JP2011145514A - 樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法 - Google Patents

樹脂版の製造方法および電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便な手段で有機電子デバイスの寿命を劣化させる樹脂凸版からの溶出物を低減し、かつ耐刷性にすぐれた高精細印刷凸版の製造方法および該印刷用凸版を用いた有機電子デバイスの製造方法を提供すること。
【解決手段】感光性樹脂層に対してフォトマスクを介して凸パターン状に露光・現像して凸版を形成する工程と、凸版全体に対して少なくとも、200〜300nmの波長領域、及び300〜400nmの波長領域、及び400〜450nmの波長領域のそれぞれに1つ以上の輝線スペクトルをもつ光源を用いて露光する第二の露光工程と、有機溶剤を用いて凸版を洗浄する工程と、を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法としたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、凸版印刷法に用いられる凸版、また、凸版印刷法により製造された印刷物に関するものである。この印刷物としては有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子)が例示でき、この有機EL素子の有機発光層等を凸版印刷法により形成する。また、前記印刷物としては、有機EL素子の他にカラーフィルタ、回路基材、薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を印刷物として例示することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)は、陽極と陰極との間に有機発光層が挟持された構造をもつ発光素子で、電圧の印加により陽極から正孔、陰極から電子が注入され、この正孔と電子の対が有機発光層表面あるいは内部で再結合することによって発生したエネルギーを光として取り出す素子である。有機発光層は一層から多層のものがあるが、効率よく発光させるためには、それぞれの層の膜厚が非常に重要であり、有機発光層全体では1μm以下の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するためには、有機発光層を均一な膜厚で高精細にパターニングする必要がある。
有機EL素子の発光層に用いられる有機材料は、低分子の材料と高分子の材料とに分類されている。発光層の形成方法は材料によって異なり、低分子材料は主に蒸着法で成膜させる方法が用いられ、高分子材料は溶剤に溶解あるいは分散させて基板上に塗布する方法が行われている。
有機EL素子をフルカラー化するために発光層をパターニングする手段としては、低分子系材料を用いる場合は、所望の画素形状に応じたパターンが形成されたマスクを用いて、異なる発光色の発光材料を所望の画素に対応した部分に蒸着し形成する方法が行われている。この方法は所望の形状に薄膜を均一に形成するには優れた方法であるが、蒸着される基板が大型になると、マスク精度の点からパターンの形成が困難になるという問題点がある。
一方、高分子系材料を用いる場合は、溶媒に溶解または分散させることにより有機高分子発光材料をインキ化し、主にインクジェット法によるパターン形成と、印刷によるパターン形成方法が提案されている。例えば、特開平10−12377号公報(特許文献1)に開示されているインクジェット法は、インクジェットノズルから溶剤に溶かした発光材料を基板上に噴出させ、基板上で乾燥させることで所望のパターンを得る方法である。しかしながら、ノズルから噴出されたインク液滴は球状をしている為、基板上に着弾する際にインクが円形状に広がり、形成したパターンの形状が直線性に欠けたり、着弾精度が悪くパターンの直線性が得られないという問題点がある。これに対し、例えば、特開2002−305077号公報(特許文献2)では、予め基板上にフォトリソグラフィーなどを用いて、撥インク性のある材料でバンクを形成し、そこにインク液滴を着弾させることで、バンク形状に応じてインクがはじき、直線性のパターンが得られるという方法が開示されている。しかし、はじいたインクが画素内に戻るときに画素内部でインクが盛り上がり、画素内の有機発光層の膜厚にばらつきができてしまうという問題が残る。
