JP2011113661A - 燃料電池スタックおよび燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合に、発電効率および耐久性が従来例よりも改善できる燃料電池スタックを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池スタック200では、一対の集電体30、31間に2以上の単電池10が積層され、単電池10に伝熱媒体を供給できる供給機構60A、61A、62Aが単電池の積層方向500に延びている。そして、集電体30、31間に中間集電体32a、33a、33a、33bの対も積層方向500に積層され、これらの中間集電体32a、33a、33a、33bの対が、単電池10間に挿入されており、中間集電体32a、33a、33a、33bの対が、積層方向に絶縁体34、35を挟んでいる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池スタックおよび燃料電池システムに関する。特に、本発明は、不純物付着による触媒の性能低下を回復する場合に、発電効率および耐久性が従来例よりも改善する燃料電池スタックおよび燃料電池システムに関する。
水素イオン伝導性高分子電解質を用いた燃料電池は、水素を含む燃料ガスと、空気など酸素を含む酸化剤ガスと、を電気化学的に反応させることによって、電力と熱とを同時に発生させる装置である。
この燃料電池は、基本的には、水素イオンを選択的に輸送する水素イオン伝導性高分子電解質膜、および水素イオン伝導性高分子電解質膜の両面に配置された一対の電極からなる。これらの電極は、白金族金属触媒を担持した導電性カーボン粉末を主成分とする触媒層、およびこの触媒層の外側に形成された、通気性と電子導電性を併せ持ち、例えば撥水処理を施したカーボンペーパーからなるガス拡散層から構成される。
なお、以上の構造を、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質膜−電極接合体)と呼ぶ。
また、燃料電池では、反応ガスの外部へのリーク、および、燃料ガスと酸化剤ガスとのガス混合が生じないよう、ガスシール材(ガスケット)が、電極の周辺には水素イオン伝導性高分子電解質膜を挟むように配されている。このガスシール材(ガスケット)は、電極及び水素イオン伝導性高分子電解質膜と一体化してあらかじめ組み立てられる。
MEAの外側には、これを機械的に固定するとともに、隣接したMEAを互いに電気的に直列に接続できる導電性のセパレータ板が配置される。
セパレータ板のMEAと接触する表面(おもて面)には、電極に反応ガスを供給するとともに、反応ガスからの生成水や余剰の反応ガスを運び去ることができるガス流路溝が形成される。
また、MEAと接しないセパレータ板の裏面には、MEAを適温に維持する目的で伝熱媒体(例えば、水)を流すことができる伝熱媒体流路溝が形成される。
更に、セパレータ板のMEAと接する部分の外周域には、ガス流路溝への反応ガス供給機構、ガス流路溝からの反応ガス排出機構、伝熱媒体流路溝への伝熱媒体供給機構、および、伝熱媒体流路溝からの伝熱媒体排出機構が形成される。
以上のMEAとセパレータ板を交互に重ねることにより、MEAと一対のセパレータ板を含む最も簡単な単電池(以下、「セル」という場合がある)が、10〜200個積層される。その後、集電体および絶縁板を介した端板によってセル群(単電池の集合体)を挟み、締結ボルトで両端から固定するのが、一般的な燃料電池の積層構造である。このようにして得られる複数のセル(単電池)からなる積層構造を燃料電池スタックと呼ぶ。
水素イオン伝導性高分子電解質膜の含水率を飽和状態にすることによって、水素イオン伝導性高分子電解質膜の比抵抗が小さくなり、その結果、水素イオン伝導性電解質の機能が発揮できる。よって、燃料電池スタックの発電中は、水素イオン伝導性高分子電解質膜からの水分の蒸発を防ぐ目的で、燃料ガスおよび酸化剤ガスは、予め適宜の加湿器によって加湿され、燃料電池スタック内に供給される。また、燃料電池スタックの発電時には、以下の電気化学反応(1)に基づいて、カソードにおいて反応生成水が得られる。
アノード:H → 2H + 2e
カソード:2H + (1/2)O + 2e → HO・・・(1)
以上の燃料ガス中の加湿水、酸化剤ガス中の加湿水、および、反応生成水は、水素イオン伝導性高分子電解質膜を飽和状態に保つ目的で使用され、さらに余剰の燃料ガス、および余剰の酸化剤ガスとともに燃料電池スタックの外部へ排出される。
ところで、このような燃料電池スタックが搭載された燃料電池システムでは、様々な不純物の影響を受ける場合がある。
このような不純物をその混入経路から分類すると、燃料電池システムを構成する樹脂部品や金属部品などの部材から水中に溶け込む内的不純物と、燃料電池システムの外部から反応ガスとともに、燃料電池スタック内に混入する外的不純物と、がある。
このような不純物によって、アノードの触媒層を構成する触媒(「アノード触媒」と略す)やカソードの触媒層を構成する触媒(「カソード触媒」と略す)の被毒あるいは被覆が起こる場合がある。すると、これらのアノード触媒やカソード触媒の活性が低下し、ひいては、燃料電池システムの発電性能が低下する。
特に、大気中に含まれる汚染物質の内、硫黄酸化物や硫化水素などの硫黄化合物がカソード触媒の表面に強く吸着することが知られており、これにより、カソード触媒の活性が低下することが従来から問題視されている。
そこで、外部電源を用いて、燃料電池システムの起動時に、不純物が付着したカソードに所定の電位(0.9〜1.2V)を印加する方法(例えば、特許文献1参照)、或いは、外部電源を用いて、燃料電池システムの低負荷運転時に、不純物が付着したカソードに自然電位よりも高い電位を印加する方法(例えば、特許文献2参照)などがすでに提案されている。
以上により、カソード触媒に付着した不純物を酸化でき、その結果、カソード触媒に対する不純物の付着力を弱めることができるので、カソード触媒からの不純物の離脱が容易になる。
なお、特許文献2には、カソードの触媒層中の水量を増加させることによって、カソード触媒から離脱した不純物を水で洗い流すようにして、燃料電池システムの外部に不純物を排出し易くする方法が記載されている。
特開2007−66582号公報 特開2007−207669号公報
しかし、特許文献1の燃料電池システムでは、燃料電池システムの起動時の不純物除去が意図されている。よって、この場合、燃料電池システムの運転継続中に、不純物付着による触媒の性能劣化を回復することが困難となり、その結果、燃料電池スタックの発電効率が低下するという不都合がある。
また、特許文献1および特許文献2の燃料電池システムでは、カソードの電極電位を自然電位より高い電位にまで高めて、触媒に吸着した不純物を酸化させている。よって、この場合、電解質膜や、カソードの触媒層中のカーボンが劣化し易くなり、その結果、燃料電池スタックの耐久性が低下するという不都合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合に、発電効率および耐久性が従来例よりも改善する燃料電池スタックおよび燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、一対の集電体間に2以上の単電池が積層され、前記単電池に伝熱媒体を供給できる供給機構が前記単電池の積層方向に延びている燃料電池スタックであって、前記集電体間に一対の中間集電体が前記積層方向に積層され、前記中間集電体の対が、前記単電池間に挿入されており、
前記一対の中間集電体が、前記積層方向に絶縁体を挟んでいる、燃料電池スタックを提供する。
また、本発明の燃料電池スタックでは、前記2以上の単電池を、前記中間集電体の対によって複数の単電池群にグループ分けするとよい。更に、前記供給機構を、前記単電池群のそれぞれに独立に、前記伝熱媒体を供給するように構成するとよい。
これにより、不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合、燃料電池スタックの一部の単電池のみを冷却するので、燃料電池スタックの発電効率を従来例よりも改善できる。
