JP2011150017A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】視野角のばらつきを容易に補正することができる広視野角液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第一TFT9aに接続された第一画素電極5aと第二TFT9bに接続された第二画素電極5bとを画素30毎に形成した液晶表示装置において、第一画素電極5aとの間に第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、第二画素電極5bとの間に第二補償容量Cs2を形成する第二容量電極18と、前記第二画素電極5bとの間に第三補償容量Cs3を形成する第三容量電極19と、第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極への印加電圧と同じ第一電圧を印加し、第三容量電極19に前記第一の電圧とは異なる第二電圧を印加する手段とを備え、さらに、前記第二容量電極18を、第二画素電極5bの所定の一辺に重なるように形成し、前記第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成した。
【選択図】図4
【解決手段】第一TFT9aに接続された第一画素電極5aと第二TFT9bに接続された第二画素電極5bとを画素30毎に形成した液晶表示装置において、第一画素電極5aとの間に第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、第二画素電極5bとの間に第二補償容量Cs2を形成する第二容量電極18と、前記第二画素電極5bとの間に第三補償容量Cs3を形成する第三容量電極19と、第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極への印加電圧と同じ第一電圧を印加し、第三容量電極19に前記第一の電圧とは異なる第二電圧を印加する手段とを備え、さらに、前記第二容量電極18を、第二画素電極5bの所定の一辺に重なるように形成し、前記第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成した。
【選択図】図4
Description
この発明は、広い視野角をもった液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、表示の視野角を広くすることが望まれている。そのために、表示画素を二つの領域に区分し、その一方の領域と他方の領域とで液晶に印加される電圧値を異ならせることにより、前記2つの領域の視野角特性を互いに異ならせ、その両方の視野角特性が相乗した広い視野角を得ることが考えられている。
この種の液晶表示装置としては、従来、例えば特許文献1に記載されているように、第一の薄膜トランジスタに接続された第一の画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二の画素電極とを表示画素毎に形成し、前記第一の薄膜トランジスタの充電能力と、前記第二の薄膜トランジスタの充電能力とを異ならせることにより、前記一方の領域の液晶と他方の領域の液晶とに、異なる値の電圧を印加するようにしたものがある。
ところで、液晶表示装置は、各種の工程を経て製造されるため、同機種の液晶表示装置であっても、製造工程で生じた絶縁膜厚や基板間隙等の誤差により、表示装置相互間に視野角のばらつきを生じることがある。そして、従来の液晶表示装置は、視野角のばらつきの補正が難しいため、所定の視野角の液晶表示装置を歩留まり良く得ることができない。
この発明は、視野角のばらつきを容易に補正することができる液晶表示装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、第一の薄膜トランジスタに接続された第一の画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二の画素電極とが表示画素毎に形成され、前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、前記第一の画素電極と共通電極との間及び前記第二の画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、を備え、
前記第二容量電極が、前記第二画素電極の所定の一辺に沿う方向に延伸するように且つ前記所定の一辺に重なるように形成され、
前記第三容量電極が、前記第二容量電極との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極の前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成されている、ことを特徴とする。
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、を備え、
前記第二容量電極が、前記第二画素電極の所定の一辺に沿う方向に延伸するように且つ前記所定の一辺に重なるように形成され、
前記第三容量電極が、前記第二容量電極との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極の前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成されている、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の液晶表示装置において、前記第一容量電極が、前記第一画素電極の各辺に重なるように形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の液晶表示装置において、前記第一の画素電極と前記第二の画素電極との間を延伸するように前記走査信号線が配置されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の液晶表示装置において、前記第二容量電極が重なるように配置された前記所定の一辺は、前記第二画素電極の各辺のうち前記走査信号線に隣接する辺であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の液晶表示装置において、前記第二容量電極は、該第二容量電極が対応する表示画素と同じ画素に対応する前記第一容量電極と一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、前記請求項3に記載の液晶表示装置において、前記第三容量電極が重なるように配置された前記所定の一辺は、前記第二画素電極の各辺のうち前記走査信号線に隣接する辺とは反対側の辺であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の液晶表示装置において、前記第二容量電極は、前記データ信号線の延伸方向に隣接する他の表示画素に対応する第一容量電極と一体的に形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記請求項1から7の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、一定レベルの直流電圧であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、前記請求項1から7の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、電圧レベルが前記第一の電圧と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一の電圧の振幅よりも小さい矩形波交流電圧であることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、前記請求項1から9の何れかに記載の液晶表示装置において、前記第一誘電層、前記第二誘電層及び前記第三誘電層は、同一の層として形成されていることを特徴とする。
この発明によれば、前記第三容量電極に印加する電圧を制御するだけで視野角を微調整することができる。従って、視野角のばらつきを容易に補正することができる。
しかも、この発明によれば、前記第二補償容量に対して第三補償容量が比較的大きくなるため、前記第三容量電極に対して小さな電圧変動を与えるだけで、第二画素電極に対応する液晶層での電圧−透過率特性を大きく変動させることができ、従って、視野角を大きく調整することができる。
[第一実施例]
この発明の第一実施例の液晶表示装置は、図1のように、液晶表示素子1と前記液晶表示素子1を駆動する駆動手段31とにより構成されている。
この発明の第一実施例の液晶表示装置は、図1のように、液晶表示素子1と前記液晶表示素子1を駆動する駆動手段31とにより構成されている。
前記液晶表示素子1は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)をスイッチング素子としたアクティブマトリックス型液晶表示素子であり、複数の表示画素30が、図2のように、行方向(図において左右方向)及び列方向(図において上下方向)に配列させて形成されている。
