JP2011120553A - マンゴーの栽培方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、6月から7月の通常収穫期以外である、例えば、クリスマスシーズンにもマンゴーを収穫できるマンゴーの栽培方法を提供し、また、年間におけるマンゴーの生産性を高める栽培方法をも提供するものである。
【解決手段】マンゴーのハウス栽培において、マンゴーを植付けた栽培容器を、花芽分化を迎えた時期にハウス内から気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃のハウス内に戻してマンゴー果実を結実させることを特徴とするマンゴーの栽培方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハウス栽培されているマンゴーの木を栽培容器ごと、気温5℃以上15℃以下の場所に移動させ、花芽分化後、ハウスに戻してマンゴーの実を結実させることができるマンゴー栽培方法に関するものである。
近年、マンゴーは、非常に強い甘みと香りを有する果実として需要者の間で人気があり、また、生産者の側からすると高価格で販売することができる果実として注目されている。そこで、マンゴーを生産する農家は、より高品質で多くの収穫が効率よくできることを望んでいる。
マンゴーの木は、直根が10mにも達することがあり、通常、剪定等を行なわなければ、樹高20m以上にも育つ大木である。マンゴーの木は高温で適度な土壌水分があると、年に2〜3回の新梢の発生を繰り返して大木となる。マンゴーの木は、冬季の最低気温が5℃以下になると枯死してしまうため、日本においては、ビニルハウスなどのハウス栽培をすることが通常である。ハウスの棟高は、一般的には3.5m〜4.0mであるため、ハウスを壊さずに栽培するために、マンゴーの木を数回剪定する必要がある。また、35℃以上の高温になると、マンゴーの木は高温障害が出るので温度調整をする必要がある。
マンゴーは、完熟生産により6月から7月に収穫するのが最も一般的な栽培方法である。通常、この場合、マンゴーを収穫した後、マンゴの木が大木とならないようにするため枝を剪定し、気温を20℃〜30℃に調整して新梢の発生を2回行なわせ、樹勢の回復及び養分蓄積をおこなう。但し、3回目の新梢の発生をさせると養分蓄積がおこなわれず、先端に花がつかなくなり、果実の生産ができなくなる。その後11月頃、気温が15℃を下回ると花芽分化が始まる。2月頃、出蕾し始めるとハウスの気温を20℃〜25℃にし、3月頃の開花期から、4月頃からの果実肥大期にかけてハウスの温度を25℃〜30℃にする。気温が高いほど果実肥大が促進され、さらに果皮色もよくなる。また、マンゴーの葯の裂開には、20℃以上が必要であり、花粉管は25℃〜30℃でよく成長する。逆に、花粉は15℃以下の低温と35℃以上の高温では発芽が阻害され、10℃以下の低温に遭遇すると奇形になりやすくなり結実量が少なくなる。したがって、30℃までの高温に到らない地方では、ハウス栽培を用いるのが通常である。
マンゴーは、ウルシ科の植物であり、マンゴーの花は、房状の花序であって枝の先端部に着く。この花序の中に両性花と雄花があり、両性花が受粉して結実する。両性花の割合が10%以下になると結実数が減少するといわれている。マンゴーでは、開花した花の8〜13%で結実するが、ほとんどの果実は1週間以内に落果し、収穫まで至るのは1%以下といわれている。また、マンゴーの木は、元々乾燥に強い植物であるが、開花期以降の土壌乾燥は、落果や生育不良の原因になるので、灌水をまめに行う必要がある。
前述のように、ハウスを壊さずにマンゴーの木を栽培しなければならないので、マンゴの木の根を根域制限することが行なわれている。その一例として、ポットによる栽培が行なわれている。例えば、水切りを行い、樹木にストレスを与え、マンゴーの木の成長を抑制し、農園からイベント会場へ移動して、マンゴーの展示やもぎ取が可能となる方法が、先行技術として開示されている〔参考文献1〕。
特開2009−17828公報(〔0003〜0018〕、〔0027〜0028〕、〔図1〜3〕)
