JP2011105757A5 - - Google Patents

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梅抽出液
本発明は、ユキヤナギまたはコデマリの生葉の水抽出液や搾汁液、ユキヤナギ或いはコデマリの生葉を水とともに破砕機に掛けて得た上澄み液または絞り液、或いはこれらの熟成液に、梅の実を浸漬したノンアルコール梅酒様の梅抽出液に関するものである。
現在、ノンアルコールビールは知られているが、ノンアルコールの梅酒は存在しない。本発明は、ノンアルコール梅酒とでも言える、梅抽出液を提供するものである。ところで、従来から、殺菌剤や防腐剤として、食品や医療、培植物などの処理対象に応じて、様々な化学物質や植物由来の物質が使用されてきている。ただ、最近では人間が口にする食品や台所まわり或いは肌に使用するものに対しては、安全性の見地から植物などの天然物由来のものに人気がでてきている。そして、本発明はユキヤナギまたはコデマリの生葉の抽出液などの天然物由来の液を使用して梅抽出液を製造するものである。
植物は自己保護のため、大なり小なり殺菌や防腐物質を組織内に産生している。例えば、特許文献1には64種類もの植物の抽出物が抗菌防腐性を有することが示されている。その他、赤シソ(特開 2002-000245)、イヌコウジュ属(特開 2001-342106)、カエデ属(特開 2002-029925)、ローズマリー抽出物(特開 2002-088395)、ドクダミやコリアンダー、ニームなど多くの植物抽出物が殺菌性や防腐性を示すとされている。
一方、消臭についても、オレンジ油、レモン油、ペパーミント油等の精油(特開平5-146495)、クスノキ科などの植物の精油(特開平5-161697)、各種の乾燥ハーブなどが効果があるとされる。消臭機序には、物理的吸着、化学的分解、マスキングがあるが、植物精油の消臭は化学的分解或いはマスキングによるとされている。
このように、従来から多数の植物抽出物や精油が殺菌剤や防腐剤、消臭剤として提案されているが、中には効果が十分でないものも多く、また精油の場合製造コストが高くつく欠点がある。
そこで、本発明者は、身近にある種々な植物についてその水抽出物を得て様々な試験を行っているうちに、スピラエ属植物の抽出液が優れた消臭抗菌防腐性を示し、また浸透力や抽出力が非常に強いことを見いだして本発明を完成させたものである。
もともと、本発明者はキャベツに産卵のためにくるモンシロチョウを防ぐ目的、即ち忌避効果を求めて種々な植物の水抽出液を試していたところ、何種類かの植物は忌避効果を示した。しかし、殆どの植物の水抽出液はカビが生えたり腐敗して嫌な臭いを発しだしたが、その中で唯一ユキヤナギにはこのような変化が見られなかった。
しかも、ユキヤナギの水抽出液は、ビーカーに入れて炎天下で放置しておいても蒸発しにくい現象を発見した。そこで、鉄板上に抽出液を適量垂らして同様に放置しておいたところ、水分の蒸発にともない粘稠性を増し、遂には水飴状を呈するに至った。水飴状を呈するまでには、約1〜2日を要した。この水飴状物質は、速やかに水に溶解した。また、この水飴状物質は雨の日など湿気が多いときは水分を吸収して軟化する潮解性を示した。
更に、この水抽出液を入れたビーカーや、この液を振りかけたごはんや生菓子の周りには羽虫や蠅がよりつかず、また、液をこぼした辺りにはいつの間にか蟻が一匹もいなくなることに気がついた。しかも、ごはんや生菓子は常温放置で1年以上経っても腐敗しなかった。これは、ユキヤナギの生葉に含まれる物質が、水の蒸発を抑制する作用を有するとともに、虫などの忌避作用、及び抗菌防腐作用を有していることを意味する。ユキヤナギに限らず、コデマリ、しもつけ、しじみ花などスピラエ属に属する他の植物の場合も同様でった。但し、現在のところその物質は特定されていない。また、単独の物質であるのか、複数の物質の相乗効果であるのかも不明である。
ユキヤナギやコデマリ、しもつけ、しじみ花などは、わが国では野生或いは庭木として一般に広く分布している。しかし、これらは庭木或いは生け花として花自体を愛でる以外は他に用途がなく、薬用植物辞典類にも何等の記載もない。そして、本発明者が知る限り、これらの植物の抽出物が昆虫類忌避効果を有することは従来全く知られていない。また、この抽出物に梅の実を浸漬して梅酒様の飲料を製造することも全く知られていなかった。もっとも、その後ユキヤナギについては、抗菌物質が含まれていることが判明した(特許文献2、特許文献3)。
しかし、これらの抗菌成分は、スピラエ属植物の新鮮葉や幹、実若しくは花をエタノールやブタノールで抽出し、更に酢酸エチル−ベンゼンで溶出濃縮して得られるもので、水で抽出したものには含まれていない。しかし、水抽出物も同様に抗菌効果があるので、水抽出物の場合は、特許文献2や特許文献3に記載の物質(β−ヒドロキシ−α−メチレン−γ−ブチロラクトン、β,γ−ジヒドロキシ−α−メチレン酪酸エステル)とは異なる抗菌成分が含まれているものと思われる。
一方、生ゴミや魚介類が腐敗臭を発生するのは、それらがバクテリアに分解されてアンモニア、トリメチルアミン、メチルメルカプタン、硫化水素などの悪臭ガスが産生されることによる。従って、抗菌剤などでバクテリアの活動を抑えれば、それ以後の悪臭ガスの発生は抑えられるが、いままでの悪臭ガスはそのまま残ることになる。ところが、本発明の抽出液の場合、腐敗臭のしている魚介類に噴霧すると直後から腐敗臭が無くなり、魚介類が本来もっている自然の臭み(生臭み)のみとなる。勿論、噴霧以降数日は悪臭は全くと言っていいほど発生しない。腐敗の程度により噴霧量を多くするとよい。予防的に、腐敗前に噴霧しておくことがより好ましい。本発明の抽出液は、特に硫化水素(しじみ貝の腐敗臭)に優れた効果がある。本発明抽出液では上記悪臭ガスのみを無臭化するもので、魚介類の生臭みやニンニクの臭い、柑橘類の匂いなどは処理できない。

