JP2011150040A - 眼鏡フレーム部材及びその製造方法 - Google Patents

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浩 中村
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Abstract

【課題】デザイン付与のための加工が容易であり、強度が優れると共に耐久性にも優れる眼鏡フレーム部材及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、弾力性が異なる複数の部材が連続して一体となった眼鏡フレーム部材10であって、部材同士が摩擦接合又はレーザ接合により接合されている眼鏡フレーム部材10である。例えば、テンプル部材1と、該テンプル部材1に連続するモダン部材2とからなる眼鏡フレーム部材10であって、テンプル部材1の弾力性とモダン部材2の弾力性とが異なっており、テンプル部材1とモダン部材2とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている眼鏡フレーム部材10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、眼鏡フレーム部材及びその製造方法に関する。
眼鏡フレーム部材には、一般に、単一の材料が用いられている。
ところが、単一の材料を用いた眼鏡フレーム部材は、着用者によってはフィット感が不十分となる。すなわち、眼鏡フレーム部材の弾力性が小さい場合、眼鏡フレームが頭を締め付けることになり、眼鏡フレーム部材の弾力性が大きい場合、眼鏡フレームが外れやすくなる。
これに対して、フィット感を向上させた眼鏡フレームが開発されている。
例えば、ばね性を生じる直径とばね性を生じない直径になるように、長さ方向の断面積を変化させた眼鏡フレームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、曲げ剛性を段階的に変化させた眼鏡フレームが知られている(例えば、特許文献2参照)。かかる眼鏡フレームは、前部片と後部片とを係合(嵌合)させて作製される。
特開2004−246296号公報 特開2007−101975号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の眼鏡フレームは、ばね性を生じる直径とした部分の強度が不十分となる。
上記特許文献2記載の眼鏡フレームは、曲げ剛性を段階的に変化させた部材同士がカシメで嵌合されているので、加工できない嵌合部分が大きく、デザインの幅が限定される欠点がある。また、ロウ付けで接着されているので接続性も不十分であり、部片が外れる恐れがある。なお、特にロウが硬化した後、部片が外れたら補修が困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、デザイン付与のための加工が容易であり、強度が優れると共に耐久性にも優れる眼鏡フレーム部材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、摩擦接合又はレーザ接合を眼鏡フレーム部材に転用し、弾力性の異なる部材を一体とすることにより、意外にも、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)弾力性が異なる複数の部材が連続して一体となった眼鏡フレーム部材であって、部材同士が摩擦接合又はレーザ接合により接合されている眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(2)複数の部材が、テンプル部材と、該テンプル部材に連続するモダン部材とからなり、眼鏡の耳掛け部に用いられる上記(1)記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(3)テンプル部材の弾力性がモダン部材の弾力性よりも大きい上記(2)記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(4)テンプル部材及びモダン部材がチタン合金部材からなるものであり、
テンプル部材の弾力性が1%以上であり、モダン部材の弾力性が1%未満である上記(2)記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(5)テンプル部材が、第1テンプル部材と第2テンプル部材とからなるものであり、第2テンプル部材の弾力性が第1テンプル部材の弾力性よりも大きく、第1テンプル部材と第2テンプル部材とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている上記(2)〜(4)のいずれか一つに記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(6)第2テンプル部材の弾力性が2%以上であり、第1テンプル部材の弾力性が1%以上2%未満である上記(5)に記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(7)テンプル部材が、第2テンプル部材、第1テンプル部材、及び第2テンプル部材の順序で一体となっている上記(5)又は(6)に記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(8)複数の部材が、フレーム部材と、該フレーム部材に連続するブリッジ部材とからなり、眼鏡のフロント部に用いられる上記(1)記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(9)パッドアームに用いられる上記(1)記載の眼鏡フレーム部材に存する。
本発明は、(10)上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の眼鏡フレーム部材の製造方法であって、弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とし、スウェージング加工又はプレス加工を施した眼鏡フレーム部材の製造方法に存する。
本発明は、(11)上記(1)〜(9)のいずれか一つに記載の眼鏡フレーム部材の製造方法であって、弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とし、プレス加工を施した後、更に抜き加工を施した眼鏡フレーム部材の製造方法に存する。
本発明の眼鏡フレーム部材は、弾力性が異なる複数の部材を、摩擦接合又はレーザ接合により一体としたものであるので、接合部分が極めて小さくなる。このため、デザイン付与のための加工が容易となる。
また、部材同士の金属融和により接合するので、強度が優れると共に耐久性にも優れるものとなる。
