JP2011148976A - 成形材料、成形体、及びその製造方法、並びに電気電子機器用筐体 - Google Patents

成形材料、成形体、及びその製造方法、並びに電気電子機器用筐体 Download PDF

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俊英 芳谷
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Abstract

【課題】剛性、曲げ強度、及び耐熱性、耐衝撃性、成形加工性、及び低温での耐衝撃性に優れた成形材料及び成形体、加えて落球衝撃強度やビカット軟化点温度が良好な成形材料及び成形体を提供すること。
【解決手段】セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーとを含有する成形材料。
A)炭化水素基:−R
B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、成形材料、成形体、及びその製造方法、並びに電気電子機器用筐体に関する。
コピー機、プリンター等の電気電子機器を構成する部材には、その部材に求められる特性、機能等を考慮して、各種の素材が使用されている。例えば、電気電子機器の駆動機等を収納し、当該駆動機を保護する役割を果たす部材(筐体)にはPC(Polycarbonate)、ABS(Acrylonitrile−butadiene−styrene)樹脂、PC/ABS等が一般的に多量に使用されている(特許文献1)。これらの樹脂は、石油を原料として得られる化合物を反応させて製造されている。
ところで、石油、石炭、天然ガス等の化石資源は、長年月の間、地中に固定されてきた炭素を主成分とするものである。このような化石資源、又は化石資源を原料とする製品を燃焼させて、二酸化炭素が大気中に放出された場合には、本来、大気中に存在せずに地中深くに固定されていた炭素を二酸化炭素として急激に放出することになり、大気中の二酸化炭素が大きく増加し、これが地球温暖化の原因となっている。したがって、化石資源である石油を原料とするABS、PC等のポリマーは、電気電子機器用部材の素材としては、優れた特性を有するものであるものの、化石資源である石油を原料とするものであるため、地球温暖化の防止の観点からは、その使用量の低減が望ましい。
一方、植物由来の樹脂は、元々、植物が大気中の二酸化炭素と水とを原料として光合成反応によって生成したものである。そのため、植物由来の樹脂を焼却して二酸化炭素が発生しても、その二酸化炭素は元々、大気中にあった二酸化炭素に相当するものであるから、大気中の二酸化炭素の収支はプラスマイナスゼロとなり、結局、大気中のCOの総量を増加させない、という考え方がある。このような考えから、植物由来の樹脂は、いわゆる「カーボンニュートラル」な材料と称されている。石油由来の樹脂に代わって、カーボンニュートラルな材料を用いることは、近年の地球温暖化を防止する上で急務となっている。
このため、PCポリマーにおいて、石油由来の原料の一部としてデンプン等の植物由来資源を使用することにより石油由来資源を低減する方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、より完全なカーボンニュートラルな材料を目指す観点から、さらなる改良が求められている。
公知のセルロース誘導体として、ヒドロキシプロピルメチルアセチルセルロースが特許文献3及び特許文献4に記載されている。特許文献3及び特許文献4では、このヒドロキシプロピルメチルアセチルセルロースは、揮発しやすい有機溶剤の蒸気圧を低減するための添加剤として有用であることが記載されている。また、特許文献3及び特許文献4に記載のヒドロキシプロピルメチルアセチルセルロースにおける各置換基の置換度は、例えばヒドロキシプロピル基のモル置換度(MS)が約2から8の範囲、メチル基の置換度が約0.1から1の範囲、アセチル基の置換度は約0.8から2.5の範囲であることが記載されている。
また、薬剤のコーティング等用途として、ヒドロキシプロピルメチルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルブチルセルロース等(特許文献5)、ヒドロキシプロピル
メチルセロースフタレート等(特許文献6)が開示されている。
更に、特許文献7には、アセチルブチルセルロースとアジピン酸系ポリエステル可塑剤を含む塗膜の例が開示されている。
特開昭56−55425号公報 特開2008−24919号公報 米国特許第3979179号明細書 米国特許第3940384号明細書 国際公開第09/010837号 特許第3017412号明細書 特開2008−184603号公報
本発明者らは、カーボンニュートラルな樹脂として、セルロースを使用することに初めて着目した。しかし、セルロースは一般的に熱可塑性を持たないため、加熱等により成形することが困難であるため、成形加工に適さない。また、たとえ熱可塑性を付与できたとしても、耐衝撃性等の強度が大きく衰える問題がある。例えば、上記特許文献3、4、及び6に記載のセルロース誘導体は水可溶性又は膨潤性であり、強度が不足しており成形材料として好ましくない。また、特許文献5に記載のセルロース誘導体は水難溶性であることが記載されているが、本文中に記載があるのみでその合成方法及び使用形態等については実施例等で具体的に開示されていない。
更に、特許文献7に記載のセルロース誘導体とアジピン酸系ポリエステル可塑剤を用いて形成された膜は、塗膜として特定の用途には使用できるが、一般的な成形材料としての使用には適さない。また、成形体とすることができたとしても、耐衝撃性に劣ると考えられる。更に該アジピン酸系ポリエステル可塑剤は低分子量であるため加熱成形しようとするとブリードアウトすると考えられる。
また、セルロース誘導体を用いた成形材料について、低温での耐衝撃性の改良も求められる。
本発明の目的は、剛性(曲げ弾性率)、曲げ強度、及び耐熱性(熱変形温度)といった性能と、更に良好な耐衝撃性(シャルピー衝撃強度)、優れた成形加工性、及び低温での耐衝撃性とを有する成形材料及び成形体、加えて落球衝撃強度やビカット軟化点温度が良好な成形材料及び成形体を提供することである。また、本発明の別の目的は、該成形体の製造方法、及び該成形体から構成される電気電子機器用筐体を提供することである。
本発明者らは、セルロースの分子構造に着目し、セルロースをエーテル構造とエステル構造を有する特定構造のセルロース誘導体とし、該特定構造のセルロース誘導体と、更に数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーとを含有する成形材料により、良好な剛性、曲げ強度、及び耐熱性といった性能とともに、更に耐衝撃性、成形加工性、及び低温での耐衝撃性に優れた成形材料及び成形体を提供しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題は以下の手段により達成することができる。
[1]
セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーとを含有する成形材料。
A)炭化水素基:−R
B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)
[2]
前記セルロース誘導体が、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含む、[1]に記載の成形材料。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
[3]
前記C)アルキレンオキシ基とアシル基とを含む基が、下記一般式(3)で表される構造を含む基である、[2]に記載の成形材料。
Figure 2011148976
(式中、RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。nは1以上の整数を表す。)
[4]
前記Rが炭素数1〜4のアルキル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の成形材料。
[5]
前記Rがメチル基又はエチル基である、[1]〜[4]のいずれかに記載の成形材料。
[6]
前記R及びRC1が、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基である、[2]〜[5]のいずれかに記載の成形材料。
[7]
前記R及びRC1が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である、[2]〜[6]のいずれかに記載の成形材料。
[8]
前記Rが、炭素数3〜10の分岐構造を有する炭化水素基である、[1]〜[6]のいずれかに記載の成形材料。
[9]
前記アルキレンオキシ基が下記式(1)又は(2)で表される基である、[2]〜[8]のいずれかに記載の成形材料。
Figure 2011148976
[10]
前記セルロース誘導体が、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さない、[1]〜[9]のいずれかに記載の成形材料。
[11]
前記セルロース誘導体が水に不溶である、[1]〜[10]のいずれかに記載の成形材料。
[12]
脂肪族ポリエステルエラストマーが、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステル、又は環状エステルの開環重合により得られる脂肪族ポリエステルである[1]〜[11]のいずれかに記載の成形材料。
[13]
前記脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び1,4−ベンゼンジメタノールから選ばれる少なくとも一種であり、前記脂肪族多塩基酸が、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、1,4−フェニレンジ酢酸、フェニルコハク酸、及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも一種の脂肪族多塩基酸である、[12]に記載の成形材料。
[14]
前記環状エステルがε−カプロラクトンである[12]に記載の成形材料。
[15]
更に、ゴム粒子を含有する[1]〜[14]のいずれかに記載の成形材料。
[16]
前記ゴム粒子が、コアシェル構造である[15]に記載の成形材料。
[17]
前記ゴム粒子におけるコアが、アクリル系ゴム又はシリコーン/アクリル複合ゴムであり、シェル成分がビニル系重合体である[15]及び[16]に記載の成形材料。
[18]
前記セルロース誘導体、ゴム粒子及び脂肪族ポリエステルエラストマーの総量に対して、セルロース誘導体を40〜90質量%、ゴム粒子を5〜50質量%及び脂肪族ポリエステルエラストマーを5〜50質量%含有する[15]〜[17]のいずれかに記載の成形材料。
[19]
更に、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の少なくともいずれかを含有する[1]〜[17]のいずれかに記載の成形材料。
[20]
前記セルロース誘導体、ゴム粒子、脂肪族ポリエステルエラストマー、セルロースエス
テル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の総量に対して、セルロース誘導体を20〜80質量%、ゴム粒子を5〜40質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーを5〜40質量%、及びセルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量として5〜50質量%含有する[19]に記載の成形材料。
[21]
更に、相溶化剤を含有する[1]〜[20]のいずれかに記載の成形材料。
[22]
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基及びオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物である、[21]に記載の成形材料。
[23]
[1]〜[22]のいずれかに記載の成形材料を加熱成形して得られる成形体。
[24]
[1]〜[22]のいずれかに記載の成形材料を加熱し、成形する工程を含む、成形体の製造方法。
[25]
[23]に記載の成形体から構成される電気電子機器用筐体。
本発明の成形材料は、優れた熱可塑性を有するため、加熱成形などにより成形することができる。また、本発明の成形材料、及び成形体は、剛性、曲げ強度、耐熱性といった性能に優れ、かつ良好な耐衝撃性、成形加工性、及び低温での耐衝撃性を有しており、例えば自動車、家電、電気電子機器等の構成部品、機械部品、住宅・建築用材料等として好適に使用することができる。また、本発明の成形材料は、植物由来の樹脂であるセルロースから得られるセルロース誘導体を使用しているため、温暖化防止に貢献できる素材として、従来の石油由来の樹脂に代替できる。
本発明は、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体(以下、「セルロース誘導体」ともいう)と、
数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーとを含有する成形材料に関する。
A)炭化水素基:−R
B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
1.セルロース誘導体
本発明の成形材料に含まれるセルロース誘導体は、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体である。
A)炭化水素基:−R
B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)
すなわち、本発明におけるセルロース誘導体は、セルロースエーテルエステルであり、セルロース{(C10}に含まれる水酸基の水素原子の少なくとも一部が、A)炭化水素基:−R、B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)により置換されている。
より詳細には、本発明におけるセルロース誘導体は、下記一般式(A)で表される繰り
返し単位を有する。
Figure 2011148976
上記一般式(A)において、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、A)炭化水素基:−R、B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)、又はその他の置換基を表す。ただし、R、R、及びRの少なくとも一部がA)炭化水素基を表し、かつR、R、及びRの少なくとも一部がB)アシル基を表す。
本発明におけるセルロース誘導体は、上記のようにβ−グルコース環の水酸基の少なくとも一部がA)炭化水素基、及びB)アシル基によって、エーテル化、及びエステル化されていることにより、熱可塑性を発現することができ、成形加工に適したものとなる。
更には、セルロースは完全な植物由来成分であるため、カーボンニュートラルであり、環境に対する負荷を大幅に低減することができる。
なお、本発明にいう「セルロース」とは、多数のグルコースがβ−1,4−グリコシド結合によって結合した高分子化合物であって、セルロースのグルコース環における2位、3位、6位の炭素原子に結合している水酸基が無置換であるものを意味する。また、「セルロースに含まれる水酸基」とは、セルロースのグルコース環における2位、3位、6位の炭素原子に結合している水酸基を指す。