マンゴーは、一般に、気温を20〜30℃にして栽培し、11月頃に気温が15℃以下となると花芽分化が始まり、その後、暖房して再び気温を20〜30℃にして栽培栽培され、6月から7月に収穫される。よって、気温が高い夏季に、ハウス内の全てを冷房して、気温を15℃以下にしなければ花芽分化をすることはできないため、通常、クリスマスシーズンには、輸入品のマンゴー以外は出まわっていない。そこで、マンゴーが市場に出回りにくい他の季節、例えば、クリスマスシーズンにマンゴーを収穫することができれば、収穫されたマンゴーに付加価値をつけることが可能となる。しかし、花芽分化するためには気温を15℃以下にする必要があり、ハウス内の全部を暖房又は冷房するには、暖房設備と冷房設備との両方が必要となるので、設備費が過剰になり、さらに光熱費が増大する問題があった。
前記先行技術におけるポット栽培は、マンゴーの根域制限に用いられており、さらに、マンゴーが成熟すればイベント会場へ移動することが行われているが、ポット栽培をマンゴーの季節に拘らず栽培することや、マンゴー栽培の生産性を向上することについては未だ用いられていない。
本発明は、これらの問題を解決したものであって、6月から7月の通常収穫期以外である、例えば、クリスマスシーズンにもマンゴーを収穫できるマンゴーの栽培方法を提供し、また、年間におけるマンゴーの生産性を高める栽培方法をも提供するものである。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るマンゴーの栽培方法は、マンゴーの栽培において、マンゴーを植付けた栽培容器を、花芽分化を迎えた時期に気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃の温度地域に戻してマンゴー果実を結実させることを特徴とする。
この方法を採用することにより、新梢が2回発生し、それが充実して、花芽分化ができる状態のマンゴーの木を植付けた栽培容器を、気温が5〜15℃以下の施設内に移動させて、外気温に影響されることなく花芽分化を開始させることができる。そして、花芽分化後、気温が20〜30℃の場所にマンゴーを植付けた栽培容器を移動して、マンゴーの花を開花させ、受粉することによって、マンゴーの実を結実させることができる。このことにより、養分が備蓄され花芽分化できる状態にあるマンゴーの木を、季節に関係なく花芽分化をさせ、結実させることが可能となる。そのことにより、国内においてマンゴーがあまり出回らない季節にマンゴーを生産でき、より高値で販売することが可能となる。
本発明の請求項2に係るマンゴーの栽培方法は、マンゴーのハウス栽培において、マンゴーを植付けた栽培容器を、花芽分化を迎えた時期にハウス内から気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃のハウス内に戻してマンゴー果実を結実させることを特徴とする。
この方法を採用することにより、新梢が2回発生、伸長し、それが充実して、花芽分化ができる状態のマンゴーの木を植付けた栽培容器を、気温が5〜15℃以下の施設内に移動させて、花芽分化を開始させることができる。そして、花芽分化後、気温が20〜30℃の場所にマンゴーを植付けた栽培容器を移動して、マンゴーの花を開花させ、受粉することによって、マンゴーの実を結実させることができる。このことにより、養分が備蓄され花芽分化できる状態にあるマンゴーの木を、季節に関係なく花芽分化をさせ、結実させることが可能となる。そのことにより、国内においてマンゴーがあまり出回らない季節にマンゴーを生産でき高値で販売することが可能となる。また、ハウス内の全てに行き届くように冷房装置を設置した場合に比べて、マンゴーの栽培容器を移動して花芽分化の時だけ詰めて配置できるので、配置面積を小さくすることができ、これに対応する気温5〜15℃の温度施設が小容積な施設にすることで、冷房設備を小さくすることが可能となり、設備費や光熱費を抑えることができる。また、ハウス内のマンゴーの木をブロック毎に花芽分化の管理することも可能となり、即ち、ブロック毎に移動のタイミングを考えることで花芽分化の時期をずらすことができ、同じハウス内で栽培するマンゴーの収穫時期をブロック毎にずらすことも可能となる。さらに、ブロックを対象とする5〜15℃の温度施設を小規模にしたり、又は冷房運転を小規模にすることも可能となる。
