JP2011152814A - ハイブリッド車両用駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ室とギヤ室間で優先的に潤滑油を配分することができるハイブリッド車両用駆動装置を提供する。
【解決手段】エンジン6と、モータ7と、該エンジン6と該モータ7に連結される変速機20と、モータ7を収容するモータ室85と、変速機20を収容するギヤ室86と、モータ室85とギヤ室86を隔てる隔壁87とを有するケース80と、を備えるハイブリッド車両用駆動装置1であって、ギヤ室86に貯留する潤滑油を少なくともモータ室85とギヤ室86間で循環させるオイルポンプ68と、潤滑油の油温を検出する油温センサー94と、を備え、隔壁87には、モータ室85とギヤ室86間を連通する連通孔89にソレノイドバルブ90が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド車両用駆動装置に関する。
ハイブリッド車両用駆動装置は、エンジンからの動力またはモータからの動力を選択的に、場合によってはこれら双方を車輪に伝達するように構成される。
ここでハイブリッド車両用駆動装置に組み込まれるモータは、ロータ軸に回転結合されたロータおよびその外周に配置された電磁コイルにより構成され、かかるモータからの回転を減速機構により減速して出力するように構成される。ところで減速機構は歯車組で構成するのが普通であるから潤滑が必要であり、また、モータは、駆動中に電磁コイルから発熱するのを免れず、モータの冷却が不可欠である。そのためモータと減速機構とは、隔壁により相互に隔絶された個々の室内に動力伝達可能に収納される。
特許文献1には、モータ101と、当該モータ101からの回転を減速して出力する減速機構(不図示)と、モータ101および減速機構を収容するケース102とを有するハイブリッド車両用駆動装置100が開示されている。このハイブリッド車両用駆動装置100においては、モータ101がケース102内のモータ室103に収納され、減速機構がケース102内のギヤ室104に収納され、モータ室103とギヤ室104とは隔壁105によって隔てられている。そして、減速機構の潤滑油がモータ室103に供給され、当該潤滑油によってモータ101の電磁コイルの冷却が行われる。また、隔壁105には、モータ室103内のオイルレベルが設定レベルを超えるとき余剰油をギヤ室に向けて流出させるための逆止弁106付の連通孔107が形成されている。ここで、上記オイルレベルは、モータ室103内の潤滑油でモータ101の攪拌損失が増大するという問題を回避するため、モータ101のロータの下端よりも低いレベルに設定されている。
特開2003−169448号公報
しかしながら、潤滑油の温度(以下、油温とも呼ぶ。)によっては、潤滑油量に関わらずモータ室103からギヤ室104に潤滑油を供給したい場合もある。また、ギヤ室104からモータ室103に潤滑油を供給した方が都合のよい場合もある。特許文献1に記載の車両用駆動装置では、隔壁105に形成された連通孔107でモータ室103とギヤ室104を連通させるため、貯留した潤滑油の潤滑油量でしか制御することができず、油温に応じてモータ室103とギヤ室104間で優先的に潤滑油を配分することができなかった。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、モータ室とギヤ室間で優先的に潤滑油を配分することができるハイブリッド車両用駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
エンジン(例えば、後述の実施形態のエンジン6)と、
モータ(例えば、後述の実施形態のモータ7)と、
該エンジンと該モータに連結される減速機構(例えば、後述の実施形態の変速機20)と、
前記モータを収容するモータ室(例えば、後述の実施形態のモータ室85)と、前記減速機構を収容するギヤ室(例えば、後述の実施形態のギヤ室86)と、前記モータ室と前記ギヤ室を隔てる隔壁(例えば、後述の実施形態の隔壁87)とを有するケース(例えば、後述の実施形態のケース80)と、を備えるハイブリッド車両用駆動装置(例えば、後述の実施形態のハイブリッド車両用駆動装置1)であって、
前記ギヤ室に貯留する潤滑油を少なくとも前記モータ室と前記ギヤ室間で循環させるオイルポンプ(例えば、後述の実施形態のオイルポンプ68)と、
潤滑油の油温を検出する油温センサー(例えば、後述の実施形態の油温センサー94)と、を備え、
前記隔壁には、前記モータ室と前記ギヤ室間を連通する連通部(例えば、後述の実施形態の連通孔89)にソレノイドバルブ(例えば、後述の実施形態のソレノイドバルブ90)が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、
前記オイルポンプは、前記ギヤ室から潤滑油を汲み上げる潤滑油路(例えば、後述の実施形態の潤滑油路95)に接続されるとともに、前記ギヤ室と前記モータ室に潤滑油を供給するフィードパイプ(例えば、後述の実施形態のフィードパイプ92)に接続され、
前記フィードパイプには、前記ギヤ室側から前記モータ室側への潤滑油の流れを遮断可能なサーモスタット(例えば、後述の実施形態のサーモスタット93)が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、
