<実施の形態1>
図1に、本発明の実施の形態1に係る面光源装置(面発光装置とも称する)50を概説する分解斜視図を示す。面光源装置50は、いわゆるサイドライト方式を採用している。
図1に例示の面光源装置50は、点光源100と、導光板200と、反射部材300,310とを含んでいる。なお、図1には3個の点光源100を例示しているが、点光源100の個数は1個、2個または4個以上であっても構わない。
<導光板200>
まず、導光板200を概説する。導光板200は、図1の例では、主面210,220と側面231〜234とによって構成される外形を有している。
主面210,220は、導光板200の内部を介して対向しており、板形状の表裏の関係を成している。なお、主面210,220の配列方向が導光板200の厚さ方向(板厚方向)に相当する。主面210,220は、ここでは、全面が単一の平面で構成され、平行を成しているものとする。
また、ここでは、主面210,220が同じ形状および同じ大きさを有している場合を例示する。また、主面210,220が長方形の場合を例示するが、主面210,220の形状は例えば正方形、四角形以外の多角形、円形、楕円形等であっても構わない。
主面210,200は、上記長方形を成す4つの辺(換言すれば4つの縁)の対応する辺どうしが導光板200の厚さ方向において並ぶように、位置している。
側面231〜234は、主面210,220の4辺に対してそれぞれ設けられ、主面210,220の対応する辺どうしを繋いでいる。上記のように主面210,220の対応する辺は導光板200の厚さ方向に並んでいるため、側面231〜234は主面210,220と直交している。
側面231〜234は主面210,220の周回方向において順次繋がっており、枠形状を構成している。この場合、側面231,233が導光板200の内部を介して対向しており、側面232,234が導光板200の内部を介して対向している。
なお、側面の数は、主面210,220の形状に応じて決まる。例えば主面210,220の形状が多角形である場合は、その多角形の辺の数と同じだけ側面が存在する。また、例えば主面210,220が円形、楕円形等の場合、側面の数は1つであると表現可能である。なお、円形、楕円形等の場合に倣い、主面210,220の形状に関係なく、主面210,220の周回を取り巻く一続きの面を「側面」と称することも可能である。
導光板200は、側面231において開口した凹み240を有している。特に、凹み240の開口部241は、側面231のみに存在し、主面210,220内まで広がっていない。図1の例では、点光源100の個数と同じ3個の凹み240が、側面231の長手方向、換言すれば主面210,220の周回方向に並んでいる。
凹み240の開口部241は点光源100に対向する位置にそれぞれ設けられている。換言すれば、開口部241に対向して点光源100がそれぞれ配置されている。凹み240については後に詳述する。
図1の例では凹み240は側面231にのみ設けられているが、凹み240を他の側面232〜234のいずれかに設けることも可能である。また、複数の凹み240を側面231〜234のうちの複数の面に分散して設けることも可能である。
ここで、図1の例において点光源100が配置されている側面231を「光源配置面231」とも称することにする。
また、導光板200は、点光源100から出射され凹み240内へ導入された光を、内部で散乱させて、主面210から面状の光として出力する。当該面状光は例えば液晶パネルのバックライトとして利用される。かかる点に鑑み、主面210を「前面210」と称し、これに対して主面220を「背面220」とも称することにする。
導光板200は、例えば透明なアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等によって構成可能である。また、凹み240を有した形状は、例えば射出成形技術を利用することによって形成可能である。但し、導光板200の材料および製造方法は、この例に限定されるものではない。
ここで、図2の上段に、導光板前面210から見た面光源装置50の一部拡大上面図を例示する。当該上面図は凹み240付近について例示されている。また、当該上面図中のA−A線における断面図を図2の下段に例示する。かかる断面は、点光源100の発光体110(後述する)を通り主面210,220および側面231に直交する平面である。なお、図2では反射部材300(図1参照)の図示が省略されている。図2も参照して説明を続ける。
<点光源100>
点光源100は、その発光部分(換言すれば発光領域)を導光板200の凹み240に向けた姿勢で、当該凹み240に近接配置されている。
より具体的には、点光源100は、発光部分(ここでは平面状を例示する)が凹み240の開口部241と同一平面上に、換言すれば光源配置面231と同一平面上に位置するように配置されている。あるいは、点光源100は、図2に例示されるように、発光部分が凹み240の内部に位置するように配置されている。
発光部分が凹み240の外部に位置する配置形態も可能であるが、上記の2つの配置形態によれば、点光源100から出射された光の全てを凹み240内に導入することができる。
点光源100は、例えば、不図示の基板に実装されている。この場合、当該実装基板の配置位置等の設定により、点光源100を上記の配置位置に支持することが可能である。
ここでは、点光源100がLED素子によって構成される場合を例示する。LED素子は、出力光を生成する発光体110としてLEDチップを有している。
LED素子の発光部分は蛍光ランプ等の発光部分に比べて十分小さいため、一般にLED素子は、蛍光ランプ等の線光源との対比において点光源と称される。しかし、LED素子に搭載されているLEDチップはさらに小さい。例えば日亜化学工業株式会社製のLED光源NS2W123BT_BLの場合、発光部分は2.6mm×1.5mmの大きさであるが、LEDチップ自体は0.3mm角の大きさである。