本発明の請求項3に係るマンゴーの栽培方法は、前記栽培容器が花芽分化の時以外は農圃に埋設されていることを特徴とする。
この方法を採用することにより、ポット栽培に比べ、地表からの高さが同じマンゴーの木においては、ポットの高さ分だけマンゴーの木を大きくできるので、幹の太い丈夫なマンゴーの木を育てることができる。このことより、ポット栽培に比べ、枝を多く付けることができるのでマンゴーの収穫量を増やすことが可能となる。また、マンゴー栽培容器を農圃に埋めない場合に比して農圃土壌から養分及び水分の補給も十分可能となる。
また、マンゴーの栽培する農圃の土壌が、マンゴーを栽培することに適さない土壌である場合においても、栽培容器内の土壌のみを良質なものに置き換えるだけで、栽培が可能となり、栽培容器外の余分な土を入れ替える必要がない。したがって、効率よく土壌改良を行うことができるため、土壌改良する土量を必要最小限に抑えることが可能となる。
本発明の請求項4に係るマンゴーの栽培方法は、前記栽培容器を下方から温めることを特徴とする。
この方法を採用することにより、マンゴーの木の周りの気温だけを20〜30℃にする場合に比べて、栽培容器を温めて土壌温度を20℃〜30℃にすることにより、根も活性化することができ、効率よくマンゴーの果実肥大や樹勢回復を可能にする。また、加熱により栽培容器内の土壌中の病害虫の駆除も可能である。この方法において、土壌加熱装置を栽培容器の下に埋設して、栽培容器を温める場合においても、栽培容器を用いるために、直植えのマンゴーの木の場合と違い、土壌加熱装置の埋設位置を栽培容器の下に埋設すればよく、設置が容易であり、かつ、効率よく加熱することができる。
本発明の請求項5に係るマンゴーの栽培方法は、前記栽培容器が、断面が円形、長円形又は方形を有する箱体であって、抜き勾配を有する側部を有し、かつ、上部に吊り部を有することを特徴とする。
この方法を採用することにより、マンゴーの木を栽培している栽培容器の吊り部に、吊り上げ機を接続して、前記マンゴーの木を栽培している栽培容器を吊り上げることが可能となる。さらに、抜き勾配を有するため、空中に吊り上げる際の土壌と栽培容器との間の摩擦抵抗が少なくなり、土壌中から容易に抜くことができる。これにより、栽培容器を5〜15℃の温度施設へ移動して設置することが、人力に頼らず機械化することが可能で、移動作業を合理化することができる。また、万が一、マンゴーの木が枯れてしまっても、栽培容器内でマンゴーを栽培していると、栽培容器により根域が制限されるので、マンゴーの木の根が深くならず、また、吊り部を有することにより、容易に栽培容器ごと簡単に吊り上げることができ、マンゴーの木の入れ替えに手間がかからない。
本発明の請求項6に係るマンゴーの栽培方法は、前記栽培容器が、少なくとも底部又は前記側部に透水性を有するが、根を外方へ伸ばさない防根性を持たせたことを特徴とする。
この方法を採用することにより、栽培容器に透水性を有するため、根から吸収されなかった余剰水を栽培容器の外部に排水することができ、マンゴーの木の根腐れを防ぐことが可能となる。さらに、透水性を有するため、栽培容器外の土中水やその土中水に溶け込んでいる養分も栽培容器内に浸透してくるので、透水性のないポット栽培よりマンゴーの木の成長が早くなる。また、マンゴーの木の根域を制限しており、マンゴーの木の直根及び細根が栽培容器内に留まっているため、水遣りの際、その栽培容器内だけ水遣りを行なえばよく、根の張っていない容器外に水遣りをする必要がなく大変効率が良い。さらに、水遣り量に対する水分の無駄が少なく、水遣りの際の水量の管理が行い易くなる。
本発明に係る請求項1に記載のマンゴーの栽培方法によれば、養分が備蓄され花芽分化できる状態にあるマンゴーの木を、季節に関係なく花芽分化をさせ、結実させることが可能となる。さらに、国内においてマンゴーがあまり出回らない季節にマンゴーを生産でき高値で販売することが可能となる。