特開2003−113013号公報 特開昭50−24423号公報 特開昭50−24424号公報
また、本発明の抽出液は、生ゴミの消臭抗菌防腐のほか、台所、厨房などの消臭防腐、犬小屋などの消臭など様々な悪臭源の消臭や抗菌に使用できる。更に、生餅や生菓子などの食品にカビ防止として噴霧したり、牛乳、生ヨーグルト、甘酒などに数滴滴下すれば常温下でも数日変質を防止する効果がある。尚、この抽出液はCa、K、Mn、Na、P、Znなどのミネラル分が多く含まれまた植物繊維も豊富であるので、食品添加物としての使用も可能である。
梅酒ソックリの外観と味、匂いを示すノンアルコールの梅抽出液を提供する。
以下、本発明をユキヤナギの場合を例にとって説明する。ユキヤナギは、コゴメバナとも言い、3〜4月に若葉と同時に白い花がかたまって咲く。茎は株立ち状で高さは1〜3mとなる。葉は、次第に緑色を濃くし秋口から次第に黄色くなり落葉する。
当初、本発明者は、ユキヤナギの生葉や花を採取し、水とともにミキサーで粉砕し、その上澄み液を実験に使用していたが、単に水に数日間浸漬したものの効果は相当劣るが同様に消臭抗菌防腐効果が見られた。また、生葉や花を水で煮だしたものや、前記の上澄み液を加熱濃縮したものも、ある程度の忌避効果を示した。また、水とともに破砕(ミキサー掛け)して得た液は、1〜数日すると上澄み液と繊維質に分離する(後者が沈降する)。そして、1ケ月程度すると上澄み液は透明茶褐色(所謂ウイスキー色)を呈する。
この上澄み液は、当初は薄い褐色で青臭い匂いがするが、熟成が進むにつれて(1ケ月程度)濃い透明な褐色になり、匂いは紫蘇のような匂いから梅酒と紫蘇が混ざったような特有の芳香を示すようになる。このままの状態で3年以上経っても、腐敗などは生じない。消臭抗菌防腐の効果は、1ケ月程度から次第に強くなる。このような変化は、何らかの化学変化によるか、或いは酵素の働きによるものと推察される。味も変化するが、いずれも幾分かの渋味や苦味が感じられる。尚、上澄み液のpHは、当初は5.7〜5.8前後であるが次第に低下し、6月経過後は4.4〜4.5前後となり以後このままで安定する。
尚、上澄み液は水分を蒸発させると、容器の底に粘稠な溶液が少量残る。この溶液は、上澄み液と同様の匂いがし、水を加えるとまた元の上澄み液に戻る。この溶液、戻った上澄み液も、同様に消臭抗菌防腐効果を示す。このことから、本発明の植物抽出物には、保湿効果と言うか、化学物質を包み込む効果があることが判る。
一方、上澄み液を除去した残り滓と言うか残渣物にも、上澄液と同等の消臭抗菌防腐効果が認められる。従って、この滓を皿などに入れて冷蔵庫内や部屋の隅にでも置いておけば、消臭抗菌防腐効果や防虫効果がある。
使用するユキヤナギの部位は、葉、花、枝、茎、若しくは根のいずれでもよいが、なかでも葉、ことに新鮮な生葉が梅抽出液には最も好ましい。また消臭抗菌防腐効果も大きい。ミキサー使用の場合、水は生葉50g(水洗いして水切りしたもの)に対して、100〜1000ccの範囲で使用する。水が少ないとミキサーの回転がしにくく、多すぎると消臭抗菌防腐効果が悪くなったり液にカビが生えたりするおそれがある。好ましくは生葉50gに対して水500ccまで、特に200〜300cc程度である。
