JP2011101988A - 記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク受容層の優れたインク吸収性を維持し、優れた表面光沢性および発色性を有すると同時に、大気中の酸性ガス(特にオゾン)による画像の変退色を抑制し、優れた耐オゾン性を有する記録媒体を提供することである。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を有する記録媒体であって、最表面にカチオン化重付加反応生成物を含有する部分皮膜を有し、該カチオン化重付加反応生成物は2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物(A)、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)、および2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物(C)の少なくとも各1種の化合物の重付加反応生成物のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化した化合物であることを特徴とする記録媒体。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用記録媒体などの記録媒体に関する。
インクジェット用記録媒体のインク吸収性と表面光沢を両立するために、インク受容層の空隙を減少させる圧力をかけずにコーティングする方法で、シリカ微粒子の層をインク受容層上に設ける方法が知られている(特許文献1参照)。また、インク受容層上に樹脂を主成分とする層を設ける方法も知られている(特許文献2参照)。
褪色防止等の種々の特性向上のため、色材受容層に含硫黄化合物が添加されたものは種々報告されている。チオエーテル系化合物を含有するインクジェット記録用媒体が提案されている(特許文献3参照)。また、親水性基を有するチオエーテル系化合物を使用することが提案されている(特許文献4参照)。また、親水性基を有し、チオエーテル基を含む高分子化合物を使用することが提案されている(特許文献5参照)。
特開平7−76162号公報 特開2000−108503号公報 特開平1−115677号公報 特開2002−86904号公報 特開2004−345309号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、高いインク吸収性を維持しながら、表面にある程度の光沢感を持たせることができるが、銀塩系写真に四敵できるほどの光沢発現効果が得られないことがある。特許文献2の方法では、樹脂がインク受容層に多く染み込むことがあり、インク受容層の細孔が樹脂により埋まることがあるため、吸収性を確保できない場合がある。また、銀塩系写真に四敵するためには、優れた保存性も求められ、上記特許文献に記載の技術では、優れた保存性、特に耐オゾン性という課題に対し、効果が得られない場合がある。特許文献3に記載の例示化合物は、すべて疎水性の低分子化合物であり、不水溶性である。そのため塗布液に混入することが困難な場合があり、乳化物として添加しても、記録媒体の表面光沢や印字画像の発色が低下してしまうことがある。特許文献4に記載の例示化合物は、親水性の低分子化合物であるため、高温高湿条件下での経時耐にじみを低下させることがある。さらにこのような化合物の多くは低融点化合物であり、低温環境下、例えば5℃以下の環境下で1週間経過するとチオエーテル系化合物が記録シート表面に析出する現象も見られることがあった。また、特許文献5に記載の方法では、求められている表面光沢の課題に対する効果が得られないことがあった。
本発明は、上記の実態に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、インク受容層の優れたインク吸収性を維持し、優れた表面光沢性および発色性を有すると同時に、大気中の酸性ガス(特にオゾン)による画像の変退色を抑制し、優れた耐オゾン性を有する記録媒体を提供することである。
鋭意検討した結果、本発明により、支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を有する記録媒体であって、最表面に、カチオン化重付加反応生成物を含有する部分皮膜を有し、該カチオン化重付加反応生成物は、2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物(A)、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)、および2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物(C)の少なくとも各1種の化合物の重付加反応生成物のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化した化合物であることを特徴とする記録媒体が提供される。
本発明により、インク受容層の優れたインク吸収性を維持し、優れた表面光沢性および発色性を有すると同時に、大気中の酸性ガス(特にオゾン)による画像の変退色を抑制し、優れた耐オゾン性を有する記録媒体が提供される。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
<<記録媒体>>
本発明の記録媒体は、支持体と、支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層と、最表面に部分皮膜とを有することができる。前記部分皮膜は、カチオン化重付加反応生成物を含有する。カチオン化重付加反応生成物は、2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物(A)、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)、および2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物(C)の少なくとも各1種の化合物の重付加反応生成物のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化した化合物である。なお、前記インク受容層は、前記支持体と前記部分皮膜の間に位置することができる。本発明の記録媒体は、インク受容層および部分皮膜を、支持体の片面または両面に有することができる。本発明の記録媒体はインクジェット用記録媒体として用いることができる。
<支持体>
本発明の記録媒体に用いる支持体は、特に限定されず、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙などの紙類、合成紙、白色プラスチックフィルム、透明プラスチックフィルム、または半透明プラスチックフィルム、樹脂被覆紙などが使用できる。
また、画像の光沢を効果的に発現させる場合には、インク受容層形成用塗工液に対するバリヤー性の高い支持体が好ましく、酸化チタンや硫酸バリウムなどの顔料を配合し、多孔性化することにより不透明化したポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアセテート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの白色プラスチックフィルムなど、さらに原紙にポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたいわゆる樹脂被覆紙が支持体として好適である。
さらに記録媒体として銀塩写真と同等の画質と風合いを付与する場合において、支持体として好ましく用いられる原紙としては、以下のものが挙げられる。すなわち、少なくともインク受容層が設けられる一方の面をポリオレフィン樹脂で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙が好ましく、より好ましくは両面をポリオレフィン樹脂で被覆したポリオレフィン樹脂被覆紙である。前記ポリオレフィン樹脂被覆紙の好ましい形態としては、JIS−B0601による10点平均粗さが0.5μm以下で、かつJIS−Z−8741による60度鏡面光沢度が25%以上75%以下である。
また、樹脂被覆紙の厚さには特に制限はないが、25μm以上500μm以下であることが好ましい。樹脂被覆紙の厚さが25μm以上であれば、記録媒体の剛性が低くなることを優れて防ぎ、その記録媒体を手にした時の感触や質感の劣化、および不透明性の低下などの不都合が生じるのを優れて防ぐことができる。また、樹脂被覆紙の厚さが500μm以下であれば、記録媒体が剛直になり扱いにくくなることを優れて防ぎ、プリンターでの給紙走行をスムーズに行うことができる。樹脂被覆紙の厚さのより好ましい範囲は50μm以上300μm以下である。また、樹脂被覆紙の坪量にも特に制限はないが、25g/m2以上500g/m2以下であることが好ましい。
<インク受容層>