また、本発明は、前記燃料電池スタックが搭載され、前記燃料電池スタックによって発電が行われる燃料電池システムも提供する。
また、本発明の燃料電池システムでは、前記単電池群と出力回路との間の電気接続および電気遮断を可能にするスイッチング回路を備えるとよい。更に、前記スイッチング回路によって、前記単電池群での出力回路への給電を、前記単電池群毎に個別に停止できるように構成するとよい。
また、本発明の燃料電池システムでは、前記単電池群の発電継続時間が、第1時間を経過した場合、前記単電池群での前記出力回路への給電を、前記スイッチング回路を用いて順次、停止するとよい。更に、前記単電池群の発電継続時間が、第2時間を経過した場合、前記単電池群での前記出力回路への給電を、前記スイッチング回路を用いて順次、停止し、前記出力回路への給電停止状態の前記単電池群の冷却を、前記供給機構を用いて順次、行うとよい。
なお、第2時間は第1時間よりも長くするとよい。
これにより、不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合、燃料電池スタックの一部の単電池のみにオープン電位(自然電位以下の電位)を与え、燃料電池スタックの一部の単電池のみを冷却するので、燃料電池システムの耐久性および発電効率を従来例よりも改善できる。
本発明によれば、不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合に、発電効率および耐久性が従来例よりも改善する燃料電池スタックおよび燃料電池システムが得られる。
本発明の実施の形態1による燃料電池スタックを構成する単電池(セル)の横断面図である。 本発明の実施の形態1の燃料電池スタックの断面図である。 本発明の実施の形態1の燃料電池スタックの端板の平面図である。 本発明の実施の形態1による燃料電池スタックを構成するセパレータ板の平面図である。(a)は、第1セル群でのセパレータ板の平面図であり、(b)は、第2セル群でのセパレータ板の平面図であり、(c)は、第3セル群でのセパレータ板の平面図である。 本発明の実施の形態2の燃料電池システムの構成例を示した図である。 図5の燃料電池スタックの第1、第2および第3セル群とインバータとの間の接続切り替え用のスイッチング回路の一例を示した図である。 本発明の実施の形態2の燃料電池システムによるカソード触媒に付着した硫黄化合物除去の運転シーケンスの一例を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態1、2の具体例について、図面を参照しながら説明する。
なお、全ての図面を通じて、同一ないし相当する構成要素には同じ参照番号を付し、以下、このような構成要素の重複的記載を省略する場合がある。
また、本発明は、以下の実施の形態1、2に限定されない。つまり、以下の具体的な説明は、本発明の燃料電池スタックおよび燃料電池システムの特徴を例示しているに過ぎない。よって、本発明の燃料電池スタックや燃料電池システムを特定した用語と同じ用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な装置は、これに対応する本発明の燃料電池スタックや各燃料電池システムの構成要素の一例である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による燃料電池スタックを構成する単電池(セル)の横断面図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の燃料電池スタック200(図2参照)の単電池に相当するセル10は、水素イオン伝導性高分子電解質膜11と、水素イオン伝導性高分子電解質膜11の両面に形成されているアノードの触媒層およびカソードの触媒層の対(いずれも図示せず)を備える。
なお、水素イオン伝導性高分子電解質膜11には、パーフルオロスルホン酸の市販品(デュポン(株)製のNafion膜)を用いることができ、電極触媒にはPt担持カーボンを用いることができる。
また、アノードガス拡散電極13(以下、「ガス拡散電極13」と略す)、および、カソードガス拡散電極12(以下、「ガス拡散電極12」と略す)のそれぞれが、これらのガス拡散電極12、13に対応する触媒層のそれぞれを外側から挟み込むようにして配されている。
なお、上述のとおり、水素イオン伝導性高分子電解質膜11と一対の触媒層と一対のガス拡散電極12、13とによって構成される部材が、通常、MEA18と称される。
図1に示すように、カソード側導電性セパレータ板16は、ガス拡散電極12に接して配され、そのガス拡散電極12との接触面(以下、「表(おもて)面」という)には、サーペンタイン状の酸化剤ガス流路溝14が形成されている。
これにより、酸化剤ガス流路溝14を流れる酸化剤ガスをガス拡散電極12に供給できる。
同様に、アノード側導電性セパレータ板17は、ガス拡散電極13に接して配され、そのガス拡散電極13との接触面には、サーペンタイン状の燃料ガス流路溝15が形成されている。
これにより、燃料ガス流路溝15を流れる燃料ガスをガス拡散電極13に供給できる。
図1に示すように、水素イオン伝導性高分子電解質膜11と各セパレータ板16、17との間のガス拡散電極12、13の周囲には、ガスケット19が、ガス拡散電極12、13を囲むように環状に配されている。
また、カソード側導電性セパレータ板16では、ガス拡散電極12との接触面と反対側の主面(以下、「裏面」という)に、伝熱媒体(例えば、水)の流路を形成する伝熱媒体流路溝22が設けられ、アノード側導電性セパレータ板17では、ガス拡散電極13との接触面と反対側の主面に、伝熱媒体の流路を形成する伝熱媒体流路溝23が設けられている。
以上のセル10を積層した燃料電池スタック200において、図1に示すように、1つのセル10のカソード側導電性セパレータ板16と、これに隣接するセル10Aのセパレータ板(二点鎖線参照)との間では、セル10の伝熱媒体流路溝22と、セル10Aの伝熱媒体流路溝(二点鎖線参照)と、からなる矩形流路28が形成される。
そして、この矩形流路28に流れる伝熱媒体(例えば、水)の流量が調整されると、燃料電池の温度を適温に制御できるので、上記矩形流路28は、燃料電池の温度制御部として機能する。
図2は、本発明の実施の形態1の燃料電池スタックの断面図である。なお、図2では、図1のセル10を略図で描いている。
図2に示すように、本実施の形態の燃料電池スタック200では、多数のセル10を積層方向500に積層することにとって矩形状の積層体10Sが得られ、この積層体10Sの両端に、板状の導電性の端部集電体30、31(以下、「集電体30、31」と略す)の対が配されている。
また、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aがセル10の積層方向500に延びるように形成され、これにより、積層体10Sの各セル10に伝熱媒体を供給できる。
更に、伝熱媒体の排出機構63Aがセル10の積層方向500に延びるように形成され、これにより、積層体10Sの各セル10から伝熱媒体を外部に運ぶ(排出する)ことができる。
図2に示すように、集電体30、31間には、集電体30、31と平面視において同型の導電性の中間集電体32a、32bの対および導電性の中間集電体33a、33bの対が、積層体10Sの中間において積層方向500に積層され、これにより、これらの中間集電体の32a、32bの対および中間集電体33a、33bの対が、積層体10Sの適所のセル10間に挿入されている。
つまり、本実施の形態の燃料電池スタック200では、板状の中間集電体32a、32b、33a、33bが、板状のセル10とともに積層される形態となっている。
このようにして、中間集電体32a、32b、33a、33bが、積層体10Sの中間において、積層体10Sの一部を構成している。
また、中間集電体32a、32bの対によって、積層方向500に板状の絶縁体34が挟み込まれ、中間集電体33a、33bの対によって、積層方向500に板状の絶縁体35が挟み込まれている。
