JP2011135691A - モータ、電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置 - Google Patents

モータ、電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】出力の向上を図るとともに、トルクリップルやコギングトルクを低減することができるモータ、同モータを備えた電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置を提供する。
【解決手段】モータは、環状のステータコア34にコイル35がトロイダル状に巻装されたステータ31を備え、ステータコア34をそれぞれ別体として形成された複数のティース51とコイル35が巻装される複数のヨーク52とを交互に配列して構成した。また、各ティース51に、ステータ31の周方向両側から隣接する各ヨーク52の挿入端部56が挿入される挿入溝55を形成した。そして、ステータ31の周方向において対向する挿入溝55と挿入端部56との各対向面55b,56bを、圧入片57が挿入溝55と挿入端部56との間に圧入されて該ヨーク52をステータ31の径方向内側に押圧することにより、互いに密着するように形成した。
【選択図】図7

Description

本発明は、コイルがトロイダル状に巻装されたモータ、同モータを備えた電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置に関する。
従来、環状のステータコアにコイルがトロイダル状に巻装されたステータと、ステータに対して回転可能に設けられるロータとを備えたモータがある。このようなステータのステータコアとして、コイルが巻装される単位毎に分割した複数の分割コアを環状に配列して構成したものがある(特許文献1参照)。
詳述すると、この特許文献1に記載の分割コアは、ロータと対向するティース部と、同ティース部から周方向一方側に延出され、コイルが巻装されるヨーク部とを備えてなる。そして、分割された状態の分割コアのヨーク部に対してコイルを巻装した後に、分割コアを環状に組み付けてステータを構成することにより、巻線作業を容易にしてコイルの占積率を向上させ、その高出力化等を図ることができる。
特開2008−259399号公報
ところで、上記特許文献1に記載の構成では、一般に分割コアの寸法には製造上の公差が許容されているため、分割コアを環状に組み付ける際に、分割コアのヨーク部における周方向一方側の端面と、隣接する分割コアのティース部における周方向他方側の端面とを完全に密着させることが困難になる。従って、同構成では、互いに隣接する各分割コアのヨーク部とティース部との間、すなわちヨーク部におけるステータの周方向一方側にエアギャップが形成され易い。
ここで、トロイダル状に巻装されたコイルにおいては、その軸方向両側、すなわちヨーク部におけるステータの周方向両側から磁束が発生するため、上記エアギャップにより磁気経路内の磁気抵抗が増加することで有効磁束が減少し易く、モータの出力が低下してしまう。また、各分割コアの寸法は上記公差の範囲内でばらつくことために、上記エアギャップの大きさもばらついてしまう。その結果、各コイルにて発生する回転磁界の大きさもばらつき、トルクリップルが大きくなるといった問題も生じる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、出力の向上を図るとともに、トルクリップルやコギングトルクを低減することができるモータ、同モータを備えた電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、環状のステータコアにコイルがトロイダル状に巻装されたステータと、前記ステータに対して回転可能に設けられるロータとを備えたモータにおいて、前記ステータコアは、それぞれ別体として形成された複数のティース及び前記コイルが巻装される複数のヨークを有し、前記各ティースと前記各ヨークとを交互に配列して構成され、前記ステータの軸方向に延びる圧入片を備え、前記各ティースにおける前記ステータの周方向両側端部にはそれぞれ挿入溝が形成され、該各挿入溝は隣接する前記ヨークの挿入端部が挿入されるものであり、前記ステータの周方向において対向する前記挿入溝と前記挿入端部との各対向面は、前記圧入片が前記挿入溝と前記挿入端部との間に圧入されて該ヨークを前記ステータの径方向内側又は径方向外側に押圧することにより、互いに密着するように形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、ティース及びヨークに製造上の公差が許容されていても、圧入片によってヨークが径方向内側又は径方向外側に押圧されることにより、ステータの周方向において対向する挿入溝と挿入端部との各対向面が互いに密着される。そのため、ヨークにおけるステータの周方向両側、及び径方向外側又は径方向内側にエアギャップが形成されることが抑制され、有効磁束の減少が抑えられるため、モータの出力の向上を図ることができる。また、ヨークにおけるモータの周方向両側にエアギャップが形成されること自体が抑制されるため、同エアギャップの大きさがばらつくことも低減でき、トルクリップルを低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のモータにおいて、前記各対向面は、前記圧入片から前記ヨークに対して作用する力の方向と非平行な平面状に形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、各対向面が圧入片からヨークに対して作用する力の方向と非平行な(交差する)平面状に形成されるため、これら各対向面全体に均一な力が作用するようになる。そのため、これら対向面全体を密着させ易く、ヨークにおけるステータの周方向両側にエアギャップが形成されることが好適に抑制され、よりモータの出力の向上及びトルクリップルの低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のモータにおいて、前記各対向面は、前記ティースにおける前記ステータの周方向中央を通る径方向線に沿って平行に形成されたことを要旨とする。