本発明に用いるインク受容層は、1層からなる場合、および2層以上からなる場合がある。これら全ての場合において、インク受容層のうちの各層が後述する条件を満たしていることが好ましい。なお、インク受容層は多孔性のものが好ましい。本発明に用いるインク受容層には、無機顔料(E)と、水溶性樹脂および水分散性樹脂(F)の少なくとも一方と、架橋剤(G)とを含むことができる。また、前記インク受容層は、後述するインク受容層用塗工液の固化物であることができる。また、本発明の効果を妨げない範囲内で、本発明の部分皮膜を形成する後述のカチオン化重付加反応生成物をインク受容層に含有させても良い。
インク受容層を形成したときの平均細孔半径は、窒素吸脱着法等により、5nm以上20nm以下であることが好ましい。より好ましくは、7nm以上15nm以下である。インク受容層全体の平均細孔半径を、5nm以上20nm以下にすることによって、優れたインク吸収性および発色性を発揮することが可能となる。また、インク受容層全体の平均細孔半径が5nm以上であれば、インク吸収性が低下することを優れて防ぎ、必要に応じてアルミナ水和物に対するバインダーの量を調整するなどして、優れたインク吸収性を得ることができる。また、インク受容層全体の平均細孔半径が20nm以下であれば、インク受容層のヘイズが大きくなることを優れて防ぎ、特に良好な発色性を得ることができる。
(無機顔料(E))
本発明に用いるインク受容層の形成に使用できる無機顔料(E)は、インク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能な微粒子であることが好ましい。このような無機顔料としては、例えば、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、ケイソウ土、アルミナ、アルミナ水和物、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、ベーマイト構造のアルミナ水和物および擬ベーマイト構造のアルミナ水和物、リトポン、ゼオライトなどが挙げられ、これらを単独あるいは複数種併用することができる。
上記無機顔料の形態としては、高光沢かつ高透明性のインク受容層を得るために、数平均二次粒子径は50nm以上500nm以下が好ましく、より好ましくは100nm以上300nm以下である。無機顔料の数平均二次粒子径が50nm以上の場合、形成されるインク受容層のインク吸収性が著しく低下することを優れて防ぐことができる。また、前記数平均二次粒子径が50nm以上の場合、吐出量の多いプリンターで印字した際にインク受容層においてインクの滲みやビーディング(インクを吸収できずに粒状の濃度ムラとなる現象)が発生することを優れて防ぐことができる。一方、数平均二次粒子径が500nm以下の場合は、形成されるインク受容層の透明性が低下するのを優れて防ぐとともに、インク受容層に画像を形成した場合に、発色性や光沢が低下するのを優れて防ぐことができる。
上記無機顔料の中で特に好ましく用いられるのは、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物であり、これらの無機顔料は特にインク吸収能が高く、発色性に優れ、高品位の画像が形成可能なインク受容層を形成することができる。
特に、無機顔料としては、BET比表面積が50m2/g以上のアルミナ、ベーマイト構造または擬ベーマイト構造のアルミナ水和物が好ましい。より好ましくはBET比表面積が50m2/g以上500m2/g以下のものである。アルミナ水和物のBET比表面積が50m2/g以上の場合、そのアルミナ水和物を含むインク受容層の透明性や発色性が低下するのを優れて防ぎ、画像が白くモヤのかかったような画像になりやすくなることを優れて防ぐことができる。また、アルミナ水和物のBET比表面積が500m2/g以下の場合、アルミナ水和物を水中に安定に分散するために解膠剤として多量の酸を使用することを優れて防ぎ、そのアルミナ水和物を含むインク受容層のインク吸収性が低下することを優れて防ぐ。さらに好ましくはBET比表面積が50m2/g以上250m2/g以下のものである。アルミナ水和物のBET比表面積が50m2/g以上250m2/g以下である場合、そのアルミナ水和物を含有しているインク受容層のインク吸収性、ビーディングおよび平滑性などが優れる。
本発明で好ましく用いられるベーマイト構造、または擬ベーマイト構造を有するアルミナ水和物は下記一般式により表される。
Al23-n(OH)2n・mH2
式中、nは0、1、2または3のいずれかを表し、mは0以上10以下、好ましくは0以上5以下の数を表す。mH2Oは多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をとることができる。また、この種のアルミナ水和物を加熱するとmは0の値になることがありうる。
一般にベーマイト構造を示すアルミナ水和物の結晶は、その(020)面が巨大平面を形成する層状化合物であり、X線回折図形に特有の回折ピークを示す。ベーマイト構造としては、完全ベーマイトの他に擬ベーマイトと称する、過剰な水を(020)面の層間に含んだ構造を取ることもできる。この擬ベーマイトのX線回折図形は完全なベーマイトよりも幅広な回折ピークを示す。完全ベーマイトと擬ベーマイトは明確に区別できるものではないので、特に断らない限り、両者を含めてベーマイト構造を示すアルミナ水和物と呼ぶこととする。
上記アルミナ水和物の製造方法としては特に限定はされないが、例えば、バイヤー法、明バン熱分解法などの方法を採用することが好ましい。特に好ましい方法は、長鎖のアルミニウムアルコキシドに対して酸を添加して加水分解する方法である。また、得られたアルミナ水和物は、水熱合成の工程を経て粒子を成長させる熟成工程の条件を調整することにより、アルミナ水和物の粒子形状を特定範囲に制御することができる。また、熟成時間を適当に設定すると、粒子径が比較的均一なアルミナ水和物の一次粒子が成長したゾルを得ることができる。ここで得られたゾルは、解膠剤として酸を添加することで、そのまま分散液として用いることもできるが、アルミナ水和物の水への分散性をより向上させるため、ゾルをスプレードライなどの方法により粉末化した後、酸を添加して分散液とすることもできる。また、アルミナ水和物を解膠する酸としては従来公知のものが使用でき、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、および塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられる。これらの中から1種または2種以上を自由に選択して用いることができる。
さらに、アルミナ水和物としては、市販のDisperal HP14(商品名、SASOL社製)およびベーマイト粉体 C01(商品名、大明化学工業(株)社製)等を挙げることができる。なお、インク受容層中の無機顔料の好ましい含有割合は30質量%以上95質量%以下である。
(水溶性樹脂および水分散性樹脂(F))
本発明においては、上記無機顔料とともに、水溶性樹脂および水分散性樹脂(F)の少なくとも一方を用いてインク受容層を形成することができる。このために使用される水溶性樹脂および水分散性樹脂としては、例えば、ゼラチン、カゼインおよびそれらの変性物、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、完全または部分ケン化のポリビニルアルコールおよびその変性物(カチオン変性、アニオン変性、シラノール変性など)、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、エピクロルヒドリン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸またはその共重合体、アクリルアミド系樹脂、無水マレイン酸系共重合体、ポリエステル系樹脂、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックスおよびこれらの各種重合体ラテックスにカチオン性基またはアニオン性基を付与した官能基変性重合体ラテックス類などが挙げられる。これらのうち好ましいのは、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールで、重量平均重合度が300以上5,000以下のものである。ケン化度は70モル%以上100モル%未満のものが好ましい。また、これらの水溶性樹脂および水分散性樹脂は単独あるいは複数種混合して用いることができる。
また、インク受容層中の前記無機顔料(E)と、水溶性樹脂および水分散性樹脂(F)の合計量との混合質量比は、好ましくはE:F=1:1〜30:1、より好ましくはE:F=1.5:1〜20:1の範囲である。水溶性樹脂および水分散性樹脂の合計量がこれらの範囲内であれば、形成されたインク受容層のひび割れや粉落ちが特に発生し難くなり、インク吸収性も特に良い。
(架橋剤(G))
また、本発明の記録媒体は、無機顔料、ならびに、水溶性樹脂および水分散性樹脂の少なくとも一方によって形成されるインク受容層の造膜性、耐水性および強度を改善するために、インク受容層中に架橋剤(G)を添加してもよい。一般に、架橋剤は使用するポリマーが持つ反応性基の種類によって様々なものが選択され、例えば、ポリビニルアルコール系の樹脂であれば、エポキシ系架橋剤や、ホウ酸などのホウ素化合物ならびに水溶性アルミニウム塩、水溶性ジルコニウム塩などの無機架橋剤などが挙げられる。
