JP2011108467A - 電気化学デバイス電極用バインダー組成物、電気化学デバイス電極用スラリー、電気化学デバイス電極、及び電気化学デバイス - Google Patents

電気化学デバイス電極用バインダー組成物、電気化学デバイス電極用スラリー、電気化学デバイス電極、及び電気化学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】活物質のスラリー分散性に優れ、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成する電気化学デバイス電極用バインダー組成物を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される構成単位(a1)を含有する重合体(A1)と、分散媒(B)と、を含む電気化学デバイス電極用バインダー組成物を提供する。(但し、下記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。)
Figure 2011108467

【選択図】なし

Description

本発明は、電気化学デバイス電極用バインダー組成物、前記電気化学デバイス電極用バインダー組成物と電極活物質とを含む電気化学デバイス電極用スラリー、前記電気化学デバイス電極用スラリーを用いて形成される電気化学デバイス電極、及び前記電気化学デバイス電極を備える電気化学デバイスに関する。
近年、電子機器の小型・軽量化は目覚ましく、それに伴い、電源となる電池に対しても小型・軽量化の要求が非常に強い。このような要求を満足するために種々の二次電池が開発されており、例えば、ニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等が実用化されている。
これらの二次電池の構成部材となる電極を製造する方法としては、例えば、活物質と、増粘剤と、バインダーとしてのスチレンブタジエン共重合体ラテックスと、分散媒とを混練して得たペーストを集電体表面上に塗布・乾燥する方法等を挙げることができる(例えば、特許文献1、2参照)。
前記バインダーは、活物質同士を結着させ、活物質を含む電極層と集電体とを密着させるものである。高い結着性を有するバインダーを使用して得られた電極を備える電気化学デバイスは、サイクル特性に優れ、内部抵抗が小さい等の性質を有する。これまでにも、高速放電での容量低下が少なく、サイクル特性に優れた二次電池を製造し得る、集電体との密着性が良好な、スラリー安定性に優れた二次電池電極用バインダー組成物(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
バインダーには上述の接着性以外にも、電解液に対する耐性、電気化学的環境下での安定性、活物質のスラリー分散性等の性質が求められる。従来のポリフッ化ビニリデン系ポリマーを用いたバインダーは、フッ素系ポリマーの活物質分散効果が低く、スラリー分散性が不足していた。また、従来から、水系電極スラリーでは、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の水溶性ポリマーを添加して活物質を分散させる方法が一般的に用いられているが、十分なスラリー分散性は得られていない。
特開平11−7948号公報 特開2001−210318号公報 特開2009−4222号公報 国際公開第2007/72948号パンフレット 国際公開第2007/88979号パンフレット
これらの問題を解決するため、活物質や、導電カーボンの分散能力が高い、スルホン基を導入したバインダーが開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。しかしながら、特許文献4又は5に記載のバインダーは、電気化学的安定性に劣る傾向があり、二次電池とした場合、電池特性を阻害してしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、活物質のスラリー分散性に優れ、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することが可能な電気化学デバイス電極用バインダー組成物を提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することが可能な電気化学デバイス電極用スラリーを提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することが可能な電気化学デバイス電極を提供することにある。
また、本発明の課題とするところは、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを提供することにある。
本発明者らは上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、スルホン基含有構成要素のなかでも、スルホン酸基を有する特定の化合物に由来する構成単位を、バインダー中の重合体に含有させることによって、上記課題を達成することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下に示す電気化学デバイス電極用バインダー組成物、電気化学デバイス電極用スラリー、電気化学デバイス電極、及び電気化学デバイスが提供される。
[1]下記一般式(1)で表される構成単位(a1)(以下、単に「構成単位(a1)」とも記載する。)を含有する重合体(A1)と、分散媒(B)と、を含む電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
Figure 2011108467
上記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。
[2]前記構成単位(a1)が、ビニルスルホン酸に由来する構成単位である前記[1]に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[3]前記重合体(A1)に含有される前記構成単位(a1)の割合が、全構成単位の合計100質量%中、0.5〜10質量%である前記[1]又は[2]に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[4]前記重合体(A1)が、共役ジエン系化合物に由来する構成単位(a2)、及び芳香族ビニル化合物に由来する構成単位(a3)を更に含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[5]前記重合体(A1)が、アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物に由来する構成単位(a4)を更に含有する前記[1]〜[3]のいずれかに記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[6]前記構成単位(a1)を含有しない重合体(A2)を更に含む前記[1]に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[7]前記重合体(A1)が、ポリビニルスルホン酸である前記[6]に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[8]前記重合体(A1)からなる、数平均粒子径50〜600nmである粒子が、前記分散媒(B)中に分散している前記[1]〜[7]のいずれかに記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
[9]電極活物質(C)と、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物と、を含む電気化学デバイス電極用スラリー。
