JP2011101338A - 撮像画像処理システム、画像出力方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

撮像画像処理システム、画像出力方法、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】携帯端末装置での撮像により得られた画像データに秘匿性を持たせるとともに、画像出力することを予定していた特定の画像出力装置に故障などの何等かのトラブルが発生した場合であっても、別の画像出力装置で画像出力することが可能なシステムを提供する。
【解決手段】携帯端末装置は、撮像画像データを記憶部108が記憶する参照データテーブルを用いて符号化する符号化部103bを備え、符号化された撮像画像データを当該参照データテーブルに対応する共通コードとユーザ入力により設定された出力機器IDとを付加して画像出力装置に送信する。一方、画像出力装置は、受信した出力機器IDが自装置のものと一致する場合、共通コードに対応する逆変換テーブルで撮像画像データを復号化して出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯端末装置にて撮像した画像を画像出力装置により出力する撮像画像処理システムに関する。
インターネット技術の進展と伴に携帯電話など携帯端末装置を利用して撮像した画像を保存する機会が増えてきている。また、単純に風景や、人物などを被写体とするだけではなく、各種ショーなどで展示されている説明図や説明文、あるいは学界等でのスライドを撮影する機会も増大してきている。撮像した画像を印刷するには、携帯端末装置から複合機などのプリント機能を有する画像出力装置に画像データを転送し、印刷するのが一般的である。
特許文献1には、ユーザが、デジタルカメラや、カメラ付きPDA・携帯パソコン等の携帯端末装置で収集したデジタル画像データを、ネットワークを介してサーバに送信する技術が記載されている。そして、サーバでは、受信したデジタル画像データを、所定のドキュメントフォーマットに編集し、上記ドキュメントフォーマットの所定の領域に、音声コード画像又はテキストイメージとして貼り付け、当該ドキュメントを、特定用途の報告書として記録媒体に保存、あるいは、紙ドキュメントとして印刷したり、ネットワークを介して特定のサイトに送信される。
ただし、特許文献1の技術では、画像データに秘匿性を持たせていないため、誤って意図しない画像出力装置に送信した場合、画像データが出力されてしまうというおそれがある。そのため、携帯電話やデジタルカメラで撮像することにより得られた画像データに秘匿性を持たせて、特定の画像出力装置でのみ印刷するという要求がある。このような要求を充たす方法として、例えば、特許文献2に記載されている方法を用いることが考えられる。すなわち、特定の画像出力装置に固有の情報である製造番号に基づいて暗号鍵を生成して、画像出力装置のハードディスクなどのメモリに格納するとともに、暗号鍵を携帯電話やデジタルカメラに入力する。そして、撮像した画像データをこの暗号鍵を用いて暗号化して画像出力装置に送信し、画像出力装置において、格納されている暗号鍵を用いて受信データを復号する。
特開2002−41502号公報(2002年2月8日公開) 特開2005−6177号公報(2005年1月8日公開)
しかしながら、特許文献2のように特定の画像出力装置でのみ出力可能とする場合、当該画像出力装置が故障している場合やトナー切れなどのトラブルが発生した場合に、印刷することができない状況が生じてしまうという問題が発生する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、携帯端末装置での撮像により得られた画像データに秘匿性を持たせるとともに、画像出力することを予定していた特定の画像出力装置に故障などの何等かのトラブルが発生した場合であっても、別の画像出力装置で画像出力することが可能な、撮像画像処理システム、画像出力方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の撮像画像処理システムは、撮像手段を備えた携帯端末装置と複数の画像出力装置とを備え、上記携帯端末装置と上記画像出力装置とが通信可能である撮像画像処理システムであって、上記携帯端末装置は、画像データを符号化するための符号化情報を少なくとも一つ記憶する第1記憶手段を備え、上記複数の画像出力装置の各々は、上記符号化情報で符号化された画像データを復号化するための復号化情報を記憶するとともに自装置を識別するための第1識別情報を記憶する第2記憶手段を備えており、各符号化情報と当該符号化情報に対応する復号化情報との組み合わせに対して、当該組み合わせを識別するための第2識別情報が予め割り当てられており、上記第1記憶手段は、各符号化情報と当該符号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶し、上記第2記憶手段は、各復号化情報と当該復号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶しており、上記携帯端末装置は、上記撮像手段の撮像により得られた撮像画像データを、上記第1記憶手段が記憶する符号化情報を用いて符号化する符号化部と、上記符号化部により符号化された撮像画像データを、上記符号化部が用いた符号化情報に対応する第2識別情報とユーザ入力により設定された第1識別情報とを付加して、ユーザにより指定された画像出力装置に送信する画像データ送信部とを備え、上記画像出力装置は、上記携帯端末装置から、第1識別情報および第2識別情報が付加された撮像画像データを受信する画像データ受信部と、上記画像データ受信部が受信した第1識別情報が、上記第2記憶手段に記憶されている第1識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、上記判定部により一致すると判定された場合に、上記画像データ受信部が受信した第2識別情報に対応する復号化情報を上記第2記憶手段から読み出し、当該復号化情報を用いて、上記画像データ受信部が受信した撮像画像データを復号化する復号化部と、上記復号化部により復号化された撮像画像データ、または、当該復号化された撮像画像データで示される画像を出力する出力部とを備える。
また、本発明の画像出力方法は、撮像手段を備えた携帯端末装置と複数の画像出力装置とを備え、上記携帯端末装置と上記画像出力装置とが通信可能である撮像画像処理システムにおける画像出力方法であって、上記携帯端末装置は、画像データを符号化するための符号化情報を少なくとも一つ記憶する第1記憶手段を備え、上記複数の画像出力装置の各々は、上記符号化情報で符号化された画像データを復号化するための復号化情報を記憶するとともに自装置を識別するための第1識別情報を記憶する第2記憶手段を備えており、各符号化情報と当該符号化情報に対応する復号化情報との組み合わせに対して、当該組み合わせを識別するための第2識別情報が予め割り当てられており、上記第1記憶手段は、各符号化情報と当該符号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶し、上記第2記憶手段は、各復号化情報と当該復号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶しており、上記携帯端末装置が、上記撮像手段の撮像により得られた撮像画像データを、上記第1記憶手段が記憶する符号化情報を用いて符号化する符号化ステップと、上記携帯端末装置が、符号化された撮像画像データを、符号化に用いた符号化情報に対応する第2識別情報とユーザ入力により設定された第1識別情報とを付加して、ユーザにより指定された画像出力装置に送信する画像データ送信ステップと、上記画像出力装置が、上記携帯端末装置から、第1識別情報および第2識別情報が付加された撮像画像データを受信する画像データ受信ステップと、上記画像出力装置が、受信した第1識別情報と上記第2記憶手段に記憶されている第1識別情報とが一致するか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップにて一致すると判定された場合に、上記画像出力装置が、受信した第2識別情報に対応する復号化情報を上記第2記憶手段から読み出し、当該復号化情報を用いて、受信した撮像画像データを復号化する復号化ステップと、上記画像出力装置が、復号化された撮像画像データ、または、当該復号化された撮像画像データで示される画像を出力する出力ステップとを含む。
上記の構成によれば、携帯端末装置から画像出力装置に送信される撮像画像データは符号化部により符号化されている。そのため、秘匿性を確保することができる。
また、携帯端末装置は、ユーザ入力により設定された第1識別情報を撮像画像データに付加して送信する。そして、画像出力装置では、受信した第1識別情報と第2記憶手段に記憶されている第1識別情報とが一致するか否かを判定し、一致すると判定された場合に復号化されて出力される。そのため、ユーザが設定した第1識別情報で識別される画像出力装置とは別の画像出力装置にユーザが誤って送信してしまったとしても、画像出力装置において第1識別情報が一致しないため、画像出力が実行されることがない。つまり、誤ってユーザの意図しない画像出力装置に送信したとしても、誰かに出力された画像が確認されることがない。
さらに、複数の画像出力装置の各々は、復号化情報を記憶している。そのため、画像出力を希望していた画像出力装置が故障等で動作していない場合であっても、別の画像出力装置を識別する第1識別情報を入力するだけで、同じ符号化情報で符号化された撮像画像データを送信したとしても正常に復号化され、画像出力を実行させることができる。
以上のように、携帯端末装置での撮像により得られた撮像画像データに秘匿性を持たせるとともに、画像出力することを予定していた特定の画像出力装置に故障などの何等かのトラブルが発生した場合であっても、別の画像出力装置で画像出力することが実現できる。
さらに、本発明の撮像画像処理システムにおいて、上記符号化部および上記復号化部は、画像データの画素位置を変更することで符号化および復号化を行うものであり、上記符号化情報は、撮像画像データに含まれる各画素について、符号化を行った後の画素位置を示す情報であり、上記復号化情報は、符号化された画像データの各画素について、正規の画素位置を示す情報であることが好ましい。
上記の構成によれば、画素位置を変更するという簡単な方法を用いて符号化を実行することができる。
さらに、本発明の撮像画像処理システムにおいて、上記符号化情報を用いた符号化の方法として複数種類の方法があり、上記符号化部は、上記複数種類の方法の中の一つの方法を選択して、撮像画像データの符号化を行い、上記画像データ送信部は、上記撮像画像データとともに、上記符号化部が選択した符号化の方法を識別するための第3識別情報を画像出力装置に送信し、上記復号化部は、上記画像データ受信部が受信した第3識別情報で識別される方法に従って、上記撮像画像データの復号化を行うことが好ましい。
上記の構成によれば、携帯端末装置から送信される撮像画像データの符号化方法を、撮像画像データごとに変更することができる。そのため、仮に一つの撮像画像データに対する符号化情報が解読されたとしても、他の撮像画像データを容易に復号化することができない。よって、撮像画像データの秘匿性をさらに高めることができる。
なお、上記符号化の方法としては、例えば、以下の(a)〜(f)の中の少なくとも2つがある。
(a)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データに対して同じ符号化情報を用いて画素位置を変更する符号化方法。
(b)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割し、各色成分データの各ブロックについて同一の符号化情報を用いて画素位置を変更するとともに、各色成分データについて同一の符号化情報を用いてブロックの位置も変更する符号化方法。
(c)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割するとともに、当該複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる符号化情報を用いて当該グループに属するブロック内の画素位置を変更する方法であり、かつ、各色成分データについて同一の符号化情報を用いる符号化方法。
(d)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データに対して異なる符号化情報を用いて画素位置を変更する符号化方法。
