JP2011102733A - 測定装置 - Google Patents

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六蔵 原
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晋一 森田
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Abstract

【課題】各素波を分離して正確な素波数を検出することにより、高精度な測定結果が得られるとともに、高い処理性能や広い保存領域を必要としない測定装置を得る。
【解決手段】信号源から送信され、互いに異なる経路を伝搬する複数の素波を含む信号をそれぞれ受信する複数のセンサ1a〜1mと、複数のセンサ1a〜1mで受信した受信信号に基づいて、受信信号の入射角度および信号源までの距離の少なくとも一方を含む未知パラメータを推定する測角処理部5と、測角処理部5での測定処理結果に基づいて、複数の素波間の信号相関が零に近づくように、測角処理部5に入力される受信信号のデータ長である観測データ長を制御するデータ長制御部7とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、並べて配置された複数のセンサで信号源からの到来信号を受信し、例えば到来信号の入射角度(信号源の方位)を推定する測角装置等の測定装置に関する。
空間的に並べて配置された複数のセンサを用いる測角装置では、各センサで受信された観測データ間に存在する振幅差や位相差に基づいて到来信号の入射角度が推定される。並べて配置された複数のセンサを用いて到来信号の入射角度を推定するものとして、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法等を用いる測角装置が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
このような測角装置では、信号源から送信された信号が各センサで受信されるまでに、複数の経路を伝搬するマルチパス伝搬環境が成立する。このマルチパス伝搬環境下において、信号源、センサ、および信号の反射や回折によってマルチパス伝搬環境を構成する原因となる物体(マルチパス発生源)のうち、少なくとも1つが独立に移動すると、互いに異なる経路を伝搬してセンサに受信された信号の素波間にドップラ周波数差が生じる。
ここで、信号源、センサおよびマルチパス発生源の何れかの移動速度が大きい(ドップラ周波数差が大きい)場合には、ドップラ周波数差により各素波を容易に分離することができ、各素波の測角処理を容易に実行することができる。しかしながら、移動速度が小さい(ドップラ周波数差が小さい)場合には、ドップラ周波数差による各素波の分離が困難となって正確な素波数を検出することができず、複数の素波が混ざった状態で測角処理を実行することとなる。ドップラ周波数の互いに異なる複数の素波が混ざった状態で、かつ複数の素波の入射角度が互いに近接している場合には、測角処理結果において、信号源の方位を表す入射角度真値に対するバイアス誤差が時間的に変動するという問題があった。
例えば、素波間にドップラ周波数差が存在しない場合には、各素波の分離は極めて困難であるが、測角処理結果において、入射角度真値に対して存在するバイアス誤差は常に一定である。すなわち、時間的変動のない定常的な出力なので、測角処理結果の信頼度は高い。これに対して、素波間に小さなドップラ周波数差が存在すると、測角処理結果において、入射角度真値に対して存在するバイアス誤差が時間的に変動するので、測角処理結果の信頼度は低下する。
なお、複数の素波を正確に分離できない原因の1つとして、ドップラ周波数差に対して観測データ長が最適でないことが挙げられる。一般に、fHzのドップラ周波数差を分離するためには、少なくとも1/f秒の観測データ長が必要となる。すなわち、1Hzのドップラ周波数差を分離するためには、少なくとも1秒の観測データ長が必要となる。観測データ長が1/f秒よりも短ければ、各素波の分離は困難となる。
また、観測データ長が長くなるほど、測角精度は向上すると考えられている。これは、観測データ長を長くすることにより、各センサで受信された信号の信号対雑音電力比を高めることができるからである。観測データ長を長くして測角精度を向上させるものとして、観測データを保存する手段を有する測角装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
以下、図7を参照しながら、特許文献1、2に記載された従来の測角装置について説明する。図7は、従来の測角装置を示すブロック構成図である。
図7において、この測角装置は、複数のセンサ51a〜51m、受信部52、観測データ保存部53、データ統計処理部54、測角処理部55および測角結果出力部56を備えている。
複数のセンサ51a〜51mは、並べて配置され、それぞれ信号源(図示せず)から送信された信号を受信する。受信部52は、複数のセンサ51a〜51mのそれぞれで受信された信号を、単位時間帯の観測データベクトルとして受信する。観測データ保存部53は、受信部52で受信された単位時間帯の観測データベクトルを保存する。
データ統計処理部54は、受信部52で受信された単位時間帯の観測データベクトルと観測データ保存部53に保存された過去の観測データベクトルとに基づいて、統計処理を実行する。測角処理部55は、データ統計処理部54で統計した統計データに基づいて測角処理を実行する。測角結果出力部56は、測角処理部55で測角した測角処理結果を出力する。