一般に、発光体110であるLEDチップは発光部分の中心に配置されており、図示の例でもこれに倣っている。また、図示の例では、点光源100は、導光板側面231に設けられている凹み開口部241の中心に設けられている。より具体的には、点光源100は、点光源100の中心に在る発光体110を開口部241の中心に一致させて配置されている。なお、図2では、LEDチップに対応する発光体110から出射される光を、いくつかの光線(黒塗り矢印付きの線を参照)で以て模式的に図示している。
なお、例えばEL(Electro Luminescence)発光体を有するEL素子で以て、点光源100を構成することも可能である。
<反射部材300,310>
反射部材300,310は、例えばポリエステル系樹脂を利用した反射シートを含んで構成されるシート状部材または板状部材である。
反射部材300は、その反射面を導光板200の光源配置面231に向けて、導光板200に近接配置されている。なお、反射部材300は光源配置面231に接触しているのが、より好ましい。図1の例では、反射部材300は、点光源100の配置領域を除いて、光源配置面231を全面的に覆うように広がっている。この場合、反射部材300は、点光源100とともに導光板凹み240の開口部241を覆うように、換言すれば開口部241を閉じるように配置されている。
反射部材310は、その反射面を導光板背面220に向けて、近接配置されている。なお、反射部材310は背面220に接触しているのが、より好ましい。図1の例では、反射部材310は、背面220を全面的に覆うように広がっている。
反射部材300,310は、ここでは正反射タイプと拡散反射タイプのいずれであっても良く、適宜選択される。例えば、拡散反射タイプは一般に安価であるため、コスト削減に貢献する。他方、正反射タイプは、反射光の指向性が求められる場合に好適である。なお、正反射タイプの反射シートには、多層膜構造の採用によって高い反射率が得られるものもある。
なお、導光板200の側面232〜234のそれぞれを、反射部材300,310と同様の反射部材で覆っても構わない。
また、光源配置面231上の反射部材300と、導光板背面220上の反射部材310と、導光板側面232〜234上の不図示の反射部材とは、図1の例示のように別々の部材として供給されても良いし、あるいは、これらのうちの複数が一体化した部材として供給されても良い。
反射部材300,310等は、導光板200から透過した光を導光板200の内部へ戻す役割がある。これにより、光の利用効率が向上する。具体的には、反射部材300,310等を設けなくても、導光板200内を進行する光は導光板表面210,220,231〜234で反射可能である。しかし、反射に伴って透過も生じる。したがって、そのような透過光を有効利用するため、すなわち光の利用効率を上げるため、反射部材300,310等を設けるのが好ましい。
なお、面光源装置50は、さらに、レンズシートや拡散板等の光学部材を導光板前面210上に有していてもよい。
<導光板凹み240>
図3に、導光板200の凹み240を概説する斜視図を示す。図3は、開口部241の側から凹み240を透視した図である。図3も参照しつつ説明を続ける。
凹み240は、図2中の上面図および図3から分かるように、導光板前面210(または背面220)の側から見た場合(換言すれば平面視(上面視とも称される)において)、点光源100から遠ざかる方向へ突出した湾曲形状をしている。より具体的には、凹み240の平面視形状は、開口部241を直線縁部として有し、当該直線縁部の両端を結ぶ湾曲縁部を有している。ここでは、湾曲縁部は円弧状をしている。なお、円弧状には、正円形の一部分のみならず、楕円形の一部分、さらにはこれらと同一視可能な曲線が含まれるものとする。
また、凹み240は、図1および図3から分かるように、光源配置面231の側から見た場合、四角形をしている。すなわち、凹み240の開口部241は四角形をしている。
また、凹み240は、図2中の断面図から分かるように、導光板側面234(または側面232)の側から見た場合、開口部241を直線縁部として有し、当該直線縁部の各端のそれぞれから導光板内部へ向けて延在し上記直線縁部の側(換言すれば点光源100の側)へ***した2つの***縁部と、当該2つの***縁部の端を繋ぐもう一つの直線縁部とを有している。なお、凹み240の奥側の直線縁部は、開口部241に対応する直線縁部よりも短いため、前者を短直線縁部と称し、後者を長直線縁部と称してもよい。
凹み240は、より具体的には、前面側斜面242と、背面側斜面243と、側壁面244とによって構成されている。これら3つの面242〜244は導光板200の内部に位置している。
前面側斜面242は、3つの面242〜244のうちで導光板前面210の側に位置する面である。前面側斜面242は、光源配置面231から(ここでは光源配置面231と前面210とが結合している辺から)、導光板200の内部へ向けて広がっている。また、前面側斜面242は、開口部241の側、換言すれば点光源100の側へ***した形状をしている。
背面側斜面243は、3つの面242〜244のうちで導光板背面220の側に位置する面である。背面側斜面243は、光源配置面231から(ここでは光源配置面231と背面220とが結合している辺から)、導光板200の内部へ向けて広がっている。また、背面側斜面243は、開口部241の側、換言すれば点光源100の側へ***した形状をしている。
これら2つの斜面242,243は、導光板主面210,220に平行を成し(換言すれば導光板200の厚さ方向に直交し)かつ凹み開口部241の中心を通る平面に関して、対称な曲面形状をしている。
斜面242,243は、導光板前面210の側から見た場合、上記の直線縁部と湾曲縁部とを提供する。また、斜面242,243は、光源配置面231の側から見た場合、四角形の開口部241の対向する2辺(主面210,220に平行を成す2辺)を提供する。また、斜面242,243は、導光板側面234の側から見た場合、上記***縁部を提供する。
斜面242,243の形状の具体例については後に詳述する。
側壁面244は、斜面242,243を繋いでいる面である。より具体的には、側壁面244は、開口部241を構成する部分を除いて、斜面242,243を縁取るように、かつ、主面210,220と直交するように、斜面242,243間に延在している。