上記構成によれば、各対向面は、ティースにおけるステータの周方向中央を通る径方向線に沿って平行に形成されるため、該ティースにおける挿入溝が形成された部分の周方向幅を一定にすることができ、ティースの強度を確保できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記圧入片は、前記挿入溝における前記ステータの径方向外側に形成された外側面と、前記挿入端部における前記ステータの径方向外側に形成された外側面との間に圧入され、該ヨークを径方向内側に押圧することを要旨とする。
上記構成によれば、圧入片によってヨークが径方向内側に押圧されることにより、挿入溝におけるステータの径方向内側に形成された内側面と、ヨークにおけるステータの径方向内側に形成された内側面とが互いに密着されるため、これら各内側面の間にエアギャップが形成され難くなり、これら各内側面の間を通過する磁束が減少することを抑制できる。これにより、ロータがステータの径方向内側に配置されるラジアルギャップ構造のモータとした場合には、上記各内側面の間を通過する磁束がロータの回転に大きく影響するため、より一層モータの出力の向上を図ることができる。また、上記構成によれば、高速回転時で高出力が得られやすいトロイダル巻きの利点が十分に発揮される。
なお、請求項5に記載されるように、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記ステータと前記ロータとがその径方向において対向するように配設されてなるラジアルギャップ構造とすることができる。また、請求項6に記載されるように、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータにおいて、前記ステータと前記ロータとがその軸方向において対向するように配設されてなるアキシャルギャップ構造とすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のモータを備えた電動パワーステアリング装置であることを要旨とする。
上記構成によれば、モータのトルクリップルを低減することができるため、操舵フィーリングに優れた電動パワーステアリング装置を提供することができる。
請求項8に記載の発明は、ホイールを回転させる請求項5に記載のモータを備えたインホイールモータ駆動装置であることを要旨とする。
上記構成によれば、モータの出力の向上を図ることができるため、例えば必要なトルクを確保しつつ、同モータの小型化等を図ることができる。また、トロイダル巻きでは、高速回転時で高出力が得られやすいので、従来では不得手であった高回転時の高トルクを得ることができる。
本発明によれば、出力の向上を図るとともに、トルクリップルやコギングトルクを低減することが可能なモータ、同モータを備えた電動パワーステアリング装置及びインホイールモータ駆動装置を提供することができる。
電動パワーステアリング装置(EPS)の概略構成図。 EPSアクチュエータの概略構成を示す断面図。 第1実施形態のモータの軸方向と直交する縦断面図。 図3のA−A矢視図。 第1実施形態の磁石によりロータの外周面に現れる磁極の周方向範囲を示す説明図。 磁石の磁束密度分布を示すグラフ。 第1実施形態のモータの拡大縦断面図。 圧入片により押圧されるヨークを示す説明図。 第2実施形態のモータの軸方向と直交する縦断面図。 図9のB−B矢視図。 図10のC−C矢視図。 第2実施形態のモータの拡大縦断面図。 別のロータの軸方向と直交する縦断面図。 別のロータの軸方向と直交する拡大縦断面図。 別のロータの軸方向と直交する縦断面図。 別のロータの軸方向に沿った横断面図。 インホイールモータ駆動装置を備えた車両の概略構成図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置(EPS)1において、ステアリング2が固定されたステアリングシャフト3は、ラックアンドピニオン機構4を介してラックハウジング5の内部に挿通されるラック軸6に連結されている。ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラックアンドピニオン機構4によりラック軸6の往復直線運動に変換される。そして、このステアリングシャフト3の回転に伴うラック軸6の往復直線運動により、転舵輪7の舵角、即ち車両の進行方向が変更される。
また、EPS1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ11と、該EPSアクチュエータ11の作動を制御するECU12とを備えている。本実施形態のEPSアクチュエータ11は、その駆動源であるモータ13がラック軸6と同軸に配置された所謂ラック型のEPSアクチュエータであり、モータ13が発生するアシストトルクは、ボールねじ機構14(図2参照)を介してラック軸6に伝達される。なお、本実施形態のモータ13は、ブラシレスモータであり、ECU12から三相(U,V,W)の駆動電力の供給を受けることにより回転する。
具体的には、図2に示すように、モータ13は、ラックハウジング5と同軸上に連結された筒状のケーシング21内に固定されている。モータ13に連結された出力軸22は、中空円筒状に形成されるとともに、その両端部における外周面とケーシング21の両端部における内周面との間にそれぞれ介在された軸受23a,23bを介して、ケーシング21の内面に対して相対回転可能に支持されている。また、ラック軸6の外周には、ねじ溝6aが螺刻されるとともに出力軸22の内周には、その内周にねじ溝25aが螺刻されたボール螺子ナット25が固定されている。そして、ボールねじ機構14は、その出力軸22に挿通されたラック軸6が、転動体となる複数のボール26を介して上記ボール螺子ナット25と螺合することにより形成されており、出力軸22の回転がラック軸6の往復動に変換されて操舵系にアシスト力が付与されるようになっている。