印刷によるパターン形成方法としては、凹版印刷、平版印刷、スクリーン印刷、凸版印刷などが提案されている。しかしながら、被印刷基板としてガラス基板等を用いる有機EL素子やディスプレイでは、基板のキズやゆがみが好ましくないことから、凹版印刷の代表であるグラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きである。また、有機発光層形成材料を溶媒に溶解若しくは分散させたインキは一般に粘度が低いため、平版印刷の代表であるオフセット印刷やスクリーン印刷には適さない。これに対し、ゴムやその他の樹脂を主成分とした感光性樹脂版を用いる凸版印刷法は、ガラス基板を傷つけることもなく、低粘度の有機ELイキにも適している。実際に、凸版印刷法による有機発光層の形成が提唱されている(特許文献3)。
凸版印刷法に用いられる印刷用凸版としては、凸部が樹脂からなる樹脂凸版が好適に用いられる。凸部形成部分が樹脂からなる版材から凸部を形成し、印刷用凸版を製造する方法としては、金属性の刀やレーザーアブレーション法により樹脂を削り取る方法や、版材の凸部形成部分に光性樹脂を用いて、フォトリソグラフィー法により形成する方法などがある。高精細なパターンを形成する場合、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィー法が好適に用いられる。
感光性樹脂版に用いられる樹脂材料においては、可塑性を得るために添加される可塑剤や、感光性を持たせるための光重合性不飽和化合物や光重合開始剤が添加されている。通常の製版工程において、後露光工程を大気中で350〜400nmの波長の光を照射しておこなう場合、酸素によるラジカル重合阻害の程度が大きく、表面の重合が十分に進まないため、感光性樹脂層に含まれる添加剤がインキの溶媒へ溶出してしまう。これらインキに可溶な添加物は、印刷時に印刷用凸版から染み出し、有機発光層形成の際に不純物として混入し、混入した不純物は有機EL素子の効率や寿命の特性の低下を引き起こしてしまう。
一般的に、版の耐刷性を向上させる目的で、後露光工程において、酸素を遮断した状態例えば水中や減圧中、不活性ガス雰囲気中で版に350〜400nmの波長の光を照射する方法が知られている。また、ガラスとフィルムの間に印刷用凸版を置き、フィルムを密着させて空気を抜き出し、減圧下で露光する方法もあるが、現像後の印刷用凸版の凸部表面にフィルムを接触させると、キズやムラが発生してしまう。有機EL素子のパターニングは非常に高い精度が要求されるため、印刷用凸版のキズやムラの原因となるフィルム密着露光は好ましくない。
また、350〜400nmの波長よりも短波長の領域に大きい吸光係数を持つ光反応性物質を効率よく反応させるため、200〜300nmの短波長の光を照射する方法もある。しかしながら、短波長の露光光源の光エネルギーは樹脂版の表面においてそのほとんどが吸収されてしまうために、樹脂版内部は表面に比べて重合が進まず、後露光が不十分となってしまう。そのため、結果として樹脂版からインキに可溶な未反応の添加物が流出し、前述同様に有機EL素子の効率や寿命の特性の低下を引き起こしてしまう。
そのため、不活性ガス下で波長が200〜300nmに光強度のピークを持つ光源及び300〜400nmに光強度のピークを持つ光源を用いて後露光を行うことも検討されている(特許文献4)。
しかしながら、特許文献4の方式では不活性ガスへ置換する後露光装置を新規に導入しなければならず、またユーティリティの整備やランニングコストもかかり、全体としてコストアップにつながる。また不活性ガス中では、必要以上に200〜300nmの波長の光を照射すると、版表面の樹脂劣化がおこり、版としての耐刷性が低下するので後露光最適条件のマージンが狭いという問題があった。
特開平10−12377号公報 特開2002−305077号公報 特開2001−155858号公報 特開2008−2169459号公報
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な手段で有機電子デバイスの寿命を劣化させる樹脂凸版からの溶出物を低減し、かつ耐刷性にすぐれた高精細印刷凸版の製造方法および該印刷用凸版を用いた有機電子デバイスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、有機電子デバイスの有機パターン層の形成に使用される印刷用凸版の製造方法であって、基材上に光硬化性の感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する工程と、前記感光性樹脂層に対してフォトマスクを介して凸パターン状に露光・現像して凸版を形成する工程と、前記凸版全体に対して少なくとも、200〜300nmの波長領域、及び300〜400nmの波長領域、及び400〜450nmの波長領域のそれぞれに1つ以上の輝線スペクトルをもつ光源を用いて露光する第二の露光工程と、有機溶剤を用いて前記凸版を洗浄する工程と、を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法とした。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の印刷用凸版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する凸版を形成し、凸部に機能性有機材料インキを供給し、被印刷基板に転写することを特徴とする有機電子デバイスの製造方法とした。
