JP2011101554A - コンバータの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電圧変換を行なうコンバータの動作によって生じる損失を適切に低減する。
【解決手段】スイッチング素子とリアクトルとを備えたコンバータの制御に用いられるキャリア信号を生成するキャリア生成部112は、振幅計算部112Cと、損失計算部112Dと、周波数決定部112Eとを含む。振幅計算部112Cは、リアクトルのインダクタンスL、コンバータの入力電圧VL、出力電圧VHを用いて、リアクトルを流れる電流のリプル成分の振幅をキャリア周波数の関数として求める。損失計算部112Dは、振幅計算部112Cが求めたリプル振幅を用いてリアクトルで生じるエネルギ損失およびスイッチング素子で生じるエネルギ損失をそれぞれキャリア周波数の関数として求める。周波数決定部112Eは、それらの合計値が最小となるキャリア周波数を選択する。
【選択図】図6
【解決手段】スイッチング素子とリアクトルとを備えたコンバータの制御に用いられるキャリア信号を生成するキャリア生成部112は、振幅計算部112Cと、損失計算部112Dと、周波数決定部112Eとを含む。振幅計算部112Cは、リアクトルのインダクタンスL、コンバータの入力電圧VL、出力電圧VHを用いて、リアクトルを流れる電流のリプル成分の振幅をキャリア周波数の関数として求める。損失計算部112Dは、振幅計算部112Cが求めたリプル振幅を用いてリアクトルで生じるエネルギ損失およびスイッチング素子で生じるエネルギ損失をそれぞれキャリア周波数の関数として求める。周波数決定部112Eは、それらの合計値が最小となるキャリア周波数を選択する。
【選択図】図6
Description
本発明は、直流電源と電気負荷装置との間で電圧変換を行なうコンバータの制御に関する。
近年、モータを1つの駆動源とする電動車両が広く普及しつつある。通常、電動車両は、電池を備え、その電池から供給される電力によってモータを回転させることによって駆動力を得ている。通常、電動車両は、電池とモータとの間で電圧変換を行なうコンバータを備える。コンバータをパルス幅変調(以下「PWM(Pulse Width Modulation)」と称する。)法を用いて算出されたスイッチング周波数で駆動することによって、コンバータは電池の電圧を昇圧してモータに出力する。
このようなコンバータのスイッチング周波数を制御する技術が、たとえば特許第3692993号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示された駆動装置は、2つのスイッチング素子と、スイッチング素子同士の接続点に接続されたリアクトルとを備えるコンバータを制御する。この駆動装置は、リアクトルを流れる電流を一定としたときのコンバータの損失がキャリア周波数から一義的に決まることを前提として、コンバータの損失が最小となる最適キャリア周波数をリアクトルを流れる電流毎に記憶したマップを用いて、リアクトルを流れる電流の目標値あるいは検出値に対応する最適キャリア周波数を設定する。このように設定された最適キャリア周波数を用いてコンバータを駆動することによって、コンバータの損失が最小となる最適キャリア周波数でコンバータを効率良く駆動させることができる。
特許文献1では、リアクトルを流れる電流を一定としたときのコンバータの損失がキャリア周波数から一義的に決まることを前提として、キャリア周波数を設定している。
しかしながら、実際には、たとえリアクトルを流れる電流の直流成分が一定であっても、コンバータの作動によって生じる損失は、キャリア周波数から一意に決まるものではなく、コンバータの入力電圧、出力電圧、リアクトルのインダクタンスなどによっても変動する。リアクトルを流れる電流にはコンバータのスイッチングに起因するリプル成分が含まれ、このリプル成分が損失を発生させる大きな要因となるところ、このリプル成分の振幅は、キャリア周波数だけ一義的に決まるものではないためである。したがって、コンバータで生じる損失を、キャリア周波数から一意に決まるものとするだけでは不十分であり、改良の余地がある。特に、走行状況に応じてコンバータの入力電圧、出力電圧、リアクトルのインダクタンスなどが頻繁に変化する電動車両においては、この点の改良が切望される。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、直流電源と電気負荷装置との間で電圧変換を行なうコンバータの動作によって生じる損失を適切に低減することができる、制御装置を提供することである。
この発明に係る制御装置は、直流電源と電気負荷装置との間で電圧変換を行なうコンバータを制御する。コンバータは、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子と、2つのスイッチング素子の接続点と直流電源の正極との間に設けられたリアクトルとを含む。リアクトルを流れる電流には、直流成分に加えて、2つのスイッチング素子のスイッチングに起因するリプル成分が含まれる。制御装置は、搬送波と指令値とを比較した結果に基づいて、2つのスイッチング素子を制御するための信号を生成する信号生成部と、搬送波を生成するキャリア生成部とを含む。キャリア生成部は、直流電源からコンバータに入力される第1電圧、コンバータから電気負荷装置に出力される第2電圧、リアクトルのインダクタンス、および、リアクトルを流れる電流に基づいて、コンバータの作動によって生じるエネルギ損失が最小となる周波数を有する搬送波を生成する。
好ましくは、キャリア生成部は、第1電圧、第2電圧、インダクタンスに基づいて、搬送波の周波数とリプル成分の振幅との第1の関係を求める第1算出部と、リアクトルを流れる電流および第1の関係に基づいて、搬送波の周波数とエネルギ損失との第2の関係を求める第2算出部と、第2の関係を用いてエネルギ損失が最小となる周波数を選択し、選択した周波数を搬送波の周波数に設定する設定部とを含む。
好ましくは、設定部は、第1の関係に基づいてリプル成分の振幅が予め定められた値以下となる周波数範囲を求め、求めた周波数範囲内で搬送波の周波数を設定する。
好ましくは、設定部は、リアクトルを流れる電流および第1の関係に基づいてリアクトルを流れる電流のピーク値が予め定められた値以下となる周波数範囲を求め、求めた周波数範囲内で搬送波の周波数を設定する。
好ましくは、電気負荷装置は、電動機によって車両の駆動力を発生させるための装置である。