前記油温センサーで検出した潤滑油の温度に応じて、前記ソレノイドバルブの開閉状態を制御し、前記モータ室と前記ギヤ室への潤滑油の配分を調整することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記減速機構は、第1断接手段(例えば、後述の実施形態の第1クラッチ41)を介して前記エンジンに連結されるとともに前記モータに連結され第1同期装置(例えば、後述の実施形態の第1変速用シフター51)により複数のギヤ(例えば、後述の実施形態の第3速用駆動ギヤ23a、第5速用駆動ギヤ25a)を選択可能な第1変速部(例えば、後述の実施形態の第1主軸11)と、第2断接手段(例えば、後述の実施形態の第2クラッチ42)を介して前記エンジンに連結され第2同期装置(例えば、後述の実施形態の第2変速用シフター52)により複数のギヤ(例えば、後述の実施形態の第2速用駆動ギヤ22a、第4速用駆動ギヤ24a)を選択可能な第2変速部(例えば、後述の実施形態の第2中間軸16)と、を備え、前記オイルポンプは前記第1変速部に連結されることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記モータが駆動できない極低温状態においては、前記ソレノイドバルブを閉じることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明の構成に加えて、
前記極低温状態から前記ギヤ室内で潤滑油を循環させることにより潤滑油の温度が所定温度まで上昇した後、前記ソレノイドバルブを開くことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
前記サーモスタットは、前記モータの可動領域で前記ギヤ室側から前記モータ室側への潤滑油の流れを許容するように設定され、
前記モータの可動領域においては、前記ソレノイドバルブをPWM制御することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明の構成に加えて、
潤滑油の温度を下げる場合には、前記ソレノイドバルブを開くことを特徴とする。
請求項1のハイブリッド車両用駆動装置によれば、モータ室とギヤ室間で潤滑油の貯留量に関わらず優先的に潤滑油を配分することができ、これにより適切な潤滑を行ないつつ、迅速に潤滑油の温度を所望の温度まで上昇又は降下させることができる。また、潤滑油の温度を早く上げることで潤滑油がフリクションとなることを低減させることができ、燃費を向上することができる。
請求項2のハイブリッド車両用駆動装置によれば、モータ室への潤滑油の供給をサーモスタットを介して行なうことで簡易な構成で潤滑の供給・遮断を制御することができる。また、モータの冷却が不要な場合には、サーモスタットによりモータ室への潤滑油の供給を遮断することで、より早く潤滑油の温度を上げることができる。
請求項3のハイブリッド車両用駆動装置によれば、油温センサーで検出した潤滑油の温度に応じて、潤滑油の貯留量に関わらず優先的に潤滑油を配分することができる。
請求項4のハイブリッド車両用駆動装置によれば、オイルポンプ用の駆動源を要せず、減速機構のギヤの回転を利用してオイルポンプを駆動することができ、さらに自動的に回転数に応じた潤滑を行うことができる。
請求項5のハイブリッド車両用駆動装置によれば、極低温状態で早期に潤滑油を昇温することができる。
請求項6のハイブリッド車両用駆動装置によれば、極低温状態から潤滑油の温度が所定温度まで上昇した後、ソレノイドバルブを開くことで、モータ室の潤滑油を昇温させることができる。
請求項7のハイブリッド車両用駆動装置によれば、モータの可動領域では、ギヤ室内を潤滑しながらモータを冷却することができる。また、PWM制御することにより、より厳密な潤滑油の温度制御を行うことができる。
請求項8のハイブリッド車両用駆動装置によれば、高温状態から迅速に潤滑油の温度を下げることができる。
本発明の一実施形態のハイブリッド車両用駆動装置を示す概略図である。 図1に示すハイブリッド車両用駆動装置の部分断面図である。 (a)はハイブリッド車両用駆動装置の潤滑機構の模式図であり、(b)は隔壁の模式図である。 潤滑油の流れを説明する模式図である。 潤滑機構の制御フローを示すフロー図である。 特許文献1に記載のハイブリッド車両用駆動装置の説明図である。
以下、本発明に係るハイブリッド車両用駆動装置の一実施形態ついて図面を参照しながら説明する。
ハイブリッド車両用駆動装置1(以下、車両用駆動装置と呼ぶ。)は、図1及び図2に示すように、車両(図示せず)の駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DW(被駆動部)を駆動するためのものであり、駆動源であるエンジン6と、モータ7と、動力を駆動輪DW,DWに伝達する減速機構としての変速機20と、変速機20の一部を構成する遊星歯車機構30と、これらを収容するケース80と、を備えている。
