JP2011127552A - コモンレール式燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧ポンプにより加圧された燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料を噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、前記インジェクタに侵入する金属片、金属粉などの異物量を削減することができるコモンレール式燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】
高圧ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料をエンジンの燃焼室に噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置と、を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、
前記コモンレール中又はコモンレールからインジェクタに至る流路中であって、前記高圧燃料が滞留する位置に、磁力により異物を吸着する磁石体を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、高圧ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料をエンジンの燃焼室に噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置と、を備えたコモンレール式燃料噴射装置に関するものであって、特に、前記インジェクタに侵入する金属片、金属粉などの異物量を削減することができるコモンレール式燃料噴射装置に関するものである。
ディーゼルエンジン用の燃料噴射装置の1つとして、コモンレール式燃料噴射装置が知られている。コモンレール式燃料噴射装置は、コモンレールと呼ばれる容器に高圧化した燃料を蓄え、該コモンレールからエンジンの気筒ごとに設けられたインジェクタへ高圧燃料を供給するものである。
コモンレール式燃料噴射装置では、燃料タンクに貯留された燃料を高圧ポンプで加圧し、該加圧した燃料をコモンレールに送って高圧状態で貯留し、エンジンコントロールユニット(Engine Control Unit:以下ECUと称する)からの指示により燃料噴射の必要があるインジェクタのノズルが開閉することで、当該インジェクタからコモンレールに貯留された燃料が噴射される。
コモンレール式燃料噴射装置を使用することで、エンジンの回転数に依存せずに燃料噴射の重要な要素である噴射圧力、噴射タイミングをそれぞれ独立に制御し、燃料の噴射量、噴射率を任意に調整することが可能であり、1燃焼サイクルにおける複数回噴射も可能となっている。さらに、高い圧力で噴射することで燃料が微粒化し、燃料と空気との混合性を向上させることも可能である。
しかしながら、コモンレール式燃料噴射装置を使用する際に、高圧ポンプの摺動面などで部品の剥がれや摩耗により発生する金属片や金属粉が燃料とともにインジェクタに流入する可能性がある。前記金属片や金属粉がインジェクタに流入することで、インジェクタの目詰まりが発生したり、インジェクタの摺動面の異常摩耗若しくは固着が発生する可能性がある。
そのため、コモンレール式燃料噴射装置を使用する際、製作時には各要素部品の清浄度管理の徹底が重要であるとともに、運用時には前記金属片や金属粉などが生じた場合であっても該金属片や金属粉がインジェクタに流入しない対策を実施する必要がある。
そこで、特許文献1には、燃料を噴射供給するインジェクタの内部に流入する燃料中に含まれる異物を除去するフィルタにおいて、磁力により異物を吸着する磁性体を有している燃料フィルタが開示されている。
特開2006−336594号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術においては、前記フィルタに捕集された金属片や金属粉、及びフィルタ付近に滞留した金属片や金属粉を前記磁性体によって吸着捕集できるものの、前記燃料とともに流動する金属片や金属粉を前記磁性体によって吸着捕集することは難しい。そのため、金属片や金属粉がインジェクタに侵入してしまう可能性がある。特に、前記フィルタで捕集できない細かな金属粉に関しては、燃料とともにインジェクタに侵入してしまう可能性が高い。
