JP2011151930A - 配線システム - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の機能を有する機能モジュールを所望の位置に設置できる配線システムを提供する。
【解決手段】レール本体20の凹溝23a,23bには電力用の導電板21a,21bと情報用の導電板22a,22bが配置されている。機能モジュール3は、凹溝23a,23bにそれぞれ係合する嵌合片37及び嵌合リブ36を有し、嵌合片37には、導電板21a,21bに電気的に接続される端子板39a,39bが設けられ、嵌合リブ36には、導電板22a,22bに電気的に接続される端子板38a,38bが設けられている。嵌合片37は進退自在に設けられ、嵌合片37を凹溝23aの外に出した状態で拡張導電レール2への取り付け/取り外しを行い、嵌合片37を凹溝23a内に挿入させることで、凹溝23aと係合させて、端子板39a,39b,38a,38bを、それぞれ、導電板21a,21b,22a,22bに電気的に接続させる。
【選択図】図1
【解決手段】レール本体20の凹溝23a,23bには電力用の導電板21a,21bと情報用の導電板22a,22bが配置されている。機能モジュール3は、凹溝23a,23bにそれぞれ係合する嵌合片37及び嵌合リブ36を有し、嵌合片37には、導電板21a,21bに電気的に接続される端子板39a,39bが設けられ、嵌合リブ36には、導電板22a,22bに電気的に接続される端子板38a,38bが設けられている。嵌合片37は進退自在に設けられ、嵌合片37を凹溝23aの外に出した状態で拡張導電レール2への取り付け/取り外しを行い、嵌合片37を凹溝23a内に挿入させることで、凹溝23aと係合させて、端子板39a,39b,38a,38bを、それぞれ、導電板21a,21b,22a,22bに電気的に接続させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、配線システムに関するものである。
従来、造営面に埋設固定されたゲート装置と、ゲート装置の前面側に接続されて造営面の表側に配置される機能モジュールと、機能モジュールに並べて造営面に配置さる拡張機能モジュールとを具備した配線システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。ゲート装置には、電力を供給する電力路と情報信号を伝送する情報路とを構成する先行配線が接続されている。機能モジュールは、ゲート装置を介して電力の供給と情報信号の伝送とを行い、所定の機能を行う。また拡張機能モジュールは、機能モジュールを介して電力の供給と情報信号の伝送とを行い、所定の機能を行う。
上記構成の配線システムでは、造営面に埋設固定されたゲート装置に対して機能モジュールを接続することで、所望の機能を行う機能モジュールが造営面に設置されるため、機能モジュールの設置位置がゲート装置の設置位置に限定されてしまうという問題があった。また拡張機能モジュールは、機能モジュールに並べて造営面に配置されるので、拡張機能モジュールの設置位置が機能モジュールの設置位置に限定され、追加機能を所望の位置で提供できないという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、所望の機能を有する機能モジュールを所望の位置に設置できる配線システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、建物の壁面に沿って設置される長尺のレール本体を具備し、当該レール本体の長手方向に沿って導電路が設けられた導電レールと、導電レールの導電路に電力を供給する給電部と、レール本体に着脱自在に取り付けるための取付手段及び導電路に電気的に接続する導電接続手段を具備し、導電接続手段を介して導電路から受電するとともに、所定の機能を行う機能モジュールとを備え、機能モジュールの取付手段は、壁面の法線方向及びレール本体の長手方向にそれぞれ直交する方向において進退自在に設けられたスライド係合部を具備し、導電レールへの取り付け又は取り外しの作業時には、スライド係合部をレール本体から離れる方向に後退させるとともに、導電レールに装着した状態では、スライド係合部をレール本体側に突出させる方向へ前進させて、レール本体の被係合部にスライド係合部を係合させ、且つ、導電接続手段を導電レールの導電路に電気的に接続させることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、給電部は、直流の低圧電力を供給することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、レール本体は、高さ及び長さに比べて厚みが小さい直方体状であって、壁面の法線方向及びレール本体の長手方向にそれぞれ直交する方向の両側面に長手方向に沿って凹溝が形成されており、凹溝で被係合部が構成され、凹溝の内側面に導電路が配置されたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、機能モジュールは、レール本体側に突出し、レール本体の両側面に設けた凹溝のうちの一方に係合する係合部を備え、他方の凹溝にスライド係合部を係合させることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3の発明において、機能モジュールは、レール本体の両側面に設けた凹溝にそれぞれ係合するスライド係合部を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、レール本体の被係合部に、機能モジュールのスライド係合部を係合させることによって、機能モジュールが導電レールに取り付けられるから、導電レールの所望の位置に機能モジュールを取り付けることができる。したがって、機能モジュールの取付位置の自由度が向上し、所望の機能を有する機能モジュールを所望の位置に取り付けて使用することができる。