そして、図1に示すように、ECU12は、このモータ13が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。具体的には、ECU12には、トルクセンサ28及び車速センサ29が接続されており、ECU12は、これらトルクセンサ28及び車速センサ29によりそれぞれ検出される操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、EPSアクチュエータ11の作動を制御、即ちパワーアシスト制御を実行する。
次に、本実施形態のモータの構成について説明する。
図3及び図4に示すように、モータ13は、ケーシング21の内周面に嵌合圧入等されることにより固定されたステータ31と、同ステータ31とその径方向において対向するとともに上記出力軸22と一体回転可能に設けられるロータ32とを備えている。つまり、本実施形態のモータ13は、ステータ31とロータ32とがその径方向において対向するように配設されてなるラジアルギャップ構造のモータとして構成されている。
ステータ31は、ケーシング21の内周に固定される環状のステータコア34と、このステータコア34にトロイダル状に巻装された複数(本実施形態では12個)のコイル35とを備えている。そして、ステータ31は、その各コイル35にECU12から三相の駆動電流が供給されるとロータ32を回転させるための回転磁界を発生するように構成されている。
一方、ロータ32は、出力軸22に外嵌されるロータコア41と、同ロータコア41に埋設される複数(本実施形態では4つ)の磁石42を備えている。つまり、本実施形態のロータ32は磁石埋め込み型のロータとして構成されている。
具体的には、ロータコア41の中心部には、出力軸22が嵌合する嵌合孔43が形成されるとともに、その周縁部には、径方向と直交する方向に延びる直線状で軸方向に貫通する複数の収容孔45が形成されている。そして、磁石42は、略平板状に形成され、各収容孔45内に収容保持されている。なお、磁石42は、ロータコア41の径方向外側に交互にN極とS極とを構成すべく着磁がなされて収容孔45内に設けられている。また、各収容孔45の周方向両端には、空隙46が収容孔45と連続して形成されている。そして、ロータコア41の外周には、ステンレス綱等の非磁性金属材料からなる円筒状の補強部材47が外嵌されている。この補強部材47により、ロータコア41の強度が確保され、例えばロータ32の回転によってロータコア41、磁石42が離脱等しないようになっている。
また、本実施形態のロータ32は、各磁石42によりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲が不均等となるように構成されている。具体的には、図5に示すように、同図において上側及び下側に配置された磁石42a,42bの幅(ロータの径方向と直交する方向の長さ)は、右側及び左側に配置された磁石42c,42dの幅よりも長く形成されている。また、上側及び下側磁石42a,42bが収容される上側及び下側収容孔45a,45bの幅は、右側及び左側磁石42c,42dが収容される右側及び左側収容孔45c,45dの幅よりも長く形成されており、これら右側及び左側収容孔45c,45dよりもロータコア41における径方向外側に設けられている。従って、上側磁石42a及び下側磁石42bによりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲A1,A2が、右側磁石42c及び左側磁石42dによりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲A3,A4よりも大きくなっている。なお、本実施形態では、上側及び下側磁石42a,42b(上側及び下側収容孔45a,45b)は同じ幅で形成されており、周方向範囲A1,A2は同じ大きさになる。また、右側及び左側磁石42c,42d(右側及び左側収容孔45c,45d)は同じ幅で形成されており、周方向範囲A3,A4は同じ大きさになる。
これにより、上側及び下側磁石42a、42bによる各磁極とステータ31の磁極との間の磁気的な吸引力及び反発力が最大となるロータ32の回転位置は、右側及び左側磁石42c,42dによる各磁極と上記ステータ31の磁極との間の磁気的な吸引力及び反発力が最大となるロータ32の回転位置と異なるようになる。従って、ロータ32の各磁極に作用する磁気的な吸引力及び反発力が同時に最大になることを防止でき、トルクリップル及びコギングトルクを低減できる。
さらにまた、ロータコア41には、ステータ31にて発生する回転磁界の方向、すなわち各コイル35にて発生した磁束の流れ(図5において太線で示す)に沿った複数のスリット48が形成されている。具体的には、各スリット48は、ロータコア41の外周面における各磁石42の周方向両端部付近から該各磁石42の周方向中央部手前まで延びるように形成されており、各磁石42の周方向中央部近傍には形成されていない。これにより、各磁石42の周方向両側部分から発生する磁束が弱められ、図6において実線で示すように、ステータ31とロータ32との間のギャップにおける各磁石42の磁束密度分布が正弦波状になるため、トルクリップルを低減することができる。なお、同図において、ロータコア41にスリット48を形成しない場合の磁束密度分布を破線で示す。また、スリット48を形成することで、各コイル35から発生する磁束が該スリット48に沿って流れ易くなるため、コイルの磁束が妨げられてトルクが低下することもない。
次に、本実施形態のステータコア34の構成について詳細に説明する。
図3及び図4に示すように、ステータコア34は、それぞれ別体として形成された複数(本実施形態では12個)のティース51及び複数(本実施形態では12個)のヨーク52を有し、各ティース51と各ヨーク52とを交互に配列して構成されている。なお、本実施形態では、ティース51及びヨーク52は、珪素鋼板により構成されている。