本発明に係る請求項2に記載のマンゴーの栽培方法によれば、、養分が備蓄され花芽分化できる状態にあるマンゴーの木を、季節に関係なく花芽分化をさせ、結実させることが可能となる。そのことにより、国内においてマンゴーがあまり出回らない季節にマンゴーを生産でき高値で販売することが可能となる。また、気温5〜15℃の温度施設を小さな施設にすることにより、冷房設備を小さくすることができ、設備費や光熱費を抑えることができる。さらに、花芽分化の時期をずらすことによって、同じハウス内で栽培するマンゴーの収穫時期をブロック毎にずらすことも可能となる。
本発明に係る請求項3に記載のマンゴーの栽培方法によれば、ポット栽培に比べ、マンゴーの木を大きくできるので枝を多く付けることができ、マンゴーの収穫量を増やすことが可能となる。また、効率よく土壌改良を行うことができるため、土壌改良する土量を必要最小限に抑えることが可能となる。
本発明に係る請求項4に記載のマンゴーの栽培方法によれば、効率よくマンゴーの果実肥大や樹勢回復をすることができる。また、加熱により栽培容器内の土壌中の病害虫の駆除も可能である。
本発明に係る請求項5に記載のマンゴーの栽培方法によれば、マンゴーの木を栽培している栽培容器を吊り上げることが容易となり、栽培容器の移動が楽になる。また、万が一、マンゴーの木が枯れてしまっても、容易に栽培容器ごと簡単に吊り上げることができ、マンゴーの木の入れ替えに手間がかからない。
本発明に係る請求項6に記載のマンゴーの栽培方法によれば、マンゴーの木の根腐れを防ぐことが可能となる。さらに、栽培容器外の土中水やその土中水に溶け込んでいる養分も栽培容器内に浸透してくるので、ポット栽培よりマンゴーの木の成長が早くなる。
本発明を実施するためのマンゴー栽培方法におけるフロー図である。 本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法であって、マンゴーの木を植付けた栽培容器を農圃に埋設している状態を示す斜視図である。 本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法であって、マンゴーの木を植付けた栽培容器を5〜15℃の温度施設内に移動して設置している状態を示す斜視図である。 本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法における、マンゴーの木を植付けている栽培容器の模式的断面図である。
本発明に係るマンゴーの栽培方法を実施するための形態について図1、2、3、4を用いて説明する。図1は、本発明を実施するためのマンゴー栽培方法におけるフロー図である。図2は、本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法であって、マンゴーの木を植付けた栽培容器を農圃に埋設している状態を示す斜視図である。図3は、本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法であって、マンゴーの木を植付けた栽培容器を5〜15℃の温度施設内に移動して設置している状態を示す斜視図である。図4は、本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法における、マンゴーの木を植付けている栽培容器の模式的断面図である。
図1は、本発明を実施するためのマンゴー栽培方法におけるフロー図であって、1年間のマンゴー栽培のサイクルと気温との関係を示している。本発明に係るマンゴーの栽培方法は、養分の蓄積が十分に行なわれ花芽分化ができる状態にあるマンゴーの木を、気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃の温度地域に戻してマンゴー果実を結実させるものであり、温度管理が本発明に係るマンゴーの栽培方法において大変重要である。ここで、前述のように気温を15℃以下にしなければ、マンゴーの木は花芽分化をすることはできないため、通常、クリスマスシーズンには、輸入品のマンゴー以外は出まわっていない。そこで、クリスマスシーズンにマンゴーを収穫することができれば、収穫されたマンゴーに付加価値をつけることが可能となる。そこで、本発明に係るマンゴー栽培方法の一例として、ハウス栽培におけるクリスマスシーズンにマンゴーを収穫する方法を、図1を用いて説明する。