本発明の印刷用凸版の製造方法では、200〜300nmの波長領域、及び300〜400nmの波長領域、及び400〜450nmの波長領域のそれぞれに1つ以上の輝線スペクトルをもつ光源を用いて第二の露光工程を行なうことにより、大気中でも露光することができ、かつ表面から内部までインキに対して耐性のある版とすることができる。また、有機溶剤を用いて、わずかに残った未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を溶出させる洗浄工程を行うことにより、有機機能性材料を含むインキに対する耐性を向上させ、感光性樹脂に含まれる未反応のモノマーや光重合開始剤の流出を妨げ、有機機能性素子特性の低下を防ぐことができる。
さらに、本発明の有機電子デバイスの製造方法により、簡便な手段で有機電子デバイスの寿命を劣化させる樹脂凸版からの溶出物を低減し、かつ耐刷性にすぐれた高精細印刷凸版および素子劣化が少ない有機電子デバイスを得る事ができる。
本発明の実施の形態における感光性樹脂版の製版工程の概略図である。 本発明の実施の形態におけるフレキソ印刷機の例を示す概略図である。 本発明の実施の形態における有機EL素子の例を示す概略図である。
本発明における高精細印刷凸版の製造方法について示す説明する。なお、本発明はこれに限るものではなく、図示したものは概略図であり、一部分のみを抜き出して示した。
感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法により凸部パターン形成をする場合において、本発明の印刷用凸版の一例として水現像タイプのネガ型の感光性樹脂を用いた場合を示す。図1に印刷用凸版の製造方法の説明断面図を示した。まず、図1(a)に示したように、基材101上に感光性樹脂102aが一面に形成された版材を用意する。次に、図1(b)に示したように、遮光部105と透光部104を有しており、且つ、透光部によってパターンが形成されたフォトマスク106を感光性樹脂上に配置する。フォトマスクは、透光性を有するガラス104上に例えばクロム薄膜からなる遮光部105がパターニングされた構造をしており、クロム薄膜が形成されている箇所が遮光部105、クロム薄膜が形成されていない箇所が透光部となる。
形成するクロムマスクのパターン形状としては、所望の印刷パターン形状であれば良いが、電子デバイス用途、特に有機ELディスプレイの有機パターン層の形成に用いられる印刷用凸版の凸パターンはストライプ状であることが望ましいため、ストライプパターンのクロムマスクを形成する。
次に、図1(c)に示したように、該フォトマスクを介して、紫外光に代表される活性光線103を照射し、露光する。このとき、フォトマスクの透光部を通過して活性光線が照射された部分が硬化されるが、照射量が多くても少なくても所望のパターニング得られない。次にフォトマスクを樹脂版から外し、現像をおこなう。現像により露光によって光が照射されなかった未硬化部分を除去し、図1(d)に示したような、印刷用凸版となる。このとき、未硬化部分が水により溶解、除去可能な水現像タイプの樹脂版を用いた場合には、現像液として水が用いられる。露光・現像後には必要に応じて乾燥工程やベーク工程を設けても良い。
上記の露光・現像工程後に、印刷用凸版全体に対して第二の露光工程を行なう。ここで、印刷用凸版全体に対して、とは、フォトマスクを介さずに印刷用凸版のパターン形成面の全面に対して、ということである。このとき用いる光源は200〜450nmの波長領域に複数の輝線スペクトルをもち、少なくとも、200〜300nmの波長領域、及び300〜400nmの波長領域、及び400〜450nmの波長領域のそれぞれに1つ以上の輝線スペクトルをもつ光源を用いることが好ましい。このような光源としては、DEEP−UVランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプなどを用いることができる。
