JP2011113657A - サージ電流検出デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】短時間に侵入するサージ電流を的確に検知する。
【解決手段】防護素子(例えば、アレスタ12)は、線路側端子L1,L2又はアース端子Eに侵入するサージ電流iから被保護機器25を防護する。アレスタ12に接続された導体11−2,11−3,11−5には、侵入するサージ電流iを検出するサージ電流検出デバイス30−1〜30−3がそれぞれ設置されている。各サージ電流検出デバイス30−1〜30−3は、侵入するサージ電流iによって発生する磁力線を所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部材40と、検出領域に配置される磁性体シート50とを備えている。磁性体シート50は、サージ電流iにおける侵入状態の記録及び消去が可能な記録層を有している。記録層には、集中された磁力線により配向状態が変化する磁性粉が液体中に浮遊状態で封止されたマイクロカプセルが複数配置され、外部から目視可能な構造になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信回路や電源回路等の被保護機器に接続された通信線や電源線等の導体に侵入する落雷等のサージ電流に対して被保護機器を防護(保護)するための保安器等に設けられ、サージ電流の大きさ等の侵入状態を検出するサージ電流検出デバイスに係り、特に、サージ電流の侵入に伴い、導体に発生する磁界を利用してサージ電流の侵入状態を検出するサージ電流検出デバイスに関するものである。
近年、通信回路や電源回路等の被保護機器の品質が向上するにつれ、落雷等による機器破損の被害件数も増加の傾向を辿っている。例えば、建物設備周辺に落雷があった場合、落雷のあった場所から周辺へサージ電流が流れる。そして、サージ電流が設備内部へと侵入してしまうと、被保護機器が破壊されてしまう。そのため、サージ電流侵入を検出するサージ電流検出デバイスが求められていた。
又、被保護機器が破壊されないように保安器(SPD)が設備へと設置される。落雷等の雷サージ電流から設備機器を保護する役目を持つ保安器も、内部の避***(アレスタ)やバリスタ等の防護素子(雷保護素子)が破壊される場合があるため、保護する設備と同様に、サージ電流侵入を検出するサージ電流検出デバイスが求められていた。
保安器、とりわけ内部防護素子のバリスタやアレスタ等は、サージ電流やサージ電圧が印加されることで劣化していく素子である。そして、劣化することにより本来備わっている機能が低下してしまうおそれがあるため、劣化した保安器というものは早期交換が重要である。
これらの問題解決のための従来技術として、例えば、下記の特許文献1〜3に記載されたサージ電流検出デバイスが知られている。
特許文献1に記載されたサージ電流検出デバイスでは、落雷によるサージ電流が導体に流れた際のサージ電流のジュール熱を利用して感熱材を変色させ、バリスタ等の防護素子の劣化を判定している。即ち、バリスタ等の防護素子に感熱材を設置しておき、サージ電流が流れ、防護素子が動作することによりジュール熱が発生し、感熱材を変色させている。
特許文献2、3に記載されたサージ電流検出デバイスでは、前記と同様に、ジュール熱を利用する判定方法であり、熱収縮材による金属の収縮を利用して劣化を判定している。例えば、サージ電流のジュール熱により金属収縮材が縮み、この金属収縮材により、隠されていた表示を目視できるような機構を施すことで、判定を行っている。
又、保安器とは異なる他の技術分野ではあるが、カードの情報内容を目視にて確認できる磁気表示媒体の技術が、下記の特許文献4に記載されている。
この特許文献4に記載された磁気表示媒体では、基体上に情報収納部と磁気表示部とを備えている。情報収納部は、磁気テープ又は集積回路(IC)メモリにより構成されている。磁気表示部は、基板と、この上に直接又は中間層を介して塗設されたマイクロカプセルを含有する記録層とを有している。マイクロカプセルの中には、液体と、この液体の中に浮遊し且つ磁場に感応する磁性粉とが含有されており、情報収納部に収納された情報に基づき、磁気表示部の記録層に目視可能な情報の記録及び消去ができるように構成されている。
又、マイクロカプセルに関する技術が、下記の特許文献5等にも記載されている。
特開2005−150657号公報 特開2006−244889号公報 特開2007−242569号公報 特開平5−16578号公報 特開平11−76801号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された従来のサージ電流検出デバイスでは、次の(a)〜(c)のような課題があった。
(a) 従来のものは、導体に流れるサージ電流のジュール熱を利用してバリスタ、アレスタ等の防護素子の劣化を判定している。サージ電流を流す導体は、サージ電流を速やかに流さなければならないので、抵抗値を小さくする必要がある。しかし、サージ電流は短時間に流れ、ジュール熱量が少ないので、劣化検出感度が良くない。
(b) 金属収縮材等を用いたものでは、機械式構造のため、小型化等が難しい。
(c) 従来の感熱材や熱収縮材を用いたものでは、それらが再使用が難しい部材であるため、再使用ができず、使用不可となった保安器と共に廃棄され、無駄が生じていた。
このように、従来のサージ電流検出デバイスでは、劣化検出感度が良くない、小型化等が難しい、再使用ができない、といった課題があった。
このような課題を解決するために、例えば、特許文献4、5等に記載されたマイクロカプセルを含有する記録層を従来の技術に適用して、サージ電流を検出することが考えられる。しかし、落雷等のサージ電流は極めて短時間に流れるため、検出感度を向上させることが困難であった。
そこで、本発明は、従来のマイクロカプセル技術等を用いて、従来の前記課題を巧みに解決したサージ電流検出デバイスを提供することを目的とする。
本発明のサージ電流検出デバイスは、導体に侵入するサージ電流から被保護機器を防護する防護素子に接続された前記導体に配設され、前記導体に侵入する前記サージ電流を検出するサージ電流検出デバイスであって、前記導体に侵入する前記サージ電流によって発生する磁界を形成する磁力線を所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部と、前記検出領域に配置される磁性体シートとを備えている。
そして、前記磁性体シートは、表面及び裏面を有し、前記裏面側が前記検出領域に配置されるシート部材と、前記シート部材の表面側に設けられ、集中された前記磁力線により配向状態が変化する磁性粉が液体中に浮遊状態で封止されたマイクロカプセルが複数配置され、前記サージ電流における侵入状態の記録及び消去が可能な記録層と、前記記録層を覆い、前記記録層における前記記録及び消去の状態が外部から目視可能な透光性の保護膜と、を有することを特徴とする。
本発明のサージ電流検出デバイスによれば、導体に侵入するサージ電流によって発生する磁界を形成する磁力線を、磁力集中部によって所定の検出領域に高密度に集中させ、磁性体シート内のマイクロカプセル中の磁性粉の配向状態を変化させる構成にしている。そのため、短時間に侵入するサージ電流に対し、より鮮明に磁性粉の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。その結果、従来のようなジュール熱による危険もなく、しかも、導体に磁性体シートを近接させる構成であるため、構造が簡単で、小型化が可能であり、取り付け場所が嵩むことがない。その上、磁石を使い磁性粉の配向状態をリセットできるので、繰り返し使用することが可能であり、コストを削減できる。