この液晶表示素子1は、図2〜図10のように、対向配置された透明な第一基板3と第二基板4を備えている。そして、前記第一基板(例えば表示面側とは反対側の基板)3の第二基板4と対向する面に、複数の透明な画素電極5が行方向及び列方向に配列させて設けられ、前記第二基板4の第一基板3と対向する面に、前記各画素電極5と対向する一枚膜状の透明な共通電極6が設けられている。
前記各画素電極5はそれぞれ、電気的に分離して形成された第一の画素電極5aと第二の画素電極5bとからなっている。この実施例において、第一画素電極5aと第二画素電極5bは、同じ横幅(行方向の幅)を有しており、第一画素電極5aは、縦幅(列方向の幅)が前記横幅の約2倍である縦長矩形形状に形成され、第二画素電極5bは、縦幅と横幅が同程度の略正方形形状に形成されている。
さらに、前記第一基板3には、各画素電極5の行毎に行方向に延伸させて配線された複数の走査信号線7と、各画素電極5の列毎に列方向に延伸させて配線された複数のデータ信号線8とが設けられている。
前記走査信号線7は、第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間を延伸するように配置されている。また、前記データ信号線8は、各列の画素電極5の一側の領域に、列方向に延伸するように配置されている。
また、前記第一基板3には、前記各画素電極5にそれぞれ対応させて、前記第一画素電極5aに接続された第一のTFT9aと、前記第二画素電極5bに接続された第二のTFT9aとが配置されている。この第一TFT9aと第二TFT9aは、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に、前記行方向に並べて配置されている。
前記第一TFT9aと第二TFT9bはそれぞれ、図4、図5、図6及び図7のように、第一基板3上に形成されたゲート電極10と、前記第一基板3上の略全域に前記ゲート電極10を覆って形成された透明なゲート絶縁膜11と、前記ゲート絶縁膜11上に前記ゲート電極10と対向させて形成された真正アモルファスシリコンからなる半導体薄膜12と、前記半導体薄膜12の上面の中央部に設けられたチャネル保護膜13と、前記半導体薄膜12のチャネル領域を挟んで、その一方の側と他方の側との上にそれぞれn型アモルファスシリコンからなるコンタクト層14を介して形成されたソース電極15及びドレイン電極16とからなっている。
なお、前記第一TFT9aと第二TFT9bは、互いに逆向きの形状に形成されている。すなわち、第一TFT9aは、第一画素電極5aと対向する側にドレイン電極16が設けられ、その反対側にソース電極15が設けられた形状に形成されている。また、第二TFT9bは、第二画素電極5bと対向する側にドレイン電極16が設けられ、その反対側にソース電極15が設けられた形状に形成されている。
そして、前記第一TFT9aのゲート電極10と第二TFT9bのゲート電極10は、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間を延伸するように配置された走査信号線7に接続されている。
さらに、前記第一TFT9aのソース電極15と第二TFT9bのソース電極15は、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bの一側を延伸するように配置されたデータ信号線8に接続されている。
なお、前記各走査信号線7は、前記第一基板3上に、第一及び第二TFT9a,9bのゲート電極10,10と同じ金属膜により、前記各ゲート電極10,10と一体に形成されている。
一方、前記各データ信号線8は、前記ゲート絶縁膜11の上に、第一及び第二TFT9a,9bのソース,ドレイン電極15,16と同じ金属膜により、前記各ソース電極15,15と一体に形成されている。
なお、前記データ信号線8には、各行の画素電極5の第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に向かって延びる複数の分岐線8aが一体に形成されている。この分岐線8aは、互いに逆向きの形状に形成された前記第一TFT9aと第二TFT9bのうちの前記データ信号線8に近い側に配置された第一TFT9aのソース電極15側を通り、さらに前記データ信号線8から遠い側に配置された第二TFT9bのソース電極15側に達するように屈曲させた形状に形成されている。そして、前記データ信号線8は、前記分岐線8aを介して、前記第一TFT9aのソース電極15及び第二TFT9bのソース電極15に一体的に接続されている。
この実施例において、前記第一TFT9a及び第二TFT9bと各走査信号線7と第一、第二及び第三容量電極17,18,19と各データ信号線8は、次のような工程で形成される。
[工程1]
まず、第一基板3上に、各走査信号線7及びゲート電極10と前記各容量電極17,18,19を、金属膜の成膜及びそのパターニングにより形成する。
まず、第一基板3上に、各走査信号線7及びゲート電極10と前記各容量電極17,18,19を、金属膜の成膜及びそのパターニングにより形成する。
[工程2]
次に、前記ゲート絶縁膜11と半導体薄膜12とチャネル保護膜13とを順次成膜し、前記チャネル保護膜13を半導体薄膜12の中央部を覆う形状にパターニングする。
次に、前記ゲート絶縁膜11と半導体薄膜12とチャネル保護膜13とを順次成膜し、前記チャネル保護膜13を半導体薄膜12の中央部を覆う形状にパターニングする。
[工程3]
次に、前記コンタクト層14と、ソース,ドレイン電極及びデータ信号線用の金属膜とを順次成膜し、前記金属膜とコンタクト層14及び半導体薄膜12を一括して前記ソース電極15及びドレイン電極と各データ信号線8の形状にパターニングする。
次に、前記コンタクト層14と、ソース,ドレイン電極及びデータ信号線用の金属膜とを順次成膜し、前記金属膜とコンタクト層14及び半導体薄膜12を一括して前記ソース電極15及びドレイン電極と各データ信号線8の形状にパターニングする。
そのため、前記各データ信号線8は、前記各TFT9a,9bを構成する積層膜のうちの半導体薄膜12とコンタクト層14とからなる下地層の上に形成されている。
さらに、前記ゲート絶縁膜11の上には、前記各TFT9a,9b及び前記各データ信号線8を覆って透明な被覆絶縁膜20が設けられており、この被覆絶縁膜20の上に前記第一画素電極5aと第二画素電極5bが形成されている。そして、前記第一画素電極5aは、前記第一TFT9aのドレイン電極16に接続され、第二画素電極5bは、前記第二TFT9aのドレイン電極16に接続されている。
なお、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bは、前記被覆絶縁膜20の第一TFT9a及び第二TFT9bのドレイン電極16,16上の部分に第一及び第二のコンタクト孔201,202を穿設した後に、前記被覆絶縁膜20上にITO膜を成膜し、そのITO膜を第一及び第二画素電極5a,5bの形状にパターニングすることにより形成される。
従って、第一画素電極5aは、前記第一のコンタクト孔201において第一TFT9aのドレイン電極16に接続され、前記第二画素電極5bは、前記第二のコンタクト孔202において第二TFT9bのドレイン電極16に接続されている。
すなわち、前記液晶表示素子1は、第一TFT9aに接続された第一画素電極5aと第二TFT9bに接続された第二画素電極5bとが表示画素30毎に形成され、前記第一TFT9aと第二TFT9bとが、互いに同じデータ信号線8及び走査信号線7に接続されたものである。
そのため、各表示画素30はそれぞれ、前記第一画素電極5aと第2画素電極5bとの間の部分を境にして、第一画素電極5aが形成された側の第一領域30aと、第2画素電極5bが形成された側の第二領域30bとに区分されている。
そして、前記第一TFT9aと第二TFT9bは、同じ走査信号線7からの所定電位の走査信号により同時にオンし、同じデータ信号線8から供給されたデータ信号を前記第一画素電極5aと前記第二画素電極5bに各々印加する。
さらに、前記第一基板3には、各画素30毎に、第一画素電極5aとの間に第一誘電層が介在されて第一補償容量Cs1を形成する第一容量電極17と、第二画素電極5bとの間に第二誘電層が介在されて第二補償容量Cs2を形成する第二容量電極18と、前記第二画素電極5bとの間に第三誘電層が介在されて第三補償容量Cs3を形成する第三容量電極19とが設けられている。
前記第一容量電極17と第二容量電極18及び第三容量電極19は、図4、図5及び図10のような形状に形成されている。すなわち、第一容量電極17は、第一画素電極5aの各辺に重なるような形状、つまり、前記第一画素電極5aの全周の辺に重なる矩形枠形状に形成されている。
そして、各第一容量電極17は、行毎に、隣り合う第一容量電極17,17の前記走査信号線7に隣接する辺とは反対側の辺の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
一方、前記第二容量電極18と第三容量電極19とのうち、第二容量電極18は、第二画素電極5bの所定の一辺に沿う方向に延伸するように且つ前記所定の一辺に重なるように形成され、第三容量電極19は、前記第二容量電極18との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極5bの前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成されている。