200〜300nmの波長領域の輝線スペクトルにより、酸素存在下でも表面の硬化が進行するため大気中でも露光が可能であり、また、300〜400nmの波長領域、特に400〜450nmの波長領域の輝線スペクトルにより、凸版の深部に残っている未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を反応させ、表面から内部までインキに対して耐性のある版とすることができる。
しかしながら、電子デバイス用途で用いる場合、露光のみではわずかに残った未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤がインキ中に溶出し、デバイスの寿命を劣化させてしまう。そこで、有機溶剤を用いて、わずかに残った未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を溶出させる洗浄工程を行う。
このとき使用する有機溶剤はテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。有機溶剤はトルエン、THF、などが望ましいが特に限定はされない。溶出の方法は一般に知られているは噴霧ノズルを用いた版洗浄でもよいし、溶剤を単純にかけ流し、あるいは溶媒に版を浸漬させてもよい。なお、再露光した後に有機溶剤にて未反応のラジカル重合性モノマーおよび光重合開始剤を溶出させる必要があり、逆の手順で行うことは好ましくない。再露光する前に先に有機溶剤にてモノマーおよび光重合開始剤を溶出させると、インキに対して耐性のある版が得られなくなる。
この感光性樹脂層の一成分となるポリマーは、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムなどのゴムの他に、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂やそれらの共重合体、セルロースなどの天然高分子などから一種類以上を選択することができるが、有機発光材料などといった塗工液を塗布する場合、有機溶剤に対する耐溶剤性の観点から、フッ素系エラストマーやポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンやそれらの共重合体といったフッ素系樹脂が望ましい。
また、少なくとも、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、酢酸セルロースコハク酸エステル、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、カチオン型ピペラジン含有ポリアミドやこれらの誘導体といった水溶性溶剤に可溶なものを一種類以上含有することにより水を用いた現像が可能となるため、これらの内から一つ以上を選択し用いることが最も望ましい。
露光光の照射によってラジカルを発生させる光重合開始剤としては、この用途に適するものであれば特に制限は無く、各種文献に報告されているものを用いることができる。前記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタノール、2−クロロチオキサントン、2−エチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン(カヤキュアDETX:日本化薬製)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(イルガキュア369:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(イルガキュア819:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)又はビイミダゾール化合物などがあり、これらに限定されるものではないが、本発明では露光光源に200〜450nmの波長領域に輝線スペクトルを持つものを用いるため、この範囲の光の照射によってラジカルを発生させるものが好ましい。また、これらの光重合開始剤は、必要に応じて適宜に複数のものを混合して使用しても良い。
感光性樹脂層は、上記のラジカル重合性モノマー及び光重合開始剤を主成分とするものであるが、これらのほかにバインダー樹脂や樹脂層を基材101の上に塗布する際に塗布しやすくするために可塑剤を添加することも可能であるし、また、適切な溶剤を加えてもよい。
また凸部を支持する基材101は、印刷に対する機械的強度を有すれば良く、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄や銅、アルミニウムといった公知の金属、またはそれらの積層体を用いることができるが、温度や湿度といった印刷環境の変化に対し、サイズ変化が小さい金属製の基材を用いることが望ましい。さらに未反応モノマーの溶出時に有機溶剤に浸漬する方法をとる場合は合成樹脂では耐溶剤性の観点からも金属製の基材を用いることが望ましい。