側壁面244は、2つの直線縁部を光源配置面231に有し、導光板200の内部へ向けて湾曲している。当該2つの直線縁部は、主面210,220と直交する方向に延在している。また、側壁面244の湾曲形状は、斜面242,243の上記湾曲縁部の形状に従っている。
側壁面244は、導光板前面210の側から見た場合、上記湾曲縁部を提供する。また、側壁面244は、光源配置面231の側から見た場合、四角形の開口部241の対向する2辺(斜面242,243が提供する2辺以外の辺)を提供する。また、側壁面244は、導光板側面234の側から見た場合、上記の短直線縁部および長直線縁部を提供する。
以下に、前面側斜面242の形状について説明する。なお、背面側斜面243は上記のように所定平面に関して前面側斜面242と対称な形状をしているため、ここでは背面側斜面243の形状についての詳述は省略する。
図4に、点光源100中の発光体110から出射された光の光路を概説する図を示す。図4は、図2中の断面図に相当し、発光体110を通り主面210,220および側面231に直交する平面について図示されている。図4には、発光体110からの出射光が導光板200(図2参照)へ進入し、導光板前面210(図2参照)で反射される様子が模式的に図示され、かかる光路が1本の光線(黒塗り矢印付きの線を参照)で代表的に例示されている。
ここで、図4中に符号245で示す要素は、前面側斜面242(図2参照)の形状に応じて決まる仮想的な平面である。より具体的には、当該平面245は、前面側斜面242上の或る地点において前面側斜面242に接する平面(いわゆる接平面)である。当該地点は前面側斜面242上に任意に選定され、任意地点のそれぞれについて平面245が規定される。図4では、発光体110からの出射光が前面側斜面242へ入射する地点について、接平面245が図示されている。
また、図4において、αは、発光体110から出射される光の出射角度である。出射角度αは、出射正面方向、すなわち光源配置面231(図2参照)の法線方向を基準(α=0°)にして規定される。
また、βは、発光体110からの出射光が前面側斜面242へ入射する地点における上記接平面245の傾斜角度である。傾斜角度βは、前面210(または背面220)に対して成す角度として規定される。傾斜角度βは、前面側斜面242の曲面形状を表す特性値として把握することが可能である。
また、θ1およびθ2は、発光体110からの出射光が前面側斜面242を透過する際の入射角度および出射角度(屈折角度とも称される)である。これらの角度θ1,θ2は、入射地点における上記接平面245の法線方向(すなわち入射地点における前面側斜面242の法線方向)を基準(θ1,θ2=0°)にして規定される。
また、γは、前面側斜面242を透過した光が導光板前面210へ入射する際の入射角度である。入射角度γは、導光板前面210の法線方向を基準(γ=0°)にして規定される。なお、角度γは、前面210へ入射した光が前面210で反射する際の反射角度でもある。
なお、α,β,γ,θ1,θ2はいずれも、理論上は0°以上90°以下の値をとりうるが、実際には例えば上限値が90°よりも小さい場合もある。例えば発光体110からの出射角度αは、点光源100の指向性に応じた所定範囲内の値になる。また、αのとりうる範囲が他の角度の範囲に影響を及ぼす場合もある。
図4において破線で示される補助線も参照すると、θ1を内角の一つとする三角形について、次の式(1)が成り立つ。
(180°−β)+θ1+(90°−α)=180° …(1)
この式(1)を整理すると、式(2)が得られる。
θ1=β+α−90° …(2)
ここで、空気の屈折率に対する導光板200の相対的な屈折率をnとすると、フレネルの公式により、次の式(3)が成り立つ。
n=sinθ1/sinθ2 …(3)
また、γを内角の一つとする三角形について次の式(4)が成り立つ。
γ+θ2+(90°−β)=90° …(4)
この式(4)を整理すると、式(5)が得られる。
γ=β−θ2 …(5)
ここで、前面側斜面242に対応する接平面245の傾斜角度βを調整することにより、発光体110から出射角度αで出射した光線を導光板前面210において全反射させることが可能である。前面210における全反射によれば、より多くの光を導光板中央の側へ導いて有効に利用することができる。かかる観点に鑑みて傾斜角度β、すなわち前面側斜面242の曲面形状が規定されている。
より具体的には、上記の式(2),(3),(5)に基づいて、前面210への入射角度γが全反射を起こす臨界角度(γcとする)以上になるように、前面側斜面242上の各地点(より具体的には出射角度αに応じて決まる各地点)の傾斜角度βが規定されている。
図5に、上記の式(2),(3),(5)に基づいて求められた上記角度α,βの相関グラフを示す。当該グラフ中の特性線は上記角度γが全反射臨界角度γcに等しい場合(γ=γc)、すなわち角度γが全反射臨界条件を満たす場合を示している。また、当該特性線の上側の領域がγ>γcの場合に対応し、下側の領域がγ<γcの場合に対応する。つまり、角度α,βが特性線上および特性線の上側の領域に対応する関係を満たすことによって、導光板前面210で全反射を起こすことが可能である。
例えば、発光体110からの出射角度αが30°の場合、前面側斜面242の傾斜角度βが約13°以上であれば全反射が生じる。また、例えば、前面側斜面242の傾斜角度βが50°の場合、発光体110からの出射角度αが約55°以下であれば全反射が生じる。
かかる点に鑑みれば、発光体110からの出射光だけでなく、発光体110からずれた地点から出射される光も含めて、前面側斜面242の同じ地点を透過する光を全反射させることも可能である。
但し、発光体110を含めて発光部分の全域について全反射を起こさせるのは難しい場合がある。この場合、発光体110からの出射光を全反射させる条件を優先するのが好ましい。なぜならば、一般に、発光体110からの出射光は、他の地点から出射される光に比べて光量が多いので、光利用効率の向上に大きく貢献しうるからである。
