JP2011134983A - シリコン半導体基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単結晶炭化シリコン層からなる半導体基板を製造する技術に関し、特にシリコン基板の表層部がさらに応力緩和炭化シリコン層を有する半導体基板を製造する技術を提供する。
【解決手段】下記のステップ:(1)シリコン半導体基板を用意し(2)シリコン基板内に炭素イオンを注入してケイ素と炭素の混在した炭素含有層を形成するステップと(3)基板を熱処理して炭素含有層を応力緩和炭化シリコン膜層と酸化膜キャップを形成するステップと(4)酸化膜キャップを除去するステップと(5)第2の酸化膜キャップを形成するステップと(6)応力緩和炭化シリコン膜層と第2の酸化膜キャップとの間のシリコン層に炭素イオンを注入して、ケイ素と炭素の混在した炭素含有層を形成するステップと(7)基板を熱処理して炭素含有層を結晶成長炭化ケイ素膜層とするステップと(8)基板の表面に形成された酸化膜キャップを除去するステップを順次実施する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単結晶炭化シリコン層からなる半導体基板を製造する技術に関し、特にシリコン基板の表層部がさらに応力緩和炭化シリコン層を有する半導体基板を製造する技術に関する。
炭化シリコンは、高いショットキー障壁、高い降伏電界強度及び高い伝熱性を併せ持っているため、パワーデバイス用の材料に適している。また炭化シリコンは、その格子定数が典型的なオプトエレクトロニクス用半導体材料である窒化物半導体の格子定数と近く、窒化物化合物半導体を低欠陥でエピタキシャル成長させることができるため、オプトエレクトロニクス用の材料に適している。係る単結晶炭化シリコンの製造方法は、単結晶成長法と薄膜エピタキシャル法が知られているが、6インチ以上の大面積の基板を実現することが難しく、基板が大変高価となる問題があった。また、単結晶炭化シリコン基板を6インチ以上の大面積において安価に実現する方法として、単結晶炭化シリコン層を表層に有する半導体基板の製造方法がすでに知られているが(特許文献1)、単結晶炭化シリコン層の厚さは50〜100nmの範囲のものが得られるにすぎない。
一方最近のオプトエレクトロニクス用半導体材料として、窒化ガリウム(GaN)を低欠陥で単結晶炭化シリコン層上に数μm程度エピタキシャル成長させた物が要求されるようになってきた。しかし係る厚さの窒化ガリウムエピタキシャル層は強い応力(内部歪み)を有し、GaN層の表面又は内部に亀裂が生じるという問題があった。
特開2007−339041
本発明は、窒化物を数μmエピタキシャル成長させても表面にクラックを生じない、シリコン基板の表層部に炭化シリコン層を有する半導体基板を製造する技術を提供する。
本発明者は上記課題が、窒化物を数μmエピタキシャル成長させるための単結晶炭化シリコン層の下部に、応力を緩和させるための炭化シリコン層を設けることで解決できることを見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明の製造方法は、シリコン基板の表層部が応力緩和炭化シリコン層を有する単結晶炭化シリコン層からなるシリコン半導体基板の製造方法であって、下記のステップを順次実施することを特徴とする:(1)シリコン半導体基板を用意し、(2)シリコン基板内に炭素イオンを注入して、シリコン基板内にケイ素と炭素の混在した第1の炭素含有層を形成する第1の炭素イオン注入ステップと、(3)前記シリコン基板を熱処理して、前記第1の炭素含有層を応力緩和炭化シリコン膜層と、第1の表面酸化膜キャップとからなるシリコン半導体基板を形成するステップと、(4)前記第1の表面酸化膜キャップを除去するステップと、(5)第2の表面酸化膜キャップを形成するステップと、(6)前記応力緩和炭化シリコン膜層と前記第2の表面酸化膜キャップとの間のシリコン層に炭素イオンを注入して、ケイ素と炭素の混在した第2の炭素含有層を形成する第2の炭素イオン注入ステップと、(7)前記シリコン基板を熱処理して、前記第2の炭素含有層を結晶成長炭化ケイ素膜層とするステップと、(8)前記シリコン基板の表面に形成された第2の酸化膜キャップを除去するステップ。
また本発明の製造方法には、上のステップ(3)で得られた基板30を、ステップ(5)で使用する基板50として使用する方法を含む。
さらに本発明は、2回目の炭素イオンの注入直後に、前記シリコン酸化層と前記単結晶炭化シリコン層の間の炭素含有層と前記シリコン酸化層との界面における前記炭素含有層側の炭素原子濃度が15atom%以上、かつ前記炭素含有層における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整することを特徴とする、シリコン半導体基板の製造方法である。
さらに本発明は、2回目の炭素イオンの注入直後に、前記シリコン酸化層と前記単結晶炭化シリコン層の間の炭素含有層と前記シリコン酸化層との界面における前記炭素含有層側の炭素原子濃度が25atom%以上であることを特徴とする、シリコン半導体基板の製造方法である。
さらに本発明は、前記炭素イオンの注入を前記シリコン基板を400℃以上1000℃以下の温度に加熱した状態で行うことを特徴とする、シリコン半導体基板の製造方法である。