ケース80は、第1クラッチ41(第1断接手段)と第2クラッチ42(第2断接手段)を収容するクラッチケース81と、変速機20を収容するギヤケース82と、モータ7を収容するモータケース83と、モータケース83の開口を覆うカバー84により構成され、隔壁87によりモータケース83とカバー84により形成されるモータ室85と、ギヤケース82により形成されるギヤ室86が隔てられている。
エンジン6は、例えばガソリンエンジンであり、このエンジン6のクランク軸6aには、変速機20の第1クラッチ41と第2クラッチ42が設けられている。
モータ7は、ケース80のモータ室85に収容される3相ブラシレスDCモータ(以下、IPMモータと呼ぶことがある。)であり、3n個の電機子71aで構成されたステータ71と、このステータ71に対向するように配置されたロータ72とを有している。各電機子71aは、鉄芯71bと、この鉄芯71bに巻き回されたコイル71cで構成されており、ケース80に固定され、回転軸を中心に周方向にほぼ等間隔で並んでいる。3n個のコイル71cは、n組のU相、V相,W相の3相コイルを構成している。
ロータ72は、回転軸を中心にほぼ等間隔で並んだn個の永久磁石72aを有しており、隣り合う各2つの永久磁石72aの極性は、互いに異なっている。各永久磁石72aを保持したロータヨーク72bを固定する固定部72cは、軟磁性体(例えば鉄)で構成された中空円筒状を有し、後述する遊星歯車機構30のリングギヤ35の外周側に配置され、遊星歯車機構30のサンギヤ32に連結されている。これにより、ロータ72は、遊星歯車機構30のサンギヤ32と一体回転可能に構成されている。なお、ロータ72はレゾルバ73により回転数が検出される。
遊星歯車機構30は、サンギヤ32と、このサンギヤ32と同軸上に配置され、かつ、このサンギヤ32の周囲を取り囲むように配置されたリングギヤ35と、サンギヤ32とリングギヤ35に噛合されたプラネタリギヤ34と、このプラネタリギヤ34を自転可能、かつ、公転可能に支持するキャリア36とを有している。このようにして、サンギヤ32とリングギヤ35とキャリア36が、相互に差動回転自在に構成されている。
リングギヤ35には、同期機構を有しリングギヤ35の回転を停止(ロック)可能に構成されたシンクロロック機構61が設けられている。
変速機20は、前述した第1クラッチ41と第2クラッチ42と、遊星歯車機構30と、ケース80のギヤ室86に収容される複数の変速ギヤ群を備えた、いわゆるツインクラッチ式変速機である。
より具体的に説明すると、変速機20は、エンジン6のクランク軸6aと同軸(回転軸線A1)上に配置された第1主軸11(第1変速部)と、第2主軸12と、連結軸13と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線B1を中心として回転自在なカウンタ軸14と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線C1を中心として回転自在な第1中間軸15と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線D1を中心として回転自在な第2中間軸16(第2変速部)と、回転軸線A1と平行に配置された回転軸線E1を中心として回転自在なリバース軸17を備えている。
第1主軸11には、エンジン6側に第1クラッチ41が設けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のサンギヤ32とモータ7のロータ72が取り付けられている。従って、第1主軸11は、第1クラッチ41によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結されるとともにモータ7と直結され、エンジン6及び/又はモータ7の動力がサンギヤ32に伝達されるように構成されている。
第2主軸12は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、第2主軸12には、エンジン6側に第2クラッチ42が設けられ、エンジン6側とは反対側にアイドル駆動ギヤ27aが一体に取り付けられている。従って、第2主軸12は、第2クラッチ42によって選択的にエンジン6のクランク軸6aと連結され、エンジン6の動力がアイドル駆動ギヤ27aへ伝達されるように構成されている。
連結軸13は、第1主軸11より短く中空に構成されており、第1主軸11のエンジン6側とは反対側の周囲を覆うように相対回転自在に配置されている。また、連結軸13には、エンジン6側に第3速用駆動ギヤ23aが一体に取り付けられ、エンジン6側とは反対側に遊星歯車機構30のキャリア36が取り付けられている。従って、プラネタリギヤ34の公転により連結軸13に取り付けられたキャリア36と第3速用駆動ギヤ23aが一体回転可能に構成されている。