詳述すると、各ティース51は、略直方体状に形成されるとともに、径方向内側にはステータ31の周方向両側に延出される磁極部53が形成されている。一方、各ヨーク52は、ステータ31の軸方向に沿った長さがティース51よりも短い略直方体状に形成されている。また、図7に示すように、ティース51におけるステータ31の周方向両側端部には、その軸方向に貫通する断面略コ字状の挿入溝55がそれぞれ形成されている。この挿入溝55のステータ31の径方向に沿った幅は、ヨーク52のステータ31の径方向に沿った幅よりも大きく形成されており、挿入溝55には、ヨーク52におけるステータ31の周方向両側に形成された挿入端部56が遊挿又は圧入されるようになっている。
また、ステータ31は、ティース51の挿入溝55におけるステータ31の径方向外側に形成された外側面55aと、ヨーク52の挿入端部56におけるステータ31の径方向外側に形成された外側面56aとの間に圧入される圧入片57を備えている。本実施形態では、各圧入片57は、ステータ31の軸方向に延びる円柱状又は角柱状に形成されるとともに、挿入溝55と挿入端部56との間にそれぞれ2つずつ圧入されるようになっている。なお、これら圧入片57は、ステータ31の軸方向に沿った長さがティース51と略同じ長さに形成されており、ステータコア34の軸方向一端側から圧入される。なお、圧入片57は、ヨーク52と略同じ線膨張係数の金属からなる。
そして、ステータ31の周方向において対向する挿入溝55と挿入端部56との各対向面55b,56bは、ティース51におけるステータ31の周方向中央を通る径方向線Lと平行に形成されている。つまり、ティース51は挿入溝55が形成された部分の周方向幅(ステータ31の周方向に沿った長さ)が一定に形成されるとともに、各ヨーク52はステータ31の径方向外側から径方向内側に向かうにつれて、その幅が短くなるテーパ状に形成されている。換言すれば、各対向面55b,56bは、各外側面55a,56aと直交する方向と非平行な(交差する)平面状に形成されている。
ここで、図8に示すように、圧入片57からヨーク52に作用する力Fは、径方向内側、且つ各外側面55a,56aと直交する方向に作用するため、圧入片57が挿入溝55の外側面55aと挿入端部56の外側面56aとの間に圧入されることにより、各対向面55b,56bは互いに密着するようになっている。また、ヨーク52が径方向内側に押圧されるため、挿入溝55の内側面55cと挿入端部56の内側面56cとが、互いに密着するようになっている。なお、圧入片57を鉄系の材料により構成すれば、同圧入片57と挿入端部56との間でも確実に磁路が形成されるようにできる。更に、ティース51(挿入溝55)の対向面55bとヨーク52(挿入端部56)の対向面56bとの間に周方向に密に接触する円柱状の圧入片を圧入固定することも可能である。
また、各ヨーク52には絶縁性樹脂材料からなるボビン61を介してコイル35が巻装されている。詳述すると、このボビン61は、ヨーク52の外周面におけるステータ31の周方向中央部を覆う筒状の本体部62と、同本体部62の両端からその径方向外側に延びるはみ出し防止壁63とが一体に形成されてなる。そして、コイル35は、ボビン61に対してそれぞれ巻装された後、該ボビン61がステータコア34に組み付ける前のヨーク52に装着されることで、該ヨーク52に巻装される構成となっている。さらに、本実施形態では、ボビン61及びコイル35とケーシング21との間には、エポキシ樹脂等の熱伝導性の高い樹脂部材65が介在されている。なお、樹脂部材65には、ケーシング21内にステータ31を固定するためのモールド樹脂も含む。また、ボビン61のコイル35を巻装する面が曲面状でなく平面状であるため、コイル35を整列巻きすることが可能となる。そして、コイル35を整列巻きとして巻線を均等に巻くことにより、線径の太い巻線であっても巻数を多くすることができ、モータ13の効率を向上させることができる。
このように構成されたモータ13では、各磁石42から発生した磁束は、ティース51に流入した後、その周方向両側に設けられた各ヨーク52に分かれて各コイル35と鎖交する。従って、各磁石42から発生する全磁束のうち、最大でも半分程度の磁束しかコイル35と鎖交せず、ロータ32の回転が速くなっても逆起電圧が大きくなり難いため、高速回転時においても高い出力を得ることができる。また、ロータ32を磁石埋め込み型のロータとしたため、ロータ32の周方向における磁気抵抗の差に起因するリラクタンストルクを利用することができ、より高い出力を得ることが可能になる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)モータ13は、環状のステータコア34にコイル35がトロイダル状に巻装されたステータ31と、ステータ31に対して回転可能に設けられるロータ32とを備え、ステータコア34をそれぞれ別体として形成された複数のティース51とコイル35が巻装される複数のヨーク52とを交互に配列して構成した。また、各ティース51に、ステータ31の周方向両側から隣接する各ヨーク52の挿入端部56が挿入される挿入溝55を形成した。そして、ステータ31の周方向において対向する挿入溝55と挿入端部56との各対向面55b,56bを、圧入片57が挿入溝55と挿入端部56との間に圧入されて該ヨーク52をステータ31の径方向内側に押圧することにより、互いに密着するように形成した。
上記構成によれば、ティース51及びヨーク52に製造上の公差が許容されていても、圧入片57によってヨーク52が径方向内側に押圧されることにより、挿入溝55及び挿入端部56の各対向面55b,56bが互いに密着される。そのため、ヨーク52におけるステータ31の周方向両側にエアギャップが形成されることが抑制され、有効磁束の減少が抑えられるため、モータ13の出力の向上を図ることができる。また、ヨーク52におけるモータ13の周方向両側にエアギャップが形成されること自体が抑制されるため、同エアギャップの大きさがばらつくことも低減でき、トルクリップルを低減することができる。さらに、モータ13のトルクリップルを低減することができるため、操舵フィーリングに優れた電動パワーステアリング装置1を提供することができる。