例えば、テンプル部材とモダン部材とから構成される耳掛け部に眼鏡フレーム部材を採用する場合、テンプル部材とモダン部材との弾力性を異なるものとすることで、眼鏡フレームを顔にフィットさせる機能と、眼鏡フレームをその位置に固定する(外れないようにする)機能とを同時に果たすことが可能となる。
具体的には、テンプル部材の弾力性をモダン部材の弾力性よりも大きくすることで、テンプル部材を顔にフィットさせると同時に、モダン部材を顔に固定させることができる。なお、上記眼鏡フレーム部材においては、例えば、モダン部材の長さ方向に対する直径を小さくした場合であっても、モダン部材の弾力性を小さくすることで、強度を向上させることができる。
したがって、上記眼鏡フレーム部材を用いた眼鏡フレームは、フィット感に優れるものとなる。
また、上記眼鏡フレーム部材は、製造が容易であり、強度が優れると共に耐久性にも優れるものとなる。なお、テンプル部材の弾力性を1%以上とし、モダン部材の弾力性を1%未満とすることが好ましい。
本発明の眼鏡フレーム部材は、テンプル部材が、第1テンプル部材と第2テンプル部材とからなるものであり、第2テンプル部材の弾力性が第1テンプル部材の弾力性よりも大きくなっている場合、テンプル部材の中でも弾力性を調整することができるので、フィット感をより向上させることができる。
また、例えば、第1テンプル部材の長さ方向に対する直径を小さくした場合であっても、第1テンプル部材の弾力性を小さくすることにより、強度が優れるものとなる。なお、第2テンプル部材の弾力性が2%以上であり、第1テンプル部材の弾力性が1%以上2%未満であることが好ましい。
本発明の眼鏡フレーム部材は、テンプル部材が、第2テンプル部材、第1テンプル部材、及び、第2テンプル部材の順序で一体となっていると、部分によって強度を異なるものとすることができるので、デザインの幅が更に広がる。
本発明の眼鏡フレーム部材は、モダン部材をカバーするためのモダンカバーが取り付けられており、該モダンカバーがモダン部材を覆っていると、眼鏡フレームの着脱がしやすくなり、顔への締め付けも緩和される。
本発明の眼鏡フレーム部材において、フレーム部材とブリッジ部材とから構成されるフロント部に眼鏡フレーム部材を採用する場合、例えば、ブリッジ部材の弾力性をフレーム部材の弾力性よりも大きくすることで、着用者の鼻の高さに関わらずフロント部を目の位置に正確に位置付けすることができる。
本発明の眼鏡フレーム部材において、パッドアームに眼鏡フレーム部材を採用する場合、着用者の鼻の高さに関わらず眼鏡フレームを鼻にフィットさせることができる。
本発明の眼鏡フレーム部材の製造方法においては、弾力性の異なるテンプル部材及びモダン部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とした後、スウェージング加工又はプレス加工が施される。
また、上記プレス加工を施した後、更に抜き加工を施してもよい。
これらの加工を組み合わせることにより、デザイン性に優れる眼鏡フレーム部材を製造することができる。
図1(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第1実施形態を示す側面図であり、図1(b)は、図1(a)の上面図である。 図2は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。 図3は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法におけるスウェージング工程を説明するための概略側面図である。 図4(a)は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法におけるプレス工程を説明するための概略側面図であり、図4(b)は、得られた耳掛け部の概略上面図である。 図5は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材を用いた眼鏡を示す斜視図である。 図6(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第2実施形態を示す側面図であり、図6(b)は、図6(a)の上面図である。 図7は、第2実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。 図8(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第3実施形態を示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)の上面図である。 図9は、第3実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。 図10は、第3実施形態に係る眼鏡フレーム部材を用いた眼鏡を示す斜視図である。 図11(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材をフロント部に用いた実施形態を示す正面図であり、図11(b)は、図11(a)の上面図である。 図12は、本発明に係る眼鏡フレーム部材をパッドアームに用いた実施形態を示す斜視図である。 図13は、他の実施形態に係る眼鏡フレーム部材の製造方法を示す図であり、図13(a)は、チタン合金部材を接合させた接合体を示す斜視図であり、図13(b)は、接合体にプレス加工を施した後を示す斜視図であり、図13(c)は、更に抜き加工を施した斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明の眼鏡フレーム部材は、弾力性が異なる複数の部材が連続して一体となった眼鏡フレーム部材であって、部材同士が摩擦接合又はレーザ接合により接合されている。
本発明の眼鏡フレーム部材によれば、弾力性が異なる複数の部材を、摩擦接合又はレーザ接合により一体としたものであるので、接合部分が極めて小さくなる。このため、デザイン付与のための加工が容易となる。更に、使用する人の顔形に対応したフィット性を担保することができる。
また、部材同士の金属融和により接合するので、強度が優れると共に耐久性にも優れるものとなる。
以下、本発明の眼鏡フレーム部材を用いた、耳掛け部、フロント部、パッドアームについて詳細に説明する。
1.耳掛け部
(第1実施形態)
まず、本発明の眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第1実施形態について説明する。
図1(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第1実施形態を示す側面図であり、図1(b)は、その上面図である。