前記セルロース誘導体は、その全体のいずれかの部分に前記A)炭化水素基、及びB)アシル基とを含んでいればよく、同一の繰り返し単位からなるものであってもよいし、複数の種類の繰り返し単位からなるものであってもよい。また、前記セルロース誘導体は、ひとつの繰り返し単位において前記A)炭化水素基、及びB)アシル基をすべて含有する必要はない。
より具体的な態様としては、例えば以下の態様が挙げられる。
(1)R、R及びRの少なくとも1つが、A)炭化水素基で置換されている繰り返し単位と、R、R及びRの少なくとも1つが、B)アシル基で置換されている繰り返し単位と、から構成されるセルロース誘導体。
(2)ひとつの繰り返し単位のR、R及びRのいずれかがA)炭化水素基、及びB)アシル基で置換されている(すなわち、ひとつの繰り返し単位中に前記A)及びB)の置換基を有する)同種の繰り返し単位から構成されるセルロース誘導体。
(3)置換位置や置換基の種類が異なる繰り返し単位が、ランダムに結合しているセルロース誘導体。
また、セルロース誘導体には、無置換の繰り返し単位(すなわち、前記一般式(A)において、R、R及びRすべてが水素原子である繰り返し単位)を含んでいてもよい。
また、セルロース誘導体は、水素原子、A)炭化水素基、及びB)アシル基以外のその他の置換基を有していても良い。
A)炭化水素基:−Rは、脂肪族基、及び芳香族基のいずれでもよい。
が脂肪族基である場合は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、不飽和結合を持っていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
が芳香族基である場合は、単環、及び縮環のいずれでもよい。Rが芳香族基である場合の好ましい炭素数は6〜18であり、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10である。芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
A)炭化水素基は、得られる成形材料(以下「セルロース樹脂組成物」又は「樹脂組成物」と称する場合がある。)の耐衝撃性が優れることから、脂肪族基であることが好ましく、メルトフローレート等の成形加工性が優れることから、より好ましくはアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基(低級アルキル基)である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、イソヘプチル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
B)アシル基:−CO−Rにおいて、Rは炭化水素基を表す。Rは、脂肪族基、及び芳香族基のいずれでもよい。
が脂肪族基である場合は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、不飽和結合を持っていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
が芳香族基である場合は、単環、及び縮環のいずれでもよい。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
は、好ましくはアルキル基又はアリール基である。Rは、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、最も好ましくは炭素数1又は2のアルキル基(すなわち、メチル基又はエチル基)である。
また、Rは、炭素数3〜10の分岐構造を有する炭化水素基であることも好ましく、炭素数3〜10の分岐構造を有するアルキル基であることがより好ましく、炭素数7〜9の分岐構造を有するアルキル基であることが更に好ましい。
としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、及びイソヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、又は2−エチルヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、又は2−エチルヘキシル基である。
本発明の成形材料におけるセルロース誘導体は、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、前記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び前記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体であるが、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含むことが耐衝撃性の観点から好ましい。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
前記C)に含まれるアシル基(−CO−RC1)において、RC1は炭化水素基を表す。RC1が表す炭化水素基としては、前記Rで挙げたものと同様のものを適用することができる。RC1の好ましい範囲も前記Rと同様である。
前記C)に含まれるアルキレンオキシ基(−RC2−O−)において、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。RC2は、直鎖状、分岐状、又は環状のいずれでもよいが、直鎖状、又は分岐状が好ましく、分岐状がより好ましい。
アルキレンオキシ基(−RC2−O−)としては、具体的には下記構造が挙げられる。
Figure 2011148976
上記の中でも、得られる樹脂組成物の曲げ弾性率が優れることから、−RC2−O−が分岐状である下記式(1)又は(2)で表される基が好ましい。
Figure 2011148976
前記C)の基は、アルキレンオキシ基を複数含んでいてもよいし、1つだけ含むものであってもよい。好ましくは、前記C)の基は、下記一般式(3)で表すことができる。
Figure 2011148976
前記一般式(3)中、RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。RC1及びRC2の好ましい範囲は、前記したものと同様である。nは1以上の整数である。nの上限は特に限定されず、アルキレンオキシ基の導入量等により変わるが、例えば10程度である。nは好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1である。RC2は複数存在する場合は各々同じでも異なってもよ
いが、同じであることが好ましい。
また、本発明におけるセルロース誘導体は、アルキレンオキシ基を1つだけ含む前記C)の基(上記一般式(3)においてnが1である基)と、アルキレンオキシ基を2以上含む前記C)の基(上記一般式(3)においてnが2以上である基)とを含んでいてもよい。
また、前記C)の基におけるアルキレンオキシ基のセルロース誘導体に対する結合向きは特に限定されないが、アルキレンオキシ基のアルキレン基部分(RC2)がβ−グルコース環構造側に結合していることが好ましい。
前記A)におけるR、前記B)におけるR、前記C)におけるRC1及びRC2は、さらなる置換基を有していてもよいし無置換でもよいが、無置換であることが好ましい。
前記A)におけるR、前記B)におけるR、前記C)におけるRC1及びRC2がさらなる置換基を有する場合、さらなる置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシ基、アルコキシ基(アルキル基部分の炭素数は好ましくは1〜5)、アルケニル基等が挙げられる。ただし、置換基を含む場合でもRC2の炭素数は2又は3である。なお、R、R、及びRC1がアルキル基以外である場合は、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5)を置換基として有することもできる。
特に、R及びRC1がさらなる置換基を有する場合、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さないことが好ましい。セルロース誘導体がカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さないことにより、本発明の成形材料を水不溶性とすることができ、成形性を更に向上させることができる。また、セルロース誘導体がカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を有する場合、化合物安定性を悪化させることが知られており、特に熱分解を促進することがあるため、これらの基を含まないことが好ましい。
なお、「カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さない」とは、本発明におけるセルロース誘導体が全くカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を有さない場合のみならず、本発明におけるセルロース誘導体が水に不溶な範囲で微量のカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を有する場合を包含するものとする。例えば、原料であるセルロースにカルボキシル基が含まれる場合があり、これを用いて前記A)〜C)の置換基を導入したセルロース誘導体はカルボキシル基が含まれる場合があるが、これは「カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さないセルロース誘導体」に含まれるものとする。
この場合、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩の好ましい含有量としては、セルロース誘導体に対して1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
また、本発明におけるセルロース誘導体は、水に不溶であることが好ましい。ここで、「水に不溶である」とは、25℃の水100質量部への溶解度が5質量部以下であることとする。
本発明におけるセルロース誘導体の具体例としては、アセチルメチルセルロース、アセチルエチルセルロース、アセチルプロピルセルロース、アセチルブチルセルロース、アセチルペンチルセルロース、アセチルヘキシルセルロース、アセチルシクロヘキシルセルロース、アセチルフェニルセルロース、アセチルナフチルセルロース、プロピオニルメチルセルロース、プロピオニルエチルセルロース、プロピオニルプロピルセルロース、プロピオニルブチルセルロース、プロピオニルペンチルセルロース、プロピオニルヘキシルセルロース、プロピオニルシクロヘキシルセルロース、プロピオニルフェニルセルロース、プロピオニルナフチルセルロース、ブチリルメチルセルロース、ブチリルエチルセルロース、ブチリルプロピルセルロース、ブチリルブチルセルロース、ブチリルペンチルセルロース、ブチリルヘキシルセルロース、ブチリルシクロヘキシルセルロース、ブチリルフェニルセルロース、ブチリルナフチルセルロース、メチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、エチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピルセルロース−2−エチルヘキサノエート、ブチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、ペンチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、ヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、シクロヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、フェニルセルロース−2−エチルヘキサノエート、ナフチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルメチルアセチルセルロース、アセトキシエチルエチルアセチルセルロース、アセトキシエチルプロピルアセチルセルロース、アセトキシエチルブチルアセチルセルロース、アセトキシエチルペンチルアセチルセルロース、アセトキシエチルヘキシルアセチルセルロース、アセトキシエチルシクロヘキシルアセチルセルロース、アセトキシエチルフェニルアセチルセルロース、アセトキシエチルナフチルアセチルセルロース、アセトキシエチルメチルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルエチルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルプロピルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルブチルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルペンチルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルヘキシルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルシクロヘキシルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルフェニルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルナフチルプロピオニルセルロース、アセトキシエチルメチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルエチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルプロピルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルブチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルペンチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルシクロヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルフェニルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシエチルナフチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルメチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルエチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルプロピルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルブチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルペンチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルヘキシルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルシクロヘキシルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルフェニルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルナフチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシエチルメチルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルエチルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルプロピルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルブチルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルペンチルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルヘキシルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルシクロヘキシルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルフェニルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルナフチルプロピオニルセルロース、プロピオニルオキシエチルメチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルエチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルプロピルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルブチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルペンチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルシクロヘキシルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルフェニルセルロース−2−エチルヘキサノエート、プロピオニルオキシエチルナフチルセルロース−2−エチルヘキサノエート、アセトキシプロピルメチルアセチルセルロース、アセトキシプロピルエチルアセチルセルロース、アセトキシプロピルプロピルアセチルセルロース、アセトキシプロピルブチルアセチルセルロース、アセトキシプロピルペンチルアセチルセルロース、アセトキシプロピルヘキシルアセチルセルロース、アセトキシプロピルシクロヘキシルアセチルセルロース、アセトキシプロピルフェニルアセチルセルロース、アセトキシプロピルナフチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルメチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルエチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルプロピルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルブチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルペンチルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルヘキシルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルシクロヘキシルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルフェニルアセチルセルロース、プロピオニルオキシプロピルナフチルアセチルセルロース、バレロキシプロピルメチルバレロイルセルロース、バレロキシブチルメチルバレロイルセルロースなどが挙げられる。
本発明の成形材料は、前記特定のセルロース誘導体を1種のみ含んでもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明におけるセルロース誘導体中のA)炭化水素基:−R、B)アシル基:−CO−R、及びC)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基の置換位置、並びにβ−グルコース環単位当たりの各置換基の数(置換度)は特に限定されない。
例えば、A)炭化水素基:−Rの置換度DS(繰り返し単位中、β−グルコース環の2位、3位及び6位の水酸基に対するRの数)は、1.0<DSであることが好ましく、1.0<DS<2.5がより好ましい。また、DSは1.1以上であることが好ましい。
B)アシル基(−CO−R)の置換度DS(繰り返し単位中、β−グルコース環のセルロース構造の2位、3位及び6位の水酸基に対する−CO−Rの数)は、0.1<DSであることが好ましく、0.1<DS<2.0であることがより好ましい。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基の置換度DS(繰り返し単位中、β−グルコース環のセルロース構造の2位、3位及び6位の水酸基に対するC)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基の数)は、0<DSであることが好ましく、0<DS<1.0であることがより好ましい。0<DSであることにより、セルロース誘導体の溶融開始温度を低くできるので、熱成形をより容易に行うことができる。
上記のような範囲の置換度とすることにより、機械強度及び成形性等を向上させることができる。
また、セルロース誘導体中に存在する無置換の水酸基の数も特に限定されない。水素原子の置換度DS(繰り返し単位中、2位、3位及び6位の水酸基が無置換である割合)は0〜1.5の範囲とすることができ、好ましくは0〜0.6とすればよい。DSを0.6以下とすることにより、成形材料の流動性を向上させたり、熱分解の加速・成形時の成形材料の吸水による発泡等を抑制させたりできる。
また、本発明におけるセルロース誘導体は、A)炭化水素基、B)アシル基、及びC)アルキレンオキシ基とアシル基とを含む基以外の置換基を有しても良い。有してもよい置換基の例としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシプロポキシプロピル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、ヒドロキシプロポキシプロポキシプロピル基が挙げられる。よって、セルロース誘導体が有するすべての置換基の各置換度の総和は3であるが、(DS+DS+DS+DS)は3以下である。
また、前記C)の基におけるアルキレンオキシ基の導入量はモル置換度(MS:グルコース残基あたりの置換基の導入モル数)で表される(セルロース学会編集、セルロース辞
典P142)。アルキレンオキシ基のモル置換度MSは、0<MSであることが好ましく、0<MS≦1.5であることがより好ましく、0<MS<1.0であることが更に好ましい。MSが1.5以下(MS≦1.5)であることにより、耐熱性・成形性等を向上させることができ、成形材料に好適なセルロース誘導体が得られる。
本発明におけるセルロース誘導体の分子量は、数平均分子量(Mn)が5×10〜1000×10の範囲が好ましく、10×10〜500×10の範囲が更に好ましく、10×10〜200×10の範囲が最も好ましい。また、質量平均分子量(Mw)は、7×10〜10000×10の範囲が好ましく、15×10〜5000×10の範囲が更に好ましく、100×10〜3000×10の範囲が最も好ましい。この範囲の平均分子量とすることにより、成形体の成形性、力学強度等を向上させることができる。
分子量分布(MWD)は1.1〜10.0の範囲が好ましく、1.5〜8.0の範囲が更に好ましい。この範囲の分子量分布とすることにより、成形性等を向上させることができる。
本発明における、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(MWD)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。具体的には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めることができる。
2.セルロース誘導体の製造方法
本発明におけるセルロース誘導体の製造方法は特に限定されず、セルロースを原料とし、セルロースに対しエーテル化及びエステル化することにより本発明におけるセルロース誘導体を製造することができる。セルロースの原料としては限定的でなく、例えば、綿、リンター、パルプ等が挙げられる。
前記A)炭化水素基:−R、及びB)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)を有するセルロース誘導体の好ましい製造方法の態様は、セルロースエーテルに、塩基存在下、酸クロリド又は酸無水物等を反応させることにより、エステル化する工程を含むものである。
前記セルロースエーテルとしては、例えば、セルロースに含まれるβ−グルコース環の2位、3位、及び6位の水酸基の水素原子の少なくとも一部が、炭化水素基に置換されたものを用いることができ、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、アリルセルロース、ベンジルセルロース等が挙げられる。
前記A)炭化水素基:−R、B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)、及びC)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)を有するセルロース誘導体の好ましい製造方法の態様は、炭化水素基と、ヒドロキシエチル基を有するヒドロキシエチルセルロースエーテル又はヒドロキシプロピル基とを有するヒドロキシプロピルセルロースエーテルに酸クロライド又は酸無水物等を反応させることにより、エステル化(アシル化)する工程を含む方法によって行うものである。
また、別の態様として、例えばメチルセルロース、エチルセルロース等のセルロースエーテルにプロピレンオキサイド等によりエーテル化するか、又はセルロースにメチルクロライド、エチルクロライド等のアルキルクロライド/炭素数3のアルキレンオキサイド等を作用させた後、更に酸クロライド又は酸無水物等を反応させることにより、エステル化する工程を含む方法も挙げられる。
酸クロライドを反応させる方法としては、例えばCellulose 10;283−
296,2003に記載の方法を用いることができる。
炭化水素基とヒドロキシエチル基を有するセルロースエーテルとしては、具体的には、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルアリルセルロース、ヒドロキシエチルベンジルセルロース等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースである。
炭化水素基とヒドロキシプロピル基を有するセルロースエーテルとしては、具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルアリルセルロース、ヒドロキシプロピルベンジルセルロース等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロースである。
酸クロリドとしては、前記B)アシル基、及びC)に含まれるアシル基に対応したカルボン酸クロライドを使用することができる。カルボン酸クロリドとしては、例えば、アセチルクロライド、プロピオニルクロライド、ブチリルクロリド、イソブチリルクロリド、ペンタノイルクロリド、2−メチルブタノイルクロリド、3−メチルブタノイルクロリド、ピバロイルクロリド、ヘキサノイルクロリド、2−メチルペンタノイルクロリド、3−メチルペンタノイルクロリド、4−メチルペンタノイルクロリド、2,2−ジメチルブタノイルクロリド、2,3−ジメチルブタノイルクロリド、3,3−ジメチルブタノイルクロリド、2−エチルブタノイルクロリド、ヘプタノイルクロリド、2−メチルヘキサノイルクロリド、3−メチルヘキサノイルクロリド、4−メチルヘキサノイルクロリド、5−メチルヘキサノイルクロリド、2,2−ジメチルペンタノイルクロリド、2,3−ジメチルペンタノイルクロリド、3,3−ジメチルペンタノイルクロリド、2−エチルペンタノイルクロリド、シクロヘキサノイルクロリド、オクタノイルクロリド、2−メチルヘプタノイルクロリド、3−メチルヘプタノイルクロリド、4−メチルヘプタノイルクロリド、5−メチルヘプタノイルクロリド、6−メチルヘプタノイルクロリド、2,2−ジメチルヘキサノイルクロリド、2,3−ジメチルヘキサノイルクロリド、3,3−ジメチルヘキサノイルクロリド、2−エチルヘキサノイルクロリド、2−プロピルペンタノイルクロリド、ノナノイルクロリド、2−メチルオクタノイルクロリド、3−メチルオクタノイルクロリド、4−メチルオクタノイルクロリド、5−メチルオクタノイルクロリド、6−メチルオクタノイルクロリド、2,2−ジメチルヘプタノイルクロリド、2,3−ジメチルヘプタノイルクロリド、3,3−ジメチルヘプタノイルクロリド、2−エチルヘプタノイルクロリド、2−プロピルヘキサノイルクロリド、2−ブチルペンタノイルクロリド、デカノイルクロリド、2−メチルノナノイルクロリド、3−メチルノナノイルクロリド、4−メチルノナノイルクロリド、5−メチルノナノイルクロリド、6−メチルノナノイルクロリド、7−メチルノナノイルクロリド、2,2−ジメチルオクタノイルクロリド、2,3−ジメチルオクタノイルクロリド、3,3−ジメチルオクタノイルクロリド、2−エチルオクタノイルクロリド、2−プロピルヘプタノイルクロリド、2−ブチルヘキサノイルクロリド等が挙げられる。
酸無水物としては、例えば前記B)アシル基、及びC)に含まれるアシル基に対応したカルボン酸無水物を使用することができる。このようなカルボン酸無水物としては、例えば、酢酸無水物、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、吉草酸無水物、ヘキサン酸無水物、ヘプタン酸無水物、オクタン酸無水物、2−エチルヘキサン酸無水物、ノナン酸無水物等が挙げられる。
なお、前述したとおり、本発明におけるセルロース誘導体は置換基としてカルボン酸を有さないことが好ましいため、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸等、セルロースと反応させてカルボキシル基が生じる化合物を用いないことが好ましい。
そのほかの具体的な製造条件等は、常法に従うことができる。例えば、「セルロースの
事典」131頁〜164頁(朝倉書店、2000年)等に記載の方法を参考にすることができる。
3.数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマー
本発明の成形材料は数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマー(以下、「脂肪族ポリエステルエラストマー」ともいう)を含有する。
脂肪族ポリエステルエラストマーは、ガラス転移温度が低く、軟質で延性が高いという性質を有するため、本発明における特定のセルロース誘導体と混ぜて成形材料とすることで、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合よりも、低温(−50℃〜0℃程度)での耐衝撃性を向上させることができる。更に、本発明における特定のセルロース誘導体は、エーテル構造とエステル構造を含むため、従来のセルロースエステルなどよりも、主鎖周りにより自由度の高いエーテル結合を有するためであるため脂肪族ポリエステルエラストマーとの親和性に優れる。そのため、脂肪族ポリエステルエラストマーは、本発明における特定のセルロース誘導体に対する分散性に優れ、両者は良好に混ざり合うため、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合に対して耐衝撃性、及び成形性が更に向上する。また、剛性、曲げ強度、及び耐熱性といった性能にも優れる。