これにより、中間集電体32a、32b同士が、絶縁体34を用いて絶縁され、中間集電体33a、33b同士が、絶縁体35を用いて絶縁されている。
つまり、本実施の形態の燃料電池スタック200では、板状の絶縁体34、35が、板状のセル10とともに積層される形態となっている。
このようにして、絶縁体34、35が、積層体10Sの中間において、積層体10Sの一部を構成している。
以上により、多数のセル10について、中間集電体32a、32bの対および中間集電体33a、33bによって複数(ここでは、3個)の第1、第2および第3セル群40、41、42にグループ分けが行われている。
詳しくは、集電体30と中間集電体32aとの間の複数のセル10が、第1セル群40を構成し、中間集電体32bと中間集電体33aとの間の複数のセル10が、第2セル群41を構成し、中間集電体33bと集電体31との間の複数のセル10が、第3セル群42を構成している。
また、燃料電池スタック200は、第1供給機構60Aが第1セル群40の各セル10のみに伝熱媒体を供給でき、第2供給機構61Aが第2セル群41の各セル10のみに伝熱媒体を供給でき、第3供給機構62Aが第3セル群42の各セル10のみに伝熱媒体できるように構成されている。
つまり、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aのそれぞれが、これらに対応する第1、第2および第3セル群40、41、42の各セル10のそれぞれに、独立に伝熱媒体を供給できるように構成されている(詳細は後述する)。
以上により、第1、第2および第3セル群40、41、42の温度を個別に制御できる。このため、積層体10S中の板状の絶縁体34、35は、第1、第2および第3セル群40、41、42の間において温度影響が受け難くなる材質および厚みを選択する方が好ましい。
なお、燃料電池スタック200では、図2に示すように、集電体30、31のそれぞれの外端面(セル10に当接する面の裏面)に、一対の絶縁板70、71および一対の端板72、73が配され、これらの絶縁板70、71と端板72、73との間に、一対の弾性体74、75(例えば、バネ)が介在している。このため、端板72、73同士を締結ボルトおよびナッド(いずれも図示せず)の締結力によって締め付けると、この締結力は絶縁板70、71を介して積層体10Sに伝わり、その結果、積層体10Sを適切に固定できる。
次に、燃料電池スタック200のセパレータ板および端板の構成(特に、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aおよび排出機構63Aに関係する構成)について、図面を参照しながら詳述する。
図3は、本発明の実施の形態1の燃料電池スタックの端板の平面図である。
また、図4は、本発明の実施の形態1による燃料電池スタックを構成するカソード側導電性セパレータ板の平面図である。詳しくは、図4(a)には、第1セル群40に用いるカソード側導電性セパレータ板16Aの表面および裏面の平面図が図示されている。図4(b)には、第2セル群41に用いるカソード側導電性セパレータ板16Bの表面および裏面の平面図が図示されている。図4(c)には、第3セル群42に用いるカソード側導電性セパレータ板16Cの表面および裏面の平面図が図示されている。
但し、図4では、図面の簡略化の観点から、酸化剤ガス流路溝14の本数や伝熱媒体流路溝14の本数を省略して示している。
また、アノード側導電性セパレータ板の第1、第2および第3セル群40、41,42での構成については、以下のカソード側導電性セパレータ板16A、16B、16Cの説明、および、図4の図示内容を参酌することにより、容易に理解できる。よって、ここでは、アノード側導電性セパレータ板の詳細な図示および詳細な構成の説明は省略する。
図2および図3に示すように、本実施の形態の燃料電池スタック200の端板72には、第1、第2および第3セル群40、41、42のそれぞれに対応する伝熱媒体の供給口(第1、第2および第3供給口50、51、52)が形成されている。つまり、第1供給口50を第1セル群40の各セル10への伝熱媒体供給に用い、第2供給口51を第2セル群41の各セル10への伝熱媒体供給に用い、第3供給口52を第3セル群42の各セル10への伝熱媒体供給に用いる。
なお、燃料電池スタック200の全てのセル10からの伝熱媒体の排出に用いる排出口53が、後述のマニホールド孔63からなる排出機構63Aに連通して端板73に形成されている。
図4(a)のカソード側導電性セパレータ板16Aの周縁部(MEA18の外側の領域)には、第1セル群40の各セル10のみへの伝熱媒体の供給および排出に用いる一対のマニホールド孔60、63が形成されている。つまり、図4(a)のカソード側導電性セパレータ板16Aの裏面において、これらのマニホールド孔60、63がサーペンタイン状の伝熱媒体流路溝22に接続され、両者は、伝熱媒体流路溝22を介して連通している。
一方、このカソード側導電性セパレータ板16Aの周縁部には、第2セル群41への伝熱媒体供給に用いるマニホールド孔61、および、第3セル群42への伝熱媒体供給に用いるマニホールド孔62も形成されている。しかし、図4(a)のカソード側導電性セパレータ板16Aの裏面において、これらのマニホールド孔61、62は、伝熱媒体流路溝22に接続されていない。
このように、カソード側導電性セパレータ板16Aでは、伝熱媒体供給用の3個のマニホールド孔60、61、62が設けられ、これらのマニホールド孔60、61、62のうちのマニホールド60のみが伝熱媒体流路溝22に接続され、マニホールド61、62が、伝熱媒体流路溝22に接続されていないという特徴がある。
ここでは、図示を省略しているが、第1セル群40の各セル10に用いるアノード側導電性セパレータ板17およびガスケット19にもマニホールド孔60、61、62、63と同じ類の孔が形成されている。
なお、カソード側導電性セパレータ板16Aの周縁部には、各セル10への酸化剤ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔65、66が形成されている。つまり、図4(a)のカソード側導電性セパレータ板16Aの表面において、これらのマニホールド孔65、66がサーペンタイン状の酸化剤ガス流路溝14に接続され、両者は、酸化剤ガス流路溝14を介して連通している。更に、各セル10への燃料ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔67、68が形成されている。
図4(b)のカソード側導電性セパレータ板16Bの周縁部(MEA18の外側の領域)には、第2セル群41の各セル10のみへの伝熱媒体の供給および排出に用いる一対のマニホールド孔61、63が形成されている。つまり、図4(b)のカソード側導電性セパレータ板16Bの裏面において、これらのマニホールド孔61、63がサーペンタイン状の伝熱媒体流路溝22に接続され、両者は、伝熱媒体流路溝22を介して連通している。
一方、このカソード側導電性セパレータ板16Bの周縁部には、第3セル群42への伝熱媒体供給に用いるマニホールド孔62も形成されている。しかし、図4(a)のカソード側導電性セパレータ板16Aの裏面において、このマニホールド孔62は、伝熱媒体流路溝22に接続されていない。
このように、カソード側導電性セパレータ板16Bでは、伝熱媒体供給用の2個のマニホールド孔61、62が設けられ、これらのマニホールド孔61、62のうちのマニホールド61のみが伝熱媒体流路溝22に接続され、マニホールド孔62が、伝熱媒体流路溝22に接続されていないという特徴がある。
ここでは、図示を省略しているが、第2セル群41の各セル10に用いるアノード側導電性セパレータ板17およびガスケット19にもマニホールド孔61、62、63と同じ類の孔が形成されている。
なお、カソード側導電性セパレータ板16Bの周縁部には、各セル10への酸化剤ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔65、66が形成されている。つまり、図4(b)のカソード側導電性セパレータ板16Bの表面において、これらのマニホールド孔65、66がサーペンタイン状の酸化剤ガス流路溝14に接続され、両者は、酸化剤ガス流路溝14を介して連通している。更に、各セル10への燃料ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔67、68が形成されている。