好ましくは、設定部は、電動機の負荷が急変するか否かを判断し、電動機の負荷が急変する場合、エネルギ損失が最小となる周波数を搬送波の周波数に設定し、電動機の負荷が急変しない場合、リアクトルを流れる電流のピーク値が予め定められた値以下となる周波数を搬送波の周波数に設定する。
好ましくは、第2算出部は、エネルギ損失が生じる複数の部品にそれぞれ対応する複数の第2の関係を求める。設定部は、複数の第2の関係を用いて複数の部品で生じるエネルギ損失の合計値が最小となる周波数を選択する。
好ましくは、直流電源とコンバータとの間には、直流電源とコンバータとを接続するための部品と、第1コンデンサとが設けられる。コンバータと電気負荷装置との間には、第2コンデンサが設けられる。第2算出部は、リアクトル、2つのスイッチング素子、直流電源、接続するための部品、第1コンデンサ、第2コンデンサの少なくともいずれかにそれぞれ対応する複数の第2の関係を求める。
好ましくは、制御装置は、リアクトルを流れる電流に応じてインダクタンスを算出する第3算出部をさらに含む。
本発明によれば、直流電源と電気負荷装置との間で電圧変換を行なうコンバータの動作によって生じる損失を適切に低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による制御装置が適用されるモータ駆動装置の回路図である。図1を参照して、モータ駆動装置100は、直流電源Bと、コンバータ10と、インバータ20と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、電流センサ52と、電圧センサ54,56と、フィルタコンデンサC1と、平滑コンデンサC2と、制御装置30とを備える。
図1は、この発明の実施の形態1による制御装置が適用されるモータ駆動装置の回路図である。図1を参照して、モータ駆動装置100は、直流電源Bと、コンバータ10と、インバータ20と、正極線PL1,PL2と、負極線NLと、電流センサ52と、電圧センサ54,56と、フィルタコンデンサC1と、平滑コンデンサC2と、制御装置30とを備える。
このモータ駆動装置100は、ハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両に搭載される。そして、交流モータMは、図示されない駆動輪に機械的に連結され、車両を駆動するためのトルクを発生する。あるいは、交流モータMは、図示されないエンジンに機械的に連結され、エンジンの動力を用いて発電する発電機として動作し、かつ、エンジンの始動を行なう電動機としてハイブリッド自動車に組み込まれるようにしてもよい。
コンバータ10は、リアクトルL1と、スイッチング素子Q1,Q2と、ダイオードD1,D2と(以下、Q1、Q2、D1、D2を合わせて「IPM(Intelligent Power Module)」とも記載する)を含む。リアクトルL1の一方端は、直流電源Bの正極端子に接続される正極線PL1に接続され、他方端は、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2との中間点、すなわち、スイッチング素子Q1のエミッタとスイッチング素子Q2のコレクタとの接続点に接続される。スイッチング素子Q1,Q2は、正極線PL2と負極線NLとの間に直列に接続される。そして、スイッチング素子Q1のコレクタは正極線PL2に接続され、スイッチング素子Q2のエミッタは負極線NLに接続される。また、スイッチング素子Q1,Q2のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1,D2がそれぞれ接続される。
なお、上記のスイッチング素子Q1,Q2およびインバータ20に含まれる後述のスイッチング素子Q3〜Q8として、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等を用いることができる。
インバータ20は、U相アーム22と、V相アーム24と、W相アーム26とを含む。U相アーム22、V相アーム24およびW相アーム26は、正極線PL2と負極線NLとの間に並列に接続される。U相アーム22は、直列接続されたスイッチング素子Q3,Q4を含む。V相アーム24は、直列接続されたスイッチング素子Q5,Q6を含む。W相アーム26は、直列接続されたスイッチング素子Q7,Q8を含む。また、スイッチング素子Q3〜Q8のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD3〜D8がそれぞれ接続される。そして、各相アームの中間点は、交流モータMの各相コイルにそれぞれ接続されている。
直流電源Bは、再充電可能な蓄電装置であり、たとえばニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池である。なお、直流電源Bとして、二次電池に代えて大容量のキャパシタを用いてもよい。
コンバータ10は、制御装置30からの信号PWCに基づいて、正極線PL2および負極線NL間の電圧(以下「システム電圧」とも称する。)を直流電源Bの出力電圧以上の電圧に昇圧する。信号PWCには、スイッチング素子Q1のオンデューティーを制御するためのスイッチング信号Sq1と、スイッチング素子Q2のオンデューティーを制御するためのスイッチング信号Sq2とが含まれる。スイッチング信号Sq1,Sq2は、スイッチング素子Q1,Q2が互いに逆の状態(すなわち、Q1オンのときはQ2オフ、Q1オフのときはQ2オン)となるように関連付けられている。システム電圧が目標電圧よりも低い場合、スイッチング素子Q2のオンデューティーを大きくする信号Sq2をコンバータ10に与えることによって、正極線PL1から正極線PL2へ電流を流すことができ、システム電圧を上昇させることができる。一方、システム電圧が目標電圧よりも高い場合、スイッチング素子Q1のオンデューティーを大きくする信号Sq1をコンバータ10に与えることによって、正極線PL2から正極線PL1へ電流を流すことができ、システム電圧を低下させることができる。
インバータ20は、制御装置30からの信号PWIに基づいて、正極線PL2および負極線NLから供給される直流電力を三相交流に変換して交流モータMへ出力し、交流モータMを駆動する。これにより、交流モータMは、トルク指令値TR1によって指定されたトルクを発生するように駆動される。また、インバータ20は、モータ駆動装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の制動時、交流モータMにより発電された三相交流電力を信号PWIに基づいて直流に変換し、正極線PL2および負極線NLへ出力する。