図1(a)及び 図1(b)に示すように、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(以下「耳掛け部」ともいう。)10は、テンプル部材1と、該テンプル部材1に連続するモダン部材2と、モダン部材2をカバーするためのモダンカバー3とを備える。
耳掛け部10は、顔の形状にフィットさせる観点から、上面視で緩やかに曲がった形状を有しており、耳に掛ける観点から、先端(モダン部材2の一部)が側面視で下方に屈曲した形状を有している。
テンプル部材1は、末端部1aが側面視で先細りしており、モダン部材2は、元端部2aがテンプル部材1の先細りした末端部1aと面一となるように連続している。
また、モダン部材2は、中腹部2bが上面視で膨らむと共に、末端部2cに向かって側面視で先細りしている。そして、中腹部2bから延びた末端部2cは、側面視で屈曲している。
ここで、耳掛け部10においては、テンプル部材1とモダン部材2とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている。すなわち、テンプル部材1とモダン部材2とは嵌合手段やロウ付けを用いず、テンプル部材1の末端部1aとモダン部材2の元端部2aとの断面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合されている。なお、摩擦接合及びレーザ接合の詳細については、後述する。
このように、耳掛け部10は、このような接合により製造されているので、テンプル部材1とモダン部材2との接続性が不十分となったりテンプル部材1とモダン部材2とが外れるおそれがない。したがって、耳掛け部10は、耐久性が優れるものとなる。
耳掛け部10においては、テンプル部材1とモダン部材2との弾力性が異なっている。具体的には、テンプル部材1の弾力性がモダン部材2の弾力性よりも大きくなっている。
ここで、本発明において「弾力性」とは、材料が変形しても、元に戻ろうとする性質のことを意味し、「弾力性」の値Aは、Lmmの材料を長さ方向に力を加えてBmm伸ばし、力を解放したときに元のLmmに戻る場合において下記式で表される。但し、式中、Bは、元のLmmに戻る場合の最大値である。
A(%)=B(mm)×100/L(mm)
耳掛け部10においては、一方では、テンプル部材1の弾力性が大きいので、眼鏡を顔の幅にフィットさせることができ、他方では、モダン部材2の弾力性が小さいので、耳に掛けてその位置で的確に固定させることができる。
また、耳掛け部10は、デザイン性に優れるだけでなく、モダン部材2の末端部2cの断面の径が小さくなっていてもモダン部材2の弾力性が小さいので十分な強度が発揮される。
テンプル部材1及びモダン部材2は、いずれもチタン合金部材からなる。
かかるチタン合金部材は、チタンを主材料とし、これに、アルミニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、ハフニウム、ジルコニウム及びニッケルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が含まれている。
チタン合金部材の結晶構造は、特に限定されず、αチタン、βチタン、αβチタンが含まれる。
テンプル部材1及びモダン部材2においては、チタンに配合される金属や結晶構造を調整することにより、上述した弾力性が変化することになる。なお、本発明においては、純チタン(チタン99%)も、チタン合金部材に含まれる。
ここで、テンプル部材1の弾力性は、1%以上であることが好ましく、モダン部材2の弾力性は、1%未満であることが好ましい。
この場合、フィット感がより向上する。
例えば、弾力性が1%以上であるテンプル部材1に用いられるチタン合金部材の具体例としては、βチタン(チタン約70%、バナジウム22%、アルミニウム4%)、ゴムメタル(登録商標)、ジルコニウム系チタン、NT合金(チタン50%、ニッケル50%)、エクセレンスチタン(登録商標)等が挙げられる。
また、弾力性が1%未満であるモダン部材2に用いられるチタン合金部材の具体例としては、純チタン(チタン99%)、タイベック(登録商標)(チタン94.5%、アルミニウム3%、バナジウム2.5%)等が挙げられる。
テンプル部材1は、形状記憶合金であることが好ましい。テンプル部材1がクッションの機能を果たすので、眼鏡フレームを落下させても破損が抑制される。
モダンカバー3は、モダン部材2の中腹部2bから後方に取り付けられており、モダン部材2の末端部2cまでを覆っている。なお、中腹部2bは上述したように、上面視で膨らんでいるので、モダンカバー3が中腹部2bに装着されて確実に固定される。
次に、眼鏡フレーム部材(耳掛け部)10の製造方法について説明する。
耳掛け部10の製造方法は、弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程(接合工程)、スウェージング加工を行う工程(スウェージング工程)、プレス加工(プレス工程)を行う工程を施すものである。
(接合工程)
接合工程は、弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程である。
図2は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。
接合工程においては、まず、弾力性の異なるチタン合金部材を2つ準備する。このうち、弾力性の大きいものが後にテンプル部材1となり、弾力性の小さいものが後にモダン部材2となる。
そして、図2に示すように、まず、出発材料となる弾力性の大きいチタン合金部材(以下便宜的に「第1チタン合金部材」という。)11と、弾力性の小さいチタン合金部材(以下便宜的に「第2チタン合金部材」という。)12とを軸心を揃えて位置決めし、互いの断面を接合する。なお、第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12とは、断面同じ円径の線材である。
接合方法は、摩擦接合又はレーザ接合を用いる。
ここで、摩擦接合とは、第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12との接合面を回転等により互いに高速で擦り合わせ、そのときに生じる摩擦熱によって、境界の金属を軟化させると同時に圧力を加えて接合する方法である。摩擦接合によって、境界の金属を融和させることにより、弾力性の異なる第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12とが一体となる。なお、摩擦接合の際には、耐久性向上の観点から、第1チタン合金部材11及び/又は第2チタン合金部材12の接合面にディスクサンダー掛け又はブラスト処理を施してもよい。