ハウス内の気温を20〜30℃にして、2月頃に枝を1〜2伸長分剪定し施肥を行う。2月〜4月にかけて、ハウス内の気温を20〜30℃にしたまま散水量を多くして新梢を発生、伸長、充実させることを2回行って、養分の蓄積が十分にして、花芽分化ができる状態にする。その後、5月から7月にかけて、マンゴーを栽培している栽培容器ごと、吊り上げてハウスから気温が5〜15℃に設定されている温度施設内に移動させ、強制的に花芽分化を起こさせる。花芽分化が起こった後、マンゴーを栽培している栽培容器を再び元のハウス内に移動させて、元の場所に吊り降ろして設置する。マンゴーは、35℃以上の高温では花粉の発芽が阻害されるため、8月頃に出蕾期及び9月頃の開花期のハウスの気温を25〜30℃に調整する必要がある。さらに、10月から12月頃の果実肥大期もハウス内の気温を気温を25〜30℃に維持し、また、散水量を多めにして施肥を多くする。その後、12月から1月にかけてのクリスマスシーズン及び年末年始の時期にマンゴーが収穫され、国内産のマンゴーが出回らない時期に、高価格で販売することが可能になる。
図2は、花芽分化の時期以外における、マンゴーを植付けた栽培容器を農圃に埋設している状態を示す斜視図であり、マンゴーの木を植付けた状態の栽培容器1を農圃の土壌10に埋設して栽培している。新梢が2度発生、伸長、充実すれば、マンゴーの木2は花芽分化ができる状態になる。この時期に、マンゴーの木2を植付けた栽培容器1をクレーン6などの吊上げ機で栽培容器1の吊り部1−1にワイヤー5等を通して吊上げる。栽培容器1の側面は、抜き勾配αの角度を有するため、一度、農圃の土壌10から栽培容器1が動き出すと農圃の土壌10からの摩擦抵抗を受けずスムーズに吊上げることができる。なお、αはおよそ5〜10°である。
図3は、花芽分化の時期における、マンゴーの木を植付けた栽培容器を5〜15℃の温度施設内に移動して設置している状態を示す斜視図である。農圃の土壌10から吊上げられた後、栽培装置1は、トラックなどの輸送機械(図示しない)によって、気温が5〜15℃に設定された温度施設12に搬入され、クレーン6などの吊上げ機で栽培容器1の吊り部1−1にワイヤー5等を通して吊降ろして設置し、強制的に花芽分化が行われる。気温が5〜15℃であれば、高山地帯などに輸送してもよい。ただし、5℃以下になるとマンゴーの木が枯れてしまうおそれがあるので注意する必要がある。そして、花芽分化が起こったのち、気温が5〜15℃に設定された温度施設12から搬出され、再び元のハウス内の農圃の土壌10に埋戻される。ハウス内のマンゴーの木2を全て、同時に花芽分化を起こさせてもよいが、ハウス内のマンゴーの木2をいくつかのブロックに分けて、ブロック毎に花芽分化を起こさせたほうが、気温が5〜15℃に設定された温度施設12の規模を小さくすることができ、さらに、気温が5〜15℃に設定された温度施設12内にマンゴの木2を植付けた栽培容器1を設置するときに、栽培容器1同士の間隔をできるだけ詰めることによっても、温度施設12の規模を小さくすることができ、冷房施設の設備費を少なくすることができる。また、ブロック毎に花芽分化をさせることによって、開花の時期をずらし、その後の収穫の時期をずらすことが可能となり、クリスマスシーズンから、年明けにかけ収穫及び出荷することも可能となる。
図4は、本発明を実施するための形態に係るマンゴー栽培方法における、マンゴーの木を植付けている栽培容器の模式的断面図である。マンゴーの木2は、農圃の土壌10中に埋設された栽培容器1内の土壌11で栽培されている。マンゴーの木は、通常、大木になり、放置しておくと、ハウス(図示しない)の屋根を突き破って壊してしまう。ここで、本願発明に用いられる栽培容器1は、マンゴの木の根2−1の根域を制限するためにも用いられる。マンゴーの木の根2−1は、10m以上伸びることがあるが、栽培容器1があるために、マンゴーの木の根2−1は、栽培容器の外に出ることができず、それ以上長く伸びない。よって、マンゴーの木2の成長は抑制され、大木にならずにハウスを破壊することを防ぐことができる。