電流センサ52は、コンバータ10のリアクトルL1に流れる電流ILを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。なお、電流センサ52は、直流電源BからリアクトルL1へ流れる電流を正値として検出し、リアクトルL1から直流電源Bへ流れる電流を負値として検出する。
フィルタコンデンサC1は、正極線PL1と負極線NLとの間に接続される。電圧センサ54は、フィルタコンデンサC1の両端の電圧VLをコンバータ10の入力電圧として検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
平滑コンデンサC2は、正極線PL2と負極線NLとの間に接続される。平滑コンデンサC2は、コンバータ10からの直流電圧を平滑化し、その平滑化した直流電圧をインバータ20へ供給する。
電圧センサ56は、平滑コンデンサC2の両端の電圧VHをコンバータ10の出力電圧として検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
回転角センサ58は、交流モータMのロータの回転角θを検出し、その検出値を制御装置30へ出力する。
制御装置30は、パルス幅変調法を用いて、コンバータ10を駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWCとしてコンバータ10へ出力する。
また、制御装置30は、図示されない外部のECU(Electronic Control Unit)から受ける交流モータMのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1に基づいて、交流モータMを駆動するためのPWM信号を生成し、その生成したPWM信号を信号PWIとしてインバータ20へ出力する。
図2は、図1に示した制御装置30の、コンバータ10の制御に関する部分の機能ブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、電圧指令生成部102と、減算部104,108と、電圧制御演算部106と、電流制御演算部110と、駆動信号生成部111と、キャリア生成部112と、サンプル/ホールド(以下「S/H」と称する。)回路116とを含む。
電圧指令生成部102は、コンバータ10の出力電圧である電圧VHの目標値を示す電圧指令値VHcomを生成する。たとえば、電圧指令生成部102は、交流モータMのトルク指令値TR1およびモータ回転数MRN1から算出される交流モータMのパワーに基づいて電圧指令値VHcomを生成する。
減算部104は、電圧VHの検出値を電圧指令値VHcomから減算し、その演算結果を偏差ΔVHとして電圧制御演算部106へ出力する。
電圧制御演算部106は、偏差ΔVHが「0」でない場合、電圧VHを電圧指令値VHcomに近づけるためのフィードバック制御演算(たとえば比例積分制御による演算)を実行する。そして、電圧制御演算部106は、算出された制御量を電流指令値IRとして出力する。
キャリア生成部112は、後述の駆動信号生成部111においてPWM信号を生成するための、三角波から成るキャリア信号CRを生成し、その生成したキャリア信号CRを駆動信号生成部111およびS/H回路116へ出力する。なお、キャリア生成部112の機能については後に詳述する。
S/H回路116は、キャリア生成部112から受けるキャリア信号CRの山および谷のタイミングで電流ILのサンプリングを実施する。
減算部108は、電圧制御演算部106から出力される電流指令値IRから、S/H回路116によってサンプリング/ホールドされた電流ILの検出値を減算し、その演算結果を電流制御演算部110へ出力する。
電流制御演算部110は、電流指令値IRから電流ILの検出値を減算した値を減算部108から受け、電流ILを電流指令値IRに近づけるためのフィードバック制御(以下、「電流フィードバック制御」ともいう)を、たとえば比例積分制御によって実行する。そして、電流制御演算部110は、算出された制御量をデューティー指令値dとして駆動信号生成部111へ出力する。この電流制御演算部110による電流フィードバック制御によって、コンバータ10の高い制御応答性が実現される。すなわち、電圧VHを電圧指令値VHcomに追従させる速度が向上する。
駆動信号生成部111は、電流制御演算部110から受けるデューティー指令値dを、キャリア生成部112から受けるキャリア信号CRと大小比較し、その比較結果に応じて論理状態が変化する信号PWC(スイッチング信号Sq1,Sq2)を生成する。そして、駆動信号生成部111は、その生成された信号PWCをコンバータ10のスイッチング素子Q1,Q2へ出力する。
図3は、キャリア信号CR、スイッチング信号Sq2、電流ILの対応関係を示した図である。なお、図3において、電流ILは正値である。以下の説明では、スイッチング素子Q1(上アーム)およびスイッチング素子Q2(下アーム)のうち、下アームをオンする割合を「duty(0≦duty≦1)」とする。
コンバータ10を構成する部品(リアクトルL1、IPMなど)で生じるエネルギ損失の大きさは、これらを流れる電流ILとキャリア周波数fcで決まるが、図3に示すように、電流ILには、直流成分に加えて、IPMのスイッチングに伴なって生じるリプル成分が含まれる。電流ILの直流成分およびキャリア周波数fcが一定であれば、このリプル成分の振幅(以下「リプル振幅IL_pp」ともいう)が大きいほど、コンバータ10を構成する部品で生じるエネルギ損失は大きくなる。
ここで、リアクトルL1のインダクタンスをLとすると、リプル振幅IL_ppは、下記の式(1)で表わされる。
IL_pp=(VL/L)×(1/fc)×(VH−VL)/VH ・・・(1)
以下に、リプル振幅IL_ppが式(1)で表わされることを原理的に説明する。
以下に、リプル振幅IL_ppが式(1)で表わされることを原理的に説明する。
まず、上アームオン時(Q1オン時)のリプル振幅IL_p1を導出する。図4は、上アームオン時の電流ILの流れを示す。上アームオン時においては、図4の矢印aに示すように、電流ILは、ダイオードD1を経由して正極線PL2を流れる。この場合の電圧方程式は、下記の式(2a)となり、この式(2a)を変形すると、電流ILの傾きdIL/dtは、式(2b)で表わされる。
VL−L(dIL/dt)−VH=0 ・・・(2a)
dIL/dt=(VL−VH)/L ・・・(2b)