この場合、ロウ付けが行われないので、製造が容易で、歩留まりもよく、耐久性にも優れるものとなる。
また、レーザ接合とは、第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12との接合面同士を合わせた境界の部分にレーザを照射し、境界の金属を溶融させると同時に圧力を加えて接合する方法である。レーザ接合によって、境界の金属を融和させることにより、弾力性の異なる第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12とが一体となる。
この場合も、ロウ付けが行われないので、製造が容易で、歩留、耐久性にも優れるものとなる。また、レーザ光の径を選択することにより、微細な部品であっても、加工可能となる。
こうして、接合した後、周囲のバリ等を処理加工すると、第1チタン合金部材11と第2チタン合金部材12とが面一で且つ一体となった接合体15が得られる。
(スウェージング工程)
スウェージング工程は、上述した接合体15に対し、スウェージング加工を施す工程である。
ここで、スウェージング加工とは、延伸により、断面で径の異なる部分を形成する加工である。
耳掛け部10の製造方法においては、摩擦接合又はレーザ接合により、弾力性の異なる同一径同士のチタン合金部材を一体化しているので、接合された部分を含んだスウェージング加工が容易に可能となる。ちなみに、従来の嵌合やロウ付けでは、接続した部分を含んでの加工は困難である。
図3は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法におけるスウェージング工程を説明するための概略側面図である。
図3に示すように、スウェージング工程においては、接合体15のテンプル部材1の末端部1aに相当する位置15aと、接合体15のモダン部材2の中腹部2bに相当する位置15bとの2箇所を起点としてスウェージング加工が施される。なお、テンプル部材1の末端部1aに相当する位置15aには、接合された部分が含まれる。
これにより、接合体15の一部が絞られ、縮径される。すなわち、スウェージング加工が施された起点の位置15a,15bは、テーパー状になると共に、その先は断面が径小になる。なお、スウェージング加工は公知の方法で適宜施される。
こうして、接合体15にスウェージング加工が施された中間体16が得られる。
(プレス工程)
プレス工程は、中間体16に対し、プレス加工を施す工程である。なお、耳掛け部10の製造方法においては、接合により、弾力性の異なるチタン合金部材同士を一体化しているので、従来の嵌合やロウ付けとは異なり、接合された部分を含んだプレス加工が可能となる。
図4(a)は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法におけるプレス工程を説明するための概略側面図であり、図4(b)は、得られた耳掛け部の概略上面図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、プレス工程においては、中間体16のモダン部材2の中腹部2bから末端部2cに相当する部分以外にプレス加工が施される。プレス加工されると、側面視ではスウェージング加工された形状が維持されるものの上面視では平坦になる。このときの厚みは、適宜調整可能である。
こうして、中間体16にプレス加工が施されたプレ耳掛け部17が得られる。
そして、プレ耳掛け部17のモダン部材2の末端部2cに相当する部分を下方に曲げると共に、モダンカバー3を、末端部2cを覆うように取り付ける。なお、モダンカバー3は、モダン部材2の中腹部2bに留められる。
こうして、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)10が得られる。
耳掛け部10は、公知の方法により、レンズ、枠体、箱足等を取り付けることにより、眼鏡として用いられる。
図5は、第1実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)を用いた眼鏡を示す斜視図である。
図5に示すように、眼鏡50は、枠体51と、該枠体51の両側に取り付けられた耳掛け部10と、枠体51の中央のブリッジに取り付けられた一対のパッドアーム52と、を備える。
眼鏡50は、耳掛け部10が弾力性の異なるテンプル部材1及びモダン部材2を有するので、眼鏡を顔にフィットさせる機能と、眼鏡をその位置に固定する機能とを同時に果たすことができる。
また、耳掛け部10は、上述したように、デザイン性が優れるので、眼鏡もデザイン性が優れるものとなる。
[第2実施形態]
次に、本発明の眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第2実施形態について説明する。
図6(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第2実施形態を示す側面図であり、図6(b)は、図6(a)の上面図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、第2実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)20は、テンプル部材21と、該テンプル部材21に連続するモダン部材22と、モダン部材22をカバーするためのモダンカバー3とを備え、テンプル部材21が、第1テンプル部材25と第2テンプル部材26とからなる。すなわち、第1テンプル部材25、第2テンプル部材26、及び、モダン部材22がこの順序で連続して一体化されている。
耳掛け部20は、顔の形状にフィットさせる観点から、上面視で緩やかに曲がった形状を有しており、耳に掛ける観点から、先端(モダン部材22の一部)が下方に屈曲した形状を有している。
第1テンプル部材25は、末端部25aが側面視で先細りしており、第2テンプル部材26は、元端部26aが第1テンプル部材25の先細りした末端部25aと面一となるように連続している。
また、第2テンプル部材26は、末端部26bが側面視で先太りしており、モダン部材22は、元端部22aが第2テンプル部材26の先太りした末端部26bと面一となるように連続している。
さらに、モダン部材2は、中腹部22bが上面視で膨らむと共に、末端部22cに向かって側面視で先細りしている。そして、末端部22cは、屈曲している。