架橋剤としてホウ素化合物を用いる場合の使用量は、バインダーとして用いる水溶性樹脂および水分散性樹脂の合計量によって変化するが、概ね水溶性樹脂および水分散性樹脂の合計量に対して0.1質量%以上30質量%以下の割合で添加すると良い。ホウ素化合物の含有量が、水溶性樹脂および水分散性樹脂の合計量に対して0.1質量%以上であると、造膜性が低下することを優れて防ぎ、優れた耐水性を得ることができる。逆に、30質量%以下の場合では塗工液粘度の経時変化が大きくなることを優れて防ぎ、塗工安定性が低下することを優れて防ぐことができる。また、インク受容層は、後述するインク受容層塗工液に添加可能な各種添加剤を含有することができる。
ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩、二硼酸塩、メタ硼酸塩、四硼酸塩、五硼酸塩等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸が好ましい。
(インク受容層用塗工液)
本発明に用いることのできるインク受容層用塗工液には、無機顔料(E)と、水溶性樹脂および水分散性樹脂(F)の少なくとも一方と、架橋剤(G)とを含むことができる。また、分散媒として水を含むことができる。インク受容層を形成するための塗工液(インク受容層用塗工液)の固形分濃度は、基材上にインク受容層を形成できる程度の粘度を有する固形分濃度であれば特に制限はないが、インク受容層用塗工液全質量に対して5質量%以上50質量%以下が好ましい。より好ましくは、15質量%以上30質量%以下である。前記固形分濃度が5質量%以上の場合は、インク受容層の膜厚を厚くするために塗工量を増やさなくて済み、乾燥に多くの時間とエネルギーを使うことを優れて防ぎ、非経済的となることを優れて防ぐことができる。また、前記固形分濃度が50質量%以下であると塗工液の粘度が高くなることを優れて防ぎ、塗工性が低下することを優れて防ぐことができる。
また、前記インク受容層用塗工液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、インク定着剤、ドット調整剤、着色剤、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤、導電剤などを挙げることができる。
調製したインク受容層用塗工液を基材上に塗布する方法としては、公知の任意の塗工方法が適用でき、例えば、ブレードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンダイコーティング法、スロットダイコーティング法、バーコーティング法、グラビアコーティング法、ロールコーティング法などの塗布方式による塗布が可能である。塗布後、熱風乾燥機、熱ドラム、遠赤外線乾燥機などの乾燥装置を用いて乾燥することで、インク受容層を形成することができる。なお、インク受容層は、前記支持体の片面若しくは両面に形成することも可能である。また、画像の解像度および搬送性などを向上させる目的で、本発明の効果を妨げない範囲内で、カレンダーやキヤストなどの装置を用いて平滑化処理してもよい。
インク受容層を2層以上設ける場合、インク受容層用塗工液は逐次塗布でも、同時塗布でもインク受容層を形成することができる。また、塗布後の乾燥は、層毎に塗布、乾燥を行ってもよいし、全層塗布後に乾燥を行ってもよい。
前記インク受容層の塗工量として好ましい範囲は、固形分換算で5g/m2以上50g/m2以下である。前記塗工量が5g/m2以上の場合は、形成されたインク受容層がインクの水分を優れて吸収でき、インクが流れることや画像が滲んだりすることを優れて防ぐことができる。前記インク受容層の塗工量が50g/m2以下であれば、乾燥時にカールが発生することを優れて防ぎ、クラックの発生を特に低減でき、印字性能に期待されるほど顕著な効果を有することができる。
<部分皮膜>
本発明に用いる部分皮膜は、2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物(A)、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)、および2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物(C)の少なくとも各1種の化合物を反応させて得られる重付加反応生成物のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化した化合物であるカチオン化重付加反応生成物を含有する。なお、部分皮膜とは、インク受容層全面に連続的に形成された皮膜ではなく、インク受容層表面の部分に形成され、インク受容層の表面の細孔を完全に塞ぐことのない皮膜を意味する。なお、部分皮膜中のカチオン化重付加反応生成物の好ましい含有割合は、50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。また、部分皮膜がカチオン化重付加反応生成物のみで構成されていてもよい。
(含硫黄有機化合物A)
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物の合成に用いられる化合物の一つである、上記2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物Aは、2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物であれば、特には限定されない。しかし、この中でも、耐オゾン性の観点から、分子内にスルフィド基を少なくとも1つ有する化合物が好ましい。本発明に用いる上記化合物Aの具体例としては下記一般式(1)〜(6)により表される化合物を挙げることができる。特に、一般式(2)または一般式(6)に表される化合物は、大気中の酸性ガスによる画像の変退色を抑える効果が特に高く、好ましく使用できる。また、以下の化合物Aは単独もしくは2種以上を化合物BおよびCと反応させ、重付加反応生成物を合成し、そのアミノ基の少なくとも一部をカチオン化させ、部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物を合成することが可能である。
Figure 2011101988
(式中nは1または2を表す。また、R1はメチレン基、エチレン基、またはプロピレン基を表す。)
Figure 2011101988
(式中nは1または2を表す。また、R2およびR3はそれぞれ独立して水素原子、水酸基またはアルキル基を表し、R2およびR3は同一であっても異なっていてもよい。アルキル基は、炭素数1以上5以下であることが好ましい。)
Figure 2011101988
(式中nは0または1を表す。)
Figure 2011101988
(式中nは1または2を表す。また、R4およびR5はそれぞれ独立して硫黄原子または酸素原子を表し、R6は硫黄原子またはSO2基を表す。R4およびR5は、同一であっても異なっていても良いが、R4とR6およびR5とR6はそれぞれ同一ではなく、それぞれ異なる基で構成される。)
Figure 2011101988
(式中R7およびR8はそれぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を表し、R7およびR8は同一であっても異なっていてもよい。アルキル基は、炭素数1以上5以下であることが好ましい。)
Figure 2011101988
(式中R9は水酸基またはアルキル基を表す。アルキル基は、炭素数1以上5以下であることが好ましい。)
(ポリイソシアネート化合物B)
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物の合成に用いられる上記イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物Bとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、および4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。しかし、これらに限定されるものではなく、他のイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物も使用することができる。また、これらポリイソシアネート化合物Bを単独、もしくは2種以上を化合物AおよびCと反応させて、次いでカチオン化させ、本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物を合成することが可能である。
(アミン化合物C)
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物の合成に用いられる2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物Cとしては、例えば、下記一般式(7)で表されるような3級アミンが挙げられる。
