JP2011123650A - 省エネルギー評価プラント模擬装置および省エネルギー評価方法 - Google Patents

省エネルギー評価プラント模擬装置および省エネルギー評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色々な運転パターン、各種プラント条件において、省エネルギーを評価する指標の値を算出し、省エネルギーの観点から運転パターンの評価を可能とする。
【解決手段】省エネ評価プラント模擬装置10は、シミュレーション実行要求を受け付けるシミュレータ操作手段11と、省エネ評価対象となるプラントの制御や監視を模擬するシミュレーション手段と、シミュレーション対象のプラントについて省エネパラメータに基づき模擬対象のプラント運転状況を省エネ面から評価する省エネ演算部24と、前記模擬・評価結果をユーザに提示する表示操作手段13を具備し、省エネ演算部24は、シミュレーション手段から得られたプロセス量から各省エネパラメータの値を求める省エネパラメータ算出部35と、算出された各省エネパラメータ値を所定時間省エネパラメータ毎に積算する省エネパラメータ積算部36を備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、様々な運転パターン、各種プラント条件において、予め規定した省エネ(省エネとは省エネルギーの略語であり、以下において同じ。)を評価できる指標(燃料・発電コスト・CO等の排出ガス削減量等)の値を算出することが可能な省エネルギー評価プラント模擬装置および省エネルギー評価方法に関する。
プラントを適切に稼動させるための操作は通常短期間では身に付けることができず、プラントの操作について訓練することが必要である。このような事情から、主にプラントの起動、停止操作やプラント事故の対処方法を訓練することを目的として、実際のプラントの動作を模擬したプラントシミュレータ装置(プラント模擬装置)が開発され、利用されている。プラントシミュレータ装置の一例としては、例えば、特許文献1に記載されるものがある。
一方、近年、地球温暖化問題等で省エネルギー化やCO排出削減が大きな課題となっており、各産業分野でその取り組みがなされている。プラントの運転についても、多大なエネルギーを消費し、CO等のガスを排出するため、できるだけ省エネルギーで環境負荷を抑えることが好ましいといえる。
特開2002−202809号公報
しかしながら、上述した特許文献1等に記載される従来のプラントシミュレータ装置では、プラント(例えば火力発電所のプラントを模擬したもの等)のシミュレータ装置で検証・模擬しているのみであって、省エネルギー(例えば、燃料・発電コスト・CO等の削減)についての考慮は一切なされていない。
地球温暖化問題等で省エネルギー化、CO排出削減が大きな課題となっている昨今において、同じ要求を満たすにしても、できるだけ省エネルギーで環境負荷を抑えることが求められている。すなわち、プラントの運転についても、需要と供給のバランスをとるのは当然として、同じ需要と供給のバランスをとるにしても、できるだけ省エネルギーで環境負荷を抑えるような運転をすることが求められている。
そこで、本発明は、上述した課題を考慮して、省エネルギー(燃料・発電コスト・CO等の削減)を評価できる指標を備え、色々な運転パターン、各種プラント条件において、これらの指標の値を算出することが可能な省エネルギー評価プラント模擬装置および省エネルギー評価方法を提供することを目的とする。
本発明に係る省エネルギー評価プラント模擬装置は、上述した課題を解決するため、プラントの制御や監視のシミュレーションを実行するときの入力操作を受け付けるシミュレータ操作手段と、省エネルギーを評価するプラントの制御や監視をシミュレーションするシミュレーション手段と、予め設定された省エネパラメータに基づいてシミュレーション対象となっているプラントの運転状況を省エネルギー面から評価する省エネルギー評価手段と、前記シミュレーション手段がシミュレーションした結果および前記省エネルギー評価手段が評価した結果を、シミュレーションする個々の運転パターンに対応する識別情報、当該運転パターンにおけるプラント条件および省エネパラメータを関連付けて保存する記憶手段と、シミュレーション手段がシミュレーションした結果および前記省エネルギー評価手段が評価した結果を提示する表示操作手段とを具備し、前記省エネルギー評価手段は、プラントのプロセス量と前記省エネパラメータとの関係を規定する数式情報に基づいて、前記シミュレーション手段がシミュレーションした結果として得られたプロセス量から各省エネパラメータを求める省エネパラメータ算出部と、前記省エネパラメータ算出部で演算された省エネパラメータを所定時間省エネパラメータ毎に積算する省エネパラメータ積算部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る省エネルギー評価方法は、上述した課題を解決するため、プラントの制御や監視のシミュレーションを実行するときの入力操作を受け付けるシミュレータ操作手段と、省エネルギーを評価するプラントの制御や監視をシミュレーションするシミュレーション手段と、予め設定された省エネパラメータに基づいてシミュレーション対象となっているプラントの運転状況を評価する省エネルギー評価手段と、前記シミュレータ演算手段がシミュレーションし評価した結果を提示する表示操作手段とを具備する省エネルギー評価プラント模擬装置を用いて、シミュレーションしたプラントの運転状況を評価する方法であり、前記省エネルギー評価手段が、シミュレーションしたプラントのプロセス量と前記省エネパラメータとの関係を規定する数式情報に基づいて、前記シミュレーション手段のシミュレーションした結果として得られたプロセス量から各省エネパラメータを求めるステップと、前記省エネルギー評価手段が、求めた省エネパラメータを所定時間省エネパラメータ毎に積算するステップと、前記省エネルギー評価手段が、求めた省エネパラメータ毎の積算結果を前記表示操作手段に表示するステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、燃料消費量、発電コスト、CO発生量(排出量)、熱効率、損失等の省エネルギーを評価できる指標を用意し、色々な運転パターン、各種プラント条件において、用意した省エネルギーを評価できる指標の値を算出することができるので、どのような運転パターンが省エネルギーとなるのかについて検討することができる。