ここで、耳掛け部20においては、第1テンプル部材25及び第2テンプル部材26と、第2テンプル部材26及びモダン部材22と、が摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている。すなわち、第1テンプル部材25の末端部25aと第2テンプル部材26の元端部26aとの面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合され、第2テンプル部材26の末端部26bとモダン部材22の元端部22aとの断面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合されている。なお、接合は、上述した摩擦接合又はレーザ接合により行われる。
このように、耳掛け部20は、接合により製造されているので、テンプル部材21とモダン部材22との接続性が不十分となったりテンプル部材21又はモダン部材22が外れるおそれがない。したがって、耳掛け部20は、耐久性が優れるものとなる。
耳掛け部20においては、第1テンプル部材25と第2テンプル部材26とモダン部材22との弾力性が異なっており、具体的には、第2テンプル部材26の弾力性が第1テンプル部材25の弾力性よりも大きくなっており、第1テンプル部材25の弾力性がモダン部材22の弾力性よりも大きくなっている。
耳掛け部20においては、第1テンプル部材25の弾力性が大きいので、眼鏡を顔の幅に調整でき、第2テンプル部材26の弾力性がより大きいので、顔の幅に確実フィットさせることができる。すなわち、テンプル部材の中でも弾力性を調整することができるので、フィット感をより向上させることができる。
また、モダン部材22の弾力性が小さいので、耳に掛けてその位置で固定させ易い。なお、モダン部材22の断面の径を小さくした場合であっても、モダン部材22の弾力性を小さくすることにより、強度が優れるものとなる。
さらに、耳掛け部20は、デザイン性に優れるだけでなく、モダン部材22の末端部22cの断面の直径が小さくなっていてもモダン部材22の弾力性が小さいので十分な強度が発揮される。
ここで、第1テンプル部材25の弾力性は、1%以上2%未満であることが好ましく、第2テンプル部材26の弾力性は2%以上であることが好ましく、モダン部材22の弾力性は、1%未満であることが好ましい。
この場合、フィット感が確実に向上する。
例えば、弾力性が1%以上2%未満である第1テンプル部材25に用いられるチタン合金部材の具体例としては、βチタン(チタン約70%、バナジウム22%、アルミニウム4%)、ゴムメタル(登録商標)、ジルコニウム系チタン等が挙げられ、弾力性が2%以上である第2テンプル部材26に用いられるチタン合金部材の具体例としては、NT合金(チタン50%、ニッケル50%)、エクセレンスチタン(登録商標)等が挙げられる。
また、弾力性が1%未満であるモダン部材22に用いられるチタン合金部材の具体例としては、純チタン(チタン99%)、タイベック(登録商標)(チタン94.5%、アルミニウム3%、バナジウム2.5%)等が挙げられる。
第2テンプル部材26は、形状記憶合金であることが好ましい。第2テンプル部材26がクッションの機能を果たすので、例えば、眼鏡フレームを落下させても破損が抑制される。
モダンカバー3は、モダン部材22の中腹部22bから後方に取り付けられており、モダン部材22の末端部22cまでを覆っている。なお、中腹部22bは上述したように、上面視で膨らんでいるので、モダンカバー3が中腹部22bに装着されて確実に固定される。
次に、耳掛け部20の製造方法について説明する。
耳掛け部20の製造方法は、弾力性の異なる3つのチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程(接合工程)、第1実施形態に係る耳掛け部10の製造方法と同様に、スウェージング加工を行う工程(スウェージング工程)、プレス加工を行う工程(プレス工程)を施すものである。
(接合工程)
接合工程は、弾力性の異なる3つのチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程である。
図7は、第2実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。
接合工程においては、まず、弾力性の異なるチタン合金部材を3つ準備する。このうち、弾力性の最も大きいものが後に第2テンプル部材26となり、次に弾力性の大きいものが後に第1テンプル部材25となり、弾力性の小さいものが後にモダン部材22となる。
そして、図7に示すように、弾力性の最も大きいチタン合金部材(以下便宜的に「第2チタン合金部材」という。)28と、次に弾力性の大きいチタン合金部材(以下便宜的に「第1チタン合金部材」という。)27と、弾力性の小さいチタン合金部材(以下便宜的に「第3チタン合金部材」という。)29とを、第1チタン合金部材27、第2チタン合金部材28、第3チタン合金部材29の順序で軸心を揃えて位置決めし、互いの断面を接合する。なお、第1チタン合金部材27、第2チタン合金部材28及び第3チタン合金部材29は、いずれも断面が同じ円径の線材である。
接合方法は、上述したことと同様に、摩擦接合又はレーザ接合である。
こうして、第1チタン合金部材27と第2チタン合金部材28と第3チタン合金部材29とが面一で且つ一体となった接合体23が得られる。なお、接合体23をそのまま耳掛け部としてもよい。すなわち、第1チタン合金部材27を第1テンプル部材25とし、第2チタン合金部材28を第2テンプル部材26とし、第3チタン合金部材29をモダン部材22としてもよい。
そして、接合体23に対し、スウェージング加工、プレス加工を施すことにより、第2実施形態に係る耳掛け部20が得られる。
耳掛け部20は、第1実施形態に係る耳掛け部10の代わりに第2実施形態に係る耳掛け部20を用い、公知の方法により、レンズ、枠体、パッドアーム等を取り付けることにより、図5に示す眼鏡と同様に用いられる。
[第3実施形態]
次に、本発明の眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第3実施形態について説明する。
図8(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材を耳掛け部に用いた第3実施形態を示す側面図であり、図8(b)は、図8(a)の上面図である。
図8(a)及び図8(b)に示すように、第3実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)30は、テンプル部材31と、該テンプル部材31に連続するモダン部材32と、モダン部材32をカバーするためのモダンカバー3とを備え、テンプル部材31が、第2テンプル部材(以下便宜的に「第2前テンプル部材」という。)35と第1テンプル部材(以下便宜的に「第1中テンプル部材」ともいう。)36と第2テンプル部材(以下便宜的に「第2後テンプル部材」という。)37とからなる。すなわち、第2前テンプル部材35、第1中テンプル部材36、第2後テンプル部材37、及び、モダン部材32がこの順序で連続している。