さらに、第1主軸11には、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aとの間に、第1主軸11と相対回転自在に第5速用駆動ギヤ25aが設けられるとともに第1主軸11と一体に回転するリバース従動ギヤ28bが取り付けられている。さらに第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aとの間には、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23a又は第5速用駆動ギヤ25aとを連結又は開放する第1変速用シフター51(第1同期装置)が設けられている。そして、第1変速用シフター51が第3速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが連結して一体で回転し、第5速用接続位置でインギヤするときには、第1主軸11と第5速用駆動ギヤ25aが一体で回転し、第1変速用シフター51がニュートラル位置にあるときには、第1主軸11は第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aに対し相対回転する。なお、第1主軸11と第3速用駆動ギヤ23aが一体で回転するとき、第1主軸11に取り付けられたサンギヤ32と第3速用駆動ギヤ23aに連結軸13で連結されたキャリア36は一体で回転するとともに、リングギヤ35も一体で回転し、遊星歯車機構30が一体となる。
第1中間軸15には、第2主軸12に取り付けられたアイドル駆動ギヤ27aと噛合する第1アイドル従動ギヤ27bが一体回転可能に取り付けられている。
第2中間軸16には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第2アイドル従動ギヤ27cが一体回転可能に取り付けられている。第2アイドル従動ギヤ27cは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第1アイドルギヤ列27Aを構成している。また、第2中間軸16には、第1主軸11周りに設けられた第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aと対応する位置にそれぞれ第2中間軸16と相対回転可能な第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとが設けられている。さらに第2中間軸16には、第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aとの間に、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22a又は第4速用駆動ギヤ24aとを連結又は開放する第2変速用シフター52(第2同期装置)が設けられている。そして、第2変速用シフター52が第2速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第2速用駆動ギヤ22aとが一体で回転し、第2変速用シフター52が第4速用接続位置でインギヤするときには、第2中間軸16と第4速用駆動ギヤ24aとが一体で回転し、第2変速用シフター52がニュートラル位置にあるときには、第2中間軸16は第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aに対し相対回転する。
カウンタ軸14には、エンジン6側とは反対側から順に第1共用従動ギヤ23bと、第2共用従動ギヤ24bと、パーキングギヤ21と、ファイナルギヤ26aとが一体回転可能に取り付けられている。
ここで、第1共用従動ギヤ23bは、連結軸13に取り付けられた第3速用駆動ギヤ23aと噛合して第3速用駆動ギヤ23aと共に第3速用ギヤ対23を構成し、第2中間軸16に設けられた第2速用駆動ギヤ22aと噛合して第2速用駆動ギヤ22aと共に第2速用ギヤ対22を構成する。
第2共用従動ギヤ24bは、第1主軸11に設けられた第5速用駆動ギヤ25aと噛合して第5速用駆動ギヤ25aと共に第5速用ギヤ対25を構成し、第2中間軸16に設けられた第4速用駆動ギヤ24aと噛合して第4速用駆動ギヤ24aと共に第4速用ギヤ対24を構成する。
ファイナルギヤ26aは差動ギヤ機構8と噛合して、差動ギヤ機構8は、駆動軸9,9を介して駆動輪DW,DWに連結されている。従って、カウンタ軸14に伝達された動力はファイナルギヤ26aから差動ギヤ機構8、駆動軸9,9、駆動輪DW,DWへと出力される。
リバース軸17には、第1中間軸15に取り付けられた第1アイドル従動ギヤ27bと噛合する第3アイドル従動ギヤ27dが一体回転可能に取り付けられている。第3アイドル従動ギヤ27dは、前述したアイドル駆動ギヤ27aと第1アイドル従動ギヤ27bとともに第2アイドルギヤ列27Bを構成している。また、リバース軸17には、第1主軸11に取り付けられた後進用従動ギヤ28bと噛合する後進用駆動ギヤ28aがリバース軸17と相対回転自在に設けられている。後進用駆動ギヤ28aは、後進用従動ギヤ28bとともに後進用ギヤ列28を構成している。さらに後進用駆動ギヤ28aのエンジン6側とは反対側にリバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとを連結又は開放する後進用シフター53が設けられている。そして、後進用シフター53が後進用接続位置でインギヤするときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが一体で回転し、後進用シフター53がニュートラル位置にあるときには、リバース軸17と後進用駆動ギヤ28aとが相対回転する。