(e)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割するとともに、当該複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる符号化情報を用いて当該グループに属するブロック内の画素位置を変更する方法であり、かつ、各色成分データについて異なる符号化情報を用いる符号化方法。
(f)撮像画像データの各画素の濃度値を符号化情報を用いて変更する符号化方法。
もしくは、本発明の撮像画像処理システムにおいて、上記符号化情報を用いた符号化の方法として複数種類の方法があり、上記符号化部は、上記複数種類の方法の中の複数の方法を選択して、撮像画像データの符号化を行い、上記画像データ送信部は、上記撮像画像データとともに、上記符号化部が選択した複数の符号化の方法を識別するための第4識別情報を画像出力装置に送信し、上記復号化部は、上記画像データ受信部が受信した第4識別情報で識別される複数の方法に従って、上記撮像画像データの復号化を行ってもよい。
例えば、上記符号化部が選択した上記複数の方法は、画素位置を変更する方法と、画素の濃度値を変更する方法とを含む。
上記の構成によれば、複数種類の方法の中の複数の方法を選択して、撮像画像データの符号化を行うことができるので、単一の方法を用いて符号化する場合と比較して、復号化する際に、復号化するための複数の方法を特定する必要があるため、セキュリティ性をさらに向上させることができる。
さらに、本発明の撮像画像処理システムにおいて、上記符号化部は、上記撮像画像データの少なくとも一つの色成分データについて、他の色成分データとは異なる符号化情報を用いた符号化の方法により符号化することが好ましい。
上記の構成によれば、撮像画像データの少なくとも一つの色成分データについて、他の色成分データとは異なる符号化情報を用いて符号化する。そのため、単一の方法を用いて符号化する場合と比較して、復号化する際に、どの色成分データに対してどの方法により復号化すべきかを特定する必要があるため、セキュリティ性をより一層向上させることができる。
さらに、本発明の撮像画像処理システムにおいて、上記画像出力装置は、上記復号化部により復号化された撮像画像データを、当該撮像画像データの解像度よりも高い解像度に補正する高解像度補正部を備えており、上記出力部は、上記高解像度補正部により補正された撮像画像データ、または、当該補正された撮像画像データで示される画像を出力することが好ましい。
上記の構成によれば、例えば、撮像画像中の文字の判読性を向上させ、品質の高い画像を出力することができる。
なお、上記撮像画像処理システムは、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各部として動作させることにより撮像画像処理システムをコンピュータにて実現させるプログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明によれば、携帯端末装置での撮像により得られた画像データに秘匿性を持たせるとともに、画像出力することを予定していた特定の画像出力装置に故障などの何等かのトラブルが発生した場合であっても、別の画像出力装置で画像出力することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る撮像画像処理システムの全体構成を示す図である。 図3は、携帯端末装置と画像出力装置との間の情報通信の方法を示す図である。 図4は、携帯端末装置と画像出力装置との間の情報のやり取りを示す図である。 図5は、パスコードの構成を示す図である。 図6は、パスコードの一例を示す図である。 図7は、パスコードの別の例を示す図である。 図8は、正規の画素位置の順に配列された撮像画像データを示す。 シャフリング処理の内容を示す図である。 撮像画像データのサイズが参照データテーブルのサイズよりも大きい場合の符号化の方法を示す図である。 図11は、本発明の一実施形態に係る画像出力装置の構成を示すブロック図である。 図12は、本発明の一実施形態に係る画像出力装置が有する画像処理部の構成を示すブロック図である。 図13は、画像のカラーバランス調整時に作成するルックアップテーブルの一例を示す図である。 図14は、携帯端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。 図15は、画像出力装置の処理の流れの全体を示すフローチャートである。 図16は、参照データテーブルの選択処理を示す図である。 図17は、シャフリング方法bの一例を示す図である。 図18は、シャフリング方法bの他の例を示す図である。 図19は、共通サブコードの構成を示す図である。 図20は、画像の傾き検出例を示す図である。 図21は、図3の傾き検出例における傾き角度θとその正接値を示している。 図22は、画像の幾何学的歪みの検出例を示す図である。 図23は、画像における撮像対象物のエッジ検出処理例を示す図である。 図24は、画像のラスター方向のエッジ検出例を示す図である。 図25は、画像のズレ度合い検出例の1次微分フィルタ例を示す図である。 図26は、画像出力装置が有する画像処理部の変形例を示すブロック図である。 図27は、画像のレンズ歪みの補正例を示す図である。 図28は、画像の幾何学的歪みおよび傾きの補正例を示す図である。 図29は、画像の再構成画素値の決定例を示す図である。 図30は、高解像度補正の別の処理の流れを示すフローチャートである。 図31は、高解像度画像データにおける基準画素と補間画素とを示している。 図32は、補間画素の画素値の決定方法を示す図である。 図33は、テーブルの取得パターンbを示す図である。 図34は、テーブルの取得パターンcを示す図である。 図35は、テーブルの取得パターンdを示す図である。 図36は、テーブルの取得パターンfを示す図である。 図37は、テーブルの取得パターンhの一例を示す図である。 図38は、テーブルの取得パターンhの他の例を示す図である。 図39は、共通サブコードの変形例を示す図である。 図40は、公開鍵および秘密鍵を用いる変形形態の一例を示す図である。 図41は、公開鍵および秘密鍵を用いる変形形態の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(1)撮像画像処理システムの全体構成
図2は、本発明に係る撮像画像処理システムの全体構成を示す図である。図2に示されるように、撮像画像処理システムは、カメラ付き携帯電話、デジタルスチルカメラなど、撮像手段を備えた携帯端末装置100、および、複合機、プリンタ(画像形成装置)などの複数の画像出力装置200(200−1、200−2、・・・)を備える。
携帯端末装置100は、ユーザによって携帯されるものである。ユーザは、様々な場面で携帯端末装置100により対象物を撮像することができる。そして、携帯端末装置100は、撮像した画像を画像出力装置200からユーザが得ることが可能な撮像モードである画像出力モードの機能を有している。
携帯端末装置100と画像出力装置200とは通信可能であり、携帯端末装置100は、画像出力モードで撮像した画像データ(以下、撮像画像データという)を画像出力装置200に送信する。
画像出力装置200は、携帯端末装置100から受信した撮像画像データの出力処理を行うものである。
なお、携帯端末装置100と画像出力装置200との通信方式としては、(i)図3において符号Aで示されるように、IrSimpleなどの赤外線通信規格のいずれかに基づく無線通信方式や、(ii)符号Bで示されるように、Felica(登録商標)のような非接触無線通信により、携帯端末装置100から中継装置300に一旦撮像画像データを送り、その後、例えばBluetooth(登録商標)のような無線通信を用いて、当該中継装置300から画像出力装置200へデータを転送する方式がある。本実施形態では、ユーザは、画像出力装置200の前にきてから携帯端末装置100を操作し、赤外線通信のような近距離無線通信方式を用いて、携帯端末装置100から画像出力装置200へデータ転送するものとする。なお、携帯端末装置100と画像出力装置200との間の通信方式については、これらに限定されることなく、公知の通信方法を用いたものを適用することができる。
また、本実施形態に係る撮像画像処理システムでは、ユーザが誤って意図しない画像出力装置200に撮像画像データを送信してしまったとしても、当該画像出力装置200で画像が出力されないように、以下のような構成を有する。
図4は、携帯端末装置100と画像出力装置200との間の情報通信を示す図である。図4に示されるように、画像出力を行うための事前処理として、携帯端末装置100は、当該携帯端末装置100で撮像された画像の出力を行うことをユーザが希望する画像出力装置200から、当該画像出力装置200を識別するための出力機器ID(第1識別情報)を予め取得しておく。出力機器IDは、例えば、画像出力装置200の製造番号である。
また、携帯端末装置100は撮像画像データを符号化(暗号化)するための符号化情報(後述する参照データテーブル)を予め記憶しておくとともに、画像出力装置200は当該符号化情報により符号化された撮像画像データを復号化するための復号化情報(後述する逆変換テーブル)を予め記憶しておく。さらに、当該符号化情報および復号化情報を特定するための共通コード(第2識別情報)を予め決めておく。
そして、画像出力を要求するための処理(出力要求処理)として、携帯端末装置100は、符号化情報を用いて符号化された撮像画像データを、共通コードおよび出力機器IDとともに画像出力装置200に送信する。その後、画像出力装置200では、出力機器IDが自身のIDと同一である場合に、共通コードで特定される復号化情報を用いて撮像画像データを復号化し、画像出力を実行する。
これにより、意図しない画像出力装置200、つまり、予め出力機器IDを取得していない画像出力装置200に対して誤って撮像画像データを送信してしまったとしても、当該画像出力装置200では画像出力が実行されない。また、通信過程で撮像画像データを傍受したとしても、符号化されているため、正常な画像を判別することが容易ではなく、秘匿性を確保できる。また、予め複数の画像出力装置200から出力機器IDを取得しておくことで、画像出力を行う際に、当該複数の画像出力装置200のうちの一つが故障などで出力動作が実行できない場合、別の画像出力装置200に対して画像出力を容易に実行させることができる。
なお、図4で示されるように、事前処理として、携帯端末装置100は、画像出力装置200に対してパスワードを予め登録しておいてもよい。この場合、携帯端末装置100は、出力機器IDおよび共通コードと合わせてパスワードを付けて撮像画像データを画像出力装置200に送信する。そして、画像出力装置200は、画像データに付加されている出力機器IDが自身のIDと同一であり、かつ、画像データに付加されているパスワードが予め登録されているパスワードと同一である場合にのみ、共通コードで特定される復号化情報を用いて復号化された撮像画像データを出力すればよい。これにより、セキュリティを向上させることができる。
以下の説明では、携帯端末装置100は、撮像画像データを送信する際に、予め画像出力装置200から取得した出力機器IDと、予め画像出力装置200との間で設定したパスワードと、共通コードとを付加して送信するものとする。また、図5に示すように、出力機器ID、パスワードおよび共通コードをまとめてパスコードという。
図6は、パスコードの一例を示す図である。なお、図6は、出力機器IDが「ID0001」「ID0002」「ID0003」の3台の画像出力装置200に対して、同じ共通コードを設定した場合のパスコードの一例である。この例では、出力機器ID「ID0001」の画像出力装置200−1で出力を予定していたが、撮像画像データを画像出力装置200−1に送信する際に当該画像出力装置200−1が故障等で動作していない場合、ユーザは、出力機器ID「ID0002」の画像出力装置200−2に対して撮像画像データを送ることで容易に出力画像を得ることができる。
また、図7は、パスコードの別の例を示す図である。図7は、3台の画像出力装置200に対して、異なる共通コードおよびパスワードを設定した場合のパスコードの一例である。この例では、画像データAについては、出力機器ID「ID0001」の画像出力装置200−1でのみ出力することができ、他の画像出力装置200−2,3に対して誤って送信したとしても、当該他の画像出力装置200−2,3から画像出力されることを防止することができる。