図1は本発明の実施例1におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器を示す回路図である。 図2は図1中の磁性体シートを示す概略の構成図である。 図3は図1の保安器の全体の動作を説明するための回路図である。 図4は図1中のサージ電流検出デバイスの動作を説明するための模式図である。 図5は図1のサージ電流検出デバイスを用いて試験したサージ電流検出結果54を示す図である。 図6は本発明の実施例2におけるサージ電流検出デバイスを示す分解斜視図である。 図7は本発明の実施例3におけるサージ電流検出デバイスを示す斜視図である。 図8は図7のサージ電流検出デバイスの開状態及び分解状態を示す斜視図である。 図9は本発明の実施例4におけるサージ電流検出デバイスを示す斜視図である。 図10は図9のサージ電流検出デバイスの開状態及び分解状態を示す斜視図である。 図11は本発明の実施例5におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器の一部を示す概略の斜視図である。 図12は図11(b)中のスリットの変形例を示す斜視図である。 図13は本発明の実施例6におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器の一部を示す概略の斜視図である。 図14は図13(b)中の曲線部の変形例を示す斜視図である。 図15−1は実施例1の図1(a)中の保安器の他の回路構成例を示す本発明の実施例7の回路図である。 図15−2は実施例1の図1(a)中の保安器の他の回路構成例を示す本発明の実施例7の回路図である。 図15−3は実施例1の図1(a)中の保安器の他の回路構成例を示す本発明の実施例7の回路図である。 図15−4は実施例1の図1(a)中の保安器の他の回路構成例を示す本発明の実施例7の回路図である。
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1の構成)
図1(a)〜(c)は、本発明の実施例1におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器を示す回路図であり、同図(a)は全体の回路図、同図(b)はサージ電流検出デバイスを示す分解斜視図、及び、同図(c)はサージ電流検出デバイスを示す断面図である。
図1(a)に示すように、保安器10は、通信機器等の被保護機器25を落雷等のサージ電流から防護するものであり、通信線又は電源線に接続される2つの線路側端子L1,L2と、接地されるアース端子Eと、被保護機器25に接続される2つの機器側端子T1,T2とを有している。一方の線路側端子L1及び機器側端子T1間は、導体11(例えば、11−1)により接続され、他方の線路側端子L2及び機器側端子T2間も、導体11−4により接続されている。
導体11−1には、線間側の導体11−2を介して、3極避***である3極アレスタ12の第1電極が接続され、この3極アレスタ12の第2電極が、線間側の導体11−3を介して、導体11−4に接続されている。3極アレスタ12の第3電極は、アース側の導体11−5を介して、アース端子Eに接続されている。各導体11(=11−1〜11−5)としては、例えば、耐電流に応じた芯線直径(2.0mm、3.5mm、5.0mm、8mm等)を有する断面円形のケーブルが使用されている。
アース側の導体11−5には、サージ電流検出デバイス30(例えば、30−1)が設置され、更に、線間側の導体11−2,11−3にも、サージ電流検出デバイス30−2,30−3がそれぞれ設置されている。各サージ電流検出デバイス30(=30−1〜30−3)は、各導体11(=11−5,11−2,11−3)に侵入する落雷等のサージ電流における侵入状態(例えば、侵入経路、侵入電流値の大きさ、侵入回数等)をそれぞれ検出するものであり、同一の構成である。
図1(b)、(c)に示すように、サージ電流検出デバイス30は、導体11に侵入するサージ電流によって発生する磁界を形成する磁力線を所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部(例えば、磁力集中部材)40と、前記検出領域に配置され、前記サージ電流における侵入状態の記録及び消去が可能な磁性体シート50と、前記磁力集中部材40を保持し、且つ、前記磁性体シート50を前記検出領域に固定するホルダ60とにより構成されている。
磁力集中部材40は、断面円形のケーブルからなる導体11を挟持する円筒状の挟持部41を有している。挟持部41は、一体構造の磁性体(例えば、酸化鉄、酸化クロム、コバルト、フェライト等の強磁性体)からなり、この挟持部41の軸方向に沿ってギャップGを有するスリット42が形成されている。ギャップGは、導体11に侵入するサージ電流によって発生する磁界を形成する磁力線を高密度に集中させて前記検出領域を形成する機能を有している。スリット42の両側には、対峙する一対の係合部43−1,43−2が突設されている。
ホルダ60は、磁力集中部材40のギャップGと対向する位置に磁性体シート50を固定するものであり、磁力集中部材40を挟持して保持する溝状の保持部61と、その溝状の底面(磁性体シート50側)に位置し、平坦な上面にて磁性体シート50の裏面を接着剤等により固定するための固定部62とを有し、これらの保持部61及び固定部62がプラスチック等により一体的に形成されている。固定部62の平坦な上面には、磁力集中部材40の係合部43−1,43−2を嵌入するための細長い開口部63が形成されている。開口部63は、磁力集中部材40の係合部43−1,43−2を嵌入してこの磁力集中部材40を固定すると共に、磁力集中部材40のギャップGに発生する磁力線を磁性体シート50側へ通過させる機能を有している。
図2(a)〜(c)は、図1中の磁性体シート50を示す概略の構成図であり、同図(a)は断面図、及び、同図(b)、(c)は同図(a)の動作原理を説明するための部分拡大図である。
図2(a)に示すように、磁性体シート50は、裏面側がホルダ60の固定部62に固定されるシート部材51と、このシート部材51の表面側に設けられ、サージ電流における侵入状態の記録及び消去が可能な記録層52と、この記録層52を覆い、記録層52における記録及び消去の状態が外部から目視可能な透光性の保護膜53等とにより構成されている。
シート部材51は、プラスチック等により形成され、表示のコントラストを明瞭にするために所定の色で着色されている。このシート部材51の裏面側は、接着剤等により、ホルダ60の固定部62に固定される。
記録層52は、シート部材51の表面側に配置された複数のマイクロカプセル52aと、これらのマクロカプセル52a間に充填された接着剤であるバインダ52b等とにより構成されている。マイクロカプセル52aは、特許文献4、5等に記載されているように、磁力線により配向状態が変化する複数の磁性粉52a1が、有機溶剤等の液体52a2中に浮遊状態で封止されたものであり、例えば、直径が10〜100μm位の球形をしている。磁性粉52a1は、保磁力の小さな鉄材等の軟磁性体に、保磁力の大きな磁石材(フェライト、ネオジム等)の硬磁性体を適度に混合して用いると、保磁力の良いマイクロカプセル52aが得られる。例えば、軟磁性体として、フレーク状(薄片状)で縦横比が約10、粒子径2〜10μm位のものに、硬磁性体として、フレーク状で縦横比が約5、粒子径0.1〜2μm位のものを3〜15%位混合すれば、保磁力の良いマイクロカプセル52aが得られる。
透光性の保護膜53は、例えば、プラスチック等の透明シートにより構成されている。