本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置の装置構成例を示した概略図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置が行なう省エネパラメータ演算処理手順の処理ステップを示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置によって記録されるプラント運転記録のデータ形式の概念を示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置によって記録される省エネパターン履歴のデータ形式の概念を示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置が行なう損失演算処理手順の処理ステップを示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置が行なう省エネ運転評価比較演算処理手順の処理ステップを示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置が行なう再生運転データ切替処理手順の処理ステップを示した説明図。 本発明の実施形態に係る省エネ評価プラント模擬装置が行なうコスト演算処理手順の処理ステップを示した説明図。
以下、本発明の実施形態に係る省エネルギー評価プラント模擬装置および省エネルギー評価プラント模擬方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る省エネルギー評価プラント模擬装置(以下、「省エネ評価プラント模擬装置」と称する。)10の構成例を示す概略図である。
図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10は、例えば、コンピュータ(ハードウェア)と当該コンピュータを後述する手段として機能させる又は後述する処理手順を当該コンピュータに実行させるためのプログラム(以下、「省エネ評価プラント模擬PG」と称し、プログラムをPGと省略する。)とが協働することによって、その機能が実現される。
すなわち、図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10の一例では、省エネ評価プラント模擬PGを実行して上述した機能を発揮しているコンピュータと入出力インターフェイス(マン・マシンインターフェイス)を構成する装置とを情報の授受可能に接続することによって省エネ評価が可能なプラント模擬装置としての機能が実現される。
尚、以下の説明は、図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10が模擬するプラントを、例えば石炭焚き火力発電プラントとし、省エネパラメータを、例えばCO排出量とした場合の一例である(但し、別途事例を設定して説明している箇所についてはこの限りではない)。
図1に示されるように、省エネ評価プラント模擬装置10は、プラントの制御や監視を模擬するシミュレーションを実行したいユーザの入力操作を受け付けるシミュレータ操作手段11と、省エネルギーについて評価する評価対象となるプラントを模擬するとともに模擬したプラントの運転状況を省エネルギー面から評価するシミュレータ演算手段12と、シミュレータ演算手段12が模擬し評価した結果をユーザに提示する省エネパラメータ表示操作手段13とを具備する。
シミュレーション操作手段11は、制御用のスイッチ・計器類がまとめて備え付けられ、省エネ評価プラント模擬装置10の模擬するプラントの制御や監視を行なうための制御盤15と、モニタを有し当該モニタの画面を通して省エネ評価プラント模擬装置10の操作を行なうことができる対話表示装置16と、を備えて構成される。
シミュレータ演算手段12は、プラントの制御や監視を模擬するシミュレーション手段に加え、予め設定された省エネルギーを評価する指標に基づいてシミュレーション対象となっているプラントの運転を省エネルギー面から評価する省エネルギー評価手段をさらに備えて構成される。
より具体的には、シミュレータ演算手段12は、シミュレータ操作手段11との入出力のインターフェイスとしての役割を担うシミュレータ入出力部21と、模擬対象となるプラントの制御系の演算をする制御系演算部22と、当該プラントにおける動特性の演算をする動特性演算部23と、模擬対象となるプラントの運転結果に応じて省エネパラメータについて演算する省エネ演算部24と、省エネパラメータについての演算で使用する電子データを記録し格納する記録部25とを備えて構成される。
シミュレータ演算手段12のシミュレータ入出力部21は、シミュレータ操作手段11に入力された操作内容を受信し、受信した操作内容を制御系演算部22へ送信する。また、シミュレータ入出力部21は、制御系演算部22での演算結果をシミュレータ操作手段11へ送信する。
制御系演算部22は、模擬対象となるプラントにおける制御系の演算をする機能を有する。制御系演算部22は、蓄積された複数の運転パターンから再生する運転パターンを一つ選択し選択した運転パターンを再生する省エネ再生データ切替部31を備えており、この省エネ再生データ切替部31によって、再生する運転パターンを適宜切り替えて模擬対象となるプラントにおける制御系の演算をすることができる。
すなわち、省エネ再生データ切替部31は、シミュレーション操作手段11からシミュレータ入出力部21を介して入力された選択指令に基づき運転パターンを特定する機能と、複数の運転パターンの中から特定した一の運転パターンを再生する機能とを有しており、入力された選択指令に従って再生する運転パターンを切り替えることができる。