さらに本発明は、前記シリコン基板がチョクラルスキー法もしくはフロートゾーン法により製造されたことを特徴とする、シリコン半導体基板の製造方法である。
本発明の方法により得られるシリコン基板の表層部に単結晶炭化シリコン層を有する半導体基板は、応力緩和のための炭化シリコン層を有し、表面の単結晶炭化シリコン上に窒化物を数μmエピタキシャル成長させてもエピタキシャル表面にクラックを生じない。
本発明の工程を示す。 図1の各工程における、シリコン半導体基板を示す。
(実施の形態の1)
次に本発明を実施するための形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。本発明の製造方法で得られるシリコン半導体基板80は次の特徴を有する。シリコン層1に応力緩和のための炭化シリコン層3と、単結晶窒化物を成長させるための表面単結晶炭化シリコン層8からなる。
ここで炭化シリコン層8とは、通常公知の単結晶性の炭化シリコン層である。炭化シリコン層は、高いショットキー障壁、高い降伏電界強度および高い伝熱性を有し、高耐圧パワーデバイス用の理想的な材料であり、炭化シリコンにより作られたデバイスは、強い負荷を与えられた場合においても過熱されにくく、高コストとなる外部冷却装置が不要となるため、スイッチング時間が短くより小さい軽量デバイスの製造が実現が可能となる。更に炭化シリコンは、その格子定数がシリコンあるいはサファイヤの格子定数と比較して、典型的なオプトエレクトロニクス用半導体材料、例えば窒化物化合物半導体の格子定数と近いため、オプトエレクトロニクスデバイスの製造に適している。このことは、炭化シリコン上に窒化物化合物半導体のエピタキシャル成長を行う場合の欠陥の回避に対して有利に作用する。
また、応力緩和のための炭化シリコン層3は、単結晶窒化物を成長させるための表面単結晶炭化シリコン層8の下側のシリコン層に形成され、表面単結晶炭化シリコン層8の上に窒化物(例えばGaN)をエピタキシャル成長させた際に蓄積される応力を緩和するものを意味し、例えば単結晶炭化シリコン内に非晶質炭化シリコンを有することにより、表面単結晶炭化シリコン層8に蓄積された応力を緩和することが可能となる。表面単結晶炭化シリコン層8の露出する表面の平坦性は大きくても0.5nmRMSの範囲である。
また本発明の製造方法で得られるシリコン半導体基板80には、通常の窒化物、例えばGaNを通常公知の方法・装置を用いることで約10μm程度の厚さにまで、表面クラック発生を抑制しながらエピタキシャル成長させることができる。
本発明の第1ステップ(S1)は、シリコン半導体基板10を用意する工程である。ここで本発明において使用可能な基板10は、シリコン層1を有する基板であって、そのサイズや形状には限定はされない。具体的には従来公知のSiCウェハ(単結晶炭化シリコン層を表面に有するシリコン基板)の製造のためのシリコンウェハが挙げられる。
本発明の第2ステップ(S2)は続く第3ステップ(S3)と併せていわゆるIBS−SiCプロセスとして知られている方法と同様の技術である(参考文献 J.K.N.LIndner, A.Frohnwieser, B.RauschenbachおよびB.Stritzker, Fall Meeting of the Materials Research Society,Boston,USA(1994),Mater.Res.Syn.Proc,Vol.354(1995),171)。第2ステップは、シリコン基板10のシリコン層1に、炭素イオンを注入して、炭素含有層2を形成する工程である。本発明において炭素含有層2の、炭素イオン注入位置、炭素イオン濃度、注入分布については特に制限はなく、続く熱処理の第3ステップにより、応力緩和炭化シリコン層3が形成されるものであればよい。
本発明において注入位置は好ましくは、基板10の表面から400〜500nmの深さに炭素イオン濃度のピークを選択することが好ましい。また注入濃度は炭素原子濃度の最大値を45〜55atom%の範囲とすることが好ましい。係る炭素イオン注入の条件により得られる炭素含有層2は、基板20の表面から300〜400nmの範囲の位置で、炭化シリコン層3となり、応力緩和のために最適となる。
本発明において炭素イオン注入の方法・装置については特に制限はなく従来公知の方法・装置が使用可能である(参考文献 J.K.N.LIndner, A.Frohnwieser, B.RauschenbachおよびB.Stritzker, Fall meeting of the Materials Research Society,Boston,USA(1994),Mater.Res.Syn.Proc,Vol.354(1995),171)。例えば、炭素イオンの注入エネルギーはおよそ170〜200keV、炭素イオンの注入量は7x1017〜8x1017cm−2が適当である。