ここで、図7に示した測角装置のデータ統計処理部54は、事前に決定された観測データ長で統計処理を実行する処理構成、または半永久的に統計処理を実行し続ける処理構成となっている。また、図7に示した測角装置では、観測データを取得する単位時間帯が短時間に設定されることがある。これは、信号処理による遅れ時間を短縮するとともに、信号源の変動に対して迅速に対応するためである。
このように、単位時間帯自体が短時間なので、統計処理に用いる観測データ長を長くして測角精度を向上させることが検討されている。
特開2003−318792号公報 特開2007−40806号公報
H.Krim,M.Viberg,"Two Decades of Array Signal Processing Research:The Parametric Approach",IEEE Signal Processing Magazine,Vol.13,No.4,pp.67−94,Jul 1996
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1、2に記載された従来の測角装置では、観測データ長を長くすることにより、各センサで受信された信号の信号対雑音電力比を高めることができるものの、素波間に信号相関が存在する場合には、各素波を容易に分離することができず、高精度な測角処理結果を得ることができないという問題がある。また、観測データ長を長くすることにより、長大な観測データを処理する処理性能や長大な観測データを保存する保存領域が必要になるという問題もある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、各素波を分離して正確な素波数を検出することにより、高精度な測定結果が得られるとともに、高い処理性能や広い保存領域を必要としない測定装置を得ることを目的とする。
この発明に係る測角装置は、信号源から送信され、互いに異なる経路を伝搬する複数の素波を含む信号をそれぞれ受信する複数のセンサと、複数のセンサで受信した受信信号に基づいて、受信信号の入射角度および信号源までの距離の少なくとも一方を含む未知パラメータを推定する測定処理手段と、測定処理手段での測定処理結果に基づいて、複数の素波間の信号相関が零に近づくように、測定処理手段に入力される受信信号のデータ長である観測データ長を制御するデータ長制御手段とを備えたものである。
この発明に係る測定装置によれば、データ長制御手段は、未知パラメータを推定する測定処理手段での測定処理結果に基づいて、信号源から互いに異なる経路を伝搬して複数のセンサで受信された複数の素波間の信号相関が零に近づくように、測定処理手段に入力される受信信号のデータ長である観測データ長を制御する。このように、複数の素波間の信号相関が零に近づくように、観測データ長を制御することにより、各素波を容易に分離することができる。
そのため、各素波を分離して正確な素波数を検出することにより、高精度な測定結果が得られるとともに、高い処理性能や広い保存領域を必要としない測定装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る測角装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態2に係る測角装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態3に係る測角装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態4に係る測角装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態5に係る測角装置を示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態6に係る測角装置を示すブロック構成図である。 従来の測角装置を示すブロック構成図である。
以下、この発明の測定装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明するが、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。
なお、以下の実施の形態では、この測定装置が到来信号の入射角度を推定する測角装置である場合について説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図1において、この測角装置は、複数のセンサ1a〜1m、受信部2、観測データ保存部(観測データ保存手段)3、データ統計処理部4、測角処理部(測定処理手段)5、測角結果出力部6およびデータ長制御部(データ長制御手段)7を備えている。
複数のセンサ1a〜1mは、並べて配置されている。また、複数のセンサ1a〜1mは、信号源(図示せず)から送信され、互いに異なる経路を伝搬する複数の素波を含む信号をそれぞれ受信する。受信部2は、複数のセンサ1a〜1mのそれぞれで受信された受信信号を、単位時間帯の観測データベクトルとして受信する。観測データ保存部3は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルを保存するとともに、次回以降の単位時間帯において、保存している観測データベクトルをデータ統計処理部4に出力する。