一方、熟成が進んだ上澄み液(抽出液)は、容器に蓋をせずそのまま常温で保管しておいても、腐敗やカビは一切生じない。また、上述のように、抽出液は梅の実や紫蘇の葉等の仄かな植物の匂いする。この匂いが気になる場合、少量の月桂樹の葉やハッカその他のハーブ類等と一緒にミキサーに掛けたり、ハーブ類など芳香性のある植物の抽出物やエキスを微量添加しておくと、匂いが気にならなくなる。
抽出物の処理物とは、抽出液を濃縮したり希釈したり精製したり或いは粉末化したものを言う。濃縮は、抽出液を加熱して水分を減らすことを言うが、成分の熱の影響を避けるために、減圧して行うとよい。希釈は、水やアルコールで任意の割合で行うことができるが、消臭抗菌防腐効果は劣る。また、通常の熱風乾燥はしにくいので、粉末化は抽出液を真空乾燥するとよい。これらの処理は、用途によって選択して行う。
尚、この抽出液には消臭や抗菌防腐効果以外に、蚊やハエ、小バエなどの昆虫を寄せつけない忌避効果がある。更に、昆虫以外に、蜘蛛やダンゴムシ、ナメクジなど所謂一般にムシと言われる小動物(これらの昆虫や小動物は、衛生害虫や不快害虫などと言われる)も、液を噴霧したり垂らした箇所から何時のほどにか見えなくなってしまう。従って、台所などで抽出液を噴霧した状態で生ゴミを保管しておいても数日間は腐敗臭がしないうえ、蠅や小蠅を寄せつけないのでうじがわくこともなく、極めて衛生的である。この抽出液或いはその処理物に何らかの殺虫成分を混合して使用することも可能である。この場合、その混合物は、殺虫効果も併せ持つことになる。
また、この抽出液の特徴として、浸透力や抽出力が非常に強いことが挙げられる。例えば、梅の実を漬けておくと梅酒そっくりの味のものができる。液の色はもともと褐色で古い梅酒様をしているので、外見及び味は梅酒そのものである。ただ、アルコールが入っていないだけである。これだと、アルコールの苦手な人や子供も梅酒の味わいを楽しむことができる。作り方は、梅酒と同様で抽出液1.8Lに梅の実1Kgと氷砂糖1Kgを投入して放置しておくだけである。3ケ月もすると梅酒そっくりの味になる。古くなれば、更に味わいが増す。この抽出液は、10倍程度まで希釈して用いても、腐敗のおそれはない。次に、メカブ(ワカメの芽)は毛生薬の効果があるとされるが、メカブを刻んで水に漬けるとネバネバができて非常に取扱いにくい。ところが、この抽出液にメカブをつけると、不思議なことにネバネバは全くできずサラッとした溶液ができる。更に、栗やドングリを抽出液に漬けておくと中の実にまで浸透し、皮を剥いで中の実を水に浸漬すると、水は元の抽出液と同様の色と匂いを示す。
本願のユキヤナギ等と併用できる抗菌防腐性に優れた植物としては、例えばタイム、セージ、コンフリー、月桂樹、ウワウルシ、ユーカリ、ティーツリー、赤シソ、ドクダミ、ニームなどがある。これらは、ユキヤナギ等と混ぜてミキサーデ粉砕抽出したり、或いは単独で抽出したのちユキヤナギ等の抽出液と混合する。これらの生葉は40%以下好ましくは30%以下の割合で使用する。40%を越えると、抽出液が腐敗したりカビが生えたりするおそれがある。ユキヤナギ等スピラエ属の植物の生葉の抽出液は決して腐敗したりカビが生えたりしない。また、抽出力が強く、保湿性にも富み、これら併用した植物の葉の有効成分を十分に抽出して安定的に保存する効果がある。また、ハーブ類など芳香性のある少量の植物(葉等)の破砕物を加えたり共に破砕したり、ハーブ類など芳香性のある植物の抽出物、エキス或いは香水を微量添加してもよい。用途に合わせて、消臭や抗菌効果のある化学品を添加してもよい。