一方、リプル振幅IL_p1は、電流ILの傾きdIL/dt、キャリア周期Tc、dutyを用いて下記の式(2c)で表わすことができるため、この式(2c)に上述の式(2b)を代入して変形すると、リプル振幅IL_p1は下記の式(2d)で表わすことができる。
dIL/dt=(VL−VH)/L ・・・(2b)
一方、リプル振幅IL_p1は、電流ILの傾きdIL/dt、キャリア周期Tc、dutyを用いて下記の式(2c)で表わすことができるため、この式(2c)に上述の式(2b)を代入して変形すると、リプル振幅IL_p1は下記の式(2d)で表わすことができる。
IL_p1=(dIL/dt)×Tc×(1−duty) ・・・(2c)
IL_p1=(VL−VH)/L×Tc×(1−duty) ・・・(2d)
次に、下アームオン時(Q2オン時)のリプル振幅IL_p2を導出する。図5は、下アームオン時の電流ILの流れを示す。下アームオン時においては、図5の矢印bに示すように、電流ILは、スイッチング素子Q2を経由して負極線NLを流れる。この場合の電圧方程式は、下記の式(3a)となり、この式(3a)を変形すると、電流ILの傾きdIL/dtは、式(3b)で表わされる。
IL_p1=(VL−VH)/L×Tc×(1−duty) ・・・(2d)
次に、下アームオン時(Q2オン時)のリプル振幅IL_p2を導出する。図5は、下アームオン時の電流ILの流れを示す。下アームオン時においては、図5の矢印bに示すように、電流ILは、スイッチング素子Q2を経由して負極線NLを流れる。この場合の電圧方程式は、下記の式(3a)となり、この式(3a)を変形すると、電流ILの傾きdIL/dtは、式(3b)で表わされる。
VL−L(dIL/dt)=0 ・・・(3a)
dIL/dt=VL/L ・・・(3b)
一方、リプル振幅IL_p2は、電流ILの傾きdIL/dt、キャリア周期Tc、dutyを用いて下記の式(3c)で表わすことができるため、この式(3c)に上述の式(3b)を代入して変形すると、リプル振幅IL_p2は下記の式(3d)で表わすことができる。
dIL/dt=VL/L ・・・(3b)
一方、リプル振幅IL_p2は、電流ILの傾きdIL/dt、キャリア周期Tc、dutyを用いて下記の式(3c)で表わすことができるため、この式(3c)に上述の式(3b)を代入して変形すると、リプル振幅IL_p2は下記の式(3d)で表わすことができる。
IL_p2=(dIL/dt)×Tc×duty ・・・(3c)
IL_p2=(VL/L)×Tc×duty ・・・(3d)
ここで、dutyは、電圧VL,VHで決まり、duty=1−VL/VHなので、この式を式(2d)および式(3d)に代入すると、それぞれ下記の式(2e)および式(3e)となる。
IL_p2=(VL/L)×Tc×duty ・・・(3d)
ここで、dutyは、電圧VL,VHで決まり、duty=1−VL/VHなので、この式を式(2d)および式(3d)に代入すると、それぞれ下記の式(2e)および式(3e)となる。
IL_p1=−(VH−VL)/L×Tc×(VL/VH) ・・・(2e)
IL_p2=(VL/L)×(VL/L)×Tc×(1−VL/VH)
=(VH−VL)/L×Tc×(VL/VH) ・・・(3e)
式(2e)と式(3e)とを比較すると、IL_p1の絶対値とIL_p2の絶対値(振幅の大きさ)は同じであり、これをリプル振幅IL_ppと定義しなおし、また、キャリア周期Tcを1/キャリア周波数fcで置き換えると、上述した式(1)となる。このように、リプル振幅IL_ppが式(1)で表わされることを原理的に説明することができる。
IL_p2=(VL/L)×(VL/L)×Tc×(1−VL/VH)
=(VH−VL)/L×Tc×(VL/VH) ・・・(3e)
式(2e)と式(3e)とを比較すると、IL_p1の絶対値とIL_p2の絶対値(振幅の大きさ)は同じであり、これをリプル振幅IL_ppと定義しなおし、また、キャリア周期Tcを1/キャリア周波数fcで置き換えると、上述した式(1)となる。このように、リプル振幅IL_ppが式(1)で表わされることを原理的に説明することができる。
ところで、式(1)から明らかなように、リプル振幅IL_ppは、電圧VL,VH、インダクタンスL、キャリア周波数fcの4のパラメータから決まる。つまり、リプル振幅IL_ppは、キャリア周波数fcのみから求まる値ではなく、インダクタンスL、電圧VL,VHによっても大きく変動する。
たとえば、キャリア周波数fcおよびインダクタンスLが同じ値であっても、2倍昇圧時(VH=2×VLの時)には、式(1)からリプル振幅IL_pp=VL/(2×L×fc)となる一方、3倍昇圧時(VH=3×VLの時)には、式(1)からリプル振幅IL_pp=2×VL/(3×L×fc)となり、3倍昇圧時のリプル振幅IL_ppは、2倍昇圧時に比べて、約1.3倍にもなる。さらに、インダクタンスLは、電流ILの大きさに応じて変動する。ハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両においては、電圧VL,VH、電流IL(インダクタンスL)が走行状態などの応じて頻繁に変化するため、これらの変化に伴なうリプル振幅IL_ppの変動も考慮した上でコンバータ10で生じる損失を低減する必要がある。
これらの点を考慮して、キャリア生成部112は、インダクタンスLおよび電圧VL,VHを用いて、リプル振幅IL_ppをキャリア周波数fcの関数として求め、さらに、求めたリプル振幅IL_ppを用いてコンバータ10を構成する各部品で生じるエネルギ損失を各部品毎にそれぞれキャリア周波数fcの関数として求め、それらの合計値が最小となるキャリア周波数fcを選択する。この点が、本実施の形態の最も特徴的な点である。
図6に、キャリア生成部112の機能ブロック図を示す。キャリア生成部112は、取得部112A、インダクタンス算出部112B、振幅計算部112C、損失計算部112D、周波数決定部112E、生成部112Fを含む。
取得部112Aは、キャリア信号CRの山および谷のタイミングで、電流IL、電圧VL,VHのサンプリングを実施する。なお、各値は検出値に限定されず指令値でもよい。
インダクタンス算出部112Bは、取得部112Aが取得した電流ILに対応するインダクタンスLを、図7に示すマップを用いて算出する。図7は、電流ILとインダクタンスLとの対応関係を予め記憶した示すマップである。
振幅計算部112Cは、インダクタンス算出部112Bが算出したインダクタンスL、取得部112Aが取得した電圧VL,VHを上述の式(1)に代入して変形することによって、リプル振幅IL_ppを下記の式(4)に示すキャリア周波数fcの関数(以下「リプル振幅関数IL_pp(fc)」ともいう)として求める。