動特性演算部23は、模擬対象となるプラントにおける動特性として、プラント運転時の例えば、温度、圧力、電位、回転数等のプロセス量を演算する機能を有し、模擬するプラント運転時におけるプロセス量が演算される。模擬対象となるプラントの動特性演算部23の演算結果は、省エネ演算部24へ送られる。
省エネ演算部24は、省エネルギー評価手段に相当するものであり、省エネパラメータ算出部35と、省エネパラメータ積算部36と、損失演算部37と、省エネ運転評価値比較部38と、評価値切替部39と、省エネパラメータ換算部40と、を備える。また、記録部25は、省エネ演算部24が読み出し可能な状態で情報を記録し格納(保存)する記憶領域を有した記憶手段であり、この記憶領域に、プラント運転記録45と、省エネ運転記録46と、省エネパラメータ履歴47と、損失計算結果履歴48と、省エネ評価パラメータ49と、を記録し格納する。
省エネ演算部24の省エネパラメータ算出部35は、例えば、温度、圧力、電位、回転数等のプロセス量と、例えば、燃料消費量、CO発生量(排出量)、熱効率および損失等の省エネパラメータとの関係を規定する数式情報を有しており、演算結果として得られたプロセス量に基づいて、省エネパラメータについての値(以下、「省エネパラメータ値」と称する。)を求める機能を有する。
省エネパラメータ算出部35は、動特性演算部23から模擬対象となるプラントにおける動特性演算結果を受け取り、当該動特性演算結果としてのプロセス量に基づいて、CO発生量(排出量)、熱効率、燃料消費量等の設定された省エネパラメータについての省エネパラメータ値をそれぞれ算出することができる。省エネパラメータの算出結果は省エネパラメータ積算部36へ送られる。
省エネパラメータ積算部36は、省エネパラメータ算出部35で演算された省エネパラメータ値に基づいて、プラントの運転開始から停止迄等の所定時間における各省エネパラメータ値を積算する。そして、模擬する個々の運転パターンに対応する運転パターン識別情報としてのIDおよび一連の運転がなされた際のプラント条件とともに省エネパラメータの積算結果を省エネパラメータ履歴47として記録部25に保存する。
損失演算部37は、事故発生時の起動停止時など定常状態と異なる状態(以下、「異常時」と称する。)が生じることに伴う損失を演算する機能を有する。ここで、損失とは、事故等の異常の発生により発生させることが出来なかった物理量(例えば、熱量や発電量等)をいう。事故等により発生させることが出来なかった熱量(kJ)を例に説明すれば、定常状態と比較して発生熱量がどれだけ減少しているかが損失であり、損失演算部37は、発生熱量の減少量を損失として算出する。そして、演算結果を損失計算結果履歴48として記録部25に保存するとともに、省エネパラメータ表示操作手段13へ出力する。
省エネ運転評価値比較部38は、比較する同一の省エネパラメータについて、現在シミュレーションを実行中の省エネパラメータと過去に実行したシミュレーションにおける省エネパラメータとを比較する機能を有する。
省エネ運転評価値比較部38は、ユーザによって指定された比較相手となる過去のシミュレーション実行時の省エネパラメータの評価値(例えば、比較する省エネパラメータがCO発生量の場合はCO発生量)を省エネパラメータ履歴47を参照して抽出する一方、現在シミュレーションを実行し、記録部25に記録されている省エネパラメータから比較対象の省エネパラメータであるCO発生量の評価値(省エネパラメータ積算部36の出力値)を取得する。そして、省エネ運転評価値比較部38は、取得した二つの省エネパラメータ評価値を比較する。
また、省エネ運転評価値比較部38は、過去にシミュレーションを実行したもののうち、比較対象のパラメータについて最も省エネルギーに優れた(比較対象のパラメータがCO発生量の場合、CO発生量が最少となる)場合と比較する場合、比較の結果、比較対象であるCO発生量について現在シミュレーション実行中の運転パターンの方が少なくなる結果が得られた(省エネルギーとなる)場合、省エネ運転評価値比較部38が、この運転パターンをCO発生量が最少となる省エネ運転記録46として記録部25に保存する。
尚、省エネ運転評価値比較部38は、ユーザによって指定された過去のシミュレーション実行結果との対比が可能なように構成されるとしたが、比較対象となる過去のシミュレーション結果は比較する省エネパラメータについて最も省エネに優れた場合のシミュレーション結果となるように事前に又は事後的に設定することもできる。
また、省エネ運転評価値比較部38は、評価値切替部39から新たな比較対象へ変更する旨の指令を受け取った場合、当該指令に基づいて、新たな比較対象となったパラメータに対して、上述した処理を実行することになる。すなわち、現在シミュレーション実行中の運転パターンと、過去において最も省エネルギーとなる(評価が高くなる)履歴とを取り出して両者を比較し、現在シミュレーション実行中の運転パターンの方が高評価となる場合には、省エネ運転評価値比較部38が、この運転パターンを当該パラメータについて最も評価が高い省エネ運転記録46として記録部25に保存する。
尚、省エネパラメータ履歴47の比較については、プラントの状態遷移に関し、同じ目的を持つものの中で行なう必要があるため、模擬運転を行なう際に省エネ比較カテゴリーを指定し同一カテゴリーのデータの中での比較を行なうものとする。
評価値切替部39は、省エネ運転評価値比較部38が省エネ運転について評価する比較対象を変更する旨の要求を認識する機能と、省エネ運転評価値比較部38が行っている比較対象を認識した変更要求に基づく新たな比較対象に変更する指令を省エネ運転評価値比較部38へ送信する機能と、を有する。