この実施例において、前記第二容量電極18は、第二画素電極5aの各辺のうち、前記走査信号線7に隣接する一辺と重なる直線形状に形成されている。そして、各第二容量電極18は、行毎に、隣り合う第二容量電極18,18の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
また、前記第三容量電極19は、第二画素電極5aの各辺のうち、前記走査信号線7に隣接する辺以外の三辺と重なる三方枠形状に形成されている。そして、各第三容量電極19は、行毎に、隣り合う第三容量電極19,19の前記走査信号線7に隣接する辺の端部同士を連続させて形成することにより共通接続されている。
さらに、各走査信号線7と、各画素30毎に設けられた第一、第二及び第三容量電極17,18,19は、前記第一基板3上に、前記各TFT9a,9bのゲート電極10と同じ金属膜により形成されており、前記ゲート絶縁膜11により覆われている。なお、各走査信号線7は、第一TFT9a及び第二TFT9bのゲート電極10,10と一体に形成されている。また、第一容量電極17と第二容量電極18はそれぞれ、前記走査信号線7との間に間隔を設けて形成されている。
そして、第一容量電極17は、第一画素電極5aの各辺と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第一誘電層を介して対向し、前記第一画素電極5aとの間に第一補償容量Cs1を形成している。
また、第二容量電極18は、前記第二画素電極5bの前記一辺(走査信号線7に隣接する辺)と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第三誘電層を介して対向し、前記第二画素電極5bとの間に前記第二補償容量Cs2を形成している。
さらに、第三容量電極19は、第二画素電極5bの前記三辺(走査信号線7に隣接する辺以外の辺)と、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜からなる第二誘電層を介して対向し、前記第二画素電極5bとの間に第二補償容量Cs2を形成している。
すなわち、前記第一補償容量Cs1の第一誘電層と、前記第二各補償容量Cs2の第二誘電層と、前記第三補償容量Cs3の第三誘電層は、同一の層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)として形成されている。
また、前記第二基板4には、図6〜図9のように、赤色フィルタ21R、緑色フィルタ21G及び青色フィルタ21Bの三色のカラーフィルタが、各画素30の列毎に交互に並べて形成されている。さらに、前記第二基板4には、各行及び各列の隣り合う画素30,30の間の領域及び各画素30の第一領域30aと第二領域30bとの間の領域に対応させて遮光膜22が形成されている。
この実施例において、前記遮光膜22は、例えば黒色系の顔料を添加した感光性樹脂により形成されており、前記三色のカラーフィルタ21R,21G,21Bは、第二基板4上の遮光膜22の無い領域に形成されている。そして、前記共通電極6は、前記カラーフィルタ21R,21G,21B及び遮光膜22の上に、各画素30の配列領域の全域にわたって形成されている。
また、前記第一基板3には、前記各画素電極5a,5bを覆って第一配向膜23が設けられており、前記第二基板4には、前記共通電極6を覆って第二配向膜24が設けられている。
前記第一基板3と第二基板4は、図2及び図3のように、所定の間隙を設けて対向配置され、画面エリア1aを囲む枠状のシール材25を介して貼り合わされている。そして、前記第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと前記共通電極6との間に液晶層2が形成されている。前記液晶層2は、前記第一基板3と第二基板4との間の間隙の前記シール材25で囲まれた領域に液晶を封入して形成されている。
また、前記第一基板3の外面には、第一偏光板26が、その吸収軸を所定の方向に向けて配置され、前記第二基板4の外面には、第二偏光板27が、その吸収軸を所定の方向に向けて配置されている。
この実施例の液晶表示素子1は、例えばTN型液晶表示素子であり、前記第一配向膜23と第二配向膜24は、ポリイミド等の水平配向膜からなり、それぞれの膜面を、互いに略直交する方向にラビング処理されている。
また、前記液晶層2は、誘電異方性が性のネマティック液晶からなっており、この液晶層2の液晶分子は、前記第一基板3と第二基板4との間において略90度の捩れ角でツイスト配向している。
そして、前記第一偏光板26は、その吸収軸を前記第一配向膜23のラビング方向と平行または直交する方向に向けて配置され、前記第二偏光板27は、その吸収軸を前記第一偏光板26の吸収軸と直交または平行にして配置されている。
また、前記第一基板3には、図2及び図3のように、例えば前記列方向(画面エリア1aの上下方向)の一端側に、前記第二基板4の外方に張出すドライバ搭載部3aが形成されており、このドライバ搭載部3aに、複数の入力端子と複数の走査信号出力端子及び複数のデータ信号出力端子(いずれも図示せず)が形成されたLSIからなるドライバ素子28が搭載されている。
そして、前記各走査信号線7は、前記画面エリア1aの外側を迂回させて前記ドライバ素子28の各走査信号出力端子にそれぞれ接続され、前記各データ信号線8は、前記ドライバ素子28の各データ信号出力端子にそれぞれ接続されている。
また、前記共通電極6は、前記枠状のシール材25による基板接合部に設けられたクロス接続部(図示せず)を介して、前記ドライバ搭載部3aに形成された第一電圧入力端子29aに接続されている。
さらに、前記画面エリア1aの外側には一本の第一電圧供給線(図示せず)がデータ信号線8と平行に配線されている。そして、行毎に共通接続された全ての行の第一容量電極17と、行毎に共通接続された全ての行の第二容量電極18は、前記一本の第一電圧供給線に接続され、この第一電圧供給線を介して、前記共通電極6と共に前記第一電圧入力端子29aに接続されている。
また、前記画面エリア1aの外側には、一本の第二電圧供給線(図示せず)が前記第一電圧供給線と平行に配線されている。そして、行毎に共通接続された全ての行の第三容量電極18は、前記一本の第二電圧供給線に接続され、この第二電圧供給線を介して、前記ドライバ搭載部3aに形成された第二電圧入力端子29bに接続されている。
なお、前記液晶表示素子1の背後(表示面側とは反対側)には、前記液晶表示素子1の画面エリア1aの全域に向けて均一な照度の光を照射する面光源(図示せず)が配置されている。
前記液晶表示素子1は、前記各画素30の行(以下、画素行という)を一行ずつ順次選択し、各画素行毎にその行の各画素30の第一画素電極5a及び第二画素電極5bと共通電極6との間に電圧を印加することにより駆動され、前記電圧の印加による液晶分子の配向状態の変化により、前記画素30の第一領域30aと第二領域30bの光の透過を制御して画像を表示する。
次に、前記液晶表示素子1を駆動する駆動手段31について説明する。この駆動手段31は、外部から入力される画像データを一時的に記憶する画像メモリ32と、前記液晶表示素子1の各走査信号線7に走査信号を印加する走査信号線駆動回路33と、前記液晶表示素子1の各データ信号線8にデータ信号を印加するデータ信号線駆動回路34とを備えている。なお、前記走査信号線駆動回路33とデータ信号線駆動回路34は、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに搭載されたドライバ素子28に形成されている。
さらに、前記駆動手段31は、第一電圧発生回路35と、第二電圧発生回路36と、前記走査信号線駆動回路33及びデータ信号線駆動回路34と前記第一電圧発生回路35及び第二電圧発生回路36の制御部37を備えている。
前記走査信号線駆動回路33は、前記制御部37からの同期用クロック信号等の制御信号に基づいて、前記各走査信号線7にそれぞれ、前記第一TFT9a及び第二TFT9bをオン,オフさせる走査信号を印加する。
図12において、t1,t2,t3,t4,…tnは、一画面を表示する1フレーム(第一行から最終行までの各画素行を順次選択して全ての画素行の各画素30に一画面分のデータ信号を印加する期間)を前記各画素の行数で分割した各画素行の選択期間であり、t1は第一行の選択期間、t2は第二行の選択期間、t3は第三行の選択期間、t4は第四行の選択期間、t5は第五行の選択期間、tnは最終行(n行)の選択期間である。
また、図12において、G1,G2,G3,G4,…Gnは各走査信号線7にそれぞれ印加される走査信号であり、G1は第一行の走査信号線7に印加される走査信号、G2は第二行の走査信号線7に印加される走査信号、G3は第三行の走査信号線7に印加される走査信号、G4は第四行の走査信号線7に印加される走査信号、G5は第五行の走査信号線7に印加される走査信号、Gnは最終行(n行)の走査信号線7に印加される走査信号である。
図12において、G1,G2,G3,G4,…Gnは、第一行、第二行、第三行、…最終行(n行)の各走査信号線7にそれぞれ印加される走査信号である。これらの走査信号は、該走査信号を印加する走査信号線7が対応する画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tnの開始時よりも所定時間遅れた書込み開始時に、第一TFT9a及び第二TFT9bをオンさせる所定値のオン電位になり、前記選択期間t1,t2,t3,t4,…tnの終了時よりも所定時間早い書込み終了時に、前記第一TFT9a及び第二TFT9bをオフさせるオフ電位になる波形の信号であり、他の期間は前記オフ電圧に保たれる。