請求項2の発明によれば、直流の低圧電力を供給することで、安全性を向上させることができ、また感電に対する保護が不要であるからコストダウンを図ることができる。
請求項3の発明によれば、機能モジュールのスライド係合部を、レール本体の側面に設けた凹溝内に係合することで、機能モジュールを導電レールに取り付けることができる。
請求項4の発明によれば、レール本体の一方の凹溝には機能モジュールの係合部が係止し、他方の凹溝には機能モジュールに進退自在に設けられたスライド係合部が係合するので、スライド係合部のみをスライド移動させることで取付作業が行えるという効果がある。
請求項5の発明によれば、機能モジュールに進退自在に取り付けられたスライド係合部を両側面の凹溝にそれぞれ係止させることで、機能モジュールをレール本体に取り付けることができる。また、例えばレール本体が床面近くに設置される場合、下側のスライド係合部を操作しにくくなるが、両方のスライド係合部が進退自在となっているので、もう一方のスライド係合部を操作することで、取り付け/取り外しの作業が容易に行えるという効果もある。
以下、本発明に係る配線システムを戸建て住宅に適用した実施形態について説明を行う。尚、本発明に係る配線システムが適用される建物は戸建て住宅に限定される趣旨のものではなく、集合住宅や事業者などの建物に適用しても良いことは言うまでもない。
本実施形態の配線システムの概略構成図を図6に、要部のブロック図を図7にそれぞれ示す。この配線システムが適用された住宅HMでは、商用交流電源ACを宅内の交流分岐回路に配電するためのAC分電盤90と、DC電源91aを宅内の直流分岐回路に配電するためのDC分電盤91とが住宅内の要所に設置されている。尚、AC分電盤90には、通常時に蓄電するとともに、停電時などの非常時にAC配電系統やDC配電系統に給電するための蓄電設備92が接続されている。
DC分電盤91には、住宅HMの屋根に設置された太陽電池パネルSCによって発電された直流電力を所定の電圧値に変換するDC−DCコンバータ(図示せず)が収納されている。またDC分電盤91には、AC分電盤90から供給される交流電源を所定電圧値の直流電圧に変換するAC−DCコンバータ(図示せず)も収納されている。DC分電盤91はDC−DCコンバータやAC−DCコンバータで生成された直流電力を直流分岐回路に配電している。ここにおいて、DC−DCコンバータやAC−DCコンバータからなるDC電源91aにより、後述する導電レール1の導電板11に給電する給電部が構成される。尚、本システムでは、DC分電盤91に収納されたSELV電源から直流の低圧電圧(例えばDC48V,DC24V,DC12V又はDC6V)が供給されている。したがって、直接接触であっても人体に悪影響を及ぼすことがないから、安全性を確保でき、また感電に対する保護が不要なので、コストダウンを図ることもできる。尚、SELV(Safety Extra Low Voltage:安全超低電圧)とは、IEC規格(CEI/IEC60906−3)において規格化された電圧のことである。
図5に示すように住宅HM内の複数の部屋R(例えばリビングR1,寝室R2,キッチンR3など)には、各部屋Rの壁101に設けた出入口102に、出入口102を開閉するドア103を支持するドア枠104が設置されている。このドア枠104の一辺(鉛直方向に沿う一辺)は後述の導電レール1で構成され、この導電レール1には1乃至複数本の拡張導電レール2が接続可能となっている。ところで、出入口102の近傍は人が通過する頻度が高く、負荷を操作するスイッチやインターホン親機などの機能モジュールを設置したいというニーズがあるので、ドア枠104に導電レール1を設けることで、所望の機能を有する機能モジュール3をドア枠104の周辺に容易に取り付けることができ、利便性が向上する。また導電レール1がドア枠104の一辺を構成しており、ドア枠104とは別に導電レール1を取り付ける必要がないから、コストダウンを図ることができる。尚、ドア枠104の一辺に、ドア枠104と別体に形成された導電レール1を取り付けても良いし、導電レール1がドア枠104以外の位置で壁101に固定されてもよい。また、各部屋Rの導電レール1が備える電力用導電板11には、DC分電盤91から直流電力配線L1(例えばVVFケーブルからなる)を介して直流電力が供給されるとともに、導電レール1が備える情報用導電板12は情報配線L2を介して電気的に接続されている。
次に、本配線システムの各構成要素について図面を参照して説明する。
導電レール1は、図8に示すように、直流電力を供給する電力用導電路としての電力用導電板11(11a,11bからなる)と、情報信号を伝送する情報用導電路としての情報用導電板12(12a,12bからなる)を備える。この導電レール1は、図8に示すように長手方向が鉛直方向に沿うように壁101に設置される。
図8(a)〜(c)は導電レール1の三面図、図9は導電レール1の外観斜視図を示している。この導電レール1は、高さ寸法(図8(a)の上下寸法)及び幅寸法(長さ寸法)に比べて厚み寸法が小さい直方体状に形成された合成樹脂製のレール本体10を備えている。レール本体10において、長手方向に沿う両側面10a,10b(図8(a)における左右の側面)には、それぞれ、断面矩形状に凹んだ凹溝13a,13bが、長手方向の一端側から他端側まで設けられており、長手方向と直交する断面形状がH字状に形成されている。尚、凹溝13a,13bが設けられた側面10a,10bは、壁面の法線方向及び導電レール1の長手方向にそれぞれ法線方向が直交する方向(図1の矢印Cの方向)の両側面である。
一方の側面(前方から見て右側の側面)10aに設けられた凹溝13aの内側面には、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成された一対の電力用導電板11a,11bが、導電レール1の略全長に亘って配設されている。電力用導電板11a,11bは、前後方向(図8(a)の上下方向)において対向するように配置され、両導電板11a,11bの間には所定電圧値の直流電圧が印加されており、両導電板11a,11bから機能モジュール3に対して直流電力が供給される。