上記の工程によって作成された本発明の凸版は、パターニング後の再露光及び有機溶剤による溶出処理によって、有機機能性材料を含むインキに対する耐性を向上させ、感光性樹脂に含まれる未反応のモノマーや光重合開始剤の流出を妨げ、有機機能性素子特性の低下を防ぐことができる。
有機パターン層の形成に用いる印刷機は、平板に印刷する方式のフレキソ印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましい。図2に印刷機の概略図を示した。
本製造装置は、インキタンク201とインキチャンバー202とアニロックスロール208とフレキソ版または樹脂凸版204を取り付けした版胴205を有している。
インクタンク201には、有機発光インキが収容されており、インキチャンバー202にはインクタンク201より有機発光インキが送り込まれるようになっている。
アニロックスロール208は、インキチャンバー202のインキ供給部及び版胴205に接して回転するようになっている。
アニロックスロール208の回転にともない、インキチャンバー202から供給されたインキはアニロクスロール208の表面に均一に保持されたあと、版胴205に取り付けされた樹脂凸版204の凸部に均一な膜厚で転移する。
さらに、被印刷基板206は摺動可能な基板固定台207上に固定され、樹脂凸版204のパターンと被印刷基板206のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴205の回転に合わせて樹脂凸版204(フレキソ版)の凸部が被印刷基板206に接しながらさらに移動し、被印刷基板206の所定位置にパターニングしてインキを転移する。
本発明の樹脂版を用いた製造方法を用いて作製することができる電子デバイスとして、有機エレクトロルミネッセンス表示素子、プリント配線板などの回路基板、光回路基板、カラーフィルタ、有機薄膜トランジスタ、マイクロレンズ、バイオチップなどを例示することができる。中でも、対象基板の大型化やパターンの精細度の点で特に有機エレクトロルミネッセンス表示素子に好適に用いることができる。
電子デバイスの作成においては、電子デバイスの機能性材料を有機溶媒に分散あるいは溶解し、機能性材料インキとし、例えば上述のような印刷機を用いて基板上に印刷形成することができる。
言い換えると、上述した樹脂版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する感光性樹脂凸版を形成し、該感光性樹脂凸版の凸部に機能性材料インキを供給し、電子デバイス作成用の被印刷基板に転写することができる。本発明によれば、高精細なパターンを形成することができ、さらに版平坦性が高いことから、ムラの少ないパターン形成が可能である。
本発明によってパターン形成した樹脂凸版を用いた印刷物の製造方法の一例として、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の製造方法について説明する。図3は本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子の例を断面でみた説明図である。ドットマトリックスタイプの有機エレクトロルミネッセンス表示素子としては、パッシブマトリックス方式とアクティブマトリックス方式があるが、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子はパッシブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子、アクティブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子のどちらにも適用可能である。
パッシブマトリックス方式とは画素の縦横幅に応じたストライプ状の電極を直交させるように対向させ、その交点を発光させる方式であるのに対し、アクティブマトリックス方式は薄膜トランジスタ(TFT)基板を用いることにより、画素毎に独立して発光する方式である。持体としては機械的強度や、寸法安定性に優れていることが好ましく、具体的には先に基板として述べた材料を用いることができる。パッシブマトリックス方式の有機エレクトロルミネッセンス表示素子を例示すると、図3に示すように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子は、基板501の上に、陽極としてストライプ状に第一電極502を有している。隔壁507は隣り合った第一電極502間に設けられ、第一電極502の端部を覆うようになっており、第一電極502端部のバリ等によるショートを防いでいる。