[10]集電体と、前記集電体の少なくとも一の面に、前記[9]に記載の電気化学デバイス電極用スラリーを用いて形成される電極層と、を備える電気化学デバイス電極。
[11]前記[10]に記載の電気化学デバイス電極を備える電気化学デバイス。
本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物は、活物質のスラリー分散性に優れ、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することができるという効果を奏するものである。
本発明の電気化学デバイス電極用スラリーは、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することができるという効果を奏するものである。
本発明の電気化学デバイス電極は、入出力特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することができるという効果を奏するものである。
本発明の電気化学デバイスは、入出力特性及びサイクル特性に優れるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
1.電気化学デバイス電極用バインダー組成物:
本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物は、構成単位(a1)を含有する重合体(A1)と、分散媒(B)と、を含む組成物である。以下、その詳細について説明する。
1−1.重合体(A1):
重合体(A1)は、構成単位(a1)を含有する重合体である。重合体(A1)は、構成単位(a1)以外に、共役ジエン系化合物に由来する構成単位(a2)(以下、単に「構成単位(a2)」とも記載する。)及び芳香族ビニル化合物に由来する構成単位(a3)(以下、単に「構成単位(a3)」とも記載する。)を更に含有する共役ジエン/芳香族ビニル系特定共重合体(以下、「重合体(A1−1)」とも記載する。)、又はアクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物に由来する構成単位(a4)を更に含有するアクリル系特定共重合体(以下、「重合体(A1−2)」とも記載する。)であることが好ましい。
1−1−1.共役ジエン/芳香族ビニル系特定共重合体(A1−1):
重合体(A1−1)は、耐還元性に優れるという特性を有するため、特に負極用バインダーを構成する重合体として好適に用いることができる。以下、重合体(A1−1)の各構成単位について説明する。
(1)構成単位(a1):
重合体(A1−1)は、下記一般式(1)で表される構成単位(a1)を含有することにより、ポリマー骨格側鎖にカーボン分散性に有利なスルホン基を有することになる。このことにより電極用スラリーの分散性が良好となり、電池特性を向上させることができる。加えて、構成単位(a1)を含有することにより、ポリマーに良好な電気化学的安定性を付与することができ、このポリマーは優れた電気化学デバイスを構成することが可能となる。即ち、電子吸引性置換基であるスルホン基が導入されることにより、良好な耐酸化性を付与することができ、また、電気化学的に安定なポリエチレン単位を有することにより、良好な耐還元性も付与することができる。
Figure 2011108467
上記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。
前記一般式(1)中、Rで示される2価の炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等の水素原子のうち1つが脱離した基を挙げることができる。
構成単位(a1)としては、例えば、下記式(1−1)及び(1−2)、並びに下記一般式(1−3)及び(1−4)で表される構成単位を挙げることができる。
Figure 2011108467
上記一般式(1−3)及び(1−4)中、nは、1〜10の整数を示す。
これらの中でも、ビニルスルホン酸に由来する構成単位(前記式(1−1)で表される構成単位)、アリルスルホン酸に由来する構成単位(前記一般式(1−3)においてn=1の場合に表される構成単位)、メタリルスルホン酸に由来する構成単位(前記一般式(1−4)においてn=1の場合に表される構成単位)等が好ましい。
更に、上述の構成単位(a1)の中でも、ビニルスルホン酸に由来する構成単位が特に好ましい。
重合体(A1−1)における構成単位(a1)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、0.5〜10質量%であることが好ましく、0.7〜8質量%であることが更に好ましい。構成単位(a1)の含有割合が0.5〜10質量%であることにより、電気化学デバイス電極用バインダーに良好な電極スラリー分散性及び電気化学安定性を付与することができる。
(2)構成単位(a2):
重合体(A1−1)は、共役ジエン系化合物に由来する構成単位(a2)を含有することで、電極層の集電体に対する密着性と、プレス耐性とを両立させることができる。
構成単位(a2)を与える共役ジエン系化合物の好適例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。これらの中でも、ブタジエンが特に好ましい。これらの共役ジエン系化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(A1−1)における構成単位(a2)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、20〜60質量%であることが好ましく、25〜55質量%であることが更に好ましい。構成単位(a2)の含有割合が20〜60質量%であることにより、得られる電極層の集電体に対する密着性と、プレス耐性とをより良好な状態で両立させることが可能となる。
(3)構成単位(a3):
重合体(A1−1)は、芳香族ビニル化合物に由来する構成単位(a3)を含有することで、電極層の柔軟性や集電体に対する密着性を向上させるができる。
構成単位(a3)を与える芳香族ビニル化合物の好適例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。これらの中でも、スチレンが好ましい。これらの芳香族ビニル化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(A1−1)における構成単位(a3)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、10〜60質量%であることが好ましく、20〜55質量%であることが更に好ましい。構成単位(a3)の含有割合が10〜60質量%であることにより、重合体(A)は活物質として用いられるグラファイトに対して適度な結着性を有し、得られる電極層は、集電体に対する密着性が良好なものとなる。
重合体(A1−1)は、構成単位(a1)〜(a3)以外にも、以下の構成単位(a4)〜(a7)を更に含有していても良い。
(4)構成単位(a4):
重合体(A1−1)は、(メタ)アクリル酸エステル化合物に由来する構成単位(a4)を更に含有していても良い。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜」と「メタクリル酸〜」のいずれをも意味する。