すなわち、評価値切替部39は、省エネ運転評価値比較部38が省エネ運転の比較をする際に用いる省エネパラメータとして選択された一の省エネパラメータを予め設定された複数の省エネパラメータの中から特定し、特定した省エネパラメータによって省エネ運転評価値比較部38が省エネ運転の比較をするように省エネパラメータを切り替える。評価値切替部39は、省エネ運転評価値比較部38が現在行っている比較対象から、新たな比較対象へ変更する旨の要求を受け取ると、当該要求に基づいて新たな省エネ運転の評価比較対象に変更する指令を省エネ運転評価値比較部38へ送信する。
省エネパラメータ換算部40は、省エネパラメータ履歴47に対して省エネ評価パラメータ49から受け取った省エネ評価パラメータ(人件費、燃料単価、電力売買単価等)を使って全てをコスト金額に換算し、省エネ運転評価値比較部38に対しデータを引き渡すとともに、省エネ運転評価値比較部38の評価基準をコスト金額に変更し、引き渡したデータの比較を促すものである。
記録部25に格納されるプラント運転記録45は、例えば、バルブの開閉等のシミュレータ操作手段11で受け付けた操作内容を運転パターンとして保存したものである。プラント運転記録45は、模擬する個々の運転パターンに対応したIDが付され、模擬した各運転パターンを識別可能に保存される。
省エネ運転記録46は、プラント運転記録45のうち、省エネ運転評価値比較部38が選択された評価価値を比較した結果、最も評価の高い運転記録、すなわち、シミュレータ操作手段11での操作内容を保存したものである。例えば、省エネ運転の評価比較対象となるパラメータがCO発生量の場合には、CO発生量が最少となる運転パターンを最も評価の高い運転記録と判断され、省エネ運転記録46として保存される。尚、省エネ運転記録46は省エネ運転評価値比較部38が選択可能な評価価値毎に保存される。
省エネパラメータ履歴47は、省エネパラメータ積算部36が計算した個々の省エネパラメータの計算結果および模擬したプラント条件を模擬する個々の運転パターンに対応したIDとともに保存したものである。すなわち、省エネパラメータ履歴47は、模擬する個々の運転パターンに対応する識別情報と当該運転パターンにおけるプラント条件および省エネパラメータとが関連付けられて記録部25に保存される。
損失計算結果履歴48は、損失演算部37の損失演算の結果が損失演算部37によって保存されたものである。損失計算結果履歴48については、異常が発生した時刻および異常が解消した時刻とともに損失演算部37の演算結果損失演算部37の演算結果が保存される。尚、データ保存の際に発生した異常と関連付けた識別番号を付与してこれとともに保存することも可能である。
省エネ評価パラメータ49は、省エネパラメータ換算部40が省エネパラメータを評価するために行なう換算の際に用いるパラメータであり、例えば、人件費、燃料単価、電力単価等)を記録したものである。すなわち、省エネパラメータとは異なる方向から運転方法を評価するためのパラメータである。
省エネパラメータ表示操作手段13は、シミュレータ演算手段12から送られてくる情報、並びに、プラント運転記録45、省エネ運転記録46、省エネパラメータ履歴47、損失計算結果履歴48および省エネ評価パラメータ49に保存されている情報をモニタ上に表示する機能と、プラント運転記録45、省エネ運転記録46、省エネパラメータ履歴47、損失計算結果履歴48および省エネ評価パラメータ49について変更、削除等のデータ編集をする機能と、データに対する検索や印刷を行なう機能とを有するパラメータ表示・対話装置51を有して構成される。尚、パラメータ表示・対話装置51は、シミュレータ操作手段11の対話表示装置16と共用することもできる。
尚、図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10の構成は一例であり、必ずしも図1に示される構成に限定されない。実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化しても良い。
例えば、図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10では、制御系演算部22が省エネ再生データ切替部31を備えているが、省エネ再生データ切替部31を制御系演算部22と独立した構成要素として構成しても良い。また、後述する処理手順の一部を実施しない構成を採用し、当該実施しない処理手順で使用される構成を削除することもできる。さらに、図1に示されない出願時の周知・慣用技術を付加して省エネ評価プラント模擬装置10を構成することもできる。
次に、省エネ評価プラント模擬装置10の作用および省エネ評価プラント模擬装置10を用いたプラントの省エネルギー評価方法について説明する。
<省エネパラメータの演算>
図2は、省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法としての省エネパラメータ演算処理手順の処理ステップを示した説明図である。尚、図2に示される省エネパラメータ演算処理手順において直接関係しない構成要素および処理ステップについては省略する。
省エネ評価プラント模擬装置10は、シミュレータ演算手段12が省エネパラメータを演算することによって、模擬するプラントの条件が省エネルギーの観点から有効であるか否かを評価することができる。また、シミュレータ演算手段12による省エネパラメータ演算結果は、シミュレータ演算手段12から省エネパラメータ表示操作手段13へ出力されユーザに提示される。
図2に示される省エネパラメータ演算処理手順は、ユーザがシミュレータ操作手段11の対話表示装置16から各種プラント条件の設定を行なうと、当該設定内容を受け付けて処理ステップが開始される。
まず、省エネパラメータ演算処理手順では、シミュレータ操作手段11がユーザの制御盤15および対話表示装置16の操作によって入力された各種プラント条件の設定を含む制御盤15および対話表示装置16の操作内容に対応する指令をシミュレータ演算手段12へ送信する(ステップS1)。そして、シミュレータ演算手段12がシミュレータ操作手段11からの指令を受け取ると、受け取った指令に基づいて、模擬するプラントの状態を演算する。すなわち、模擬対象となるプラントの模擬運転を行なう(ステップS2,S3)。