データ統計処理部4は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルと観測データ保存部3に保存された過去の観測データベクトルとに基づいて、受信信号の入射角度(未知パラメータ)を推定する統計処理を実行する。測角処理部5は、データ統計処理部4で統計した統計データに基づいて、測角処理を実行する。測角結果出力部6は、測角処理部5で測角した測角処理結果を出力する。
データ長制御部7は、測角処理部5での測角処理結果に基づいて、信号源から互いに異なる経路を伝搬して複数のセンサ1a〜1mで受信された複数の素波間の信号相関が零に近づくように、測角処理部5に入力される観測データベクトルの観測データ長を制御する。具体的には、データ長制御部7は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルの観測データ長と、観測データ保存部3に保存された過去の観測データベクトルの観測データ長との合計が、所望の観測データ長となるように、観測データ保存部3から出力される観測データベクトルの観測データ長を制御する。
ここで、図1に示した測角装置は、単位時間帯の観測データ長が特に定められているものではない。そのため、データ長制御部7は、データ統計処理部4で統計される観測データベクトルの観測データ長を、単位時間帯の観測データ長よりも長くも短くも制御することができる。なお、データ長制御部7が、データ統計処理部4で統計される観測データベクトルの観測データ長を、単位時間帯の観測データ長よりも短く制御する場合には、観測データ保存部3は不要となる。
また、データ長制御部7は、測角処理部5での測角処理結果を時系列で保存する領域を有している。データ長制御部7は、単位時間帯における測定処理結果を時系列で並べ、その変動を周波数成分として検出することにより、観測データベクトルの観測データ長を制御する。なお、観測データベクトルの観測データ長は、検出した周波数成分の逆数、または検出した周波数成分の逆数の自然数倍の数値を用いて設定される。
fHzのドップラ周波数差を分離するためには、少なくとも1/f秒の観測データ長が必要となると説明したが、これは、複数の素波間の信号相関を零とするためである。素波間の信号相関が零であれば、各素波を容易に分離することができる。観測データ長が1/f秒のとき、信号相関は零となり、観測データ長が1/f秒を超えると信号相関は増加し、観測データ長が2/f秒のとき、信号相関は再び零となる。このように、観測データ長が1/f秒の自然数倍となる場合に、信号相関が零となり、それ以外の観測データ長のときに、信号相関が零よりも大きい値となる。そこで、データ長制御部7は、検出した周波数成分の逆数の自然数倍の数値で観測データ長を設定する。
以上のように、実施の形態1によれば、データ長制御手段は、未知パラメータを推定する測定処理手段での測定処理結果に基づいて、信号源から互いに異なる経路を伝搬して複数のセンサで受信された複数の素波間の信号相関が零に近づくように、測定処理手段に入力される受信信号のデータ長である観測データ長を制御する。このように、複数の素波間の信号相関が零に近づくように、観測データ長を制御することにより、各素波を容易に分離することができる。
そのため、各素波を分離して正確な素波数を検出することにより、高精度な測定結果が得られるとともに、高い処理性能や広い保存領域を必要としない測定装置を得ることができる。
なお、上記実施の形態1では、データ長制御部7は、単位時間帯における測定処理結果を時系列で並べ、その変動を周波数成分として検出することにより、観測データベクトルの観測データ長を制御すると説明した。しかしながら、これに限定されず、データ長制御部7は、観測データベクトルを時系列で並べ、この時系列における電力干渉を検出することにより、観測データベクトルの観測データ長を制御してもよい。素波間のドップラ周波数差は、受信データの電力干渉を引き起こす。
そのため、電力干渉の周波数成分を検出することにより、観測データベクトルの観測データ長を制御することができる。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、観測データ保存部3が観測データベクトルを保存する場合について説明したが、これに限定されず、観測データ保存部3は、観測データベクトルの相関行列を保存してもよい。この実施の形態2では、観測データ保存部3が観測データベクトルに代えて、観測データベクトルの相関行列を保存する場合について説明する。
図2は、この発明の実施の形態2に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図2において、この測角装置は、図1に示した測角装置に加えて、相関行列算出部8を備えている。また、この測角装置は、図1に示した観測データ保存部3およびデータ統計処理部4に代えて、相関行列保存部(観測データ保存手段)9および相関行列統計処理部10を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
相関行列算出部8は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルに基づいて、相関行列を算出する。相関行列保存部9は、相関行列算出部8で算出された相関行列を保存するとともに、次回以降の単位時間帯において、保存している相関行列を相関行列統計処理部10に出力する。
相関行列統計処理部10は、相関行列算出部8で算出された相関行列と相関行列保存部9に保存された過去の相関行列とに基づいて、受信信号の入射角度(未知パラメータ)を推定する統計処理を実行する。一般に、測角処理部5では、観測データベクトルの代わりに相関行列を入力した場合であっても、測角処理が可能である。
実施の形態3.