本発明の第3ステップ(S3)は、第2ステップで形成された炭素含有層2をアニールして炭化シリコン層3とし、同時に表面に第1の酸化膜キャップを形成し、第1の酸化膜キャップ4と化シリコン層3との間にシリコン層11を設けた半導体基板30を得る工程である。係る熱処理は、炭素含有層2を炭化シリコン層3に変化させる条件であれば特に制限はなく、通常公知の方法が好ましく適用可能である(参考文献 特開2007−339041)。具体的には、1100℃以上シリコン融点未満の温度の0.5体積%程度の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中で基板20を熱処理する。この熱処理の所要時間は10時間程度である。かかる微量の酸素の添加は加熱炉を保護する目的でされている。このステップでの熱処理で同時に、露出する側のシリコン層1の表面が酸化され薄い酸化膜(第1の酸化膜キャップ4)が形成される。第1の酸化膜キャップ4の厚さは130〜140nm程度である。従って第3ステップで得られる基板30は、シリコン層1に、炭化シリコン層3、その上にシリコン層11、さらに薄い第1の酸化膜キャップ4からなる。
本発明の第4ステップ(S4)は、前記第1の表面酸化膜キャップ4を除去してシリコン層11を露出する工程である。ここで除去する方法および装置については特に制限はなく、通常公知のいわゆるシリコン半導体基板の表面のシリコン酸化膜を除去する方法であれば適用可能である。具体的には、乾式方法と、湿式方法とがありいずれの方法も適用可能である。本発明では特に湿式エッチングによる方法が好ましく、希フッ酸、あるいはフッ化アンモニウムなどが液相エッチャントとして利用可能である。この場合第4ステップには、エッチング後の半導体40をさらに洗浄するために純水で洗浄することも含まれる。
本発明の第5ステップ(S5)は、上で得られたシリコン表面11の表面に第2の表面酸化膜キャップ5を形成する熱処理工程である。かかる酸化膜キャップ5は、炭化シリコン層3との間に炭素含有層6を形成することのできる厚さであればよい。具体的には例えば炭素イオンの注入エネルギーとして100〜200keVを用いる場合、およそ250nm〜550nmの範囲の値から選定される。
本発明の第6ステップ(S6)は、得られたシリコン層11に第2の炭素イオン注入して炭素含有層6を形成する工程である。本発明の第2ステップと同様の条件を使用することができる。本発明において炭素含有層6の、注入位置、炭素イオン濃度、注入分布については特に制限はなく、続く熱処理の第7ステップにより、単結晶窒化物を成長させるための表面単結晶炭化シリコン層8が形成されるものであればよい。本発明において炭素イオンの注入直後に、炭素含有層6と第2の表面酸化膜キャップ5との界面(炭素含有層6側)における炭素原子濃度が15atom%以上、かつ炭素含有層6内における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整して、炭素イオンの注入を行う。
第2の表面酸化膜キャップ5/炭素含有層6界面(炭素含有層6側)の炭素原子濃度を15atom%以上とすることは、良好な表面粗さを実現するために、極めて重要である。第2の表面酸化膜キャップ5/炭素含有層6界面(炭素含有層6側)の炭素原子濃度が15atom%を下回ると、アニール後、単結晶炭化シリコン層8の上部に、ポリ炭化シリコン粒とSi結晶から成る遷移層が出現し始め、全工程完了後の表面粗さが劣化してしまう。一方、第2の表面酸化膜キャップ5/炭素含有層6界面(炭素含有層6側)の炭素原子濃度を15atom%以上とすれば、上記遷移層は消滅し、良好な表面粗さを実現することが可能である。
より好ましくは、良好な表面粗さを安定的に実現するため、第2の表面酸化膜キャップ5/炭素含有層6界面(炭素含有層6側)の炭素原子濃度を25atom%以上とすることが望ましい。
炭素含有層6内における炭素原子濃度の最大値を55atom%以下とすることは、単結晶炭化シリコン層8の結晶性を維持ために、極めて重要である。炭素含有層6内における炭素原子濃度の最大値55atom%を超えると、アニール後には、単結晶炭化シリコン層8内に微小炭素粒からなる欠陥が出現し、単結晶炭化シリコン層8の結晶性を劣化させる。一方、炭素含有層6内における炭素原子濃度の最大値を55atom%以下とすれば、上述の炭素粒の出現を抑制することが可能である。
より好ましくは、炭素粒の抑制を安定的に実現するため、炭素含有層6内における炭素原子濃度の最大値を50atom%以下とすることが望ましい。
炭素イオンの注入は、シリコン基板を400℃以上の温度に加熱した状態で行うことが望ましい。基板の加熱温度が400℃を下回ると、注入後に、炭素含有層6を構成する単結晶炭化シリコン粒の配向性が乱れるため、アニール後には、単結晶炭化シリコン層8の結晶性が乱れ、はなはだしい場合には、ポリ層となってしまうこともある。
より好ましくは、単結晶炭化シリコン層8の結晶性をさらに高めるため、シリコン基板を500℃以上の温度に加熱した状態で炭素イオンの注入を行うことが望ましい。
炭素イオンの注入は、シリコン基板を1000℃以下の温度に加熱した状態で行うことが望ましい。基板の加熱温度が1000℃を上回ると、注入後に、炭素含有層6を構成する単結晶炭化シリコン粒がデンドライド状に融合し、アニール後には、単結晶炭化シリコン層8の緻密性、均一性が損なわれる。
より好ましくは、単結晶炭化シリコン層8の緻密性、均一性をさらに高めるため、シリコン基板を800℃以下の温度に加熱した状態で炭素イオンの注入を行うことが望ましい。