耳掛け部30は、顔の形状にフィットさせる観点から、上面視で緩やかに曲がった形状を有しており、耳に掛ける観点から、先端(モダン部材32の一部)が下方に屈曲した形状を有している。
第2前テンプル部材35の末端部35aは、第1中テンプル部材36の元端部36aと面一となるように連続しており、第1中テンプル部材36の末端部36cは、第2後テンプル部材37の元端部37aと面一となるように連続しており、第2後テンプル部材37の末端部37bは、モダン部材32の元端部32aと面一となるように連続している。
また、第1中テンプル部材36の中腹部36bと、第2後テンプル部材37の末端部37bは、上面視で膨らんでいる。末端部32cは、側面視で屈曲している。
ここで、耳掛け部30においては、第2前テンプル部材35及び第1中テンプル部材36と、第1中テンプル部材36及び第2後テンプル部材37と、第2後テンプル部材37及びモダン部材32と、が摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている。すなわち、第2前テンプル部材35の末端部35aと第1中テンプル部材36の元端部36aとの面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合され、第1中テンプル部材36の末端部36aと第2後テンプル部材37の元端部37aとの面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合され、第2後テンプル部材37の末端部37bとモダン部材32の元端部32aとの断面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合されている。なお、接合は、上述した摩擦接合又はレーザ接合により行われる。
このように、耳掛け部30は、接合により製造されているので、テンプル部材31とモダン部材32との接続性が不十分となったりテンプル部材31とモダン部材32とが外れるおそれがない。したがって、耳掛け部30は、耐久性が優れるものとなる。
耳掛け部30においては、第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37と、第1中テンプル部材36と、モダン部材32との弾力性が異なっており、具体的には、第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37の弾力性が第1中テンプル部材36の弾力性よりも大きくなっており、第1中テンプル部材36の弾力性がモダン部材32の弾力性よりも大きくなっている。なお、第2前テンプル部材35と第2後テンプル部材37と弾力性は略同じになっている。
耳掛け部30においては、第1中テンプル部材36の弾力性が大きいので、眼鏡を顔の幅に調整でき、第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37の弾力性がより大きいので、顔の幅に確実フィットさせることができる。すなわち、テンプル部材の中でも弾力性を調整することができるので、フィット感をより一層向上させることができる。
また、モダン部材32の弾力性が小さいので、耳に掛けてその位置で固定させることができる。なお、モダン部材32の長さ方向に対する直径を小さくした場合であっても、モダン部材32の弾力性を小さくすることにより、強度が優れるものとなる。
さらに、耳掛け部30は、デザイン性に優れるだけでなく、モダン部材32の末端部32cの断面の直径が小さくなっていてもモダン部材32の弾力性が小さいので十分な強度が発揮される。
ここで、第1中テンプル部材36の弾力性は、1%以上2%未満であることが好ましく、第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37の弾力性は2%以上であることが好ましく、モダン部材32の弾力性は、1%未満であることが好ましい。
この場合、フィット感が確実に向上する。
例えば、弾力性が1%以上2%未満である第1中テンプル部材36に用いられるチタン合金部材の具体例としては、βチタン(チタン約70%、バナジウム22%、アルミニウム4%)、ゴムメタル(登録商標)、ジルコニウム系チタン等が挙げられ、弾力性が2%以上である第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37に用いられるチタン合金部材の具体例としては、NT合金(チタン50%、ニッケル50%)、エクセレンスチタン(登録商標)等が挙げられる。
また、弾力性が1%未満であるモダン部材32に用いられるチタン合金部材の具体例としては、純チタン(チタン99%)、タイベック(登録商標)(チタン94.5%、アルミニウム3%、バナジウム2.5%)等が挙げられる。
第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37は、形状記憶合金であることが好ましい。第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37がクッションの機能を果たすので、眼鏡フレームを落下させても破損が抑制される。
モダンカバー3は、第2後テンプル部材37の末端部37bに取り付けられており、モダン部材32の末端部32c全体を覆っている。なお、末端部37bは上述したように、上面視で膨らんでいるので、モダンカバー3が確実に固定される。
耳掛け部30がモダンカバー3を備えることにより、眼鏡フレームの着脱がしやすくなり、顔への締め付けも緩和される。
モダンカバー3の材質は特に限定されず、公知のものが適宜用いられる。
次に、眼鏡フレーム部材(耳掛け部)30の製造方法について説明する。
耳掛け部30の製造方法は、弾力性の異なる4つのチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程(接合工程)、第1実施形態に係る耳掛け部10の製造方法と同様に、スウェージング加工を行う工程(スウェージング工程)、プレス加工を行う工程(プレス工程)を施すものである。
(接合工程)
接合工程は、弾力性の異なる4つのチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程である。
図9は、第3実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法における接合工程を説明するための概略側面図である。
接合工程においては、まず、弾力性の異なるチタン合金部材を4つ準備する。このうち、弾力性の最も大きいものが後に第2前テンプル部材35及び第2後テンプル部材37となり、次に弾力性の大きいものが後に第1中テンプル部材36となり、弾力性の小さいものが後にモダン部材32となる。