図3は、この発明の実施の形態3に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図3において、この測角装置は、図1に示した測角装置に加えて、信号再生処理部(信号再生処理手段)11および再生結果出力部12を備えている。また、この測角装置は、図1に示した観測データ保存部3に代えて、データ長制御部13を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
信号再生処理部11は、測角処理部5での測角処理結果に基づいて、特定方位の信号を再生する。再生結果出力部12は、信号再生処理部11で再生された信号を出力する。データ長制御部13は、信号再生処理部11で再生された信号に基づいて、観測データベクトルの観測データ長を制御する。
ここで、上述した観測データベクトルの時系列における電力干渉の周波数成分は、信号再生処理部11で再生された信号からも検出することができる。そのため、観測データ長が適切に制御されず、各素波を十分に分離できていない場合、信号再生処理部11で再生された信号には、電力干渉が残余する。そこで、データ長制御部13でこの電力干渉の周波数成分を検出することにより、観測データベクトルの観測データ長を制御することができる。また、信号再生処理部11で信号を再生することにより、受信電力の時間変動を回避することができる。
実施の形態4.
図4は、この発明の実施の形態4に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図4において、この測角装置は、図1に示した測角装置に加えて、相関行列算出部(相関行列算出手段)8を備えている。また、この測角装置は、図1に示した観測データ保存部3、データ統計処理部4およびデータ長制御部7に代えて、相関行列保存部(観測データ保存手段)9、相関行列統計処理部10およびデータ長制御部14を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
相関行列算出部8は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルに基づいて、相関行列を算出する。相関行列保存部9は、相関行列算出部8で算出された相関行列を保存するとともに、次回以降の単位時間帯において、保存している相関行列を相関行列統計処理部10に出力する。相関行列統計処理部10は、相関行列算出部8で算出された相関行列と相関行列保存部9に保存された過去の相関行列とに基づいて、受信信号の入射角度(未知パラメータ)を推定する統計処理を実行し、統計相関行列を算出する。
データ長制御部14は、統計相関行列と相関行列保存部9に保存された相関行列との差分を算出し、この差分に基づいて観測データベクトルの観測データ長を制御する。観測データ長が最適な状態にあると、各素波が無相関化され、観測データベクトルによる相関行列において時間的に変動する成分が抑圧されるので、上記差分は小さな値となる。
そのため、上記差分が所定の閾値よりも小さくなった場合に観測データ長が最適な値であると判定することができ、測角処理部5や相関行列保存部9における相関行列のデータ長を最適な値に制御することができる。なお、データ長制御部14は、上記差分を時系列で検定し、差分が極小値になったデータ長を最適なものとして、相関行列のデータ長を制御してもよい。
実施の形態5.