図4(c)のカソード側導電性セパレータ板16Cには、第3セル群42の各セル10のみへの伝熱媒体の供給および排出に用いる一対のマニホールド孔62、63が形成されている。つまり、図4(c)のカソード側導電性セパレータ板16Cの裏面において、これらのマニホールド孔62、63がサーペンタイン状の伝熱媒体流路溝22に接続され、両者は、伝熱媒体流路溝22を介して連通している。
ここでは、図示を省略しているが、第3セル群42の各セル10に用いるアノード側導電性セパレータ板17およびガスケット19にもマニホールド孔62、63と同じ類の孔が形成されている。
なお、カソード側導電性セパレータ板16Cの周縁部には、各セル10への酸化剤ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔65、66が形成されている。つまり、図4(c)のカソード側導電性セパレータ板16Cの表面において、これらのマニホールド孔65、66がサーペンタイン状の酸化剤ガス流路溝14に接続され、両者は、酸化剤ガス流路溝14を介して連通している。更に、各セル10への燃料ガスの供給および排出に用いる一対のマニホールド孔67、68が形成されている。
ここで、以上のカソード側導電性セパレータ板16Aを含む複数のセル10を積層方向500(図2参照)に重ねたときに、多数のマニホールド孔60の連なりとして構成される中空領域(第1マニホールド)が形成される。この第1マニホールドは、上述の第1供給口50に連通しており、これにより、第1マニホールドが、伝熱媒体の第1供給機構60Aとして機能する。
また、カソード側導電性セパレータ板16Bを含む複数のセル10を積層方向500(図2参照)に重ねたときに、多数のマニホールド孔61の連なりとして構成される中空領域(第2マニホールド)が形成される。この第2マニホールドは、上述の第2供給口51に連通しており、これにより、第2マニホールドが、伝熱媒体の第2供給機構61Aとして機能する。
また、カソード側導電性セパレータ板16Cを含むセル10を積層方向500(図2参照)に重ねたときに、多数のマニホールド孔62の連なりとして構成される中空領域(第3マニホールド)が形成される。この第3マニホールドは、上述の第3供給口52に連通しており、これにより、第3マニホールドが、伝熱媒体の第3供給機構62Aとして機能する。
以上のとおり、本実施の形態の燃料電池スタック200では、一対の集電体30、31間に中間集電体32a、32bの対が積層方向500に積層され、絶縁体34を挟むようにして積層体10Sの中間の適所において、セル10間に挿入されている。また、集電体30、31間に中間集電体33a、33bの対も積層方向500に積層され、絶縁体35を挟むようにして積層体10Sの中間の適所において、セル10間に挿入されている。
このように、燃料電池スタック200では、10個〜200個の多数のセル10を中間集電体32a、32bの対および中間集電体33a、33bの対によって第1、第2および第3セル群40、41、42にグループ分けできるという特徴がある。
よって、このような燃料電池スタック200では、酸化剤ガス中の不純物付着によるカソード触媒の性能劣化を回復する場合に、以下の理由により、燃料電池スタック200の 発電効率および耐久性を従来例よりも改善できると考えられる。
燃料電池スタックの発電用の酸化剤ガスとして、調達が容易な空気を用いると便利である。しかし、空気は、様々な不純物を含むことが多い。例えば、火山の噴出ガスや自動車の燃焼排ガスには、二酸化硫黄などの硫黄化合物が含まれ、工場の排ガスや自動車の燃焼排ガスには、窒素酸化物やアンモニアなどが含まれ、これらのガスが、空気中に不純物として混入する場合がある。この場合、不純物による燃料電池スタックのカソード触媒への悪影響が懸念される。空気中の様々な不純物がカソード触媒に吸着すると、燃料電池スタックの発電に必要な化学反応が阻害され、ひいては、燃料電池スタックの出力が低下すると考えられる。特に、上述の不純物のうちの硫黄化合物では、カソード触媒との間の吸着力が他の不純物に比べて強いので、多量の硫黄化合物がカソード触媒に蓄積すると、これを除去することが困難となる。
そこで、本件発明者等は、燃料電池スタックの発電効率や耐久性を劣化させる原因として、空気中の硫黄化合物に着目して、カソード触媒に付着した硫黄化合物の効率的な除去の技術開発に取り組んだ。
上述のとおり、硫黄化合物が付着したカソード触媒の電位を上げて硫黄化合物を酸化すると、硫黄化合物のカソード触媒との付着力が弱まることが知られている(特許文献1、2参照)。しかし、これらの特許文献1、2では、外部電源を用いて、不純物が付着したカソードに自然電位よりも高い電位を印加しているので、様々な不都合がある。
例えば、電解質膜やカソードの触媒層中のカーボンが、自然電位よりも高い電位を与えられることによって、劣化し易くなり、その結果、燃料電池スタックの耐久性が低下する。また、外部電源の使用によって、電源系のコストアップとなる。
鋭意検討の結果、本件発明者等は、外部電源を使用せずに、自然電位レベルの電位を与えることでも、硫黄化合物付着によるカソード触媒の性能劣化を回復でき、燃料電池スタックの耐久性を維持できる技術の開発に成功した。
具体的には、所定の時間経過毎に、セル中のカソード触媒をオープン電位(自然電位以下の電位)の状態にして、カソード触媒に付着した硫黄化合物を酸化するとともに、所定の時間経過毎に、燃料電池スタックの発電を停止して燃料電池スタックを冷却するという、何等の外部電源も必要としない簡易な手法により、硫黄化合物付着によるカソード触媒の性能劣化を回復でき、燃料電池スタックの耐久性を維持できることを見出した。
しかし、この場合、燃料電池スタックの全てのセルをオープン電位の状態にすると、燃料電池スタックの発電効率が大幅に低下する。また、燃料電池スタックの全てのセルの発電を停止して燃料電池スタックを冷却した場合も、燃料電池スタックの発電効率が大幅に低下する。
そこで、このような燃料電池スタックの発電効率の低下を抑制する有力な手段として、本実施の形態では、多数のセル10を第1、第2および第3セル群40、41、42にグループ分けする構造の案出、および、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aによる第1、第2および第3セル群40、41、42への伝熱媒体の個別供給システムの案出がなされた。
以上により、硫黄化合物付着によるカソード触媒の性能劣化を回復する場合、燃料電池スタック200の一部のセル10のみにオープン電位(自然電位以下の電位)を与え、燃料電池スタック200の一部のセル10のみを冷却するので、燃料電池スタック200の耐久性および発電効率を従来例よりも改善できる。
(実施の形態2)
[燃料電池システム300の構成例]
図5は、本発明の実施の形態2による燃料電池システムの構成例を示した図である。
図5に示すように、本実施の形態の燃料電池システム300には、実施の形態1で述べた燃料電池スタック200が組み込まれている。また、燃料電池システム300には、この燃料電池スタック200の動作に必要な様々な機器が併設されている。
具体的には、燃料電池システム300は、燃料電池スタック200のアノードに燃料ガス(例えば、水素ガス)を送出できる燃料ガス供給器100と、燃料電池スタック200のカソードに酸化剤ガス(例えば、空気)を送出できる酸化剤ガス供給器110と、燃料電池スタック200の温度を適温に保つように、伝熱媒体としての冷却水を燃料電池スタック200に送出できる冷却水供給器120と、制御器150と、を備える。
燃料ガス供給器100は、既存のインフラの設備(例えば、家庭用のガスの元栓)から提供される原料ガス中の硫黄成分を除去できる脱硫器101と、脱硫後の原料ガスと水蒸気とを用いて改質反応により水素ガスに改質できる燃料処理器103と、この燃料処理器103への原料ガスの供給量を調整できる原料ガス調整器102(例えば、昇圧ポンプ)と、を備える。