以上説明したように、本発明はスピラエ属植物の葉、花、枝、茎、若しくは根の抽出物を有効成分とする液に、梅の実を浸漬した梅抽出液である。
従って、以下に述べる効果がある。
(1)本発明の梅抽出液は、アルコールが入っていないだけで、梅酒ソックリの外観と味、匂いのものができる。また、スピラエ属植物の葉等の抽出物はそれ自体消臭抗菌防腐効果があり、長時間おいておいても変質しない。
(2)スピラエ属植物の葉等の抽出物は、化学品とは異なり天然の植物から得られ、しかも、水のみで抽出したもの故安全性が非常に高い。実施例6のマウスの例では、50Kgの人の場合は1Lのんでも急性毒性は無いほど安全である。通常、梅酒は猪口1杯〜コップ半分程度を一度に飲む程度であるので、これらの料では何ら問題はない。
(3)スピラエ属植物の葉等の抽出物は水100%抽出であるので水に溶けるものしか含んでおらず、環境に優しい特徴がある。
(4)本発明で使用するスピラエ属植物の葉等の抽出物はそれ自体抗菌性を有しているため合成化学物質等の添加を必要とせず、また毒性がないので長時間その匂いをかいでも全く問題がない。また、台所等食材がある近辺に噴霧しても安心である。
(5)ユキヤナギをはじめコデマリ、しもつけ、しじみ花などスエビラ属の植物は、野生や庭木に広くみられ 花は綺麗で環境の美化にもよく、また減反田での栽培にも適しており、成長も早く、手がかからなず、安価大量の入手が可能である。
(6)本発明使用するスピラエ属植物の葉等の抽出物は、簡単な操作と装置で容易に得られるため、加工コストは安価ですむ。
(7)スピラエ属植物の葉等の抽出物は溶媒が水であるので、コストが非常に廉価であるとともに抽出作業を簡単安全に行うことができるとともに、溶剤を使用することによる副次的な反応が抑えられ、安全性に優れたものを得ることができる。
(8)スピラエ属植物の葉等の抽出液は数年間(現在3年を確認)は腐敗や変色もせず、また消臭抗菌防腐効果も持続する。
ユキヤナギの新鮮な生葉を良く水洗いした後、家庭用のミキサーに充填し、水を注ぎミキサーで3〜5分間粉砕攪拌する。これを容器に移し、1〜数日放置して固液分離する。繊維質が浮き上がったら、攪拌する。1月位で透明な茶褐色の液体が得られた。この液は、魚介類や生ゴミに対して優れた消臭抗菌防腐効果を示す。特に、1ケ月以上もたつと梅酒に似た独特の匂いと赤褐色味を帯びた非常に透明な溶液となり、消臭抗菌防腐剤効果も優れたものとなる。不思議なことに、作りたての溶液には消臭抗菌防腐効果や昆虫忌避効果は殆どと言ってよいほど認められない。1ケ月経過して透明で独特の匂いがしはじめると消臭抗菌防腐効果や昆虫忌避効果が生じてくる。半年以上経つとより効果は大きくなる。本発明者は、3年以上前のものも保存しているが、消臭抗菌防腐効果や忌避効果は全く同じである。これは、水で抽出したため何らかの酵素が活発に働いており、その結果ではないかと推察される。そして、この1ケ月以上たった液に梅の実を浸漬する。もともと、この液自体梅酒に似た独特の匂いと赤褐色味を帯びた非常に透明な溶液であり、梅の実を浸漬することにより、更に梅の味や匂いが強調される。