他方の側面10bに設けられた凹溝13bの内側面にも、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成された一対の情報用導電板12a,12bが、導電レール1の略全長に亘って配設されている。情報用導電板12a,12bも、前後方向において対向するように配置され、両導電板12a,12bの間には所定電圧値の直流電圧(例えばDC24V)が印加されている。そして、導電レール1及び後述の拡張導電レール2に接続される機能モジュール3とDC分電盤91内に配置されたコントローラ(図示せず)との間、或いは、導電レール1,2に接続された機能モジュール3の間では、情報用導電板12a,12b間に印加される直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを伝送する通信信号を重畳することで、差動位相変移変調(DBPSK:Differential Binary Phase Shift Keying)方式の電力線搬送通信により情報の授受が行われる。
また拡張導電レール2は、図10(a)〜(c)に示すように導電レール1と同様の構造を有しており、長尺の直方体状に形成された合成樹脂製のレール本体20を備え、長手方向が水平方向と略平行になるように壁101に取り付けられる。レール本体20において、壁面の法線方向及び拡張導電レール2の長手方向にそれぞれ直交する方向の両側面20a,20bには、それぞれ、断面矩形状に凹んだ凹溝23a,23bが、長手方向の一端側から他端側まで設けられている。すなわち、レール本体20も長手方向と直交する断面形状がH字状に形成されている。
一方の側面20a(使用状態における下側面)に設けられた凹溝23aには、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成された一対の電力用導電板21a,21bが、拡張導電レール2の略全長に亘って配設されている。電力用導電板21a,21bは、前後方向(図10(b)の左右方向)において対向するように配置され、両導電板21a,21bの間には所定電圧値の直流電圧が印加されており、両導電板21a,21bから機能モジュール3に対して直流電力が供給される。
また、他方の側面20b(使用状態における上側面)に設けられた凹溝23bにも、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成された一対の情報用導電板22a,22bが、拡張導電レール2の略全長に亘って配設されている。これらの情報用導電板22a,22bも、前後方向(図10(b)の左右方向)において対向するように配置され、両導電板22a,22bの間には所定電圧値の直流電圧が印加されている。尚、別々の側面20a,20bに設けた凹溝23a,23bに電力用導電板11と情報用導電板22とを分けて配置しているので、導電板11,12間の絶縁距離を長くとることができる。しかしながら、上側面に設けた凹溝23bには埃などが進入する可能性があるので、凹溝23bにおいて機能モジュール3が取り付けられていない部分を塞ぐ蓋(図示せず)などを凹溝23bの開口に取り付けるのが好ましい。また、下側面に設けた凹溝23aには埃などが溜まる虞がないので、下側の凹溝23aに、絶縁距離を確保した状態で電力用導電板11と情報用導電板22とを配置することも好ましい。尚、一方の凹溝23aのみに電力用導電板11と情報用導電板22とを配置する場合には、各導電板11,22に電気的に接続される後述の端子板を、凹溝23aに嵌合する嵌合片37に配置すればよい。
拡張導電レール2は、導電レール1の長手方向と略直交するように、導電レール1に取り付けられ、壁面に沿って配置される。この拡張導電レール2と導電レール1とを接続するためには、図11、図12及び図13(a)に示すような合成樹脂製の接続アダプタ5や、図14に示すような合成樹脂製の接続アダプタ6が用いられる。
接続アダプタ5は、レール本体10に対して長手方向(使用状態における鉛直方向)に沿ってスライド移動自在に取り付けられ、後述の接続アダプタ6を介して拡張導電レール2との電気的接続を行う。接続アダプタ5は、レール本体10の前面(壁101に対向する背面と反対側の面)に配置される矩形板状の中央片51と、中央片51の左右両側縁から、壁101側に突出する側片52a,52bとで、側方(使用状態における上側)から見た形状が略コ字形に形成されている。尚、接続アダプタ5の高さ寸法は、後述する接続アダプタ6の高さ寸法と略同じ寸法に設定されている。
側片52a,52bは、それぞれレール本体10の側面10a,10bに対向して配置され、側片52a,52bの内側面(導電レール1側の面)には、被係合部を構成する凹溝13a,13b内にそれぞれ挿入される嵌合リブ53a,53bが突設されている。嵌合リブ53aの前後両側面には、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されて、凹溝13a内に配置された電力用導電板11a,11bにそれぞれ接触する一対の導電板54(54a,54bからなる)が配置されている。また嵌合リブ53bの前後両側面にも、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されて、凹溝13b内に配置された情報用導電板12a,12bにそれぞれ接触する一対の導電板55(55a,55bからなる)が配置されている。