酸化剤ガス供給器110は、酸化剤ガスとしての空気を取り込む場合の酸化剤ガス流量を調整できる酸化剤ガス調整器111(例えば、ブースタポンプ)と、酸化剤ガス中の様々な不純物を除去できる不純物除去器112(例えば、フィルタ)と、不純物除去後の酸化剤ガスを加湿できる加湿器113と、を備える。
冷却水供給器120は、既存のインフラの設備(例えば、家庭用の市水の蛇口)から提供される市水を取り込む場合の市水量を調整できる市水供給ポンプ124A、124B、124Cと、冷却水を貯める冷却水タンク121A、121B、121Cと、冷却水タンク121A、121B、121Cのそれぞれに貯めた冷却水を燃料電池スタック200に圧送できる冷却水ポンプ122A、122B、122Cと、燃料電池スタック200から流出した冷却水に対して熱交換が行われる熱交換器123と、を備える。
図5に示すように、市水供給ポンプ124A、冷却水タンク121Aおよび冷却水ポンプ122Aを用いて、第1供給口50から第1供給機構60Aに冷却水(市水)を供給できる。また、市水供給ポンプ124B、冷却水タンク121Bおよび冷却水ポンプ122Bを用いて、第2供給口51から第2供給機構61Aに冷却水(市水)を供給できる。また、市水供給ポンプ124C、冷却水タンク121Cおよび冷却水ポンプ122Cを用いて、第3供給口52から第3供給機構62Aに冷却水(市水)を供給できる。
なお、冷却水供給器120は、必ずしも、図5の如く、第1、第2および第3供給口50、51、52のそれぞれに対応して冷却水タンク121A、121B、121Cを配置する構造に限定されず、様々な水供給系によって構成できる。例えば、冷却水供給器120が、燃料電池スタック200の適温維持動作用(後述)の水を貯えるタンク(図示せず)と、燃料電池スタック200の強制冷却動作用(後述)の水を貯えるタンク(図示せず)と、を備えてもよい。これにより、適宜の切り替え弁(図示せず)を用いて、第1、第2および第3供給口50、51、52への水の供給切り替えを行うことができる。
以上のとおり、本実施の形態の燃料電池システム300では、実施の形態1で述べた伝熱媒体の一例として冷却水が用いられており、図5に示すように、冷却水タンク121A、121B、121C内の冷却水を燃料電池スタック200内に循環させることよって、発熱反応が起こる燃料電池スタック200の温度が適温(80℃程度)に維持されている。燃料電池スタック200から流出した水は、燃料電池スタック200内を通過する際に高温に加熱されているので、熱交換器123では、このような高温水が加熱流体として機能する。つまり、熱交換器123において、この高温水と、適宜の低温の受熱流体(図示せず)との間の熱交換が行われ、これにより、高温水が、上記熱交換により冷却されて、冷却水タンク121A、121B、121Cに戻る。
なお、以上の如く、熱交換器123によって冷却された冷却水のみを燃料電池スタック200内に循環させることよって、燃料電池スタック200の温度を適温(80℃程度)に維持する動作ことを、ここでは、便宜上、燃料電池スタック200の適温維持動作という。
一方、燃料電池スタック200を急速に(強制的に)冷却する場合、市水供給ポンプ124A、124B、124Cを用いて低温の市水を冷却水タンク121A、121B、121Cに送り、このような低温の市水を燃料電池スタック200内に循環させるとよい。
なお、以上の如く、熱交換器123によって冷却された冷却水の他、低温の市水を燃料電池スタック200内に循環させることよって、燃料電池スタック200の温度を急速に(強制的に)冷やすことを、ここでは、便宜上、燃料電池スタック200の強制冷却動作という。
制御器150は、例えば、CPUやメモリを内蔵するマイコンによって構成されており、本実施の形態の燃料電池システム300を様々な動作を制御している。
特に、本実施の形態の燃料電池システム300では、制御器150は、後述のスイッチング回路400(図6参照)を用いて燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)と、後述のインバータ134(出力回路)との間の接続の切り替え動作を制御している。制御器150は、単独でも複数でもよい。
なお、燃料電池システム300には、図5に示すように、集電体30、31間の電圧を検知できる全セル電圧検知器Vが配され、これにより、燃料電池スタック200の全てのセル10での発電電圧を検知できる。また、集電体30と中間集電体32aとの間の電圧を検知できる第1セル群電圧検知器V1が配され、これにより、燃料電池スタック200の第1セル群40での発電電圧を検知できる。また、中間集電体32bと中間集電体33aとの間の電圧を検知できる第2セル群電圧検知器V2が配され、これにより、燃料電池スタック200の第2セル群41での発電電圧を検知できる。また、中間集電体33bと集電体31との間の電圧を検知できる第3セル群電圧検知器V3が配され、これにより、燃料電池スタック200の第3セル群での発電電圧を検知できる。
図6は、図5の燃料電池スタックの第1、第2および第3セル群とインバータとの間の接続切り替え用のスイッチング回路の一例を示した図である。
但し、図6では、第1、第2および第3セル群40、41、42の図示を簡略化している。
スイッチング回路400は、図6に示すように、インバータ134と第1セル群40との間に配された第1接続切り替えスイッチ131と、第1セル群40と第2セル群41との間に配された第2接続切り替えスイッチ132と、第2セル群41と第3セル群42との間に配された第3接続切り替えスイッチ133と、を備える。
ここで、第1接続切り替えスイッチ131を用いてインバータ134と第1セル群40との間の電気接続が行われ、第2接続切り替えスイッチ132を用いて第1セル群40と第2セル群41との間の電気接続が行われ、第3接続切り替えスイッチ133を用いて第2セル群41と第3セル群42との間の電気接続が行われる場合、第1、第2および第3セル群40、41、42の全てがインバータ134に接続される。その結果、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が行われる。
また、第1、第2および第3セル群40、41、42の全てがインバータ134に接続された状態で、第1接続切り替えスイッチ131が切り替わり、インバータ134と第2セル群41との間の電気接続(インバータ134と第1セル群40との間の電気遮断)が行われると、第1セル群40をインバータ134に接続させずにオープン状態にできる。よって、この場合、第1セル群40でのインバータ134への給電が停止する。
また、第1、第2および第3セル群40、41、42の全てがインバータ134に接続された状態で、第2接続切り替えスイッチ132および第3接続切り替えスイッチ133が切り替わり、第1セル群40と第3セル群42との間の電気接続(インバータ134と第2セル群41との間の電気遮断)が行われると、第2セル群41をインバータ134に接続させずにオープン状態にできる。よって、この場合、第2セル群41でのインバータ134への給電が停止する。
また、第1、第2および第3セル群40、41、42の全てがインバータ134に接続された状態で、第3接続切り替えスイッチ133が切り替わり、インバータ134と第2セル群41との間の電気接続(インバータ134と第3セル群42との間の電気遮断)が行われると、第3セル群42をインバータ134に接続させずにオープン状態にできる。よって、この場合、第2セル群42でのインバータ134への給電が停止する。
以上のとおり、本実施の形態の燃料電池システム300では、第1、第2および第3接続切り替えスイッチ131、132、133を用いて第1、第2および第3セル群40、41、42のそれぞれを独立にオープン状態にできる。
これにより、燃料電池システム300は、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電を、これらのセル群40、41、42毎に個別に停止できるという特徴がある。
[燃料電池システム300の不純物除去の動作例]