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、高圧ポンプにより加圧された燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料を噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、前記インジェクタに侵入する金属片、金属粉などの異物量を削減することができるコモンレール式燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明においては、高圧ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料をエンジンの燃焼室に噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置と、を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、前記コモンレール中又はコモンレールからインジェクタに至る流路中であって、前記高圧燃料が滞留する位置に、磁力により異物を吸着する磁石体を有することを特徴とする。
これにより、前記燃料が滞留する位置では、燃料はよどみ状態となり、よどみ状態の燃料中で金属片や金属粉などの異物は浮遊する。従って、該燃料が滞留する位置に前記磁力により異物を吸着する磁石体を有することで、燃料中で浮遊する異物を吸着捕集しやすくなる。
なお、磁石体は、前記コモンレールに貼り付けるなどして取り付けることもでき、コモンレール又は前記流路の一部を磁石体で構成することもできる。
前記磁石体を前記コモンレールから取り外し可能な部品に有するとよい。
これにより、前記磁石体で吸着捕集した異物量が増えたときに、前記磁石体を取り外して掃除又は交換することができる。従って、前記磁石体に吸着捕集により蓄積される異物量が増えることに伴う異物の捕集効率の低下や一旦捕集した異物が磁石体から剥がれることを防止することができる。さらに、前記吸着捕集した異物を磁石体を取り外して掃除又は交換するだけで捕集した異物を除去することができるため、捕集した異物の除去が容易となりメンテナンス性の向上が図れる。
また、前記磁石体を前記コモンレールの長手方向端部に設けたプラグに取り付ける、又は該プラグを磁石体で形成するとよい。
前記プラグは、従来のコモンレール式燃料噴射装置にも一般的に存在するものであり、前記磁石体を取り付ける又は該プラグを磁石体とすることで、コモンレールから取り外し可能な部品の点数を増やすことなく本発明の実施が可能となる。
また、前記コモンレールとインジェクタとを接続する配管に、ケーシングと、該ケーシングに形成された燃料の流出口と、中空部を有し前記コモンレールから中空部へ流入した燃料の圧力を受けて前記ケーシング内を摺動する弁体と、前記ケーシング内に形成され前記弁体が着座可能な形状を有する弁座と、前記ケーシング内に配され前記弁体を前記弁座から遠ざける方向に押圧する弾性体と、前記弁体に設けられた前記中空部と前記流出口とを連通する連通孔とを有するフローリミッタを設け、前記フローリミッタの少なくとも一部を磁石体で形成するとよい。
前記フローリミッタの少なくとも一部を磁石体で形成することで、金属片や金属粉などの異物をフローリミッタで高効率で吸着捕集することができる。これにより、コモンレールとインジェクタとを接続する配管に設けたフローリミッタで異物を捕集することができるため、インジェクタ内部に侵入する異物量を大幅に低減することができる。
さらに、フローリミッタはコモンレールから取り外し交換が可能な部品であるため、連通孔の近傍で吸着捕集され蓄積された金属片や金属粉などの異物量が多くなったときに前記弁体やフローリミッタ全体の掃除又は交換が可能である。
さらに、磁石体に捕集される異物の増加に従い、該異物により連通孔の流路が狭くなり、インジェクタからの噴射性能が低下する。つまり、噴射性能の低下により磁石体に捕集された異物量を推測することができ、弁体又はフローリミッタの適切な掃除又は交換の時期を判断することができる。
また、前記弁体の連通孔を構成する部分を磁石体で形成するとよい。
これにより、連通孔近傍に集中して異物が捕集されるため、磁石体に捕集される異物量と、該異物により連通孔が狭くなることに起因する噴射性能の低下との相関性が高くなる。従って、弁体又はフローリミッタのより適切な掃除又は交換の時期を判断することができる。
また、前記コモンレールに貯留された高圧燃料の圧力と、前記インジェクタに供給される高圧燃料の圧力との差圧を測定する差圧計を設けるとよい。