そして、本発明の有機エレクトロルミネッセンス表示素子は、第一電極502上であって、隔壁507で区画された領域(発光領域、画素部)に有機発光層及び発光補助層からなる有機発光層を有している。電極間に挟まれる有機発光層は、有機発光層単独から構成されたものであってもよいし、有機発光層と発光補助層との積層構造から構成されたものでもよい。発光補助層としては正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層、電荷発生層が挙げられる。
図3では発光補助層である正孔輸送層503と有機発光層504(504a、504b、504c)との積層構造からなる構成を示している。第一電極502上に正孔輸送層503が設けられ、正孔輸送層503上に赤色(R)有機発光層504a、緑色(G)有機発光層504b、青色(B)有機発光層504cがそれぞれ設けられている。
これら有機発光層、発光補助層の材料をインキ化し、本発明の樹脂版を用いて印刷することによって各層を形成することができる。特に有機発光層504を各色に塗り分けて形成する場合には、各色の有機発光層504a、504b、504cの画素(あるいは同じ発光色の画素列)ごとのパターン形成が必要となる。
次に、有機発光層上に陽極である第一電極502と対向するように陰極として第二電極505が配置される。第二電極505は基板面(基板501の上面)において第一電極502のストライプに直交する向きに形成される。第二電極505は陰極金属の蒸着によって形成され、ストライプパターンの形成にはライン状に開口が形成されたメタルマスクを用いる。更に、環境中の水分、酸素の第一電極、有機発光層、発光補助層、第二電極への侵入を防ぐために有効画素全面に対してガラスあるいは絶縁加工を施した金属製の封止キャップ508等による封止体が設けられ、接着剤506を介して基板501と貼りあわされる。また、封止キャップを用いる方法の他に、ガスバリア性の高い無機膜、無機有機複合膜などを真空成膜法により陰極上に形成して薄膜封止を行う方法もある。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(凸パターン形成)
親水性のポリマーとしてポリアミド、架橋性を有するモノマーとしてトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリレート、光重合開始剤としてオキシムエステル系開始剤からなる感光性樹脂を、熱硬化性の樹脂層を有する厚さ200μmのSUS304基材に、40μmとなるように溶融塗工し、凸版のもととなる感光性樹脂材を形成した。
この版材に対し、有機エレクトロルミネッセンス表示素子の画素領域に対応して上記被印刷基板の画素幅である25μmのストライプ状の開口と125μmの遮光部が形成された合成石英基材のクロムマスクを樹脂凸版パターンの原版とし、このマスクをDEEP−UVランプを用いたプロキシミティ露光装置にセットし、樹脂凸版を露光した。プロキシミティギャップは100μmで、365nmにおける露光量は400mJ/cmであった。露光の後、ライン搬送式スプレー現像機を用いて現像液である水を噴射し現像パターンを得た。
(第二の露光)
現像後、熱風乾燥を行い、前述のプロキシミティ露光装置を用い、マスクを用いずに樹脂凸版全体に紫外線を照射した。このときの露光量は800mJ/cmとした。
(樹脂凸版の洗浄)
続いて印刷機に設置されている噴霧ノズルを用いた版洗浄装置を用いてTHFを噴霧し、樹脂凸版を洗浄した。以上の工程により印刷用樹脂凸版を作製した。
洗浄後の樹脂凸版について添加剤の溶出量を測定するため、50mm角に断裁した樹脂凸版をシャーレに入れ、キシレン5mLに1時間浸漬させた。この溶液をLC−MSにて分析したところ、印刷版に含まれるモノマー・光開始剤は検出されなかった。
(有機発光インキの調製)
高分子蛍光体をキシレンに溶解させ、有機発光インキを調製した。ここで、高分子蛍光体とは、ポリ(パラフェニレンビニレン)誘導体からなる有機発光材料を指す。
(被印刷基板の作製)
300mm角のガラス基板上に、スパッタ法を用いてITO膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜を0.8mm角にパターニングした。その上に、スピンコーターを用いて正孔輸送層としてポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS)1.5wt%水溶液を40nm膜厚で成膜した。さらにこの成膜されたPEDOT/PSS薄膜を減圧下100℃で1時間乾燥することで、被印刷基板を作製した。
(有機EL素子の製造)