(製法1)
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。まず、ユキヤナギの新鮮な生葉50gを良く水洗いした後、家庭用のミキサーに充填し、水300gを注ぎミキサーで3〜5分間破砕攪拌する。これを容器に移し、1〜数日放置して固液分離する。繊維質が浮き上がったら、攪拌する。生葉の青臭い臭いがするが、1ケ月もたつとウイスキー様の赤褐色味を帯びた透明な溶液となる。この溶液は、梅果実酒様の臭いがする。数日間放置したのみの上澄み液300ccをビンに採り、5〜6月にかけて日向に放置したところ、1月で約270ccに減少した。尚、ミキサーによる破砕では、生葉50g(水洗いして水切りしたもの)に対して、水は100〜500cc、より好ましくは200〜300cc使用する。搾汁の場合には、非常に濃度の高い液が得られる。
(製法2)
ユキヤナギの花、及びコデマリの葉のいずれも新鮮なものをそれぞれ別個に、実施例1と同様にして処理して、透明な溶液を得た。前者は、1ケ月経過後も実施例1の場合に比べて匂いも薄く、消臭抗菌防腐効果も劣っていた。後者は、1ケ月経過後同様な匂いはしたが幾分異なった金属的な匂いがしたが、効果は実施例1の場合と同等以上であった。尚、枝を使用する場合、滓が多くなり、カビも生えやすくなる。
(製法3)
ユキヤナギの生葉200gを良く水洗いした後、水1Lとともに鍋に入れ、沸騰させた後弱火にして煮沸を続けた。水量が約2/3になった時点で火をとめた。煮だし汁は実施例1における1月後の色よりも濃い赤褐色を呈した。消臭抗菌防腐効果は、実施例2のユキヤナギの花程度である。
(製法4)
実施例1で得られた溶液50ccに、ハーブ香水3滴を添加して攪拌した。この溶液を服地に噴霧したところ、1週間たっても香水の匂いが残っていた。
(製法5)
実施例1において、ユキヤナギの生葉50gに月桂樹の生葉10gを加えて同様に処理した。得られた溶液は、実施例1のものと同じ程度の消臭抗菌防腐効果を示した。ドクダミの生葉10gを加えた場合も、同様に消臭抗菌防腐効果のある液が得られた。
(安全性の確認1)
(雌雄マウスを用いた急性経口毒性試験−限度試験−:財団法人日本食品分析センター平成15年12月12日報告)
要約:検体投与群には20ml/Kgの容量の検体(本発明害虫忌避剤:実施例1で得られたもの)を、対照群には注射用水を雌雄マウスに単回経口投与し、14日間観察を行った。その結果、観察期間(平成15年11月20日〜12月12日の14日間)中には、異状及び死亡例は認められなかった。従って、検体のマウスにおける単回経口投与によるLD50値は、雌雄とも20ml/Kg以上であるものと考えられる。
投与前及び投与後のマウスの体重を測定した結果を、表1(雄)及び表2(雌)に示す。雌雄とも、対照群と比較して差は認められなかった。また、同じ分析機関でホルムアルデヒドの有無を検査したが(アセチルアセトン吸光光度法)、検出はされなかった(検出限界:5ppm)。