なお、第1変速用シフター51、第2変速用シフター52、後進用シフター53は、接続する軸とギヤの回転数を一致させる同期機構(シンクロナイザー機構)を有するクラッチ機構を用いている。
このように構成された変速機20は、2つの変速軸の一方の変速軸である第1主軸11上に第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aからなる奇数段ギヤ群が設けられ、2つの変速軸の他方の変速軸である第2中間軸16上に第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aからなる偶数段ギヤ群が設けられる。
また、車両用駆動装置1には、さらにエアコンプレッサ67とオイルポンプ68とが設けられている。オイルポンプ68は、回転軸線A1〜E1と平行に配置されたオイルポンプ用補機軸19上にオイルポンプ用補機軸19と一体回転可能に取り付けられている。オイルポンプ用補機軸19には、後進用駆動ギヤ28aと噛合するオイルポンプ用従動ギヤ28cと、エアコン用駆動ギヤ29aとが一体回転可能に取り付けられて、第1主軸11を回転させるエンジン6及び/又はモータ7の動力が伝達される。また、エアコンプレッサ67は、回転軸線A1〜E1と平行に配置されたエアコン用補機軸18上にA/C用クラッチ65を介して設けられている。エアコン用補機軸18には、エアコン用駆動ギヤ29aからチェーン29cを介して動力が伝達されるエアコン用従動ギヤ29bがエアコン用補機軸18と一体回転可能に取り付けられて、オイルポンプ用補機軸19からエンジン6及び/又はモータ7の動力がエアコン用駆動ギヤ29a、チェーン29c及びエアコン用従動ギヤ29bで構成されるエアコン用伝達機構29を介して伝達される。なお、エアコンプレッサ67は、不図示のA/C作動用ソレノイドによりA/C用クラッチ65を断接することで、動力の伝達が遮断することができるように構成される。
以上の構成により、本実施形態の車両用駆動装置1は、以下の第1〜第5の伝達経路を有している。
(1)第1伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。ここで、遊星歯車機構30の減速比は、第1伝達経路を介して駆動輪DW,DWに伝達されるエンジントルクが第1速相当となるように設定されている。即ち、遊星歯車機構30の減速比と第3速用ギヤ対23の減速比をかけ合わせた減速比が第1速相当となるように設定されている。この第1伝達経路を介して、第1クラッチ41を締結し、シンクロロック機構61をロックするとともに第1変速用シフター51をニュートラルにすることで、第1速走行がなされる。
(2)第2伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第1アイドルギヤ列27A(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第2アイドル従動ギヤ27c)、第2中間軸16、第2速用ギヤ対22(第2速用駆動ギヤ22a、第1共用従動ギヤ23b)又は第4速用ギヤ対24(第4速用駆動ギヤ24a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。この第2伝達経路を介して、第2クラッチ42を締結し、第2変速用シフター52を第2速用接続位置でインギヤすることで第2速走行がなされ、第2変速用シフター52を第4速用接続位置でインギヤすることで第4速走行がなされる。
(3)第3伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第1主軸11、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、遊星歯車機構30を介さずに、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。この第3伝達経路を介して、第1クラッチ41を締結し、第1変速用シフター51を第3速用接続位置でインギヤすることで第3速走行がなされ、第1変速用シフター51を第5速用接続位置でインギヤすることで第5速走行がなされる。
(4)第4伝達経路は、モータ7が、遊星歯車機構30又は第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)又は第5速用ギヤ対25(第5速用駆動ギヤ25a、第2共用従動ギヤ24b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。この第4伝達経路を介して、第1及び第2クラッチ41、42を切断した状態で、シンクロロック機構61をロックするとともに第1変速用シフター51をニュートラルにすることで第1速EV走行がなされ、シンクロロック機構61のロックを解除し第1変速用シフター51を第3接続位置でインギヤすることで第3速EV走行がなされ、シンクロロック機構61のロックを解除し第1変速用シフター51を第5接続位置でインギヤすることで第5速EV走行がなさる。