また、各側片52a,52bの外側面には、直流電力を給電するための給電用電極56a,56bと、情報信号を授受するための情報用電極57a,57bが2個ずつ設けられている。図12及び図13(a)に示すように、両側片52a,52bの給電用電極56a,56aは、アダプタ本体(中央片51及び側片52a,52bからなる)にインサート成形されたリード板58aを介して電気的に接続されている。また給電用電極56aは、アダプタ本体にインサート成形されたリード板59aを介して導電板54aに電気的に接続されている。同様に、給電用電極56b,56bは、アダプタ本体にインサート成形されたリード板58bを介して電気的に接続されるとともに、アダプタ本体にインサート成形されたリード板59bを介して導電板54bに電気的に接続される。また、情報用電極57a,57aは、アダプタ本体にインサート成形されたリード板58cを介して電気的に接続されるとともに、アダプタ本体にインサート成形されたリード板59cを介して嵌合リブ53bの導電板55aに電気的に接続されている。また、情報用電極57b,57bは、アダプタ本体にインサート成形されたリード板58dを介して電気的に接続されるとともに、アダプタ本体にインサート成形されたリード板59dを介して嵌合リブ53bの導電板55aに電気的に接続される。
この接続アダプタ5を導電レール1に接続する際には、レール本体10の一端側から、嵌合リブ53a,53bが凹溝13a,13b内にそれぞれ挿入されるようにして、接続アダプタ5をレール本体10に装着する(図15〜図17参照)。この時、嵌合リブ53a,53bが凹溝13a,13bにガイドされることによって、接続アダプタ5が導電レール1に対してスライド自在に取り付けられる。また、導電板54a,54bがそれぞれ導電板11a,11bに電気的に接続されることによって、給電用電極56a,56bがそれぞれ導電板11a,11bに電気的に接続される。さらに、導電板55a,55bがそれぞれ導電板12a,12bに電気的に接続されることによって、情報用電極57a,57bがそれぞれ導電板12a,12bに電気的に接続される。尚、図12及び図13(a)に示す接続アダプタ5は両側に拡張導電レール2を接続できるようになっているが、図13(b)に示すように片側のみに拡張導電レール2を接続できるものでもよい。
一方、接続アダプタ6は、図15〜図17に示すように拡張導電レール2の端部に取り付けられ、接続アダプタ5を介して導電レール1との間の電気的接続を行う。尚、接続アダプタ5に左側から接続される接続アダプタ6と、右側から接続される接続アダプタ6とは、導電レール1を間にして対称な形状を有している。以下では、前方から見て接続アダプタ5の左側に接続される接続アダプタ6について図14を参照して説明し、右側から接続される接続アダプタ6については説明を省略する。
この接続アダプタ6は、レール本体20の前面(壁101に対向する背面と反対側の面)に配置される矩形板状の中央片61と、中央片61の3辺からそれぞれ一方向に突出する側片62a〜62cとで、背面及び一側面が開口した略直方体状に形成されている。
取付状態における上下の側片62a,62bには、レール本体20の側面20a,20bと対向する内側面から突出して、凹溝23a,23b内に挿入される嵌合リブ64a,64bがそれぞれ突設されている。そして、嵌合リブ64aの両側面には、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されて、凹溝23a内に配置された電力用導電板21a,21bにそれぞれ電気的に接触する導電板65a,65bが設けられている。また嵌合リブ64bの両側面には、それぞれ導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されて、凹溝23b内に配置された情報用導電板22a,22bにそれぞれ電気的に接触する導電板65c,65dが設けられている。
取付状態における右側片62cには、接続アダプタ5の電力用の電極56a,56b、情報用の電極57a,57bがそれぞれ挿入される4個の丸穴67a〜67dが設けられている。丸穴67a,67bには電力用の電極56a,56bに電気的に接続される電極68a,68bが設けられ、丸穴67c,67dには情報用の電極57a,57bに電気的に接続される電極68c,68dが設けられている。各電極68a〜68dは、それぞれ、側片62cにインサート成形されたリード板66a〜66dを介して、導電板65a〜65dに電気的に接続されている。また、右側片62cの内側面には、コイルばね63,63の一端側がそれぞれ固定されている。
この接続アダプタ6を拡張導電レール2に接続する際には、レール本体20の一端側から、嵌合リブ64a,64bが凹溝23a,23b内にそれぞれ挿入されるようにして、接続アダプタ6をレール本体20に装着する。この時、中央片61及び側片62a〜62cによってレール本体20の端部が覆われるとともに、嵌合リブ64a,64bが凹溝23a,23bにガイドされることによって、接続アダプタ6が拡張導電レール2に対してスライド自在に取り付けられる。また、導電板65a,65bがそれぞれ導電板21a,21bに、導電板66a,66bがそれぞれ導電板12a,12bに電気的に接続される。而して、給電用電極となる電極67a,67bがそれぞれ導電板21a,21bに、情報用電極となる電極67c,67bがそれぞれ導電板22a,22bに電気的に接続される。
ここで、鉛直方向に沿って配設された導電レール1に対して、導電レール1と直交する方向から拡張導電レール2を連結する際には、図15〜図17に示すように壁101に固定された導電レール1に対して接続アダプタ5を所望の高さ位置に取り付ける。次に、接続アダプタ6が端部に取り付けられた拡張導電レール2を、接続アダプタ6の側片62cを接続アダプタ5の側片52a又は52bに当接させた状態で、壁101にねじ止めなどの方法で固定する。この時、コイルばね63の他端側(側片62cに固定された一端側と反対の側)が拡張導電レール2の端面に当接することで、コイルばね63が撓められるので、コイルばね63のばね力を受けて側片62cが接続アダプタ5の側片52a又は52bに弾接する。また、側片52a又は52bに設けられた給電用電極56a,56b及び情報用電極57a,57bが接続アダプタ6の丸穴67a〜67dにそれぞれ挿入されることで、丸穴67a〜67d内に設けた電極68a〜68dに電気的に接触する。また給電用電極56a,56b及び情報用電極57a,57bが丸穴67a〜67dに嵌ることによって、接続アダプタ5が上下方向において位置決めされる。而して、導電レール1の電力用導電板11と拡張導電レール2の電力用導電板21の間、導電レール1の情報用導電板12と拡張導電レール2の情報用導電板22の間が、それぞれ、接続アダプタ5,6を介して電気的に接続されることになる。ここにおいて、接続アダプタ5,6により、拡張導電レール2を導電レール1に接続するための接続手段、並びに、レール本体20に設けた導電路を導電レール1の導電路に電気的に接続する第2導電接続手段が構成される。