(2)各対向面55b,56bを、圧入片57からヨーク52に対して作用する力Fの方向と非平行な(交差する)平面状に形成したため、これら各対向面55b,56b全体に均一な力が作用するようになる。そのため、これら対向面55b,56b全体を密着させ易く、ヨーク52におけるステータ31の周方向両側にエアギャップが形成されることが好適に抑制され、よりモータ13の出力の向上及びトルクリップルの低減を図ることができる。
(3)各対向面55b,56bを、ティース51におけるステータ31の周方向中央を通る径方向線Lに沿って平行に形成したため、該ティース51における挿入溝55が形成された部分の周方向幅を一定にすることができ、ティース51の強度を確保できる。
(4)圧入片57を、挿入溝55の外側面55aと挿入端部56の外側面56aとの間に圧入し、該ヨーク52を径方向内側に押圧するようにした。上記構成によれば、圧入片57によってヨーク52が径方向内側に押圧されることにより、挿入溝55の内側面55cと、挿入端部56の内側面56cとが互いに密着されるため、これら各内側面55c,56cの間にエアギャップが形成され難くなり、これら各内側面55c,56cの間を通過する磁束が減少することを抑制できる。ここで、本実施形態のモータ13は、ラジアルギャップ構造のモータであり、上記各内側面55c,56cの間を通過する磁束がロータ32の回転に大きく影響するため、より一層モータの出力の向上を図ることができる。また、上記構成によれば、高速回転時で高出力が得られやすいトロイダル巻きの利点が十分に発揮される。
(5)ボビン61及びコイル35とケーシング21との間に、熱伝導性の高い樹脂部材(モールド樹脂も含む)65を介在させたため、コイル35で発生した熱を効率的にケーシング21に放熱することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図9〜図12に従って説明する。なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点はモータの構成である。このため、説明の便宜上、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
図9及び図10に示すように、モータ71は、ケーシング21の内周面に固定リング72を介して固定されたステータ73と、同ステータ73とその軸方向において対向するとともに出力軸22と一体回転可能に設けられるロータ74とを備えている。つまり、本実施形態のモータ71は、ステータ73とロータ74とがその軸方向において対向するように配設されてなるアキシャルギャップ構造のモータとして構成されている。
固定リング72は、円筒状に形成されるとともにケーシング21の内周面に圧入固定されている。図10に示すように、固定リング72の内周面には、複数の環状の切欠き75が形成されている。本実施形態では、2つの切欠き75が固定リング72の軸方向において間隔をおいて設けられている。この切欠き75の切り込み深さは、固定リング72の内周面からケーシング21の内周面の近傍位置までの間において適宜設定される。なお、ケーシング21と後述するステータ73を構成するステータコア77との熱膨張差及び剛性の差により磁極部93の根元(ステータコア77に対する連結部位の近傍)に過大な応力が加わらないように、切欠き75の形状は決められる。また、固定リング72は、熱の良導体でもあるアルミニウム等の軟質の非磁性金属材料により形成されている。すなわち、固定リング72は、後述するステータ73を構成するコイル78に通電された際に発生するジュール熱が伝達される熱の通路として機能する。
図9に示すように、ステータ73は、固定リング72の内周に固定される環状のステータコア77と、このステータコア77にトロイダル状に巻装された複数(本実施形態では12個)のコイル78とを備えている。そして、ステータ73は、その各コイル78にECU12(図1参照)から三相の駆動電流が供給されるとロータ74を回転させるための回転磁界を発生するように構成されている。
なお、図10に示すように、後述するステータ73を構成するティース91の上下一対の磁極部93における径方向外側端部93aの間には、モールド樹脂によりコイル78の外側と接着されるようにして固定リング72が嵌め込まれている。また、固定リング72を挟み込む上下一対の径方向外側端部93aのうち図10における下側の径方向外側端部93aは、ケーシング21の内周面に形成された段差面21aに当接している。これにより、ステータ73の図10における下方への変位が規制される。そしてケーシング21の段差面21aと反対側の開口部を介して、円環状の固定ナット79をケーシング21の内周面に対して締め付けることにより、各磁極部93は固定リング72を間に挟み込んだ状態で、段差面21aと固定ナット79とにより挟持される。これにより、ステータ73のケーシング21からの抜け止めが図られる。
出力軸22には、2つのロータ74がステータ73を間に挟んで互いに対向して設けられている。ロータ74は、出力軸22に固定される磁石支持部材81を有している。この磁石支持部材81は、円筒状の挿入部82、挿入部82の外周面に形成された円環状のフランジ部83、及び同フランジ部83の外周縁に形成された筒状の保護部84を備えてなる。そして磁石支持部材81は、その挿入部82が出力軸22に外嵌された状態で固定されている。両磁石支持部材81は、それらの挿入部82が互いに向き合うように出力軸22に取り付けられている。なお、磁石支持部材81は、ステンレス等の非磁性材料により一体形成される。
磁石支持部材81の挿入部82には、円環板状の磁石ヨーク85が外嵌状態で固定されている。磁石ヨーク85は、鉄等の磁性体により形成されることにより、後述する磁石86から発せられる磁束を閉じ込める磁路を構成する。なお、磁石ヨーク85はその挿入部82側の内周面、保護部84側の外周面及びフランジ部83側の側面において接着剤、或いはモールド樹脂等により接着されている。