このような構成の磁性体シート50では、例えば、図2(b)に示すように、水平磁界Hhが加わると、磁性粉52a1が水平方向に配向して横に並び、外部から保護膜53に入射する入射光Ihは、磁性粉52a1の表面で反射する。そのため、保護膜53を通して磁性粉52a1の表面色を目視できる。又、図2(c)に示すように、垂直磁界Hvが加わると、磁性粉52a1が垂直方向に配向して縦に並び、外部から保護膜53に入射する入射光Ihは、シート部材51の表面まで届くが、屈折が多く、シート部材51の色までは見えない。そのため、例えば、シート部材51の色が白でも赤でも、概ね全体的に黒く見える。
(保安器の動作)
図3(a)、(b)は、図1の保安器10の全体の動作を説明するための回路図であり、同図(a)は対接地間(コモンモード)の動作を示す図、及び、同図(b)は線間(ノーマルモード)の動作を示す図である。
図3(a)の対接地間(コモンモード)において、落雷等により、線路側端子L1,L2から侵入したサージ電流iが+極性の場合、異常電圧よってアレスタ12が放電動作する。そのため、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、線路側端子L1→導体11−1→サージ電流検出デバイス30−2が設置された導体11−2→アレスタ12→導体11−5→アース端子Eへと流れると共に、線路側端子L2→導体11−4→サージ電流検出デバイス30−3が設置された導体11−3→アレスタ12→導体11−5→アース端子Eへと流れる。これにより、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作する。
これに対し、線路側端子L1,L2から侵入したサージ電流iが−極性の場合、異常電圧よってアレスタ12が放電動作し、侵入したサージ電流iは、破線矢印で示すように、前記とは逆方向の経路を経て線路側端子L1,L2へ流れ、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作する。
図3(b)の線間(ノーマルモード)において、落雷等により、線路側端子L1に+極性のサージ電流iが侵入した場合、異常電圧よってアレスタ12が放電動作する。そのため、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、導体11−1→サージ電流検出デバイス30−2が設置された導体11−2→アレスタ12→サージ電流検出デバイス30−3が設置された導体11−3→導体11−4→線路側端子L2へと流れる。これにより、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流iはアース端子Eへ流れないので、サージ電流検出デバイス30−2,30−3が動作する。
これに対し、線路側端子L2に+極性のサージ電流iが侵入した場合、異常電圧よってアレスタ12が放電動作し、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、前記とは逆方向の経路を経て線路側端子L1へ流れ、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流iはアース端子Eへ流れないので、サージ電流検出デバイス30−2,30−3が動作する。
(実施例1のサージ電流検出デバイスの動作)
図4(a)、(b)は、図1中のサージ電流検出デバイス30の動作を説明するための模式図であり、同図(a)は磁性体シート50の表面側から見た平面図、及び、同図(b)は同図(a)の右側面図である。
図4(a)に示すように、導体11に設置されたサージ電流検出デバイス30において、矢印の右方向へサージ電流iが導体11に流れると、図4(b)に示すように、導体11の周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが、反時計回り方向に均等に生じる。導体11の周囲に均等に生じた磁力線Mは、ギャップGを有するほぼ円筒状の磁力集中部材40により、所定の検出領域であるギャップGの箇所に高密度に集中される。
そのため、ホルダ60により、ギャップG上に配置された磁性体シート50内の記録層52において、ギャップG上部に位置するマイクロカプセル52aには、水平の磁力線Gが加わり、マイクロカプセル52a中の磁性粉52a1が横に並んでこの磁性粉52a1の表面色が磁性体シート50内の保護膜53の表面に現れる。これに対し、ギャップGの斜め上部に位置するマイクロカプセル52aには、斜め方向の磁力線Gが加わり、マイクロカプセル52a中の磁性粉52a1が斜めに並んで若干黒くなった部分が保護膜53の表面に現れる。これにより、ギャップG(即ち、スリット42)の両側に対向する保護膜53箇所には、2本の線のサージ検出結果54が現れ、より鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
ここで、サージ電流検出結果54である2本の線により、導体11にサージ電流iが侵入したことを目視でき、更に、その2本の線の太さにより、サージ電流値の大きさや侵入回数を検知することができる。
図5(a)〜(d)は、図1のサージ電流検出デバイス30を用いて試験したサージ電流検出結果54を示す図である。
図5(a)は、サージ電流iが500Aで印加回数が1回の場合のサージ電流検出結果54である。同様に、図5(b)は、サージ電流iが1kAで印加回数が1回の場合、図5(c)は、サージ電流iが2kAで印加回数が1回の場合、更に、図5(d)は、サージ電流iが2kAで印加回数が3回の場合のそれぞれのサージ電流検出結果54である。
この図5(a)〜(d)から明らかなように、侵入するサージ電流値の大きさや侵入回数が増加する程、サージ電流検出結果54である2本の線の太さが太くなっている。そのため、その2本の線の太さから、サージ電流値の大きさや侵入回数を検知することが可能になる。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、次の(1)〜(3)のような効果がある。
(1) 導体11に侵入するサージ電流iによって発生する磁界Hh,Hvを形成する磁力線Mを、磁力集中部材40によって所定の検出領域(即ち、ギャップG箇所)に高密度に集中させ、磁性体シート50内のマイクロカプセル52a中の磁性粉52a1の配向状態を変化させる構成にしている。そのため、短時間に侵入するサージ電流iに対し、より鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
(2) 前記(1)により、従来のようなジュール熱による危険もなく、しかも、ホルダ60により、導体11に磁性体シート50を近接させる構成であるため、構造が簡単で、小型化が可能であり、取り付け場所が嵩むことがない。
(3) 磁石を使い磁性粉52a1の配向状態をリセットできるので、繰り返し使用することが可能であり、コストを削減できる。
(実施例2の構成)
図6は、本発明の実施例2におけるサージ電流検出デバイスを示す分解斜視図であり、実施例1を示す図1(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2のサージ電流検出デバイス30Aでは、実施例1の磁力集中部材40及びホルダ60とは異なる構成の磁力集中部材40A及びホルダ60Aと、実施例1と同様の磁性体シート50とにより構成されている。
本実施例2の磁力集中部材40Aは、実施例1と同様に、断面円形のケーブルからなる導体11を挟持する円筒状の挟持部41を有している。挟持部41は、一体構造の磁性体からなり、この挟持部41の軸方向に沿って、実施例1の直線状のスリット42とは異なる形状のスリット42Aが形成されている。スリット42Aの対向する面には、三角形の凹凸が形成されている。このスリット42Aには、実施例1と同様に、導体11に侵入するサージ電流によって発生する磁力線Mを高密度に集中させて検出領域を形成するギャップGを有している。