以上のようにして導電レール1に拡張導電レール2を連結することができ、機能モジュール3の設置位置などを考慮して、鉛直方向に沿って延びる導電レール1と、水平方向に沿って延びる拡張導電レール2を壁101の所望の位置に設置すればよい。
次に、導電レール1又は拡張導電レール2に取り付けられて使用される機能モジュール3について説明する。機能モジュール3は、図7のブロック図に示されるように、全般的な制御を行う演算処理部30と、機能モジュール3の種類に応じた機能を行う機能部31と、情報用導電板12又は22に印加された直流電圧に、高周波の搬送波によりデータを伝送する通信信号を重畳することで、差動位相変移変調方式の電力線搬送通信により情報の授受を行う送受信部32と、電力用導電板11又は21から供給される直流電源を平滑化して演算処理部30、機能部31及び送受信部32などの動作電源を生成する直流電源部33を備える。
尚、機能モジュール3としては種々のものがあり、図2に示す機能モジュール3aは、例えばLEDからなる光源を点灯させる点灯回路を機能部31として備える。また機能モジュール3bは、DC分電盤91に接続されたドアホン8との間で、電力線搬送通信により音声信号を授受することによってインターホン通話を行うインターホン機能を機能部31として備える。また機能モジュール3cは、操作ハンドルの入切操作に応じて機能モジュール3aを点灯又は消灯させるスイッチSWを機能部31として備える。ここで、各機能モジュール3には個別のアドレスが割り当てられ、アドレスを指定することで個々の機能モジュール3が識別できるようになっている。而して、機能モジュール3aを用いたスイッチ操作に応じて、この機能モジュール3aに対応付けられた機能モジュール3cの照明機能を点灯、消灯、調光することができる。また、ドアホン8とインターホン機能を有する機能モジュール3bとの間でインターホン通話を行うこともできる。
この機能モジュール3は、導電レール1又は拡張導電レール2に接続されて使用される。尚、鉛直方向に延びる導電レール1と、水平方向に延びる拡張導電レール2では、機能モジュール3の取付方法が異なっており、先ず図1及び図2を参照して拡張導電レール2に取り付けられる機能モジュール3の取付構造を説明する。
機能モジュール3は、図1に示すように、高さ寸法及び幅寸法に比べて厚み寸法が小さい直方体状に形成された合成樹脂製のモジュール本体35を有し、このモジュール本体35の前面には、種類に応じた機能部31が配置されている。例えば照明機能を有する機能モジュール3aでは光源がモジュール本体35の前面に配置される。インターホン機能を有する機能モジュール3bでは通話のためのスピーカ及びマイクやモニタなどが配置され、スイッチ機能を有する機能モジュール3cでは操作ハンドルが配置されている。
またモジュール本体35の上側部には、背面側(壁101側)に向かって台状に膨出する膨出部35aが一体に設けられ、この膨出部35aの下面には、拡張導電レール2の上側面に設けた凹溝23b内に挿入される嵌合リブ36(係合部)が突設されている。またモジュール本体35背面の下側部には支持台37aが突設されており、この支持台37aには、拡張導電レール2の下側面に設けた凹溝23aに進退自在に挿入される嵌合片37(スライド係合部)が、上下方向においてスライド自在に取り付けられている。尚、嵌合片37が下端位置又は上端位置に移動した状態では、嵌合片37に設けた弾性を有する係止爪(図示せず)が支持台37aの係止凹部(図示せず)にそれぞれ係止することによって、嵌合片37が上端位置又は下端位置で保持されるようになっている。
嵌合リブ36の前後両側面の下側縁には、導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されるとともに、送受信部32に電気的に接続された端子板38a,38bが、左右方向に沿って設けられている。また、嵌合片37の前後両側面の上側縁にも、導電性の良好な金属(例えば銅合金など)により帯板状に形成されるとともに、直流電源部33に電気的に接続された端子板39a,39bが、左右方向に沿って設けられている。ここにおいて、スライド係合部たる嵌合リブ36と、係合部たる嵌合片37とで、機能モジュール3を導電レール(拡張導電レール2)に取り付けるための取付手段が構成される。また、端子板38a,38b,39a,39bにより、導電レールの導電路に電気的に接続するための導電接続手段が構成される。
この機能モジュール3を拡張導電レール2に取り付ける際には、先ず、嵌合片37を下端位置まで手動で下ろしておく。そして、上側にいくほど壁101に近づくようにモジュール本体35を斜めに傾けた状態で、嵌合リブ36が凹溝23b内に挿入されるようにして、膨出部35aをレール本体20の上側面20bに載置する。この時、嵌合リブ36が凹溝23b内に嵌ることによって、モジュール本体35がレール本体20に引っ掛けられた状態で取り付けられる。その後、モジュール本体35の下部をレール本体20側に移動させて、モジュール本体35の背面をレール本体20の前面に当接させた状態で、嵌合片37を上側へスライド移動させると、嵌合片37の上部が凹溝23a内に挿入され、取り付けが完了する(導電レールに装着された状態)。この時、図2(c)に示すように、嵌合片37に設けた端子板39a,39bが凹溝23a内の導電板21a,21bに電気的に接続されるとともに、嵌合リブ36に設けた端子板38a,38bが凹溝23b内の導電板22a,22bに電気的に接続される。而して、機能モジュール3の直流電源部33に直流電力が供給されるとともに、送受信部32が情報用導電路に接続されて、機能部31により種類に応じた機能が提供される。また嵌合片37を上端位置まで手動で移動させると、嵌合片37は上端位置で保持されるので、機能モジュール3の脱落を防止することができる。尚、図2(a)(b)では図示を簡単にするため、導電板21a,21b,22a,22bを省略して図示してある。