前記磁石体により捕集した異物量が増加すると、該異物の存在によりコモンレールからインジェクタに至る前記高圧燃料の流路の流路面積が狭くなりインジェクタからの燃料の噴射性能が低下すると予想されるが、前記差圧計により前記流路の通過前後の高圧燃料の差圧を計測することで、前記噴射性能の低下の原因となる前記磁石体に捕集されて蓄積した異物量を推測することができる。従って、前記差圧計を設け、前記磁石体に捕集されて蓄積した異物量を推測することで、弁体又はフローリミッタなどの磁石体の適切な掃除又は交換の時期を判断することができる。
以上記載のごとく本発明によれば、高圧ポンプにより加圧された燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料を噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、前記インジェクタに侵入する金属片、金属粉などの異物量を削減することができる。
実施例1におけるコモンレール式燃料噴射装置の全体構成図である。 実施例1におけるコモンレールを構成するブロックの1つの平面図であって、一部を断面で示したものである。 図2におけるA方向正面図であり、一部を断面で示したものである。 実施例2におけるコモンレールを構成するブロックの1つの正面図であって、一部を断面で示したものである。 実施例3におけるフローリミッタの断面図である。 図5におけるB部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
まず、図1、図2及び図3を用いて実施例1におけるコモンレール式燃料噴射装置の全体構成について説明する。
図1は、実施例1におけるコモンレール式燃料噴射装置の全体構成図である。
図1に示すように、実施例1におけるコモンレール式燃料噴射装置は、燃料タンク12、高圧ポンプ10、コモンレール2、フローリミッタ4、インジェクタ6及びECU18等を備えて構成されるものである。
高圧ポンプ10の吸入側は、低圧燃料配管11により燃料タンク12と接続されており、低圧燃料配管11には燃料タンク12側から順にフィードポンプ14及びフィルタ16が設けられている。
一方、高圧ポンプ10の吐出側は、コモンレール2に接続されている。コモンレール2は、図1に示すとおり、3つのブロック2a、2b、2cから構成されており、高圧ポンプ10の吐出側は、ブロック2aと接続されている。また、ブロック2aとブロック2bは配管23bで、ブロック2aとブロック2cは配管23cで接続されて、各ブロック2a、2b、2c間は流体(燃料)が自由に流通できるようになっている。なお、本実施例においては、コモンレール2は3つのブロック2a、2b、2cから構成されているものであるが、後述するように高圧ポンプ10により加圧された燃料を貯留することができるものであれば、1つ若しくは2つ又は4つ以上のブロックから構成されているものでもよい。
コモンレール2には、エンジンの気筒(不図示)に対応して設けられた1つ又は複数(図1においては6つ)のインジェクタ6が高圧燃料配管8により接続されている。本実施例1は、エンジンが6気筒であり、インジェクタ6をエンジンの気筒に対応して6つ設けた例を示している。
また、コモンレール2とインジェクタ6を接続する高圧燃料配管8には、それぞれフローリミッタ4が設けられている。フローリミッタ4は、コモンレール2とインジェクタ6とを連結する高圧燃料配管8からの燃料漏れや、インジェクタ6から過大な燃料噴射等が発生した場合に、高圧燃料配管8を遮断し、インジェクタ6への燃料の供給を停止するために設けられているものである。
また、インジェクタ6及び高圧ポンプ10の動作を制御するためのECU18が設けられている。ECU18は、センサ(不図示)などにより検出されたエンジン回転数、アクセル開度、コモンレール2内の圧力等の出力情報に基づいてインジェクタ6からの燃料噴射量、噴射タイミング等を決定し、インジェクタ6及び高圧ポンプ10の動作をフィードバック制御する。
図2は、実施例1におけるコモンレール2を構成するブロックの1つ(2c)の平面図であって、一部を断面で示している。また、図3は、図2におけるA方向正面図であり、一部を断面で示している。
図2及び図3において、21はコモンレール2のブロック2cへの燃料入口であって、図1に示したブロック2aとブロック2cを接続する配管23cのブロック2cとの接続部分に該当する。また、22はブロック2c内、即ちコモンレール2内の圧力を検知する圧力センサである。
コモンレール2を構成するブロック2cは内部に略円筒状の貯留空間25が形成されており、高圧ポンプ10によって圧送された高圧燃料は、貯留空間25内に貯留される。