本実施例2のホルダ60Aは、実施例1のホルダ60と同様に、磁力集中部材40AのギャップGと対向する位置に磁性体シート50を固定するものであり、磁力集中部材40Aを挟持して保持する溝状の保持部61と、その溝状の底面(磁性体シート50側)に位置し、平坦な上面にて磁性体シート50の裏面を接着剤等により固定するための固定部62とを有している。しかし、本実施例2の固定部62には、実施例1の開口部63が形成されていない。本実施例2の保持部61及び固定部62は、透磁率の小さな材料(例えば、プラスチック等)により一体的に形成されている。磁力集中部材40AのギャップGで発生した磁力線Mを、効率良く磁性体シート50へ加えるために、固定部62の厚みを薄くすることが好ましい。
サージ電流検出デバイス30Aのその他の構成や、保安器10全体の構成は、実施例1と同様である。
(実施例2の動作)
図6の導体11に設置されたサージ電流検出デバイス30Aにおいて、サージ電流iが導体11に流れると、実施例1と同様に、導体11の周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが均等に生じる。導体11の周囲に均等に生じた磁力線Mは、ギャップGを有する円筒状の磁力集中部材40Aにより、所定の検出領域であるギャップGの箇所に高密度に集中される。
そのため、実施例1とほぼ同様に、ホルダ60Aにより、ギャップG上に配置された磁性体シート50内の記録層52において、ギャップG上のマイクロカプセル52aには、ホルダ60Aの固定部62を介して磁力線Gが加わり、マイクロカプセル52a中の磁性粉52a1の配向状態が変化する。これにより、実施例1と同様に、ギャップG(即ち、スリット42A)の両側に対向する保護膜53箇所には、2本のノコギリ状の線のサージ検出結果54が現れ、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
従って、サージ電流検出結果54である2本のノコギリ状の線により、導体11にサージ電流iが侵入したことを目視でき、更に、その2本のノコギリ状の線の太さにより、サージ電流値の大きさや侵入回数を検知することができる。
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1とほぼ同様に、導体11に侵入するサージ電流iによって発生する磁力線Mを、磁力集中部材40Aによって所定の検出領域(即ち、ギャップG箇所)に高密度に集中させ、ホルダ60の固定部62を介して、磁性体シート50内のマイクロカプセル52a中の磁性粉52a1の配向状態を変化させる構成にしている。そのため、短時間に侵入するサージ電流iに対し、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
特に、本実施例2のホルダ60における固定部62には、実施例1のような開口部63を形成していないので、ホルダ60の構造が簡単になる。
しかも、スリット42Aの対向する面には、三角形の凹凸が形成されているので、実質的にスリット長が長くなり、発生する磁力線Mが増加して磁性粉52a1の配向状態を効率良く変化させることができる。そのため、実施例1のような開口部63を形成しなくても、実施例1とほぼ同様の効果が得られる。その他、実施例1の効果(2)、(3)と同様の効果がある。
(実施例2の変形例)
スリット42Aは、直線状等の他の形状にしても良い。又、ホルダ60Aにおける固定部62に、実施例1のような開口部63を形成しても良い。
(実施例3の構成)
図7は、本発明の実施例3におけるサージ電流検出デバイス30Bを示す斜視図である。更に、図8(a)〜(c)は、図7のサージ電流検出デバイス30Bの開状態及び分解状態を示す斜視図であり、同図(a)は、サージ電流検出デバイス30Bの開状態を示す斜視図、同図(b)はホルダ60Bの開状態を示す斜視図、及び、同図(c)は磁力集中部材40Bの斜視図である。これらの図7及び図8において、実施例1を示す図1(b)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例3のサージ電流検出デバイス30Bでは、実施例1の磁力集中部材40及びホルダ60とは異なる構成の磁力集中部材40B及びホルダ60Bと、実施例1と同様の磁性体シート50とにより構成されている。
本実施例3の磁力集中部材40Bは、実施例1と同様に、断面円形のケーブルからなる導体11を挟持する円筒状の挟持部41Bを有している。挟持部41Bは、一体構造の磁性体からなり、この挟持部41Bの軸方向に沿って直線状のスリット42Bが形成されている。スリット42Bは、実施例1と同様に、導体11に侵入するサージ電流によって発生する磁力線Mを高密度に集中させて検出領域を形成するギャップGを有している。スリット42Bの両側近傍には、このスリット42Bに沿って一対の長方形の係合孔44−1,44−2が形成されている。
本実施例3のホルダ60Bは、磁力集中部材40BのギャップGと対向する位置に磁性体シート50を固定するものであり、磁力集中部材40Bを係止して保持する板状の保持部61Bと、磁性体シート50を接着剤等により固定し、保持部61Bに対してその磁性体シート50を開閉自在に接触させてその保持部61Bを覆う固定部62Bと、保持部61Bに対して固定部62Bを開閉自在に連結するヒンジ部64とにより構成され、透磁率の小さな材料(例えば、プラスチック等)により形成されている。
保持部61Bにおけるヒンジ部64と対向する解放端面側には、固定部62Bを係止するための係合凹部65が形成されている。保持部61Bにおける固定部62Bとの接触面側である上面には、磁力集中部材40B側の一対の係合孔44−1,44−2を嵌入するための一対の係合突起66−1,66−2が設けられ、更に、その係合突起66−1,66−2間に、磁力集中部材40B側のスリット42Bを受け入れて分離するための分離用突起67が設けられている。
固定部62Bにおけるヒンジ部64と対向する解放端面側には、保持部61B側の係合凹部65に対して着脱自在に嵌入される係合爪68が設けられている。固定部62Bにおける磁性体シート固定箇所は、平板状をなし、この裏面に磁性体シート50の表面が接着剤等により固定される。そのため、固定部62Bは、磁性体シート50を外部から目視可能なように透明等の透光性の部材により形成されている。
保持部61Bと固定部62Bとを開閉自在に連結するヒンジ部64は、折り曲げ可能な肉厚の薄い帯状部材や、あるいは、蝶番部材等により構成されている。
このような構成のサージ電流検出デバイス30Bを導体11に装着するには、例えば、導体11を磁力集中部材40B内に通すと共に、ホルダ60Bを開いて保持部61Bをその磁力集中部材40B内に通し、磁力集中部材40B側の係合孔44−1,44−2を保持部61側の係合突起66−1,66−2に嵌める。そして、磁性体シート50を固定した固定部62Bを保持部61B側に閉じ、固定部62B側の係合爪68を保持部61B側の係合凹部65に係合させれば、サージ電流検出デバイス30Bが導体11に装着される。
サージ電流検出デバイス30Bのその他の構成や、保安器10全体の構成は、実施例1と同様である。
(実施例3の動作)
図8の導体11に設置されたサージ電流検出デバイス30Bにおいて、サージ電流iが導体11に流れると、実施例1と同様に、導体11の周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが均等に生じる。導体11の周囲に均等に生じた磁力線Mは、ギャップGを有する円筒状の磁力集中部材40Bにより、所定の検出領域であるギャップGの箇所に高密度に集中される。