一方、機能モジュール3を拡張導電レール2から取り外す際は、モジュール本体35の下部と壁101との間の隙間から嵌合片37の下部を手で掴み、嵌合片37を下端位置まで手動で移動させる。この時、嵌合片37と凹溝23aとの係合状態が解除されるので、モジュール本体35を斜めに傾けて上側へ持ち上げることで、機能モジュール3を拡張導電レール2から容易に取り外すことができる。
ところで、本実施形態では下側の嵌合片37をスライド移動させているが、下側の嵌合片37を固定し、上側の嵌合リブ36をスライド移動させてもよいし、嵌合リブ36及び嵌合片37の両方をスライド移動させてもよい。また嵌合片37を手動でスライド移動させているが、嵌合片37を膨出部35a側(凹溝23a内に進入する方向)にバネなどで常時付勢してもよい。この場合は、先ず、上側にいくほど壁101に近づくようにモジュール本体35を斜めに傾けた状態で、嵌合リブ36が凹溝23b内に挿入されるようにして、膨出部35aをレール本体20の上側面20bに載置する。この状態では、嵌合片37がバネの付勢力によって上側に突出しているので、嵌合片37の上端部がレール本体20の下側の角部に当接し、嵌合リブ36のみが凹溝23a内に嵌ることによって、モジュール本体35がレール本体20に引っ掛けられた状態となる。その後、嵌合片37をバネの付勢力に抗して下側に下ろすと、嵌合片37がレール本体20の下側の角部を乗り越える。そして、モジュール本体35の背面をレール本体20の前面に当接させた状態で、嵌合片37を放すと、嵌合片37がバネの付勢力を受けて上端位置まで移動するので、機能モジュール3の取付作業を簡単に行うことができる。この時、嵌合片37の上部が凹溝23a内に挿入されて、モジュール本体35の取付が完了する。尚、機能モジュール3を取り外す際は、モジュール本体35の下部と壁101との間の隙間から嵌合片37の下部を手で掴み、嵌合片37をバネの付勢力に抗して下端位置まで手動で移動させると、嵌合片37と凹溝23aとの係合状態が解除される。嵌合片37と凹溝23aとの係合状態を解除した後、モジュール本体35を斜めに傾けて上側へ持ち上げることで、機能モジュール3を拡張導電レール2から容易に取り外すことができる。また、嵌合片37及び嵌合リブ36の両方をそれぞれ凹溝23a,23b内に進入する方向へバネなどで常時付勢してもよく、上述と同様、取付作業を簡単に行うことができる。
次に、図3及び図4を参照して導電レール1に取り付けられる機能モジュール3’の取付構造を説明する。この機能モジュール3’は、図3に示すように、高さ寸法及び幅寸法に比べて厚み寸法が小さい直方体状に形成された合成樹脂製のモジュール本体35を有し、このモジュール本体35と一体に導電レール1への接続アダプタ70が設けられている。また、図3に示す機能モジュール3’はスイッチ機能を有するものであり、モジュール本体35の前面にはスイッチ操作のための操作ハンドル31aが設けられている。
接続アダプタ70は上述した接続アダプタ5と同様の構成を有し、モジュール本体35の前面に連続してレール本体10の前面に配置される矩形板状の中央片71と、中央片71の一辺から壁101側に向かって突出する側片72とを一体に備えている。そして、側片72の内側面、及び、側片72に対向するモジュール本体35の側面には、レール本体10の凹溝13a,13b内にそれぞれ挿入される嵌合リブ73a,73bが突設されている。各嵌合リブ73a,73bの前後両側面には、嵌合リブ36及び嵌合片37と同様に、対応する凹溝13a,13b内に配置された導電板11,12に電気的に接続される端子板74が配置されている。これらの端子板74が導電板11,12に電気的に接続されることで、直流電源部33に直流電力が供給されるとともに、送受信部32が情報用導電路に接続されて、機能部31により種類に応じた機能が提供される。ここにおいて、嵌合リブ73a,73bにより、機能モジュール3’を導電レール1に取り付けるための取付手段が構成され、端子板74により導電レール1の導電路に電気的に接続するための第1導電接続手段が構成される。
この機能モジュール3’を導電レール1に取り付ける際には、レール本体10の一端側から、嵌合リブ73a,73bが凹溝13a,13b内にそれぞれ挿入されるようにして、接続アダプタ5をレール本体10に装着する(図4参照)。この時、嵌合リブ73a,73bが凹溝13a,13bにガイドされることによって、機能モジュール3’が導電レール1に対してスライド自在に取り付けられる。また、各端子板74が対応する導電板11a,11b,12a,12bに電気的に接続されることによって、機能モジュール3’の直流電源部33が電力用導電路に電気的に接続されるとともに、送受信部32が情報用導電路に電気的に接続される。
尚、上述の機能モジュール3’は、レール本体10の両側面に設けられた凹溝13a,13b内に嵌合リブ73a,73bを嵌合させることによって、レール本体10に取り付けられているが、一方の側面に設けられた凹部のみに嵌合リブを嵌合させることによって、片持ち支持された状態でレール本体10に取り付けても良い。この場合、機能モジュール3’と、他方の凹部内に配置された導電板とは別途の導電部材(図示せず)を介して電気的に接続すればよい。