次に、本実施形態で用いる符号化(暗号化)の概要について説明する。まず最初に、暗号化する前の撮像画像データのデータ配列について説明する。図8は、携帯端末装置100の撮像により得られ、暗号化する前の撮像画像データを示している。撮像画像データは、各画素位置における、0〜255までの濃度データ(画像値)で構成される。図8に示されるように、暗号化前の撮像画像データでは、各画素の濃度データが、正規の画素位置の順に整列して配置されている。なお、図8における数字は、正規の画素位置の座標を示している。また、濃度データとしては、RGBの各色のデータが存在する。そのため、撮像画像データは、RGBの各プレーンに対して、図8と同様のデータ配列の濃度データから構成される。
本実施形態では、暗号化処理として、図8に示されるような正規の画素位置の順で配列されている撮像画像データに対して、画素位置の配列順序を変更するシャフリング処理を実行する。
例えば、図9に示すように、符号化情報として参照データテーブルを用いて、正規の画素位置の順に整列して配置されている撮像画像データに対し、画素位置の並べ替えを行う。図9に示す例では、RGBの色成分毎に同じシャフリング方法を用いている。図9において、撮像画像データ内の数字は正規の画素位置を示している。
ここで、符号化情報である参照データテーブルは、符号化前の撮像画像データにおける画素位置と、符号化後の撮像画像データにおける画素位置との対応関係を示す情報を含むものである。例えば、参照データテーブルでは、( i = 0, j = 0 ) → ( i = 0, j = 0 ) に、( i = 1, j = 0 ) → ( i = 5, j = 4 ) に、( i = 2, j = 0 ) → ( i = 2, j = 7 ) に画素位置を変更するという情報が書き込まれている場合には、図9の(a)に示すデータ配列を図9の(b)に示すデータ配列に変更することが可能となる。
なお、図9に示す例の場合は、撮像画像データが8×8の画素で形成される場合の例を示しているが、同様の考えを拡張することで、10000×10000の画素の画像データに適用することも可能であり、変換する画素数に制限がある訳ではない。
例えば、撮像画像データ全体に対して、画像データサイズに対応した参照データテーブルを用いて、1回のシャフリングを行うことも可能である。もしくは、撮像画像データが参照データテーブルの大きさに比べ大きい場合には、撮像画像データを、参照データテーブルの大きさを有する複数のブロックに分割し、各ブロックに対して参照データテーブルを用いてシャフリング処理を実行すればよい。具体的には、図10に示されるように、8×8の参照データテーブルを有している場合、16×16の撮像画像データを、8×8の4つのブロック(1)〜(4)に分割し、各ブロックに対して同じサイズの参照データテーブルを用いたシャフリング処理を実行する。
そして、携帯端末装置100は、参照データテーブルによりシャフリング処理が実行された撮像画像データを画像出力装置200に送信する。画像出力装置200では、携帯端末装置100から受信した撮像画像データを、復号化情報である逆変換テーブルを用いて復号化し画像出力を行う。
ここで、逆変換テーブルとは、参照データテーブルによりシャフリングされた撮像画像データの画素位置を正規の画素位置に戻すためのテーブルであり、復号化前の撮像画像データにおける画素位置と復号化後の撮像画像データにおける画素位置との対応関係を示す情報を含むものである。例えば、図9に示すような参照データテーブルに対応する逆変換テーブルには、( i = 0, j = 0 ) → ( i = 0, j = 0 ) に、( i = 5, j = 4 ) → ( i = 1, j = 0 )に、 ( i = 2, j = 7 ) → ( i = 2, j = 0 )に画素位置を変更するという情報が書き込まれている。
以上のような暗号化および復号化を実行するために、携帯端末装置100が参照データテーブルを符号化情報として予め記憶しておくとともに、画像出力装置200が当該参照データテーブルに対応する逆変換テーブルを復号化情報として予め記憶しておく。そして、上述した共通コードは、一対の参照データテーブルおよび逆変換テーブル(すなわち、一つの参照データテーブルと対応する逆変換テーブルとの組み合わせ)を示すテーブル番号であり、当該共通コードにより、参照データテーブルおよび逆変換テーブルを特定することができる。
以下、本実施形態の撮像画像処理システムを構成する携帯端末装置100・画像出力装置200の詳細について説明する。
(2)携帯端末装置の構成
まず、図1に基づいて、本実施形態に係る携帯端末装置100について説明する。図3は、携帯端末装置100の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、携帯端末装置100は、ID受付部110、テーブル取得部111、パスコード設定部112、撮像部(撮像手段)101、撮像画像判定部102、画像処理部103、通信部(画像データ送信部)104、表示部105、入力部106、記憶媒体アクセス部107、記憶部(第1記憶手段)108、制御部(画像データ送信部)109を備えている。
ID受付部110は、通信部104を介して画像出力装置200と通信を行い、当該画像出力装置200を識別する出力機器ID(第1識別情報)を取得するものである。ID受付部110は、出力機器IDを取得する際、入力部106に入力されたパスワードを画像出力装置200に送信する。そして、ID受付部110は、取得した出力機器ID、および、画像出力装置200に送信したパスワードを記憶部108に格納する。
テーブル取得部111は、撮像画像データをシャフリング処理するための上述の参照データテーブルを取得するものである。テーブル取得部111は、ID受付部110が出力機器IDを取得する際に、画像出力装置200が記憶する複数の参照データテーブルと各参照データテーブルを識別するための共通コード(ここでは、テーブル番号)(第2識別情報)とを取得し、取得した共通コードと参照データテーブルとを対応付けて記憶部108に格納するものである。
なお、後述するように、本実施形態の撮像画像処理システムに含まれる複数の画像出力装置200の各々は、同一の参照データテーブルおよび共通コードを記憶している。そのため、テーブル取得部111は、記憶部108に参照データテーブルが格納されていない場合に限って、参照データテーブルの取得処理を実行する。すなわち、ID受付部110が最初に出力機器IDを取得するときにのみ参照データテーブルの取得処理を実行することとなる。
パスコード設定部112は、画像出力モードでの撮像により得られた撮像画像データについて、図5で示されるような、出力機器IDと、パスワードと、共通コードとで構成されるパスコードを設定するものである。パスコード設定部112は、設定したパスコードを撮像画像データと対応付けて記憶部108に格納する。
パスコード設定部112は、表示部105に出力機器ID、パスワードおよび共通コードを入力する画面を表示し、入力部106への入力に従ってパスコードを設定する。このとき、パスコード設定部112は、記憶部108に記憶されている出力機器IDの一覧を表示部105に表示し、ユーザ入力に応じてその中の一つを選択してもよい。また、パスコード設定部112は、記憶部108に記憶されている共通コードの一覧を表示部105に表示し、ユーザ入力に応じてその中の一つを選択してもよい。また、パスワードについては、パスコード設定部112は、記憶部108に記憶されているパスワードの一覧を表示部105に表示し、ユーザ入力に応じてその中の一つを選択してもよいし、パスワードを構成する文字や記号を直接入力する旨の指示を表示部105に表示し、ユーザ入力に応じてパスワードを設定してもよい。
そして、パスコード設定部112は、ユーザ入力に応じて設定された出力機器ID、パスワードおよび共通コードからなるパスコードを作成する。
なお、パスコード設定部112は、撮像画像データを画像出力装置200に送信する前に、パスコードの設定処理を行えばよい。つまり、撮像時にパスコードを設定してもよいし、撮像した後、撮像画像データを画像出力装置200に送信する直前にパスコードを設定してもよい。
撮像部101は、CCDセンサ、CMOSセンサを用いて、撮像対象物の撮像を行い、撮像により得られた撮像画像データを出力するものである。
撮像画像判定部102は、画像出力モードが選択されている際に、撮像部101から出力された撮像画像データが画像出力に適した画像データであるための処理実行条件を満たしているか否かを判定するものである。撮像画像判定部102は、その判定結果を制御部109に出力する。撮像画像判定部102における具体的な処理については後述する。
画像処理部103は、撮像部101で撮像された画像のデータに対してA/D変換処理を行うとともに、上述したシャフリング処理を実行するものである。
図1に示されるように、画像処理部103は、テーブル選択部103aと符号化部103bとを備えている。
テーブル選択部103aは、パスコード設定部112が設定したパスコードの中の共通コードに対応する参照データテーブルを記憶部108から読み出すものである。
符号化部103bは、テーブル選択部103aにより読み出された参照データテーブルを用いて、撮像画像データのシャフリング処理を実行するものである。そして、符号化部103bは、符号化(シャフリング処理)を行った撮像画像データを記憶部108に格納する。ここで、参照データテーブルの大きさが撮像画像データよりも小さい場合、図10に示されるように、撮像画像データを参照データテーブルと同じ大きさを有する複数のブロックに分割し、各ブロックに対して参照データテーブルを用いてシャフリング処理を実行すればよい。
なお、符号化部103bは、撮像画像データのRGBの各プレーンに対して、同一の参照データテーブルを用いてシャフリング処理を実行する。
通信部104は、USB(Universal Serial Bus)1.1またはUSB2.0の規格に基づく、シリアル転送/パラレル転送、無線データ通信機能を有するものである。通信部104は、撮像部101により撮像され、画像処理部103にてシャフリング処理を含む画像処理が施された撮像画像データを画像出力装置200に送信する。ただし、通信部104は、撮像画像判定部102により処理実行条件を満たしていると判定された撮像画像データのみを送信する。また、通信部104は、入力部106への入力に従って、記憶部108に格納されたパスコードの中から一つのパスコードを特定し、特定したパスコードを付けて撮像画像データを画像出力装置200に出力する。
表示部105は、例えば液晶ディスプレイなどにより構成されるものである。また,入力部106は、複数のボタンを有しており、ユーザがデータの入力を行うためのものである。
記憶媒体アクセス部107は、携帯端末装置100の各処理を行うためのプログラムが記録された記録媒体から、プログラムを読み出すものである。
また、記憶部108は、携帯端末装置100の各処理を行うためのプログラム、携帯端末装置100の機種情報、ユーザ情報や処理を行う際に必要なデータを格納するものである。なお、ユーザ情報とは、携帯端末装置100のユーザを識別する情報であり、例えば、ユーザIDおよびパスワードなどである。また、処理を行う際に必要なデータとは、パスコードや、共通コードと参照データテーブルとを対応付けた情報である。さらに、記憶部108は、画像出力モードで撮像することにより得られた撮像画像データを記憶する。
制御部109は、携帯端末装置100の各部の制御を行うものである。
具体的には、制御部109は、入力部106に出力機器IDの取得指示が入力されると、通信部104を制御して、指示された画像出力装置200との通信を開始させる。そして、ID受付部110に対して出力機器IDの取得処理を実行させる。このとき、制御部109は、パスワードの入力を促す画面を表示部105に表示する。そして、制御部109は、入力されたパスワードを画像出力装置200に送信するとともに記憶部108に格納するようにID受付部110を制御する。
また、制御部109は、入力部106に画像出力モードを選択する旨の指示が入力された場合、画像出力装置200での出力処理の種類(印刷処理、ファイリング処理、メール送信処理など)の選択指示、ならびに、選択した出力処理を実行するための設定条件(印刷枚数などの印刷条件、ファイリング先のサーバのアドレス、メールの送信先アドレスなど)の入力を促す画面を表示部105に表示する。そして、制御部109は、入力部106から、出力処理の種類および出力処理の設定条件を示す出力処理情報を取得する。
そして、制御部109は、撮像画像判定部102により処理実行条件を満たしていると判定された撮像画像データに、ファイルネーム、ならびに、出力処理情報を付け、記憶部108に一時的に格納しておく。