前記データ信号線駆動回路34は、前記制御部37からの制御信号に基づいて、前記画像メモリ32に一時的に記憶された画像データを一行の画素分ずつ前記制御部37を介して取り込み、前記各画素行の選択期間毎に、前記一行の画素分の各画像データそれぞれの階調値に対応したデータ信号を前記各データ信号線8に印加する。
また、前記第一電圧発生回路35は、前記制御部37からの制御信号に基づいて、前記第一の電圧V1を発生する。この第一電圧V1は、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに形成された第一電圧入力端子29aを介して、前記共通電極6と、前記各行の第一容量電極17及び第二容量電極18とに印加される(図10参照)。
すなわち、前記各行の第一容量電極17及び第二容量電極18に印加される電圧Vcomは、前記共通電極6への印加電圧と同じ電圧である。以下、前記共通電極6への印加電圧Vcomをコモン信号という。
前記第一電圧発生回路35から前記共通電極6と各行の第一容量電極17及び第二容量電極18に印加される第一電圧V1は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧である。
この実施例において、前記第一電圧V1は、図12に示したように、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に電圧レベルが反転し、さらに前記電圧レベルが1フレーム毎に反転する矩形波交流電圧である。
また、図12に示したデータ信号Dは、各画素行のうちの一つの画素行の選択期間に、前記走査信号線駆動回路33から各データ信号線8に印加される信号であり、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に各データ信号線8に印加される各データ信号Dはそれぞれ、前記選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に、共通電極6に印加される前記第一電圧V1との差が前記各画像データそれぞれの階調値に対応する値になるように電位が変化する矩形波信号である。
一方、前記第二電圧発生回路36は、前記制御部37からの制御信号に基づいて、前記第一電圧V1とは異なる第二の電圧V2を発生する。この第二電圧V2は、図12に示したように、一定レベルの直流電圧であり、前記液晶表示素子1のドライバ搭載部3aに形成された第二電圧入力端子29bを介して、前記各行の第三容量電極19に印加される(図10参照)。
この実施例において、前記第二電圧V2は、図13のように、前記第一電圧V1のハイレベル値V1Hとローレベル値V1Lとの間の値の電圧、例えば前記各レベル値V1H,V1Lの略中間の値の電圧である。
この液晶表示装置において、前記液晶表示素子1の各画素30はそれぞれ、図11のような回路で表すことができる。すなわち、画素30の第一領域30aは、第一画素電極5aと共通電極6及びその間の液晶層2とからなる第一画素容量CLC1と、前記第一画素電極5aと第一容量電極17及びその間の第一誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第一補償容量Cs1とが第一画素電極5aにおいて接続され、前記第一画素電極5aに第一TFT9aが接続された回路からなっている。
また、前記画素30の第二領域30bは、第二画素電極5bと共通電極6及びその間の液晶層2とからなる第二画素容量CLC2と、前記第二画素電極5bと第二容量電極18及びその間の第二誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第二補償容量Cs2と、前記第二画素電極5bと第三容量電極19及びその間の第三誘電層(ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との二層膜)とからなる第三補償容量Cs3とが第二画素電極5bにおいて接続され、前記第二画素電極5bに第二TFT9bが接続された回路からなっている。
そして、前記共通電極6には、各画素行の選択期間毎に電圧レベルがハイレベル値V1Hとローレベル値V1Lとに反転するコモン信号Vcomが印加され、前記第一容量電極17と前記第二容量電極18にはそれぞれ、前記コモン信号Vcomと同じ第一電圧V1が印加され、前記第三容量電極19には、前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2が印加される。
また、選択された画素行の各画素30の第一画素電極5aと第二画素電極5bには、第一TFT9a及び第二TFT9bのオンにより、データ信号線8から供給されたデータ信号Dがそれぞれ印加される。
前記第一画素電極5aと共通電極6との間と、前記第二画素電極5bと共通電極6との間に印加される電圧(以下、書込み電圧という)はそれぞれ、前記第一電圧V1と前記データ信号Dとの電圧差に対応した値の電圧であり、その書込み電圧が前記第一画素容量CLC1と前記第二画素容量CLC2とにチャージされる。
また、前記第一容量電極17と前記第二容量電極18への印加電圧はそれぞれ前記共通電極6へ印加されるコモン信号Vcomと同じ第一電圧V1であるため、前記第一補償容量Cs1と第二補償容量Cs2にはそれぞれ前記書込み電圧と同じ電圧がチャージされる。
一方、前記第三容量電極19への印加電圧は前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2であるため、前記第三補償容量Cs3には、前記書込み電圧とは異なる電圧(書込み電圧に対して第一電圧V1と第二電圧V2との差に対応した電圧差をもった電圧)がチャージされる。
なお、第一画素電極5aと走査信号線7及びデータ信号線8との間には、第一TFT9aのゲート−ソース間容量及びドレイン−ソース間容量等の寄生容量(以下、第一寄生容量という)が存在する。また、第二画素電極5bと走査信号線7及び走査信号線7との間には、第二TFT9bのゲート−ソース間容量及びドレイン−ソース間容量等の寄生容量(以下、第二寄生容量という)が存在する。
そのため、第一TFT9a及び第二TFT9bがオフし、書込みが終了すると、第画素容量CLC1及び第二補償容量Cs2にチャージされた電圧が、前記第一寄生容量への電圧の引込みによってある程度降下し、第二画素容量CLC2と第二補償容量Cs2及び第三補償容量Cs3にチャージされた電圧が、前記第二寄生容量への電圧の引込みによってある程度降下する。
そして、画素30の第一領域30aの液晶は、前記第一画素容量CLC1のチャージ電圧(第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧)により駆動される。また、前記画素30の第二領域30bの液晶は、前記第二画素容量CLC2のチャージ電圧(第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧)により駆動される。
図14は、第一行の各画素30のうちの1つの画素30の第一領域30aにおける第一画素電極5aと共通電極6との間に印加される電圧を示し、図15は、前記画素30の第二領域30bにおける第二画素電極5bと共通電極6との間に印加される電圧を示している。図14において、VP1は第一画素電極5aの電位である。また、図15において、VP2は第一画素電極5bの電位である。なお、図14及び図15では、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bの電位VP1,VP2とコモン信号Vcomとを区別しやすいように、これらの立上がり及び立下がりを傾斜させている。
図14のように、第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧は、前記第一行の選択期間t1のうちのTFT9a,9bのオン期間に、データ信号線8から第一TFT9aを介して第一画素電極5aに印加されたデータ信号Dと、共通電極6に印加されたコモン信号Vcomとの電位差に対応した書込み電圧Vaになる。
そして、前記第一TFT9aがオフすると、前記第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧が、前記書込み電圧Vaに対して前記第一寄生容量による引込み電圧ΔV1分だけ降下した電圧Va1になる。以下、この電圧Va1を第一保持電圧という。
また、前記共通電極6に印加されるコモン信号Vcomの電圧レベルは、各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に反転するが、前記コモン信号Vcomと第一容量電極17に印加される第一電圧V1は同じ電圧であるため、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが反転しても、第一画素容量CLC1及び第一補償容量Cs1のチャージ電圧は変化しない。
そのため、前記第一画素電極5aと共通電極6との間の電圧は、第二行以下の各画素行の選択期間線t2,t3,t4,…tnにおいても前記第一保持電圧Va1に保たれる。