Figure 2011101988
(式中R10、R11およびR12は、炭素数1以上6以下の、アルキル基、アルカノール基、アミノアルキル基およびアルカンチオール基のうちのいずれかを表す。ただし、R10、R11およびR12のうちの少なくとも2つは、炭素数1以上6以下のアルカノール基である。)
一般式(7)で表される上記化合物Cの具体例として、例えば、ジオール化合物としてはN−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−エチル−N,N−ジエタノールアミン、N−イソブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジエタノールアミン、N−t−ブチル−N,N−ジイソプロパノールアミンなどが挙げられ、トリオール化合物としてはトリエタノールアミンなどが挙げられる。これらアミン化合物Cを単独、または2種以上を同時に化合物AおよびBと反応させて、次いでカチオン化させ、本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物を合成することが可能である。
(配合量)
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物は、上記の通り化合物Aと化合物Bと化合物Cとを反応させ重付加反応生成物を合成する。続いて、その重付加反応生成物をカチオン化し、化合物Aユニットと化合物Bユニットと化合物Cユニット(これらのユニット中のアミノ基の少なくとも一部はカチオン化されている)を分子中に含む高分子化合物として得られる。重付加反応生成物を得るために用いる全化合物(化合物A、BおよびCの少なくとも各1種、ならびに必要に応じて後述の化合物Dなどの添加剤)に対して、アミン化合物Cの使用量はモル比率で5.5%以上18.5%以下であることが好ましい。化合物Cの使用量のモル比率が5.5%以上であれば、親水基の含有率が低下することを優れて防ぎ、カチオン化重付加反応生成物の水分散体の調製が困難になることを優れて防ぐことができる。一方、化合物Cの使用量がモル比率で18.5%以下であれば、そのカチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を有する記録媒体において、光沢度や発色性が低下することを優れて防ぐことができる。
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物は、重付加反応に用いる化合物Cのモル比率が上記の範囲内であれば、カチオン化重付加反応生成物中の化合物Cユニットを、3質量%以上80質量%以下とすることが可能である。80質量%以下であれば、光沢度や発色性の低下を引き起こすことを優れて防ぐことができる。
重付加反応生成物において、化合物Cの使用量が前述の範囲であれば、カチオン化重付加反応生成物に組み込まれた化合物Aユニットの質量は、前記高分子化合物(カチオン化重付加反応生成物)中において10質量%以上65質量%以下であることが好ましい。より好ましくは30質量%以上65質量%以下である。化合物Aユニットの割合が10質量%以上では優れた耐オゾン性の効果を有することができる。一方、化合物Aユニットの割合が65質量%以下であると相対的に親水性基の含有率が低下することを優れて防ぎ、カチオン化重付加反応生成物の水分散物を調整する際に不都合を生じることを優れて防ぐことができる。
また化合物Bは、化合物Aと化合物Cとを連結させる機能を有し、その使用量は特に限定されない。しかし、化合物Cの使用量が前述の範囲であれば、化合物Bユニットの質量は、得られるカチオン化重付加反応生成物中において10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。より好ましくは30質量%以上60質量%以下である。化合物Bユニットの割合が10質量%以上80質量%以下であれば、化合物Aと化合物Cのユニットの機能を優れて発揮するに足る量を結合することができる。
なお、カチオン化重付加反応生成物中の化合物Aユニット、化合物Bユニットおよび化合物Cユニットの質量割合は、化合物A、BおよびCの仕込み量からそれぞれ算出することができる。
(重付加反応生成物の製造方法)
上記化合物A〜Cの重付加反応生成物の製造方法は、上記化合物A〜Cを一度に反応させてランダム重合体とする、所謂ワンショット方法でもよい。さらには、化合物A(または化合物C)と化合物Bとを反応させて、末端イソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、そのプレポリマーと化合物C(または化合物A)とを反応させる、所謂プレポリマー法を用いてもよい。なお、この際、化合物A(または化合物C)と化合物Bとは、化合物A(または化合物C)の活性水酸基に対し、化合物Bのイソシアネート基がリッチの割合で反応させることが好ましい。また、何れの方法においても低分子量ポリオールや低分子量ジアミンなどの鎖伸長剤を併用してもよい。また、得られる重付加反応生成物の分子量は、化合物A〜Cの使用量の変更や、モノアルコールやモノアミンなどの反応停止剤を適当なタイミングで反応系に添加することによって調整することができる。
このようにして得られた重付加反応生成物の重量平均分子量は反応条件にもよるが、2,000以上150,000以下が好ましく、2,000以上50,000以下がさらに好ましい。重付加反応生成物の重量平均分子量が2,000以上では光沢度や印字濃度が低下することを優れて防ぎ、150,000以下であると反応時間が長くなることを優れて防ぎ、製造コストが増加するのを優れて防ぐことができる。
また、本発明に用いる重付加反応生成物の製造に際しては、前記化合物Aおよび化合物C以外の、2つ以上の活性水素基を有する化合物(以下「化合物D」という)を必要に応じて共重合させてもよい。このような化合物Dとしては、以下のようなポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、およびポリカーボネートポリオールを挙げることができる。これらを単独、若しくは2種以上同時に使用して、本発明に用いられる重付加反応生成物を合成することも可能である。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量が300以上1000以下であるポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、アルキレンオキシド付加体などのグリコール成分と、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘンデカンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビスフェノキシエタン−p,p′−ジカルボン酸、ジカルボン酸の無水物またはエステル形成性誘導体などの酸成分とから、脱水縮合反応によって得られたポリエステル類をはじめとして、さらにはε−カプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル類、ならびにそれらの共重合ポリエステル類などが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、しょ糖、ビスフェノールA、ビスフェノールS、水素添加ビスフェノールA、アコニット酸、トリメリット酸、ヘミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオールなどの活性水素を少なくとも2個有する化合物を、開始剤としてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を用いて、常法により付加重合したものが挙げられる。また、ポリエーテルポリオールとして、エチレンジアミン、プロピレンジアミンなどの1級アミノ基を少なくとも2個有する化合物を開始剤として用いて、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレンなどのモノマーの1種または2種以上を常法により付加重合したものを用いることもできる。特に好ましいものはポリエチレングリコールである。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどのグリコールとジフェニルカーボネートおよびホスゲンとの反応によって得られる化合物などが挙げられる。