次に、本実施の形態の燃料電池システム300によるカソード触媒に付着した不純物(ここでは、不純物として、酸化剤ガス(空気)中の二酸化硫黄を例示)の除去の動作例について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明の実施の形態2の燃料電池システムによるカソード触媒に付着した不純物除去の運転シーケンスの一例を示したフローチャートである。
なお、図7に示した各動作フローは、予めプログラムされて、以下の動作に必要な常数や関係式とともに、制御器150のメモリに記憶されている。
制御器150のCPUからの指令に基づいて、上記プログラムおよび上記常数や関係式が、燃料電池システム300の運転中の適時に、制御器150のCPUに読み出され、このプログラムが、以下の動作を燃料電池システム300の各部を制御しながら遂行する。
なお、図7および以下の説明では省略するが、制御器150は、第1時間、第2時間および設定時間をカウントするカウンタを備えており、これらのカウンタはそれぞれ、適時に初期化される。
燃料電池システム300の運転中、燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電継続時間が、第1時間を経過したか否かが監視されている(ステップS101)。
燃料電池スタック200の発電継続時間が第1時間を経過した場合(ステップS101において「Yes」の場合)、燃料電池システム300は、次のステップ(ステップS102以降)に進み、カソード触媒に付着した二酸化硫黄の酸化モードに入る。
一方、燃料電池スタック200の発電継続時間が第1時間を経過していない場合(ステップS101において「No」の場合)、燃料電池システム300では、通常の発電が行われる(つまり、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が行われる)。
なお、第1時間は、燃料電池スタック200に供給した酸化剤ガス(空気)の第1積算供給量「I」が、閾値量「I」に到達した時間であり、燃料電池スタック200の構成や使用条件などよって異なるが、通常、数時間〜数十時間程度の時間であると考えられる。
第1積算供給量「I」は、酸化剤ガス(大気)中の二酸化硫黄濃度「c」と、酸化剤ガス供給器110の不純物除去器112の最低除去率「r」を用いて、以下の式(2)の如く定式化できる。
式(2)中の数値「e」は、酸化剤ガス中の二酸化硫黄が、燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電電圧を低下させる場合、この発電電圧の低下電圧が、予め設定した閾値電圧に到達するときの、二酸化硫黄の暴露量に相当する。
二酸化硫黄の暴露量と燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の低下電圧との間の関係は、燃料電池スタック200の構成や使用条件などによって異なるので、全セル電圧検知器V(図5参照)、および、第1、第2および第3セル群電圧検知器V1、V2、V3(図5参照)、並びに、酸化剤ガス流量計(図示せず)を用いて予備実験を行い、両者間の関係を求める必要がある。
なお、全セル電圧検知器Vを用いて全てのセル10の閾値量を求めたうえで、単位セル10当りの閾値量を割り出し、第1、第2および3セル群40、41、42の閾値量を決める方法でも、第1、第2および3セル群電圧検知器V1、V2、V3を用いて、第1、第2および3セル群40、41、42の閾値量を決める方法でも、何れの方法を採用してもよい。
=e/(c×r)・・・(2)
燃料電池システム300が二酸化硫黄の酸化モードに入ると、まず、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第2セル群41でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第2セル群41による発電が一時的に停止する)(ステップS102、ステップS103)。
以上により、第2セル群41は開回路状態(オープン状態)となり、第2セル群41中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、この場合、カソード触媒の電極電位は、自然電位以下となるので、カソード触媒中のカーボンの劣化を抑制することができる。
なお、ステップ103において、カソード触媒の電極電位が一時的に上昇するのに必要な設定時間は、数秒〜数十秒程度でよい。
次いで、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第1セル群40でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第1セル群40による発電が一時的に停止する)(ステップS104、ステップS105)。
以上により、第1セル群40は開回路状態(オープン状態)となり、第1セル群40中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、この場合、カソード触媒の電極電位は、自然電位以下となるので、カソード触媒中のカーボンの劣化を抑制することができる。
なお、ステップ105において、カソード触媒の電極電位が一時的に上昇するのに必要な設定時間は、数秒〜数十秒程度でよい。
次いで、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第3セル群42でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第3セル群42による発電が一時的に停止する)(ステップS106、ステップS107)。
以上により、第3セル群42は開回路状態(オープン状態)となり、第3セル群42中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、この場合、カソード触媒の電極電位は、自然電位以下となるので、カソード触媒中のカーボンの劣化を抑制することができる。
なお、ステップ107において、カソード触媒の電極電位が一時的に上昇するのに必要な設定時間は、数秒〜数十秒程度でよい。
このように、本実施の形態の燃料電池システム300による二酸化硫黄の酸化モードでは、燃料電池スタック200の一部のセル10のみを発電停止した状態で、発電停止状態のセル10についてカソード触媒に付着した二酸化硫黄の酸化を行うことができる。
以上の二酸化硫黄の酸化モードが終了すると、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、切り替わり、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が行われる(つまり、燃料電池スタックの全てのセル10において、通常の発電が行われる)(ステップS108)。
ところで、燃料電池システム300の運転中、燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電継続時間が、上記第1時間よりも充分に長い第2時間を経過したか否かも監視されている(ステップS109)。
燃料電池スタック200の発電継続時間が第2時間を経過した場合(ステップS109において「Yes」の場合)、燃料電池システム300は、次のステップ(ステップS110以降)に進み、カソード触媒に付着した二酸化硫黄の洗浄モードに入る。
一方、燃料電池スタック200の発電継続時間が第2時間を経過していない場合(ステップS101において「No」の場合)、ステップS101に戻る。
なお、第2時間は、燃料電池スタック200に供給した酸化剤ガスの、上記第1積算供給量「I」よりも多量の第2積算供給量「I」が、閾値量「I」に到達した時間であり、燃料電池スタック200の構成や使用条件などよって異なるが、第1時間よりも長い時間であり、通常、数日〜数十日程度の時間であると考えられる。
第2積算供給量「I」は、酸化剤ガス中の二酸化硫黄濃度「c」と、酸化剤ガス供給器110の不純物除去器112の最低除去率「r」を用いて、以下の式(3)如く定式化できる。