従って、前記第一画素電極5aと共通電極6との間の第一保持電圧Va1は、前記コモン信号Vcomの電圧レベル反転にかかわらず、第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記第一行の選択期間t1における書込み電圧Va1と実質的に同じ電圧に維持され、その電圧が、前記第一領域30aの液晶に1フレームの実効電圧として印加される。
また、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧は、図15のように、前記第一行の選択期間t1のうちのTFT9a,9bのオン期間に、前記データ信号線8から第二TFT9bを介して第二画素電極5bに印加されたデータ信号Dと、共通電極6に印加されたコモン信号Vcomとの電位差に対応した書込み電圧Vaになる。この書込み電圧Vaは、前記第一画素電極5aと共通電極6との間に印加された書込み電圧Vaと同じ値の電圧である。
そして、前記第二TFT9bがオフすると、前記第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧が、前記書込み電圧Vaに対して前記第二寄生容量による引込み電圧ΔV2分だけ降下した電圧Va2になる。以下、この電圧Va2を第二保持電圧という。なお、前記第二寄生容量による引込み電圧ΔV2は、前記第一寄生容量による引込み電圧ΔV1と略同じであり、従って、前記第二保持電圧Va2は、前記第一保持電圧Va1と略同じ値の電圧である。
一方、前記第二容量電極18への印加電圧である前記第一電圧V1は、共通電極6に印加されるコモン信号Vcomと同じ電圧(各画素行の選択期間t1,t2,t3,…tn毎に電圧レベルが反転する電圧)であるが、前記第三容量電極19への印加電圧である前記第二電圧V2は、前記第一電圧V1とは異なる一定レベルの直流電圧である。
そのため、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが前記第一行の選択期間t1の電圧レベルに対して反転すると、共通電極6と第三容量電極19との間の電圧値の低下に伴って、第一画素容量CLC1と第二補償容量Cs2及び第三補償容量Cs3のそれぞれのチャージ電圧が、これらのCLC1,Cs2,Cs3の容量値に対応した比率で降圧する。
また、前記コモン信号Vcomの電圧レベルが前記第一行の選択期間t1の電圧レベルと同じになると、前記第一画素容量CLC1及び前記第二補償容量Cs2のチャージ電圧と前記第三補償容量Cs3のチャージ電圧がそれぞれ前記第一画素行の選択期間t1における書込み終了後の電圧(第二TFT9bがオフした後の電圧)になる。
そのため、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧は、第二行以下の各画素行のうちの偶数番の画素行の選択期間(コモン信号Vcomの電圧レベルが第一行の選択期間t1の電圧レベルに対して反転する選択期間)t2,t4,…に、前記第二保持電圧VP2に対して降圧した電圧Va3になり、奇数番の画素行の選択期間(コモン信号Vcomの電圧レベルが第一行の選択期間t1の電圧レベルと同じになる選択期間)t3,t5,…に、前記第二保持電圧VP2と実質的に同じ電圧に戻る。
従って、前記第二領域30bの液晶には、各画素行の選択期間t1,t2,t3,…tn毎に交互に印加される前記電圧Va2,Va3を平均した値の電圧が、1フレームの実効電圧として印加される。
なお、前記第二保持電圧Va2と、この第二保持電圧Va2に対して降圧した電圧Va3は、次の(1)式及び(2)式により求めることができる。
Va2=(Cic+C2)×(Vpix−VcomL)+C3×(Vpix−C3)
+Cds×(Vpix−VsigH)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(1)
Va3=(Cic+C2)×(Vpix−VcomH)+C3×(Vpix−C3)
+Cds×(Vpix−VsigL)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(2)
Clc;第二画素容量CLC2の容量値
C2;第二補償容量Cs2の容量値
C3;第三補償容量Cs3の容量値
Cgs;第二TFT9bのゲート−ソース間容量
Cds;第二TFT9bのドレイン−ソース間容量
VsigH;第一画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
VsigL;第二画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
Vgl;走査信号のオフ電圧
Vpix;第二画素電極5bの電位
VcomL;コモン信号Vcomのローレベル電圧値
VcomH;コモン信号Vcomのハイレベル電圧値
また、前記第二領域30bの液晶に印加される1フレームの実効電圧は、次の(3)式により求めることができる。
+Cds×(Vpix−VsigH)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(1)
Va3=(Cic+C2)×(Vpix−VcomH)+C3×(Vpix−C3)
+Cds×(Vpix−VsigL)+Cgs×(Vpix−Vgl) …(2)
Clc;第二画素容量CLC2の容量値
C2;第二補償容量Cs2の容量値
C3;第三補償容量Cs3の容量値
Cgs;第二TFT9bのゲート−ソース間容量
Cds;第二TFT9bのドレイン−ソース間容量
VsigH;第一画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
VsigL;第二画素行の選択期間におけるデータ信号の電位
Vgl;走査信号のオフ電圧
Vpix;第二画素電極5bの電位
VcomL;コモン信号Vcomのローレベル電圧値
VcomH;コモン信号Vcomのハイレベル電圧値
また、前記第二領域30bの液晶に印加される1フレームの実効電圧は、次の(3)式により求めることができる。
実効電圧={(Va22+Va32)/2}1/2 …(3)
このように、各画素30の第二領域30bの1フレームの実効電圧は、同じ画素30の第一領域30aの1フレームの実効電圧に対して降圧した電圧であり、従って、同じ階調値のデータ信号に対して、前記第二領域30bの液晶分子が、前記第一領域30aの液晶分子の立上がり角よりも小さい角度で立上がる。
このように、各画素30の第二領域30bの1フレームの実効電圧は、同じ画素30の第一領域30aの1フレームの実効電圧に対して降圧した電圧であり、従って、同じ階調値のデータ信号に対して、前記第二領域30bの液晶分子が、前記第一領域30aの液晶分子の立上がり角よりも小さい角度で立上がる。
そのため、各画素30の第二領域30bの液晶層2での電圧−透過率特性は、前記第一領域30aの液晶層2での電圧−透過率特性とは異なる特性である。図16は、画素電極5と共通電極6との間に電圧を印加しない無電界時の表示が最も明るいノーマリーホワイトモードの液晶表示素子における前記第一領域30aと第二領域30bの電圧−透過率特性を示している。図16のように、前記第二領域30bの電圧−透過率特性は、前記第一領域30aの電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした特性である。
従って、液晶層2の層厚(第一基板1と第二基板2との間の間隙)等を、第一領域30aの電圧−透過率特性が所定の視野角が得られる特性になるように設計し、さらに、前記第二電圧V2の値を、第二領域30bの電圧−透過率特性が前記第一領域30aの電圧−透過率特性に対して所定量だけシフトした特性、つまり第一領域30aの視野角とは異なる視野角が得られる特性になるように前記第二電圧V2の値を設定することにより、第一領域30aの視野角特性と第二領域30bの視野角特性とが相乗した広い視野角を得ることができる。
また、第一領域30aの視野角特性と第二領域30bの視野角特性とが相乗した視野角は、前記第一領域30aと第二領域30bとの面積比(第一画素電極5aと第二画素電極5bとの面積比)に対応するため、この面積比を選択することにより、所定の広さの視野角を得ることができる。
図17は、各画素電極がそれぞれ画素の全域に対応する形状に形成され、6時方向から見たときにコントラストが最も高くなるように設計された比較例のTN型液晶表示装置の視角−輝度特性を示している。また、図18は、上記第一実施例の液晶表示装置であって、前記各画素30の第一領域30aと第二領域30bの面積比が、第一領域面積:第二領域面積=7:3に設定され、6時方向から見たときにコントラストが最も高くなるように設計されたTN型液晶表示装置の視角−輝度特性を示している。図17及び図18において、視角は、9時方向の視角を0°としたときの前記0°方向に対して反時計回り(左回り)の角度である。また、輝度は、各視角における液晶表示素子の法線に対して所定角度傾いた方向の輝度である。
なお、図17及び図18では、各画素30の第一画素電極5aと第二画素電極5bに、L0(最も暗い階調値)〜L21(最も明るい階調値)の22階調のうちのL0,L1,L2,L7,L10,L12,L16,L18,L19,L20,L21の各階調値のデータ信号を印加したときの視角−輝度特性を示している。