本発明に用いる部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物は、イソシアネート重付加反応において、錫系触媒およびアミン系触媒の少なくとも一方を用いることが望ましい。かかる錫系触媒としては、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエートなどが挙げられ、アミン系触媒としてはトリエチレンジアミン、トリエチルアミン、テトラメチルプロパンジアミン、テトラメチルブタンジアミン、N−メチルモルホリンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記のイソシアネート重付加反応は、組成によって無溶剤下で行うことも可能であるが、反応系の反応抑制やベース粘度コントロールなどの目的でイソシアネート重付加反応系に直接関与しない親水性有機溶剤を反応溶媒として用いることが一般的である。このような親水性有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチルなどの有機酸エステル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミン類等が挙げられる。また、使用した親水性有機溶剤は減圧除去等の方法で最終的に取り除かれるのが好ましい。
(カチオン化重付加反応生成物)
本発明の部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物中のアミノ基の少なくとも一部はカチオン化されており、水中に特に分散安定化または溶解することができる。カチオン化重付加反応生成物は、上記重付加反応生成物をカチオン化することで得ることができる。このカチオン化の方法として、酸によるカチオン化が挙げられる。他の方法として、ハロゲン化アルキルなどの4級化剤でカチオン化する方法が挙げられる。しかし、水中に好ましい粒子径で分散安定化または溶解させる観点から、酸によりカチオン化する方法が好ましい。ここで用いられる酸としては、特に限定はされないが、燐酸および一価の酸の少なくとも一方が好ましい。燐酸としては、例えば、燐酸、亜燐酸が挙げられる。また一価の酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸などの有機酸、および塩酸、硝酸などの無機酸が挙げられる。また、グリコール酸および乳酸などのヒドロキシ酸でカチオン化した重付加反応生成物を記録媒体の部分皮膜の形成に適用した場合、他の酸を用いた場合と比べて、非印字部分(白紙部)の黄変が特に抑制されるため、より好ましく用いることができる。
なお、部分皮膜を形成するカチオン化重付加反応生成物は、水や有機溶剤に溶解している状態でも微分散している状態のいずれでもよいが、水に分散した状態がより好ましく、その分散粒子の平均粒子径は10nm以上80nm以下が望ましい。前記平均粒子径が10nm以上であると、部分皮膜を形成するときに、インク受容層の中に前記カチオン化重付加反応生成物が浸透することを優れて防ぎ、インク受容層上での部分皮膜を形成しにくくなることを優れて防ぐことができる。一方で、前記平均粒子径が80nm以下であれば、インクを吸収しない部分皮膜のサイズが大きくなることを優れて防ぎ、インク吸収性を特に良好にすることができる。なお、部分皮膜サイズとは、記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)中の任意の100箇所の部分皮膜を電子顕微鏡(SEM)により観察し、各部分皮膜について皮膜部の端から端までの長さを最長となるように取ったものの平均値を意味する。カチオン化重付加反応生成物の水性分散液の平均粒子径はレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定することができる。
上記部分皮膜は、インク吸収性を阻害することなくインク受容層の優れた特性を維持するため、連続した均質な乾燥皮膜ではなく、インク受容層の表面に形成されている細孔を完全に塞ぐことのない構造、いわゆる部分皮膜構造を有する。本発明では、部分皮膜の皮膜率とは、インク受容層全面に対する、カチオン化重付加反応生成物が皮膜している面積を意味する。インク受容層に対する前記部分皮膜の皮膜率は10%以上70%未満であることが好ましい、更に好ましくは15%以上65%未満である。前記部分皮膜の皮膜率が10%以上であれば、光沢発現効果や耐オゾン性の保存性の効果が低下することを優れて防ぐことができる。一方で、前記部分皮膜の皮膜率が70%未満であれば、インク受容層の表面に形成されている細孔の面積が減ることを優れて防ぎ、インク吸収性が低下することを優れて防ぐ。上記皮膜率は、電子顕微鏡(SEM)を用い、10ヶ所以上の観察画像を画像処理により、皮膜部の面積比率の平均値として求めることができる。
前記部分皮膜のサイズは0.03μm以上1μm未満であることが好ましい。前記部分皮膜のサイズは0.03μm以上であると、光沢発現効果や耐オゾン性の保存性の効果が低下することを優れて防ぐことができる。一方で、前記部分皮膜のサイズは1μm未満であると、インク受容層の表面に形成されている細孔が広い範囲で塞がれることを優れて防ぐことができる。また、前記部分皮膜のサイズが1μm未満であると、そのインク受容層上に印字する場合に、インクを吸収できない広い部分皮膜が目立つことを優れて防ぐ。
(部分皮膜用塗工液)
部分皮膜を形成するために用いる部分皮膜用塗工液としては、前記重付加反応およびカチオン化後の反応液を使用することができる。また、上述したように、前記部分皮膜用塗工液として、前記カチオン化重付加反応生成物を水や有機溶媒などに分散させた分散液も使用することができる。部分皮膜用塗工液としてのカチオン化重付加反応生成物の塗工液には、本発明の効果を妨げない範囲内で各種添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、界面活性剤、増粘剤、消泡剤、ドット調整剤、防腐剤、pH調整剤、帯電防止剤、導電剤などを挙げることができる。
前記カチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を形成する方法としては、例えば、以下の方法を挙げることができる。その方法とは、インク受容層塗工液を塗布するのと同時に、部分皮膜用塗工液として前記カチオン化重付加反応生成物を含む反応(分散)液をインク受容層上に塗布し、両者を同時に乾燥させることにより部分皮膜を形成する方法である。また、インク受容層を設けた後に、前記カチオン化重付加反応生成物を含む反応液をオーバーコートし、乾燥させることにより部分皮膜を形成する方法が挙げられる。後者の方法で、前記部分皮膜を設けた方が、インク受容層用塗工液との混合が避けられ、より効率的に部分皮膜を設けることができる。またカチオン化重付加反応生成物を含む反応液とインク受容層の塗工液との混合によるヘイズの増加が特に抑制され、発色の低下が特に避けられることができる。
本発明では、前記部分皮膜中のカチオン化重付加反応生成物の塗工量は、部分皮膜の皮膜率の調整の観点から、インク受容層表面全面に対して0.01g/m2以上0.1g/m2以下であることが好ましい。
カチオン化重付加反応生成物(カチオン化重付加反応生成物を分散液として用いる場合は、その分散液中の粒子)の平均粒子径が、インク受容層の細孔径より小さければ、カチオン化重付加反応生成物のインク受容層への浸透量が多くなってしまう。このため、10%以上70%未満の皮膜率となるような部分皮膜を形成するためには、塗工量を多くしなければいけない。一方で、カチオン化重付加反応生成物の平均粒子径がインク受容層の細孔径より大きければ、カチオン化重付加反応生成物がインク受容層への浸透量が少なくて済むので、少ない塗工量でも前記皮膜率の範囲となるように部分皮膜を形成することができる。
本発明の記録媒体が、大気中の酸性ガス(特にオゾンガス)による画像の退色や変色を防止した理由について、以下に説明する。前記カチオン化重付加反応生成物に含有される硫黄基はオゾンガスに対する還元性を有し、オゾンガスを還元することにより、オゾンガスの染料に対する酸化力を低下させると考えられる。特に、本発明の記録媒体の構成では、カチオン化重付加反応生成物をインク受容層に含有させるのではなく、インク受容層上に部分皮膜として存在させる。このため、インク受容層中に定着した染料に到着する前にオゾンガスが還元されてしまうため、前記カチオン化重付加反応生成物をインク受容層中に含有させる構成よりも、耐オゾン性の効果が著しい。また、前記カチオン化重付加反応生成物をインク受容層中に含有させる場合であっても、その量がかなり多ければ耐オゾン性は向上するが、その場合には光沢度や発色性の点で課題がある。
以下に実施例を挙げて、本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、下記実施例および比較例では、部分皮膜用塗工液として、カチオン化重付加反応生成物の水性分散液を使用した。また、実施例および比較例では、インクジェット記録媒体を作製した。
<カチオン化重付加反応生成物1〜3の水性分散液の製造方法>