構成単位(a4)を与える(メタ)アクリル酸エステル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸i−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ジ(メタ)アクリル酸エチレン等を挙げることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルが更に好ましい。これらの(メタ)アクリル酸エステル化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(A1−1)における構成単位(a4)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることが更に好ましい。構成単位(a4)の含有割合が5〜40質量%であると、重合体(A1−1)と電解液との親和性が適度なものとなり、電池中でバインダーが電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制することができる。また、電解液を吸収して膨潤することによる結着性の低下も防ぐことができる。
(5)構成単位(a5):
重合体(A1−1)は、シアン化ビニル化合物に由来する構成単位(a5)を更に含有していても良い。
構成単位(a5)を与えるシアン化ビニル化合物の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等を挙げることができる。これらの中でも、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが好ましく、アクリロニトリルが更に好ましい。これらのシアン化ビニル化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(A1−1)における構成単位(a5)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、1〜35質量%であることが好ましく、2〜25質量%であることが更に好ましい。構成単位(a5)の含有割合が1〜35質量%であることにより、電池中でバインダーが電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制することができる。また、電解液を吸収して膨潤することによる結着性の低下も防ぐことができる。
(6)構成単位(a6):
重合体(A1−1)は、不飽和カルボン酸に由来する構成単位(a6)を更に含有していても良い。
構成単位(a6)を与える不飽和カルボン酸の具体例としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等を挙げることができる。これらの不飽和カルボン酸は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合体(A1−1)における構成単位(a6)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、0.3〜6質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることが更に好ましい。構成単位(a5)の含有割合が0.3〜6質量%であることにより、スラリーの分散安定性に優れ、凝集物が生じにくく、経時的なスラリー粘度の上昇を抑えることができる。
(7)その他の構成単位(a7):
重合体(A1−1)は、上記構成単位以外に、その他の構成単位(a7)を更に含有していても良い。
その他の構成単位(a7)を与えるモノマー化合物の具体例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルキルアミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;エチレン性不飽和ジカルボン酸等の酸無水物;モノアルキルエステル;モノアミド類;アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド等を挙げることができる。これらのモノマー化合物は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、重合体(A1−1)は、その他の構成単位(a7)として、フッ素を含む構成単位を含有させることで、電気化学的安定性を獲得することもできる。
1−1−2.アクリル系特定共重合体(A1−2):
重合体(A1−2)は、上述の重合体(A1−1)に比して、耐酸化性が高いという特性を有するため、特に正極用バインダーを構成する重合体として好適に用いることができる。
重合体(A1−2)における構成単位(a4)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、50〜99.5質量%であることが好ましく、60〜98質量%であることが更に好ましい。構成単位(a4)の含有割合が50〜99.5質量%であると、バインダーに良好な密着性を付与することができ、また重合体(A1−2)と電解液との親和性が適度なものとなり、電池中でバインダーが電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制することができる。また、電解液を吸収して膨潤することによる結着性の低下も防ぐことができる。
重合体(A1−2)は、上述の含有割合で構成単位(a4)を含有することを除いては、前述の重合体(A1−1)と同様に、構成単位(a1)を含有し、構成単位(a3)、(a5)〜(a7)を更に含有していても良い。但し、構成単位(a3)、(a5)、(a6)は、以下に示す含有割合で含有される。なお、構成単位(a2)は、重合体(A1−2)には含有されない。
重合体(A1−2)における構成単位(a3)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、0〜20質量%であることが好ましく、0〜15質量%であることが更に好ましい。構成単位(a3)の含有割合が0〜20質量%であることにより、重合体(A1−2)は活物質として用いられるグラファイトに対して適度な結着性を有し、得られる電極層は、柔軟性や集電体に対する密着性が良好なものとなる。
重合体(A1−2)における構成単位(a5)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、2〜20質量%であることが好ましく、2〜15質量%であることが更に好ましい。構成単位(a5)の含有割合が2〜20質量%であることにより、重合体(A1−2)と電解液との親和性が適度なものとなり、電池中でバインダーが電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制することができる。また、電解液を吸収して膨潤することによる結着性の低下も防ぐことができる。
重合体(A1−2)における構成単位(a6)の含有割合は、全構成単位の合計100質量%中、0.3〜6質量%であることが好ましく、0.3〜5質量%であることが更に好ましい。構成単位(a5)の含有割合が0.3〜6質量%であることにより、電気化学デバイス電極用スラリーは分散安定性に優れ、凝集物が生じにくいものとなり、また、経時的なスラリー粘度の上昇を抑制することができる。
1−1−3.重合体(A1)の調製:
重合体(A1)は、上記構成単位を与える各モノマー化合物を、水系媒体中、乳化剤、重合開始剤、分子量調節剤等の存在下、乳化重合することにより調製することができる。