磁石ヨーク85のステータ73側の側面には、4つの磁石(永久磁石)86が固定されている。図11に示すように、各磁石86は扇板状、すなわち環状の平板をその周方向に複数等分(本例では、4等分)した形状とされている。各磁石86は、フランジ部83のステータ73側の側面に対して、その周方向に一定間隔をおいて環状に配設されている。なお、各磁石86は、その厚み方向(出力軸22の軸方向)において2極着磁されており、出力軸22の回転方向においてN極とS極とが交互になるように設けられている。また、出力軸22の軸方向においてステータ73を間に挟んで互いに対向する一対の磁石86は、異なる極性が対向するように設けられている。
各磁石86のステータ73側の側面には、共通ヨーク87が固定されている。共通ヨーク87は、鉄等の磁性体により形成されることにより、磁石86及びコイル78から発せられる磁束を閉じ込める磁路を構成する。なお、共通ヨーク87は、その挿入部82側の側面、保護部84側の側面及び磁石86側の側面において接着剤、或いはモールド樹脂等により接着されている。また、共通ヨーク87は、磁石86と同様の形状を有してなる。すなわち、共通ヨーク87は、環状の平板をその周方向に複数等分(本例では、4等分)した形状とされており、出力軸22の軸線に沿う方向からみたとき、その外郭形状が磁石86に一致する。換言すれば、磁石86のステータ73側の側面は、その全体が共通ヨーク87により覆われている。これら共通ヨーク87及び前述した磁石ヨーク85により、各磁石86はなかば磁性体に埋め込まれる状態とされている。なお、図9及び図10に示されるように、各共通ヨーク87とステータ73との間には、若干の隙間が形成されている。
次に、本実施形態のステータコアの構成について詳細に説明する。
図9及び図10に示すように、ステータコア77は、それぞれ別体として形成された複数(本実施形態では12個)のティース91及び複数(本実施形態では12個)のヨーク92を有し、各ティース91と各ヨーク92とを交互に配列して構成されている。なお、本実施形態では、ティース91及びヨーク92は、炭素鋼板により構成されている。
各ティース91は、略直方体状に形成されるとともに、ステータ73の軸方向両側には扇形板状の磁極部93が固定されている。一方、各ヨーク92は、ステータ73の軸方向に沿った長さがティース91よりも短い略直方体状に形成されている。また、図12に示すように、ティース91におけるステータ73の周方向両側端部には、上記第1実施形態と同様に、その軸方向に貫通する断面略コ字状の挿入溝95がそれぞれ形成されており、該挿入溝95には、ヨーク92におけるステータ73の周方向両側に形成された挿入端部96が遊挿、又は圧入されるようになっている。
また、ステータ73は、ティース91の挿入溝95におけるステータ73の径方向外側に形成された外側面95aと、ヨーク92の挿入端部96におけるステータ73の径方向外側に形成された外側面96aとの間に圧入される圧入片97を備えている。本実施形態では、各圧入片97は、ステータ73の軸方向に延びる円柱状又は角柱状に形成されるとともに、ステータコア77の軸方向一端側から挿入溝95と挿入端部96との間にそれぞれ2つずつ圧入されるようになっている。なお、これら圧入片97は、ステータ73の軸方向に沿った長さがティース91と略同じ長さに形成されており、ステータコア77の軸方向一端側から圧入される。また、各ティース91には、圧入片97が圧入された後に、上記磁極部93が固定される。
そして、ステータ73の周方向において対向する挿入溝95と挿入端部96との各対向面95b,96bは、上記第1実施形態と同様に、ティース91におけるステータ73の周方向中央を通る径方向線Lと平行に形成されている。従って、圧入片97が、挿入溝95の外側面95aと挿入端部96の外側面96aとの間に圧入され、該各圧入片97から径方向内側、且つ且つ各外側面95a,96aと直交する方向の力がヨーク92に作用することにより、各対向面95b,96bが、密着するようになっている(図8参照)。また、ヨーク92が径方向内側に押圧されるため、挿入溝95におけるステータの径方向内側に形成された内側面95cと、挿入端部96におけるステータ73の径方向内側に形成された内側面96cとが、互いに密着するようになっている。
また、各ヨーク92には絶縁性樹脂材料からなるボビン101を介してコイル78が巻装されている。なお、このボビン101は、上記第1実施形態と同様に、ヨーク92の外周面におけるステータ73の周方向中央部を覆う筒状の本体部102と、同本体部102の両端からその径方向外側に延びるはみ出し防止壁103とが一体に形成されてなる。そして、各コイル78は、ボビン101に対してそれぞれ巻装された後に、ボビン101がヨーク92に装着されることで、該ヨーク92に巻装される構成となっている。さらに、本実施形態では、ボビン101及びコイル78と固定リング72との間には、エポキシ樹脂等の熱伝導性の高い樹脂部材105が介在されている。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)〜(3),(5)の作用効果と同様の作用効果に加え、以下の作用効果を奏することができる。
(6)本実施形態のモータ71は、アキシャルギャップ構造のモータとして構成されているため、特にアキシャル方向の磁束を効率的に使用でき、よりトルクリップルやコギングトルクを低減することができる。
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記第1実施形態では、ロータコア41に径方向と直交する方向に延びる直線状で軸方向に貫通する複数の収容孔45を形成するとともに、同収容孔45に平板状の磁石42を収容するようにしたが、これに限らない。例えば、図13に示すように、各収容孔111を径方向外側に向かって拡がる略V字状に形成し、同収容孔111に平板状の2つの磁石112を収容し、各磁石112が径方向外側に向かって拡がるV字状に配置されるようにしてもよい。これにより、磁石112におけるロータ32の周方向両端部において磁気飽和することが防止でき、ステータ31とロータ32との間のギャップにおける磁石112の磁束密度を高くしてモータ13の高出力化を図ることができる。なお、収容孔111をV字状とし、2つの磁石112をV字状に配置する場合に限らず、例えば各収容孔及び磁石を径方向外側に向かって拡がる湾曲形状としても、同様にモータ13の高出力化を図ることができる。