係る炭素イオン注入の条件により得られる炭素含有層6は、基板70の表面から炭化シリコン層3までの間で、炭化シリコン層8となり、単結晶窒化物をエピタキシャル成長させるために最適な結晶性と表面粗さを有した単結晶炭化シリコンとなる。本発明において炭素イオン注入の方法・装置については特に制限はなく従来公知の方法・装置が使用可能である(参考文献 J.K.N.LIndner, A.Frohnwieser, B.RauschenbachおよびB.Stritzker, Fall Meeting of the Materials Research Society,Boston,USA(1994),Mater.Res.Syn.Proc,Vol.354(1995),171)。例えば、炭素イオンの注入エネルギーはおよそ100〜200keV、炭素イオンの注入量は7x1017〜8x1017cm−2が適当である。
本発明の第7のステップ(S7)は、第6ステップで形成された炭素含有層6をアニールして炭化シリコン層8とし、第2の酸化膜キャップ4と炭化シリコン層3との間に窒化物成長用炭化シリコン層8を設けた半導体基板70を得る工程である。係る熱処理は、炭素含有層6を単結晶炭化シリコン層8に変化させる条件であれば特に制限はなく、通常公知の方法が好ましく適用可能である。(参考文献 特開2007−339041)。具体的には、1100℃以上シリコン融点未満の温度の0.5体積%程度の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中で基板60を熱処理する。この熱処理の所要時間は10時間程度である。かかる微量の酸素の添加は加熱炉を保護する目的でされている。
本発明の第8のステップ(S8)は、基板70の表面の第2の酸化膜キャップを除去し、単結晶炭化シリコン膜8を露出した基板80を得る工程である。ここで除去する方法および装置については特に制限はなく、通常公知のいわゆるシリコン半導体基板の表面のシリコン酸化膜を除去する方法であれば適用可能である。具体的には、乾式方法と、湿式方法とがありいずれの方法も適用可能である。本発明では特に湿式エッチングによる方法が好ましく、希フッ酸、あるいはフッ化アンモニウムなどが液相エッチャントとして利用可能である。この場合第8ステップには、エッチング後の半導体80をさらに洗浄するために純水で洗浄することも含まれる。
(実施の形態の2)
図示はされないが、上で説明した本発明の方法に加えて、本発明の他の実施の態様として、本発明ステップ3(S3)で得られる基板30を、そのまま本発明のステップ5(S5)で得られる基板50として使用する態様である。この態様においては、本発明は、第1の酸化膜キャップが第2の酸化膜キャップに該当する。
ここでステップ3の熱処理の条件を制御することで容易に基板50として好ましい酸化膜キャップ5の厚さに調節することができる。具体的にはステップ3において、主に熱処理の時間、又は微量の酸素の量を制御することで可能である。具体的には、1100℃以上シリコン融点未満の温度の0.5体積%程度の酸素を含むアルゴンガス雰囲気中で基板20を約10時間熱処理することにより得られた基板30を引き続きたとえば1100℃の温度の100%酸素雰囲気中で約2時間〜約12時間の熱処理を行うことで、およそ250nm〜550nmの酸化膜キャップ5を形成することが可能である。
以下実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、このウェハに、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー200keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールした。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層129nm/シリコン層325nm/単結晶炭化シリコン層135nmとなった。その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。引き続きサンプルを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウェハ上に430nmの表面酸化膜を形成した。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層430nm/シリコン層134nm/単結晶炭化シリコン層135nmとなった。引き続きウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、表面酸化層と単結晶炭化シリコン層の間のシリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプル上に形成された酸化膜層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。この時の単結晶炭化シリコン層の厚さは201nmとなった。サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、0.43nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり13mm/mmとなった。
(比較例1)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、このウェハに、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー200keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールした。この時の、各層の厚さはそれぞれ表面酸化層130nm/シリコン層329nm/単結晶炭化シリコン層136nm厚となった。引き続き1100℃のドライ酸化雰囲気中で表面酸化膜、シリコン層を酸化し、同酸化によってサンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。その後、サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、3.6nmと大きく、直接GaNを成長させることが難しいため、CMP処理を行った。この時のサンプルの表面粗さは0.49nm、また単結晶炭化シリコン層の厚さは76nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり50mm/mmとなった。
(比較例2)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウェハ上に430nmの表面酸化膜を形成した。その後、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、表面酸化層の下に炭素含有層を形成した。注入後、サンプル上に形成された酸化膜層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。この時の単結晶炭化シリコン層の厚さは78nmとなった。サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、0.45nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり48mm/mmとなった。
(実施例2)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、このウェハに、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー200keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、引き続きサンプルを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウェハ上に550nmの表面酸化膜を形成した。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層550nm/シリコン層138nm/単結晶炭化シリコン層135nmとなった。引き続きウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー200keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、表面酸化層と単結晶炭化シリコン層の間のシリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプル上に形成された酸化膜層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。この時の単結晶炭化シリコン層の厚さは221nmとなった。サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、0.47nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり16mm/mmとなった。
(実施例3)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、このウェハに、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールした。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層132nm/シリコン層273nm/単結晶炭化シリコン層137nmとなった。その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。引き続きサンプルを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウェハ上に250nmの表面酸化膜を形成した。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層250nm/シリコン層164nm/単結晶炭化シリコン層137nmとなった。引き続きウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー100keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、表面酸化層と単結晶炭化シリコン層の間のシリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプル上に形成された酸化膜層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。この時の単結晶炭化シリコン層の厚さは217nmとなった。サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、0.49nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり18mm/mmとなった。