以下のようにしてカチオン化重付加反応生成物1〜3の水性分散液を製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン109gを投入し、撹拌下、前記化合物Aとして3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを40.00gおよび前記化合物Cとしてメチルジエタノールアミン6.79gを加えた。溶解後、40℃まで昇温して、前記化合物Bとして、イソホロンジイソシアネートを62.07g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒としてジブチル錫ラウレートを0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行い、重付加反応生成物をワンショット方法で合成した。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85質量%蟻酸水溶液3.09gを加えてこの重付加反応生成物をカチオン化した。さらに水を加えた後、減圧してアセトンを除去し、水で濃度調製することにより固形分濃度0.1質量%のカチオン化重付加反応生成物1の水性分散液を製造した。また、水を加えるときに、反応溶液の撹拌条件を変えることで、水性分散液中の分散粒子の平均粒子径の異なるカチオン化重付加反応生成物2〜3の水性分散液も製造した。カチオン化重付加反応生成物1〜3の合成に用いた化合物C(メチルジエタノールアミン)の使用量は、重付加反応生成物を得るために用いた全化合物に対して、モル比率で10.3%である。得られたカチオン化重付加反応生成物1〜3の水性分散液の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定した。その結果カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の分散粒子の平均粒子径は30nm、カチオン化重付加反応生成物2の水性分散液の分散粒子の平均粒子径は10nm、カチオン化重付加反応生成物3の水性分散液の分散粒子の平均粒子径は100nmであった。
<カチオン化重付加反応生成物4の水性分散液の製造方法>
以下のようにしてカチオン化重付加反応生成物4の水性分散液を製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン100gを投入し、撹拌下、前記化合物Aとして3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを40.00gおよび前記化合物Cとしてメチルジエタノールアミン2.99gを加えた。溶解後、40℃まで昇温して、前記化合物Bとして、イソホロンジイソシアネートを57.08g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒として、ジブチル錫ラウレートを0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行い、重付加反応生成物を合成した。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85質量%蟻酸水溶液1.36gを加えてこの重付加反応生成物をカチオン化した。さらに水を加えた後、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の製造方法と同様にして、固形分濃度0.1質量%のカチオン化重付加反応生成物4の水性分散液を製造した。カチオン化重付加反応生成物4の合成に用いた化合物C(メチルジエタノールアミン)の使用量は、重付加反応生成物を得るために用いた全化合物に対して、モル比率で5.0%である。得られたカチオン化重付加反応生成物4の水性分散液の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定した結果、水性分散液4は300nmであった。
<カチオン化重付加反応生成物5の水性分散液の製造方法>
以下のようにしてカチオン化重付加反応生成物5の水性分散液を製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン94gを投入し、撹拌下、前記化合物Aとして3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールを30.00gおよび前記化合物Cとしてメチルジエタノールアミン11.50gを加えた。溶解後、40℃まで昇温して、前記化合物Bとして、イソホロンジイソシアネートを52.68g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒として、ジブチル錫ラウレートを0.2g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら4時間反応を行い、重付加反応生成物を得た。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して85質量%蟻酸水溶液5.24gを加えてこの重付加反応生成物をカチオン化した。さらに水を加えた後、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の製造方法と同様にして、固形分濃度0.1質量%のカチオン化重付加反応生成物5の水性分散液を製造した。カチオン化重付加反応生成物5の合成に用いた化合物C(メチルジエタノールアミン)の使用量は、重付加反応生成物を得るために用いた全化合物に対して、モル比率で19.4%である。得られたカチオン化重付加反応生成物5の水性分散液の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定した結果、水性分散液5は30nmであった。
<カチオン化重付加反応生成物6の水性分散液の製造方法>
以下のようにしてカチオン化重付加反応生成物6の水性分散液を製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン240gを投入した。撹拌下、前記化合物Aとして1,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)エタンを40.00gおよび前記化合物Cとしてメチルジエタノールアミン5.76gを加えた。溶解後、40℃まで昇温して、前記化合物Bとして、イソホロンジイソシアネートを47.53g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒として、ジブチル錫ラウレートを0.1g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら2時間反応を行い、重付加反応生成物を得た。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して35質量%蟻酸水溶液5.03gを加えてこの重付加反応生成物をカチオン化した。さらに水380gを加えた後、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の製造方法と同様にして、固形分濃度0.1質量%のカチオン化重付加反応生成物6の水性分散液を製造した。カチオン化重付加反応生成物6の合成に用いた化合物C(メチルジエタノールアミン)の使用量は、重付加反応生成物を得るために用いた全化合物に対して、モル比率で11.3%である。得られたカチオン化重付加反応生成物6の水性分散液の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定した結果、水性分散液6は30nmであった。
<カチオン化重付加反応生成物7の水性分散液の製造方法>
以下のようにしてカチオン化重付加反応生成物7の水性分散液を製造した。
攪拌装置、温度計および還流冷却管を備えた反応容器に、反応溶媒としてアセトン234gを投入した。撹拌下、前記化合物Aとして5−ヒドロキシ−3,7−ジチア−1,9−ノナンジオールを40.00gおよび前記化合物Cとしてメチルジエタノールアミン6.29gを加えた。溶解後、40℃まで昇温して、前記化合物Bとして、イソホロンジイソシアネートを54.17g加えた。その後50℃まで昇温して錫系触媒として、ジブチル錫ラウレートを0.1g加え、さらに55℃まで昇温して撹拌しながら2時間反応を行い、重付加反応生成物を得た。
反応終了後、反応溶液を室温まで冷却して35質量%蟻酸水溶液5.50gを加えてこの重付加反応生成物をカチオン化した。さらに水410gを加えた後、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の製造方法と同様にして、固形分濃度0.1質量%のカチオン化重付加反応生成物7の水性分散液を製造した。カチオン化重付加反応生成物7の合成に用いた化合物C(メチルジエタノールアミン)の使用量は、重付加反応生成物を得るために用いた全化合物に対して、モル比率で11.1%である。得られたカチオン化重付加反応生成物7の水性分散液の平均粒子径をレーザー粒径解析装置PARIII(商品名、大塚電子(株)製)により測定した結果、水性分散液7は30nmであった。
<実施例1>
<支持体>
下記条件にて支持体を作製した。まず、下記組成の紙料を固形分濃度が3質量%となるように水で調製した。
(紙料組成)
・パルプ 100質量部
(濾水度450mlCSF(Canadian Standard Freeness)の、広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)(80質量部)、
および濾水度480mlCSFの、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)(20質量部))。