そして、図9に示すように、弾力性の最も大きい2つのチタン合金部材(以下便宜的に「第1チタン合金部材」及び「第3チタン合金部材」という。)41,43と、次に弾力性の大きいチタン合金部材(以下便宜的に「第2チタン合金部材」という。)42と、弾力性の小さいチタン合金部材(以下便宜的に「第4チタン合金部材」という。)44とを、第1チタン合金部材41、第2チタン合金部材42、第3チタン合金部材43、第4チタン合金部材44の順序で軸心を揃えて位置決めし、互いの断面を接合する。なお、第1チタン合金部材41、第2チタン合金部材42、第3チタン合金部材43及び第4チタン合金部材44は、いずれも断面が同じ円径の線材である。
接合方法は、上述したことと同様に、摩擦接合又はレーザ接合である。
こうして、第1チタン合金部材41と第2チタン合金部材42と第3チタン合金部材43と第4チタン合金部材44とが面一で且つ一体となった接合体45が得られる。なお、接合体45をそのまま耳掛け部としてもよい。すなわち、第1チタン合金部材41を第2前テンプル部材35とし、第2チタン合金部材42を第1中テンプル部材36とし、第3チタン合金部材43を第2後テンプル部材37とし、第4チタン合金部材44をモダン部材32としてもよい。
そして、接合体45に対し、スウェージング加工、プレス加工を施すことにより、第3実施形態に係る耳掛け部30が得られる。
なお、耳掛け部30は、第1実施形態に係る耳掛け部10の代わりに第3実施形態に係る耳掛け部30を用い、公知の方法により、レンズ、枠体、パッドアーム等を取り付けることにより、眼鏡と同様に用いられる(図10参照)。
2.フロント部
次に、本発明の眼鏡フレーム部材をフロント部に用いた実施形態について説明する。
図11(a)は、本発明に係る眼鏡フレーム部材をフロント部に用いた実施形態を示す正面図であり、図11(b)は、図11(a)の上面図である。
図11(a)に示すように、本実施形態に係る眼鏡フレーム部材(以下「フロント部」ともいう。)70は、前面に位置する部分であり、フレーム部材71と、該フレーム部材71に連続するアーチ状のブリッジ部材72とを備える。
フロント部70は、フレーム部材71とブリッジ部材72とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている。すなわち、フレーム部材71とブリッジ部材72との断面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合されている。
このように、フロント部70は、接合により製造されているので、フレーム部材71とブリッジ部材72とが外れるおそれがない。したがって、フロント部70は、耐久性が優れるものとなる。
フロント部70においては、フレーム部材71とブリッジ部材72との弾力性が異なっている。具体的には、フレーム部材71の弾力性がブリッジ部材72の弾力性よりも大きくなっている。
このため、フロント部70においては、図11(b)に示すように、ブリッジ部材72を着用者の鼻の高さにフィットさせることができると共に、鼻の高さに応じて、フロント部材71の角度を調整することができる。その結果、着用者の鼻の高さに関わらずフロント部を目の位置に正確に位置付けすることができる。
フレーム部材71及びブリッジ部材72は、いずれもチタン合金部材からなる。
かかるチタン合金部材は、上述した耳掛け部10におけるチタン合金部材と同義である。
ここで、フレーム部材71の弾力性は、1%以上であることが好ましく、ブリッジ部材72の弾力性は、1%未満であることが好ましい。
この場合、フィット感がより向上する。
例えば、弾力性が1%以上であるフレーム部材71に用いられるチタン合金部材の具体例としては、βチタン(チタン約70%、バナジウム22%、アルミニウム4%)、ゴムメタル(登録商標)、ジルコニウム系チタン、NT合金(チタン50%、ニッケル50%)、エクセレンスチタン(登録商標)等が挙げられる。
また、弾力性が1%未満であるブリッジ部材72に用いられるチタン合金部材の具体例としては、純チタン(チタン99%)、タイベック(登録商標)(チタン94.5%、アルミニウム3%、バナジウム2.5%)等が挙げられる。
次に、眼鏡フレーム部材(フロント部)70の製造方法について説明する。
フロント部70の製造方法は、弾力性の異なるチタン合金部材からなるフレーム部材71とブリッジ部材72とを、フレーム部材71、ブリッジ部材72、フレーム部材71の順序で摩擦接合又はレーザ接合により一体として製造される。なお、かかる接合工程は、耳掛け部10の製造方法における接合工程と同様に施される。
こうして、接合した後、周囲のバリ等を処理加工することによりフロント部70が得られる。
本発明の眼鏡フレーム部材において、パッドアームに眼鏡フレーム部材を採用する場合、着用者の鼻の高さに関わらず眼鏡フレームを鼻にフィットさせることができる。
3.パッドアーム部
次に、本発明の眼鏡フレーム部材をパッドアームに用いた実施形態について説明する。
図12は、本発明に係る眼鏡フレーム部材をパッドアームに用いた実施形態を示す斜視図である。
図12に示すように、本実施形態に係る眼鏡フレーム部材(以下「パッドアーム」ともいう。)80は、アーチ状の第1パッドアーム部材81と、該第1パッドアーム部材81に連続する逆アーチ状の第2パッドアーム部材82とを備える。
パッドアーム80は、第1パッドアーム部材81と第2パッドアーム部材82とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている。すなわち、第1パッドアーム部材81と第2パッドアーム部材82との断面同士が互いに金属融和させることにより一体に接合されている。
このように、パッドアーム80は、接合により製造されているので、第1パッドアーム部材81と第2パッドアーム部材82とが外れるおそれがない。したがって、パッドアーム80は、耐久性が優れるものとなる。
パッドアーム80においては、第1パッドアーム部材81と第2パッドアーム部材82との弾力性が異なっている。具体的には、第2パッドアーム部材82の弾力性が第1パッドアーム部材81の弾力性よりも大きくなっている。
このため、パッドアーム80においては、着用者の鼻の高さに応じて、第2パッドアーム部材82がバネの働きをし、第1パッドアーム部材81が安定した固定力を発揮するので、フィット感が大きく高まる。
第1パッドアーム部材81と第2パッドアーム部材82は、いずれもチタン合金部材からなる。
かかるチタン合金部材は、上述した耳掛け部10におけるチタン合金部材と同義である。
ここで、第2パッドアーム部材82の弾力性は、フィット性の観点から、1%以上であることが好ましく、第1パッドアーム部材81の弾力性は、1%未満であることが好ましい。