そのため、実施例1とほぼ同様に、ホルダ60Bにより、ギャップG上に配置された磁性体シート50内の記録層52において、ギャップG上のマイクロカプセル52aには、ホルダ60Bの固定部62Bを介して磁力線Gが加わり、マイクロカプセル52a中の磁性粉52a1の配向状態が変化する。これにより、実施例1と同様に、ギャップG(即ち、スリット42B)の両側に対向する保護膜53箇所には、2本の線のサージ検出結果54が現れ、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
従って、サージ電流検出結果54である2本の線により、導体11にサージ電流iが侵入したことを目視でき、更に、その2本の線の太さにより、サージ電流値の大きさや侵入回数を検知することができる。
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、実施例1とほぼ同様に、導体11に侵入するサージ電流iによって発生する磁力線Mを、磁力集中部材40Bによって所定の検出領域(即ち、ギャップG箇所)に高密度に集中させ、ホルダ60Bの固定部62Bを介して、磁性体シート50内のマイクロカプセル52a中の磁性粉52a1の配向状態を変化させる構成にしている。そのため、短時間に侵入するサージ電流iに対し、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
特に、本実施例3のホルダ60Bは、固定部62Bが保持部61Bに対して開閉可能で、保持部61Bに磁力集中部材40Bを係止する構造になっているので、磁力集中部材40Bを異なるサイズのものに取り替えることにより、ケーブルからなる導体11の異なるサイズのものに装着が可能である。その他、実施例1の効果(2)、(3)と同様の効果がある。
(実施例3の変形例)
本実施例3のサージ電流検出デバイス30Bは、次の(a)〜(c)のように変形しても良い。
(a) ホルダ60Bにおける保持部61B側の分離用突起67は、削除しても良い。これにより、ホルダ60Bの構造、形状を簡素化できる。
(b) 磁性体シート50としてサージ電流検出性能の良いものを使用すれば、固定部62Bにおける磁性体シート固定箇所の表面側に、磁性体シート50の裏面側を接着剤等により固定しても良い。この場合は、固定部62Bは、透光性の部材でなくても良い。
(c) 固定部62Bにおける磁性体シート固定箇所は、窓枠形状にしても良い。この場合は、磁力集中部材40Bから発生した磁力線Mが、その固定部62Bの窓枠形状部分を通過して磁性体シート50へ加えられるため、サージ電流の検出感度が向上する。
(実施例4の構成)
図9は、本発明の実施例4におけるサージ電流検出デバイス30Cを示す斜視図である。更に、図10(a)〜(c)は、図9のサージ電流検出デバイス30Cの開状態及び分解状態を示す斜視図であり、同図(a)は、サージ電流検出デバイス30Cの開状態を示す斜視図、同図(b)はホルダ60Bの開状態を示す斜視図、及び、同図(c)は磁力集中部材40Cの斜視図である。これらの図9及び図10において、実施例3を示す図7及び図8中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例4のサージ電流検出デバイス30Cでは、実施例3の磁力集中部材40Bとは異なる構成の磁力集中部材40Cと、実施例3と同様の磁性体シート50及びホルダ60Bとにより構成されている。
本実施例4の磁力集中部材40Cは、断面円形のケーブルからなる導体11を挟持するために、2分割円筒構造の磁性体からなる一対の半円筒状の挟持部41C−1,41C−2を有している。各挟持部41C−1,41C−2の上端部付近には、長方形の係合孔44−1C,44−2Cが形成されている。
一対の挟持部41C−1,41C−2が対峙するように、一方の挟持部41C−1における係合孔44−1Cをホルダ60B側の係合突起66−1に嵌合し、他方の挟持部41C−2における係合孔44−2Cをホルダ60B側の係合突起66−2に嵌合すれば、各挟持部41C−1,41C−2の上端部間に、ギャップGを有するスリット42Cが形成され、各挟持部41C−1,41C−2の下端部間に、解放部45が形成される。スリット42CのギャップGは、実施例3と同様に、導体11に侵入するサージ電流によって発生する磁力線Mを高密度に集中させて検出領域を形成する機能を有している。解放部45により、磁力集中部材40Cへの導体11の挿脱が可能な構成になっている。
このような構成のサージ電流検出デバイス30Cを導体11に装着するには、例えば、ホルダ60Bにおいて、磁性体シート50が裏面又は表面に固定された固定部62Bを開き、磁力集中部材40Cにおける挟持部41C−1,41C−2側の係合孔44−1C,44−2Cを保持部61側の係合突起66−1,66−2に嵌めた後、固定部62Bを保持部61B側に閉じ、固定部62B側の係合爪68を保持部61B側の係合凹部65に係合させれば、磁力集中部材40Cがホルダ60Bに固定される。そして、磁力集中部材40Cの解放部45を導体11に押し付ければ、サージ電流検出デバイス30Cが導体11に装着される。
サージ電流検出デバイス30Cのその他の構成や、保安器10全体の構成は、実施例3と同様である。
(実施例4の動作)
図10の導体11に設置されたサージ電流検出デバイス30Cにおいて、サージ電流iが導体11に流れると、実施例3と同様に、導体11の周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが均等に生じる。導体11の周囲に均等に生じた磁力線Mは、ギャップGを有する磁力集中部材40Cにより、所定の検出領域であるギャップGの箇所に高密度に集中される。そのため、実施例3と同様に、ギャップG(即ち、スリット42C)の両側に対向する磁性体シート50側の保護膜53箇所には、2本の線のサージ検出結果54が現れ、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
(実施例4の効果)
本実施例4によれば、実施例3と同様に、短時間に侵入するサージ電流iに対し、鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
特に、本実施例4のサージ電流検出デバイス30Cでは、磁力集中部材40C側に解放部45が設けられているので、ホルダ60Bを開閉しなくても、解放部45を通して導体11に着脱自在に装着できる。しかも、磁力集中部材40Cにばね性を持たせれば、ケーブルからなる導体11の異なるサイズのものに装着が可能である。その他、実施例3と同様の効果がある。
(実施例4の変形例)
本実施例4のサージ電流検出デバイス30Cでは、実施例3の変形例(a)〜(c)と同様の変形が可能である。
(実施例5の構成)
図11(a)、(b)は、本発明の実施例5におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器の一部を示す概略の斜視図であり、同図(a)は保安器の一部を示す斜視図、及び、同図(b)はサージ電流検出デバイスの主要部分を示す斜視図である。この図11において、実施例1を示す図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例5の保安器10Dは、実施例1の保安器10と同様に、通信機器等の被保護機器25を落雷等のサージ電流から防護するものであり、この保安器10Dの収納ケース70内には、実施例1と同様の線路側端子L1,L2、アース端子E、機器側端子T1,T2、及びアレスタ12と、実施例1の複数の回路接続用導体11とは異なる構成の複数の回路接続用導体11Dと、実施例1のサージ電流検出デバイス30とは異なる構成のサージ電流検出デバイス30Dとが設けられている。