図5は、この発明の実施の形態5に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図5において、この測角装置は、図2に示した測角装置に加えて、相関値算出部(相関値算出手段)15を備えている。また、この測角装置は、図2に示したデータ長制御部7に代えて、データ長制御部16を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態2と同様であり、その説明は省略する。
相関値算出部15は、相関行列統計処理部10で算出された統計相関行列と測角処理部5での測角処理結果とに基づいて、素波間の相関値を算出する。データ長制御部16は、相関値算出部15で算出された素波間の相関値に基づいて、観測データベクトルの観測データ長を制御する。ここで、到来する信号に含まれる素波の数が検出可能な程度の観測データ長が設定されている場合、最適な観測データ長は、信号相関の推定値から決定することができる。
そこで、データ長制御部16は、上記素波間の相関値が所定の閾値よりも小さくなった場合に観測データ長が最適な値であると判定することができ、測角処理部5や相関行列保存部9における相関行列のデータ長を最適な値に制御することができる。なお、データ長制御部16は、上記素波間の相関値を時系列で検定し、素波間の相関値が極小値になったデータ長を最適なものとして、相関行列のデータ長を制御してもよい。
実施の形態6.
観測データベクトルを保存することにより各素波を分離する方法が有効なのは、到来する信号に含まれる素波の数が定常的である場合である。よって、素波の数が変化した場合には、保存した観測データベクトルを使用することができなくなることがある。このような場合には、保存している観測データベクトルを破棄する等の制御を実行する必要がある。この実施の形態6では、素波の数が変化した場合について説明する。
図6は、この発明の実施の形態6に係る測角装置を示すブロック構成図である。
図6において、この測角装置は、図1に示した測角装置に加えて、第1波数推定処理部(第1波数推定処理手段)17および第2波数推定処理部(第2波数推定処理手段)18を備えている。また、この測角装置は、図1に示したデータ長制御部7に代えて、データ長制御部19を備えている。なお、その他の構成については、実施の形態1と同様であり、その説明は省略する。
第1波数推定処理部17は、受信部2で受信された単位時間帯の観測データベクトルに基づいて、波数を推定する。第2波数推定処理部18は、データ統計処理部4で統計した統計データに基づいて、波数を推定する。データ長制御部19は、第1波数推定処理部17および第2波数推定処理部18でそれぞれ推定された波数を比較し、第1波数推定処理部17で推定された波数が多い場合には、観測データ保存部3に保存している観測データベクトルの観測データ長が零となるように制御する。
これは、過去の観測データベクトルに影響されて、到来する信号に含まれる素波の数の変化に対応できない恐れがあるからである。このような場合、保存している過去の観測データベクトルを破棄し、新たに観測データベクトルを保存していくことが考えられる。一方、第2波数推定処理部18で推定された波数が多い場合には、問題は生じない。
なお、上記実施の形態1〜6において、データ長制御部は、観測データ保存部3や相関行列保存部9において、過去の観測データベクトルを単位時間帯毎に保存している場合に、時系列で古い観測データベクトルから削除していく方法を採用してもよい。
また、上記実施の形態1〜6において、データ長制御部は、観測データベクトルを単位時間帯毎に重み付けすることにより、観測データベクトルの観測データ長を制御してもよい。具体的には、データ長制御部は、時系列で古い観測データベクトルに対する重みを零や零に近い値とすること等により、観測データ長を制御したり、保存する観測データベクトルを間引くような重みを与えて観測データ保存部3に保存されるデータ量を削減したりする。
また、上記実施の形態1〜6において、データ長制御部は、例えば相関行列を逐次平均により算出する場合に、忘却係数を設定して古い観測データベクトルの影響を制御することにより、観測データ長を制御してもよい。ここで、観測データ長を短くする場合には忘却度合の大きな係数が設定され、観測データ長を長くする場合には忘却度合の小さな係数が設定される。
また、上記実施の形態1〜6において、測角処理部5の前段に、R.T.Williams,S.Prasad,A.K.Mahalanabis,L.H.Sibul,“An Improved Spatial Smoothing Technique for Bearing Estimation in a Multipath Environment”,IEEE Transactions on Acoustics,Speech,and Signal Processing,Vol.36,No.4,pp.425−432,Apr 1988(以下、「非特許文献2」と称する)に記載された空間平均前処理や改良空間平均前処理を実行する前段処理部を挿入してもよい。
この処理は、相関行列内のサブセットを平均するだけでなく、観測データベクトル内のサブセットを時系列データとして連結することによっても実行可能である。また、相関行列内のサブセットを平均する処理は、測角処理部5に相関行列を使用する推定手段にのみ適用されるが、観測データベクトル内のサブセットを時系列データとして連結する処理は、測角処理部5に何れの推定手段を採用しても適用されうる。