・上記第1実施形態では、ロータコア41の外周に補強部材47を外嵌したが、これに限らず、ロータコア41に収容孔45及び空隙46を形成しても十分な強度が確保されれば、補強部材47を設けなくてもよい。
・上記第1実施形態では、上側及び下側磁石42a,42bを、右側及び左側磁石42c,42dよりもその幅が短くなるように形成することで、各磁石42a〜42dによりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲が不均等となるようにした。しかし、これに限らず、例えば各磁石42a〜42dを同じ幅で形成し、各磁石42a〜42dをロータ32の径方向と直交する方向に対して傾斜させる等、その他の方法で各磁石42a〜42dによりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲が不均等となるようにしてもよい。
また、各磁石42a〜42dを同じ幅で形成し、例えば図14に示すように、空隙46の形状を変えることにより、ロータコア41の外周面に現れる磁束分布の中心を少しずつずらして、トルクリップルやコギングトルクを相殺することもできる。具体的には、図14において左側に設けられた空隙46の径方向外側部分に、磁石42aの中央側に向かって同空隙46を大きくする拡大部46aを形成し、図14において右側に設けられた空隙46の径方向外側部分に、同空隙46を小さくする縮小部46bを形成する。なお、図14では、説明の便宜上、磁石42aのみを図示している。また、空隙46の形状は、図14に示す態様に限らず、適宜変更可能である。
・上記第1実施形態では、周方向範囲A1,A2を同じ大きさにするとともに、周方向範囲A3,A4を同じ大きさにしたが、これに限らず、周方向範囲A1〜A4がすべて異なるようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、各磁石42によりロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲が不均等となるようにしたが、これに限らず、ロータコア41の外周面に現れる磁極の周方向範囲が均等となるように構成してもよい。
・上記第1実施形態では、ロータコア41に各コイル35から発生する磁束の流れに沿った複数のスリット48を形成したが、スリットに限らず、ロータコア41の内部に形成される長孔のようなものでもよい。なお、この場合には、補強部材47は設けなくともよい。
また、特にトルクリップルが問題にならないような場合ではロータコア41にスリット48を形成しなくてもよい。
・上記第1実施形態では、ロータコア41に収容孔45を形成し、同収容孔45に磁石42を収容するようにしたが、これに限らない。例えば、図15に示すように、ロータコア121を円筒状に形成するとともに、その外周面から径方向外側に突出する複数(例えば4つ)突極部122を周方向に等間隔を空けて形成し、各突極部122に軸方向視円弧状の磁石123を固定するようにしてもよい。このように構成しても、ロータ32の周方向における磁気抵抗の差に起因するリラクタンストルクを利用することができ、高出力を図ることができる。
・上記第2実施形態では、2つのロータ74でステータ73を挟み込むようにしたが、3つ以上のロータ74を設けるようにしてもよい。例えば、図16に示すように、3つのロータ74を設ける場合には、出力軸22の軸方向において隣り合う2つのロータ74の間、すなわち上側のロータ74と中央のロータ74との間並びに中央のロータ74と下側のロータ74との間にそれぞれステータ73を介在させる。ここで、中央のロータ74は、その上下2つのロータ74と異なり、磁石支持部材81は、円筒状の挿入部82及び円筒状の保護部84を備えてなる。また、挿入部82には、磁石86及びその軸方向両側から同磁石86を挟むように設けられる各共通ヨーク87が外嵌状態で固定されている。なお、保護部84は磁石86及び共通ヨーク87の外周面に接着剤、或いはモールド樹脂等により接着されている。このため、2つのステータ73により挟み込まれた中央のロータ74は、磁束をS極からN極へ通過させることができる。すなわち、この中央のロータ74は、上下2つのステータ73のロータとして共用される。このようにすれば、モータのトルクを増大させることができる。
・上記第2実施形態では、固定リング72の内周面、すなわちステータ73側の面に、当該ステータ73の軸方向に対して交わる方向へ延びる環状の切欠き75を形成したが、当該切欠き75は環状でなくてもよい。例えば、切欠き75は、複数に分断してもよい。また、ケーシング21とステータコア77との材質の違いによる線膨張の差を吸収できれば、切欠き75に限らず他の構成を採用することも可能である。さらに、固定リング72の軸方向の肉厚によりケーシング21の線膨張を吸収できる場合等には、切欠き75を省略してもよい。
・上記第1実施形態では、ボビン61及びコイル35とケーシング21との間に、エポキシ樹脂等の熱伝導性の高い樹脂部材65を介在させたが、これに限らず、樹脂部材65を介在させなくともよい。同様に、上記第2実施形態において、ボビン101及びコイル78と固定リング72との間に樹脂部材105を介在させなくてもよい。
・上記第1実施形態では、挿入溝55及び挿入端部56の各対向面55b,56bを、ティース51の径方向線Lと平行に形成したが、これに限らない。各対向面55b,56bはヨーク52が径方向内側に押圧されることで、互いに密着する形状であればよく、例えば径方向線Lに対して傾斜するように形成してもよい。同様に、上記第2実施形態において、各対向面95b,96bを、ティース91の径方向線Lと平行に形成しなくともよい。
・上記第1実施形態では、挿入溝55及び挿入端部56の各対向面55b,56bを、圧入片57からヨーク52に対して作用する力Fの方向と非平行な平面状に形成したが、これに限らず、力Fと交差する曲面状に形成してもよい。同様に、上記第2実施形態において、各対向面95b,96bを、力Fと交差する曲面状に形成してもよい。