また、万が一、マンゴーの木2が枯れてしまった場合においても、吊り部1−1を有して抜き勾配αが設けられていることと、マンゴの木の根2−1も栽培容器1によって深く伸びることが妨げられていることより簡単に吊上げることができ、マンゴーの木2の入替も容易となる。また、農圃の土壌10に直植えする場合に比べて、栽培容器1を農圃土壌に埋設してマンゴーの木を栽培する場合は、農圃の土壌10がマンゴーの木2の栽培に適さない場合でも、栽培容器内の土壌11のみを良質な土壌にすればよく、土壌改良の土量を最小限に抑えることができる。さらに、ハウス内の栽培において、栽培容器1を農圃の土壌10に埋設してマンゴーの木2を栽培する場合は、埋設しない場合に比べ、栽培容器1の高さだけ地盤高を低くできそのため、同じハウスの屋根に対して、マンゴーの木2を高くできるので、その分マンゴーの木2の幹が太くすることができ、丈夫なマンゴーの木を育てることができる。
また、栽培容器1の側部又は底部の少なくともどちらか一方に透水性を有する透水孔1−2を設けている。これにより、灌水で余剰した水分を速やかに栽培容器1の外部に排出することができ、マンゴーの木2の根腐れを防ぐことができる。さらに、栽培容器1の内側には、透水性を有する透水性防根シート3を貼付しており、透水孔1−2から余剰水は排出できるが、マンゴーの木の根2−1が出ないようになる。さらに、栽培容器1内の土壌11に存在する水分や養分だけでなく、農圃の土壌10中の水分や養分が、透水性防根シート3を透過して栽培容器1内の土壌11中に入ってくることができるため、マンゴーの木2は、農圃の土壌10に埋設しないポット栽培より成長が早くなる。また、水遣りの際、栽培容器1内の土壌11だけに水遣りを行なえばよく、マンゴーの木の根2−1の張っていない栽培容器1外に水遣りをする必要がなく大変効率がよい。さらに、水遣り量に対する水分の無駄が少なく、水遣りの際の水量管理が行い易くなる。
また、栽培容器1の下部には、土壌加熱装置4を埋設することができる。土壌加熱装置4を用いて、土壌を加熱し、栽培容器内の土壌11の温度を20〜30℃にすることよって、気温のみを20〜30℃に温める場合よりマンゴーの木2の成長が早く、マンゴーの果実肥大が促進され、さらに果皮色もよくなる。また、土壌加熱装置4は、栽培容器1の真下に埋設しておけばよく、余計な場所に埋設する必要がなく効率がよい。また、マンゴーを植付けた栽培容器1を埋設する前や、花芽分化の時期の栽培容器1ごと移動させている期間中に、土壌加熱装置4で農圃の土壌10を加熱することによって、農圃の土壌10中に存在する病害虫も駆除することができる。
マンゴーだけでなく、低温及び高温への温度変化により花芽分化が誘因される栽培植物に利用することができる。
1:栽培容器 1−1:吊り部 1−2:透水孔
2:マンゴーの木 2−1:マンゴーの木の根
3:透水性防根シート
4:土壌加熱装置
5:ワイヤー
6:クレーン
10:農圃の土壌
11:栽培容器内の土壌
12:5〜15℃の温度施設
α:抜き勾配

Claims (6)

  1. マンゴーの栽培において、マンゴーを植付けた栽培容器を、花芽分化を迎えた時期に気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃の温度地域に戻してマンゴー果実を結実させることを特徴とするマンゴーの栽培方法。
  2. マンゴーのハウス栽培において、マンゴーを植付けた栽培容器を、花芽分化を迎えた時期にハウス内から気温5〜15℃の温度施設内に移動して花芽分化を行い、その後、気温20〜30℃のハウス内に戻してマンゴー果実を結実させることを特徴とするマンゴーの栽培方法。
  3. 前記栽培容器が花芽分化の時以外は農圃に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマンゴーの栽培方法。
  4. 前記栽培容器を下部から温めることを特徴とする請求項3に記載のマンゴーの栽培方法。
  5. 前記栽培容器が、断面が円形、長円形又は方形を有する箱体であって、抜き勾配を有する側部を有し、かつ、上部に吊り部を有することを特徴とする請求項3又は4に記載のマンゴーの栽培方法。
  6. 前記栽培容器が、少なくとも底部又は前記側部に透水性を有するが、根を外方へ伸ばさない防根性を持たせたことを特徴とする請求項5に記載のマンゴーの栽培方法。
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