以上説明したように、機能モジュール3は、嵌合リブ36をレール本体20の被係合部である凹溝23bに係合させるとともに、機能モジュール3の嵌合片37をレール本体20の凹溝23aに係合させることによって、導電レール(拡張導電レール2)に取り付けられるから、導電レールの所望の位置に機能モジュール3を取り付けることができる。したがって、機能モジュール3の取付位置の自由度が向上し、所望の機能を有する機能モジュール3を所望の位置に取り付けて使用することができる。
また、一方の嵌合リブ36はモジュール本体35に固定されているが、他方の嵌合片37はスライド移動自在となっているので、嵌合片37のみをスライド移動させることで取り付け、取り外しの作業を行うことができる。そして、嵌合片37をスライド移動させることで、嵌合片37が凹溝23aに係合する状態と、凹溝23aから離脱する状態とが容易に切り替えられるから、導電レールの所望の位置で機能モジュール3を取り付ける作業を行うことができる。
ところで、上述の実施形態では上側の嵌合リブ36を固定とし、下側の嵌合片37を上下方向においてスライド移動自在に設けているが、下側の嵌合片37を固定とし、上側の嵌合リブ36を上下方向においてスライド移動自在としてもよい。この場合、嵌合リブ36を上側にスライド移動させた状態で、機能モジュール3の取り付け又は取り外しを行い、嵌合リブ36を下側にスライド移動させて凹溝23bと嵌合させることで、機能モジュール3を導電レール1に保持させることができる。
また、スライド係合部である嵌合リブ36及び嵌合片37の両方を上下方向においてスライド移動自在としてもよい。この場合、嵌合リブ36を上側、嵌合片37を下側にそれぞれスライド移動させた状態で、機能モジュール3の取り付け又は取り外しを行うことができる。また嵌合リブ36を下側、嵌合片37を上側にそれぞれスライド移動させて、凹溝23a,23bと嵌合させることで、機能モジュール3を導電レール1に保持させることができる。このように両方のスライド係合部をスライド移動自在としているので、例えばレール本体が床面近くに設置され、片側(下側)のスライド係合部が操作しにくい場合でも、もう一方(上側)のスライド係合部を操作することで、取り付け/取り外しの作業が容易に行えるという効果もある。
尚、この場合にもスライド移動自在に設けられた嵌合リブ36又は嵌合片37を、凹溝23a,23b内に進入する方向へバネで付勢してもよく、上述と同様、取付作業を簡単に行うことができる。
また、上述の実施形態では、機能モジュール3,3’を導電レール(導電レール1又は拡張導電レール2)に直接取り付けているが、図18に示すように、導電レールに着脱自在に取り付けられるベースブロック80と、ベースブロック80にコネクタを介して着脱自在に接続される機能ブロック35’とで機能モジュール3Aを構成してもよい。
機能モジュール3Aを構成するベースブロック80は、高さ寸法及び幅寸法に比べて厚み寸法が小さい直方体状に形成された合成樹脂製のベース本体81を有している。このベース本体81の前面には、機能ブロック35’の突起部84,85が挿入される嵌合穴82,83が開口する。一方の嵌合穴82には、電力供給用のコンタクトピン82aが配置され、他方の嵌合穴83には、情報信号を授受するためのコンタクトピン83aが配置されている。
またベース本体81の上側部には、背面側(壁101側)に向かって台状に膨出する膨出部81aが一体に設けられ、この膨出部81aの下面には、拡張導電レール2の上側面に設けた凹溝23b内に挿入される嵌合リブ86(係合部)が突設されている。またベース本体81背面の下側部には支持台87aが突設されており、この支持台87aには、拡張導電レール2の下側面に設けた凹溝23aに進退自在に挿入される嵌合片87(スライド係合部)が、上下方向においてスライド自在に取り付けられている。尚、嵌合片87が下端位置に移動した状態、及び、嵌合片87が上端位置に移動した状態では、嵌合片87に設けた弾性を有する係止爪(図示せず)が支持台87aの係止凹部(図示せず)にそれぞれ係合することによって、嵌合片87が上端位置又は下端位置で保持されるようになっている。
この機能モジュール3Aを拡張導電レール2に取り付ける場合、まず機能ブロック35’が取り外された状態でベースブロック80のみを拡張導電レールに取り付けることができる。ベースブロック80を拡張導電レール2に接続する際には、先ず、嵌合片87を下端位置まで手動で下ろしておく。そして、上側にいくほど壁101に近づくようにベース本体81を斜めに傾けた状態で、嵌合リブ86が凹溝23b内に挿入されるようにして、膨出部81aをレール本体20の上側面20bに載置する。この時、嵌合リブ86が凹溝23b内に嵌ることによって、ベース本体81がレール本体20に引っ掛けられた状態で取り付けられる。その後、ベース本体81の下部をレール本体20側に移動させて、ベース本体81の背面をレール本体20の前面に当接させた状態で、ベース本体81の下側部から下方に突出する嵌合片87を上側へスライド移動させると、嵌合片87の上部が凹溝23a内に挿入されて、ベース本体81のレール本体20への取り付けが完了する。この時、嵌合片87に設けた端子板89a,89bが凹溝23a内の導電板21a,21bに電気的に接続されることによって、ベースブロック80のコンタクトピン82aに直流電力が供給される。また、嵌合リブ86に設けた端子板88a,88bが凹溝23b内の導電板22a,22bに電気的に接続されることによって、ベースブロック80のコンタクトピン83aが情報用導電路に接続される。尚、図18では図示を簡単にするため、凹溝23a,23b内に配置された導電板21a,21b,22a,22bを省略して図示してある。また、嵌合片87を上端位置まで手動で移動させると、嵌合片87は上端位置で保持されるので、ベースブロック80の脱落を防止することができる。