例えば、弾力性が1%以上である第2パッドアーム部材82に用いられるチタン合金部材の具体例としては、βチタン(チタン約70%、バナジウム22%、アルミニウム4%)、ゴムメタル(登録商標)、ジルコニウム系チタン、NT合金(チタン50%、ニッケル50%)、エクセレンスチタン(登録商標)等が挙げられる。
また、弾力性が1%未満である第1パッドアーム部材81に用いられるチタン合金部材の具体例としては、純チタン(チタン99%)、タイベック(登録商標)(チタン94.5%、アルミニウム3%、バナジウム2.5%)等が挙げられる。
次に、眼鏡フレーム部材(パッドアーム)80の製造方法について説明する。
パッドアーム80の製造方法は、弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とする工程(接合工程)、公知の方法に準じて曲げ加工を行う工程を施すことにより製造される。なお、かかる接合工程は、耳掛け部10の製造方法における接合工程と同様に施される。
こうして、接合した後、周囲のバリ等を処理加工することによりパッドアーム80が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1実施形態に係る耳掛け部10の製造方法においては、スウェージング加工(スウェージング工程)の後にプレス加工(プレス工程)を施しているが、プレス加工を施した後、スウェージング加工を施してもよい。
本発明の耳掛け部の製造方法においては、プレス加工を施した後、更に抜き加工を施してもよい。デザイン性がより優れるものとなる。
図13は、他の実施形態に係る眼鏡フレーム部材(耳掛け部)の製造方法を示す図であり、図13(a)は、チタン合金部材を接合させた接合体を示す斜視図であり、図13(b)は、接合体にプレス加工を施した後を示す斜視図であり、図13(c)は、更に抜き加工を施した斜視図である。
図13(a)〜図13(c)に示すように、上述した接合体23にプレス加工を施して平板とし、中央付近に孔46を設ける抜き加工を施すことにより、デザイン性を付与することができる。なお、本発明の耳掛け部においては、接合により、弾力性の異なるチタン合金部材を一体化して接合体23としているので、接合された部分を含んだプレス加工又は抜き加工が可能となる。ちなみに、従来の嵌合やロウ付けでは、接続した部分を含んでの加工は困難である。
その他にも、切削等による幅取り加工等を施してもよい。
第1実施形態に係る耳掛け部10の製造方法において、第1チタン合金部材11をテンプル部材1とし、第2チタン合金部材12をモダン部材2としてもよい。
また、中間体16をそのまま耳掛け部としてもよく、プレ耳掛け部17をそのまま耳掛け部としてもよい。
本発明の眼鏡フレーム部材は、眼鏡のフレームに好適に用いられる。本発明の眼鏡フレーム部材は、デザイン付与のための加工が容易であり、強度が優れると共に耐久性にも優れる。
1,21,31・・・テンプル部材
1a,2c,22c,25a,26b,32c,35a,36c,37b・・・末端部
2,22,32・・・モダン部材
2a,22a,26a,32a,36a,37a・・・元端部
2b,22b,36b・・・中腹部
3・・・モダンカバー
10,20,30・・・眼鏡フレーム部材(耳掛け部)
11,27,41・・・第1チタン合金部材
12,28,42・・・第2チタン合金部材
15,23,45・・・接合体
15a,15b・・・位置
16・・・中間体
17・・・プレ耳掛け部
25・・・第1テンプル部材
26・・・第2テンプル部材
29・・・第3チタン合金部材
35・・・第2前テンプル部材(第2テンプル部材)
36・・・第1中テンプル部材(第1テンプル部材)
37・・・第2後テンプル部材(第2テンプル部材)
43・・・第3チタン合金部材
44・・・第4チタン合金部材
46・・・孔
50,60・・・眼鏡
51・・・枠体
52・・・パッドアーム
70・・・眼鏡フレーム部材(フロント部)
71・・・フレーム部材
72・・・ブリッジ部材
80・・・眼鏡フレーム部材(パッドアーム)
81・・・第1パッドアーム部材
82・・・第2パッドアーム部材

Claims (11)

  1. 弾力性が異なる複数の部材が連続して一体となった眼鏡フレーム部材であって、
    前記部材同士が摩擦接合又はレーザ接合により接合されている眼鏡フレーム部材。
  2. 前記複数の部材が、テンプル部材と、該テンプル部材に連続するモダン部材とからなり、
    眼鏡の耳掛け部に用いられる請求項1記載の眼鏡フレーム部材。
  3. 前記テンプル部材の弾力性が前記モダン部材の弾力性よりも大きい請求項2記載の眼鏡フレーム部材。
  4. 前記テンプル部材及び前記モダン部材がチタン合金部材からなるものであり、
    前記テンプル部材の弾力性が1%以上であり、前記モダン部材の弾力性が1%未満である請求項2記載の眼鏡フレーム部材。
  5. 前記テンプル部材が、第1テンプル部材と第2テンプル部材とからなるものであり、
    前記第2テンプル部材の弾力性が前記第1テンプル部材の弾力性よりも大きく、
    前記第1テンプル部材と前記第2テンプル部材とが摩擦接合又はレーザ接合により一体となっている請求項2〜4のいずれか一項に記載の眼鏡フレーム部材。
  6. 前記第2テンプル部材の弾力性が2%以上であり、前記第1テンプル部材の弾力性が1%以上2%未満である請求項5記載の眼鏡フレーム部材。
  7. 前記テンプル部材が、前記第2テンプル部材、前記第1テンプル部材、及び前記第2テンプル部材の順序で一体となっている請求項5又は6に記載の眼鏡フレーム部材。
  8. 前記複数の部材が、フレーム部材と、該フレーム部材に連続するブリッジ部材とからなり、
    眼鏡のフロント部に用いられる請求項1記載の眼鏡フレーム部材。
  9. パッドアームに用いられる請求項1記載の眼鏡フレーム部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼鏡フレーム部材の製造方法であって、
    弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とし、スウェージング加工又はプレス加工を施した眼鏡フレーム部材の製造方法。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の眼鏡フレーム部材の製造方法であって、
    弾力性の異なるチタン合金部材を摩擦接合又はレーザ接合により一体とし、プレス加工を施した後、更に抜き加工を施した眼鏡フレーム部材の製造方法。
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