Figure 2011105757

Figure 2011105757
(安全性の確認2)
実施例1で得られた溶液(1月後のもの)を広口ビンに少量入れ、2匹の蝸牛を入れてその挙動を観察した。1ケ月以上たっても生存していた。尚、その間給餌は全くしなかった。また、人体に付着して数日経過しても皮膚に何らの異常もなかった。また、青虫、蟻、蠅等に直接噴霧しても殺虫効果は全く無かった。
(梅抽出液の製造)
実施例1で得られた溶液(1ケ月経過後のもの)1.8Lに梅の実1Kgと氷砂糖1Kgを投入して放置しておく。3ケ月もすると梅酒そっくりの味になる。古くなれば、更に味わいが増す。この抽出液は、10倍程度まで希釈して用いても、腐敗のおそれはない。これは、抽出液の浸透力や抽出力が非常に強いため、梅の実を漬けておくと梅酒そっくりの味のものができる。抽出液の色はもともと褐色で古い梅酒様をしているので、外見及び味は梅酒そのものである。ただ、アルコールが入っていないだけである。この梅浸漬液は、アルコールの苦手な人や子供も梅酒の味わいを楽しむことができる。
(消臭抗菌防腐効果の確認1)
鮮魚(わかな)の内臓と皮60gずつを、A、B2つの上部開口のプラスチック容器に入れる。A容器の内臓と皮には、実施例1で得られた溶液を2割り程度水で薄めたものを直接3回噴霧し(溶液噴霧)、B容器の内臓と皮はそのまま(未処理)にして経過を見た。その結果を表3に示す。実験は冬季(平成16年1月22日〜31日、室内温度8〜18℃)に行ったが、未処理(容器B)のものは、2日目から腐敗臭がしだした。これに対し、溶液噴霧(容器A)では、6日目までは腐敗臭がせず、新鮮な鮮魚の匂いを保っていた。また、未処理のものには、当日からコバエが2〜3匹たかり次第にその数を増したが、溶液噴霧のものには、1匹も寄りつかなかった。

Figure 2011105757
(消臭抗菌防腐効果の確認2)
鮮魚(いか)の内臓20gずつを、実施例7と同様にA、B2つの上部開口容器に入れ、B容器の内蔵はそのまま(未処理)、A容器の内臓には同様に溶液を3回噴霧し経過を見た。その結果を表4に示す。本例の場合、溶液噴霧のものは9日目まで腐敗臭がしなかったが、未処理では5日目から腐敗臭がしだした。コバエの挙動も前記例と同じであった。

Figure 2011105757
(消臭抗菌防腐効果の確認3)
実施例2(コデマリの葉)で得られた本発明溶液を使用し、他は実施例8と同様にして木綿豆腐の消臭抗菌防腐試験を行った。木綿豆腐10gを4つに切ったものを3個の100ccのマヨネーズ瓶にそれぞれ入れ、A容器の豆腐には実施例8と同様に溶液を3回噴霧し、B容器とC容器はそのまま(未処理)にして同様に経過を見た。その結果を、表5に示す。本例の場合、溶液噴霧のものは9日目まで腐敗臭がしなかったが、未処理では2日目から腐敗臭がしだした。また、容器Cでは5日目からカビが生えだした。