IL_pp(fc)=k×(1/fc) ・・・(4)
ここで、kは(VL/L)×(VH−VL)/VHで求まる定数である。この定数kは、インダクタンス算出部112BからのインダクタンスL、取得部112Aが取得した電圧VL,VHを用いて求められる。
ここで、kは(VL/L)×(VH−VL)/VHで求まる定数である。この定数kは、インダクタンス算出部112BからのインダクタンスL、取得部112Aが取得した電圧VL,VHを用いて求められる。
図8に、キャリア周波数fcとリプル振幅IL_ppとの対応関係を示す。式(4)からも明らかなように、定数kをL,VL,VHで求めれば、リプル振幅IL_ppは、定数kを比例定数として、キャリア周波数fcに反比例する。
図6に戻って、損失計算部112Dは、リプル振幅関数IL_pp(fc)を用いてコンバータ10を構成する各部品で生じるエネルギ損失を各部品毎にそれぞれキャリア周波数fcの関数として求める。
以下の説明では、コンバータ10を構成する各部品のうち、リアクトルL1およびIPMの損失を求める場合について例示的に説明する。
損失計算部112Dは、予め実験等によって求めたリアクトル損失マップM1およびIPM損失マップM2を備えている。
リアクトル損失マップM1は、キャリア周波数fc、リプル振幅IL_pp、電流IL(直流成分)をパラメータとして、リアクトルL1の損失Loss1を定めたマップである。リアクトル損失マップM1において、リアクトル損失Loss1は、キャリア周波数fcが低いほど大きい値に設定され、またリプル振幅IL_ppが大きいほど大きい値に設定され、また電流ILが大きいほど大きい値に設定される。これは、リアクトルL1における鉄損や銅損の影響が反映された結果である。
IPM損失マップM2は、キャリア周波数fc、リプル振幅IL_pp、電流IL(直流成分)をパラメータとして、IPMの損失Loss2を定めたマップである。IPM損失マップM2において、IPM損失Loss2は、キャリア周波数fcが高いほど大きい値に設定され、またリプル振幅IL_ppが大きいほど大きい値に設定され、また電流ILが大きいほど大きい値に設定される。これは、IPMにおけるスイッチング損失や銅損の影響が反映された結果である。
損失計算部112Dは、リアクトル損失マップM1、リプル振幅関数IL_pp(fc)、電流ILを用いて、リアクトル損失Loss1をキャリア周波数fcの関数とするリアクトル損失関数Loss1(fc)を求める。
同様に、損失計算部112Dは、IPM損失マップM2、リプル振幅関数IL_pp(fc)、電流ILを用いて、IPM損失Loss2をキャリア周波数fcの関数とするIPM損失関数Loss2(fc)として求める。
図9は、リアクトル損失関数Loss1(fc)を求める手法を概略的に示した図である。電流ILは取得部112Aが取得した値に特定されるため、リアクトル損失マップM1は、図9に示すように、キャリア周波数fcおよびリプル振幅IL_ppをパラメータとしてリアクトル損失Loss1を定めたマップとなる。さらに、リプル振幅IL_ppはk×(1/fc)でありキャリア周波数fcの関数であるため、キャリア周波数fcを一意に決めるとリプル振幅IL_ppも一意に決まり、さらに、リアクトル損失マップM1を用いることでリアクトル損失Loss1も一意に決まる。損失計算部112Dは、この関係を利用してリアクトル損失関数Loss1(fc)を求める。たとえば、損失計算部112Dは、キャリア周波数fcの複数のサンプリング点に対するリアクトル損失Loss1の値を順次求めて、各サンプリング点と各サンプリング点に対するリアクトル損失Loss1との組合せを記憶する。
図9に示すように、リアクトル損失関数Loss1(fc)においては、キャリア周波数fcが高くなるほどリアクトル損失Loss1が低下する傾向にある。つまり、リアクトルL1では、キャリア周波数fcが高くなるほど、キャリア周波数fcに起因する損失(鉄損)が低下するとともに、リプル振幅IL_ppが小さくなってリプル振幅IL_ppに起因する損失(銅損および鉄損)も低下する。そのため、リアクトルL1の損失は、キャリア周波数fcが高くなるほど低下する傾向にある。
図10は、IPM損失関数Loss2(fc)を求める手法を概略的に示した図である。電流ILは取得部112Aが取得した値に特定されるため、IPM損失マップM2は、図10に示すように、キャリア周波数fcおよびリプル振幅IL_ppをパラメータとしてIPM損失Loss2を定めたマップとなる。さらに、リプル振幅IL_ppはk×(1/fc)でありキャリア周波数fcの関数であるため、キャリア周波数fcを一意に決めるとリプル振幅IL_ppも一意に決まり、さらに、IPM損失マップM2を用いることでIPM損失Loss2も一意に決まる。損失計算部112Dは、この関係を利用してIPM損失関数Loss2(fc)を求める。たとえば、損失計算部112Dは、キャリア周波数fcの複数のサンプリング点に対するIPM損失Loss2の値を順次求めて、各サンプリング点と各サンプリング点に対するIPM損失Loss2との組合せを記憶する。
図10に示すように、IPM損失関数Loss2(fc)においては、キャリア周波数fcが所定値を超える範囲で、キャリア周波数fcが高くなるほどリアクトル損失Loss2が増加する傾向にある。つまり、IPMでは、キャリア周波数fcが高くなるほど、リプル振幅IL_ppが小さくなってリプル振幅IL_ppに起因する損失(銅損)が低下するが、キャリア周波数fcに起因する損失(スイッチングに起因する損失)は増加する。そのため、IPMの損失は、キャリア周波数fcが所定値を超える範囲で、キャリア周波数fcが高くなるほど損失が増加する傾向にある。
なお、図9、10に示すリアクトル損失関数Loss1(fc)およびIPM損失関数Loss2(fc)の曲線形状はあくまで例示であって、これに限定されるものではない。
図6に戻って、周波数決定部112Eは、リアクトル損失関数Loss1(fc)とIPM損失関数Loss2(fc)とを合計し、コンバータ10のトータル損失Loss_totalとする。すなわち、トータル損失Loss_total=Loss1(fc)+Loss2(fc)である。このように、トータル損失Loss_totalはキャリア周波数fcのみの関数となるが、Loss1(fc)およびLoss2(fc)を導出する段階で既にリプル振幅IL_ppおよび電流ILが考慮されているため、トータル損失Loss_totalも、キャリア周波数fcだけではなく、リプル振幅IL_ppおよび電流ILを考慮した値となる。