さらに、入力部106に画像出力モードを選択する旨の指示が入力された場合、制御部109は、パスコードの選択指示の入力を促す画面を表示部105に表示し、テーブル選択部103aに対して、ユーザ入力に応じた参照データテーブルの選択処理を実行させる。そして、画像出力モードが選択された撮像画像データに対するシャフリング処理を符号化部103bに実行させる。
その後、制御部109は、入力部106への送信指示の入力に従って、シャフリング処理が施された撮像画像データを、ファイルネーム、出力処理情報、および、ユーザ入力に従って選択されたパスコードと合わせて画像出力装置200に送信する送信処理を、通信部104に実行させる。
(3)撮像画像判定部の処理について
次に、携帯端末装置100の撮像画像判定部102における具体的な判定処理について説明する。撮像画像判定部102は、撮像画像データが、明るさ、コントラスト、カラーバランス、ブレ(激しい手ぶれ)などの点で所定の処理実行条件を満たしているか否かを判定する。
明るさについては、例えば露出オーバー(明るすぎる)やアンダー(暗すぎる)の場合に再度の撮像が必要となるケースが考えられる。そこで、撮像画像判定部102は、例えば、画像データの画素値のうち、最大のものと最小のものを求め、最大値がある閾値(例えば8ビットで100など)以下であれば、露出アンダーとし、最小値がある閾値(例えば8ビットで150など)以上であれば、露出オーバーとする判定結果を制御部109に出力する。そして、制御部109は、露出アンダーまたは露出オーバーの判定結果を受けると、その旨および再撮像を促す指示を表示部105に表示させる。もしくは、制御部109は、露出アンダーの場合には、撮像部101における露光時間を長くするように設定変更し、露出オーバーの場合には、露光時間を短くするように設定変更する。その後、制御部109は、ユーザに再撮像を促す指示を通知してもよい。
コントラストについては、撮像画像判定部102は、画像データの画素値のうちの最大・最小の差分値が所定閾値以下の場合、コントラスト不足と判定する。そして、制御部109は、コントラスト不足との判定結果を受けると、その旨および再撮像を促す指示を表示部105に表示させる。
なお、明るさ・コントラストの判定において、撮像画像判定部102は、各色チャンネルに対して判定を行っても良いし、平均値(R+G+B/3)や明度値(0.299×R+0.587×G+0.114×B:NTSC準拠)を用いても良い。
カラーバランスについては、各色チャンネル(RGB)の平均値や最大・最小値の比較を行うことで、ある一つのチャンネルに過度の偏りが発生していることを把握できる。そこで、撮像画像判定部102は、例えば、撮像画像中の最大明度値付近の値(最大明度〜最大明度−5程度)を持つ画素値の各色チャンネルの値の平均値(Ra,Ga,Ba)を求め、その各色チャンネルの最大値と最小値の差分が値に応じた一定値以上[Max(Ra,Ga,Ba)−Min(Ra,Ga,Ba)>0.1×Max(Ra,Ga,Ba)]である場合に、カラーバランス不良であると判定する。そして、制御部109は、カラーバランス不良であるとの判定結果を受けると、その旨および再撮像を促す指示を表示部105に表示させる。
ブレ(激しい手ぶれ:いわゆるモーションブラー)については、発生時にエッジの先鋭性が低下することから、撮像画像判定部102は、エッジ抽出フィルタを用いて、エッジ強度画像を作成してヒストグラムを取り、その標準偏差値(前記分散の二乗根)を求める。そして、当該標準偏差値が所定閾値(例えば5)以下の場合、ブレが発生していると判定する。そして、制御部109は、ブレが発生しているとの判定結果を受けると、その旨および再撮像を促す指示を表示部105に表示させる。
(4)画像出力装置の構成
次に、本実施形態に係る画像出力装置200の構成について説明する。本実施形態において、画像出力装置200は、スキャナ、プリンタ、複写機等の機能を備えた複合機である。
図11は、画像出力装置200の構成を示すブロック図である。画像出力装置200は、画像読取部201、パスワード受付部211、画像処理部202、認証部(判定部)203、画像形成部(出力部)204、表示部205、入力部206、第1通信部(画像データ受信部)207、第2通信部(出力部)208、記録媒体アクセス部209、記憶部(第2記憶手段)210、および制御部(出力部)212を備えている。
画像読取部201は、原稿を読み取るものであり、CCD(Charge Coupled Device)を備えたスキャナ部を有し、原稿から反射してきた光を、RGBに色分解された電気信号(アナログの画像信号)に変換し、この電気信号を出力するものである。
パスワード受付部211は、携帯端末装置100から出力機器IDの送信要求を受信した際に、記憶部210に格納されている自装置(画像出力装置200)を特定する出力機器ID(第1識別情報)を、当該携帯端末装置100に送信するものである。また、パスワード受付部211は、携帯端末装置100から受信したパスワードを記憶部210に格納する。さらに、パスワード受付部211は、携帯端末装置100から参照データテーブルの送信要求を受けると、記憶部210に格納されている全ての参照データテーブルの各々と当該参照データテーブルのテーブル番号を示す共通コード(第2識別情報)とを対応付けて携帯端末装置100に返信する。
画像処理部202は、画像データに対して、所定の画像処理を行うものである。本実施形態では、画像処理部202は、携帯端末装置100から送信された撮像画像データに対して復号化処理を施す。画像処理部202が撮像画像データに対して行う画像処理の詳細については後述する。
認証部203は、携帯端末装置100から受信した撮像画像データの出力処理を行う際に、当該撮像画像データに付加されたパスコードの中の出力機器IDおよびパスワードの認証を行うものである。具体的には、認証部203は、携帯端末装置100から受信した出力機器IDおよびパスワードが、記憶部210に格納されている出力機器IDおよびパスワードと一致する場合に認証成功と判定する。認証部203は、認証結果を制御部212に送る。
画像形成部204は、例えば電子写真方式やインクジェット方式を用いて、紙などの記録用紙上に画像を形成するものである。すなわち、画像形成部204は、出力処理の一つである印刷処理を実行するものである。
表示部205は、例えば液晶ディスプレイ等より構成される。また、入力部206は、例えば液晶ディスプレイのタッチパネルやボタンを押すことなどによりデータの入力を行うためのものである。
第1通信部207は、USB1.1またはUSB2.0の規格に基づく、シリアル転送やパラレル転送、無線データ通信機能を有するものである。第1通信部207は、携帯端末装置100から、ファイルネーム、携帯端末装置100の機種情報、ユーザ情報および出力処理情報が付加された撮像画像データを受信する。
第2通信部208は、(a)無線LANの規格である、IEEE802.11a、IEEE802.11bおよびIEEE802.11gのいずれかに基づく無線技術を利用したデータ通信、(b)イーサネット(登録商標)を利用した通信用インターフェースの機能を有し、LANケーブルを介した、ネットワークとのデータ通信、(c)無線通信規格である、IEEE802.15.1(いわゆるBluetooth(登録商標))やIrSimpleなどの赤外線通信規格、Felica(登録商標)などの通信方式のいずれかに基づく無線技術を利用したデータ通信、の機能を有するものである。
第2通信部208は、出力処理として、撮像画像データをサーバに格納するファイリング処理、もしくは、撮像画像データを添付したメールを送信するメール送信処理を実行する。
記録媒体アクセス部209は、プログラムが記録された記録媒体から、プログラムを読み出すものである。
記憶部210は、上記各部が処理を実行するためのプログラム、および各種情報を記憶するためのものである。記憶部210は、各種情報として、自身の装置である画像出力装置200を特定するための出力機器ID、パスワード受付部211が受け付けたパスワード、およびコード−テーブル対応情報を記憶している。
ここで、コード−テーブル対応情報とは、共通コード(本実施形態ではテーブル番号である)と、当該共通コードで識別される参照データテーブルと、当該参照データテーブルを用いてシャフリング処理が実行された画像データをもとの画像データに戻すための逆変換テーブルとを対応付けた情報である。なお、記憶部210は、予め作成された複数種類の参照データテーブルと、各々に対応する逆変換テーブルとを記憶している。
また、本実施形態では、撮像画像処理システムに含まれる複数の画像出力装置200の各々が有する記憶部210は、それぞれ同じコード−テーブル対応情報を予め記憶している。そのため、これら複数の画像出力装置200は、同じ共通コードを受け付けると、同じ参照データテーブルおよび逆変換テーブルを特定することができる。
制御部212は、画像出力装置200の各部の制御を行うものである。具体的には、制御部212は、第1通信部207が携帯端末装置100から撮像画像データおよびパスコードを受信すると、当該撮像画像データおよび共通コードを画像処理部202に出力し、画像処理を実行させる。また、制御部212は、撮像画像データに付けられているパスコードの中の出力機器IDおよびパスワードを認証部203に出力し、認証部203に認証処理を実行させる。
制御部212は、認証部203から認証成功の認証結果を受けると、画像処理部202による所定の画像処理が実行された撮像画像データについて、携帯端末装置100から受信した出力処理情報に従って処理を実行させる。すなわち、出力処理情報が印刷処理を示している場合、制御部212は、画像処理部202により画像処理が実行された撮像画像データに基づいた印刷を画像形成部204に実行させる。また、出力処理情報がファイリング処理またはメール送信処理を示している場合、制御部212は、画像処理部202により画像処理が実行された撮像画像データに基づいたファイリング処理またはメール送信処理を第2通信部208に実行させる。
(5)参照データテーブルの作成方法
次に、記憶部210に格納されている参照データテーブルの作成方法について説明する。
参照データテーブルの各要素は、画像処理のハーフトーン処理で用いられるブルーノイズマスクのデータを流用することができる。ブルーノイズマスクのデータ作成方法としては、特開2002−44445内で紹介されている、文献「Proc.SPIE,1913,332−343(1993),R.Ulichney“The Void-and-cluster method fordither arraygeneration”」を用いることができる。特開2002−44445では、上記文献で作成したブルーノイズは、ドットがランダムであることに起因する局所的なざらつきと、ハーフトーン化の際に周期的にランダムパターンを繰り返して配置することから、マトリックスサイズを周期とする大域的なざらつきが現れやすく、画質の低下につながるという問題があるが、本実施形態では、画素をランダムに配置することを目的としているので、上記課題は問題とはならない。
なお、参照データテーブルの各要素の作成は、一般的なランダムノイズを用いて作成することも可能である。
そして、このようにして作成された参照データテーブルが各画像出力装置200の記憶部210に予め格納されている。
(6)画像処理部における画像処理について
次に、画像処理部202が実行する画像処理の詳細について説明する。なお、画像処理部202は、画像読取部201が読み取った画像データに対しても画像処理を行うが、ここでは、携帯端末装置100から受信した撮像画像データに対する画像処理の内容について説明する。
図12は、画像処理部202の内部構成を示すブロック図である。図1に示されるように、画像処理部202は、画質調整部221および復号化部222を備えている。以下、各部の具体的な処理内容を順に説明する。
(6−1)復号化部
復号化部222は、シャフリング処理が施された撮像画像データに対して復号化処理を実行するものである。
復号化部222は、撮像画像データに付加されていたパスコードの中の共通コードに対応する逆変換テーブルを記憶部210から読み出す。そして、復号化部222は、シャフリング処理と同様に、読み出した逆変換テーブルを用いて撮像画像データの画素位置を変更する。これにより、共通コードが正規のものである場合、復号化部222は、画素位置が正規の順で配列された撮像画像データを生成することができる。
(6−2)画質調整部
