクリレートとの共重合体樹脂液(濃度15質量%)100部をとり、それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルB2を得た。
得られた樹脂層サンプルB2の測定を行ったところ、その他の樹脂B2の硬さは215N/mmであり、弾性率は52%、戻り率は49%であった。
(キャリアB2の製造)
以下のようにして、上記その他の樹脂B2を含む被覆層を有するキャリアB2を製造した。
芯材としてMn−Mg−Srフェライト粒子(体積平均粒径:35μm)を用い、導電剤としてカーボンブラック粒子(キャボット社製、)を用い、上記シクロヘキシルメタクリレートとメタクリレートとの共重合体樹脂液100部に、芯材を500部と導電剤を1.4部加え、真空脱気型ニーダーに入れ、70℃に加熱しながら30分間攪拌し、その後、130℃に上昇させ、さらに30分間攪拌し、減圧しながら攪拌して溶剤を除去した。製造した試料を75μm目開きメッシュにて篩分することによって、キャリアを得た。篩分によって得られたキャリアの質量は、篩分前の質量の98%であった。なお、キャリアの被覆層に含まれる樹脂の含有量は99.7質量%である。
(キャリアB2の評価)
得られたキャリア2gとジルコニアビーズ20gとをポッドにいれ、ボールミリングで6時間の加速を行い、ミリング前のキャリアとミリング後のキャリアについてSEM(走査型電子顕微鏡)による観察を行った。
その結果、被覆層の剥がれが顕著に観察され、許容範囲を超えていた。
[現像剤の評価]
以上のようにして得られたキャリアを100重量部と、トナー(富士ゼロックス社製、商品名A−Color935用マジェンタトナー,平均粒径8μm)を6質量部と、を混合して現像剤を調整した。
電子写真複写機(A−Color935、富士ゼロックス(株)製)により、上記調整した現像剤を用いて、中温中湿(26℃,55%RH)の環境下で画像面積率5%の画像を、A4用紙(210×297mm、富士ゼロックス社製、普通紙)に連続100000枚形成するテストを実施し、100000枚目に形成された画像を目視で観察して画質の評価を行った。
実施例1から実施例4までにおいて作製したキャリア(キャリアA1からキャリアA4)を用いた画像は、比較例1及び比較例2で作製したキャリア(キャリアB1及びキャリアB2)を用いた画像に比べて、キャリアコート剥がれによる画質欠陥やハーフトーンにおける色相悪化が抑制され、画質が良好であった。
特に実施例4においては、実施例1から実施例3までと比べて、形成された画像における画像濃度の低下が抑制されていた。
以上のように、実施例では、比較例に比べ、キャリアの被覆層の剥がれが抑制され、良好な画質が形成されることがわかる。
[参考例]
(特定樹脂C1の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーC1の合成>
ブチルメタクリレート(BMA、ヒドロキシル基を有さないモノマー)313.2部と、プラクセルFM3(ダイセル化学社製、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマー)313.2部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーC1を合成した。
<樹脂層サンプルC1(特定樹脂C1)の形成>
下記A6液に下記C6液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルC1を得た。
・A6液(上記アクリル樹脂プレポリマーC1の溶液、濃度44.2質量%):113.1部
・C6液(デュラネートTKA100、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):20.7部
得られた樹脂層サンプルC1の測定を行ったところ、特定樹脂C1の硬さは2N/mmであり、弾性率は95%、戻り率は95%であった。よって、特定樹脂C1を用いて被覆層を形成したキャリアは、上記実施例と同様に、上記比較例のキャリアに比べて被覆層の剥がれが抑制されるものと考えられる。
(特定樹脂C2の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーC2の合成>
ブチルメタクリレート(BMA、ヒドロキシル基を有さないモノマー)313.2部と、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、ヒドロキシル基を有し炭素数3のヒドロキシル側鎖を形成するモノマー)104.4部と、プラクセルFM3(ダイセル化学社製、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマー)208.8部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーC2を合成した。
<樹脂層サンプルC2(特定樹脂C2)の形成>
下記A7液に下記C7液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルC2を得た。
・A7液(上記アクリル樹脂プレポリマーC2の溶液、濃度44.2質量%):113.1部
・C7液(デュラネートTKA100、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):25.5部
得られた樹脂層サンプルC2の測定を行ったところ、特定樹脂C2の硬さは2N/mmであり、弾性率は75%、戻り率は95%であった。よって、特定樹脂C2を用いて被覆層を形成したキャリアは、上記実施例と同様に、上記比較例のキャリアに比べて被覆層の剥がれが抑制されるものと考えられる。
(特定樹脂C3の合成)
<アクリル樹脂プレポリマーC3の合成>
ブチルメタクリレート(BMA、ヒドロキシル基を有さないモノマー)313.2部と、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA、ヒドロキシル基を有し炭素数3のヒドロキシル側鎖を形成するモノマー)208.8部と、プラクセルFM3(ダイセル化学社製、ヒドロキシル基を有し炭素数21のヒドロキシル長側鎖を形成するモノマー)104.4部と、重合開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)27部と、酢酸ブチル60部と、からなるモノマー溶液を滴下ロートに入れ、窒素還流下で110℃に昇温した酢酸ブチル300部中に、攪拌下3時間かけて滴下し重合した。さらに酢酸ブチル135部とBPO3部とからなる液を1時間かけて滴下し、反応を簡潔させた。尚、反応中は110℃に保持して攪拌し続けた。こうしてアクリル樹脂プレポリマーC3を合成した。
<樹脂層サンプルC3(特定樹脂C3)の形成>
下記A8液に下記C8液を加え10分間減圧下で脱泡した。それを90μm厚のポリイミドフィルムにキャストして、85℃で1時間、さらに130℃で30分硬化して40μmの膜厚の樹脂層サンプルC3を得た。
・A8液(上記アクリル樹脂プレポリマーC3の溶液、濃度44.2質量%):113.1部
・C8液(デュラネートTKA100、旭化成ケミカルズ社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのポリイソシアヌレート体):32.2部
得られた樹脂層サンプルC3の測定を行ったところ、特定樹脂C3の硬さは100N/mmであり、弾性率は45%、戻り率は60%であった。よって、特定樹脂C3を用いて被覆層を形成したキャリアは、上記実施例と同様に、上記比較例のキャリアに比べて被覆層の剥がれが抑制されるものと考えられる。

Claims (6)

  1. 芯材と、
    前記芯材を被覆し、樹脂を含む被覆層と、を有し、
    前記樹脂の硬さが100N/mm以下であり、
    前記樹脂の戻り率が60%以上である、静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記樹脂の硬さが20N/mm以下であり、前記樹脂の戻り率が70%以上である、請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記樹脂は、ヒドロキシル基を有する炭素数10以上の側鎖を含むアクリル樹脂と、イソシアネートと、の重合体である、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記樹脂は、ヒドロキシル基を有する側鎖を含むアクリル樹脂と、炭素数6以上のポリオールと、イソシアネートと、の重合体である、請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記樹脂は、フッ素原子を含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、トナーと、を有する静電潜像現像用現像剤。
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