本発明でいう脂肪族ポリエステルエラストマーは、数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーであれば特に限定されない。
本発明における脂肪族ポリエステルエラストマーは、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステル、又は環状エステルの開環重合により得られる脂肪族ポリエステルであることが好ましい。
更に好ましくは脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルであり、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペートなどが挙げられる。好ましくはポリブチレンサクシネートである。
脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸(あるいはそのエステル)との縮合反応で用いられる脂肪族多塩基酸としては、例えばコハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸ウンデカン二酸、ドデカン二酸、及びこれらの無水物、あるいはこれらのエステル等が挙げられ、脂肪族多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4ーブタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び等が挙げられる。また、脂肪族多価アルコールの一部としてポリオキシアルキレングリコールを使用することも可能であり、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール及びこれらの共重合体が例示される。
脂肪族ポリエステルエラストマーは、単独ないし2種以上を用いることができる。また、これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、又はラセミ体のいずれでもよく、形態としては固体、液体、又は水溶液のいずれであってもよい。
これらのうちで、前記脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、及びから選ばれる少なくとも一種であり、前記脂肪族多塩基酸が、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも一種の脂肪族多塩基酸であることが好ましい。
また、前記脂肪族多価アルコールが、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、及びから選ばれる少なくとも一種であり、前記脂肪族多塩基酸が、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも一種の脂肪族多塩基酸であることがより好ましい。
脂肪族ポリエステルエラストマーの製造に際しては脂肪族多塩基酸(あるいはそのエステル)成分及び脂肪族多価アルコール成分の全量を初期混合し反応させてもよく、又は反応の進行にともなって分割して添加してもさしつかえない。重縮合反応としては通常のエステル交換法又はエステル化法更には両方の併用によっても可能であり、また必要により反応容器内を加圧又は減圧にすることにより重合度を上げることができる。
環状エステルを開環重合する方法で用いられる環状エステルとしては、例えばβ−プロピオラクトン、β−メチル−β−プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、などが挙げられる。これらのうち、ε−カプロラクトンが特に好ましい。開環重合は公知の開環重合触媒を用い、溶媒中での重合や塊状重合等の方法により行うことができる。
縮合反応、及び重合反応はいずれも縦型反応器、回分式反応器、横型反応器、二軸押出し機などが用いられ、バルク状、あるいは溶液中での反応が実施されることが好ましい。
縮合反応、及び重合反応におけるエステル化触媒、開環重合触媒及び脱グリコール触媒としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、カドミウム、マンガン、鉄、ジルコニウム、バナジウム、イリジウム、ランタン、セレンなどの金属、及びこれらの有機金属化合物、有機酸の塩、金属アルコキシド、金属酸化物などが挙げられ、必要に応じてリン酸等の助触媒と併用することも可能である。これらの触媒は、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、添加量は全ジカルボン酸100モルに対して0.1モル以下が好ましく、より好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.6モル以下である。
更に必要に応じて鎖延長剤を用いて高分子量化することもできる。鎖延長剤としては、2官能以上のイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、並びに多価金属化合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられ、1種、又は2種以上を組み合わせてもよい。
本発明における脂肪族ポリエステルエラストマーの弾性率は、0.01GPa以上1GPa以下であることが好ましく、0.1GPa以上0.5GPa以下であることがより好ましい。
本発明における脂肪族ポリエステルエラストマーは数平均分子量が10000以上である。ここで、数平均分子量はゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定された数平均分子量である。より詳細には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算
分子量較正曲線を用いて求められる。GPC装置は、HLC−8220GPC(東ソー社製)を使用できる。
脂肪族ポリエステルエラストマーは数平均分子量が10000未満の場合、ブリードアウトする、また、混合する樹脂に対して可塑剤として作用し、樹脂の剛性と耐熱性を著しく損なうという理由から好ましくない。
脂肪族ポリエステルエラストマーの数平均分子量は10000〜500000が好ましく、15000〜300000がより好ましく、20000〜200000が更に好ましい。
本発明における脂肪族ポリエステルエラストマーは市販品を用いてもよく、ポリブチレンサクシネートとして、ビオノーレ#1001(Mn=70000)(昭和高分子(株)社製)、GSPla AD92W(Mn=40000)(三菱化学(株)社製)、ポリブチレンサクシネートアジペートとしてビオノーレ#3001(Mn=34000)(昭和高分子(株)社製)、ポリカプロラクトンとしてPH7(Mn=45000)、(ダイセル(株)社製)などが挙げられる。
本発明の成形材料は更にゴム粒子を含有することにより、落球衝撃強度がより良好となり、成形材料としてより優れたものとなる。
ゴム粒子は、重合体成分から構成され、ゴム弾性を有するものであればよい。ゴム成分としては、例えば、スチレンブタジエンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエン共重合ゴム(DPDM)、エチレンブテンゴム、エチレンオクテンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、塩素化ポリエチレン等の化学的に合成された合成ゴムを挙げることができる。後に詳述するが、これらを単独でも用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
ゴム粒子を本発明における特定のセルロース誘導体に混合させることにより、曲げ弾性率、曲げ強度、熱変形温度、及び成形加工性といった材料性能を極力低下させることなく、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合よりも、耐衝撃性、滞留後の耐衝撃性を、剛性を著しく低下させることなく向上させることができる。これは、ゴム粒子の有する顕著な弾性に由来するものである。
更に、ゴム粒子は、形状が粒子状のため、本発明における特定のセルロース誘導体と混合する際に、物理的に均一に拡散するので、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合に比しても曲げ弾性率、強度、熱変形温度、及び成形加工性といった性能を著しく低下することがない。
本発明におけるゴム粒子の形状は、特に限定はされないが、実質的に球形状であることが好ましい。球形状が好ましい理由は、例えば、成形材料の作製時において、ゴム粒子をセルロース誘導体に混合した場合、ゴム粒子の分散性が良く耐衝撃性が向上しやすく、また、その形状が球形状ではなく不定形状では得られる樹脂組成物の溶融粘度が大きく上昇し、成形加工時の流動性が低下する可能性があるからである。ここで球形状としては、ゴムの単一粒子であるばかりでなく、単一又は複数ゴムが凝集した形態、他のポリマーを包含したものであっても全く問題は無い。
ここで球形状とは、透過型電子顕微鏡(TEM)で任意の50個の粒子についてそれぞれ最大直径と最小直径とを測定し、その比(最大直径/最小直径)の50個の平均が1〜2の範囲にあることとすることができる。この比の平均は1〜1.5であることが好ましく、1〜1.3であることがより好ましく、1〜1.1であることが更に好ましい。
なお、本発明におけるゴム粒子の粒子径は特に制限されないが、平均粒子径が一般的に10〜1000nm、好ましくは30〜500nm、特に好ましくは40〜350nmの
ものが、セルロース誘導体への分散性や、耐衝撃性、剛性の改良の観点から好ましい。
ここで、ゴム粒子の粒子径の測定方法は、ゴム状重合体ラテックスの平均粒子径を、MATEC APPLIED SCIENCES 製サブミクロン粒度分布測定器CHDF−2000を用いて測定したり、成形材料のTEMでの断面観察により行うことができる。
本発明におけるゴム粒子の構造は、単一層で形成された構造であってもよいし、ゴム弾性体の相を含む多相構造であってもよい。単一相構造のゴム粒子としては、例えば、架橋ゴム粒子や複合ゴム粒子を挙げることができ、複層構造のゴム粒子としては、例えばコアシェルゴム粒子を挙げることができる。
ゴム粒子はそのゴム弾性による耐衝撃性の発現と材料のクリープ特性に優れることから、架橋していることが好ましい。この様な架橋ゴム粒子としては、例えば、単独のあるいは複数の不飽和化合物と、架橋性モノマーを共重合して得られる粒子を使用することができる。
不飽和化合物としては、エチレン、プロピレンなどの脂肪族オレフィン、スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ブタジエン、ジメチルブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの共役ジエン化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル、アクリロニトリルなどのシアン化ビニルなどを使用することができる。
更に不飽和化合物として、例えば、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基及びアミノ基、アミド基などのエポキシ樹脂あるいは硬化剤と反応性を有する官能基を有する化合物を用いることもできる。例としては、アクリル酸、グリシジルメタクリレート、ビニルフェノール、ビニルアニリン、アクリルアミドなどを使用することができる。
架橋性モノマーの例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジメタアクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートなどの分子内に重合性二重結合を複数個有する化合物を使用することができる。
これらの粒子は、例えば乳化重合法、懸濁重合法などの従来公知の各種重合方法により製造することができる。代表的な乳化重合法は、不飽和化合物及び架橋性モノマーをクメンハイドロパーオキサイドやtert−ブチルヒドロパーオキサイド等の過酸化物などのラジカル重合開始剤、tert−ドデシルメルカプタンやn−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類やハロゲン化炭化水素などの分子量調整剤、デキストローズやロンガリット等の還元剤、ピロリン酸ナトリウムやEDTA(エチレンジアミン四酢酸)・2Na等のキレート剤、鉄や銅等の金属触媒、そして各種公知の乳化剤の存在下で乳化重合を行い、所定の重合転化率に達した後、反応停止剤を添加して重合反応を停止させ、次いで重合系の未反応モノマーを水蒸気蒸留などで除去することによって共重合体のラテックスを得る方法である。乳化重合法で得られたラテックスから水を除去して架橋ゴム粒子が得られる。また、市販品も使用することができる。
また、ゴム粒子としては、二種以上のゴム成分が共存した複合ゴム粒子であっても良い。この様な複合ゴム粒子の例としては、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン系ゴム、ポリオレフィン系ゴムなどを2種類以上用いた複合ゴムを挙げることができ、好ましくはジエン/アクリル複合ゴム、シリコーン/アクリル複合ゴムであり、特に好ましくはシリコーン/アクリル複合ゴムである。シリコーン/アクリル複合ゴムは、ポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートとが互いに分離できないように絡み合った構造を有するものである。
シリコーン/アクリル複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンは、ジメチルシロキサン単位を構成単位として含有する重合体である。ポリオルガノシロキサンを構成するジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサン系環状体が挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して用いられる。これらの中でも、粒子径分布を制御しやすいことから、主成分がオクタメチルシクロテトラシロキサンであることが好ましい。
ポリオルガノシロキサンとしては特に制限はないが、ビニル重合性官能基を有するポリオルガノシロキサンが好ましい。この様なビニル重合性官能基含有シロキサンとしては、ビニル重合性官能基を含有し、かつ、ジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものであれば制限されないが、ジメチルシロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物が好ましい。
具体的には、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシメチルシラン及び∂−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン、p−ビニルフエニルジメトキシメチルシラン更にγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。これらビニル重合性官能基含有シロキサンは、単独で使用又は2種以上を併用できる。
ポリオルガノシロキサンを製造するには、まず、ジメチルシロキサンとビニル重合性官能基を有するシロキサンとからなるシロキサン混合物に、必要に応じてシロキサン系架橋剤を添加し、次いで、乳化剤及び水によって乳化させてシロキサン混合物ラテックスを得る。次いで、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して、シロキサン混合物ラテックスを微粒子化させる。ここで、ホモジナイザー等の高圧乳化装置を使用すると、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径の分布が小さくなるので好ましい。