上記樹脂凸版を枚葉式の凸版印刷機の版胴に固定した。ついで、有機発光インキを凸版印刷機のインキタンクに供給し、インキ吐出部から600ライン/インチのハニカムアニロックスロールに塗工し、ドクターブレードでかき取った後、樹脂凸版の凸部のラインパターンをインキングした。さらにインキングされた樹脂凸版を被印刷基板に押し当てて転動させ、被印刷基板上にストライプパターンを印刷した。この工程を赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層それぞれに繰り返すことで有機発光層パターンを得た。各色について印刷をおこなった後、オーブン内にて130℃で1時間乾燥を行った。形成されたパターン各色の平均膜厚は80nmだった。
次に、この基板を真空乾燥して残留溶媒を除去した後、真空蒸着法によりカルシウムを10nm成膜し、さらにその上に銀を300nm成膜した。最後にガラスキャップを用い封止をおこない本発明の有機EL素子を作製した。この有機EL素子の発光特性を見たところ、5Vの電圧印加時における電流−輝度効率は、8.6cd/Aであった。
<比較例1>
比較例1として、実施例1中の印刷用凸版の作製工程において、THFによる洗浄は行わずに、第二の露光工程(露光量:800mJ/cm)のみを行なった印刷用凸版を用いて、有機EL素子を作製した。その他の素子作製条件は、実施例1のものと同じである。
その結果、比較例1の素子の5Vの電圧印加時における電流−輝度効率は、4.2cd/Aであった。
添加剤の溶出量を測定するため、50mm角に断裁した印刷版をシャーレに入れ、キシレン5mLに1時間浸漬させた。この溶液をLC−MSにて分析したところ、印刷版に含まれる印刷版に含まれるモノマー・光開始剤の濃度は、0.095%であった。
<比較例2>
比較例2として、実施例1において第二の露光工程と樹脂凸版の洗浄工程の順序を逆にした以外は実施例1と同様に樹脂凸版を作製した。この版を用いてインキング被印刷基板上にストライプパターンを印刷したところ、パターンよれが生じ、所望の直進性が得られず、また、版パターンの欠けによる異物が発生し、版不良が発生した。
さらに有機EL素子を作製したところパネル内で発光不良がみられた。
本発明の製造方法を用いることで、簡便な手段で有機電子デバイスの寿命を劣化させる樹脂凸版からの溶出物を低減し、かつ耐刷性にすぐれた高精細印刷凸版および有機電子デバイスが得られた。
101・・・基材
102a・・感光性樹脂
102b・・露光された感光性樹脂
103・・・活性光線
104・・・フォトマスク透光部
105・・・フォトマスク遮光部
106・・・フォトマスク
201・・・インキタンク
202・・・インキチャンバー
203・・・ドクターブレード
204・・・樹脂凸版
205・・・版胴
206・・・被印刷基板
207・・・基板固定台
208・・・アニロックスロール
501・・・基板
502・・・第一電極
503・・・発光補助層(正孔輸送層)
504a・・赤色有機発光層
504b・・緑色有機発光層
504c・・青色有機発光層
505・・・第二電極
506・・・接着剤
507・・・隔壁
508・・・ガラスキャップ。

Claims (2)

  1. 有機電子デバイスの有機パターン層の形成に使用される印刷用凸版の製造方法であって、
    基材上に光硬化性の感光性樹脂からなる感光性樹脂層を形成する工程と、
    前記感光性樹脂層に対してフォトマスクを介して凸パターン状に露光・現像して凸版を形成する工程と、
    前記凸版全体に対して少なくとも、200〜300nmの波長領域、及び300〜400nmの波長領域、及び400〜450nmの波長領域のそれぞれに1つ以上の輝線スペクトルをもつ光源を用いて露光する第二の露光工程と、
    有機溶剤を用いて前記凸版を洗浄する工程と、
    を有することを特徴とする印刷用凸版の製造方法。
  2. 請求項1に記載の印刷用凸版の製造方法を用いてストライプ状の凸部パターンを有する凸版を形成し、凸部に機能性有機材料インキを供給し、被印刷基板に転写することを特徴とする有機電子デバイスの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014040067A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Toppan Printing Co Ltd 印刷用凸版及びそれを用いた有機el素子の製造方法
CN105745574A (zh) * 2013-12-03 2016-07-06 伊斯曼柯达公司 具有导电微丝图形的制品的制备

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