(実施例4)
直径150mmの(111)n型フロートゾーンシリコンウェハを用意し、このウェハに、ウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、シリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、引き続きサンプルを1100℃のドライ酸化雰囲気中で熱処理して、ウェハ上に400nmの表面酸化膜を形成した。この時の各層の厚さはそれぞれ表面酸化層400nm/シリコン層155nm/単結晶炭化シリコン層136nmとなった。引き続きウェハ加熱温度550℃、加速エネルギー180keV、ドーズ量7.5×1017/cmで炭素イオン(C+)注入を行い、表面酸化層と単結晶炭化シリコン層の間のシリコン基板内部に炭素含有層を形成した。注入後、サンプル上に形成された酸化膜層を、希釈フッ酸で除去した。引き続き、サンプルを縦型高温熱処理炉によって1350℃、Ar+0.5体積%O雰囲気中で10時間高温アニールし、その後、サンプル表面に形成された表面酸化膜を希釈フッ酸で除去した。この時の単結晶炭化シリコン層の厚さは214nmとなった。サンプルの表面粗さ(RMS)をAFMで評価したところ(測定面積10μm×10μm)、0.50nmとなった。その後、サンプルの表面にMOVPE(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)法を用いて1200℃の成長温度で6μmのGaN層を形成した。この時、GaN層に発生したクラックの長さは単位面積当たり19mm/mmとなった。
本発明の方法は、特にオプトエレクトロニクス用半導体材料の分野において利用する可能性が高い。
1 シリコン層
2 炭素含有層
3 応力緩和のための炭化シリコン層
4 第1の酸化膜キャップ
5 第2の酸化膜キャップ
6 炭素含有層
8 単結晶窒化物を成長させるための表面単結晶炭化シリコン層
11 シリコン層
10 ステップ1(S1)での基板
20 ステップ2(S2)での基板
30 ステップ3(S3)での基板
40 ステップ4(S4)での基板
50 ステップ5(S5)での基板
60 ステップ6(S6)での基板
70 ステップ7(S7)での基板
80 ステップ8(S8)での基板

Claims (5)

  1. 下記のステップを順次実施することを特徴とする、シリコン基板の表層部が応力緩和炭化シリコン層を有する単結晶炭化ケイ素層からなるシリコン半導体基板の製造方法:
    (1)シリコン半導体基板を用意し、
    (2)シリコン基板内に炭素イオンを注入して、シリコン基板内にケイ素と炭素の混在した第1の炭素含有層を形成する第1の炭素イオン注入ステップと、
    (3)前記シリコン基板を熱処理して、前記第1の炭素含有層を応力緩和炭化シリコン膜層と、第1の表面酸化膜キャップとからなるシリコン半導体基板を形成するステップと、
    (4)前記第1の表面酸化膜キャップを除去するステップと、
    (5)第2の表面酸化膜キャップを形成するステップと、
    (6)前記応力緩和炭化シリコン膜層と前記第2の表面酸化膜キャップとの間のシリコン層に炭素イオンを注入して、ケイ素と炭素の混在した第2の炭素含有層を形成する第2の炭素イオン注入ステップと、
    (7)前記シリコン基板を熱処理して、前記第2の炭素含有層を結晶成長炭化ケイ素膜層とするステップと、
    (8)前記シリコン基板の表面に形成された第2の酸化膜キャップを除去するステップ。
  2. 2回目の炭素イオンの注入直後に、前記シリコン酸化層と前記単結晶炭化シリコン層の間の炭素含有層と前記シリコン酸化層との界面における前記炭素含有層側の炭素原子濃度が15atom%以上、かつ前記炭素含有層における炭素原子濃度の最大値が55atom%以下になるようにイオン注入条件を調整する、請求項1に記載のシリコン半導体基板の製造方法。
  3. 2回目の炭素イオンの注入直後に、前記シリコン酸化層と前記単結晶炭化シリコン層の間の炭素含有層と前記シリコン酸化層との界面における前記炭素含有層側の炭素原子濃度が25atom%以上である、請求項2に記載のシリコン半導体基板の製造方法。
  4. 前記炭素イオンの注入を前記シリコン基板を400℃以上1000℃以下の温度に加熱した状態で行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコン半導体基板の製造方法。
  5. 前記シリコン基板がチョクラルスキー法もしくはフロートゾーン法により製造された、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコン半導体基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023132191A1 (ja) * 2022-01-05 2023-07-13 信越半導体株式会社 窒化物半導体基板及びその製造方法

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