そして、周波数決定部112Eは、図11に示すように、トータル損失Loss_totalが最小となるキャリア周波数fcを選択する。具体的には、周波数決定部112Eは、キャリア周波数fcごとにトータル損失Loss_totalを求めた上で、最も小さいトータル損失Loss_totalに対応するキャリア周波数fcを選択する。
生成部112Fは、周波数決定部112Eが選択したキャリア周波数fcのキャリア信号CRを生成し、駆動信号生成部111に出力する。
以上のように、本発明に係る実施の形態における制御制御30は、コンバータ10で損失を発生させる大きな要因であるリプル振幅IL_ppがキャリア周波数fcだけでなくインダクタンスL、電圧VL,VHによっても変動する点を考慮して、インダクタンスL、電圧VL,VHを用いてリプル振幅IL_ppをキャリア周波数fcの関数として求める。そして、求めたリプル振幅IL_ppを用いてコンバータ10で生じる損失をコンバータ10を構成する各部品毎にそれぞれキャリア周波数fcの関数として求め、それらの合計値が最小となる最適なキャリア周波数fcを選択する。そのため、リプル振幅IL_ppがキャリア周波数fcから一意に決まるものとして損失を求める場合に比べて、より精度よく損失を低減することができる。特に、インダクタンスL、電圧VL,VHが頻繁に変化するハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両においては、本発明に係る実施の形態における制御は損失低減に非常に有効である。
[実施の形態2]
上述の実施の形態1において、損失が最小になるように考慮する部品は、コンバータ10の構成部品であるリアクトルL1およびIPMであった。
上述の実施の形態1において、損失が最小になるように考慮する部品は、コンバータ10の構成部品であるリアクトルL1およびIPMであった。
しかしながら、リアクトルL1を流れる電流は、リアクトルL1およびIPMだけでなく、直流電源B、正極線PL1,PL2、負極線NL、フィルタコンデンサC1、平滑コンデンサC2、あるいはこれらの接続端子として用いられるバスバー(図示せず)などにも流れる。そのため、コンバータ10の作動によって生じる損失をより適切に低減するためには、これらの部品で生じる損失も考慮する必要がある。たとえば、コンバータ10を車両前部に搭載し、直流電源Bを車両後部に搭載する場合には、図12に示すように、正極線PL1および負極線NLを含む電力ケーブルPCは非常に長くなり、この電力ケーブルPCで生じる損失も無視できない。
そこで、実施の形態2では、これらの部品の損失も加味して損失が最小になるキャリア周波数fcを選択することを特徴とする。すなわち、損失計算部112Dが、図13に示すように、実施の形態1で説明したリアクトル損失マップM1およびIPM損失マップM2に加えて、電力ケーブルPCの損失Loss3、直流電源Bの損失Loss4、フィルタコンデンサC1の損失Loss5、平滑コンデンサC2の損失Loss6、バスバーの損失Loss7をそれぞれ定めた損失マップM3〜M7を予め備え、これらの損失マップM1〜M7を用いて各部品で生じる損失を各部品毎にそれぞれキャリア周波数fcの関数として求める。そして、周波数決定部112Eが、それらの合計値が最小となるキャリア周波数fcを選択する。
このように、コンバータ10の作動によって損失を生じる多くの部品についての損失を考慮し、それらの合計値が最小となるキャリア周波数fcを選択することで、より適切に効率改善を図ることができる。
なお、損失マップM3〜M7のパラメータとしては、たとえば、図13に示すように、リアクトル損失マップM1およびIPM損失マップM2と同様に、キャリア周波数fc、リプル振幅IL_pp、電流IL(直流成分)とすればよい。パラメータは、各部品の損失特性を考慮して追加あるいは削除してもよい。たとえば、フィルタコンデンサC1や平滑コンデンサC2で生じる損失は、電流IL(直流成分)およびキャリア周波数fcの影響をあまり受けないため、損失マップM5,M6については、リプル振幅IL_ppのみをパラメータとしてもよい。
[実施の形態3]
上述の実施の形態1、2では、リプル振幅関数IL_pp(fc)を求め、求めたリプル振幅関数IL_pp(fc)を用いて損失合計が最小となるキャリア周波数fcを選択する手法について説明した。この際、実施の形態1、2では、リプル振幅IL_ppの大きさに対して特に制約を設けていない。
上述の実施の形態1、2では、リプル振幅関数IL_pp(fc)を求め、求めたリプル振幅関数IL_pp(fc)を用いて損失合計が最小となるキャリア周波数fcを選択する手法について説明した。この際、実施の形態1、2では、リプル振幅IL_ppの大きさに対して特に制約を設けていない。
しかし、リプル振幅IL_ppが大きいと、直流電源Bの寿命が短くなる要因となったり、直流電源Bから可聴領域の高周波音が発生する要因となったり場合がある。つまり、直流電源Bの寿命を長くしたり直流電源Bで発生するノイズを低減したりするためには、リプル振幅IL_ppの大きさに制約を設ける必要がある。
そこで、実施の形態3では、リプル振幅IL_ppを所定値IL_α以下に抑制可能なキャリア周波数fcの範囲をリプル振幅関数IL_pp(fc)を用いて規定し、規定された範囲内でキャリア周波数fcを選択すること(つまりキャリア周波数fcの選択範囲に制約を設けること)を特徴とする。
上述の式(1)から、リプル振幅IL_ppを所定値IL_α以下とするには下記の式(5)を成立させる必要があり、式(5)を変形すると、下記の式(6)となる。
(VL/L)×(VH−VL)/VH×(1/fc)≦IL_α ・・・(5)
fc≧(VL/L)×(VH−VL)/VH×(1/IL_α) ・・・(6)
つまり、式(6)の右辺の値は、リプル振幅IL_ppが所定値IL_αとなる時のキャリア周波数fcであり、これを周波数fc_αと定義すると、図14に示すように、リプル振幅IL_ppを所定値IL_α以下とするには、キャリア周波数fcをfc_α以上にする必要がある。
fc≧(VL/L)×(VH−VL)/VH×(1/IL_α) ・・・(6)
つまり、式(6)の右辺の値は、リプル振幅IL_ppが所定値IL_αとなる時のキャリア周波数fcであり、これを周波数fc_αと定義すると、図14に示すように、リプル振幅IL_ppを所定値IL_α以下とするには、キャリア周波数fcをfc_α以上にする必要がある。