(5)第5伝達経路は、エンジン6のクランク軸6aが、第2主軸12、第2アイドルギヤ列27B(アイドル駆動ギヤ27a、第1アイドル従動ギヤ27b、第3アイドル従動ギヤ27d)、リバース軸17、後進用ギヤ列28(後進用駆動ギヤ28a、後進用従動ギヤ28b)、遊星歯車機構30、連結軸13、第3速用ギヤ対23(第3速用駆動ギヤ23a、第1共用従動ギヤ23b)、カウンタ軸14、ファイナルギヤ26a、差動ギヤ機構8、駆動軸9,9を介して、駆動輪DW,DWに連結される伝達経路である。この第5伝達経路を介して、第2クラッチ42を締結し後進用シフター53を後進用接続位置でインギヤし、且つ、シンクロロック機構61をロックするとともに第1変速用シフター51をニュートラルにすることで後進走行がなされる。
また、本実施形態の車両用駆動装置1において、モータ7は、その動作を制御するパワーコントロールユニット(以下、PDUという。)を介してバッテリに接続され、バッテリからの電力供給と、バッテリへのエネルギー回生がPDUを介して行われるようになっている。即ち、モータ7は、バッテリからPDUを介して供給された電力によって駆動され、また、減速走行時における駆動輪DW,DWの回転やエンジン6の動力により回生発電を行って、バッテリの充電(エネルギー回収)を行うことが可能である。さらに、PDUは、電気制御ユニット(以下、ECUという。)に接続されている。ECUは、車両全体の各種制御をするための制御装置であり、ECUには加速要求、制動要求、エンジン回転数、モータ回転数、第1,第2主軸11、12の回転数、カウンタ軸14等の回転数、車速、シフトポジション、SOCなどが入力される一方、ECUからは、エンジン6を制御する信号、モータ7を制御する信号、バッテリにおける発電状態・充電状態・放電状態などを示す信号、第1,第2変速シフター51、52、後進用シフター53を制御する信号、シンクロロック機構61のロックを制御する信号、A/C用クラッチ65、不図示のA/C作動用ソレノイドを制御する信号、後述するソレノイドバルブ90を制御する信号などが出力される。
このように構成された車両用駆動装置1は、第1及び第2クラッチ41、42の断接を制御するとともに第1変速用シフター51、第2変速用シフター52および後進用シフター53の接続位置を制御することにより、エンジン6で第1〜第5速走行および後進走行を行うことができる。また、エンジン6で走行中に第1及び第2変速用シフター51、52の接続位置を制御することにより、モータ7でアシストしたり回生したり、さらにアイドリング中にエンジン6をモータ7で始動したりバッテリを充電することもできる。また、車両用駆動装置1はモータ7を利用してEV走行を行なうこともできる。
ここで、本実施形態の車両用駆動装置1の潤滑機構2について図3及び図4を参照しながら説明する。図3(a)はハイブリッド車両用駆動装置の潤滑機構の模式図であり、図3(b)は隔壁の模式図であり、図4は潤滑油の流れを説明する模式図である。
モータ室85とギヤ室86とを隔てる隔壁87には、図3(b)に示すように、中央部下端にモータ室85とギヤ室86を連通する連通孔89が形成され、連通孔89より上方には、左右対称に矩形状の油面調整孔88a、88bが形成される。油面調整孔88a、88bの下辺は、対向配置されたステータ71とロータ72間に形成されるエアギャップS(図2参照)の外径側且つ下側に位置し、モータ室85に貯留した潤滑油の油面がエアギャップSを超えないようにして潤滑油がロータ72のフリクションになるのを抑制している。
連通孔89には、上述した不図示のECUにより開閉可能に制御される常閉型のソレノイドバルブ90が設けられている。また、ギヤ室86の下方からはギヤ室86の上方から潤滑油を供給するとともにモータ室85に冷却油としての潤滑油を供給するための潤滑油路95が上述したオイルポンプ68まで延びている。なお、潤滑油と冷却油は同一のものであって、以下の説明では、潤滑を主目的として供給する潤滑油も、冷却を主目的として供給する潤滑油も全て潤滑油と呼ぶこととする。
潤滑油路95には、下流側にオイルポンプ68が設けられ、上流側にストレーナ91が設けられ、オイルポンプ68により汲み上げられた潤滑油中の鉄屑等がストレーナ91により回収される。また、オイルポンプ68の下流にはフィードパイプ92が連結され、フィードパイプ92の中途部に位置する隔壁87上にギヤ室86からモータ室85への潤滑油の流れを遮断可能なサーモスタット93が設けられている。
サーモスタット93は、例えばバイメタルから構成され、自動的に設定温度より低い場合にはギヤ室86からモータ室85への潤滑油の流れを遮断し、所定の温度以上の場合にはギヤ室86からモータ室85への潤滑油の流れを許容する。この設定温度は、モータ7の冷却が必要な温度に設定することが好ましく、本実施形態では、10℃に設定される。
このように構成される潤滑機構2においては、貯留した一方の潤滑油量が多く油面調整孔88a、88bを超える場合には、モータ室85とギヤ室86間で一方から他方に油面調整孔88a、88bから潤滑油が流れる。また、ECUによりソレノイドバルブ90を開弁させることで、モータ室85とギヤ室86間で圧力差に応じて潤滑油の流れが生じる。一方、オイルポンプ68を駆動することにより、潤滑油路95からフィードパイプ92を通ってギヤ室86に潤滑油が供給され、サーモスタット93の設定温度よりも潤滑油の温度が高い場合には、モータ室92にも冷却油として潤滑油が供給され、モータ7の冷却がなされる。潤滑油の温度は、ギヤ室86とストレーナ91との間に設けられた油温センサー94で検出される(図4参照)。