次いで、微粒子化したシロキサン混合物ラテックスを、酸触媒を含む酸水溶液中に添加して高温下で重合させる。そして、反応液を冷却し、更に苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウムなどのアルカリ性物質で中和することで重合を停止させて、ポリオルガノシロキサンを得る。
上記ポリオルガノシロキサンの製造において、乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ましい。アニオン系乳化剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、特にアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ましい。これらの乳化剤は、シロキサン混合物100質量部に対して、一般的に0.05質量部〜5質量部程度の範囲で使用される。
ポリオルガノシロキサン重合に用いられる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類及び硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類が挙げられる。これらの酸触媒は、1種で又は2種以上を組み合わせて用いられる。また、これらの中でも、ポリオルガノシロキサンラテックスの安定化作用に優れているため、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
ポリオルガノシロキサンは、得られる成形材料の顔料着色性が優れることから、その平均粒子径が100nm未満であることが好ましい。また、更に好ましくは90nm未満、特に好ましくは80nm未満である。一方、平均粒子径の下限は、製造する際のラテックス粘度上昇や凝塊物(コアギュラム)発生を防止できることから、好ましくは10nmであり、より好ましくは20nm、更に好ましくは30nmである。
なお、ポリオルガノシロキサンの粒子径を制御する方法としては、例えば、特開平5−279434号公報に記載された方法を採用できる。
シリコーン/アクリル複合ゴムを構成するポリアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル(メタ)アクリレート単位と多官能性アルキル(メタ)アクリレート単位とを構成成分として含有する重合体である。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートが挙げられ、特に好ましいのはn−ブチルアクリレートである。これらのアルキル(メタ)アクリレートを単独で又は2種以上併用できる。
多相構造のゴム粒子としては、例えば、コアシェル構造粒子やサラミ構造粒子を挙げることができる。本願発明においては、耐衝撃性、滞留後の耐衝撃性及び剛性の向上の観点から、コアシェル構造を有するゴム粒子が好ましい。
コアシェル構造のゴム粒子は、中心部と表層部が異なるポリマーからなる球状ポリマー粒子で、単にコア相と単一のシェル相の二相構造からなるもの、あるいは例えば内側からソフトコア、ハードシェル、ソフトシェル及びハードシェルとなる構造のように複数のシェル相を有する多相重構造からなるマルチコアシェルゴム粒子などが知られている。ここでソフトとは、ゴム相(ガラス転移温度Tgが室温以下であるもの)であること、ハードとは、ゴムではない樹脂相(ガラス転移温度Tgが室温を超えるもの)であることを意味する。
ソフトコア/ハードシェル構造からなるコアシェルゴム粒子のコアを形成するゴム成分としては、上に記載した架橋ゴム粒子や複合ゴム粒子を用いることができる。また本発明におけるコアシェルゴム粒子のゴム成分としては、得られる樹脂組成物の耐衝撃性、滞留後の耐衝撃性に優れることから、ジエン系ゴム、アクリル系ゴム、シリコーン/アクリル複合ゴムが好ましく、アクリル系ゴム、シリコーン/アクリル複合ゴムが特に好ましい。
シェル成分としては、ガラス転移温度が室温以上のポリマー、例えば、ポリスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどのホモポリマー、アクリロニトリル/スチレン、メタクリル酸メチル/スチレン、メタクリル酸メチル/アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸/アクリル酸などのコポリマーあるいはスチレン/アクリロニトリル/メタクリル酸メチルなどのポリマーが用いられ、特に好ましいのはアクリロニトリル/スチレンのコポリマーである。カルボキシル基、エポキシ基、水酸基及びアミノ基、アミド基などのエポキシ樹脂あるいは硬化剤と反応性を有する官能基をもつアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、グリシジルメタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸、ジメチルアミノメチルメタクリル酸、メタアクリルアミドなどの不飽和化合物を共重合することも可能である。
シェル成分としては、上記のようなビニル系重合体が好ましい。
コアシェルゴム粒子においては、コア成分の含有量が10〜95質量%で、シェル成分の含有量が90〜5質量%の範囲にあることが好ましい。コア成分の含有量10質量%以上であれば十分な耐衝撃性の改良効果が得られ、95質量%以下であればコアをシェルで十分に被覆することができ、セルロース誘導体への分散性に優れるため好ましい。
コアシェルゴム粒子は、公知の方法、例えば米国特許第4,419,496号公報、ヨーロッパ特許45,357号公報、特開昭55−94917号公報などに開示された方法により製造することができる。また、市販品も使用することができる。市販のソフトコア/ハードシェル構造からなるコアシェルゴム粒子としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる「パラロイド(商標)EXL−2655」(呉羽化学工業社製)、「メタブレンC−323A」(三菱レイヨン社製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる「スタフィロイド(商標)AC−3355、TR−2122」(武田薬品工業社製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる「PARALOID(商標)EXL−2611、EXL−3387」(Rohm&Haas社製)、「メタブレンW529」(三菱レイヨン社製)、シリコーン/アクリル複合ゴム・ビニル系共重合体からなる「メタブレンS2001、S2006、S2100、S2030、SX005、SX006、SRK200」(三菱レイヨン社製)などを使用することができる。これらのうち、コアが、アクリル系ゴム又はシリコーン/アクリル複合ゴムであり、シェル成分がビニル系重合体であるゴム粒子が好ましく、例えば、三菱レイヨン社製「メタブレンW529」(アクリル系ゴムにメタクリル酸メチルをグラフトした重合体)、三菱レイヨン社製「メタブレンS2001、S2006、S2100、S2030、SX005、SX006、SRK200」(シリコーン/アクリル複合ゴムにメタクリル酸メチルをグラフトした重合体)などを挙げることができる。
本発明の成形材料は、セルロース誘導体、ゴム粒子、脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して、セルロース誘導体が40〜90質量%、ゴム粒子が5〜50質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜50質量%であることが好ましく、セルロース誘導体が50〜85質量%、ゴム粒子が10〜40質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜40質量%であることがより好ましい。更に好ましくはセルロース誘導体が60〜80質量%、ゴム粒子が10〜30質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜35質量%であり、最も好ましくはセルロース誘導体が65〜75質量%、ゴム粒子が15〜25質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜30質量%である。
セルロース誘導体、ゴム粒子、脂肪族ポリエステルエラストマーをこの範囲にすることによって、より、剛性、曲げ強度、耐衝撃性、成形性や滞留前後のシャルピー衝撃強度などを程よく向上させ、更に、落球衝撃強度やビカット軟化点温度が良好となり、成形材料として物性のバランスが良くなる。
本発明の成形材料には前記セルロース誘導体に加えて、更にセルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の少なくともいずれかを含有することができる。即ち、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の両者を含んでもよい。前記セルロース誘導体はセルロースエーテルエステルであり、該セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂とは構造が異なる。
本発明におけるセルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂としては、特に限定はない。セルロースエステル樹脂は、通常、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)、コットンリンターパルプ等のセルロースをエステル化若しくはエーテル化して製造されている。
セルロースエステル樹脂は主鎖骨格としてグルコピラノース環を有し、側鎖として極性
が高く嵩高いエステル基を有する剛性の高いポリマーであるため、本発明における特定のセルロース誘導体と混ぜることで、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合よりも、耐衝撃性及び繰り返し衝撃特性を向上させることができる。更に、本発明における特定のセルロース誘導体とセルロースエステル樹脂は、主鎖構造が同じであるため、親和性が高く、分散性に優れる。そのため、剛性、曲げ強度、耐熱性、及び成形加工性といった性能にも優れる。
セルロースエステル樹脂は、セルロースをアシル化剤と反応させる慣用のエステル化方法により生成でき、必要に応じてケン化又は熟成工程を経て製造できる。セルロースエステル樹脂は、通常、パルプ(セルロース)を活性化剤により活性化処理(活性化工程)した後、硫酸などの触媒を用いてアシル化剤によりエステル(トリエステルなど)を調製し(アシル化工程)、ケン化(加水分解)・熟成によりエステル化度を調整する(ケン化・熟成工程)ことにより製造できる。セルロースアセテートの場合は、例えば、硫酸触媒法、酢酸法、メチレンクロライド法等の慣用の方法で製造できる。
アシル化工程におけるアシル化剤の割合は、所望のアシル化度(酢化度など)となる範囲で選択でき、例えば、パルプ(セルロース)100質量部に対して230〜300質量部、好ましくは240〜290質量部、更に好ましくは250〜280質量部程度である。なお、セルロースアセテートの場合、アシル化剤としては、例えば、無水酢酸などが使用できる。
アシル化又は熟成触媒としては、通常、硫酸が使用される。硫酸の使用量は、通常、セルロース100質量部に対して、0.5〜15質量部、好ましくは5〜15質量部、更に好ましくは5〜10質量部程度である。また、ケン化・熟成の温度は、40〜160℃の範囲から選択でき、例えば、50〜70℃程度である。
更に、残留した硫酸を中和するために、アルカリで処理してもよい。
セルロースエステル樹脂としては、例えば、有機酸エステル[セルロースアセテート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート等のセルロースC2−6カルボン酸エステルなど]、混合エステル(セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロースジC2−6カルボン酸エステルなど)、グラフト体(ポリカプロラクトングラフト化セルロースアセテートなど)、、無機酸エステル(硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等)、有機酸・無機酸混合エステル(硝酸酢酸セルロースなど)等が例示される。
本発明においては、これらのセルロースエステル樹脂のうち、有機酸で修飾されたセルロース有機酸エステルが好ましく、炭素数2〜12の有機酸で修飾されたセルロース有機酸エステルがより好ましい。具体的には、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロピオネートブチレートなどが好ましく、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートがより好ましい。
セルロースエステル樹脂のアシル基の平均置換度は、一般的に1〜3、好ましくは1.5〜3(例えば、1.7〜3)、更に好ましくは1.8〜3(例えば、2〜3)程度である。セルロースアセテートの場合、一般的に平均酢化度30〜62.5%程度の範囲から選択でき、通常、平均酢化度43.7〜62.5%(アセチル基の平均置換度1.7〜3)、好ましくは45〜62.5%(平均置換度1.8〜3)、更に好ましくは48〜62.5%(平均置換度2〜3)程度である。
セルロースエーテル樹脂としては、例えば、セルロースに含まれる水酸基が炭化水素基(他の基で置換されていても良い)で置換されたセルロースエーテル樹脂を用いることが
できる。 具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アリルセルロース、ベンジルセルロース等が例示される。
本発明においては、これらのセルロースエーテル樹脂のうち、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、などが好ましく、特にエチルセルロースがより好ましい。セルロースエーテル樹脂として、例えば、エトセル100(ダウケミカル社製)を挙げることができる。
セルロースエーテル樹脂のエーテル基の平均置換度は、一般的に1〜3、好ましくは1.7〜3、更に好ましくは2.0〜3程度である。
セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の重合度は、特に制限されず、粘度平均重合度として、例えば200〜400、好ましくは250〜400、更に好ましくは270〜350程度である。
セルロースエステル樹脂あるいはセルロースエーテル樹脂を含む場合に本発明の成形材料は、前記セルロース誘導体、ゴム粒子、脂肪族ポリエステルエラストマー、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の総量に対して、セルロース誘導体を20〜80質量%、ゴム粒子を5〜40質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーを5〜40質量%、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量を5〜50質量%含有することが好ましく、セルロース誘導体が20〜70質量%、ゴム粒子が10〜35質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜30質量%、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量が10〜45質量%であることがより好ましい。更に好ましくはセルロース誘導体が20〜60質量%、ゴム粒子が10〜30質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜20質量%、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量が15〜40質量%であり、最も好ましくはセルロース誘導体が30〜50質量%、ゴム粒子が15〜25質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーが5〜15質量%、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量が20〜40質量%である。