図18のように、上記実施例の液晶表示装置は、90°(6時)における方向の視角−輝度特性が、前記比較例の液晶表示装置と略同じであり、しかも、270°(12時)方向の視角−輝度特性が、前記比較例の液晶表示装置に比べて、低階調側での階調潰れや階調反転が改善された特性であり、従って、広い視野角を得ることができる。
さらに、上記実施例の液晶表示装置は、前記第三容量電極19に印加する電圧を制御するだけで視野角を微調整することができる。そのため、製造工程で生じた絶縁膜厚や基板間隙等の誤差により、表示装置相互間に視野角のばらつきが生じても、前記視野角のばらつきを容易に補正することができる。
すなわち、上記実施例の液晶表示装置は、前記第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極6への印加電圧と同じ第一電圧V1を印加し、前記第三容量電極19に前記第一の電圧V1とは異なる第二電圧V2を印加するようにしているため、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御することにより、前記第二領域30bの電圧−透過率特性を変化させることができる。
前記第二領域30bの電圧−透過率特性は、図16に示したように、前記第一領域30aの電圧−透過率特性に対して高電圧側にシフトした特性であり、そのシフト量は、前記第二容量電極18に印加された第一電圧V1と、前記第三容量電極19に印加された第二電圧V2との差に対応する。
この実施例において、前記第一領域30aの電圧−透過率特性に対する第二領域30bの電圧−透過率特性のシフト量は、前記第一電圧V1に対する第二電圧V2の差を小さくするのに伴って小さくなり、前記第一電圧V1に対する第二電圧V2の差を大きくするのに伴って大きくなる。
このように、上記液晶表示装置は、前記第二領域30bの電圧−透過率特性を変化させることができるため、前記第二領域30bの視野角特性を任意に調整することができる。従って、前記第一領域30aの視野角特性と第二領域30bの視野角特性とを相乗させた視野角を所定の値になるように微調整し、表示装置相互間の視野角のばらつきを補正することができる。この視野角のばらつきの補正は、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2を制御するだけで容易に行うことができる。
しかも、上記液晶表示装置は、前記第二容量電極18を、第二画素電極5bの所定の一辺に沿う方向に延伸するように且つ前記所定の一辺に重なるように形成し、前記第三容量電極19を、前記第二容量電極18との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極5bの前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成しているため、前記第三補償容量Cs3の容量値に対して前記第二補償容量Cs2の容量値を比較的大きくすることができる。
そのため、前記第三容量電極19に対して小さな電圧変動を与えるだけで、第二画素電極5bに対応する液晶層2での電圧−透過率特性を大きく変動させることができ、従って、視野角を大きく調整することができる。これは特に、製造された液晶表示装置相互間で液晶層2の厚さが大きくばらついてしまうような場合に有効である。
また、上記実施例では、前記第一容量電極17を、第一画素電極5aの各辺に重なるように矩形枠形状に形成しているため、前記第一補償容量Cs1の容量値を充分大きくすることができる。
さらに、上記実施例では、前記第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間を延伸するように走査信号線7を配置しているため、他の領域に走査信号線7の配置スペースを確保する場合に比べて、画素30の開口率を高くすることができる。
しかも、上記実施例では、第一画素電極5aと第二画素電極5bとの間の領域に第一TFT9aと第二TFT9bとを配置しているため、これらのTFT9a,9bを画素30外の領域に配置する場合に比べて、隣り合う画素30,30間の間隔を小さくすることができる。
また、上記実施例では、走査信号線7と第一、第二及び第三容量電極17,18,19を第一基板3上に形成すると共に、第一容量電極17と第二容量電極18をそれぞれ走査信号線7との間に間隔を設けて形成している。そのため、前記走査信号線7と各容量電極17,18,19とを一括して同時に、しかも第一容量電極17と走査信号線7及び第二容量電極18と走査信号線7とを短絡させること無く形成することができる。
さらに上記実施例では、前記走査信号線7と各容量電極17,18,19を第一及び第二TFT9a,9bのゲート絶縁膜11により覆い、前記ゲート絶縁膜11の上にデータ信号線8を形成し、第一画素電極5aと第二画素電極5bを、前記ゲート絶縁膜11の上に各TFT9a,9b及びデータ信号線8を覆って設けられた被覆絶縁膜20の上に形成している。そのため、第一画素電極5aと第一容量電極17との間の第一誘電層と、第二画素電極5bと第二容量電極18との間の第二誘電層と、第二画素電極5bと第三容量電極19との間の第三誘電層とをそれぞれ、前記ゲート絶縁膜11と被覆絶縁膜20との積層膜により形成することができる。
そして、このように第一誘電層、第二誘電層及び第三誘電層を、同一の層として形成しりことにより、前記各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を一括して同時に形成することができる。
また、上記実施例では、前記共通電極6に印加するコモン信号Vcomと前記第一容量電極17に印加する第一電圧V1(Vcom=V1)を、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧、例えば1フレーム中の各画素行の選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に電圧レベルが反転する矩形波交流電圧としている。そのため、前記各画素30の第一領域30aの液晶に、前記第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記実質書込み電圧Va1対応した一定値の実効電圧を印加することができる。
さらに、上記実施例では、前記第二容量電極18に、前記共通電極6及び第一容量電極17への印加電圧と同じ第一電圧(矩形波交流電圧)V1を印加し、前記第三容量電極19に、一定レベル、例えば前記第一電圧V1のハイレベル値V1Hとローレベル値V1Lとの間の値の直流電圧からなる第二電圧V2を印加している。そのため、第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧を、図15のように、第二保持電圧Va2とそれよりも降圧した電圧Va3とに交互に変化させ、各画素30の第二領域30bの液晶に、第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記二つの電圧Va2,Va3を平均した値の実効電圧を印加することができる。
なお、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2は、前記第一電圧V1のハイレベル値V1Hとローレベル値V1Lとの間の値の電圧に限らず、任意の値の直流電圧でもよく、その場合も、第二領域30bの液晶に、前記各選択期間t1,t2,t3,t4,…tn毎に交互に変化する2つの電圧値を平均した、前記第一領域30aの実効電圧とは異なる値の実効電圧を印加することができる。
また、前記第三容量電極19に印加する第二電圧V2は、一定レベルの直流電圧に限らず、電圧レベルが前記第一電圧V1と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧でもよい。
図19は、前記第二電圧V2を矩形波交流電圧とした例を示している。この第二電圧V2は、第一電圧V1と同位相で、且つ振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧である。
また、図20は、前記第二電圧V2を矩形波交流電圧とした他の例を示している。この第二電圧V2は、第一電圧V1とは逆位相で、且つ振幅が前記第一電圧V1の振幅よりも小さい矩形波交流電圧である。
前記図19または図20の何れの波形の第二電圧V2を前記第三容量電極19に印加しても、前記第二画素電極5bと共通電極6との間の電圧を、前記第二保持電圧Va2とそれよりも降圧した電圧とに交互に変化させることができる。従って、前記各画素30の第二領域30bの液晶に、前記第一行の選択期間t1の書込み終了後から1フレームの終了時までの期間中、前記第一領域30aの実効電圧とは異なる値の実効電圧を印加することができる。
また、上記実施例では、第二容量電極18を、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する一辺に重なるように形成しているが、図21に示した変形例のように、前記第二容量電極18を、第二画素電極5bの各辺のうち走査信号線7に隣接する辺とは反対側の一辺に重なるように形成し、第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの他の辺に重なるように形成してもよい。