図6に、γ=γcの場合の前面側斜面242の形状を概説する図を示す。図6では、図2中の断面図および図5と同様に選定される平面に、発光体110の位置を原点とする座標系を適用している。この場合、縦軸の位置は光源配置面231(図1参照)の位置、換言すれば凹み開口部241(図1参照)の位置に対応する。また、縦軸の延在方向は導光板200の厚さ方向に対応し、横軸の延在方向は凹み240の奥行き方向に対応する。
図6において、太い実線による曲線は前面側斜面242の断面形状を表している。また、原点から放射状に伸びる線(黒塗り矢印付きの線)は、発光体110から出射された光の光路を模式的に表している。かかる光路は出射角度α=10°,20°,30°,40°,50°,60°,70°,80°について例示されている。なお、図面を見やすくするために、光線を表す線の線種を適宜異ならせている。
縦軸および横軸が示す物理量は長さであるが、図6では任意単位、換言すれば相対値を採用している。このため、縦軸および横軸の目盛りを、例えばミリメートル(mm)を適用して読んでもよい。この例によれば、図6に図示された前面側斜面242は、導光板厚さ方向において発光体110から前面210の側に3mm離れた地点から、導光板200の内部へ広がり、奥行き2.8mmの地点まで続いていると、表現されることになる。なお、この場合、奥行き2.8mmの地点に側壁面244(図2参照)が設けられることになる。
図5および図6によれば、出射角度αが小さくなるほど、前面側斜面242の傾斜角度βは小さくなる。このため、傾斜角度βは、凹み240の奥へ向かうほど、小さくなる。また、傾斜角度βの変化量は、凹み240の奥へ向かうほど、小さくなる。したがって、凹み240の奥へ向かって、緩い傾斜が持続することになる。
凹み240の奥行き寸法は種々の観点から決定することが可能である。例えば、より多くの光を前面側斜面242へ入射させるためには、凹み240の奥行きは深いほど好ましい。これに対し、導光板200の狭額縁化を図るためには、凹み240の奥行きが深すぎるのは好ましくない。このため、例えば、両者を比較考量して、凹み240の奥行き寸法を決定することが可能である。その結果得られた寸法の一例が上記の奥行き2.8mmである。
ここで、図6では導光板前面210への入射角度γが全反射臨界角度γcに等しい場合(γ=γc)を例示したが、γがγcに近いとリンギング等の問題が発生しやすいと考えられる。このため、γとγcの差Δγ(=γ−γc)が大きくなるように、前面側斜面242の傾斜角度βを設定するのが好ましい。
<面光源装置50が奏する効果>
上記構成によれば、導光板200の凹み240は導光板前面210においては開口しておらず、点光源100から凹み240内を見た場合、前面210の側に前面側斜面242が存在する。このため、点光源100からの出射光は、そのような開口から漏れることがなく、前面側斜面242から導光板200内へ進入する。したがって、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。
また、上記開口から漏れる光を反射させて導光板200へ導くための反射部材を導光板前面210上に設ける必要が無い。このため、低コストで済む。
さらに、前面側斜面242は点光源100の側へ***しているので、当該斜面242が点光源100から遠ざかる方向へ沈降した形状や、平面形状である構造と比較して、次のような違いがある。すなわち、点光源100から出射され前面側斜面242を透過した光のうちで、導光板前面210へ入射する角度γが全反射臨界角度γc以上になる光が多くなる。その結果、***形状の前面側斜面242によれば、より多くの光を導光板200中央の側へ導き、出力光である面状光の生成に利用することが可能である。したがって、かかる点からも、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。
前面側斜面242の***形状について、上記のように特に工夫が成されている。すなわち、前面側斜面242は、発光体110を通り主面21,220および光源配置面231に直交する平面(図2の下図、図4および図6を参照)において、発光体110から前面側斜面242を通って前面210へ到達する光を前面210で全反射を起こすように屈折させることが可能な形状を有している。
かかる工夫により、発光体110から出射された光の多くを導光板200の中央側へ導き、面状光の生成に利用することが可能である。したがって、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。なぜならば、一般にLEDチップ等の発光体110は、出射正面方向(出射角度が小さい範囲)に強い指向性を有しているからである。すなわち、出射正面方向に向けて多くの光が出射されており、上記形状によれば、これを有効に利用することが可能だからである。
また、凹み240は導光板背面220においても開口しておらず、点光源100から凹み240内を見た場合、背面220の側に背面側斜面243が存在する。背面側斜面243は、前面側斜面242と同様に構成されているため、前面側斜面242と同様の効果を奏する。
また、凹み240の上記湾曲形状によれば、より具体的には上記湾曲形状を有した側壁面244によれば、当該湾曲形状に起因したレンズ作用(発散作用)によって、点光源100からの出射光を均一に広げることが可能である。このため、導光板前面210から出射される面状光の輝度ムラを低減することができる。また、点光源1つあたりの照明範囲を広げることが可能であるので、例えば点光源100の個数を減らしてコスト削減を図ることができる。
<実施の形態2>
図7に、実施の形態2に係る面光源装置50Bを概説する分解斜視図を示す。図7に例示の面光源装置50Bは、導光板200(図1参照)の代わりに導光板200Bを有する点を除いて、基本的には既述の面光源装置50(図1参照)と同様に構成されている。
<導光板200B>
図7に例示の導光板200Bは、概説すれば、導光板主面210,220に平行な平面によって導光板200(図1参照)から背面側斜面243(図2参照)の側の部分を切除して得られる部分として把握可能である。