式(3)中の数値「e」は、酸化剤ガス中の二酸化硫黄が、燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電電圧を低下させる場合において、燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の一回の起動停止によって、カソード触媒から除去できる二酸化硫黄の暴露量に相当する。
カソード触媒に付着した二酸化硫黄をカソード触媒から除去できたか否かの判定は、全セル電圧検知器V、および、第1、第2および第3セル群電圧検知器V1、V2、V3を用いて、カソード触媒に付着した二酸化硫黄除去後の燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電電圧を、これらの正常な発電電圧と比較することにより行うとよい。つまり、全セル電圧検知器V、および、第1、第2および第3セル群電圧検知器V1、V2、V3を用いて、二酸化硫黄除去後の燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の発電電圧が、二酸化硫黄のカソード触媒への付着によって生じた電圧低下をほぼ回復できているか否かによって判定するとよい。
燃料電池スタック200(第1、第2および第3セル群40、41、42)の一回の起動停止によって回復できる電圧と、二酸化硫黄の暴露量の関係は、燃料電池スタック200の構成や使用条件などによって異なるので、全セル電圧検知器V、および、第1、第2および第3セル群電圧検知器V1、V2、V3、並びに、酸化剤ガス流量計(図示せず)を用いて予備実験を行い、両者間の関係を求める必要がある。
=e/(c×r)・・・(3)
燃料電池システム300が二酸化硫黄の洗浄モードに入ると、まず、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第2セル群41でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第2セル群41による発電が一時的に停止する)(ステップS110、ステップS111)。同時に、このような設定時間の間、第2供給機構61Aへの冷却水供給の動作が適温維持動作から強制冷却動作に移行する(ステップS110、ステップS111)。なお、このとき、第1および第3供給機構60A、62Aへの冷却水供給の動作は適温維持動作となっている。
つまり、市水供給ポンプ124Bを用いて低温の市水が冷却水タンク121Bに送られ、このような低温の市水が、冷却水ポンプ122Bを用いて燃料電池スタック200の第2セル群41のみを循環する。
以上により、第2セル群41は開回路状態(オープン状態)となり、第2セル群41中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、第2セル群41の急速冷却によって反応ガスから多量の凝縮水を生成できるので、発電停止状態の第2セル群41において、酸化後の二酸化硫黄を容易に洗い流すことができる(つまり、二酸化硫黄の除去量を増やすことができる)。
なお、第2セル群41の強制冷却動作での温度(冷却水温度)は、カソード触媒に付着した二酸化硫黄を洗い流すのに必要な凝縮水量が得られる温度に設定するとよい。この設定温度は、反応ガスの加湿条件や燃料電池スタック200の発電時の温度条件により異なるが、設定温度が低いほど凝縮水の量が増加するので、低温にするほど好ましい。
但し、設定温度を、燃料電池スタック200の発電時の温度より十℃〜数十℃程度低くすれば、以上の二酸化硫黄の洗浄効果は適切に得られることが見出されている。
また、ステップS111において、上記設定温度を継続するのに必要な設定時間は、数十分〜数時間程度であることが好ましい。
これにより、この設定時間内に、酸化後の二酸化硫黄を凝縮水中に溶解でき、カソード触媒から二酸化硫黄を脱離させることができる。
次いで、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第1セル群40でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第1セル群40による発電が一時的に停止する)(ステップS112、ステップS113)。同時に、このような設定時間の間、第1供給機構60Aへの冷却水供給の動作が適温維持動作から強制冷却動作に移行する(ステップS112、ステップS113)。なお、このとき、第2および第3供給機構61A、62Aへの冷却水供給の動作は適温維持動作となっている。
つまり、市水供給ポンプ124Aを用いて低温の市水が冷却水タンク121Aに送られ、このような低温の市水が、冷却水ポンプ122Aを用いて燃料電池スタック200の第1セル群40のみを循環する。
以上により、第1セル群40は開回路状態(オープン状態)となり、第1セル群40中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、第1セル群40の急速冷却によって反応ガスから多量の凝縮水を生成できるので、発電停止状態の第1セル群40において、酸化後の二酸化硫黄を容易に洗い流すことができる(つまり、二酸化硫黄の除去量を増やすことができる)。
なお、第1セル群40の強制冷却動作での温度(冷却水温度)は、カソード触媒に付着した二酸化硫黄を洗い流すのに必要な凝縮水量が得られる温度に設定するとよい。この設定温度は、反応ガスの加湿条件や燃料電池スタック200の発電時の温度条件により異なるが、設定温度が低いほど凝縮水の量が増加するので、低温にするほど好ましい。
但し、この設定温度を、燃料電池スタック200の発電時の温度より十℃〜数十℃程度低くすれば、以上の二酸化硫黄の洗浄効果は適切に得られることが見出されている。
また、ステップS113において、上記設定温度を継続するのに必要な設定時間は、数十分〜数時間程度であることが好ましい。
これにより、この設定時間内に、酸化後の二酸化硫黄を凝縮水中に溶解でき、カソード触媒から二酸化硫黄を脱離させることができる。
次いで、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、予め定められた時間(設定時間)の間、一時的に切り替わり、これにより、第3セル群42でのインバータ134への給電が一時的に停止する(つまり、第3セル群42による発電が一時的に停止する)(ステップS114、ステップS115)。同時に、このような設定時間の間、第3供給機構62Aへの冷却水供給の動作が適温維持動作から強制冷却動作に移行する(ステップS114、ステップS114)。なお、このとき、第1および第2供給機構60A、61Aへの冷却水供給の動作は適温維持動作となっている。
つまり、市水供給ポンプ124Cを用いて低温の市水が冷却水タンク121Cに送られ、このような低温の市水が、冷却水ポンプ122Cを用いて燃料電池スタック200の第3セル群42のみを循環する。
以上により、第3セル群42は開回路状態(オープン状態)となり、第3セル群42中のセル10の電圧が自然電位レベルにまで自動的に上昇する。すると、これらのセル10のカソード触媒の電極電位が上昇するので、カソード触媒に吸着した二酸化硫黄を酸化することができる。また、第3セル群42の急速冷却によって反応ガスから多量の凝縮水を生成できるので、発電停止状態の第3セル群42において、酸化後の二酸化硫黄を容易に洗い流すことができる(つまり、二酸化硫黄の除去量を増やすことができる)。
なお、第3セル群42の強制冷却動作での温度(冷却水温度)は、カソード触媒に付着した二酸化硫黄を洗い流すのに必要な凝縮水量が得られる温度に設定するとよい。この設定温度は、反応ガスの加湿条件や燃料電池スタック200の発電時の温度条件により異なるが、設定温度が低いほど凝縮水の量が増加するので、低温にするほど好ましい。
但し、この設定温度を、燃料電池スタック200の発電時の温度より十℃〜数十℃程度低くすれば、以上の二酸化硫黄の洗浄効果は適切に得られることが見出されている。
また、ステップS115において、上記設定温度を継続するのに必要な設定時間は、数十分〜数時間程度であることが好ましい。