画質調整部221は、撮像画像データのカラーバランス、コントラストの補正を行うものである。画質調整部221は、復号化部222により復号化された撮像画像データについて、各色チャンネルの最大値・最小値を求め、これらを揃えるようなルックアップテーブルを作成し、各色チャンネルに適用する。具体的には、画質調整部221は、ルックアップテーブルとして、図13に示すように、あるチャンネルの最大値がMX、最小値がMNであり、データが8bitのとき、MNから(MX−MN)/255のステップで増加させていくようなテーブルを作成すればよい。そして、画質調整部221は、作成したテーブルに従って、各画素値を変換する。これにより、カラーバランスが補正される。
また、画質調整部221は、コントラストの補正についても同様の方法で実行する。なお、カラーバランスを特に変える必要がなければ、各色チャンネルに適用するルックアップテーブルを同一のものとすればよい。
なお、カラーバランス・コントラストの補正方法についてはその他の公知の技術を適用してもよい。
(7)パスコードの設定処理について
次に、パスコードの設定処理について説明する。なお、上述したように、パスコードを設定するためには、携帯端末装置100は、事前に、出力機器IDおよび参照データテーブルを取得しておく必要がある。また、携帯端末装置100は、パスワードを画像出力装置200に送信して登録しておく必要がある。
まずは、出力機器IDの取得について説明する。携帯端末装置100のユーザは、撮像画像データの出力を希望する画像出力装置200と携帯端末装置100との通信回線を確立させる。具体的には、携帯端末装置100を操作することで、携帯端末装置100と画像出力装置200との間で無線通信やインターネット回線を介した通信を確立させる。もしくは、特開2009−100191号に開示されているように、携帯端末装置100の通信部104がICタグやRFIDのような識別標識を有しており、画像出力装置200の第1通信部207がこのような識別標識との間に近距離無線通信を行うことができる識別標識読取書込機を有している場合、携帯端末装置100を識別標識読取書込機にかざすことで、携帯端末装置100と画像出力装置200との間の通信を確立させてもよい。
通信回線が確立すると、携帯端末装置100のID受付部110は、「セッションID送信メッセージ」を画像出力装置200に送信する。このセッションID送信メッセージは、「メッセージID、セッションID」から構成されているため、当該メッセージの送信により、画像出力装置200には、生成されたセッションIDが受け渡されることになる。なお、画像出力装置200も、セッションID送信メッセージを常時受信することが可能な状態(待機状態)に設定されている。
次いで、画像出力装置200のパスワード受付部211は、携帯端末装置100からセッションIDを受信した段階で、「登録依頼メッセージ」を送信する。ここで、登録依頼メッセージは、「メッセージID、セッションID、出力機器ID」から構成されているため、当該メッセージの送信により、セッションIDと出力機器IDとが受け渡されることになる。これにより、出力機器ID取得部は、出力機器IDを画像出力装置200から取得することができる。なお、「出力機器ID」としては、複合機のIPアドレスやIPアドレスからハッシュ関数等により算出される値(例えば、暗号化等で一般に利用されるSHA−256等のアルゴリズムによって計算される値)を用いることができる。
次に、パスワードの登録方法の流れについて説明する。上記のように、携帯端末装置100と画像出力装置200との間で通信が確立している状態で、携帯端末装置100のID受付部110は、入力部106に入力されたパスワードを画像出力装置200に送信する。一方、画像出力装置200のパスワード受付部211は、受信したパスワードを記憶部210に格納する。これによりパスワードの登録処理が終了する。
このパスワードは、特定された画像出力装置200に対しての撮像画像データの転送が信頼できるものであることを証明することができるものである。そのため、パスワードは、画像出力装置200毎に変更することができる。すなわち、撮像画像データごとに異なる画像出力装置200から出力させたい場合、予め当該複数の画像出力装置200の各々に対してパスワードの登録処理を行っておく。このとき、画像出力装置200毎に異なるパスワードを登録すればよい。
また、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、記憶部108に参照データテーブルが格納されていない場合、出力機器IDの取得やパスワードの登録処理のために携帯端末装置100と画像出力装置200との間の通信が確立している期間に、参照データテーブルの送信要求を画像出力装置200に送信する。そして、画像出力装置200のパスワード受付部211は、記憶部210に格納されている全ての参照データテーブルの各々と当該参照データテーブルのテーブル番号を示す共通コードとを対応付けて携帯端末装置100に返信する。これにより、携帯端末装置100は、参照データテーブルを取得することができる。
このようにして携帯端末装置100が出力機器IDおよび参照データテーブルを取得すると、パスコード設定部112は、ユーザ入力に応じてパスコードを設定することができる。
パスコード設定部112は、複数の撮像画像データに対して同じパスコードを設定することもできる。この場合、パスコード設定部112は、撮像済の撮像画像データの一覧を表示部105に表示して、同一のパスコードを設定する撮像画像データを選択する指示の入力を促す。そして、パスコード設定部112は、選択された複数の撮像画像データに対して、ユーザ入力に応じてパスコードを設定すればよい。
もしくは、パスコード設定部112は、撮像部101が撮像する前にパスコードを設定してもよい。そして、パスコード設定部112は、撮像部101の撮像により得られる撮像画像データに対して事前に設定されたパスコードを付与してもよい。
また、パスコード設定部112は、撮像画像データごとに異なるパスコードを設定してもよい。すなわち、撮像画像データを順次表示部105に表示し、その都度パスコードの入力を促す画面を表示してもよい。もしくは、パスコード設定部112は、撮像部101が画像出力モードで撮像するたびに、パスコードの入力を促す画面を表示してもよい。
(8)撮像画像処理システムの画像処理の流れ
以下、本実施形態に係る撮像画像処理システムの処理の流れについて説明する。なお、図14は携帯端末装置100の処理フローを示し、図15は画像出力装置200の処理フローを示している。
まず、図14を参照しながら携帯端末装置100の処理フローについて説明する。携帯端末装置100では、画像出力モードでの撮像指示の入力の有無を確認する(S10)。画像出力モードの選択入力を受け付けた携帯端末装置100では、制御部109は、出力処理の種類および出力処理のための設定条件の入力を促す画面を表示部105に表示し、入力部106から出力処理情報を取得する。
そして、撮像部101は、シャッターが押下されたことを検知すると、撮像する(S11)。
次に、画像処理部103は、撮像した画像のデータに対して少なくともA/D変換処理を行う。その後、A/D変換処理された撮像画像データに対して、撮像画像判定部102は、上記(3)で記載したように、処理実行条件を満たすか否かを判定する(S12)。
撮像画像判定部102が処理実行条件を満たさないと判定した場合(S12でNO)、制御部109は、表示部105に再撮像の旨を示すメッセージなどを表示して、ユーザに通知する(S13)。再撮像した画像であっても、上述した判定項目などを満足しない場合、携帯端末装置100はステップS11〜S13を繰り返して行う。
一方、撮像画像判定部102が処理実行条件を満たすと判定した場合(S12でYES)、制御部109は、処理実行条件を満たす撮像画像データにファイルネームを付ける(S14)。なお、制御部109は、例えば、撮像日時に従った連続番号など各撮像画像データについて異なるファイルネームを自動的に付けても良いし、入力部106に入力されたファイルネームを付けてもよい。その後、制御部109は、ファイルネームが付けられた撮像画像データを記憶部108に格納する(S15)。
次に、制御部109は、設定されたパスコードの共通コードをテーブル選択部103aに送る。テーブル選択部103aは、共通コードに対応する参照データテーブルを記憶部108から読み出す(S16)。図16は、参照データテーブルの選択処理を示す図である。図16で示されるように、記憶部108において、参照データテーブルがテーブル番号と対応付けて格納されている。そして、テーブル選択部103aは、共通コードで示されるテーブル番号に対応する参照データテーブルを選択すればよい。
そして、符号化部103bは、テーブル選択部103aが読み出した参照データテーブルを用いて、S15で記憶部108に格納された撮像画像データに対してシャフリング処理を実行し、シャフリング処理が施された撮像画像データをパスコードおよび出力処理情報と対応づけて記憶部108に格納する(S17)。
その後、制御部109は、撮像画像データの送信指示が入力部106に入力されたことを受けて、符号化部103bによりシャフリング処理が施された撮像画像データを、出力処理情報およびパスコードとともに画像出力装置200に送信するように、通信部104を制御する(S18)。なお、本実施形態では、携帯端末装置100と画像出力装置200とは近距離無線通信の方式を用いて通信を行う。そのため、ユーザは、携帯端末装置100を持って画像出力装置200の近傍まで来た後に、送信指示を入力する。
次に、図15を参照しながら画像出力装置200の処理フローを説明する。まず、画像出力装置200の第1通信部207は、携帯端末装置100から、撮像画像データ、パスコードおよび出力処理情報を受信する(S20)。
認証部203は、受信したパスコードの中の出力機器IDおよびパスワードの認証処理を行う(S21)。具体的には、パスコードの中の出力機器IDおよびパスワードが、記憶部210に格納されている出力機器IDおよびパスワードと一致するか否かを判定し、一致する場合に認証成功とする。
認証成功の場合(S22でYes)、画像処理部202の復号化部222は、パスコードの中の共通コードに対応する逆変換テーブルを、記憶部210に格納されているコード−テーブル対応情報から読み出す(S23)。そして、復号化部222は、読み出した逆変換テーブルを用いて、受信した撮像画像データの画素位置の変換処理(復号化処理)を行う(S24)。これにより、画素位置が正規の順に配列された撮像画像データを得ることができる。
その後、画質調整部221は、復号化された撮像画像データについて、例えば上記(5−2)に説明したとおり、カラーバランス、コントラストの補正を行う(S25)。
続いて、制御部212は、S25の処理が施された撮像画像データの出力処理を、携帯端末装置100から受信した出力処理情報に従って実行させる(S26)。
例えば、出力処理情報が印刷処理を示している場合、制御部212は、S25の処理が施された撮像画像データで示される画像の印刷を画像形成部204に実行させる。また、出力処理情報がファイリング処理またはメール送信処理を示している場合、制御部212は、S25の処理が施された撮像画像データに基づいたファイリング処理またはメール送信処理を第2通信部208に実行させる。その後、処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、出力を希望する1または複数の画像出力装置200から予め出力機器IDを取得しておく。また、複数の画像出力装置200が同一の逆変換テーブルを記憶しておき、携帯端末装置100は、当該逆変換テーブルに対応する参照データテーブルを取得しておく。そして、携帯端末装置100は、当該参照データテーブルを用いて撮像画像データのシャフリング処理を実行する。その後、携帯端末装置100は、シャフリング処理が施された撮像画像データを、参照データテーブルおよび逆変換テーブルを特定するテーブル番号である共通コードと出力機器IDとを付けて画像出力装置200に送信する。
一方、画像出力装置200では、受信した出力機器IDが自身の出力機器IDと一致する場合にのみ、受信した撮像画像データを共通コードを用いて復号化し、画像出力する。
これにより、ユーザが誤って別の画像出力装置200に撮像画像データを送信したとしても、画像出力装置200において出力機器IDの認証が失敗するため、画像出力が実行されることがない。また、画像出力を希望していた画像出力装置200が故障等で動作していない場合であっても、予め出力機器IDを取得していた別の画像出力装置200に対して、撮像画像データと当該出力機器IDおよび共通コードとを送信することで画像出力を実行させることができる。
(9)変形例
本発明の撮像画像処理システムは、上記の実施形態に限定されることがなく、様々な変更が可能である。以下、変形形態の具体例について説明する。