また、上記実施の形態1〜6において、データ統計処理部4で統計した統計データに基づいて測角処理を実行する測角処理部5は、上記非特許文献1に記載された最尤法、Capon法、MUSIC(Multiple Signal Classification)法、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)、MODE(Method Of Direction Estimation)、SAGE(Space−Alternating Generalized Expectation−maximization algorithm)およびVESPA(Virtual ESPRIT Algorithm)の何れかに基づく推定法を使用してもよい。これらの推定法は、高分解能であることが知られており、この発明で問題とするような、入射角度が近接している場合に有利である。
また、上記実施の形態1〜6において、測角処理部5は、前処理としてESPRIT、VESPAおよび独立成分分析の何れかに基づくブラインド信号分離処理を実行した後に、分離された信号に基づいて測角処理を実行してもよい。これらのブラインド信号分離処理は、極めて高い信号分解能を有することが知られているが、適用条件として、信号が無相関であることが要求される。そこで、データ長制御部で観測データ長を最適に制御し、各素波を無相関とすることにより、ブラインド信号分離処理の高分解性能を有効に活用することができる。また、上述した最尤法、Capon法、MUSIC法、ESPRIT、MODE、SAGEおよびVESPA等の推定法における高分解性能は、複数のセンサ1a〜1mの開口長に制限されるが、ブラインド信号分離処理の高分解性能は、開口長に制限されない。
また、ESPRIT、VESPAおよび独立成分分析の何れかに基づくブラインド信号分離処理の実行によっては各素波を分離できなかったとしても、ブラインド信号分離処理の出力情報に対して非特許文献2に記載された空間平均前処理や改良空間平均前処理を実行することにより、各素波の分離が可能となる場合がある。
また、測角処理部5において、ESPRIT、VESPAおよび独立成分分析の何れかに基づくブラインド信号分離処理を実行した後の測角処理は、分解能が低いモノパルス推定法やDBF(Digital Beam Forming)に基づく処理であってもよく、高分解能な処理法である最尤法、Capon法、MUSIC法、ESPRIT、MODE、SAGE、VESPAの何れかに基づく処理であってもよい。これは、ブラインド信号分離処理において信号が分解されているので、測角処理に高分解性能が求められていないからである。ただし、ブラインド信号分離処理の実行によって各素波を分離できない恐れがある場合には、高分解性能な処理法を選択することが望ましい。
また、上記実施の形態1〜6では、測角装置を例に挙げて説明したが、この発明は、測距装置において素波間のドップラ周波数差の影響を受ける場合についても、測角装置の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、素波間のドップラ周波数差による影響への対処方法が測角装置でも測距装置でも同様なので、この発明は、測距装置に適用することもできる。
1a〜1m センサ、3 観測データ保存部(観測データ保存手段)、5 測角処理部(測定処理手段)、7、13、14、16、19 データ長制御部(データ長制御手段)、8 相関行列算出部(相関行列算出手段)、9 相関行列保存部(観測データ保存手段)、11 信号再生処理部(信号再生処理手段)、15 相関値算出部(相関値算出手段)、17 第1波数推定処理部(第1波数推定処理手段)、18 第2波数推定処理部(第2波数推定処理手段)。

Claims (19)

  1. 信号源から送信され、互いに異なる経路を伝搬する複数の素波を含む信号をそれぞれ受信する複数のセンサと、
    前記複数のセンサで受信した受信信号に基づいて、前記受信信号の入射角度および前記信号源までの距離の少なくとも一方を含む未知パラメータを推定する測定処理手段と、
    前記測定処理手段での測定処理結果に基づいて、前記複数の素波間の信号相関が零に近づくように、前記測定処理手段に入力される前記受信信号のデータ長である観測データ長を制御するデータ長制御手段と、
    を備えたことを特徴とする測定装置。
  2. 前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データを保存するとともに、次回以降の単位時間帯において、保存している観測データを前記測定処理手段に出力する観測データ保存手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記観測データ保存手段は、前記観測データの相関行列を保存することを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記データ長制御手段は、前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データのデータ長よりも長いデータ長で前記観測データ長を制御し、
    前記測定処理手段は、この観測データ長に応じて前記未知パラメータを推定する
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の測定装置。
  5. 前記データ長制御手段は、前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データのデータ長よりも短いデータ長で前記観測データ長を制御し、