次に、この潤滑機構2の制御フローについて図5を参照して説明する。
先ず、車両状態を検出する(S1)。車両の停止中且つエアコンプレッサ67がOFFの時(S2)には、エンジン6及び/又はモータ7により第1主軸11が回転しないためギヤ室86を潤滑する必要もモータ7を冷却する必要もなく、オイルポンプ68が非作動となる(S3)。
また、車両走行中(S4)、及び、車両の停止中且つエアコンプレッサ67がONの時(S5)には、エンジン6及び/又はモータ7の動力でオイルポンプ68を駆動する(S6)。
続いて、油温センサー94により潤滑油の温度を検出する(S7)。その結果、例えば−40℃等の極低温状態では、モータ7を駆動することができないため、ソレノイドバルブ90の閉弁状態を維持する(S8)。また、サーモスタット93は10℃に設定されているため、閉じた状態を維持している(S10)。これにより、ギヤ室86に貯留した潤滑油は油面調整孔88a、88bを介してモータ室85に流れ込む潤滑油を除いてモータ室85に供給されることはない。即ち、極低温状態では、車両はエンジン6によってのみ走行可能となっており、エンジン6の動力によってオイルポンプ68によりギヤ室86に貯留した潤滑油が汲み上げられ、汲み上げられた潤滑油がフィードパイプ92からギヤ室86に供給され、ギヤの回転による発熱により潤滑油の温度が上昇する。これにより、極低温状態では、ギヤ室86に貯留した潤滑油のみをギヤ室86内で循環させるため、ギヤの円滑な潤滑性を維持しながら少ない量の潤滑油を早く昇温することができる。
ギヤの発熱により潤滑油の温度が例えば−20℃等の低温状態になった時(S9)、ソレノイドバルブ90を開く。これにより、ギヤ室86で昇温した潤滑油を積極的にモータ室85に供給し、潤滑油の平均油温を上昇させてモータ7を早く駆動可能な状態とすることができる。
潤滑油の温度が、例えば10℃等のモータ7の適正可動領域である定常状態(S11)では、ソレノイドバルブ90を閉じ気味にPWM制御を行なう。なお、このとき、サーモスタット93は設定温度の10℃に至っているため自動的に開く状態となる(S13)。これにより、ギヤ室86から潤滑油路95を介してフィードパイプ92からギヤ室86に潤滑油が供給されるとともに、モータ室85にモータ7を冷却するための潤滑油が供給される。これにより、ギヤの円滑な潤滑性を維持しながらモータ7を冷却することができる。
潤滑油の温度が、例えば120℃等の高温状態(S12)では、ソレノイドバルブ90を開き、これにより潤滑油を大量に循環させることができ、早く潤滑油の温度を下げることができる。
以上説明したように本実施形態によれば、ギヤ室86に貯留する潤滑油を少なくともモータ室85とギヤ室86間で循環させるオイルポンプ68と、潤滑油の油温を検出する油温センサー94と、を備え、モータ室85とギヤ室86を隔てる隔壁87には、モータ室85とギヤ室86を連通する連通孔89にソレノイドバルブ90が設けられているので、モータ室85とギヤ室86間で潤滑油の貯留量に関わらず優先的に潤滑油を配分することができ、これにより適切な潤滑を行ないつつ、迅速に潤滑油の温度を所望の温度まで上昇又は降下させることができる。また、潤滑油の温度を早く上げることで潤滑油がフリクションとなることを低減させることができ、燃費を向上することができる。
また、本実施形態によれば、オイルポンプ68は、ギヤ室86から潤滑油を汲み上げる潤滑油路95に接続されるとともに、ギヤ室86とモータ室85に潤滑油を供給するフィードパイプ92に接続され、フィードパイプ92には、ギヤ室86側からモータ室85側への潤滑油の流れを遮断可能なサーモスタット93が設けられているので、モータ室85への潤滑油の供給をサーモスタット93を介して行なうことで簡易な構成で潤滑の供給・遮断を制御することができる。また、モータ7の冷却が不要な場合には、サーモスタット93によりモータ室85への潤滑油の供給を遮断することで、より早く潤滑油の温度を上げることができる。
また、本実施形態によれば、油温センサー94で検出した潤滑油の温度に応じて、ソレノイドバルブ90の開閉状態を制御し、モータ室85とギヤ室86への潤滑油の配分を調整するので、油温センサー94で検出した潤滑油の温度に応じて、潤滑油の貯留量に関わらず優先的に潤滑油を配分することができる。
また、本実施形態によれば、変速機20は、第1クラッチ41を介してエンジン6に連結されるとともにモータ7に連結され第1変速用シフター51により第3速用駆動ギヤ23aと第5速用駆動ギヤ25aを選択可能な第1主軸11と、第2クラッチ42を介してエンジン6に連結され第2変速用シフター52により第2速用駆動ギヤ22aと第4速用駆動ギヤ24aを選択可能な第2中間軸16と、を備え、オイルポンプ68は第1主軸11に連結されるので、オイルポンプ68用の駆動源を要せず、変速機20のギヤの回転を利用してオイルポンプ68を駆動することができ、さらに自動的に回転数に応じた潤滑を行うことができる。
また、本実施形態によれば、モータ7が駆動できない極低温状態においては、ソレノイドバルブ90を閉じることにより、循環領域を狭くして極低温状態で早期に潤滑油を昇温することができる。