また、貯留空間25の長手方向端部には、プラグ23が設けられており、貯留空間25は燃料入口21及びフローリミッタ4を介して接続される高圧燃料配管8以外には燃料の流通がないように構成されている。なお、プラグ23はコモンレール式燃料噴射装置全体の運転停止時には取り外し可能なものである。
さらに、本発明に特徴的な構成として、貯留空間25の内周壁全面に磁石24aが貼り付けて取り付けている。
なお、図2及び図3においては、コモンレール2を構成するブロック2cについてのみ説明したが、コモンレール2を構成するブロック2a及び2bについてもブロック2cと同様に、内部に前記高圧燃料を貯留する略円筒状の貯留空間が形成され、該貯留空間の内周壁全面に磁石が貼り付けて取り付けられている。
次に、図1、図2及び図3を用いて実施例1におけるコモンレール式燃料噴射装置の動作について説明する。
燃料タンク12内に貯留されている燃料は、フィードポンプ14によって吸引される。フィードポンプ14により吸引された燃料は、低圧燃料配管11を介して高圧ポンプ10へ送られる。高圧ポンプ10に送られた燃料は、高圧ポンプ10にて圧縮されて高圧化し、コモンレール2内に圧送される。
コモンレール2内に圧送された燃料は、コモンレール2内に高圧状態で貯留される。
コモンレール2内に貯留された高圧燃料は、ECU18の制御により、フローリミッタ4及び高圧燃料配管8を介して複数のインジェクタ6に分配される。インジェクタ6は、前記高圧燃料をECU18によって制御されるタイミングでエンジンの燃焼室(不図示)に噴射する。
以上の動作により、前記高圧燃料はECU18の制御により、エンジンの回転数に依存せずに燃料噴射の重要な要素である噴射圧力、燃料噴射量、噴射タイミング、噴射率などをそれぞれ独立に制御することが可能となる。
ここで、コモンレール2内に貯留される高圧燃料には、高圧ポンプ10の摺動部での部品の剥がれや摩耗により発生する金属片や金属粉、燃料タンク12内の錆びなどにより発生する金属片や金属粉などが混入している可能性がある。
この金属片や金属粉が混入している高圧燃料は、前述のようにECU18の制御によってインジェクタ6に分配されてエンジンの燃焼室に噴射されるまでの間は、コモンレール2内に貯留される。該貯留時においては、前記金属片や金属粉は貯留された高圧燃料中に浮遊して存在する。
コモンレール2内に貯留された高圧燃料中に浮遊して存在する金属片や金属粉は、コモンレール2の各ブロック2a、2b、2c内の貯留空間の内周壁全面に貼り付けて取り付けられた磁石に引き寄せられて吸着捕集される。特に、本発明においては、磁石を高圧燃料が滞留するコモンレール2の貯留空間25内に設けたため、磁石による前記金属片や金属粉の回収効率が高い。
これにより、高圧燃料配管8を通過してインジェクタ6内部に侵入する異物量を大幅に削減することができる。
実施例2におけるコモンレール式燃料噴射装置の全体構成は、実施例1で図1を用いて説明したコモンレール式燃料噴射装置と同様であるため、図1を実施例2におけるコモンレール式燃料噴射装置の全体構成図として流用し、その説明を省略する。
図4は、実施例2におけるコモンレール2を構成するブロックの1つ(2c)の正面図であり、一部を断面で示している。なお、図4において、図1〜図3と同一符号は同一物を表しており、その説明を省略する。
図4においては、図3に示した磁石24aに替えて、プラグ23の貯留空間25と対向する面の全体に磁石24bが貼り付けて取り付けられている。
プラグ23は、貯留空間25の長手方向端部に設けられているものであるから、磁石24bは、貯留空間25の長手方向端部に設けられることとなる。
なお、図4においては、コモンレール2を構成するブロック2cについてのみ説明したが、コモンレール2を構成するブロック2a及び2bについてもブロック2cと同様に、貯留空間25の長手方向端部に設けられたプラグの貯留空間25と対面する面の全体に磁石が貼り付けて取り付けられている。
磁石24bを設けることにより、コモンレール2内に貯留された高圧燃料中に浮遊して存在する金属片や金属粉は、コモンレール2の各ブロック2a、2b、2cの貯留空間の長手方向端部設けたプラグに貼り付けて取り付けられた磁石24bに引き寄せられて吸着捕集される。特に、該磁石24bは、高圧燃料が滞留するコモンレール2の貯留空間25内に位置するため、磁石による前記金属片や金属粉の回収効率が高い。
これにより、高圧燃料配管8を通過してインジェクタ6内部に侵入する異物量を大幅に削減することができる。