乳化剤としては、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステル等を挙げることができる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコールのアルキルエステル型のもの、アルキルエーテル型のもの、アルキルフェニルエーテル型のもの等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、例えば、アニオン部分が、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル塩等で、カチオン部分が、アミン塩、第4級アンモニウム塩等であるものを挙げることができる。両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン等のベタイン類;ラウリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン等のアミノ酸タイプのもの等を挙げることができる。
乳化剤は、上記の各種界面活性剤を、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
乳化剤の使用割合は、各モノマー化合物の合計100質量部に対して、0.5〜5質量部であることが好ましい。
重合開始剤の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤;過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等の油溶性重合開始剤;重亜硫酸ナトリウム等の還元剤との組合せによるレドックス系重合開始剤等を挙げることができる。これらの重合開始剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用割合は、各モノマー化合物の合計100質量部に対して、0.3〜3質量部であることが好ましい。
分子量調節剤の具体例としては、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドテジルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントゲンジサルファイド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等の通常の乳化重合に使用されるものを挙げることができる。これらの分子量調節剤は、一種単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
分子量調節剤の使用割合は、各モノマー化合物の合計100質量部に対して、通常、5質量部以下である。
乳化重合の条件は、重合温度45〜85℃で、重合時間2〜24時間であることが好ましく、重合温度50〜80℃で、重合時間3〜20時間であることが更に好ましい。
重合体(A1)は、フッ素系重合体からなるシード粒子を用いて、シード重合により調製することもできる。フッ素含有成分を導入することで、重合体(A1)に電気化学的安定性を付与することができる。
(シード粒子)
シード粒子を構成する重合体の具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロペン、及びこれらの共重合体等を挙げることができる。これらの中でも、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロペン共重合体が好ましい。
シード粒子の数平均粒子径は、30〜300nmであることが好ましく、50〜200nmであることが更に好ましい。数平均粒子径が30〜300nmであることにより、スラリー性状を損なうことなく高い極板密着性を電極層に付与することができる。
1−1−4.ポリマー粒子の物性:
重合体(A1)は、本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物中、ポリマー粒子の形で分散している。
ポリマー粒子の数平均粒子径は、50〜600nmであることが好ましく、80〜500nmであることが更に好ましい。数平均粒子径が50〜600nmであることにより、スラリー性状を損なうことなく高い極板密着性を付与することができる。
ポリマー粒子のトルエンゲル含有率は、70〜100質量%であることが好ましく、75〜100質量%であることが更に好ましい。トルエンゲル含有率が70〜100質量%であると、ポリマーは電解液に溶解しにくくなり、過電圧の上昇による電池特性への悪影響を抑制できる。
1−2.重合体(A2):
本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物は、重合体(A1)以外に、構成単位(a1)を含有しない重合体(A2)を更に含有することも好ましい。
この場合、重合体(A1)は、ポリビニルスルホン酸であることが好ましい。その際、重合体(A1)と重合体(A2)の配合割合は、重合体(A1):重合体(A2)の質量比が0.5:99.5〜10:90であることが好ましい。
重合体(A2)としては、例えば、前述の構成単位(a2)及び(a3)を含有する共役ジエン/芳香族ビニル共重合体(以下、「重合体(A2−1)」とも記載する。)、前述の構成単位(a4)を含有するアクリル系共重合体(以下、「重合体(A2−2)」とも記載する。)等を挙げることができる。
1−2−1.共役ジエン/芳香族ビニル共重合体(A2−1):
重合体(A2−1)は、構成単位(a1)を含有しないことを除いては、前述の重合体(A1−1)と同様に、構成単位(a2)〜(a7)を含有していても良い。
1−2−2.アクリル系共重合体(A2−2):
重合体(A2−2)は、構成単位(a1)を含有しないことを除いては、前述の重合体(A1−2)と同様に、構成単位(a3)〜(a7)を含有していても良い。
1−3.分散媒(B):
分散媒(B)としては、重合体(A)を分散することができるものであれば、特に制限なく用いることができる。分散媒(B)の好適例としては、水、NMPに加え、イソプロピルアルコール、メタノール等のアルコール類;メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶剤等を挙げることができる。これらの分散媒(B)は、一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。
分散媒(B)の使用量は、電気化学デバイス電極用バインダー組成物の固形分濃度が15〜50質量%となる量であることが好ましく、20〜40質量%となる量であることが更に好ましい。
2.電気化学デバイス電極用スラリー:
本発明の電気化学デバイス電極用スラリーは、電極活物質(C)と、前記電気化学デバイス電極用バインダー組成物とを含むものである。また、本発明の電気化学デバイス電極用スラリーは、必要に応じて添加剤を含むこともできる。
2−1.電極活物質(C):
電極活物質(C)としては、特に制限なく従来公知のものを用いることができる。
リチウムイオン二次電池の負極活物質としては、例えば、カーボンを好適に用いることができる。カーボンの具体例としては、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等の有機高分子化合物を焼成することにより得られる炭素材料;コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料;人造グラファイト;天然グラファイト等を挙げることができる。
リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、例えば、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、三元系ニッケルコバルトマンガン酸リチウム等を好適に用いることができる。
電気二重層キャパシタの電極活物質(C)としては、例えば、活性炭、活性炭繊維、シリカ、アルミナ等を用いることができる。
電気化学デバイス電極用スラリー中、電極活物質(C)の含有量は、電気化学デバイス電極用スラリーの固形分濃度が20〜65質量%となる量であることが好ましく、20〜60質量%となる量であることが更に好ましい。