本実施例5における複数の回路接続用導体11Dの内、特に、サージ電流検出デバイス30Dが設置される導体(図1(a)中の導体11−2,11−3,11−5に相当)は、細長い板状の形状をしている。この板状の導体11Dにおけるサージ電流iの検出領域には、ギャップGを有するスリット13が形成されている。スリット13は、導体11Dに流れるサージ電流iによって発生する磁界Hを形成する磁力線Mを所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部としての機能を有している。このスリット13は、サージ電流iの流れに対してほぼ直交する直線部13aと、この直線部13aの先端で且つ導体11D幅の中心に位置するほぼ円形の標識部13bとにより構成されている。
スリット13が形成された検出領域上には、実施例1と同様の磁性体シート50の裏面が接着剤等により固定され、このスリット13と磁性体シート50とにより、本実施例5のサージ電流検出デバイス30Dが構成されている。このサージ電流検出デバイス30Dに対向する収納ケース70の外壁には、磁性体シート50における保護膜53を外部から目視可能な表示用窓71が設けられている。
(実施例5の動作)
図11の導体11Dに設置されたサージ電流検出デバイス30Dにおいて、サージ電流iが導体11Dに流れると、導体11Dの周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが均等に生じる。導体11Dの周囲に均等に生じた磁力線Mは、ギャップGを有するスリット13により、所定の検出領域であるギャップGの箇所、特にスリット13の標識部13b箇所に高密度に集中される。そのため、スリット13における円形の標識部13bに対向する磁性体シート50側の図2中の保護膜53箇所には、円形のサージ検出結果が現れ、保安器10Dにおける収納ケース70の表示用窓71を通して、外部から鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
(実施例5の効果)
本実施例5によれば、短時間に侵入するサージ電流iに対し、収納ケース70の表示用窓71を通して、外部から鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
特に、本実施例5のサージ電流検出デバイス30Dでは、保安器10D内の導体11Dにより磁力集中部を構成しているので、部品点数の削減により、サージ電流検出デバイス30Dを小型化でき、保安器10D内に容易に組み込むことができる。その他、実施例1の効果(2)、(3)と同様の効果がある。
(実施例5の変形例)
本実施例5のサージ電流検出デバイス30Dは、次の(a)〜(b)のように変形しても良い。
(a) 図11(b)中のスリット13は、種々の形状に変形できる。
図12(a)〜(c)は、図11(b)中のスリット13の変形例を示す斜視図である。
図12(a)に示すスリット13Aでは、サージ電流iの流れに対してほぼ直交する直線部と、この直線部の先端で且つ導体11D幅の中心に位置するほぼ三角形の標識部とにより構成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、ほぼ三角形のサージ検出結果が表示される。
図12(b)に示すスリット13Bでは、サージ電流iの流れに対してほぼ直交する直線部と、この直線部の先端で且つ導体11D幅の中心に位置する方形の標識部とにより構成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、方形のサージ検出結果が表示される。
図12(c)に示すスリット13Cでは、サージ電流iの流れに対してほぼ直交する直線部と、この直線部の先端で且つ導体11D幅の中心に位置する×印形の標識部とにより構成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、×印形のサージ検出結果が表示される。
このようなスリット13A,13B,13Cを有するサージ電流検出デバイス30Dにおいても、図11(b)とほぼ同様の効果がある。
(b) 収納ケース70を透明等の透光性の部材により形成する場合には、表示用窓71を設けなくとも良い。これにより、保安器70の構成を簡素化できる。
(実施例6の構成)
図13(a)、(b)は、本発明の実施例6におけるサージ電流検出デバイスが設けられた保安器の一部を示す概略の斜視図であり、同図(a)は保安器の一部を示す斜視図、及び、同図(b)はサージ電流検出デバイスの主要部分を示す斜視図である。この図13において、実施例6を示す図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例6の保安器10Eは、実施例5の保安器10Dと同様に、図1(a)の通信機器等の被保護機器25を落雷等のサージ電流から防護するものであり、この保安器10Eの収納ケース70内には、実施例5と同様の線路側端子L1,L2、アース端子E、機器側端子T1,T2、及びアレスタ12と、実施例5の複数の回路接続用導体11Dとは異なる構成の複数の回路接続用導体11Eと、実施例5のサージ電流検出デバイス30Dとは異なる構成のサージ電流検出デバイス30Eとが設けられている。
本実施例6における複数の回路接続用導体11Eの内、特に、サージ電流検出デバイス30Eが設置される導体(図1(a)中の導体11−2,11−3,11−5に相当)は、実施例1と同様に、断面円形のケーブルが使用されている。このケーブルからなる導体11Eにおけるサージ電流iの検出領域には、ほぼ円形の曲線部14が形成されている。曲線部14は、導体11Eに流れるサージ電流iによって発生する磁界Hを形成する磁力線Mを所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部としての機能を有している。
曲線部14が形成された検出領域上には、実施例1と同様の磁性体シート50の裏面が接着剤等により固定され、この曲線部14と磁性体シート50とにより、本実施例6のサージ電流検出デバイス30Eが構成されている。このサージ電流検出デバイス30Eに対向する収納ケース70の外壁には、実施例5と同様に、磁性体シート50における保護膜53の表面を外部から目視可能な表示用窓71が設けられている。
(実施例6の動作)
図13の導体11Eに形成されたサージ電流検出デバイス30Eにおいて、サージ電流iが導体11Eに流れると、導体11Eの周囲に磁界Hが発生し、この磁界Hを形成する磁力線Mが均等に生じる。導体11Eの周囲に均等に生じた磁力線Mは、曲線部14により高密度に集中される。そのため、曲線部14に対向する磁性体シート50側の図2中の保護膜53箇所には、ほぼ円形のサージ検出結果が現れ、保安器10Eにおける収納ケース70の表示用窓71を通して、外部から鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視できる。
(実施例6の効果)
本実施例6によれば、実施例5とほぼ同様に、短時間に侵入するサージ電流iに対し、収納ケース70の表示用窓71を通して、外部から鮮明に磁性粉52a1の配向状態の変化を目視でき、サージ電流値の大きさや侵入回数を簡単且つ的確に検知することができる。
特に、本実施例6のサージ電流検出デバイス30Eでは、保安器10E内の導体11Eにより磁力集中部を構成しているので、通常のケーブルを用いて容易に磁力集中部を形成できる。従って、実施例5とほぼ同様に、部品点数の削減により、サージ電流検出デバイス30Eを小型化でき、保安器10E内に容易に組み込むことができる。
(実施例6の変形例)
本実施例6のサージ電流検出デバイス30Eは、次の(a)のように変形しても良い。