より具体的には、シミュレータ入出力部21を経てシミュレータ演算手段12に送信された操作情報がシミュレータ演算手段12の制御系演算部22に入力され、制御系演算部22では、入力されたシミュレータ操作手段11からの操作情報と、動特性演算部23でのプラント動特性演算結果とに対応した制御系演算がなされる(ステップS2)。一方、図1に示されるように、制御系演算部22の演算結果は動特性演算部23に送信され、当該制御系演算部22の演算結果を考慮して模擬対象となるプラントの動特性演算がなされる(ステップS3)。
続いて、動特性演算部23がプラントの動特性演算を行なうと、その演算結果が動特性演算部23から省エネ演算部24へ送信される。省エネ演算部24では、省エネパラメータ算出部35が省エネ運転の評価比較対象として予め設定された各省エネパラメータに対して各省エネパラメータを算出し(ステップS4)、省エネパラメータ積算部36が算出された省エネパラメータについて各々積算して各省エネパラメータの積算値、すなわち、評価値を算出する(ステップS5)。
省エネ演算部24が各省エネパラメータの評価値を算出すると(ステップS4,S5)、省エネ演算部24は、各省エネパラメータの評価値を模擬する個々の運転パターンに対応する運転パターン識別情報としてのIDおよび算出時に使用した各種プラント条件とともに省エネパラメータ履歴47に記録する(ステップS6)。そして、ユーザからの要求があった場合、省エネ演算部24は算出した各省エネパラメータの評価値を省エネパラメータ表示操作手段13へ出力する(ステップS7)。
省エネパラメータ履歴47に登録され蓄積された各省エネパラメータは、省エネパラメータ表示操作手段13からIDやプラント条件をキーとして検索でき、必要に応じて表示したり印刷したりすることができる。
一方、制御系演算部22は、各省エネパラメータの評価値を算出した際の操作内容(履歴)を運転パターンとして記録し、記録したデータをプラント運転記録45として個々の運転パターンに対応したIDとともに保存する(ステップS8)。プラント運転記録45についても、ユーザからの表示等の要求があった場合、その内容を省エネパラメータ表示操作手段13に表示させることができる(ステップS9)。
続いて、プラントの模擬運転が終了すると、当該模擬運転のプラント運転記録45および省エネパラメータ履歴47の記録および保存が完了し、省エネパラメータの演算処理手順は終了する。
尚、図2に示される省エネパラメータ演算処理手順では、省エネ演算部24が算出した各省エネパラメータの評価値について、省エネパラメータ履歴47の記録および保存(ステップS6)の後になされているが、ステップS5の後であれば、ステップS6と同時又はそれ以前にステップS7が実行されても良い。図2以外に示される各演算処理手順においても、演算結果の記録および保存と同時又はそれ以前に当該演算結果が省エネパラメータ表示操作手段13に表示されても構わない。
記録部25に保存されるプラント運転記録45および省エネパラメータ履歴47のデータ内容について説明する。
図3はプラント運転記録45のデータ形式の概念を示した説明図であり、図4は省エネパターン履歴47のデータ形式の概念を示した説明図である。
プラント運転記録45は、図3に示されるように、模擬運転をする度に、模擬する個々の運転パターンに対応したIDが付与され、模擬運転毎の時刻および操作内容を示す情報が運転情報として記録される。また、省エネパターン履歴47は、図4に示されるように、模擬運転をする度に、模擬する個々の運転パターンに対応したIDが付与され、模擬運転時のプラント条件および省エネパラメータが模擬運転毎に記録される。従って、プラント運転記録45および省エネパラメータ履歴47に登録され蓄積されたプラント条件および省エネパラメータは、省エネパラメータ表示操作手段13からIDやプラント条件をキーとして検索できる。
<異常状態の発生に伴う損失の演算>
図5は、省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法としての損失演算処理手順の処理ステップを示した説明図である。尚、図5に示される損失演算処理手順において直接関係しない構成要素および処理ステップについては省略する。
図5に示される損失演算処理手順は、ユーザがシミュレータ操作手段11の対話表示装置16から損失演算処理手順の実行開始要求を入力し、対話表示装置16から損失演算処理手順の実行開始要求がシミュレータ入出力部21を介してシミュレータ演算手段12へ送られると、損失演算処理手順が開始される。
図5に示されるように、処理実行開始要求を受け付けた後(ステップS11)、損失演算部37が省エネパラメータ履歴47に保存された燃料消費量(kg/h)の情報を受け取り(ステップS12)、定常時と異常時との燃料消費量との差分△燃料消費量(kg/h)を計算し、この計算結果に燃料発熱量(kJ/kg)を掛け合わせることにより損失熱量(kJ)を算出する(ステップS13)。より詳細には、損失演算部37は、以下の式(1)および(2)の数式情報を格納しており、最終的に損失熱量(kJ)を算出する。
[数1]
△燃料消費量(kg/h)=定常時燃料消費量(kg/h)−異常時燃料消費量(kg/h)…(1)
損失熱量(kJ)=△燃料消費量(kg/h)×燃料発熱量(KJ/kg)…(2)
損失演算部37が損失熱量の算出を開始するタイミングは、ユーザが予め設定した任意のタイミングで行なうことができる。ユーザの操作に基づく処理開始要求をシミュレータ操作手段11から受け付けて損失演算処理手順を開始しても良いし、省エネパラメータ演算処理手順を開始すると同時にリアルタイムで損失熱量の算出処理(損失演算処理手順)を継続しても良い。また、例えば10分毎等の所定の間隔毎に損失熱量の算出処理を実行しても良い。
例えば、配管リークの事故発生を模擬した場合、その配管を流れる蒸気流量が下降していくが、訓練生が予備系統に切り替えるなどの復旧操作を行なうことで全体の蒸気流量が元の正常値に戻るような訓練を行った場合、損失演算部37は監視パラメータを蒸気流量として常時監視し、あらかじめ設定したしきい値を逸脱したタイミングで損失計算を開始し、再びしきい値に戻るまでの間、自動的に損失計算を行なう。