2−2.添加剤:
添加剤としては、例えば、増粘剤、ヘキサメタリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム等の分散剤、ラテックスの安定化剤としてのノニオン性又はアニオン性界面活性剤、消泡剤等を挙げることができる。
2−3.調製方法:
電気化学デバイス電極用バインダー組成物と、電極活物質(C)と、必要に応じて用いられる添加剤とを混合するには、撹拌機、脱泡機、ビーズミル、高圧ホモジナイザー等を利用することができる。また、電気化学デバイス電極用スラリーの調製は、減圧下で行うことが好ましく、これにより、得られる電極層内に気泡が生じることを防止することができる。
電気化学デバイス電極用スラリーには、電極活物質(C)100質量部に対して、電気化学デバイス電極用バインダー組成物が固形分換算で0.1〜10質量部含有されていることが好ましく、0.3〜4質量部含有されていることが更に好ましい。電気化学デバイス電極用バインダー組成物の含有割合が、0.1〜10質量部であると、ポリマーは電解液に溶解しにくくなり、過電圧の上昇による電池特性への悪影響を抑制できる。
3.電気化学デバイス電極:
本発明の電気化学デバイス電極は、集電体と、前記集電体の少なくとも一の面に、前記電気化学デバイス電極用スラリーを用いて形成される電極層と、を備える電極である。
3−1.集電体:
集電体としては、例えば、金属箔、エッチング金属箔、エキスパンドメタル等を挙げることができる。集電体を構成する材料の具体例としては、アルミニウム、銅、ニッケル、タンタル、ステンレス、チタン等の金属材料を挙げることができ、目的とする電気化学デバイスの種類に応じて適宜選択して用いることができる。
集電体の厚みは、リチウムイオン二次電池用電極を構成する場合、5〜30μmであることが好ましく、8〜25μmであることが更に好ましい。また、電気二重層キャパシタ電極を構成する場合、集電体の厚みは5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることが更に好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
3−2.電極層:
電極層は、例えば、集電体の表面上に電気化学デバイス電極用スラリーを塗布し、その後、乾燥することで形成することができる。
電気化学デバイス電極用スラリーを塗布する手段の具体例としては、ドクターブレード法、リバースロール法、コンマバー法、グラビヤ法、エアーナイフ法等を挙げることができる。
電気化学デバイス電極用スラリーの塗布膜の乾燥処理の条件は、処理温度が20〜250℃であることが好ましく、50〜150℃であることが更に好ましい。また、処理時間は1〜120分間であることが好ましく、5〜60分間であることが更に好ましい。
電極層は、必要に応じてプレス加工することもできる。プレス加工する手段としては、一般的にロールプレスが用いられ、プレス加工の条件は用いる加工機に応じて適宜設定される。このようにして形成される電極層は、通常、リチウムイオン二次電池負極の場合、厚みが40〜100μm、密度が1.3〜1.9g/cmであり、リチウムイオン二次電池正極の場合、厚みが40〜100μm、密度が2.0〜5.0g/cmであり、電気二重層キャパシタ用電極の場合、厚みが50〜200μm、密度が0.9〜1.8g/cmである。
4.電気化学デバイス:
本発明の電気化学デバイスは、前記電気化学デバイス電極、電解液、及びセパレータを備えるものである。電気化学デバイスの具体例としては、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ等を挙げることができる。
4−1.リチウムイオン二次電池:
リチウムイオン二次電池の電解液としては、リチウム化合物からなる電解質を溶媒に溶解したものが用いられる。
電解質の具体例としては、LiClO、LiBF、LiI、LiPF、LiCFSO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON等を挙げることができる。
溶媒の具体例としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等のカーボネート類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;トリメトキシシラン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン等のオキソラン類;アセトニトリル、ニトロメタン等の窒素含有化合物;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸トリエステル等のエステル類;ジグライム、トリグライム、テトラグライム等のグライム類;アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;スルホラン等のスルホン類;2−メチル−2−オキサゾリジノン等のオキサゾリジノン類;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、2,4−ブタンスルトン、1,8−ナフタスルトン等のスルトン類等を挙げることができる。
4−2.電気二重層キャパシタ:
電気二重層キャパシタの電解液としては、上述のリチウムイオン二次電池と同様の溶媒に、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート等の電解質を溶解した電解液を用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。また、各種物性値の測定方法、及び諸特性の評価方法を以下に示す。
[ポリマー粒子の数平均粒子径]
ポリマー粒子の数平均粒子径は、22mWのHe−Neレーザー(波長λ=632.8nm)を光源とする光散乱測定装置(商品名「ALV5000」、ALV社製)を使用して測定した。
[ピール強度]
電極から、幅2cm×長さ12cmの試験片を切り出し、この試験片の電極層側の表面を、両面テープを用いてアルミ板に貼り付けた。一方、試験片の集電体の表面に、幅18mmの粘着テープ(商品名「セロテープ(登録商標)」、ニチバン社製、JIS Z1522に規定)を貼り付けた。この粘着テープを、集電体表面に対して90°の方向に、50mm/minの速度で剥離したときの強度(mN/2cm)を6回測定し、その平均値をピール強度(mN/2cm)として算出した。なお、ピール強度の値が大きいほど、集電体と電極層との密着性が高く、集電体から電極層が剥離し難いと評価することができる。
<リチウムイオン二次電池負極用バインダーの評価>
(1)リチウムイオン二次電池負極の作製:
二軸型プラネタリーミキサー(商品名「TKハイビスミックス 2P−03」、プライミクス社製)に、増粘剤(商品名「CMC2200」、ダイセル化学社製)1部(固形分換算)、負極活物質としてグラファイト100部(固形分換算)、及び水68部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、各実施例で調製した電気化学デバイス電極用バインダー組成物1部(固形分換算)を加え、更に1時間撹拌し、ペーストを得た。得られたペーストに水を投入し、固形分濃度を50%に調整した後、撹拌脱泡機(商品名「あわとり練太郎」、THINKY社製)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、更に真空条件下1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、電気化学デバイス電極用スラリーを調製した。銅箔からなる集電体の表面に、調製した電気化学デバイス電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥させた。その後、電極層の密度が1.8g/cmとなるようにロールプレス機を使用してプレス加工することにより、リチウムイオン二次電池負極を得た。