セルロース誘導体、脂肪族ポリエステルエラストマー、ゴム粒子、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の少なくともいずれかの樹脂をこの範囲にすることによって、高い曲げ弾性率と高いビカット軟化点温度を発現しつつ、落球衝撃強度を向上させることができる。
4.相溶化剤
本発明の成形材料は、更に相溶化剤を含有することが好ましい。これによって、前記脂肪族ポリエステルエラストマーは、本発明におけるセルロース誘導体に対する分散性が更に向上するので、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合と比較しても、剛性、曲げ強度、耐熱性といった性能に優れる。
本発明における相溶化剤は、低分子化合物であっても、高分子化合物であってもよいが、エポキシ基、カルボジイミド基、イソシアネート基、オキサゾリン基、酸無水物基などの鎖延長を伴う反応性を持つポリマーが好ましく、特に、カルボン酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、オキサゾリン基を有するものが好ましい。
このようなカルボン酸無水物、エポキシ基含有化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物としては、以下のものを例示できる。
本発明において、相溶化剤としては、反応性基を有するものが好ましく、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物がより好ましい。
好ましい相溶化剤としては、カルボン酸無水物、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基で変性された重合体、ブロック共重合体、グラフト重合体、並びにランダム共重合体、更に種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤、架橋剤を挙げることができる。
相溶化剤は、上記の条件を満たす材料であれば特に限定されないが、具体的には、日本油脂(株)製モディパーシリーズ、住友化学(株)製、ボンドファースト、ボンダインシリーズ、日本石油(株)社製レクスパールシリーズ、東亞合成(株)社製レゼダシリーズ、アルフォンシリーズ、日本触媒(株)製エポクロスシリーズ、旭化成ケミカルズ(株)社製デュラネートシリーズ(いずれも商品名)などの市販品が好適に用いられる。また相溶化剤はこれらに限定されることはなく、「プラスチック相溶化剤 開発・評価・リサイクル」(シーエムシー出版)に記載の相溶化剤なども好適に用いることができる。
5.成形材料、及び成形体
本発明の成形材料に含まれる成分の含有割合は、特に限定されない。
本発明の成形材料に含まれるセルロース誘導体の含有割合は、特に限定されない。好ましくはセルロース誘導体を全固形分に対して、35質量%以上、より好ましくは45質量%以上99質量%、更に好ましくは60質量%以上95質量%含有する。
本発明の成形材料に含まれる脂肪族ポリエステルエラストマーの含有割合は、特に限定されない。好ましくは脂肪族ポリエステルエラストマーを全固形分に対して1質量%以上80質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下含有する。
また、耐衝撃性(室温・低温)、成形加工性、耐熱性の鼎立の観点から、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの質量組成比(セルロース誘導体/脂肪族ポリエステルエラストマー)が、20/80〜95/5であることが好ましく、より好ましくは40/60〜90/10、更に好ましくは、60/40〜90/10である。
本発明の成形材料が相溶化剤を含有する場合、その含有量は限定的でないが、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して、0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは0.5〜20質量%である。この範囲とすることにより、十分な相溶性向上効果を得ることができ、また、成形材料の粘度増加などの不具合が生じ難い。
本発明の成形材料は、セルロース誘導体、及び脂肪族ポリエステルエラストマーのほか、必要に応じて、酸化防止剤、フィラー(強化材)、難燃剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。
本発明の成形材料が酸化防止剤を含有する場合、その含有量は限定的でないが、成形材料中、通常30質量%以下、好ましくは0.01〜10質量%とすればよい。この範囲とすることにより、混練や成型プロセスでの加熱に対して樹脂が十分な安定性の向上効果を得ることができ好ましい。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられ、好ましくは、フェノール系酸化防止剤である。フェノール系酸化防止剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス3114等を好適に使用できる。
本発明の成形材料は、フィラーを含有することにより、成形材料によって形成される成形体の機械的特性を強化することができる。
フィラーとしては、公知のものを使用できる。フィラーの形状は、繊維状、板状、粒状、粉末状等いずれでもよい。また、無機物でも有機物でもよい。
具体的には、無機フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属
繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等の繊維状の無機フィラーや;ガラスフレーク、非膨潤性雲母、カーボンブラック、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、白土等の板状や粒状の無機フィラーが挙げられる。
有機フィラーとしては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、再生セルロース繊維、アセテート繊維等の合成繊維、ケナフ、ラミー、木綿、ジュート、麻、サイザル、マニラ麻、亜麻、リネン、絹、ウール等の天然繊維、微結晶セルロース、さとうきび、木材パルプ、紙屑、古紙等から得られる繊維状の有機フィラーや、有機顔料等の粒状の有機フィラーが挙げられる。
成形材料がフィラーを含有する場合、その含有量は限定的でないが、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して、通常30質量部以下、好ましくは5〜10質量部とすればよい。
本発明の成形材料は、難燃剤を含有してもよい。これによって、その燃焼速度の低下又は抑制といった難燃効果を向上させることができる。
難燃剤は、特に限定されず、常用のものを用いることができる。例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、窒素化合物系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。これらの中でも、樹脂との複合時や成形加工時に熱分解してハロゲン化水素が発生して加工機械や金型を腐食させたり、作業環境を悪化させたりすることがなく、また、焼却廃棄時にハロゲンが気散したり、分解してダイオキシン類等の有害物質の発生等によって環境に悪影響を与える可能性が少ないことから、リン含有難燃剤及びケイ素含有難燃剤が好ましい。
リン含有難燃剤としては、特に限定されることはなく、常用のものを用いることができる。例えば、リン酸エステル、リン酸縮合エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物が挙げられる。
リン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどを挙げることができる。
リン酸縮合エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レ
ゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェート並びにこれらの縮合物などの芳香族リン酸縮合エステル等を挙げることができる。
また、リン酸、ポリリン酸と周期律表1族〜14族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるポリリン酸塩を挙げることもできる。ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン等が挙げられる。
また、前記以外にも、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート)などの含ハロゲンリン酸エステル、また、リン原子と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有するホスファゼン化合物、リン酸エステルアミドを挙げることができる。
これらのリン含有難燃剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ケイ素含有難燃剤としては、二次元又は三次元構造の有機ケイ素化合物、ポリジメチルシロキサン、又はポリジメチルシロキサンの側鎖又は末端のメチル基が、水素原子、置換又は非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基で置換又は修飾されたもの、いわゆるシリコーンオイル、又は変性シリコーンオイルが挙げられる。
置換又は非置換の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、ベンジル基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、メルカプト基、クロロアルキル基、アルキル高級アルコールエステル基、アルコール基、アラルキル基、ビニル基、又はトリフロロメチル基等が挙げられる。
これらのケイ素含有難燃剤は1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記リン含有難燃剤又はケイ素含有難燃剤以外の難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物、スルファミン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ジルコニウム系化合物、グアニジン系化合物、フッ素系化合物、黒鉛、膨潤性黒鉛等の無機系難燃剤を用いることができる。これらの他の難燃剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用して用いてもよい。
本発明の成形材料が難燃剤を含有する場合、その含有量は限定的でないが、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して、通常30質量部以下、好ましくは2〜10質量部とすればよい。この範囲とすることにより、十分な難燃性向上効果を得ることができ、ペレットブロッキングの発生の抑制ができる。
本発明の成形材料は、前記したもの以外にも、本発明の目的を阻害しない範囲で、成形性・難燃性等の各種特性をより一層改善する目的で他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、例えば、前記セルロース誘導体及び前記脂肪族ポリエステルエラストマー以外のポリマー、可塑剤、安定剤(紫外線吸収剤など)、離型剤(脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸
低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、変成シリコーン)、帯電防止剤、難燃助剤、加工助剤、ドリップ防止剤、抗菌剤、防カビ剤等が挙げられる。更に、染料や顔料を含む着色剤などを添加することもできる。
前記セルロース誘導体及び前記脂肪族ポリエステルエラストマー以外のポリマーとしては、芳香族ポリエステル以外の熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマーのいずれも用い得るが、成形性の点から熱可塑性ポリマーが好ましい。セルロース誘導体及び脂肪族ポリエステルエラストマー以外のポリマーの具体例としては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、ポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー(エチレン−プロピレンブロックコポリマーなど)、ポリブテン−1及びポリ−4−メチルペンテン−1等のポリオレフィン、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン12等のポリアミド、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ポリアセタール(ホモポリマー及び共重合体を含む)、ポリウレタン、芳香族及び脂肪族ポリケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性澱粉樹脂、ポリメタクリル酸メチルやメタクリル酸エステル−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル樹脂、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ビニルエステル系樹脂、無水マレイン酸−スチレン共重合体、MS樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン共重合体)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の熱可塑性ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ素系ポリマー、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリイミドなどを挙げることができる。
また、各種アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、ジエン系ゴム(例えば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ジエンとビニル単量体との共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンにスチレンをグラフト共重合させたもの、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)、ポリイソブチレン、イソブチレンとブタジエン又はイソプレンとの共重合体、ブチルゴム、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、その他ポリウレタン系やポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