損失演算部37は、事故発生から復帰までの損失計算の他にも、プラント停止(解列)、起動(並列)に要する損失計算をすることもできる。損失演算部37の走行周期は省エネパラメータ積算部36により積算したデータのメッシュに応じた走行周期とする。例えば、省エネパラメータ積算部36が1分周期で積算結果を省エネパラメータ履歴47に保存する場合は、損失演算部37の走行周期も1分となる。
燃料消費量は単位時間当たりの流量で計算されるため、損失計算時に使用する場合は走行周期にあわせた値に換算して利用する。例えば、燃料消費量の単位がkg/hであり、省エネパラメータ履歴47に1分周期で保存されている場合には、走行周期にあわせて燃料消費量(kg/h)に1/60した値、すなわち、1分当たりの燃料消費量(kg/min)を使って損失計算を行なう。
損失演算部37が損失計算を行なうと、続いて、損失計算結果を損失計算結果履歴48として格納する(ステップS14)。また、損失演算部37は、省エネパラメータ表示操作手段13へ損失計算結果の情報を出力する(ステップS15)。すると、省エネパラメータ表示操作手段13は、受け取った損失計算結果を表示する。
尚、省エネパラメータ履歴47は訓練終了後も省エネパラメータを履歴管理して保存しているため、ある訓練時に保存した省エネパラメータ履歴47から任意の時間帯を指定(例えば、20:12〜21:45)することにより、過去にさかのぼって損失計算を行なうこともできる。
<省エネ運転評価値の比較および切替>
図6は、省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法としての省エネ運転評価比較演算処理手順の処理ステップを示した説明図である。尚、図6に示される省エネ運転評価比較演算処理手順において直接関係しない構成要素および処理ステップについては省略する。
図6に示される省エネ運転評価比較演算処理手順は、ユーザがシミュレータ操作手段11の対話表示装置16から省エネ運転評価演算処理手順の実行開始要求を入力し、対話表示装置16から省エネ運転評価演算処理手順の実行開始要求がシミュレータ入出力部21を介してシミュレータ演算手段12へ送られると、省エネ運転評価演算処理手順が開始される。
図6に示されるように、処理実行開始要求を受け付けた後(ステップS21)、省エネ運転評価値比較部38は、例えば、評価値の比較を行なう評価基準としてCO発生量が選択されている場合、省エネパラメータ履歴47から評価値の比較を行なう評価基準としてシミュレーション実行中のCO発生量と、同一の省エネ比較カテゴリー中で、過去において最もCO発生量の少なかった省エネパラメータの評価値を取り出して比較を行う(ステップS22)。
ステップS22の比較の結果、シミュレーション実行中のCO発生量の方が少なかった場合、その時の運転パターンデータをプラント運転記録45から省エネ運転記録46に保存する(ステップS23)。省エネ運転記録46に保存された運転パターンデータの内容は、パラメータ表示・対話装置51にて、表示して確認することができる(ステップS24)。尚、シミュレーション実行中のCO発生量の方が多かった場合、その時の運転パターンは、プラント運転記録45に保存される。この点は図2を引用して説明した通りである。
また、省エネ評価プラント模擬装置10は、省エネ運転評価比較演算処理手順を実行するにあたり、比較する評価値、すなわち、比較する評価基準を切り替えることができる。例えば、省エネ運転評価値比較部38は、一の評価基準(CO発生量)に固定して評価を行っていたが、評価値切替部39をさらに備えることにより、一の評価基準から他の評価基準に設定しての省エネ運転評価値の比較を可能とした。
設定された内容は、評価値切替部39に伝達され、評価値切替部39が、省エネ運転評価値比較部38の持つ評価基準を変更するとともに(ステップS31)、省エネパラメータ履歴47から新たに設定された評価基準に対応したシミュレーション実行中の省エネパラメータの履歴と、同一の省エネ比較カテゴリー中で、過去において当該評価基準に関し最も評価の高い省エネパラメータの履歴を取り出して(ステップS32)、省エネ運転評価値比較部38へ伝達し(ステップS33)、省エネ運転評価値比較部38での比較を促すものである。
省エネ運転評価値比較部38は変更された評価基準に関し、シミュレーション実行中の省エネパラメータ履歴の方が高い評価となった場合、その時の運転パターンをプラント運転記録45から省エネ運転記録46に保存する(ステップS23)。省エネ運転記録46に保存された運転パターンデータの内容は、パラメータ表示・対話装置51にて、表示して確認することができる(ステップS24)。
<再生する運転データの切替>
図7は、省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法としての再生運転データ切替処理手順の処理ステップを示した説明図である。尚、図7に示される再生運転データ切替処理手順においては、当該処理手順に直接関係しない構成要素および処理ステップについて省略する。
図7に示される再生運転データ切替処理手順は、シミュレータ操作手段11の対話表示装置16からユーザが再生運転データ切替処理手順実行開始要求を入力し、対話表示装置16から状態選択指令がシミュレータ入出力部21を介して省エネ再生データ切替部31へ送られると、再生運転データ切替処理手順が開始される。
図7に示されるように、再生運転データ切替処理手順では、処理実行開始要求を受け付けた後(ステップS41)、省エネ再生データ切替部31が受け取った状態選択指令に基づいて、プラント運転記録45および省エネ運転記録46に蓄積された複数の運転パターンから、選択指令に合致した運転パターン(運転状態)を抽出し(ステップS42)、再生データの切り替えを行なう(ステップS43)。省エネ再生データ切替部31によって再生データの切り替え、すなわち、選択指令に合致する運転パターンが選択されると、制御系演算部22は、選択された運転パターンに従い、種々の運転状態を切り替えながら模擬運転を再現するものである。