より具体的には、導光板200Bは、凹み240(図1参照)に代えて凹み240Bを有している点を除いて、基本的に既述の導光板200と同様に構成されている。図8に、導光板200Bを背面220の側から見た斜視図を示す。また、図9に、図2と同様に図示される上面図および断面図を示す。なお、図9では反射部材300(図1参照)の図示が省略されている。
凹み240Bは、側面231(すなわち光源配置面231)と背面220との結合部分付近に設けられており、側面231と背面220の両方に開口している。すなわち、凹み240Bの開口部241Bは、側面231と背面220とに渡っている。但し、開口部241Bは、前面210には及んでいない。
ここで、開口部241Bのうちで側面231に存在する部分を、開口部241Bまたは凹み240Bの「側面開口部241B1」と称することにする。また、開口部241Bのうちで背面220に存在する部分を、開口部241Bまたは凹み240Bの「背面開口部241B2」と称することにする。
凹み240Bは、既述の前面側斜面242および側壁面244によって構成されている。但し、側壁面244は背面220に到達している。つまり、側壁面244は前面側斜面242と背面220とを繋いでいる。また、側壁面244が背面220に到達していることによって、開口部241Bの背面開口部241B2が構成されている。
側面開口部241B1は、既述の開口部241(図1〜図3参照)を側面231から見た場合と同様に、四角形をしている。また、背面開口部241B2は、既述の開口部241(図1〜図3参照)を前面210から見た場合と同様に、湾曲形状をしている。
<点光源100>
点光源100は、基本的には実施の形態1と同様に構成され、配置されている。但し、点光源100は、図7および図9の例では、凹み240Bの側面開口部241B1のうちで最も背面220寄りの位置に配置されている。換言すれば、点光源100は、自身の下端部(すなわち導光板背面220の側の端辺部)を導光板背面220の位置に揃えて配置されている。
<反射部材300,310>
反射部材300は、基本的には実施の形態1と同様に構成され、配置されている。但し、凹み開口部241,241Bに対する点光源100の配置位置が面光源装置50,50Bで異なるため、かかる相違に応じて反射部材300の形状が変形されている。しかし、点光源100とともに凹み240Bの側面開口部241B1を覆うように反射部材300が設けられている点は、面光源装置50,50Bで共通する。
反射部材310は、基本的には実施の形態1と同様に構成され、配置されている。特に反射部材310は、図9に示されているように、背面開口部241B2に近接配置されて、当該開口部241B2を覆われている(換言すれば、閉じている)。
これにより、背面開口部241B2からの光漏れを防止することができる。しかも、背面開口部241B2へ進行した光を、反射部材310で反射させて導光板200内へ入射させることが可能である。したがって、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。かかる観点によれば、反射部材310において少なくとも凹み240Bを覆う部分は正反射タイプであることが好ましい。反射による損失を抑制可能だからである。
<面光源装置50Bが奏する効果>
面光源装置50Bによれば、面光源装置50と共通の構成については面光源装置50と同様の効果が得られる。
特に上記構成によれば、導光板200Bの凹み開口部241Bは側面231と背面220とに渡っている。このため、既述の導光板200(図1〜3参照)と比べて、すなわち凹み開口部241が側面231にのみ存在する構造と比べて、次のような利点がある。
導光板200,200Bを射出成形技術を利用して製造する場合、導光板200B用の成形金型の方が、材料が流動しやすく、また、成形物を取り出しやすい形状になる。このため、加工性の向上、製造コストの削減を図ることができる。
また、導光板200Bによれば、背面側斜面243(図2および図3参照)を設けるのに必要な板厚を削減可能である。例えば、前面側斜面242と側壁面244の寸法を導光板200,200Bで同じにした場合、導光板200Bを導光板200の約半分の厚さにすることが可能である。したがって、薄型、軽量、材料コストの削減を図ることができる。
<実施の形態3>
図10に、実施の形態3に係る面光源装置50Cを概説する上面図および断面図を示す。図10は図2および図9と同様に図示される。図10に例示の面光源装置50Cは、導光板200(図1参照)の代わりに導光板200Cを有する点を除いて、基本的には既述の面光源装置50(図1参照)と同様に構成されている。なお、図10では反射部材300(図1参照)の図示が省略されている。
図10に例示の導光板200Cは、凹み240(図1参照)に代えて凹み240Cを有している点を除いて、基本的には既述の導光板200と同様に構成されている。
凹み240Cは、既述の前面側斜面242と背面側斜面243とが直接繋がって構成されており、側壁面244(図2参照)を有していない。凹み240Cは、既述の凹み240(図1参照)と同様に、側面231においてのみ開口し、主面210,220においては開口していない。
導光板200Cによれば、凹み240Cは、発光体110から主面21,220に平行な方向へ出射した光が垂直入射する面を含まずに構成されている。
導光板200C内を前面210と平行に進行する光は、例えば、凹み240Cを有する側面231とは反対側の側面233(図1参照)に垂直入射して、そのまま導光板200Cから抜け出てしまう。
しかし、上記構成によれば、発光体110からの出射光が、導光板200C内で前面210と平行に進行する光になることを防止可能である。このため、上記のように導光板200Cから抜け出てしまう光を減らすことができる。したがって、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。