そこで、実施の形態3では、周波数決定部112Eは、図15に示すように、リプル振幅IL_ppを所定値IL_α以下に抑制可能なキャリア周波数fcの範囲を周波数fc_α以上の範囲とし、この範囲内でトータル損失Loss_totalが最小となるキャリア周波数fcを選択する。
これにより、直流電源Bの寿命の長期化および直流電源Bで発生するノイズの低減を図りつつ、損失の低減を図ることができる。さらに、トータル損失Loss_totalが最小となるキャリア周波数fcを探索する範囲が制限されるため、キャリア周波数fcの探索時間も短縮することができる。
なお、図1に示したモータ駆動装置100では、リプル振幅IL_ppはフィルタコンデンサC1で減衰された後に、直流電源Bに印加される。したがって、所定値IL_αは、直流電源Bの寿命やノイズに影響するリプル振幅だけでなく、フィルタコンデンサC1での減衰分を考慮して決定される。
[実施の形態4]
上述の実施の形態1〜3では、コンバータ10、コンバータ10に接続される部品の損失を最小化する手法を説明したが、ハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両においては、交流モータMの負荷は、運転者が急な加速を要求したりタイヤのスリップ/グリップが生じたりするなど、走行状況に応じて急変する。
上述の実施の形態1〜3では、コンバータ10、コンバータ10に接続される部品の損失を最小化する手法を説明したが、ハイブリッド自動車や電気自動車などの電動車両においては、交流モータMの負荷は、運転者が急な加速を要求したりタイヤのスリップ/グリップが生じたりするなど、走行状況に応じて急変する。
たとえばスリップ/グリップが生じる場合、図16に示すように、スリップによって電流ILが急増した後、グリップによって電流ILが急減する。IPMを流れる電流を許容電流値以下としてIPMを保護する観点からは、電流ILのピーク値を所定の範囲内に収まるように制御することが望ましい。電流ILのピーク値をIL_peakと定義すると、ピーク値IL_peakは、図16に示すように、電流IL(直流成分)にリプル振幅IL_ppの半分を加算した値となる。
そこで、実施の形態4では、電流ILのピーク値を所定値IL_β以下に抑制可能なキャリア周波数fcの範囲をリプル振幅関数IL_pp(fc)を用いて規定し、規定された範囲内でキャリア周波数fcを選択することでIPMの保護を図ることを特徴とする。
図17に、実施の形態4に係るキャリア生成部112の機能ブロック図を示す。実施の形態4に係るキャリア生成部112は、取得部112A、インダクタンス算出部112B、周波数決定部112G、生成部112Fを含む。なお、周波数決定部112G以外の取得部112A、インダクタンス算出部112B、生成部112Fは、実施の形態1で説明したので、ここでの詳細な説明は繰返さない。
周波数決定部112Gは、電流ILのピーク値が所定値IL_β以下に抑制可能なキャリア周波数fcを選択し、選択したキャリア周波数fcを生成部112Fに出力する。
以下、周波数決定部112Gが行なう周波数fc_βの選択手法について詳述する。ピーク値IL_peakは、上述したように、電流IL(直流成分)にリプル振幅IL_ppの半分を加算した値となり、下記の式(7)で表わされる。
IL_peak=IL+IL_pp/2 ・・・(7)
上述の式(7)から、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下とするには下記の式(8)を成立させる必要があり、式(8)を変形すると、下記の式(9)となる。
上述の式(7)から、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下とするには下記の式(8)を成立させる必要があり、式(8)を変形すると、下記の式(9)となる。
IL+{(VL/L)×(VH−VL)/VH×(1/fc)}/2≦IL_β
・・・(8)
fc≧(VL/L)×(VH−VL)/VH×{1/(IL_β−IL)}/2
・・・(9)
つまり、式(9)の右辺の値は、ピーク値IL_peakが所定値IL_βとなる時のキャリア周波数fcであり、これをfc_βと定義すると、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下とするには、キャリア周波数fcをfc_β以上にする必要がある。
・・・(8)
fc≧(VL/L)×(VH−VL)/VH×{1/(IL_β−IL)}/2
・・・(9)
つまり、式(9)の右辺の値は、ピーク値IL_peakが所定値IL_βとなる時のキャリア周波数fcであり、これをfc_βと定義すると、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下とするには、キャリア周波数fcをfc_β以上にする必要がある。
そこで、周波数決定部112Gは、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下に抑制可能なキャリア周波数fcの範囲をfc_β以上の範囲とし、この範囲内でキャリア周波数fcを選択する。これにより、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下に抑制することができ、IPMの保護を図ることができる。
このように、実施の形態4では、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下に抑制可能なキャリア周波数fcを予め求め、求めたキャリア周波数fcでコンバータ10が制御される。そのため、ピーク値IL_peakを確実に所定値IL_β以下に抑制することができる。
また、fc_β以上の範囲で、実施の形態1〜3で説明したようにトータル損失Loss_totalが最小となるキャリア周波数fcを選択すれば、ピーク値IL_peakを所定値IL_β以下に抑制しつつ、損失の低減をも図ることができる。
なお、キャリア周波数fcには、IPM発熱およびスイッチング速度の上限値等から決まる、上限周波数がある。したがって、実際には、fc_β以上かつ上限周波数以下の範囲で、キャリア周波数fcを選択することになる。
また、たとえば電流ILとdutyとからピーク値IL_peakを予測し、ピーク値IL_peakの予測値が所定値IL_β以下となるようにdutyに制限を設ける最終手段的な手法を併せ持つと、より確実にピーク値IL_peakを所定値IL_β以下に抑制することができる。
[実施の形態5]
上述の実施の形態1〜4のうち、実施の形態1〜3では損失を最小化する手法を、実施の形態4では部品を保護する手法を、それぞれ説明した。