さらに、上記実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19を図4、図5及び図10のような形状に形成しているが、前記第一容量電極17は、図22のように、各行の隣り合う第一容量電極17,17同士が、第一画素電極5aの縦辺(走査信号線7の延伸方向に対して直交する方向の辺)と重なる部分において、その略全長にわたって一体に繋がった形状に形成してもよい。
また、前記第三容量電極19は、図22のように、各行の隣り合う第二容量電極18,18同士が、第二画素電極5bの前記縦辺と重なる部分において、その略全長にわたって一体に繋がった形状に形成してもよい。
[第二実施例]
次に、この発明の第二実施例を図23〜図26を参照して説明する。なお、この第二実施例において、上記第一実施例に対応するものには同符号を付し、同一のものについてはその説明を省略する。
次に、この発明の第二実施例を図23〜図26を参照して説明する。なお、この第二実施例において、上記第一実施例に対応するものには同符号を付し、同一のものについてはその説明を省略する。
この第二実施例において、前記第一TFT9aと第二TFT9bは、上記第一実施例と同じ積層膜により構成されている。また、各走査信号線7は、前記第一基板3上に形成され、前記第一TFT9a及び第二TFT9bのゲート絶縁膜11により覆われている。そして、各データ信号線8は、前記ゲート絶縁膜11の上に形成されている。なお、この第二実施例においても、前記各データ信号線8は、前記各TFT9a,9bを構成する積層膜のうちの半導体薄膜12とコンタクト層14とからなる下地層の上に形成されている。
一方、第一、第二及び第三容量電極17,18,19は、前記ゲート絶縁膜11の上に前記各TFT9a,9b及び各データ信号線8を覆って設けられた透明な第一被覆絶縁膜20aの上に、図22の電極形状と略同じ形状に形成されている。
そして、第一画素電極5aと第二画素電極5bは、前記第一被覆絶縁膜20a上に、前記各容量電極17,18,19を覆って設けられた第二被覆絶縁膜20bの上に、前記第一被覆絶縁膜20a及び前記第二被覆絶縁膜20bに設けられた第一及び第二のコンタクト孔201,202において前記第一TFT9aのドレイン電極16と前記第二TFT9bのドレイン電極16に各々接続して形成されている。
すなわち、この第二実施例において、前記第一画素電極5aと前記第一容量電極17との間の第一誘電層と、前記第二画素電極5bと前記第二容量電極18との間の第二誘電層と、前記第二画素電極5bと前記第三容量電極19との間の第三誘電層はそれぞれ、前記第二被覆絶縁膜20bからなっている。
なお、この第二実施例では、前記第一画素電極5a及び第二画素電極5bが、前記コンタクト孔201,202内に入り込んだ部分(第一及び第二TFT9a,9bのドレイン電極16との接続部)において前記各容量電極17,18,19と短絡しないように、前記各容量電極17,18,19のコンタクト孔付近の部分を前記コンタクト孔201,202から充分に離間させた形状に形成している。
この第二実施例の液晶表示装置においても、第一容量電極17と第二容量電極18とに共通電極6への印加電圧と同じ第一電圧V1を印加し、第三容量電極19に前記第一電圧V1とは異なる第二電圧V2を印加することにより、上記第一実施例を同じ効果を得ることができる。
そして、この第二実施例では、前記第一、第二及び第三容量電極17,18,19を、ゲート絶縁膜11の上に各TFT9a,9b及び各データ信号線8を覆って設けられた第一被覆絶縁膜20aの上に形成しているため、これらの容量電極17,18,19を一括して同時に形成することができる。
また、この第二実施例では、各容量電極17,18,19を第二被覆絶縁膜20bにより覆い、この第二被覆絶縁膜20bの上に第一画素電極5aと第二画素電極5bを形成している。
すなわち、前記第一補償容量Cs1の第一誘電層と、前記第二各補償容量Cs2の第二誘電層と、前記第三補償容量Cs3の第三誘電層は、前記第二被覆絶縁膜20bからなる同一の層として形成されている。そのため、前記各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を一括して同時に形成することができる。
さらに、この第二実施例によれば、データ信号線8が、第一被覆絶縁膜20aの上に形成された各容量電極17,18,19により覆われているため、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと前記データ信号線8との間隔を小さくすることができる。従って、上記第一実施例よりも第一画素電極5a及び第二画素電極5bの横幅を広くし、各画素30の第一及び第二領域30a,30bの面積を大きくすることができる。
しかも、前記各容量電極17,18,19のデータ信号線8を覆う部分が、第一画素電極5a及び第二画素電極5bとデータ信号線8との間を電気的にシールドする効果をもつため、第一画素電極5aと共通電極6との間に印加された電圧に対する第一画素電極5aとデータ信号線8との間の寄生容量による影響と、第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された電圧に対する第二画素電極5bとデータ信号線8との間の寄生容量による影響とを、それぞれ小さくすることができる。
なお、上記第二実施例では、第一容量電極17と第二容量電極18をそれぞれ走査信号線7との間に間隔を設けて形成しているが、走査信号線7は第一基板3上に形成され、第一、第二及び第三容量電極17,18,19は第一被覆絶縁膜20aの上に形成されているため、第一容量電極17または第二容量電極18を走査信号線7と重なるような形状に形成しても、その容量電極と走査信号線7とが短絡することは無い。
[第三実施例]
図27及び図28に示した第三実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第三容量電極19の各辺のうちの走査信号線7の延伸方向に沿った辺を、前記走査信号線7及び各TFT9a,9bと重なる幅に形成したものである。
図27及び図28に示した第三実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第三容量電極19の各辺のうちの走査信号線7の延伸方向に沿った辺を、前記走査信号線7及び各TFT9a,9bと重なる幅に形成したものである。
この第三実施例によれば、前記第三容量電極19の走査信号線7を覆う部分が、第二画素電極5bと走査信号線7との間を電気的にシールドする効果をもつため、第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された電圧に対する第二画素電極5bとデータ信号線8との間の寄生容量による影響を小さくすることができる。
[第四実施例]
図29及び図30に示した第四実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する一辺に重なるように形成された第二容量電極18と、前記第二画素電極5bの他の辺に重なるように形成された第三容量電極19とのうち、前記第二容量電極18を、該第二容量電極18が対応する表示画素30と同じ画素に対応する第一容量電極17と一体に形成したものである。
図29及び図30に示した第四実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する一辺に重なるように形成された第二容量電極18と、前記第二画素電極5bの他の辺に重なるように形成された第三容量電極19とのうち、前記第二容量電極18を、該第二容量電極18が対応する表示画素30と同じ画素に対応する第一容量電極17と一体に形成したものである。
この第四実施例によれば、第一画素電極5aと共通電極6との間及び第二画素電極5bと共通電極6との間に印加された電圧に対する第二画素電極5bと走査信号線7との間の寄生容量による影響を小さくすることができると共に、第一容量電極17と第二容量電極18への第一電圧V1の印加を一括して行うことができる。
[第五実施例]
図31に示した第五実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二容量電極18を、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する辺とは反対側の一辺に重なるように形成し、第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの他の辺に重なるように形成すると共に、前記第二容量電極18を、データ信号線8の延伸方向に隣接する他の表示画素(隣り合う行の画素)30に対応する第一容量電極17と一体に形成したものである。
図31に示した第五実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第二容量電極18を、第二画素電極5bの走査信号線7に隣接する辺とは反対側の一辺に重なるように形成し、第三容量電極19を、前記第二画素電極5bの他の辺に重なるように形成すると共に、前記第二容量電極18を、データ信号線8の延伸方向に隣接する他の表示画素(隣り合う行の画素)30に対応する第一容量電極17と一体に形成したものである。
この第五実施例によれば、隣り合う二つの画素行のうちの一方の行の第一容量電極17と他方の行の第二容量電極18への第一電圧V1の印加を一括して行うことができる。
[第六実施例]