さらに、磁石24bがコモンレール2から取り外し可能なプラグ23に貼り付けて取り付けられている。そのため、プラグ23を取り外し磁石24bに吸着捕集され蓄積された金属片や金属粉などの異物を、磁石24bから取り除くことが可能である。磁石24bで回収した前記金属片や金属粉などの異物量が多くなったときに、プラグ23を取り外して磁石24bに蓄積された金属片や金属粉を取り除くことで、磁石24bに蓄積された金属片や金属粉が磁石24bから離れて高圧燃料配管8を通過してインジェクタ6内部に侵入することを防ぐことができる。さらに、前記プラグ23を取り外すだけで、磁石24bを掃除又は交換して捕集した異物を除去することができるため、捕集した異物の除去が容易である。
なお、本実施例2においては、磁石24bをプラグ23に貼り付けて取り付けたが、プラグ23自体を磁石体で形成しても同様の効果が得られる。
図5は、実施例3におけるフローリミッタ4の断面図である。
フローリミッタ4は、図5に示すように、ケーシング41、ケーシング41に形成されフローリミッタ内部の燃料を高圧燃料配管8へ導く流出口42、ケーシング41内部に収納されコモンレール2から中空部47へ流入した燃料の圧力を受けて摺動する弁体43、ケーシング41内に形成され弁体43が着座可能な形状を有する弁座44、ケーシング41内に配され弁体43を弁座44から遠ざける方向に押圧するバネ45を備えて構成されている。
弁体43は、先端部が弁座44に嵌合可能な形状に形成されている。また、弁体43の中空部47の先端部寄りの部分に、中空部47と弁体43外側の空間とを連通させる連通孔46が穿設されている。
フローリミッタ4では、コモンレール2からの高圧燃料が中空部47に流入すると、該高圧燃料が、弁体43をバネ45の押圧力に抗して弁座44方向に移動させ、中空部47から連通孔46を通り流出口42、高圧燃料配管8を経てインジェクタ6に流入する。
フローリミッタ4においては、コモンレール2から供給される燃料の供給がないか、極少量であるときには、図5に示したように弁体43は座部48に接した状態となっている。
また、コモンレール2から供給される燃料の圧力が所定値以上となったときには、弁体43の先端が弁座44に嵌合して着座し、インジェクタ6への燃料供給が停止されるようになっている。
上記構成のフローリミッタ4において、本発明の特徴的な構成として、弁体43を磁石体で形成している。
図6は、図5におけるB部拡大図である。図6に示すように、弁体43を磁石体で形成することで、前記金属片や金属粉などの異物100を連通孔46の近傍で高効率で吸着捕集することができ、高圧燃料配管8を通過してインジェクタ6内部に侵入する異物量を大幅に削減することができる。
さらに、フローリミッタ4はコモンレール2から取り外し交換が可能な部品である。そのため、連通孔46の近傍で吸着捕集され蓄積された金属片や金属粉などの異物100の量が多くなり、燃料の流れが阻害されて噴射性能が悪化した場合、コモンレール2からフローリミッタ4を交換すれば噴射性能を回復できる。また、一旦捕集した異物100が高圧燃料の流れとともに高圧燃料配管8を通過してインジェクタ6内部に侵入してしまうことを防止することができる。また、前記フローリミッタ4を交換するだけで捕集した異物を除去することができるため、捕集した異物の除去が容易である。
また、図6に示したような連通孔46の近傍で捕集される異物の増加に従い、該異物により連通孔46の流路が狭くなり、インジェクタからの噴射性能が低下する。つまり、弁体46を磁石体とすることで噴射性能の低下により磁石体に捕集された異物量を推測することができ、弁体又はフローリミッタの適切な交換の時期を判断することができる。なお、弁体43全体ではなく、弁体43のうち連通孔46を形成する部分のみ磁石体としておくと、前記金属片や金属粉などの異物は連通孔46近傍に集中して捕集されるため、磁石体に捕集される異物量と、該異物により連通孔が狭くなることに起因する噴射性能の低下との相関性が高くなる。従って、弁体又はフローリミッタのより適切な交換の時期を判断することができる。
さらに、図1に示したように、インジェクタ4に供給される高圧燃料の圧力と、コモンレール2内の高圧燃料の圧力との差圧を計測可能な差圧計30を設けることができる。連通孔46近傍に捕集した異物100の量が増加すると、異物100の存在により連通孔46を通過する燃料の流路面積が狭くなりインジェクタ6からの燃料の噴射性能が低下すると予想される。
そこで、前記差圧計により連通孔46の通過前後の高圧燃料の差圧を計測することで、連通孔46近傍に蓄積した異物100の量を推測することができる。