このようにして、ベースブロック80が拡張導電レール2に取り付けられた後に、ベースブロック80の前面側に機能ブロック35’を取り付けると、突起部84,85が嵌合穴82,83に嵌合することで、両ブロック80,35’間が機械的に連結される。また、ベースブロック80のコンタクトピン82a,83aが、それぞれ、突起部84,85に設けたピン挿通孔84a,85aに挿通され、突起部84,85内に収納された刃受(図示せず)に接続される。このとき、機能ブロック35’とベースブロック80とが電気的に接続され、直流電源部33に直流電源が供給されるとともに、送受信部32が情報用導電路に電気的に接続されるので、機能ブロック35’によって所望の機能が提供される。
なお、機能モジュール3Aを拡張導電レール2から取り外す際は、先ず機能ブロック35’をベースブロック80から取り外した後、ベース本体81の下部と壁101との間の隙間から嵌合片87の下部を手で掴み、嵌合片87を下端位置まで手動で移動させると、嵌合片87と凹溝23aとの係合状態が解除されるので、ベース本体81を斜めに傾けて上側へ持ち上げることで、機能モジュール3Aを拡張導電レール2から容易に取り外すことができる。
また上述の配線システムでは、直流電力を供給するための電力用導電路(導電板11,21などからなる)とは別に、情報信号を伝送するための情報用導電路(導電板12,22などからなる)を設けているので、情報信号の伝送品質を確保できるとともに、電力用導電路を介して供給される直流電圧のノイズを低減できるという利点がある。尚、機能モジュール3の送受信部32(電力線搬送通信手段)が、電力用導電路に供給される直流電圧に情報信号を重畳して伝送すれば、電力用導電路を情報用導電路として兼用することができる。したがって、直流電力を供給するための導電路で情報信号の授受も行うことができ、導電路の数を削減できるので、配線システムのコストを安価にすることができる。
また上述の形態では、図1に示すように、水平方向に沿って取り付けられる拡張導電レール2の上下の凹溝23a,23b内に、電力用導電板21(21a,21b)と情報用導電板22(22a,22b)とが分けて配置されており、導電板21,22間の絶縁距離を長くとれる。また情報用導電板22に伝送される情報信号によって、電力用導電板21にノイズが重畳するのを防止することができる。また、別々の側面20a,20bの凹溝23a,23bに複数の導電板21,22が分けて収納されているので、1つの凹溝に導電板21,22を纏めて収納する場合に比べて、凹溝23a,23bの深さを小さくでき、レール本体の強度を保つことができる。但し、施工状態で上側を向く凹溝23bには埃などが入り込む可能性があるので、凹溝23bにおいて機能モジュール3が取り付けられていない部分を塞ぐ蓋(図示せず)などを凹溝23bの開口に取り付けるのが好ましい。
また、施工状態で下側を向く凹溝23aには埃などが溜まる虞がないので、下側を向く凹溝23aに、絶縁距離を確保した状態で電力用導電板21と情報用導電板22とを配置することも好ましい。電力用導電板21と情報用導電板22とが同じ凹溝内に配置されているので、この凹溝が下側を向くようにレール本体を施工することで、凹溝内に埃などが溜まるのを防止できる。また、両者が同じ凹溝内に収納される場合、凹溝23aの手前側に情報用導電板22が、奥側に電力用導電板21が配置されるのが好ましい。機能モジュール3を拡張導電レール2に取り付ける際には、奥側に配置された電力用導電板21に機能モジュール3の電極が接触するまでは、機能モジュール3に通電されないので、機能モジュール3を着脱する際の安全性が向上するという利点がある。
2 拡張導電レール
3 機能モジュール
20 レール本体20
21a,21b,22a,22b 導電板(導電路)
23a,23b 凹溝
36 嵌合リブ(取付手段、スライド係合部)
37 嵌合片(取付手段)
38a,38b,39a,39b 端子板(導電接続手段)
91a DC電源(給電部)
3 機能モジュール
20 レール本体20
21a,21b,22a,22b 導電板(導電路)
23a,23b 凹溝
36 嵌合リブ(取付手段、スライド係合部)
37 嵌合片(取付手段)
38a,38b,39a,39b 端子板(導電接続手段)
91a DC電源(給電部)
Claims (5)
- 建物の壁面に沿って設置される長尺のレール本体を具備し、当該レール本体の長手方向に沿って導電路が設けられた導電レールと、
導電レールの導電路に電力を供給する給電部と、
レール本体に着脱自在に取り付けるための取付手段及び導電路に電気的に接続する導電接続手段を具備し、導電接続手段を介して導電路から受電するとともに、所定の機能を行う機能モジュールとを備え、
機能モジュールの取付手段は、壁面の法線方向及びレール本体の長手方向にそれぞれ直交する方向において進退自在に設けられたスライド係合部を具備し、
導電レールへの取り付け又は取り外しの作業時には、スライド係合部をレール本体から離れる方向に後退させるとともに、導電レールに装着した状態では、スライド係合部をレール本体側に突出させる方向へ前進させて、レール本体の被係合部にスライド係合部を係合させ、且つ、導電接続手段を導電レールの導電路に電気的に接続させることを特徴とする配線システム。 - 前記給電部は、直流の低圧電力を供給することを特徴とする請求項1記載の配線システム。
- 前記レール本体は、高さ及び長さに比べて厚みが小さい直方体状であって、壁面の法線方向及びレール本体の長手方向にそれぞれ直交する方向の両側面に前記長手方向に沿って凹溝が形成されており、
前記凹溝で前記被係合部が構成され、前記凹溝の内側面に前記導電路が配置されたことを特徴とする請求項1又は2の何れかに記載の配線システム。 - 前記機能モジュールは、前記レール本体側に突出し、前記レール本体の両側面に設けた凹溝のうちの一方に係合する係合部を備え、他方の凹溝に前記スライド係合部を係合させることを特徴とする請求項3記載の配線システム。
- 前記機能モジュールは、前記レール本体の両側面に設けた凹溝にそれぞれ係合する前記スライド係合部を備えたことを特徴とする請求項3記載の配線システム。
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