    前記測定処理手段は、この観測データ長に応じて前記未知パラメータを推定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3までの何れか1項に記載の測定装置。
  6. 前記データ長制御手段は、前記測定処理結果を時系列で保存する領域を有し、前記測定処理結果の時系列での変動に基づいて、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  7. 前記データ長制御手段は、前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データの時系列における電力干渉に基づいて、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  8. 前記測定処理結果に基づいて信号再生処理を実行する信号再生処理手段をさらに備え、
    前記データ長制御手段は、前記信号再生処理手段で再生された信号の電力干渉に基づいて、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  9. 前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データに基づいて相関行列を算出する相関行列算出手段をさらに備え、
    前記観測データ保存手段は、相関行列算出手段で算出された相関行列を保存し、
    前記データ長制御手段は、相関行列算出手段で算出された相関行列と前記観測データ保存手段に保存された相関行列との差分を算出して時系列で検定し、前記差分が極小となる条件で前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項2から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  10. 前記複数の素波間の相関値を算出する相関値算出手段をさらに備え、
    前記データ長制御手段は、前記相関値を時系列で検定し、前記相関値が極小となる条件で前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  11. 前記複数のセンサで受信された単位時間帯の観測データに基づいて前記複数の素波の波数を推定する第1波数推定処理手段と、
    観測データ長が制御された観測データに基づいて前記複数の素波の波数を推定する第2波数推定処理手段と、をさらに備え、
    前記データ長制御手段は、前記第1波数推定処理手段で推定された波数と、前記第2波数推定処理手段で推定された波数とを比較した比較結果に基づいて、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項5までの何れか1項に記載の測定装置。
  12. 前記データ長制御手段は、前記観測データ保存手段に保存された観測データを、時系列で古い観測データから削除することを特徴とする請求項2から請求項11までの何れか1項に記載の測定装置。
  13. 前記データ長制御手段は、前記複数のセンサで受信された観測データを単位時間帯毎に重み付けすることにより、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の測定装置。
  14. 前記データ長制御手段は、逐次平均処理における忘却係数を設定することにより、前記観測データ長を制御することを特徴とする請求項1から請求項11までの何れか1項に記載の測定装置。
  15. 前記測定処理手段の前段に、空間平均前処理または改良空間平均前処理を実行する前段処理手段を挿入したことを特徴とする請求項1から請求項14までの何れか1項に記載の測定装置。
  16. 前記測定処理手段は、最尤法、Capon法、MUSIC法、ESPRIT、MODE、SAGEおよびVESPAのうちの何れか1つに基づく推定法により、前記未知パラメータを推定することを特徴とする請求項1から請求項14までの何れか1項に記載の測定装置。
  17. 前記測定処理手段は、前処理として、ESPRIT、VESPAおよび独立成分分析のうちの何れか1つに基づくブラインド信号分離処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項14までの何れか1項に記載の測定装置。
  18. 前記測定処理手段は、前記ブラインド信号分離処理で分離された信号に対して、空間平均前処理または改良空間平均前処理を実行することを特徴とする請求項17に記載の測定装置。
  19. 前記測定処理手段は、前記ブラインド信号分離処理で分離された信号に対して、モノパルス推定法、DBF、最尤法、Capon法、MUSIC法、ESPRIT、MODE、SAGE、VESPAのうちの何れか1つに基づく推定法を適用することを特徴とする請求項17または請求項18に記載の測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016031337A (ja) * 2014-07-30 2016-03-07 三菱電機株式会社 到来方向推定装置
JP2018084575A (ja) * 2016-11-21 2018-05-31 株式会社東芝 到来角検知システムおよび方法

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