・カチオン化澱粉 0.60質量部。
・重質炭酸カルシウム 10質量部。
・軽質炭酸カルシウム 15質量部。
・アルキルケテンダイマー 0.10質量部。
・カチオン性ポリアクリルアミド 0.030質量部。
次に、この紙料を長網抄紙機で抄造し3段のウエットプレスを行った後、多筒式ドライヤーで乾燥した。この後、サイズプレス装置で、塗工量が1.0g/m2となるように酸化澱粉水溶液を含浸させ、乾燥させた。この後、マシンカレンダー仕上げをして、坪量170g/m2、ステキヒトサイズ度100秒、透気度50秒、ベック平滑度30秒、ガーレー剛度11.0mNの基紙を得た。
上記基紙の上に、低密度ポリエチレン(70質量部)と、高密度ポリエチレン(20質量部)と、酸化チタン(10質量部)とからなる樹脂組成物を25g/m2塗布した。更に、その基紙の裏面に、高密度ポリエチレン(50質量部)と、低密度ポリエチレン(50質量部)とからなる樹脂組成物を、25g/m2塗布することにより、樹脂被覆した支持体を得た。
<インク受容層>
上記支持体の上に、固形分濃度を20質量%となるように水で調整した下記組成のインク受容層用塗工液を、乾燥塗布量が35g/m2となるようスライドダイで塗布した後、乾燥機で80℃にて乾燥して、インク受容層を1層設けた。
アルミナ水和物 100質量部
(SASOL社製のDisperal.HP−14(商品名)、数平均二次粒子径160nm)。
メタンスルホン酸 1.5質量部。
ホウ酸 2.5質量部。
ポリビニルアルコール 9.0質量部
(クラレ(株)製、ケン化度88モル%、重量平均重合度3500)。
<部分皮膜>
前記カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液に界面活性剤(商品名、TDX−50、第一工業製薬社製)を乾燥固形分で0.005質量%となるように添加し、部分皮膜用塗工液を調製した。続いて、カチオン化重付加反応生成物1の記録媒体への乾燥塗布量(塗工量)が、インク受容層表面全面に対して0.05g/m2となるよう、メイヤーバーで上記インク受容層上にその塗工液をオーバーコートした。その後、乾燥機で60℃、20分間乾燥して記録媒体1を作製し、下記評価1〜6を行った。結果を表1に示す。なお、以降、上記乾燥塗布量を、部分皮膜の乾燥塗布量と呼ぶこともある。
<実施例2>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.02g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体2を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例3>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.01g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体3を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例4>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.1g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体4を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例5>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.008g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体5を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例6>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.15g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体6を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例7>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物2の水性分散液に替え、部分皮膜の乾燥塗布量を0.008g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体7を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例8>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物3の水性分散液に替え、部分皮膜の乾燥塗布量を0.1g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体8を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例9>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物4の水性分散液に替えた以外は、実施例1と同様にして記録媒体9を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例10>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物5の水性分散液に替えた以外は、実施例1と同様にして記録媒体10を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例11>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物6の水性分散液に替えた以外は、実施例1と同様にして記録媒体11を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<実施例12>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をカチオン化重付加反応生成物7の水性分散液に替えた以外は、実施例1と同様にして記録媒体12を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<比較例1>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液を用いた部分皮膜を設けなかった以外は実施例1と同様にして記録媒体13を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<比較例2>
実施例1において、部分皮膜の乾燥塗布量を0.3g/m2とした以外は、実施例1と同様にして記録媒体14を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。なお、記録媒体14の最表面の皮膜は、下記の基準で判断したところ、完全皮膜であり、本発明に該当しない。
<比較例3>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の替わりに、2,6−ジチア−1,8−オクタンジオールの0.1質量%水性分散液を乾燥塗布量が0.05g/m2となるよう、インク受容層の上にオーバーコートした。それ以外は実施例1と同様にして記録媒体15を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<比較例4>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の替わりに、ポリウレタンエマルション「スーパーフレックス620」(商品名、第一工業製薬(株)製、25質量%水溶液)を0.1質量%水溶液に調整したものを用いた。また、その乾燥塗布量が0.05g/m2となるようインク受容層上にオーバーコートした。それ以外は、実施例1と同様にして記録媒体16を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<比較例5>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液の替わりに、「スーパーフレックス620」(商品名、第一工業製薬(株)製)70質量部および2,6−ジチアー1,8−オクタンジオールを30質量部含む水性分散液(固形分濃度0.1質量%)を乾燥塗布量が0.05g/m2となるよう塗布した。それ以外は、実施例1と同様にして記録媒体17を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
<比較例6>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をインク受容層上にオーバーコートする替わりに、実施例1に用いたインク受容層塗工液を固形分濃度が20質量%となるように水で調整した下記組成のインク受容層用塗工液へと変更した。また、部分皮膜は設けなかった。それ以外は、実施例1と同様にして記録媒体18を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