ここで、導光板200Cでは、発光体110を通り主面210,220に平行な面上に、前面側斜面242と背面側斜面243との結合縁部が在る。しかしながら、当該結合縁部の面積は、両者面242,243の合計面積に比べれば極めて小さい。このため、発光体110からの出射光は、実質的に、両者面242,243へ入射すると捉えることも可能である。
かかる観点に鑑みれば、導光板200Cにおいて、発光体110から見て主面210,220に平行な方向には、前面側斜面242または背面側斜面243が設けられている、と捉えることも可能である。
この場合、発光体110から前面210に平行な方向へ出射した光は、前面側斜面242または背面側斜面243へ入射し、前面210または背面220の側へ進行する。そして、前面210と背面220とで反射を繰り返して、導光板200Cの中央側へ伝搬する。このため、より多くの光を導光板中央の側へ導き、面状光の生成に利用することが可能である。したがって、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。
なお、面光源装置50Cによれば、面光源装置50,50Bと共通の構成については面光源装置50,50Bと同様の効果が得られる。
<実施の形態4>
図11に、実施の形態4に係る面光源装置50Dを概説する上面図および断面図を示す。図11は図2、図9等と同様に図示される。図11に例示の面光源装置50Dは、導光板200B(図7〜図9参照)の代わりに導光板200Dを有する点を除いて、既述の面光源装置50B(図7〜図9参照)と同様に構成されている。なお、図11では反射部材300(図7参照)の図示が省略されている。
図11に例示の導光板200Dは、凹み240B(図7〜図9参照)に代えて凹み240Dを有している点を除いて、基本的には既述の導光板200Bと同様に構成されている。
凹み240Dは、既述の凹み240Bと同様に、側面231と背面220とに渡って開口し、前面210においては開口していない。また、図11に例示の凹み240Dは、既述の凹み240Bと同様に、前面側斜面242と側壁面244とで構成されている。
但し、図11と図9を参照すれば分かるように、凹み240Dは凹み240Bに比べて深い。すなわち、前面側斜面242がより長く延在している。
さらに、図9の凹み240Bでは発光体110の正面に側壁面244が位置しているのに対し、図11の凹み240Dでは発光体110の正面には前面側斜面242が位置している。
図9の凹み240Bの場合、発光体110から導光板主面210,220に平行な方向へ出射する光は、側壁面244へ入射する。側壁面244は主面210,220と直交しているので、側壁面244へ入射した光は前面210側または背面220側には屈折せずに側面233(図7参照)へ向けて進行する。また、側面233も主面210,220と直交しているので、側壁面244へ入射した光は側面233をそのまま通過してしまう。このため、面光源装置50Bの出力光として利用されない。
これに対し、図11の凹み240Dの場合、発光体110から見て主面210,220に平行な方向には、前面側斜面242が存在する。換言すれば、凹み240Dは、発光体110から主面210,220に平行な方向へ出射した光が垂直入射する面を含まずに構成されている。このため、上記の実施の形態3に係る導光板200Cと同様の効果を得ることができる。
すなわち、発光体110からの出射光が、導光板200D内で前面210と平行に進行する光になるのを防止可能である。このため、導光板200Dから抜け出てしまう光を減らして、光利用効率を向上させることができる。
また、発光体110から前面210に平行な方向へ出射した光は、前面側斜面242へ入射し、前面210の側へ進行する。そして、前面210と背面220とで反射を繰り返して、導光板200Dの中央側へ伝搬する。これにより、光利用効率を向上させることができる。
なお、発光体110と前面側斜面242との上記位置関係は、他の面光源装置50等に適用することも可能である。また、当該位置関係を発光体110と背面側斜面243との位置関係に応用することも可能である。
なお、面光源装置50Dによれば、面光源装置50,50B,50Cと共通の構成については面光源装置50,50B,50Cと同様の効果が得られる。
<実施の形態5>
図12に、実施の形態5に係る面光源装置50Eを概説する上面図および断面図を示す。なお、図12は図2、図9等と同様に図示される。図12に例示の面光源装置50Eは、導光板200B(図7〜図9参照)の代わりに導光板200Eを有する点を除いて、既述の面光源装置50B(図7〜図9参照)と同様に構成されている。なお、図12では反射部材300(図7参照)の図示が省略されている。
図12に例示の導光板200Eは、凹み240B(図7〜図9参照)に代えて凹み240Eを有している点を除いて、基本的には既述の導光板200Bと同様に構成されている。
ここで、図13に、凹み240Eを概説する斜視図を示す。図13は、凹み240Eの奥側から凹み240Eを透視した図である。
凹み240Eは、既述の凹み240Bと同様に、側面231と背面220とに渡って開口し、前面210においては開口していない。
また、凹み240Eは、既述の前面側斜面242と、側壁面244に代わる側壁面244Eとで構成されている。なお、前面側斜面242は、導光板前面210から見た場合、側壁面244Eの後述の形状に従って、略台形をしている。このため、凹み240Eは、導光板前面210から見た形状が略台形をしている。
側壁面244Eは、既述の側壁面244と同様に、前面側斜面242と背面220とを繋いでいる面である。側壁面244Eは、上記略台形の短辺部および2つの斜辺部に相当する3つの面246,247,248で構成されている。なお、当該略台形の長辺部は、側面231上に在る前面側斜面242の端辺、換言すれば当該端辺を含んで構成される凹み240Eの側面開口部241B1に対応する。
短辺部相当面246は、側面開口部241B1の正面、換言すれば点光源100の正面に位置している。短辺部相当面246は、複数のプリズム柱が面状に配置されて成るプリズム面で構成されている。各プリズム柱は主面210,220に直交する方向に延在している。このため、プリズム面246へ入射した光は、主面210,220に平行な平面内で散乱されて広がる。