図32及び図33に示した第六実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを、金属膜17a,18a,19aと、第一画素電極5a及び第二画素電極5b側の縁部を前記金属膜17a,18a,19aよりも張り出させて形成されたITO膜等の透明導電膜膜17b,18b,19bとの積層膜により形成したものである。
図32及び図33に示した第六実施例は、前記第二実施例の液晶表示装置において、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを、金属膜17a,18a,19aと、第一画素電極5a及び第二画素電極5b側の縁部を前記金属膜17a,18a,19aよりも張り出させて形成されたITO膜等の透明導電膜膜17b,18b,19bとの積層膜により形成したものである。
この第六実施例によれば、前記積層膜のうちの透明導電膜膜17b,18b,19bを、第一画素電極5a及び第二画素電極5bと所定の幅で重ならせることにより充分な容量値の各補償容量Cs1,Cs2,Cs3を形成することができるため、前記金属膜17a,18a,19aの第一画素電極5a及び第二画素電極5bとの重なり幅を小さくし各画素30の開口率を高くすることができる。
なお、図32及び図33には、前記第二実施例の液晶表示装置における各容量電極17,18,19を前記積層膜により形成した例を示したが、上記第一実施例及び第三実施例から第五実施例の液晶表示装置における各容量電極17,18,19を前記積層膜により形成してもよい。
また、上記第六実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを前記積層膜により形成しているが、第一、第二及び第三容量電極17,18,19のうちの一つまたは2つの容量電極を前記積層膜により形成し、他の容量電極は金属膜で形成してもよい。
その場合、第一、第二及び第三容量電極17,18,19のうちの少なくとも第二画素電極5bとの重なり面積が最も小さい第二容量電極18を前記積層膜により形成するのが望ましく、このようにすることにより、前記第二補償容量Cs3の容量値を充分に確保することができる。
[他の実施例]
なお、上記各実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを第一基板3上または第一被覆絶縁膜20a上に形成しているが、各容量電極17,18,19のうちの1つまたは二つの容量電極を、上記第一実施例と同様に第一基板3上に形成し、他の容量電極を、上記第一実施例から第六実施例と同様に第一被覆絶縁膜20a上に形成してもよい。
なお、上記各実施例では、第一、第二及び第三容量電極17,18,19の全てを第一基板3上または第一被覆絶縁膜20a上に形成しているが、各容量電極17,18,19のうちの1つまたは二つの容量電極を、上記第一実施例と同様に第一基板3上に形成し、他の容量電極を、上記第一実施例から第六実施例と同様に第一被覆絶縁膜20a上に形成してもよい。
その場合は、各補償容量Cs1,Cs2,Cs3のうちの第一基板3上に設けられた容量電極により形成された1つまたは二つの補償容量の誘電層を、ゲート絶縁膜11とその上の被覆絶縁膜20との積層膜により形成し、第一被覆絶縁膜20a上に設けられた補償容量の誘電層を、第一被覆絶縁膜20aの上の第二被覆絶縁膜20bにより形成することができる。
また、前記液晶表示素子1は、TN型液晶表示素子に限らず、液晶分子を180°〜270°の範囲の捩れ角でツイスト配向させたSTN型液晶表示素子、液晶分子を分子長軸を一方向に揃えてホモジニアス配向させた非ツイストのホモジニアス配向型液晶表示素子、誘電異方性が負のネマティック液晶を用い、液晶分子を分子長軸を基板2,3面に対して略垂直に配向させた垂直配向型液晶表示素子等でもよい。
1…液晶表示素子、2…液晶層、3,4…基板、5a…第一画素電極、5b…第二画素電極、6…共通電極、7…走査信号線、8…データ信号線、9a…第一TFT、9b…第二TFT、10…ゲート電極、11…ゲート絶縁膜、12…半導体薄膜、13…チャネル保護膜、14…コンタクト層、15…ソース電極、16…ドレイン電極、17…第一容量電極、18…第二容量電極、19…第三容量電極、17a.18a,19a…金属膜、17b.18b,19b…透明導電膜膜、Cs1…第一補償容量、Cs2…第二補償容量、Cs3…第三補償容量、20…被覆絶縁膜、20a…第一被覆絶縁膜、20b…第二被覆絶縁膜、201,202…コンタクト孔、30…画素、30a…第一領域、30b…第二領域、31…駆動手段
Claims (10)
- 第一の薄膜トランジスタに接続された第一の画素電極と第二の薄膜トランジスタに接続された第二の画素電極とが表示画素毎に形成され、前記第一の薄膜トランジスタと前記第二の薄膜トランジスタとが、互いに同じデータ信号線及び走査信号線に接続され、前記第一の画素電極と共通電極との間及び前記第二の画素電極と前記共通電極との間に液晶層が形成された液晶表示装置であって、
前記第一画素電極との間に第一誘電層が介在されて第一補償容量を形成する第一容量電極と、前記第二画素電極との間に第二誘電層が介在されて第二補償容量を形成する第二容量電極と、前記第二画素電極との間に第三誘電層が介在されて第三補償容量を形成する第三容量電極と、前記第一容量電極と前記第二容量電極とに前記共通電極への印加電圧と同じ第一の電圧を印加し、前記第三容量電極に前記第一の電圧とは異なる第二の電圧を印加する手段と、を備え、
前記第二容量電極が、前記第二画素電極の所定の一辺に沿う方向に延伸するように且つ前記所定の一辺に重なるように形成され、
前記第三容量電極が、前記第二容量電極との間に所定の間隔をあけて、前記第二画素電極の前記所定の一辺を除く他の辺に重なるように形成されている、
ことを特徴とする液晶表示装置。 - 前記第一容量電極が、前記第一画素電極の各辺に重なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記第一の画素電極と前記第二の画素電極との間を延伸するように前記走査信号線が配置されていることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記第二容量電極が重なるように配置された前記所定の一辺は、前記第二画素電極の各辺のうち前記走査信号線に隣接する辺であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
- 前記第二容量電極は、該第二容量電極が対応する表示画素と同じ画素に対応する前記第一容量電極と一体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
- 前記第三容量電極が重なるように配置された前記所定の一辺は、前記第二画素電極の各辺のうち前記走査信号線に隣接する辺とは反対側の辺であることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
- 前記第二容量電極は、前記データ信号線の延伸方向に隣接する他の表示画素に対応する第一容量電極と一体的に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
- 前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、一定レベルの直流電圧であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記第一の電圧は、電圧レベルが所定の周期で反転する矩形波交流電圧であり、前記第二の電圧は、電圧レベルが前記第一の電圧と同じ周期で反転し、且つ、振幅が前記第一の電圧の振幅よりも小さい矩形波交流電圧であることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の液晶表示装置。
- 前記第一誘電層、前記第二誘電層及び前記第三誘電層は、同一の層として形成されていることを特徴とする請求項1から9の何れかに記載の液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010009346A JP2011150017A (ja) | 2010-01-19 | 2010-01-19 | 液晶表示装置 |
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JP (1) | JP2011150017A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019174359A1 (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 电压补偿方法、装置和触控显示模组 |
-
2010
- 2010-01-19 JP JP2010009346A patent/JP2011150017A/ja not_active Withdrawn
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WO2019174359A1 (zh) * | 2018-03-15 | 2019-09-19 | 京东方科技集团股份有限公司 | 电压补偿方法、装置和触控显示模组 |
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