・アルミナ水和物 100質量部
(SASOL社製のDisperal.HP−14(商品名)、数平均二次粒子径160nm)。
・メタンスルホン酸 1.5質量部。
・ホウ酸 2.5質量部。
・ポリビニルアルコール 9.0質量部
(クラレ(株)製、ケン化度88モル%、重量平均重合度3500)。
・カチオン化重付加反応生成物1 0.2質量部。
<比較例7>
実施例1において、カチオン化重付加反応生成物1の水性分散液をインク受容層上にオーバーコートする替わりに、実施例1に用いたインク受容層塗工液を下記組成へと変更し、部分皮膜は設けなかった。それ以外は、実施例1と同様にして記録媒体19を作製し、下記評価1〜6を行った。結果は表1に示す。
・アルミナ水和物 100質量部
(SASOL社製のDisperal.HP−14(商品名)、数平均二次粒子径160nm)。
・メタンスルホン酸 1.5質量部。
・ホウ酸 2.5質量部。
・ポリビニルアルコール 9.0質量部
(クラレ(株)製、ケン化度88モル%、重量平均重合度3500)。
・カチオン化重付加反応生成物1 10質量部。
[評価]
<評価1:部分皮膜の皮膜率>
得られた各記録媒体の記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)に、カチオン化重付加反応生成物が部分皮膜しているか、あるいは完全皮膜しているかをまず判定した。電子顕微鏡(SEM 日立製S−4300(商品名))により、3万倍の倍率で、まず全面を観察し、インク受容層の細孔が塞がれ、観察されなかった場合は、完全皮膜であり、インク受容層の細孔が一部観察された場合は部分皮膜であると判定した。
部分皮膜であると判定した場合、記録面中の任意の10箇所以上を3万倍の倍率で観察した。得られた画像をAdobe Photoshop(商品名)でそれぞれ読み込み、インク受容層の細孔、アルミナ水和物および表面に部分皮膜しているカチオン化重付加反応生成物はコントラストが付くように調整した。続いて、輝度ヒストグラムで、表面に部分皮膜しているカチオン化重付加反応生成物の輝度を占めた比率を求め、10箇所以上の画像の平均値を各記録媒体の皮膜率として求めた。
<評価2:部分皮膜の皮膜サイズ>
得られた各記録媒体の記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)を電子顕微鏡(SEM 日立製S−4300(商品名))により、記録面中の任意の100箇所の部分皮膜について、3万倍の倍率で観察した。各記録媒体の各部分皮膜について皮膜部の端から端までの長さを最長となるように取ったものの平均値を皮膜サイズとして求めた。
<評価3:表面光沢度>
得られた各記録媒体の記録面(インク受容層(および部分皮膜)を有する面)について、光沢計(商品名:VG−2000、日本電色工業(株)社製)を用いて、75°光沢を測定し、以下の評価基準に基づき評価した。
・評価基準
5:80以上、
4:70以上80未満、
3:60以上70未満、
2:50以上60未満、
1:50未満。
<評価4:印字濃度(発色性)>
作製した各記録媒体にインクジェット記録装置(商品名:BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてブラック(Bk)インクをインク量100%でベタ印字して光学濃度を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、商品名:RD−918)を用いて測定した。各記録媒体について、以下の評価基準に基づき評価した。
・評価基準
5:2.20以上、
4:2.10以上2.20未満、
3:2.00以上2.10未満、
2:1.90以上2.00未満、
1:1.90未満。
<評価5:インク吸収性>
各記録媒体にインクジェット記録装置(商品名:BJ F870、キヤノン(株)製)を用いて、インク打込量が90%以上270%以下で、グリーン(シアンインク/フォトシアンインク/イエローインクの混合比率が85/90/100)のベタ印字を行った。ビーディングが発生しない最大打込量を求め、以下の評価基準に基づきインク吸収性の評価を行った。
・評価基準
○:インク打込量が200%以上のもの、
△:インク打込量が170%以上かつ200%未満のもの、
×:インク打込量が170%未満のもの。
<評価6:耐オゾン性>
上記記録媒体それぞれにインクジェット記録装置(商品名:BJ F870、キヤノン(株)製)を用いてブラック(Bk)インク単色で、かつインク量100%でベタ印字した。つづいて印字した各記録媒体をオゾン暴露試験機(スガ試験機社製、特注品)に入れて、40℃、55%RH(相対湿度)の条件下で濃度1体積ppmのオゾンに4時間暴露した。その後、Bk光学濃度(OD)を光学反射濃度計(グレタマクベス社製、商品名:RD−918)を用いて測定し、下記式より残OD率を算出してオゾン暴露による退色・変色を下記評価基準に基づき評価した。
残OD率=(試験後のOD/試験前のOD)×100%
・評価基準
6:90%以上、
5:80%以上90%未満、
4:70%以上80%未満、
3:60%以上70%未満、
2:50%以上60%未満、
1:50%未満。
Figure 2011101988
上記結果から、実施例1〜12の記録媒体ではインク受容層の上にカチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を設けたことにより、カチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を設けていない比較例1と比較して、明らかに光沢度及び耐オゾン性の向上が見られた。また、実施例1〜12は、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールのスルフィド基を有するジオールをオーバーコートした比較例3と比較して、明らかに光沢度及び発色の向上が見られた。また、比較例3では、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールがインク受容層中に浸透してしまうため、優れた耐オゾン性が得られなかった。更に、低温環境下1週間経過するとチオエーテル系化合物が記録媒体の表面に析出し、外観が劣化してしまうことがあった。
また、本発明に用いる部分皮膜をオゾンガスに対する還元性のないポリウレタンを用いて作製した比較例4は、光沢度向上効果があったものの、耐オゾン性に関しては、効果が得られなかった。比較例5は、低温環境下1週間経過するとチオエーテル系化合物が記録媒体の表面に析出し、外観が劣化してしまうことがあった。スーパーフレックス620を同時にオーバーコートすることで、比較例3よりも耐オゾン性は向上したが、光沢度は不十分であった。
また本発明に用いるカチオン化重付加反応生成物をインク受容層中に含有させた比較例6および7では、光沢向上効果が得られず、発色性と耐オゾン性の両立も困難であった。本発明に用いるカチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を、インク受容層上に完全皮膜として用いた比較例2は、優れた光沢度が得られたものの、インク吸収性が著しく低下した。
つまり、本発明の構成である、最表面に、本発明に用いるカチオン化重付加反応生成物を含む部分皮膜を設けたことにより、光沢度、発色、インク吸収性及び耐オゾン性の全ての項目において、満足できるレベルが達成できた。

Claims (4)

  1. 支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を有する記録媒体であって、
    最表面に、カチオン化重付加反応生成物を含有する部分皮膜を有し、該カチオン化重付加反応生成物は、2つ以上の活性水酸基を有する含硫黄有機化合物(A)、イソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物(B)、および2つ以上の活性水酸基を有するアミン化合物(C)の少なくとも各1種の化合物の重付加反応生成物のアミノ基の少なくとも一部をカチオン化した化合物であることを特徴とする記録媒体。
  2. 該部分皮膜の皮膜率は10%以上70%未満であり、該部分皮膜のサイズは0.03μm以上1μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の記録媒体。
  3. 該カチオン化重付加反応生成物の塗工量は、インク受容層表面全面に対して0.01g/m2以上0.1g/m2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 該重付加反応生成物を得るために用いる前記アミン化合物(C)の使用量が、該重付加反応生成物を得るために用いる全化合物に対して、モル比率で5.5%以上18.5%以下である請求項1から3のいずれか一項に記載の記録媒体。
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