図12および図13では三角柱プリズムが例示されているが、例えば半円柱プリズムを採用することも可能である。プリズムの形状は例えば散乱角度等を考慮して適宜使い分ければよい。なお、図12および図13の例はプリズムの大きさ、個数等を限定するものではない。
斜辺部相当面247,248は、短辺部相当面246と導光板側面231とを繋いでいる面であり、ここでは平面で構成されている。側面231上における斜辺部相当面247,248の端辺は、側面231上に在る前面側斜面242の端辺とともに、側面開口部241B1を構成している。
斜辺部相当面247,248は、側面開口部241B1の方向を向いている。このため、点光源100から出射した光は、斜辺部相当面247,248にも入射し、入射角度に応じた方向へ導光板200内を進行する。
側壁面244Eによっても、点光源100からの出射光を均一に広げることが可能である。このため、導光板前面210から出射される面状光の輝度ムラを低減することができる。ここで、プリズム面246によれば、既述の湾曲した側壁面244に比べて、光を均一に広げる効果が大きい。したがって、高い輝度ムラ低減効果が得られる。
また、既述の湾曲した側壁面244と同様に、点光源1つあたりの照明範囲を広げることが可能であるので、例えば点光源100の個数を減らしてコスト削減を図ることができる。
プリズム面246を有する側壁面244Eと、湾曲状の側壁面244とのいずれを採用するのかについての選択は、例えば仕様(側面231の大きさや、点光源100の個数等)に基づいて決めれば良い。
プリズム面246を有する側壁面244Eは、他の面光源装置50等に適用することも可能である。
なお、面光源装置50Eによれば、面光源装置50,50B〜50Dと共通の構成については面光源装置50,50B〜50Dと同様の効果が得られる。
<実施の形態6>
図14に、実施の形態6に係る面光源装置50Fを概説する断面図を示す。なお、図14は図2、図9等の断面図と同様に図示される。図14に例示の面光源装置50Fは、導光板200B(図7〜図9参照)の代わりに導光板200Fを有する点を除いて、既述の面光源装置50B(図7〜図9参照)と同様に構成されている。なお、図14では反射部材300(図7参照)の図示が省略されている。
導光板200Fは、前面210(図9参照)の代わりに前面210Fを有する点を除いて、既述の導光板200B(図9参照)と同様に構成されている。前面210Fは、前面210において凹み240B付近の部分を傾斜させた形状をしている。
より具体的には、前面210Fは、既述の前面210に対応する第1部分212と、凹み240B付近の第2部分212とを有している。第1部分211は、出力光の取り出し面であり、背面220と平行を成している。
第2部分212は、前面210Fのうちで、発光体110から出射され前面側斜面242を透過した光が到達する範囲の部分である。図14の例では、第2部分212は、第1部分211と連続しており、第1部分212との対比において背面220の側に傾斜している。
このため、発光体110から前面側斜面242を透過して第2部分212へ入射する光の入射角度γは、同じ光路で既述の前面210(図9参照)へ入射する光の入射角度γに比べて、大きくなる。
したがって、既述の前面210では全反射が生じなかった光路において全反射を起こさせることが可能になる。これにより、全反射を起こす光を、より多くすることが可能である。その結果、点光源100からの出射光の利用効率を向上させることができる。
また、既述の前面210でも全反射が生じる光路については、前面210Fへの入射角度γと全反射臨界角度γcとの差Δγ(=γ−γc)を、大きくすることができる。したがって、既述のリンギング等の問題を、よりいっそう抑制することができる。その結果、面状光の輝度を安定化することができる。
導光板前面210Fは、他の導光板200等に適用することも可能である。
なお、面光源装置50Fによれば、面光源装置50,50B〜50Eと共通の構成については面光源装置50,50B〜50Eと同様の効果が得られる。
<実施の形態7>
図15に、実施の形態7に係る面光源装置50Gを概説する分解斜視図を示す。また、図16に、面光源装置50Gを概説する断面図を示す。図16は図2、図9等の断面図と同様に図示される。
図15および図16に例示の面光源装置50Gは、反射部材310(図7参照)の代わりに反射部材310Gを有する点を除いて、既述の面光源装置50B(図7参照)と同様に構成されている。なお、図16では反射部材300(図15参照)の図示が省略されている。
反射部材310Gは、拡散反射部311,313と、正反射部312とを有している。これら3つの部分311〜313はこの順序で、光源配置面231の側から反対側の側面233の側へ向けて並んでいる。
図16に示すように、拡散反射部311と正反射部312は凹み240Bの背面開口部241B2に重なっているが、拡散反射部313は凹み240Bに重なっていない。特に拡散反射部311と正反射部312の配置範囲は次のようにして決められている。
すなわち、拡散反射部311は、発光体110から反射部材310Gへ向けて出射した光が、反射部材310Gで正反射した場合には、前面側斜面242へ到達するという条件(図16中の光121を参照)を満たす範囲に設けられている。
他方、正反射部312は、発光体110から反射部材310Gへ向けて出射した光が、反射部材310Gで正反射した場合には、側壁面244へ到達するという条件(図16中の光122を参照)を満たす範囲に設けられている。
拡散反射部311の上記配置範囲は次の理由から設定されている。既述のように、前面側斜面242の形状は、発光体121から直接、前面側斜面242へ入射する光(図16中の光120を参照)に基づいて決定されている。また、上記条件に示された光路を辿る反射光121は、発光体110からの直接光120に比べて、前面側斜面242への入射角度が小さい。このため、反射光121は全反射を起こさずに、導光板前面210を透過してしまう可能性がある。そうすると、反射光121は導光板200Bの中央側へ伝搬しないため、面状の出力光として利用されない。