Figure 2011105757
(消臭抗菌防腐効果の確認4)
冬季(室内15℃前後)に、つきたての丸餅の外面に実施例5で得られた溶液(月桂樹)を噴霧しておいたところ、10日経ってもカビが生えなかった。一方、溶液を噴霧しない餅は、5日経過頃からカビが生えだした。また、夏期(室内25℃前後)に、コップに入れた生ヨーグルト、牛乳、甘酒のそれぞれに同じ溶液を3滴前後滴下しておいたところ、3〜4日経っても元の匂いと味を保っていた。一方、溶液を入れないコップのヨーグルト等は2日もすれば酸っぱい匂いと味を示した。
(抗菌力試験)
実施例1の溶液(被検製品)を用い、レジオネラ菌に対する抗菌力試験を、寒天培地を用いた拡散法(定性ディスク法)により行った(株式会社日本食品エコロジー研究所)。
(1)試験方法
〔試験菌株〕 レジオネラ菌(Legionella pneumophila)のATCC標準株 を使用。
〔使用培地〕 BCYE−α寒天培地。
〔菌液の調整〕 24時間BCYE−α寒天培地に増殖発育した培養菌を約1 06/mlに調整。
〔被検製品の調整〕被検製品を滅菌生理食塩水にて段階希釈(原液、2倍希釈、 4倍希釈)。
〔試験方法〕 定性法(ディスク法):それぞれの菌を寒天平板培地に塗抹 (106/mlの菌液を1白金耳量)し、被検製品を一定量 浸みこませたディスクを培養培地に固着させ37℃で5日間 培養後の濾紙周辺の発育阻止円の有無を判定する。
〔試験対象〕 滅菌生理食塩水。
(2)試験所要日数 1)準備及び予備試験 7〜10日
2)本試験、判定 6〜10日
(3)試験結果
表5に示すように、原液ではレジオネラ菌に対する抗菌効果が認められたが、2倍希釈液、4倍希釈液では認められなかった。

Figure 2011105757
(生ゴミの防虫防臭確認実験)
平成16年7月14日〜8月31日に、100人規模の生ゴミ防臭効果の確認実験を行った。
(1)実験方法
ある地域の住民108人のそれぞれに、実施例1で得られた溶液を250ccを500ccの噴霧容器にいれて渡し、ポリ袋に生ゴミを投入する度に2〜3回噴霧して貰うよう依頼した。溶液は、平成15年5月に製造したもの(50人)と16年5月に製造したもの(58人)を使用した。また、15年製造の溶液については、蚊やハエ等虫に対する忌避効果の確認も併せて依頼した。
(2)実験結果
実験終了後、16年9月中旬にアンケートを回収した。アンケート結果を、それぞれ表7(アンケート回収率)、表8(溶液自体の匂い)、表9(生ゴミの防臭効果)、表10(今後の継続希望)に示す。表9で、生ゴミの防臭効果が十分あったとした人が58%、少しあるとした人が41%で、99%の人が効果を認めていることは画期的なことである。尚、アンケート回収率は72%であった。これは、提出期日を限定したためと思われる。この中に、噴霧が手間と答えた人が3人(4%)いた。また、アンケート自由欄で魚介類の悪臭には効き目が少ないと書いた人が4人いたが、これは生臭さと悪臭とを取り違えたためと思われる。実施例8〜10に示すように悪臭除去能力は十分にある。もし、生ゴミの量が多ければ、噴霧回数や噴霧量を増やせば解決する。また、アンケート自由欄でコバエや蠅が生ゴミにこなくなったと書いた人や蚊、毛虫、ダンゴムシがこなくなったと書いた人が合計で18人あった(15年製造品を渡して回答が得られた33人中)。

Figure 2011105757

Figure 2011105757

Figure 2011105757

Figure 2011105757
本発明の梅酒様抽出液は、ユキヤナギなどスエビラ属の植物の特に葉の水抽出液に梅の実を浸漬しておくだけで、簡単にノンアルコールの梅酒様飲料が得られる。そして、梅の実を浸漬する液は植物を水のみで抽出したもの故、安全性は非常に高いしユキヤナギなどスエビラ属の植物は、野生や庭木に広くみられ、また減反田での栽培にも適しており、成長も早く、手がかからず、安価大量に入手できる。しかも、簡単な操作と装置で容易に得られるため、加工コストは安価ですむ。
JP2011021401A 2011-02-03 2011-02-03 梅抽出液 Pending JP2011105757A (ja)

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