また、本実施形態によれば、極低温状態からギヤ室86内で潤滑油の循環により潤滑油の温度が所定温度まで上昇した後、ソレノイドバルブ90を開くことにより、モータ室85の潤滑油を昇温させることができる。
また、本実施形態によれば、サーモスタット93は、モータ7の適正可動領域でギヤ室86側からモータ室85側への潤滑油の流れを許容するように設定され、モータ7の可動領域においては、ソレノイドバルブ90をPWM制御するので、モータ7の可動領域では、ギヤ室86内を潤滑しながらモータ7を冷却することができる。また、PWM制御することにより、より厳密な潤滑油の温度制御を行うことができる。
また、本実施形態によれば、潤滑油の温度を下げる場合には、ソレノイドバルブ90を開くので、循環領域を広くして高温状態から迅速に潤滑油の温度を下げることができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、図5及び上記説明における各温度は一例であって、この温度に限定されるものではなく、モータの仕様に応じて適宜設定することができる。
1 ハイブリッド車両用駆動装置
6 エンジン
7 モータ
11 第1主軸(第1変速部)
12 第2主軸
13 連結軸
14 カウンタ軸
15 第1中間軸
16 第2中間軸(第2変速部)
20 変速機
22 第2速用ギヤ対
22a 第2速用駆動ギヤ
23 第3速用ギヤ対
23a 第3速用駆動ギヤ
23b 第1共用従動ギヤ
24 第4速用ギヤ対
24a 第4速用駆動ギヤ
24b 第2共用従動ギヤ
25 第5速用ギヤ対
25a 第5速用駆動ギヤ
26a ファイナルギヤ
27A 第1アイドルギヤ列
27B 第2アイドルギヤ列
27a アイドル駆動ギヤ
27b 第1アイドル従動ギヤ
27c 第2アイドル従動ギヤ
27d 第3アイドル従動ギヤ
30 遊星歯車機構
32 サンギヤ
35 リングギヤ
36 キャリア
41 第1クラッチ(第1断接手段)
42 第2クラッチ(第2断接手段)
61 シンクロロック機構
68 オイルポンプ
80 ケース
85 モータ室
86 ギヤ室
87 隔壁
89 連通孔(連通部)
90 ソレノイドバルブ
92 フィードパイプ
93 サーモスタット
94 油温センサー
95 潤滑油路

Claims (8)

  1. エンジンと、
    モータと、
    該エンジンと該モータに連結される減速機構と、
    前記モータを収容するモータ室と、前記減速機構を収容するギヤ室と、前記モータ室と前記ギヤ室を隔てる隔壁とを有するケースと、を備えるハイブリッド車両用駆動装置であって、
    前記ギヤ室に貯留する潤滑油を少なくとも前記モータ室と前記ギヤ室間で循環させるオイルポンプと、
    潤滑油の温度を検出する油温センサーと、を備え、
    前記隔壁には、前記モータ室と前記ギヤ室間を連通する連通部にソレノイドバルブが設けられていることを特徴とするハイブリッド車両用駆動装置。
  2. 前記オイルポンプは、前記ギヤ室から潤滑油を汲み上げる潤滑油路に接続されるとともに、前記ギヤ室と前記モータ室に潤滑油を供給するフィードパイプに接続され、
    前記フィードパイプには、前記ギヤ室側から前記モータ室側への潤滑油の流れを遮断可能なサーモスタットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  3. 前記油温センサーで検出した潤滑油の温度に応じて、前記ソレノイドバルブの開閉状態を制御し、前記モータ室と前記ギヤ室への潤滑油の配分を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  4. 前記減速機構は、第1断接手段を介して前記エンジンに連結されるとともに前記モータに連結され第1同期装置により複数のギヤを選択可能な第1変速部と、第2断接手段を介して前記エンジンに連結され第2同期装置により複数のギヤを選択可能な第2変速部と、を備え、前記オイルポンプは前記第1変速部に連結されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  5. 前記モータが駆動できない極低温状態においては、前記ソレノイドバルブを閉じることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  6. 前記極低温状態から前記ギヤ室内で潤滑油を循環させることにより潤滑油の温度が所定温度まで上昇した後、前記ソレノイドバルブを開くことを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  7. 前記サーモスタットは、前記モータの可動領域で前記ギヤ室側から前記モータ室側への潤滑油の流れを許容するように設定され、
    前記モータの可動領域においては、前記ソレノイドバルブをPWM制御することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
  8. 潤滑油の温度を下げる場合には、前記ソレノイドバルブを開くことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のハイブリッド車両用駆動装置。
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