これに対し、拡散反射部311を上記配置範囲に設けて当該部分311へ入射する光を散乱させることにより、上記光路を辿る反射光121の光量を減らすことができる。あるいは、上記光路を辿らないようにすることができる。
また、拡散反射部311での散乱により、様々な方向へ進行する光が得られ、その中には前面210で全反射を起こす光も含みうる。例えば、前面210で全反射を起こす入射角度で以て前面側斜面242へ入射する光が含まれる場合がある。あるいは、側壁面244から入射して前面210で全反射を起こす光が含まれる場合がある。あるいは、凹み240B内で反射を繰り返した後に前面側斜面242または側壁面244から入射して、前面210で全反射を起こす光が生じる場合もある。
このように、面状出力光として利用されない光を有効活用しようとする観点から、拡散反射部311の配置範囲が設定されている。換言すれば、拡散反射部311の採用によって、光利用効率を向上させることができる。
他方、正反射部312の上記配置範囲は次の理由から設定されている。発光体110から出射した光の中には、凹み240B内で反射を繰り返した後に側壁面244へ入射する光が含まれる。しかし、反射部材での反射は少ない方が好ましい。なぜならば、一般に反射部材の反射率は100%ではないため、反射により損失が生じるからである。
つまり、正反射部312の配置範囲は、1回の正反射で側壁面244へ到達可能な光については、その光路を確保しようとする観点から設定されている。換言すれば、正反射部312の採用によって、光利用効率を向上させることができる。
図15および図16の例では、拡散反射部311が、拡散反射させるべき複数の部分を通る帯状をしている。これに対し、拡散反射させるべき部分ごとに、拡散反射部311を構成してもよい。これらの点は正反射部312についても同様である。
拡散反射部311は、例えば拡散反射シートを所定の基材に貼付することによって形成可能である。正反射部312および拡散反射部313も同様に形成可能である。
あるいは、拡散反射シートまたは拡散反射板を基材として準備し、当該拡散反射シート等の上に正反射部312を構成する正反射シートを貼付してもよい。これによれば、正反射シートを貼付するだけで3つの部分311〜312を一括して形成することができる。また、拡散反射部材の方が安価であるため、反射部材310Gを低コストで提供することができる。
ところで、凹み240Bに重ならない拡散反射部313は、正反射領域に変更することも可能である。この場合、隣接する領域312,313がいずれも正反射部分となる。このため、例えば、正反射シートまたは正反射板を基材として準備し、当該正反射シート等の上に拡散反射部311用の反射シートを貼付することによって、容易に反射部材310Gを製造することができる。
反射部材310Gは、他の面光源装置50D等に適用することも可能である。
なお、面光源装置50Gによれば、面光源装置50,50B〜50Fと共通の構成については面光源装置50,50B〜50Fと同様の効果が得られる。
<実施の形態1〜7の変形例>
図17に、実施の形態1〜7の変形例に係る導光板200Hを概説する斜視図を示す。図17に例示の導光板200Hは、既述の導光板200(図1〜図3参照)と対比される。
すなわち、既述の導光板200では凹み240の開口部241が導光板200の厚さ方向全体に広がっている。換言すれば、開口部241のうちで前面側斜面242の端辺によって構成されている辺部の上側(換言すれば前面210の側)に板厚が存在しない。同様に、開口部241のうちで背面側斜面243の端辺によって構成されている辺部の下側(換言すれば背面220の側)にも板厚が存在しない。
これに対し、図17の導光板200Hでは、開口部241を構成する上記辺部の上側および下側に板厚が存在する。なお、上記辺部の上側と下側のいずれか一方のみに板厚が存在する構造を採用することも可能である。
また、他の導光板200B〜200Fについても同様に構成することも可能である。
導光板200等に代えて、導光板200Hを含め本変形例に係る構造を有する導光板を採用しても、既述の各種効果を得ることができる。
<実施の形態8>
面光源装置50等はそれ自体で、例えば主照明装置、電飾照明装置として利用可能である。また、面光源装置50等は他の各種部材等と組み合わせて用いることも可能である。実施の形態8では、面光源装置50等の適用例として、表示装置を説明する。図18に実施の形態8に係る表示装置60を概説する分解斜視図を示す。
表示装置60は、面光源装置50と、表示対象の画像を提供する画像提供手段62とを有している。図18では面光源装置50および画像提供手段62を簡略に図示している。なお、面光源装置50B等を採用することも可能である。画像提供手段62は、面光源装置50の導光板200(図1参照)の前面210の側に配置されている。
かかる構成により、表示装置60では、画像提供手段62によって提供される画像を、導光板前面210から出射される面状光によって照明可能である。すなわち、表示装置60では、面光源装置50をバックライトユニットとして利用する。
画像提供手段62は、例えば液晶パネルによって、より具体的には透過型または半透過型の液晶パネルによって具現可能である。この場合、表示装置60は一般に液晶表示装置と称される。液晶パネルによれば、表示画像として動画と静止画のいずれも提供可能である。
あるいは、画像提供手段62は、例えば画像が予め描かれた板状部材やシート状部材によって具現可能である。なお、かかる板状またはシート状の部材には透明または半透明のものが選定される。
より具体的には、描かれた画像の内容が広告である場合、表示装置60は一般に広告表示装置と称される。また、描かれた画像の内容が各種案内である場合、表示装置60は一般に案内表示装置、誘導表示装置等と称される。なお、表示画像が予め描かれ固定されている場合には、表示画像として静止画が提供される。
なお、「画像」とは、絵、文字等を含み、広く、視覚によって感知可能な情報を含むものとする。また、「画像」には上記のように動画と静止画とが含まれる。
上記構成によれば、面光源装置50等が奏する各種効果が、表示装置60においても発揮される。