・上記第1実施形態では、各対向面55b,56bを、挿入溝55の外側面55aと挿入端部56の外側面56aとの間に圧入片57を圧入し、ヨーク52を径方向内側に押圧することで互いに密着するように形成した。しかし、これに限らず、各対向面55b,56bを、挿入溝55の内側面55cと挿入端部56の内側面56cとの間に圧入片57を圧入し、ヨーク52を径方向外側に押圧することで互いに密着するように形成してもよい。同様に、上記第2実施形態において、挿入溝95の内側面95cと挿入端部96の内側面96cとの間に圧入片97を圧入し、ヨーク92を径方向外側に押圧することで各対向面95b,96bが互いに密着するようにティース91及びヨーク92を構成してもよい。
・上記第1実施形態では、圧入片57を挿入溝55と挿入端部56との間にそれぞれ2つずつ圧入したが、これに限らず、圧入片57を1つ又は3つ以上圧入するようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態において、圧入片97を1つ又は3つ以上圧入するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、各圧入片57,97をステータ31,73の軸方向に延びる円柱状に形成したが、これに限らず、例えば三角柱形状等のその他の形状にしてもよい。また、圧入片57,97のステータ31,73の軸方向に沿った長さを、同ステータ31,73の略半分の長さに形成し、ステータコア34,77の軸方向両側からそれぞれ圧入するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、本発明をロータ32,74に4個の磁石42,86が設けられて4個の磁極が構成され、ステータ31,73に12個のティース51,91が設けられて12個の磁極が構成されるモータ13,71に適用した。しかし、これに限らず、ロータ32,74にn個の磁極を構成し、ステータ31,73に3n個の磁極を構成したモータに適用してもよい。
・上記第1実施形態では、本発明のモータ13をEPS1に適用したが、その用途は問わない。例えば、図17に示すように、車両131に設けられたインホイールモータ駆動装置132に適用し、モータ13によって各車輪133のホイール134が回転されるようにしてもよい。この構成によれば、モータ13の出力の向上を図ることができるため、例えば必要なトルクを確保しつつ、同モータ13の小型化等を図ることができる。また、トロイダル巻きでは、高速回転時で高出力が得られやすいので、従来では不得手であった高回転時の高トルクを得ることができる。
なお、インホイールモータ駆動装置132以外に、エアコン用のコンプレッサや、マシニングセンタ等の工作機械に用いられるモータとしてもよい。同様に、上記第2実施形態のモータ71をEPS1以外の用途に使用してもよい。
1…電動パワーステアリング装置(EPS)、13,71…モータ、31,73…ステータ、32,74…ロータ、34,77…ステータコア、35,78…コイル、41,121…ロータコア、42,86,112,123…磁石、45,111…収容孔、48…スリット、51,91…ティース、52,92…ヨーク、53,93…磁極部、55,95…挿入溝、55a,56a,95a,96a…外側面、55b,56b,95b,96b…対向面、55c,56c,95c,96c…内側面、56,96…挿入端部、57,97…圧入片、61,101…ボビン、65,105…樹脂材料、72…固定リング、132…インホイールモータ駆動装置、134…ホイール、F…力、L…径方向線。

Claims (8)

  1. 環状のステータコアにコイルがトロイダル状に巻装されたステータと、前記ステータに対して回転可能に設けられるロータとを備えたモータにおいて、
    前記ステータコアは、それぞれ別体として形成された複数のティース及び前記コイルが巻装される複数のヨークを有し、前記各ティースと前記各ヨークとを交互に配列して構成され、
    前記ステータの軸方向に延びる圧入片を備え、
    前記各ティースにおける前記ステータの周方向両側端部にはそれぞれ挿入溝が形成され、該各挿入溝は隣接する前記ヨークの挿入端部が挿入されるものであり、
    前記ステータの周方向において対向する前記挿入溝と前記挿入端部との各対向面は、前記圧入片が前記挿入溝と前記挿入端部との間に圧入されて該ヨークを前記ステータの径方向内側又は径方向外側に押圧することにより、互いに密着するように形成されたことを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記各対向面は、前記圧入片から前記ヨークに対して作用する力の方向と非平行な平面状に形成されたことを特徴とするモータ。
  3. 請求項2に記載のモータにおいて、
    前記各対向面は、前記ティースにおける前記ステータの周方向中央を通る径方向線に沿って平行に形成されたことを特徴とするモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記圧入片は、前記挿入溝における前記ステータの径方向外側に形成された外側面と、前記挿入端部における前記ステータの径方向外側に形成された外側面との間に圧入され、該ヨークを径方向内側に押圧することを特徴とするモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記ステータと前記ロータとがその径方向において対向するように配設されてなるラジアルギャップ構造としたことを特徴とするモータ。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記ステータと前記ロータとがその軸方向において対向するように配設されてなるアキシャルギャップ構造としたことを特徴とするモータ。
  7. 請求項5又は6に記載のモータを備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  8. ホイールを回転させる請求項5に記載のモータを備えたインホイールモータ駆動装置。
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