前記差圧計を設け、異物100の量を推測することで、フローリミッタ4の適切な交換時期を判断することができる。
また、差圧計30によって計測される差圧値をECU18に取り込み、該差圧値が一定値を超えたときにECU18からの指示により警報(不図示)を発するようにすることで、前記交換時期を確実に知らせることができる。
なお、前記差圧計は、コモンレール2に貯留された高圧燃料の圧力とインジェクタに供給される高圧燃料の圧力との差圧を測定するものとして、本実施例3のみならず、実施例1及び実施例2に係る実施形態においても同様に適用することができる。
なお、図5及び図6を用いて示した実施例3に係る実施形態は、単独で実施することもできるが、実施例1に係る実施形態又は実施例2に係る実施形態と併せて使用することもできる。
高圧ポンプにより加圧された燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料を噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、前記インジェクタに侵入する金属片、金属粉などの異物量を削減することができるコモンレール式燃料噴射装置として利用することができる。
2 コモンレール
4 フローリミッタ
6 インジェクタ
8 高圧燃料配管(コモンレールからインジェクタに至る流路)
10 高圧ポンプ
12 燃料タンク
18 ECU(制御装置)
23 プラグ
24a、24b 磁石
41 ケーシング
42 流出口
43 弁体
44 弁座
45 バネ
46 連通孔
47 中空部

Claims (6)

  1. 高圧ポンプにより加圧された高圧燃料を貯留するコモンレールと、該コモンレールに貯留された燃料をエンジンの燃焼室に噴射するインジェクタと、前記高圧ポンプ及びインジェクタの動作を制御する制御装置と、を備えたコモンレール式燃料噴射装置において、
    前記コモンレール中又はコモンレールからインジェクタに至る流路中であって、前記高圧燃料が滞留する位置に、磁力により異物を吸着する磁石体を有することを特徴とするコモンレール式燃料噴射装置。
  2. 前記磁石体を前記コモンレールから取り外し可能な部品に有することを特徴とする請求項1記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  3. 前記磁石体を前記コモンレールの長手方向端部に設けたプラグに取り付ける、又は該プラグを磁石体で形成することを特徴とする請求項2記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  4. 前記コモンレールとインジェクタとを接続する配管に、
    ケーシングと、該ケーシングに形成された燃料の流出口と、中空部を有し前記コモンレールから中空部へ流入した燃料の圧力を受けて前記ケーシング内を摺動する弁体と、前記ケーシング内に形成され前記弁体が着座可能な形状を有する弁座と、前記ケーシング内に配され前記弁体を前記弁座から遠ざける方向に押圧する弾性体と、及び前記弁体に設けられた前記中空部と前記流出口とを連通する連通孔とを有するフローリミッタを設け、
    前記フローリミッタの少なくとも一部を磁石体で形成したことを特徴とする請求項2又は3記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  5. 前記弁体の連通孔を構成する部分を磁石体で形成することを特徴とする請求項4記載のコモンレール式燃料噴射装置。
  6. 前記コモンレールに貯留された高圧燃料の圧力と、前記インジェクタに供給される高圧燃料の圧力との差圧を測定する差圧計を設けたことを特徴とする請求項1〜4記載のコモンレール式燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101417533B1 (ko) 2012-12-28 2014-07-08 르노삼성자동차 주식회사 커먼 레일의 금속 미세입자 제거장치
DE102016209413A1 (de) * 2016-05-31 2017-11-30 Robert Bosch Gmbh Kraftstoffdruckspeicher, Einspritzsystem mit einem Kraftstoffdruckspeicher und Verfahren zum Betreiben eines Einspritzsystems mit einem Kraftstoffdruckspeicher

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