更に、各種の架橋度を有するものや、各種のミクロ構造、例えばシス構造、トランス構造等を有するもの、ビニル基などを有するもの、あるいは各種の平均粒径を有するものや、コア層とそれを覆う1以上のシェル層から構成され、また隣接し合った層が異種の重合体から構成されるいわゆるコアシェルゴムと呼ばれる多層構造重合体なども使用することができ、更にシリコーン化合物を含有したコアシェルゴムも使用することができる。
これらのポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の成形材料がセルロース誘導体及び前記脂肪族ポリエステルエラストマー以外のポリマーを含有する場合、その含有量は、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して30質量部以下が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。
本発明の成形材料は、可塑剤を含有してもよい。これにより、難燃性及び成形性をより一層向上させることができる。可塑剤としては、ポリマーの成形に常用されるものを用いることができる。例えば、ポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤及びエポキシ系可塑剤等が挙げられる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ロジンなどの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステル等が挙げられる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸若しくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレート及びグリセリンモノアセトモノモンタネート等が挙げられる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコール、アジピン酸ベンジルメチルジグリコール、アジピン酸ベンジルブチルジグリコールなどのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、及びセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロック及び/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、及び末端エーテル変性化合物等が挙げられる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイ
ン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、各種ソルビトール等が挙げられる。
本発明の成形材料が可塑剤を含有する場合、その含有量は、セルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーの合計100質量部に対して通常30質量部以下であり、0.005〜20質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜10質量部である。
本発明の成形体は、前記セルロース誘導体と前記脂肪族ポリエステルエラストマーを含む成形材料を成形することにより得られる。より具体的には、前記セルロース誘導体と前記脂肪族ポリエステルエラストマー、又は、前記セルロース誘導体と前記脂肪族ポリエステルエラストマー及び必要に応じて各種添加剤等を含む成形材料を加熱し、各種の成形方法により成形する工程を含む製造方法によって得られる。
本発明の成形体の製造方法は、前記成形材料を加熱し、成形する工程を含む。
成形方法としては、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形等が挙げられる。
加熱温度は、通常160〜300℃であり、好ましくは180〜260℃である。
本発明の成形体の用途は、とくに限定されるものではないが、例えば、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)の内装又は外装部品、自動車、機械部品、住宅・建築用材料等が挙げられる。これらの中でも、優れた耐熱性及び耐衝撃性を有しており、環境への負荷が小さい観点から、例えば、コピー機、プリンター、パソコン、テレビ等といった電気電子機器用の外装部品(特に筐体)として好適に使用することができる。
以下、本発明に係る実施例及び比較例及びこれらを用いた評価試験の結果を示し、本発明を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〜13及び比較例1〜5〕
<合成例1:アセトキシプロピルメチルアセチルセルロース(C−1)の合成>
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコにヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)60g、N,N−ジメチルアセトアミド2100mLを量り取り、室温で攪拌した。反応系が透明になり完溶したことを確認した後、アセチルクロライド101mLをゆっくりと滴下し、系の温度を80℃〜90℃に昇温した。このまま3時間攪拌した後、反応系の温度を室温まで冷却した。反応溶液を水10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量の水で3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することにより目的のセルロース誘導体(C−1)(アセトキシプロピルメチルアセチルセルロース)を白色粉体として得た。
<合成例2、3、4:アセトキシエチルメチルアセチルセルロース(C−2)、メチルアセチルセルロース(C−3)、エチルアセチルセルロース(C−4)の合成>
合成例1におけるヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)をヒドロキシエチルメチルセルロース(商品名マーポローズME−250T;松本油脂製)、メチルセルロース(商品名マーポローズM−4000:松本油脂製株式会社製)、エチルセルロース(商品名エトセル300CP:ダウケミカル製)に変更した以外は合成例1と同様にしてアセトキシエチルメチルアセチルセルロース(C−2)、メチルアセチルセルロース(C−3)、エチルアセチルセルロース(C−4)を得た。
<合成例5:メチルセルロース−2−エチルヘキサノエート(C−5)の合成>
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコにメチルセルロース(和光純薬製:メチル置換度1.8)80g、ピリジン1500mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに水冷下、2−エチルヘキサノイルクロリド173mLをゆっくりと滴下し、更に60℃で6時間攪拌した。反応後、室温に戻し、氷冷下、メタノール200mLを加えてクエンチした。反応溶液を水12Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノール溶媒で3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することによりメチルセルロース−2−エチルヘキサノエート(C−5)を得た。
<合成例6:バレロキシプロピルメチルバレロイルセルロース(C−6)の合成>
合成例5におけるメチルセルロース(和光純薬製:メチル置換度1.8)に変えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)、及び2−エチルヘキサノイルクロリドに変えてバレロイルクロライドを用いた以外、合成例5と同様にして、バレロキシプロピルブバレロイルセルロース(C−6)を得た。
<合成例7:バレロキシブチルメチルバレロイルセルロース(C−7)の合成>
合成例6におけるヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)をヒドロキシブチルメチルセルロース(メトローズSM4000:信越化学製)を用いた以外、合成例6と同様にしてバレロキシブチルメチルバレロイルセルロース(C−7)を得た。
なお、以上で得られたセルロース誘導体が有する炭化水素基の種類及び置換度、アルキレンオキシ基の種類及びモル置換度、アシル基の種類及びアシル化度は、Cellulose Communication 6,73−79(1999)に記載の方法を利用して、H−NMRにより、観測及び決定した。なお、炭化水素基の置換度とはグルコース環ユニットに置換した炭化水素基のモル数であり、0以上3未満の値をとる。アルキレンオキシ基のモル置換度とは、グルコース環ユニットに置換したアルキレンオキシ基のモル数であり、0以上の値をとる。また、アシル化度とは、セルロースのグルコース環又はエーテル置換基に存在する水酸基をエステル化することによりアシル基で置換した程度を示し、0以上100以下で示す。
<セルロース誘導体の分子量測定>
得られたセルロース誘導体について、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、を測定した。これらの測定方法は以下の通りである。
[分子量及び分子量分布]
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いた。具体的には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めた。GPC装置は、HLC−8220GPC(東ソー社製)を使用した。
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び置換度をまとめて表1に示す。
Figure 2011148976
[成形体の作製]
セルロース誘導体(C−1〜C−7、H−1)、脂肪族ポリエステルエラストマー、相溶化剤、酸化防止剤を表2に示す配合割合(質量%)で混合し、セルロース樹脂組成物を作製した。この樹脂組成物を二軸混練押出機(テクノベル(株)製、Ultranano)に供給しペレットを作製し、ついで得られたペレットを、射出成形機(ファナック(株)Roboshot S−2000i、自動射出成形機)に供給して、4×10×80mmの多目的試験片(衝撃試験片及び曲げ試験片)を成形した。
なお、表2において、脂肪族ポリエステルエラストマー、H−2、相溶化剤、酸化防止剤は以下のものを示す。
・ポリブチレンサクシネート(PBS):ビオノーレ#1001(Mn=70000)、昭和高分子(株)社製
・ポリカプロラクトン(PCL):PH7(Mn=45000)、ダイセル(株)社製
・H−2:アジピン酸系ポリエステル可塑剤(「D−623」ジェイプラス(株)製、Mn=1800)
・相溶化剤:モディパーA4400、日本油脂(株)社製
・酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)
[評価]
得られた多目的試験片を用いて、以下の項目について評価した。評価結果等を表2に示す。
(曲げ弾性率)
ISO178に準拠して、射出成形にて成形した試験片を23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上調整した後、インストロン(東洋精機製、ストログラフV50)によって支点間距離64mm、試験速度2mm/minで曲げ弾性率を測定した。測定は3回測定の平均値である。
(曲げ強度)
ISO178に準拠して、射出成形にて成形した試験片を23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上調整した後、インストロン(東洋精機製、ストログラフV50)によって支点間距離64mm、試験速度2mm/minで曲げ試験をおこない、試験中の最大応力を曲げ強度とした。測定は3回測定の平均値である。
(熱変形温度(HDT))
ISO75に準拠して、試験片の中央に一定の曲げ荷重(1.8MPa)を加え(フラットワイズ方向)、等速度で昇温させ、中央部のひずみが0.34mmに達したときの温度(℃)を測定した。熱変形温度測定装置は、(株)東洋精機製作所製 HDTテスタ6M−2を用いた。測定は3回測定の平均値である。
(シャルピー衝撃強度)
ISO179に準拠して、射出成形にて成形した試験片に入射角45±0.5°、先端0.25±0.05mmのノッチを形成し、23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上静置した後、シャルピー衝撃試験機((株)東洋精機製作所製)によってエッジワイズにて衝撃強度を測定した。測定は3回測定の平均値である。
なお、試験温度は23℃と−30℃(低温での耐衝撃性の評価)の2種類で行った。
(成形性評価)
成形性評価は、射出成形機での成形適性を示しており、成形搬送性及び射出性ともに優
れている樹脂組成物を○、いずれか一方に課題がある樹脂組成物を△、両方に課題がある樹脂組成物を×とした。
(分散性評価)
分散性の指標として、光学顕微鏡(ニコンLV100)を用いて評価をした。ミクロトームで2μmに薄切し1000倍で観察し、下記基準で評価した。
○:凝集物が観察されない場合
△:凝集物がわずかに観察される場合
×:凝集物が多数観察される場合
Figure 2011148976
表2より、本発明におけるセルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーとを含
有する成形材料からなる実施例1〜13の試験片は、剛性、曲げ強度、耐衝撃性、成形性、低温での耐衝撃性に優れることがわかる。脂肪族ポリエステルエラストマーを含まない比較例1は脂肪族ポリエステルを含む実施例1に対して低温での耐衝撃性が劣っていた。
また、本発明におけるセルロース誘導体を含まない比較例2〜4は剛性・耐熱性と耐衝撃性(室温・低温)の両立ができておらず、構造材料として物性のバランスを欠いている。また、数平均分子量が1800のアジピン酸系ポリエステルを用いた比較例5は数平均分子量が10000以上のポリエステルエラストマーを含有する実施例1と比較して、剛性と耐熱性の著しい低下を招いた。
〔実施例14〜42及び比較例6〜10〕
<合成例8:ゴム質重合体R−1の調製>
攪拌機及び加熱装置付きガラス製反応器に、ポリブタジエンゴムラテックス50質量部(固形分、質量平均粒子径300nm、ゲル分80%、)、ロジン酸カリウム0.5質量部(固形分)、デキストローズ0.2質量部、イオン交換水(以下、水と略記。ゴムラテックス、ロジン酸カリウム中の水を含む)145質量部を入れ、窒素気流及び攪拌下で60℃に昇温した。これに、硫酸第一鉄0.003質量部及びピロリン酸ナトリウム0.1質量部、イオン交換水5質量部からなる混合物を入れ、引き続きアクリロニトリル15質量部、スチレンモノマー35質量部、tert−ドデシルメルカプタン0.5質量部、クメンハイドロパーオキサイド0.5質量部からなる混合物を3時間かけて滴下し、その間、内温が70℃を超えない様にコントロールしグラフト重合を行い、更にクメンハイドロパーオキサイド0.1質量部を追加して70℃で更に1時間保持した後に冷却した。
得られたラテックスを、ラテックスの1.2倍量の0.5%硫酸水溶液で凝固、水洗、乾燥を行い、ポリブタジエンをコアとするゴム質重合体(R−1)を白色粉体として得た。
<合成例9:ゴム質重合体R−2の調製>