(2)対極(PVDF系正極)の作製:
二軸型プラネタリーミキサー(商品名「TKハイビスミックス 2P−03」、プライミクス社製)に、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)4部(固形分換算)、正極活物質としてリン酸鉄リチウム100部(固形分換算)、導電剤としてアセチレンブラック5部(固形分換算)、NMP(N−メチルピロリドン)25部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、更にNMP10部を投入した後、撹拌脱泡機(商品名「あわとり練太郎」、THINKY社製)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、更に真空条件下1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、電気化学デバイス電極用スラリーを調製した。アルミ箔からなる集電体の表面に、調製した電気化学デバイス電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が90μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥させた。その後、電極層の密度が3.8g/cmとなるようにロールプレス機を使用してプレス加工することにより、リチウムイオン二次電池正極を得た。
(3)リチウムイオン二次電池の作製:
グローブボックス内で2極式コインセル(商品名「HSフラットセル」、宝泉社製)に、直径16.16mmの円盤状に打ち抜いたリチウムイオン二次電池負極を載置した。次いで、直径18mmの円盤状に打ち抜いたポリプロピレン製多孔膜からなるセパレータ(商品名「セルガード#2400」、セルガード社製)を載置するとともに、空気が入らないように電解液を注入した。その後、直径15.95mmの円盤状に打ち抜いたリチウムイオン二次電池正極を載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで締めて封止することによりリチウムイオン二次電池を作製した。なお、使用した電解液は、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1の溶媒に、LiPFを濃度1mol/Lとなるように溶解した溶液である。
[リチウムイオン二次電池レート特性(1.0C/0.2C)]
リチウムイオン二次電池を定電流(0.2C)−定電圧(4.2V)方式で充電し、定電流(0.2C)方式で放電するサイクルを3回繰り返した後の放電容量(C0.2)を測定した。次いで、定電流(0.2C)−定電圧(4.2V)方式で充電し、定電流(1.0C)方式で放電したときの容量(C1.0)を測定した。これらの測定値を用いて、下記式によってリチウムイオン二次電池レート特性(1.0C/0.2C)(%)を算出した。
レート特性(%)=(C1.0)/(C0.2)×100
[リチウムイオン二次電池サイクル特性]
リチウムイオン二次電池を定電流(0.2C)−定電圧(4.2V)方式で充電し、定電流(0.2C)方式で放電するサイクルを50回繰り返した。3サイクル目の放電容量(C3Cycles)及び50サイクル目の放電容量(C50Cycles)を測定し、下記式によってリチウムイオン二次電池サイクル特性(%)を算出した。
サイクル特性(%)=(C50Cycles)/(C3Cycles)×100
<リチウムイオン二次電池正極用バインダーの評価>
(1)リチウムイオン二次電池正極の作製:
二軸型プラネタリーミキサー(商品名「TKハイビスミックス 2P−03」、プライミクス社製)に、増粘剤(商品名「CMC2200」、ダイセル化学社製)1部(固形分換算)、正極活物質としてリン酸鉄リチウム100部(固形分換算)、導電剤としてアセチレンブラック5部(固形分換算)、及び水25部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、各実施例で調製した電気化学デバイス電極用バインダー組成物2部(固形分換算)を加え、更に1時間撹拌し、ペーストを得た。得られたペーストに水10部を投入した後、撹拌脱泡機(商品名「あわとり練太郎」、THINKY社製)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、更に真空条件下1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、電気化学デバイス電極用スラリーを調製した。アルミ箔からなる集電体の表面に、調製した電気化学デバイス電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が90μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥させた。その後、電極層の密度が2.0g/cmとなるようにロールプレス機を使用してプレス加工することにより、リチウムイオン二次電池正極を得た。
(2)対極(PVDF系負極)の作製:
二軸型プラネタリーミキサー(商品名「TKハイビスミックス 2P−03」、プライミクス社製)に、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)4部(固形分換算)、負極活物質としてグラファイト100部(固形分換算)、NMP(N−メチルピロリドン)80部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、更にNMP20部を投入した後、撹拌脱泡機(商品名「あわとり練太郎」、THINKY社製)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、更に真空条件下1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、電気化学デバイス電極用スラリーを調製した。銅箔からなる集電体の表面に、調製した電気化学デバイス電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が150μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥させた。その後、電極層の密度が1.8g/cmとなるようにロールプレス機を使用してプレス加工することにより、リチウムイオン二次電池負極を得た。
(3)リチウムイオン二次電池の作製:
前述のリチウムイオン二次電池負極用バインダーの評価におけるリチウムイオン二次電池の作製と同様にして、リチウムイオン二次電池を作製した。
[リチウムイオン二次電池レート特性(1.0C/0.2C)]
前述のリチウムイオン二次電池負極用バインダーの評価と同様にして、リチウムイオン二次電池レート特性(1.0C/0.2C)について評価した。
[リチウムイオン二次電池サイクル特性]
前述のリチウムイオン二次電池負極用バインダーの評価と同様にして、リチウムイオン二次電池サイクル特性について評価した。
<電気二重層キャパシタ電極用バインダーの評価>
(1)電気二重層キャパシタ電極の作製:
二軸型プラネタリーミキサー(商品名「TKハイビスミックス 2P−03」、プライミクス社製)に、活性炭(商品名「クラレコールYP」、クラレケミカル株式会社製)100部、導電性カーボン(商品名「デンカブラック」、電気化学工業社製)6部、増粘剤(商品名「CMC2200」、ダイセル化学社製)2部、及び水278部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、各実施例で調製した電気化学デバイス電極用バインダー組成物4部を加え、更に1時間撹拌を行い、ペーストを得た。得られたペーストに水を投入し、固形分を25%に調整した後、撹拌脱泡機(商品名「あわとり練太郎」、THINKY社製)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、更に真空条件下1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、電気化学デバイス電極用スラリーを調製した。アルミ箔よりなる集電体の表面に、調製した電気化学デバイス電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が150μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥処理することにより電気二重層キャパシタ電極を得た。
(2)電気二重層キャパシタの作製:
グローブボックス内で2極式コインセル(商品名「HSフラットセル」、宝泉社製)に、直径16.16mmの円盤状に打ち抜いた電気二重層キャパシタ電極を載置した。次いで、直径18mmの円盤状に打ち抜いたセパレータ(商品名「TF4535」、ニッポン高度紙工業社製)を載置し、空気が入らないように電解液を注入した。その後、直径15.95mmの円盤状に打ち抜いた電気二重層キャパシタ電極を載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで締めて封止することにより電気二重層キャパシタを作製した。なお、使用した電解液は、1Mプロピレンカーボネートと、1Mトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートとを含有する溶液である。
[電気二重層キャパシタサイクル特性]
電気二重層キャパシタを定電流(1C)−定電圧(3.5V)方式で充電し、定電流(1C)方式で放電するサイクルを100回繰り返した。3サイクル目の放電容量(C3Cycles)及び100サイクル目の放電容量(C100Cycles)を測定し、下記式によって電気二重層キャパシタサイクル特性(%)を算出した。
サイクル特性(%)=(C100Cycles)/(C3Cycles)×100
(実施例1)
撹拌機を備えた温度調節の可能なオートクレーブ中に、水200部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6部、過硫酸カリウム1.0部、重亜硫酸ナトリウム0.5部、及び下記表1に示した各モノマー化合物を一括して仕込み、80℃で6時間重合反応させた。重合反応終了後、ラテックスのpHを7.2に調節した。分散剤としてポリアクリル酸ソーダ1部を添加した後、残留モノマー化合物を水蒸気蒸留で処理し、減圧下で固形分濃度が48%となるまで濃縮して、電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た(数平均粒子径120nm)。得られた電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いてリチウムイオン二次電池負極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記リチウムイオン二次電池負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、そのレート特性(1.0C/0.2C)及びサイクル特性について評価した。これらの評価結果を下記表1に示す。
Figure 2011108467
(実施例2〜6、比較例1〜4)
上記表1に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例1と同様にして各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。但し、実施例4については、以下に示すポリビニルスルホン酸水溶液を、電気化学デバイス電極用バインダー組成物90部(固形分換算)に対して10部(固形分換算)添加して、実施例4の電気化学デバイス電極用バインダー組成物とした。
(ポリビニルスルホン酸水溶液の調製)
容量7Lのセパラブルフラスコに水1100部を投入した後、内部を十分に窒素置換した。次いで、ビニルスルホン酸100部を仕込み、50℃で撹拌して均一な水溶液とした。その後、フラスコ内部を60℃まで昇温し、重合開始剤として過硫酸ナトリウム2部を加え、更に80℃まで昇温した。80℃で5時間反応させた後、冷却して反応を停止させ、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.5に調整し、ポリビニルスルホン酸水溶液を得た。
上述の実施例2〜6及び比較例1〜4で得られた各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いてリチウムイオン二次電池負極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記リチウムイオン二次電池負極を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、そのレート特性(1.0C/0.2C)及びサイクル特性について評価した。これらの評価結果を上記表1に示す。
(実施例7)
容量7Lのセパラブルフラスコに水150部を仕込み、内部を十分に窒素置換した。一方、別の容器に、水60部、乳化剤としてエーテルサルフェート型乳化剤(商品名「アデカリアソープSR1025」、ADEKA社製)2部(固形分換算)、下記表2に示した各モノマー化合物を一括して仕込み、十分に撹拌することでモノマー乳化液を作製した。窒素置換した前記セパラブルフラスコの内部を60℃まで昇温し、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.5部を加え、更に75℃まで昇温した。内部温度が75℃に到達した時点でモノマー乳化液の添加を開始した。反応温度を75℃に維持したまま2時間かけてモノマー乳化液を全て添加し、更に85℃で1時間反応させた。その後、冷却して反応を停止させた後、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.5に調整することで電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。得られた電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いてリチウムイオン二次電池正極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記リチウムイオン二次電池正極を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、そのレート特性(1.0C/0.2C)及びサイクル特性について評価した。評価結果を下記表2に示す。
Figure 2011108467
(実施例8、比較例5、6)
上記表2に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例7と同様にして各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。但し、実施例8については、モノマー乳化液を添加する前のセパラブルフラスコに、以下に示すフッ素重合体(シード粒子)ラテックス10部(固形分換算)を水150部とともに予め仕込んでおくこと、及び上記表2に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例7と同様にして電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。