上述の実施の形態1〜4のうち、実施の形態1〜3では損失を最小化する手法を、実施の形態4では部品を保護する手法を、それぞれ説明した。
これに対し、実施の形態5では、車両の走行状況に応じて、損失最小化を優先させるのか、部品保護を優先させるのかを切り替えて、キャリア周波数fcを制御することを特徴とする。
たとえば、図18に示すように、電流ILがしきい値よりも小さい場合は、損失最小化を優先して、損失を最小とするキャリア周波数fcを選択し、スリップ/グリップが生じて電流ILがしきい値よりも大きくなった場合には、部品保護を優先して、ピーク値IL_peakを抑制するキャリア周波数fcを選択する。
なお、スリップ/グリップは通常の走行状態では極まれにしか発生しないため、負荷が安定している通常時は損失最小化を優先し、スリップ/グリップなどの負荷急変時に部品保護を優先することによって、燃費を実質的に低下させることなく部品を保護することができる。
また、たとえば、交流モータMのトルクが低くかつ回転速度が低い領域では負荷が急変する可能性が低いことを考慮し、制御装置30が、図19に示すような低トルクかつ低回転速度の領域で損失最小化を優先し、その他の領域では部品保護を優先するようにしてもよい。
また、図20に示すように、制御装置30が、タイヤのスリップグリップが生じたか否か(負荷が急変したか否か)を交流モータMの回転速度の変化などに基づいて判定し(ステップ(以下「S」と略す)10)、スリップ/グリップが生じていない場合(S10にてNO)は、損失最小化を優先し(S20)、スリップ/グリップが生じた場合(S10にてYES)は、部品保護を優先する(S30)ようにしてもよい。上述のように、スリップ/グリップは通常の走行状態では極まれにしか発生しないため、この場合も、燃費を実質的に低下させることなく、部品を保護することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 コンバータ、20 インバータ、22 U相アーム、24 V相アーム、26 W相アーム、30 制御装置、52 電流センサ、54,56 電圧センサ、58 回転角センサ、100 モータ駆動装置、102 電圧指令生成部、104,108 減算部、106 電圧制御演算部、110 電流制御演算部、111 駆動信号生成部、112B インダクタンス算出部、112 キャリア生成部、112A 取得部、112E,112G 周波数決定部、112C 振幅計算部、112D 損失計算部、112F 生成部、116 S/H回路、B 直流電源、C1 フィルタコンデンサ、C2 平滑コンデンサ、CR キャリア信号、D1〜D8 ダイオード、Q1〜Q8 スイッチング素子、L1 リアクトル、M 交流モータ、M1 リアクトル損失マップ、M2 IPM損失マップ、M3〜M7 損失マップ、NL 負極線、PC 電力ケーブル、PL1,PL2 正極線。
Claims (9)
- 直流電源と電気負荷装置との間で電圧変換を行なうコンバータの制御装置であって、
前記コンバータは、互いに直列に接続された2つのスイッチング素子と、前記2つのスイッチング素子の接続点と前記直流電源の正極との間に設けられたリアクトルとを含み、
前記リアクトルを流れる電流には、直流成分に加えて、前記2つのスイッチング素子のスイッチングに起因するリプル成分が含まれ、
前記制御装置は、
搬送波と指令値とを比較した結果に基づいて、前記2つのスイッチング素子を制御するための信号を生成する信号生成部と、
前記搬送波を生成するキャリア生成部とを含み、
前記キャリア生成部は、前記直流電源から前記コンバータに入力される第1電圧、前記コンバータから前記電気負荷装置に出力される第2電圧、前記リアクトルのインダクタンス、および、前記リアクトルを流れる電流に基づいて、前記コンバータの作動によって生じるエネルギ損失が最小となる周波数を有する前記搬送波を生成する、コンバータの制御装置。 - 前記キャリア生成部は、
前記第1電圧、前記第2電圧、前記インダクタンスに基づいて、前記搬送波の周波数と前記リプル成分の振幅との第1の関係を求める第1算出部と、
前記リアクトルを流れる電流および前記第1の関係に基づいて、前記搬送波の周波数と前記エネルギ損失との第2の関係を求める第2算出部と、
前記第2の関係を用いて前記エネルギ損失が最小となる周波数を選択し、選択した周波数を前記搬送波の周波数に設定する設定部とを含む、請求項1に記載のコンバータの制御装置。 - 前記設定部は、前記第1の関係に基づいて前記リプル成分の振幅が予め定められた値以下となる周波数範囲を求め、求めた前記周波数範囲内で前記搬送波の周波数を設定する、請求項2に記載のコンバータの制御装置。
- 前記設定部は、前記リアクトルを流れる電流および前記第1の関係に基づいて前記リアクトルを流れる電流のピーク値が予め定められた値以下となる周波数範囲を求め、求めた前記周波数範囲内で前記搬送波の周波数を設定する、請求項2に記載のコンバータの制御装置。
- 前記電気負荷装置は、電動機によって車両の駆動力を発生させるための装置である、請求項2に記載のコンバータの制御装置。
- 前記設定部は、前記電動機の負荷が急変するか否かを判断し、前記電動機の負荷が急変する場合、前記エネルギ損失が最小となる周波数を前記搬送波の周波数に設定し、前記電動機の負荷が急変しない場合、前記リアクトルを流れる電流のピーク値が予め定められた値以下となる周波数を前記搬送波の周波数に設定する、請求項5に記載のコンバータの制御装置。
- 前記第2算出部は、前記エネルギ損失が生じる複数の部品にそれぞれ対応する複数の前記第2の関係を求め、
前記設定部は、複数の前記第2の関係を用いて前記複数の部品で生じるエネルギ損失の合計値が最小となる周波数を選択する、請求項2に記載のコンバータの制御装置。 - 前記直流電源と前記コンバータとの間には、前記直流電源と前記コンバータとを接続するための部品と、第1コンデンサとが設けられ、
前記コンバータと前記電気負荷装置との間には、第2コンデンサが設けられ、
前記第2算出部は、前記リアクトル、前記2つのスイッチング素子、前記直流電源、前記接続するための部品、前記第1コンデンサ、前記第2コンデンサの少なくともいずれかにそれぞれ対応する複数の前記第2の関係を求める、請求項7に記載のコンバータの制御装置。 - 前記制御装置は、前記リアクトルを流れる電流に応じて前記インダクタンスを算出する第3算出部をさらに含む、請求項2に記載のコンバータの制御装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130205 |