(9−1)シャフリング方法
上記の説明では、符号化部103bで実行されるシャフリング処理の方法を、RGBの全ての色成分に対して同じ一つの参照データテーブルを用いる方法(シャフリング方法a)とした。しかしながら、シャフリング処理の方法は、上記シャフリング方法aに限定されるものではない。以下のようなシャフリング方法b〜eであってもよい。
・シャフリング方法b:RGBの全ての色成分に対して同じ参照データテーブルを用い、かつ、ブロックの順序も変更する。
・シャフリング方法c:RGBの全ての色成分に対して同じ参照データテーブルを用いるが、ブロック毎に異なる参照データテーブルを用いる。
・シャフリング方法d:RGBの色成分ごとに異なる一つの参照データテーブルを用いる。
・シャフリング方法e:RGBの色成分ごとに異なる参照データテーブルを用い、かつ、ブロック毎に異なる参照データテーブルを用いる。
以下、各方法の詳細について説明する。なお、以下では符号化について説明するが、復号化は、逆変換テーブルを用いて符号化と同様の処理を行えばよい。
(シャフリング方法b)
シャフリング方法bでは、まず、参照データテーブルと同じサイズの複数のブロックに撮像画像データを分割する。そして、各ブロックの画素位置について参照データテーブルを用いて画素位置を変更するシャフリング処理を実行する。さらに、ブロック単位でも同一の参照データテーブルを用いてブロック位置を変更するシャフリング処理を実行する。
図17は、シャフリング方法bを示す図である。図17で示されるように、撮像画像データは、8×8の画素群を一つのブロックとするとき、8×8のブロックに分割される。そして、各ブロックにおいて、当該ブロックを構成する画素の位置を、8×8の同一の参照データテーブルを用いて変更する。さらに、8×8のブロック群を構成する各ブロックの位置についても、8×8の参照データテーブルを用いて変更する。このように、各ブロックの画素単位でのシャフリングを行うとともに、ブロック単位でもシャフリングを行うため、撮像画像データの秘匿性を高めることができる。
ここで、図17で示されるように、撮像画像データを構成するブロックの行列数と各ブロックを構成する画素の行列数とが同一(例えば8×8)である場合、同一の参照データテーブルを用いることができる。
一方、図18で示されるように、撮像画像データを構成するブロックの行列数(5×5)と、各ブロックを構成する画素の行列数(8×8)とが異なる場合、画素単位でのシャフリング処理には8×8の参照データテーブルを用い、ブロック単位でのシャフリング処理には5×5の参照データテーブルを用いる必要がある。
なお、シャフリング方法bでは、RGBの色成分について、同じ方法でシャフリングを行うものとする。
(シャフリング方法c)
シャフリング方法aでは、図10に示すように、参照データテーブルと同サイズの複数のブロックに撮像画像データを分割した場合、各ブロックに対して同じ参照データテーブルを用いてシャフリングするものとした。これに対し、シャフリング方法cでは、複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる参照データテーブルを割り当て、各グループに属するブロックに対しては、当該グループに割り当てられた参照データテーブルを用いてシャフリングを行う。例えば、図10の例の場合、ブロック(1)(4)に対して共通コード1の参照データテーブルを用いてシャフリングを行い、ブロック(2)(3)に対して共通コード2の参照データテーブルを用いてシャフリングを行ってもよいし、ブロック(1)〜(4)に対して、それぞれ共通コード1〜4の参照データテーブルを用いてシャフリングを行ってもよい。
なお、シャフリング方法cでは、RGBの色成分について、同じ方法でシャフリングを行うものとする。
(シャフリング方法d)
シャフリング方法dでは、RGBの各色成分について一つの参照データテーブルを用いて画素単位のシャフリングを行う点でシャフリング方法aを一致する。ただし、シャフリング方法dでは、RGBの各色成分ごとに、異なる参照データテーブルを用いるものとする。
(シャフリング方法e)
シャフリング方法cおよびdを組み合わせた方法である。すなわち、複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる参照データテーブルを割り当て、各グループに属するブロックに対しては、当該グループに割り当てられた参照データテーブルを用いてシャフリングを行う。また、RGBの色成分ごとに異なる参照データテーブルを用いる。
次の共通サブコードについて説明する。シャフリング方法aの場合、一つの参照データテーブルのテーブル番号を示す共通コードにより参照データテーブルおよび逆変換テーブルを特定でき、符号化・復号化を実現できる。しかしながら、上記のシャフリング方法b〜eでは、複数の参照データテーブルを用いる場合があり、上述した共通コードのみでは複数のテーブルを特定することができない。そのため、シャフリング方法b〜eでは、共通コードに付加して、もしくは、共通コードの代わりに、共通サブコードを用いる。
図19は、共通サブコードを用いたパスコードの構成、および、共通サブコードの構成を示す図である。図19に示されるように、共通サブコードを用いる場合、パスコード設定部112は、出力機器ID、パスワード、共通コード、および共通サブコードから構成されるパスコードを設定する。
そして、共通サブコードは、図19に示されるように、RGBの各プレーンごとに、画素単位のシャフリングに用いる参照データテーブルの数Tnおよびそのテーブル番号Noと、ブロック単位のシャフリングに用いる参照データテーブルの数Tnbおよびそのテーブル番号Nobとを含む。
上記のシャフリング方法a〜eごとに、共通サブコードがどのように設定されるか説明する。
シャフリング方法aの場合、共通サブコードは、RGBの全てに対して、Tn=1、No=m(m=1〜N)、Tnb=0、Nob=0 が設定される。なお、シャフリング方法aの場合、共通コードがNoを示すので、共通サブコードを空白にしておいてもよい。
シャフリング方法bの場合、共通サブコードは、RGBの全てに対して、同じ値が設定される。そして、共通サブコードは、画素単位のシャフリングとブロック単位のシャフリングとで同じ参照データテーブルを用いる場合、Tn=1、No=m(m=1〜N)、Tnb=1、Nob=m が設定される。一方、図18に示すように、画素単位のシャフリングとブロック単位のシャフリングとで異なる参照データテーブルを用いる場合、共通サブコードは、Tn=1、No=m(m=1〜N)、Tnb=1、Nob=k(k=1〜N) が設定される。
シャフリング方法cの場合も、共通サブコードは、RGBの全てに対して、同じ値が設定される。そして、共通サブコードは、例えば、Tn=2、No=p、q(p、q=1〜N)、Tnb=0、Nob=0 が設定される。
シャフリング方法dの場合、共通サブコードは、RGB毎に異なる値が設定される。例えば、R信号に対して、Tn=1、No=a(a=1〜N)、Tnb=0、Nob=0、G信号に対して、Tn=1、No=b(b=1〜N)、Tnb=0、Nob=0、B信号に対して、Tn=1、No=c(c=1〜N)、Tnb=0、Nob=0 が設定される。
シャフリング方法eの場合も、共通サブコードは、RGB毎に異なる値が設定される。例えば、R信号に対して、Tn=2、No=a、b(a、b=1〜N)、Tnb=0、Nob=0、G信号に対して、Tn=2、No=b、c(b、c=1〜N)、Tnb=0、Nob=0、B信号に対して、Tn=2、No=c、a(c,a=1〜N)、Tnb=0、Nob=0 が設定される。
なお、シャフリング方法b〜eのように複数の参照データテーブルを用いる場合、パスコード設定部112は、ユーザ入力に従って共通サブコードを設定してもよい。もしくは、パスコード設定部112は、1〜Nの中からランダムに選択したテーブル番号を用いてもよい。例えば、パスコード設定部112は、設定するタイミングで乱数を生成し、生成した乱数に基づいて1〜Nの中のテーブル番号を選択する。
また、シャフリング方法c,eの場合にはブロック毎に異なる参照データテーブルを用いるため、パスコード設定部112は、どのブロックにどのテーブル番号の参照データテーブルを用いるかを示すブロック情報を共通サブコードに含める。
ブロック情報としては、乱数を用いることもできる。例えば、パスコード設定部112は、テーブル番号Noの値が2つである場合、一方のNoの値に対して乱数を生成し、生成した乱数に対応するブロックを当該Noの値の参照データテーブルでシャフリングし、それ以外のブロックを他方のNoに対応する参照データテーブルでシャフリングすると設定する。なお、乱数の代わりに、ブルーノイズを用いることもできる。
また、ブロック情報として、一つの参照データテーブルを用いることもできる。例えば、パスコード設定部112は、テーブル番号Noの値が2つである場合、ブロックの行列数と同じ行列数を有する一つの参照データテーブルを指定する。そして、当該参照データテーブルにおいて、シャフリング前の位置が偶数行であるシャフリング後の位置に対応するブロックを、一方のテーブル番号Noの値に対応する参照データテーブルでシャフリングし、残りのブロックを他方のテーブル番号Noの値に対応する参照データテーブルでシャフリングする。
また、符号化部103bは、上記のシャフリング方法a〜eのいずれの方法でもシャフリング処理を行うことが可能であり、ユーザにより選択されたシャフリング方法でシャフリング処理を実行してもよい。この場合、パスコード設定部112は、パスコードの中に、シャフリング方法を識別する方法コード(第3識別情報)を含める。
上記のシャフリング方法a〜eは、符号化後の撮像画像データの秘匿性に違いがある。シャフリング方法cおよびeの秘匿性が最も高く、その次にシャフリング方法bおよびdの秘匿性が高く、シャフリング方法aの秘匿性が最も低い。そこで、パスコード設定部112は、ユーザに対して要求する秘匿性の高さの入力を促し、入力された秘匿性の高さに応じてシャフリング方法を選択してもよい。もしくは、パスコード設定部112は、シャフリング方法a〜eの選択指示の入力をユーザに促して、ユーザ入力に従ってシャフリング方法を選択してもよい。そして、パスコード設定部112は、選択したシャフリング方法に対応する方法コード(第3識別情報)をパスコードに含める。
そして、携帯端末装置100の符号化部103bおよび復号化部222は、パスコードに含まれる方法コード(第3識別情報)に従ってシャフリング方法を特定し、共通サブコードを用いて符号化および復号化すればよい。
(9−2)参照データテーブルの取得方法
上記の説明では、複数の画像出力装置200が同じコード−テーブル対応情報を予め記憶しておき、携帯端末装置100が最初にいずれかの出力機器IDを取得するときに、画像出力装置200から全ての参照データテーブルとその共通コードを取得し、その中からシャフリング処理で用いる参照データテーブルを選択するものとした(取得パターンa)。
しかしながら、参照データテーブルの取得方法はこれに限定されるものではなく、以下のような取得パターンb〜iであってもよい。
(取得パターンb)
取得パターンbでは、取得パターンaと比較して、画像出力装置200から全ての参照データテーブルとその共通コードを取得するのではなく、携帯端末装置100のテーブル取得部111がシャフリング処理を実行するのに必要な数(1または複数)の参照データテーブルとその共通コードとを取得する点で相違する。図33は、取得パターンbを示す図である。
この取得パターンであっても、取得パターンaと同様に、複数の画像出力装置200が同じコード−テーブル対応情報を予め記憶している。そのため、予め出力機器IDを取得していた複数の画像出力装置200の中の一つが故障していたとしても、他の画像出力装置200に対して同じ共通コードを含むパスコードを設定することで容易に画像出力を実行させることができる。
また、この取得パターンでは、携帯端末装置100が不要な数の参照データテーブルを記憶する必要がないため、携帯端末装置100の記憶部108の容量に余裕ができる。
(取得パターンc)
取得パターンcでは、画像出力装置200の記憶部210は、コード−テーブル対応情報として、共通コードと、当該共通コードで識別される逆変換テーブルとを対応付けた情報を記憶しており、参照データテーブルを記憶しない。この取得パターンcでは、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、画像出力装置200が記憶する全ての逆変換テーブルの送信要求を画像出力装置200に送る。そして、図34に示されるように、当該送信要求を受けて、画像出力装置200のパスワード受付部211は、記憶部210に格納されている全ての逆変換テーブルとその共通コードとを対応付けて携帯端末装置100に返信すればよい。