これにより、この設定時間内に、酸化後の二酸化硫黄を凝縮水中に溶解でき、カソード触媒から二酸化硫黄を脱離させることができる。
このように、本実施の形態の燃料電池システム300による二酸化硫黄の洗浄モードでは、燃料電池スタック200の一部のセル10のみを発電停止した状態で、発電停止状態のセル10についてカソード触媒に付着した二酸化硫黄の洗い流すことができる。
以上の二酸化硫黄の洗浄モードが終了すると、スイッチング回路400を用いて、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続が再び、切り替わり、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が行われる(つまり、燃料電池スタックの全てのセル10において、発電が行われる)(ステップS116)。同時に、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aへの冷却水供給の動作が全て適温維持動作になり(ステップS116)、ステップS101に戻る。
以上のとおり、本実施の形態の燃料電池システム300は、第1、第2および第3セル群40、41、42とインバータ134との間の電気接続および電気遮断を可能にするスイッチング回路400を備える。そして、本実施の形態の燃料電池システム300では、このようなスイッチング回路400によって、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電を、これらのセル群40、41、42毎に個別に停止できるという特徴がある。
詳しくは、上述のとおり、本実施の形態の燃料電池システム300は、第1、第2および第3セル群40、41、42の発電継続時間が、第1時間を経過した場合、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が、スイッチング回路400を用いて順次、停止される。そして、第1、第2および第3セル群40、41、42の発電継続時間が、第2時間を経過した場合、第1、第2および第3セル群40、41、42でのインバータ134への給電が、スイッチング回路400を用いて順次、停止されるとともに、インバータ134への給電停止状態の第1、第2および第3セル群40、41、42の冷却が、第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aを用いて順次、行われる。
以上により、本実施の形態の燃料電池システム300では、燃料電池システム300の燃料電池スタック200の一部のセル10のみを発電停止した状態で、発電停止状態のセル10について、硫黄化合物の付着によるカソード触媒の性能劣化を回復が行われる。
よって、硫黄化合物付着によるカソード触媒の性能劣化を回復する場合、燃料電池スタック200の一部のセル10のみにオープン電位(自然電位以下の電位)与え、燃料電池スタック200の一部のセル10のみを冷却するので、燃料電池スタック200の耐久性および発電効率を従来例よりも改善できる。
なお、本発明は、以上に例示した第1、第2および第3供給機構60A、61A、62Aの個数や形状、排出機構63Aの個数や構成、酸化剤ガス流路溝14の本数や形状、および、伝熱媒体流路溝22の本数や形状などに限定されず、本明細書の趣旨から容易に改変できる様々な形態に適用できる。
また、以上に例示した燃料電池スタック200は、高分子電解質型の燃料電池であるが、本発明は、これに限定されず、不純物による触媒汚染の影響を回復処理する必要がある様々なタイプの燃料電池、および、このような燃料電池を備える様々なシステムに適用できる。
本発明によれば、不純物付着による触媒の性能劣化を回復する場合に、発電効率および耐久性が従来例よりも改善できる燃料電池スタックおよび燃料電池システムが得られる。
よって、本発明は、家庭用コージェネレーションシステム、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の様々な用途として有用である。
10、10A セル
10S 積層体
11 水素イオン伝導性高分子電解質膜
12 カソードガス拡散電極
13 アノードガス拡散電極
14 酸化剤ガス流路溝
15 燃料ガス流路溝
16 カソード導電性セパレータ板
17 アノード導電性セパレータ板
18 MEA
19 ガスケット
22、23 伝熱媒体流路溝
28 矩形流路
30、31 端部集電体
32a、32b、33a、33b 中間集電体
34、35 絶縁体
40 第1セル群
41 第2セル群
42 第3セル群
50 第1供給口
51 第2供給口
52 第3供給口
53 排出口
60、61、62、63、65、66、67、68 マニホールド孔
60A 第1供給機構
61A 第2供給機構
62A 第3供給機構
63A 排出機構
70、71 絶縁板
72、73 端板
74、75 弾性体
100 燃料ガス供給器
101 脱硫器
102 原料ガス調整器
103 燃料処理器
110 酸化剤ガス供給器
111 酸化剤ガス調整器
112 不純物除去器
113 加湿器
120 冷却水供給器
121A、121B、121C 冷却水タンク
122A、122B、122C 冷却水ポンプ
123 熱交換器
124A、124B、124C 市水供給ポンプ
131 第1接続切り替えスイッチ
132 第2接続切り替えスイッチ
133 第3接続切り替えスイッチ
134 インバータ(出力回路)
150 制御器
200 燃料電池スタック
300 燃料電池システム
400 スイッチング回路
500 積層方向
V 全セル電圧検知器
V1 第1セル群電圧検知器
V2 第2セル群電圧検知器
V3 第3セル群電圧検知器

Claims (6)

  1. 一対の集電体間に2以上の単電池が積層され、前記単電池に伝熱媒体を供給できる供給機構が前記単電池の積層方向に延びている燃料電池スタックであって、
    前記集電体間に一対の中間集電体が前記積層方向に積層され、前記中間集電体の対が、前記単電池間に挿入されており、
    前記一対の中間集電体が、前記積層方向に絶縁体を挟んでいる、燃料電池スタック。
  2. 前記2以上の単電池が、前記中間集電体の対によって複数の単電池群にグループ分けされており、
    前記供給機構は、前記単電池群のそれぞれに独立に、前記伝熱媒体を供給するように構成されている、請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池スタックが搭載され、前記燃料電池スタックによって発電が行われる燃料電池システム。
  4. 前記単電池群と出力回路との間の電気接続および電気遮断を可能にするスイッチング回路を備え、
    前記スイッチング回路によって、前記単電池群での出力回路への給電を、前記単電池群毎に個別に停止できるように構成されている、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記単電池群の発電継続時間が、第1時間を経過した場合、前記単電池群での前記出力回路への給電が、前記スイッチング回路を用いて順次、停止され、
    前記単電池群の発電継続時間が、第2時間を経過した場合、前記単電池群での前記出力回路への給電が、前記スイッチング回路を用いて順次、停止されるとともに、前記出力回路への給電停止状態の前記単電池群の冷却が、前記供給機構を用いて順次、行われる、請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第2時間は前記第1時間よりも長い請求項5に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013118094A (ja) * 2011-12-02 2013-06-13 Jx Nippon Oil & Energy Corp 燃料電池システム
WO2020209533A1 (ko) * 2019-04-10 2020-10-15 군산대학교산학협력단 연료전지 스택의 분산형 체결 구조

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