(a) 図13(b)中の曲線部14は、種々の形状に変形できる。
図14(a)〜(c)は、図13(b)中の曲線部14の変形例を示す斜視図である。
図14(a)に示す曲線部14Aは、ほぼ三角形に形成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、ほぼ三角形のサージ検出結果が表示される。
図14(b)に示す曲線部14Bは、ほぼ方形に形成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、方形のサージ検出結果が表示される。
図14(c)に示す曲線部14Cは、ほぼ星形に形成されている。この場合は、磁性体シート50側表面に、ほぼ星形のサージ検出結果が表示される。
このような曲線部14A,14B,14Cを有するサージ電流検出デバイス30Eにおいても、図13(b)とほぼ同様の効果がある。
図15−1(a)、(b)〜図15−4(a)、(b)は、実施例1の図1(a)中の保安器の他の回路構成例を示す本発明の実施例7の回路図であり、図1(a)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
実施例1〜6のサージ電流検出デバイス10A〜10Eに適用される保安器は、図1(a)の保安器10の回路構成に限定されず、種々の回路構成の保安器に適用可能である。以下、説明を簡略化するために、実施例1のサージ電流検出デバイス30が適用可能な他の保安器の回路構成例を説明する。
(図15−1の保安器)
図15−1(a)、(b)に示す保安器10−1は、2つの2極アレスタ15−1,15−2と、実施例1と同様の3つのサージ電流検出デバイス30−1〜30−3とを有し、その2つのアレスタ15−1,15−2が、線路側端子L1及び機器側端子T1間の導体11−1と、線路側端子L2及び機器側端子T2間の導体11−4との間に直列に接続され、そのアレスタ15−1,15−2間が、導体11−5を介してアース端子Eに接続されている。導体11−5にはサージ電流検出デバイス30−1が設置され、導体11−1とアレスタ15−1との間の導体11−2にも、サージ電流検出デバイス30−2が設置され、更に、導体11−4とアレスタ15−2との間の導体11−3にも、サージ電流検出デバイス30−3が設置されている。
図15−1(a)の対接地間(コモンモード)において、線路側端子L1,L2から侵入したサージ電流iが+極性の場合、異常電圧よってアレスタ15−1,15−2が放電動作する。そのため、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、線路側端子L1→サージ電流検出デバイス30−2→アレスタ15−1→アース端子Eへと流れると共に、線路側端子L2→サージ電流検出デバイス30−3→アレスタ15−2→アース端子Eへと流れる。これにより、機器側端子T1,T2に接続された図1(a)中の被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作する。
これに対し、線路側端子L1,L2から侵入したサージ電流iが−極性の場合、異常電圧よってアレスタ15−1,15−2が放電動作し、侵入したサージ電流iは、破線矢印で示すように、前記とは逆方向の経路を経て線路側端子L1,L2へ流れ、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
図15−1(b)の線間(ノーマルモード)において、線路側端子L1に+極性のサージ電流iが侵入した場合、異常電圧よってアレスタ15−1,15−2が放電動作する。そのため、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、サージ電流検出デバイス30−2→アレスタ15−1,15−2→サージ電流検出デバイス30−3→線路側端子L2へと流れる。これにより、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流iはアース端子Eへ流れないので、サージ電流検出デバイス30−2,30−3が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
これに対し、線路側端子L2に+極性のサージ電流iが侵入した場合、異常電圧よってアレスタ15−1,15−2が放電動作し、侵入したサージ電流iは、実線矢印で示すように、前記とは逆方向の経路を経て線路側端子L1へ流れ、機器側端子T1,T2に接続された被保護機器25が、サージ電流iから防護される。この際、サージ電流iはアース端子Eへ流れないので、サージ電流検出デバイス30−2,30−3が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
(図15−2の保安器)
図15−2(a)、(b)に示す保安器10−2は、ツェナーダイオード17の使用により、線間電圧を吸収する回路であり、3極アレスタ12、及び2つの抵抗素子16−1,16−2と、実施例1と同様の5つのサージ電流検出デバイス30−1〜30−5とが設けられている。アレスタ12は、線路側端子L1及び機器側端子T1間の導体11−1と、線路側端子L2及び機器側端子T2間の導体11−4との間に接続されている。導体11−1には抵抗素子16−1が直列に接続され、更に、導体11−4にも抵抗素子16−2が直列に接続されている。導体11−1,11−4間の導体11−6,11−7には、ツェナーダイオード17が直列に接続されている。3極アレスタ12の第3電極は、導体11−5を介してアース端子Eに接続されている。導体11−5,11−2,11−3,11−6,11−7には、サージ電流検出デバイス30−1,30−2,30−3,30−4,30−5がそれぞれ設置されている。
図15−2(a)の対接地間(コモンモード)において、線路側端子L1,L2から侵入したサージ電流iは、実線矢印の通りに流れ、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
これに対し、アース端子Eから侵入したサージ電流iは、破線矢印の通りに流れ、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
図15−2(b)の線間(ノーマルモード)において、線路側端子L1から+極性の雷サージiが侵入した場合、サージ電流iは先ず一点鎖線矢印のツェナーダイオード17の方へ流れる。そして、サージ電流iと抵抗素子16−1,16−2による発生電圧が、アレスタ12の動作電圧を超えると、サージ電流iは実線矢印のようにアレスタ12へ流れる。これにより、サージ電流検出デバイス30−2〜30−5が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
これに対し、線路側端子L2から+極性の雷サージiが侵入した場合、ツェナーダイオード17が先に反応するため、サージ電流iは先ず2点鎖線矢印の方へ流れ、所定の時間が経過した後、破線矢印の方へ流れる。これにより、+極性と同様に、サージ電流検出デバイス30−2〜30−5が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
(図15−3の保安器)
図15−3(a)、(b)に示す保安器10−3は、2つの2極アレスタ15−1,15−2、及び4つのダイオード18−1〜18−4と、実施例1と同様の5つのサージ電流検出デバイス30−1〜30−5とを有している。線路側端子L1,L2間には、サージ電流検出デバイス30−2、順方向のダイオード18−1、逆方向のダイオード18−2、及びサージ電流検出デバイス30−3が直列に接続されている。機器側端子T1,T2間には、サージ電流検出デバイス30−4、逆方向のダイオード18−3、順方向のダイオード18−4、及びサージ電流検出デバイス30−5が直列に接続されている。ダイオード18−1,18−2間と、ダイオード18−3,18−4間との間には、アレスタ15−1,15−2が直列に接続され、このアレスタ15−1,15−2間が、サージ電流検出デバイス30−1を介してアース端子Eに接続されている。