この取得パターンcでは、携帯端末装置100は、取得した逆変換テーブルに基づいて、当該逆変換テーブルに対応する参照データテーブルを作成し、作成した参照データテーブルと共通コードとを対応付けて記憶部108に格納すればよい。
(取得パターンd)
取得パターンdは、取得パターンcの変形パターンである。取得パターンcでは、画像出力装置200のパスワード受付部211が、記憶部210に格納されている全ての逆変換テーブルとその共通コードとを対応付けて携帯端末装置100に返信するものとした。これに対し、取得パターンdでは、図35に示されるように、パスワード受付部211が、携帯端末装置100におけるシャフリング処理を実行するのに必要な数(1または複数)だけの逆変換テーブルとその共通コードとを対応付けて携帯端末装置100に返信する。そして、携帯端末装置100は、取得した逆変換テーブルに基づいて、当該逆変換テーブルに対応する参照データテーブルを作成し、作成した参照データテーブルと共通コードとを対応付けて記憶部108に格納する。
この取得パターンでは、携帯端末装置100が不要な数の参照データテーブルを記憶する必要がないため、携帯端末装置100の記憶部108の容量に余裕ができる。
(取得パターンe)
取得パターンeでは、取得パターンaと同様に、複数の画像出力装置200が同じコード−テーブル対応情報を予め記憶している。ただし、この取得パターンでは、画像出力装置200とは別の機器であるサーバ装置も、同じコードーテーブル対応情報を予め記憶しておく。そして、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、当該サーバ装置にアクセスして、参照データテーブルとその共通コードとを取得する。例えば、携帯端末装置100は、画像出力装置200から出力機器IDを取得する際にサーバ装置のアドレスも取得し、当該アドレスに基づいてサーバ装置にアクセスすればよい。
なお、この取得パターンでは、取得パターンaのように全ての参照データテーブルを取得してもよい。この場合、撮像画像データごとに参照データテーブルを任意に変更することができる。そのため、仮に一つの撮像画像データを傍受して、参照データテーブルを解読されたとしても、他の撮像画像データを正常に復号化することができない。
もしくは、取得パターンbのように、シャフリング処理を実行するのに必要な数(1または複数)の参照データテーブルおよびその共通コードだけを取得してもよい。
(取得パターンf)
取得パターンfでは、取得パターンcと同様に、複数の画像出力装置200が、逆変換テーブルと共通コードとを対応付けたコード−テーブル対応情報を予め記憶している。ただし、この取得パターンでは、画像出力装置200とは別の機器であるサーバ装置も、同じコードーテーブル対応情報を予め記憶しておく。そして、図36に示されるように、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、当該サーバ装置にアクセスして、逆変換テーブルとその共通コードとを取得する。例えば、携帯端末装置100は、画像出力装置200から出力機器IDを取得する際にサーバ装置のアドレスも取得し、当該アドレスに基づいてサーバ装置にアクセスすればよい。そして、携帯端末装置100は、取得した逆変換テーブルに基づいて、当該逆変換テーブルに対応する参照データテーブルを作成し、作成した参照データテーブルと共通コードとを対応付けて記憶部108に格納すればよい。
なお、この取得パターンでは、取得パターンcのように全ての逆変換テーブルを取得してもよい。この場合、撮像画像データごとに参照データテーブルを任意に変更することができる。そのため、仮に一つの撮像画像データを傍受して、参照データテーブルを解読されたとしても、他の撮像画像データを正常に復号化することができない。
もしくは、取得パターンdのように、シャフリング処理を実行するのに必要な数(1または複数)の参照データテーブルおよびその共通コードだけを取得してもよい。
(取得パターンg)
この取得パターンでは、複数の画像出力装置200はコード−テーブル対応情報を予め記憶していない。ただし、当該複数の画像出力装置200および携帯端末装置100がインターネット回線等を介してアクセス可能なサーバ装置が、複数の参照データテーブルと、各参照データテーブルに対応する逆変換テーブルと、一対の参照データテーブルおよび逆変換テーブルを識別する共通コードとを記憶しておく。
そして、携帯端末装置100のパスコード設定部112は、サーバ装置にアクセスして、サーバ装置が記憶する共通コードの中からユーザ入力に応じて選択した共通コードを含むパスコードを設定する。そして、テーブル選択部103aは、パスコード設定部112が設定した共通コードに対応する参照データテーブルをサーバ装置から取得し、符号化部103bは、当該参照データテーブルを用いてシャフリング処理を実行する。
一方、パスコードが付加された撮像画像データを受信した画像出力装置200は、サーバ装置にアクセスして、パスコードの中の共通コードに対応する逆変換テーブルを取得する。そして、復号化部222は、サーバ装置から取得した逆変換テーブルを用いて復号化すればよい。
この取得パターンdによれば、画像出力装置200および携帯端末装置100は、符号化および復号化を実行する際に必要なテーブルをサーバ装置から取得すればよく、常に参照データテーブルまたは逆変換テーブルを記憶しておく必要がない。その結果、記憶部210の容量を有効に活用することができる。
(取得パターンh)
取得パターンhでは、携帯端末装置100が、上記の(5)に記載の方法でランダムに参照データテーブルを作成するテーブル作成部を備えている。そして、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、テーブル作成部が作成した参照データテーブルを取得し、当該参照データテーブルを特定可能なテーブル番号を共通コードとして付与して記憶部108に格納する。そして、図37に示されるように、ID受付部110は、画像出力装置200から出力機器IDを取得する際に、記憶部108に格納された参照データテーブルとその共通コードとを画像出力装置200に送信し登録させる。
一方、画像出力装置200は、携帯端末装置100から参照データテーブルと共通コードとを受け取ると、当該参照データテーブルに対応する逆変換テーブルを作成し、作成した逆変換テーブルと共通コードとを対応付けて記憶部210に格納すればよい。
もしくは、テーブル作成部は、参照データテーブルとともに対応する逆変換テーブルも作成してもよい。この場合、ID受付部110は、逆変換テーブルと共通コードとを画像出力装置200に送信して登録させればよい。
なお、テーブル取得部111は、テーブル作成部から参照データテーブルを取得するのではなく、取得パターンeのようにサーバ装置から参照データテーブルとその共通コードとを取得し、取得した参照データテーブルおよび共通コードを画像出力装置200に送信してもよい。この場合、画像出力装置200は、当該参照データテーブルに対応する逆変換テーブルを作成し、作成した逆変換テーブルと共通コードとを対応付けて記憶部210に格納する。
もしくは、図38に示されるように、テーブル取得部111は、取得パターンfのようにサーバ装置から逆変換テーブルとその共通コードとを取得し、取得した逆変換テーブルと共通コードとを画像出力装置200に送信してもよい。この場合、携帯端末装置100は、サーバ装置から取得した逆変換テーブルに基づいて、当該逆変換テーブルに対応する参照データテーブルを作成し、作成した参照データテーブルと共通コードとを対応付けて記憶部108に格納する。
(取得パターンi)
上記取得パターンhでは、携帯端末装置100がテーブル作成部を備える構成とした。しかしながら、携帯端末装置100と通信可能なコンピュータ装置がテーブル作成部を備える構成でもよい。この場合、携帯端末装置100のテーブル取得部111は、コンピュータ装置のテーブル作成部で作成されたテーブルを取得すればよい。
取得パターンh、iでは、ユーザが独自に作成した参照データテーブルおよび逆変換テーブルを用いるため、他のユーザとテーブルを共用することがない。そのため秘匿性を高めることができる。
なお、上記の取得パターンa〜fにおいて、コード−テーブル対応情報を画像出力装置200の販売時に当該画像出力装置200に格納しておく場合に限定されない。例えば、画像出力装置200と通信可能なコンピュータ装置で上記(5)に従って参照データテーブルおよび逆変換テーブルを作成するとともに、参照データテーブルおよび逆変換テーブルの各組合せに対してユニークな共通コードを付与してコード−テーブル対応情報を生成してもよい。そして、コンピュータ装置が生成したコード−テーブル対応情報を画像出力装置200に格納してもよい。もしくは、コンピュータ装置が、画像出力装置200が記憶するコード−テーブル対応情報を編集する構成であってもよい。
これにより、例えばある会社の各部署が同じ画像出力装置200を使用していたとしても、部署ごとに異なるコードーテーブル対応情報を設定することができる。その結果、誤って別の部署の画像出力装置200から画像を出力させてしまうことを防止することができる。
(9−3)共通コードについて
上記の説明では、共通コードとして、一対の参照データテーブルおよび逆変換テーブルを特定するテーブル番号を用いるものとした。この場合、共通コードを確認することで、どの参照データテーブルを用いてシャフリング処理が実行されたのかを認識されてしまう可能性がある。そこで、より撮像画像データの秘匿性を高めるために、以下のような構成にすることが好ましい。
すなわち、携帯端末装置100は、記憶部108に格納されている参照データテーブルのテーブル番号の各々と、ユーザ入力に従って決定されたコードであるユーザ入力コードとを対応付けたコード対応情報を作成するコード対応情報生成部を備える。そして、コード対応情報生成部は、生成したコード対応情報を記憶部108に格納するとともに、画像出力装置200に送信する。画像出力装置200では、受信したコード対応情報を記憶部210に格納する。
携帯端末装置100のパスコード設定部112は、共通コードとして上記のユーザ入力コードを設定する。そして、テーブル選択部103aは、パスコード設定部112が設定した共通コード(ユーザ入力コード)に対応するテーブル番号を記憶部108のコード対応情報から特定する。さらに、テーブル選択部103aは、特定したテーブル番号の参照データテーブルを記憶部108から読み出せばよい。
一方、画像出力装置200でも同様に、パスコードに含まれる共通コード(ユーザ入力コード)に対応するテーブル番号を記憶部210のコード対応情報から特定する。そして、復号化部222は、特定されたテーブル番号に対応する逆変換テーブルに基づいて復号化すればよい。
これにより、共通コードを見ただけではどの参照データテーブルを用いてシャフリング処理が実行されたのか認識することができない。
なお、共通コードとしてユーザ入力コードを用いるものとしたが、共通コードとしては別のコードでもよい。例えば、コード対応情報生成部は、シャフリング処理を実行するために必要な数の参照データテーブルのテーブル番号と、携帯端末装置100の機器番号、または、SIMカードの番号とを対応付けたコード対応情報を生成してもよい。この場合、パスコード設定部112は、常に共通コードとして、携帯端末装置100の機器番号、または、SIMカードの番号を設定することとなる。
(9−4)パスワードについて
上記の説明では、パスワードは、出力機器IDを画像出力装置200から取得する際に画像出力装置200に登録するものとした。しかしながら、パスワードの登録のタイミングはこれに限定されない。例えば、出力機器IDを取得した後、撮像を行う前までに行えばよい。例えば、撮像を行う会場や撮像会場に赴く前にオフィスにおいて、携帯端末装置100と画像出力装置200との通信を確立させ、ID受付部110は、ユーザ入力に応じて、設定されたパスワードを画像出力装置200に送信してもよい。そして、画像出力装置200のパスワード受付部211は、受信したパスワードを記憶部210に格納する。これにより、撮像会場ごとにパスワードを変更することできる。
また、上記の説明では、パスワードは、ユーザ入力に従って設定されるものとした。この場合、ユーザ毎にパスワードが設定されることになるためセキュリティ性が向上する。しかしながら、パスワードはこれに限らず画像出力装置200ごとに固定のものを用いてもよい。この場合、各画像出力装置200は、出力機器IDとともにパスワードも予め記憶しておく。そして、ID受付部110は、出力機器IDとともに固定のパスワードを画像出力装置200から取得すればよい。