<コスト演算>
図8は、省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法としてのコスト演算処理手順の処理ステップを示した説明図である。尚、図8に示されるコスト演算処理手順において直接関係しない構成要素および処理ステップについては省略する。
図8に示されるコスト演算処理手順は、ユーザがシミュレータ操作手段11の対話表示装置16からコスト演算処理手順開始要求を入力すると、当該入力を受け付けてシミュレータ演算手段12がコスト演算処理手順を開始する。
図8に示されるように、コスト演算処理手順では、処理実行開始要求を受け付けた後(ステップS51)、省エネパラメータ換算部40が省エネ評価パラメータ49に格納される省エネ評価パラメータ(人件費、燃料単価、電力単価等)を読み出す(ステップS52)。そして、省エネパラメータ換算部40は、省エネパラメータ履歴47のデータに対し省エネ評価パラメータ49より受け取った省エネ評価パラメータを使って全てをコスト(金額)に換算する(ステップS53)。
省エネパラメータ換算部40は、ステップS53の換算が終わると、省エネ運転評価値比較部38に対しコスト換算後のデータを引き渡すとともに、省エネ運転評価値比較部38の評価基準をコスト金額に変更し、引き渡したデータの比較を促す(ステップS54)。以下の処理ステップについては、評価基準が金額になる点を除き、図6に示される処理手順のステップS22〜ステップS24と同様である。
すなわち、省エネ運転評価値比較部38は、コストに関し、データの比較を行い(ステップS22)、シミュレーション実行中の省エネパラメータ履歴の方が高い評価結果(コスト面で優位)となった場合、その時の運転パターンデータをプラント運転記録45から省エネ運転記録46に保存する(ステップS23)。省エネ運転記録46に保存された運転パターンデータの内容は、パラメータ表示・対話装置51にて、表示して確認することができる(ステップS24)。
省エネパラメータのみならず、コスト等の他の評価基準を適用した運転方法の評価を行えるようにしたのは、省エネルギーを実現するプラントの運転方法についてより多角的に評価できるようにすることによって、より客観的な評価をすることができるからである。例えば、CO排出量が最小となる運転方法(操作内容およびプラント条件)を発見した場合に当該運転方法を採用すると、他の運転方法と比較して人件費が約二倍になる場合、当該運転方法はユーザにとって必ずしも現実的に採用し得る運転方法ではなく、省エネ評価プラント模擬装置10および省エネルギー評価方法によって得られた評価結果が有名無実化してしまう場合が生じ得るためである。
上述したように、省エネ評価プラント模擬装置10がコスト演算処理手順を実行できることによって、省エネ評価プラント模擬装置10によって得られたプラント運転方法が省エネルギーの観点では優れているがコストの観点では劣るといった多角的な判断が可能となり、より合理的な評価をすることができる。
以上、省エネ評価プラント模擬装置10および省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法によれば、単なるプラントの模擬に止まらず、例えばCO排出量等の省エネパラメータも計算することができる。また、操作内容やプラント条件を変更しながら省エネ評価プラント模擬装置10を動作させる(運転する)ことによって、様々な条件での省エネパラメータを計算することができるので、より省エネルギーを実現する運転パターンについて検討することができる。
さらに、損失演算処理手順を実行することができるので、ユーザである訓練生自身が行った操作に対して損失熱量がリアルタイムにビジュアルに表示され、訓練生が行なった運転操作に対し、損失熱量を小さくするよう意識した訓練を行なうことができる。
また、複数用意された省エネパラメータから予め一の省エネパラメータ(例えば、CO排出量)を選択しておけば、様々な運転パターンを試す中で、選択された省エネパラメータに基づいて、より省エネルギー(CO排出量が少ない)と判断された運転パターンを、その都度、自動的に保存することができる。従って、試した運転パターンの中で最も省エネルギーな(CO排出量が少ない)運転パターンが自動的に保存されることになり、この運転パターンを実際のプラントに適用することで、プラント実機においても、より省エネルギーな(CO排出量が少ない)プラントの運転を実現できる。
さらに、省エネ運転の判断材料となる評価基準を複数用意し、適宜選択可能とすることで、一の省エネパラメータ(例えば、CO排出量)のみならず、様々な評価基準(例えば、燃料消費量、熱効率、損失等)に対して最も省エネルギーな運転パターンを都度自動的に保存することができるとともに、この運転パターンを実際のプラントに適用することで、プラント実機においても、より省エネルギーな運転を実現できる。
また、省エネ評価プラント模擬装置10および省エネ評価プラント模擬装置10が行なう省エネルギー評価方法によれば、省エネ評価プラント模擬装置10が複数の運転状態(n回分の模擬運転のプラント運転記録45(省エネ運転記録46を含む)と省エネパラメータ履歴47)を情報として保有しているので、一の運転状態についてのパラメータ履歴のみを有しているような従来のプラントシミュレータ装置等では成し得ない運転状態の切替および再生を実現することができる。すなわち、予め記録、評価、蓄積された複数の省エネ運転状態から再生するデータを選択し、切り替えることができる。
さらに、省エネパラメータ履歴47に格納された様々な運転パターンに対し、省エネ評価パラメータ(人件費、燃料費、電力単価等)を使ってコスト(金額)という省エネパラメータに依存しない他の評価基準を採用し得ることによって、共通の土壌で比較を行なうことができるだけでなく、より多角的な評価が可能となる。また、より多くの運転パターンでのシミュレーション結果からコスト金額という観点で最も優れた運転パターンを都度自動的に保存することもできるので、保存される運転パターンをプラント実機に適用することで、金額を最小限に抑えた運転を実現することができる。