攪拌機及び加熱装置付きガラス製反応器に、アルケニルコハク酸ジカリウム0.5質量部(固形分)、0.5質量部、水175質量部(アルケニルコハク酸ジカリウム中の水を含む)、ロンガリット0.2質量部、n−ブチルアクリレート50質量部、アリルメタクリレート0.2質量部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.1質量部及びtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.1質量部を添加、攪拌下で雰囲気の窒素置換を行い、内温を60℃に昇温した。その後、EDTA(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム)0.0009質量部、硫酸第一鉄0.0003質量部、水5質量部からなる混合物を添加してn−ブチルアクリレートの重合を開始して内温が83℃に到達し、n−ブチルアクリレートの重合を終了し、ポリn−ブチルアクリレートのゴムラテックスを得た。この質量平均粒子径は200nmであった。
引き続き内温を70℃にまで冷却し、アルケニルコハク酸ジカリウム0.5質量部、アクリロニトリル15質量部、スチレンモノマー35質量部、n−オクチルメルカプタン0.02質量部、tert−ブチルヒドロパーオキサイド0.1質量部からなる混合物を3時間かけて供給してグラフト重合を行い、その間、内温が80℃を超えない様にコントロールした。滴下終了後、更にtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.05質量部を追加して80℃で更に1時間保持した後に冷却した。
得られたラテックスを、ラテックスの1.4倍量の0.6%硫酸水溶液で凝固、水洗、乾燥を行い、ポリn−ブチルアクリレートをコアとするゴム質重合体(R−2)を白色粉体として得た。
<合成例10:ゴム質重合体R−3の調製>
オクタメチルシクロテトラシロキサン98質量部、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン2質量部、を混合してシロキサン系混合物100質量部を得た。
これに、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67質量部、水300質量部、からなる水溶液を添加し、ホモミキサーにて10000回転/分で2分間攪拌した後、ホモジナイザーに20MPaの圧力で1回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
一方、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機及び攪拌装置を備えた反応器内に、ドデシルベンゼンスルホン酸 10質量部、水90質量部を投入し、10%のドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を調製した。この水溶液を85℃に加熱した状態で、予備混合したオルガノシロキサンラテックスを4時間に亘って滴下し、滴下終了後1時間温度を維持し、冷却した。次いでこの反応物を苛性ソーダ水溶液で中和した。このようにして得られたポリオルガノシロキサンラテックスを170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、17.7%であった。また、ラテックス中のポリオルガノシロキサンの質量平均粒子径は50nmであった。
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機、温度計及び攪拌装置を備えたガラス製反応器内に、上記ポリオルガノシロキサン(固形分)15質量部、アルケニルコハク酸ジカリウム(固形分)0.2質量部、水(ポリオルガノシロキサン中の水を含む)410質量部を仕込み、これに室温、攪拌下でn−ブチルアクリレート85質量部、メタクリル酸アリル 0.3質量部、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート0.15質量部、tert−ブチルヒドロパーオキサイド0.2質量部からなる混合物を添加した。この反応器に窒素気流を通じることによって、雰囲気の窒素置換を行い、ジャケットを60℃まで昇温した。内部の液温が50℃となった時点で、硫酸第一鉄七水塩 0.00015質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.00044部、ロンガリット 0.4質量部、水10質量部からなる水溶液を添加し、ラジカル重合を開始させ、内温を75℃に上昇させた。1時間この状態を維持しn−ブチルアクリレートの重合を完結させ、複合ゴム状重合体ラテックスを得た。この質量平均粒子径は60nmであった。
引き続き、試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機、温度計及び攪拌装置を備えたガラス製反応器内に、上記複合ゴム状重合体ラテックス(固形分)50質量部、水(複合ゴム状重合体ラテックス中の水を含む)210質量部、アルケニルコハク酸ジカリウム0.7質量部、ロンガリット0.15部を攪拌下にて混合し、内温を70℃に昇温した。その後、アクリロニトリル3質量部、スチレン 9質量部、tert−ブチルヒドロパーオキサイド0.1質量部からなる混合物を30分間かけて滴下供給させ重合せしめた。15分間保持後、ロンガリット 0.15部、硫酸第一鉄七水塩 0.001質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.003質量部、水5部質量からなる水溶液を添加し、続けて、アクリロニトリル9.5質量部、スチレン28.5質量部、tert−ブチルハイドロパーオキサイド0.3質量部からなる混合物を120分かけて滴下供給して重合せしめ、70℃のまま30分間保持した後内容物を冷却した。得られたグラフト共重合体ラテックスを、その50℃である1.5倍量の1%硫酸アルミニウム水溶液中に捜拝下で投入し、更に70℃に昇温して5分間保持し、更に90℃に昇温して更に5分間保持した。脱水、洗浄を繰り返して最後は気流下にて一昼夜乾燥させ、白色粉末状であるゴム質重合体(R−3)を得た。
その他、以下のゴム質重合体を準備した。
・(R−4):三菱レイヨン社製「メタブレンC−323A」(MBS樹脂)
・(R−5):呉羽化学(株)製「パラロイドEXL−2602」(MBS樹脂)
・(R−6):三菱レイヨン社製「メタブレンW529」(アクリル系ゴムにメタクリル酸メチルをグラフトした重合体)
・(R−7):三菱レイヨン社製「メタブレンS2001」(シリコーン/アクリル複合ゴムにメタクリル酸メチルをグラフトした重合体)
脂肪族ポリエステルエラストマーは以下のものを準備した。
・(S−1)ポリブチレンサクシネート(PBS):GSPla AD92W(Mn=40000)、三菱化学(株)社製
・(S−2)ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA):ビオノーレ#3001(Mn=34000)、昭和高分子(株)社製
・(S−3)ポリカプロラクトン(PCL):PH7(Mn=45000)、ダイセル(株)社製
セルロースエーテル樹脂として以下のものを準備した。
・(H−3)セルロースエーテル:エトセル100、ダウケミカル社製
[成形体の作製]
セルロース誘導体(C−1〜C−7)、ゴム質重合体(R−1〜R−7)、脂肪族ポリエステルエラストマー(S−1〜S−3)、セルロースエステル樹脂(表1に示すH−1)、セルロースエーテル樹脂(H−3)を用いて、表3に示す配合割合(質量%)で配合し、これらの合計量100質量部に対して、更に酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガノックス1010」)0.5質量部を添加後、ヘンシェルミキサーで混合して成形材料用混合物を作製した。この混合物をバレル温度210℃に設定した二軸混練押出機(テクノベル(株)製、Ultranano)に供給しペレットを作製した。続いて、得られたペレットを小型射出成形機(ファナック(株)Roboshot S−2000i、自動射出成形機)に供給して、4mm×10mm×80mmの多目的試験片(衝撃試験片及び曲げ試験片)及び8cm×5cm×2mmの板状試験片、10mm×10mm×4mmのビカット軟化点温度測定用試片を成形した。
(落球衝撃試験)
JIS K7211−1に準じて、板状試験片の両端(幅8cmのうち、各1cm)を固定し、筒状ガイドを使用して500g鋼球(高さが2.5mを超える場合には錘を1,000gに変更)を、所定の高さから試験片の中心に落下させ、試験片にクラックが貫通したか否かを観察した。複数の試験片について、試験を行い試験片にクラックが貫通する確率が50%であるときの高さを求めた。その結果から、破壊エネルギー(50%破壊エネルギー:単位J)を求め、表3に示した。試験は23℃にて行った。
(ビカット軟化温度)
上記試験片及び、安田精機製作所社製ヒートデストーションテスターを用い、ISO306に準拠して50℃/hの昇温速度にて測定した。
Figure 2011148976
表3の結果より、本発明におけるセルロース誘導体と脂肪族ポリエステルエラストマーとともに、ゴム粒子を含有する実施例14〜42の成形材料は、曲げ弾性率とともに、落球衝撃強度やビカット軟化点温度についても良好な性能を示していることがわかる。なお、更にセルロースエステル樹脂又はセルロースエーテル樹脂を含有する実施例38〜42の成形材料は、落球衝撃強度がより優れていることがわかる。

Claims (25)

  1. セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
    下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
    下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
    数平均分子量が10000以上の脂肪族ポリエステルエラストマーとを含有する成形材料。
    A)炭化水素基:−R
    B)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)
  2. 前記セルロース誘導体が、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の成形材料。
    C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
  3. 前記C)アルキレンオキシ基とアシル基とを含む基が、下記一般式(3)で表される構造を含む基である、請求項2に記載の成形材料。
    Figure 2011148976

    (式中、RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。nは1以上の整数を表す。)
  4. 前記Rが炭素数1〜4のアルキル基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の成形材料。
  5. 前記Rがメチル基又はエチル基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の成形材料。
  6. 前記R及びRC1が、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の成形材料。
  7. 前記R及びRC1が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基又はプロピル基である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の成形材料。
  8. 前記Rが、炭素数3〜10の分岐構造を有する炭化水素基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の成形材料。
  9. 前記アルキレンオキシ基が下記式(1)又は(2)で表される基である、請求項2〜8のいずれか一項に記載の成形材料。
    Figure 2011148976
  10. 前記セルロース誘導体が、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さない、請求項1〜9のいずれか一項に記載の成形材料。
  11. 前記セルロース誘導体が水に不溶である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の成形材料。
  12. 前記脂肪族ポリエステルエラストマーが、脂肪族多価アルコールと脂肪族多塩基酸との縮合反応により得られるポリエステル、又は環状エステルの開環重合により得られる脂肪族ポリエステルである請求項1〜11のいずれか一項に記載の成形材料。
  13. 前記脂肪族多価アルコールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール1,4−シクロヘキサンジメタノール、及び1,4−ベンゼンジメタノールから選ばれる少なくとも一種であり、
    前記脂肪族多塩基酸が、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、1,4−フェニレンジ酢酸、フェニルコハク酸、及びこれらの無水物から選ばれる少なくとも一種の脂肪族多塩基酸である、請求項12に記載の成形材料。
  14. 前記環状エステルがε−カプロラクトンである請求項12に記載の成形材料。
  15. 更に、ゴム粒子を含有する請求項1〜14のいずれか一項に記載の成形材料。
  16. 前記ゴム粒子が、コアシェル構造である請求項15に記載の成形材料。
  17. 前記ゴム粒子におけるコアが、アクリル系ゴム又はシリコーン/アクリル複合ゴムであり、シェル成分がビニル系重合体である請求項15および16に記載の成形材料。
  18. 前記セルロース誘導体、ゴム粒子及び脂肪族ポリエステルエラストマーの総量に対して、セルロース誘導体を40〜90質量%、ゴム粒子を5〜50質量%及び脂肪族ポリエステルエラストマーを5〜50質量%含有する請求項15〜17のいずれか一項に記載の成形材料。
  19. 更に、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の少なくともいずれかを含有する請求項1〜17のいずれか一項に記載の成形材料。
  20. 前記セルロース誘導体、ゴム粒子、脂肪族ポリエステルエラストマー、セルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の総量に対して、セルロース誘導体を20〜80質量%、ゴム粒子を5〜40質量%、脂肪族ポリエステルエラストマーを5〜40質量%、
    及びセルロースエステル樹脂及びセルロースエーテル樹脂の合計量として5〜50質量%含有する請求項19に記載の成形材料。
  21. さらに、相溶化剤を含有する請求項1〜20のいずれか一項に記載の成形材料。
  22. 前記相溶化剤が、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基及びオキサゾリン基からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する化合物である、請求項1〜21のいずれか一項に記載のに記載の成形材料。
  23. 請求項1〜22のいずれか一項に記載の成形材料を加熱成形して得られる成形体。
  24. 請求項1〜23のいずれか一項に記載の成形材料を加熱し、成形する工程を含む、成形体の製造方法。
  25. 請求項23に記載の成形体から構成される電気電子機器用筐体。
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