図15−3(a)の対接地間(コモンモード)において、+極性のサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは実線矢印を通りアース端子Eへと流れ、−極性のサージ電流iが進入した場合、サージ電流iはアース端子E側から破線矢印を通り線路側端子L1,L2側へと流れる。これにより、+極性の場合は、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作し、−極性の場合は、サージ検出デバイス30−1,30−4,30−5が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
図15−3(b)の線間(ノーマルモード)において、線路側端子L1に+極性のサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは実線矢印を通り線路側端子L2へと流れる。
これに対し、線路側端子L2に+極性のサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは破線矢印を通り線路側端子L1へ流れる。これにより、線路側端子L1が+極性の場合は、サージ電流検出デバイス30−2,30−5が動作し、線路側端子L2が+極性の場合は、サージ電流検出デバイス30−3,30−4が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
(図15−4の保安器)
図15−4(a)、(b)に示す保安器10−4は、絶縁トランス19により、対接地間電圧を絶縁し、ダイオードバリスタ20にて線間電圧を吸収する回路であり、2つの2極アレスタ15−1,15−2と、実施例1と同様の5つのサージ電流検出デバイス30−1〜30−5とを有している。
図15−4(a)の対接地間(コモンモード)において、線路側端子L側からサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは実線矢印の通りに流れ、サージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作する。
これに対し、アース端子Eからサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは破線矢印の通りに流れ、こちらも同様にサージ電流検出デバイス30−1〜30−3が動作する。これにより、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
図15−4(b)の線間(ノーマルモード)において、線路側端子L1から+極性のサージ電流iが侵入した場合、サージ電流iは先ず一点鎖線矢印のダイオード20の方へ流れ、所定の時間が経過した後、実線矢印のアレスタ15−1,15−2へ流れる。これにより、サージ電流検出デバイス30−2〜30−5が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
これに対し、線路側端子L2から+極性のサージ電流iが侵入した場合、ダイオードバリスタ21が先に反応するため、サージ電流iは2点鎖線矢印の方へ流れ、所定の時間が経過した後、破線矢印の方に流れる。これにより、サージ電流検出デバイス30−2〜30−5が動作し、実施例1と同様に、サージ電流iの侵入を検出できる。
10,10D,10E,10−1〜10−4 保安器
11,11−1〜11−4,11D,11E 導体
12,15−1,15−2 アレスタ
14,14A,14B,14C 屈曲部
25 被保護機器
30,30−1〜30−5,30A,30B,30C,30D,30E サージ電流検出デバイス
40,40A,40B,40C 磁力集中部材
50 磁性体シート
51 シート部材
52 記録層
52a マイクロカプセル
53 保護膜
60,60A,60B ホルダ
70 収納ケース
71 表示用窓

Claims (9)

  1. 導体に侵入するサージ電流から被保護機器を防護する防護素子に接続された前記導体に配設され、前記導体に侵入する前記サージ電流を検出するサージ電流検出デバイスであって、
    前記導体に侵入する前記サージ電流によって発生する磁界を形成する磁力線を所定の検出領域に高密度に集中させる磁力集中部と、
    前記検出領域に配置される磁性体シートとを備え、
    前記磁性体シートは、
    表面及び裏面を有し、前記裏面側が前記検出領域に配置されるシート部材と、
    前記シート部材の表面側に設けられ、集中された前記磁力線により配向状態が変化する磁性粉が液体中に浮遊状態で封止されたマイクロカプセルが複数配置され、前記サージ電流における侵入状態の記録及び消去が可能な記録層と、
    前記記録層を覆い、前記記録層における前記記録及び消去の状態が外部から目視可能な透光性の保護膜と、
    を有することを特徴とするサージ電流検出デバイス。
  2. 前記磁力集中部は、
    前記検出領域に配置されるスリット状のギャップを有し、ケーブル状の前記導体を挟持する一体構造又は分割構造のほぼ筒状をなす磁性体からなる磁力集中部材により構成されていることを特徴とする請求項1記載のサージ電流検出デバイス。
  3. 前記磁力集中部は、
    前記検出領域に配置されるスリット状のギャップを有する板状の前記導体により構成され、
    前記ギャップ箇所に前記シート部材の裏面が固定されることを特徴とする請求項1記載のサージ電流検出デバイス。
  4. 前記磁力集中部は、
    前記検出領域に配置される曲線部を有するケーブル状の前記導体により構成され、
    前記曲線部箇所に前記シート部材の裏面が固定されることを特徴とする請求項1記載のサージ電流検出デバイス。
  5. 請求項2記載のサージ電流検出デバイスは、更に、
    前記磁力集中部材を保持し、且つ、前記磁力集中部材における前記ギャップと対向する位置に前記磁性体シートを固定するホルダを備えたことを特徴とするサージ電流検出デバイス。
  6. 前記ホルダは、
    前記磁力集中部材を係止して保持する保持部と、
    前記磁力集中部材における前記ギャップと対向する位置に配置され、前記磁性体シートにおける前記シート部材を固定する固定部と、
    を有することを特徴とする請求項5記載のサージ電流検出デバイス。
  7. 前記ホルダは、
    前記磁力集中部材を係止して保持する保持部と、
    前記磁力集中部材における前記ギャップと対向する位置に配置され、前記磁性体シートを固定する固定部と、
    前記保持部に対して前記固定部を開閉自在に連結するヒンジ部と、
    を有することを特徴とする請求項5記載のサージ電流検出デバイス。
  8. 前記ホルダにおける前記固定部には、前記磁力線を通過させる開口部が形成されていることを特徴とする請求項6又は7記載のサージ電流検出デバイス。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のサージ電流検出デバイスは、
    前記防護素子を収納し、且つ、前記磁性体シートにおける前記保護膜を外部から目視可能な表示用窓が設けられている保安器の収納ケース内に設けられていることを特徴とするサージ電流検出デバイス。
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