尚、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化しても良い。また、図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10の全構成要素から幾つかの構成要素を削除したり、本出願時の周知・慣用技術である構成要素を適宜組み合わせたりすることによって、各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせた種々の発明を形成しても良い。
例えば、省エネパラメータを、例えばCO排出量等の単一の省エネパラメータに特化させる場合には図1に示される省エネ評価プラント模擬装置10から評価値切替部39を備えない構成も採用し得る。
10 省エネ評価プラント模擬装置
11 シミュレータ操作手段
12 シミュレータ演算手段
13 省エネパラメータ表示操作手段
15 制御盤
16 対話表示装置
21 シミュレータ入出力部
22 制御系演算部
23 動特性演算部
24 省エネ演算部
25 記録部
31 省エネ再生データ切替部
35 省エネパラメータ算出部
36 省エネパラメータ積算部
37 損失演算部
38 省エネ運転評価値比較部
39 評価値切替部
40 省エネパラメータ換算部
45 プラント運転記録
46 省エネ運転記録
47 省エネパラメータ履歴
48 損失計算結果履歴
49 省エネ評価パラメータ
51 パラメータ表示・対話装置

Claims (5)

  1. プラントの制御や監視のシミュレーションを実行するときの入力操作を受け付けるシミュレータ操作手段と、
    省エネルギーを評価するプラントの制御や監視をシミュレーションするシミュレーション手段と、
    予め設定された省エネパラメータに基づいてシミュレーション対象となっているプラントの運転状況を省エネルギー面から評価する省エネルギー評価手段と、
    前記シミュレーション手段がシミュレーションした結果および前記省エネルギー評価手段が評価した結果を、シミュレーションする個々の運転パターンに対応する識別情報、当該運転パターンにおけるプラント条件および省エネパラメータを関連付けて保存する記憶手段と、
    シミュレーション手段がシミュレーションした結果および前記省エネルギー評価手段が評価した結果を提示する表示操作手段とを具備し、
    前記省エネルギー評価手段は、プラントのプロセス量と前記省エネパラメータとの関係を規定する数式情報に基づいて、前記シミュレーション手段がシミュレーションした結果として得られたプロセス量から各省エネパラメータを求める省エネパラメータ算出部と、
    前記省エネパラメータ算出部で演算された省エネパラメータを所定時間省エネパラメータ毎に積算する省エネパラメータ積算部と、
    を備えることを特徴とする省エネルギー評価プラント模擬装置。
  2. 前記省エネルギー評価手段は、異常時に発生させることができなかった物理量を損失として演算する損失演算部を備えることを特徴とする請求項1記載の省エネルギー評価プラント模擬装置。
  3. 前記シミュレーション操作手段から入力された選択指令に基づき複数の再生可能な運転パターンの中から一の運転パターンを特定し、特定した運転パターンに再生する運転パターンを切り替える省エネ再生データ切替手段を具備することを特徴とする請求項1又は2記載の省エネルギー評価プラント模擬装置。
  4. 前記省エネルギー評価手段は、現在シミュレーションを実行し前記記憶手段に記録されている省エネパラメータのうち比較の対象となる省エネパラメータの評価値と前記記憶手段を参照し比較相手として選択された過去のシミュレーション実行時に保存された当該比較対象となるパラメータの評価値とを取得し、この取得した二つの評価値を比較する省エネ運転評価値比較部と、この省エネ運転評価値比較部が比較する際に用いられる省エネパラメータを、予め設定された複数の省エネパラメータの中から前記シミュレータ操作手段が受け付けた入力操作に基づき特定される一の省エネパラメータに切り替える評価値切替部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の省エネルギー評価プラント模擬装置。
  5. プラントの制御や監視のシミュレーションを実行するときの入力操作を受け付けるシミュレータ操作手段と、省エネルギーを評価するプラントの制御や監視をシミュレーションするシミュレーション手段と、予め設定された省エネパラメータに基づいてシミュレーション対象となっているプラントの運転状況を評価する省エネルギー評価手段と、前記シミュレータ演算手段がシミュレーションし評価した結果を提示する表示操作手段とを具備する省エネルギー評価プラント模擬装置を用いて、シミュレーションしたプラントの運転状況を評価する方法であり、
    前記省エネルギー評価手段が、シミュレーションしたプラントのプロセス量と前記省エネパラメータとの関係を規定する数式情報に基づいて、前記シミュレーション手段のシミュレーションした結果として得られたプロセス量から各省エネパラメータを求めるステップと、
    前記省エネルギー評価手段が、求めた省エネパラメータを所定時間省エネパラメータ毎に積算するステップと、
    前記省エネルギー評価手段が、求めた省エネパラメータ毎の積算結果を前記表示操作手段に表示するステップと、
    を備えることを特徴とする省エネルギー評価方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111433694A (zh) * 2017-11-29 2020-07-17 三菱日立电力***株式会社 运转条件评价装置、运转条件评价方法及发电设备的控制***
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