(フッ素重合体(シード粒子)ラテックスの調製)
電磁式撹拌機を備えた容積約6Lのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5L、及び乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、フッ化ビニリデン(VDF)44.2%、及び六フッ化プロピレン(HFP)55.8%からなる混合ガスを、内圧が196N/cmに達するまで圧入した。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネート20%を含有するフロン113溶液(以下、「重合開始剤溶液」と記載する。)25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、VDF60.2%、及びHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入して、内圧を196N/cmに維持した。また、重合の進行とともに重合速度が低下するため、重合反応開始後3時間経過時に、前記重合開始剤溶液を、窒素ガスを使用して圧入して、更に3時間反応を継続させた。反応液を冷却するとともに撹拌を停止し、未反応モノマー化合物を放出して反応を停止させ、フッ素重合体(シード粒子)ラテックスを得た。
上述の実施例8並びに比較例5及び6で得られた各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いてリチウムイオン二次電池正極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記リチウムイオン二次電池正極を用いてリチウムイオン二次電池を作製し、そのレート特性(1.0C/0.2C)及びサイクル特性について評価した。これらの評価結果を上記表2に示す。
(実施例9、比較例7)
下記表3に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例1と同様にして各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。得られた各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いて電気二重層キャパシタ電極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記電気二重層キャパシタ電極を用いて電気二重層キャパシタを作製し、そのサイクル特性について評価した。これらの評価結果を下記表3に示す。
Figure 2011108467
(実施例10、比較例9)
上記表3に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例8と同様にして各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。得られた各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いて電気二重層キャパシタ電極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記電気二重層キャパシタ電極を用いて電気二重層キャパシタを作製し、そのサイクル特性について評価した。これらの評価結果を上記表3に示す。
(比較例8)
上記表3に示す各モノマー化合物及び配合割合としたこと以外は、実施例7と同様にして各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を得た。得られた各電気化学デバイス電極用バインダー組成物を用いて電気二重層キャパシタ電極を作製し、そのピール強度について評価した。また、前記電気二重層キャパシタ電極を用いて電気二重層キャパシタを作製し、そのサイクル特性について評価した。これらの評価結果を上記表3に示す。
前記表1〜3から明らかなように、本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物は、ピール強度に優れた電気化学デバイス電極を与え、レート特性及びサイクル特性に優れた電気化学デバイスを構成することができる。
本発明の電気化学デバイス電極用バインダー組成物、電気化学デバイス電極用スラリー、及び電気化学デバイス電極で構成される本発明の電気化学デバイスは、AV機器、OA機器、通信機器等の電源として好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位(a1)を含有する重合体(A1)と、
    分散媒(B)と、
    を含む電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
    Figure 2011108467
    (上記一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を示し、Rは、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、若しくは環状の2価の炭化水素基を示す。)
  2. 前記構成単位(a1)が、ビニルスルホン酸に由来する構成単位である請求項1に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  3. 前記重合体(A1)に含有される前記構成単位(a1)の割合が、全構成単位の合計100質量%中、0.5〜10質量%である請求項1又は2に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  4. 前記重合体(A1)が、共役ジエン系化合物に由来する構成単位(a2)、及び芳香族ビニル化合物に由来する構成単位(a3)を更に含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  5. 前記重合体(A1)が、アクリル酸エステル化合物又はメタクリル酸エステル化合物に由来する構成単位(a4)を更に含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  6. 前記構成単位(a1)を含有しない重合体(A2)を更に含む請求項1に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  7. 前記重合体(A1)が、ポリビニルスルホン酸である請求項6に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  8. 前記重合体(A1)からなる、数平均粒子径50〜600nmである粒子が、前記分散媒(B)中に分散している請求項1〜7のいずれか一項に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物。
  9. 電極活物質(C)と、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の電気化学デバイス電極用バインダー組成物と、
    を含む電気化学デバイス電極用スラリー。
  10. 集電体と、
    前記集電体の少なくとも一の面に、請求項9に記載の電気化学デバイス電極用スラリーを用いて形成される電極層と、
    を備える電気化学デバイス電極。
  11. 請求項10に記載の電気化学デバイス電極を備える電気化学デバイス。
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