もしくは、ID受付部110は出力機器IDのみを取得し、パスワードは別の方法でユーザに連絡してもよい。例えば、画像出力装置200の管理者が電子メールなどを用いて別途パスワードをユーザに通知すればよい。この場合、パスコード設定部112は、ユーザ入力に従ってパスワードを設定する。
(9−5)パスコードの消去について
パスコード設定部112により設定され記憶部108に格納されたパスコードは、撮像画像データの送信が完了した後に記憶部108から消去されてもよい。
例えば、制御部109は、撮像画像データおよびパスコードの送信処理が完了した時点で、記憶部108から送信したパスコードを消去すればよい。
もしくは、画像出力装置200の画像出力処理が完了した時点でパスコードを消去してもよい。具体的には、画像出力装置200の制御部212は、画像出力処理が完了した時点で、画像出力処理が問題なく実行されたか否かを示す情報の入力を促す画面を表示部205に表示する。そして、制御部212は、問題なく実行された旨の情報が入力部206に入力されると、その情報を携帯端末装置100に送信するように第1通信部207を制御する。例えば、第1通信部207は、予め登録しておいた携帯端末装置100のメールアドレスを送信先とした電子メールの本文に上記の情報を含ませ、当該携帯端末装置100に当該電子メールを送信する。そして、携帯端末装置100の制御部109は、画像出力処理が問題なく実行された旨の情報を画像出力装置200から受信すると、記憶部108から送信したパスコードを消去すればよい。
(9−6)符号化方法について
上記の説明では、符号化部103bは、符号化処理として、シャフリング処理を行うものとした。しかしながら、符号化部103bは、別の方法により撮像画像データを符号化(暗号化)してもよい。例えば、符号化部103bは、共通鍵を用いた暗号化を行ってもよいし、公開鍵を用いた暗号化を行ってもよい。以下に具体的な変形例について説明する。
(9−6−1)共通鍵を用いた例
まず、一般的な共通鍵を用いた暗号化方法について説明する。この暗号化方法では、送信側と受信側で共通に使用するための共通鍵を予め決定しておく。共通鍵を用いた暗号化方法としては様々な方法がある。一例として、「3文字ずらす」という方式を用いて説明すると、「ABC」という文字列が本来伝えたいデータ(平文)である場合、当該データをアルファベットの並び順に3文字ずらした「DEF」を生成する符号化処理を行い、生成したデータを送信する。受信側では、受信したデータ「DEF」に対して3文字戻す処理を復号化処理として行うことで、元のデータ「ABC」を復元することができる。この場合,「3文字」の部分が鍵に相当し、符号化処理のアルゴリズムは「アルファベットの並び順に3文字ずらす」、復号化処理のアルゴリズムは「アルファベットの並びとは逆の順に3文字戻す」になる。これにより、本来伝えたい文字列は「ABC」であるが,アルファベットの並び順に3文字ずらした状態「DEF」で送信される。そのため、万が一、第三者がデータ入手に成功したとしても、入手できる文字列は「DEF」であり、復号化処理のアルゴリズムが分からないと正しい文字列「ABC」を得ることができない。しかし、正規の受信側では,あらかじめ入手しておいた共通鍵(「3文字」という情報)を用いて、「アルファベットの並びとは逆の順に3文字戻す」アルゴリズムによって元の文字列「ABC」を得ることができる。
以下、撮像画像データの符号化のために共通鍵を用いる具体例について説明する。
本具体例では、携帯端末装置100および画像出力装置200は、共通コードとして共通鍵「3」を予め記憶しておく。また、携帯端末装置100の記憶部108は、共通鍵「3」と対応付けて、3を足すことを示す符号化情報を記憶している。一方、画像出力装置200の記憶部210は、共通鍵「3」と対応付けて、3を引くことを示す復号化情報を記憶している。
そして、符号化部103bは、上記符号化情報に従って、撮像画像データの各画素の濃度値(以下、画素値という)に対して3を足す符号化処理を実行する。すなわち、各画素値が8ビットデータで構成されているとして、0〜255までの数字で表されているとすると、0〜252までは、3を足すことで3〜255までの数字に置き換える。また、入力画像データが253の場合は0に、254の場合は1に、255の場合は2に置き換える。これにより、符号化部103bは、符号化処理を実行することができる。例えば、ある画素の「R,G,B」の値が「2、200、255」である場合、符号化部103bは、当該画素の「R,G,B」の値を「5、203、2」に変換すればよい。このような処理を全ての画素について行う。その後、通信部104は、全画素について符号化処理が行われた撮像画像データを、共通鍵「3」および出力機器IDとともに送信すればよい。
一方、画像出力装置200では、認証部203が出力機器IDの認証処理を行い、認証成功の場合に、復号化部222が共通鍵「3」に対応する復号化情報を特定する。そして、復号化部222は、当該復号化情報を用いて、撮像画像データの復号化処理を行う。具体的には、ある画素の「R,G,B」の値が「5、203、2」である場合、復号化部222は、当該画素値から3を引くことで、「2、200、255」の画素値を復元することが可能となる。
なお、上記の共通鍵を用いた方法とシャフリング方法とを組み合わせてもよい。例えば、画素値を上記共通鍵を用いて符号化処理を行うとともに、シャフリング処理も実行する。また、シャフリング方法としては、(9−1)のシャフリング方法a〜eの何れかを用いればよい。この場合、図39に示されるようなパスコードを用いればよい。すなわち、共通サブコードは、RGBの各プレーンごとに、画素単位のシャフリングに用いる参照データテーブルの数Tnおよびそのテーブル番号Noと、ブロック単位のシャフリングに用いる参照データテーブルの数Tnbおよびそのテーブル番号Nobと、共通鍵とを含む。そして、RGBの各プレーンごとに、Tn、No、Tnb、Nob、共通鍵を設定すればよい。
ここで、Tn、No、TnbおよびNobは、符号化方法の一つであるシャフリング方法を識別する情報であり、共通鍵は、符号化方法の一つである共通鍵を用いた暗号方式を識別する情報であり、これら2つの符号化方法を識別する2つの情報を含む共通サブコードは、符号化部103bが行った符号化の複数の方法を識別する情報(第4識別情報)であるといえる。
なお、共通鍵を用いて画素値を符号化しているため、画素単位でのシャフリング処理を省略してもよい。すなわち、画素値を共通鍵を用いて符号化した後に、ブロック単位でシャフリング処理を行う。この場合、Tn、Noを空白として設定すればよい。
また、RGBのうちの何れかの信号(例えばR信号)については共通鍵を用いた符号化処理のみを行い、別の信号(例えばG信号)についてはシャフリング処理のみを行い、さらに別の信号(例えばB信号)については共通鍵を用いた符号化処理とシャフリング処理とを組み合わせた処理を行ってもよい。このように、RGBのプレーンごとに、符号化処理の方法を変更するようにしてもよい。
(9−6−2)公開鍵を用いた例
公開鍵を用いた符号化(暗号化)を行う場合、送信側が公開鍵を用いてデータを暗号化し、受信側が当該公開鍵に対応する秘密鍵を用いてデータを復号化する。すなわち、公開鍵によって暗号化されたデータは、当該公開鍵に対応する秘密鍵によってのみ復号化できる。具体的な暗号化の方式としては、一般的に認知されているRSA(Rivest Shamir Adelman)などがある。
以下、撮像画像データの符号化のために公開鍵を用いる具体例について説明する。
本具体例では、図40に示されるように、携帯端末装置100は、公開鍵を符号化情報として記憶しておく。一方、画像出力装置200は、携帯端末装置100が記憶する公開鍵と、当該公開鍵に対応する秘密鍵(復号化情報)とを対応づけて記憶しておく。なお、携帯端末装置100は、予め画像出力装置200から公開鍵を取得することで、当該公開鍵を記憶部108に格納しておけばよい。
そして、符号化部103bは、公開鍵を用いて撮像画像データを暗号化する。その後、通信部104は、暗号化された撮像画像データと公開鍵と出力機器IDとを画像出力装置200に送信する。
一方、撮像画像データと公開鍵と出力機器IDとを受信した画像出力装置200では、認証部203が出力機器IDの認証処理を行い、認証成功の場合に、復号化部222が受信した公開鍵に対応する秘密鍵を記憶部210から読み出す。そして、復号化部222は、読み出した秘密鍵を用いて撮像画像データの復号化処理を行う。この具体例では、公開鍵が秘密鍵を特定するための共通コードとして通信されている。
図40に示す具体例では、携帯端末装置100および画像出力装置200のそれぞれが、一つの公開鍵および秘密鍵を記憶するものとした。しかしながら、図41に示されるように、携帯端末装置100および画像出力装置200は、複数の公開鍵および秘密鍵を記憶していてもよい。この場合、符号化部103bは、記憶部108に格納されている公開鍵の中から、ユーザ入力またはランダムに選択した一つの公開鍵を用いて、撮像画像データの暗号化を行う。そして、通信部104は、暗号化された撮像画像データと公開鍵と出力機器IDとを画像出力装置200に送信する。
一方、撮像画像データと公開鍵と出力機器IDとを受信した画像出力装置200では、認証部203が出力機器IDの認証処理を行い、認証成功の場合に、復号化部222は、記憶部210の中から、受信した公開鍵に対応する秘密鍵を特定する。そして、復号化部222は、特定した秘密鍵を用いて撮像画像データの復号化処理を行えばよい。
なお、秘密鍵および公開鍵の各組は、画像出力装置200の出荷時に、画像出力装置200の記憶部210に予め格納されている。もしくは、画像出力装置200がサーバ装置から秘密鍵を取得してもよい。
また、図41に示すように、携帯端末装置100が複数の公開鍵を記憶している場合、符号化部103bは、撮像画像データのRGBの各色成分のデータごとに異なる公開鍵を用いて暗号化してもよい。この場合、撮像画像データとともに、RGBの色成分ごとに、当該色成分で用いた公開鍵とを対応付けた共通コードを画像出力装置200に送信する。そして、画像出力装置200の復号化部222は、各色成分の公開鍵に対応する秘密鍵を用いて復号化すればよい。これにより、さらにセキュリティ性を高めることができる。
(9−7)文書撮像モードについて
携帯端末装置100は、ユーザによって携帯されるものであり、様々な場面で対象物を撮像することが考えられる。特に、後で画像出力装置200から画像出力を希望するような場面としては、文書画像が印刷された用紙やポスター、文書画像が表示されている表示画面(例えば、ディスプレイ画面やプロジェクターにより投影された画面)のような矩形状の撮像対象物を撮像する場面が考えられる。そこで、画像出力モードの一つとして、文書画像を含む矩形状の撮像対象物を撮像し、画像出力装置200から出力する文書撮像モードを有していてもよい。以下、文書撮像モードの詳細について説明する。なお、以下では、文書撮像モードに特有の構成についてのみ説明するが、文書撮像モードは画像出力モードの一つであるため、文書撮像モードであっても上記のような符号化・復号化の処理を行うものとする。
ユーザは、矩形状の撮像対象物である、文書画像が印刷された用紙やポスター、文書画像が表示されている表示画面などに対して、常に正面から撮像できるとは限らない。すなわち、ユーザは、撮像対象物における、文書画像が形成された平面の法線方向と、撮像手段の撮像方向とが一致しない状態で、斜め方向から撮像対象物を撮像する場合がある。この場合、撮像された画像において、撮像対象物に歪み(以下、幾何学的歪みという)が生じることになる。そのため、画像出力装置200は、文書撮像モードが選択された場合、このような幾何学的歪みも補正された状態で出力することが好ましい。
また、ユーザは、矩形状の撮像対象物に対して正面から撮像できたとしても、撮像画像の枠に対して撮像対象物が傾いて撮像してしまう場合もある。そのため、画像出力装置200は、文書撮像モードが選択された場合、このような傾きも補正された状態で出力することが好ましい。
さらに、携帯端末装置100で撮像された画像は一般に解像度が低く、当該解像度で画像出力装置200により画像出力(例えば印刷)を行ったとしても細部まで認識できない場合がある。特に、文書画像(文字など)が印刷された用紙やポスター、文書画像などが表示されている表示画面を撮像する場合において、文字が判別できないことが考えられる。そのため、画像出力装置200は、携帯端末装置100で撮像された撮像画像データを高解像度補正を施した上で画像を出力することが好ましい。
この高解像度補正の手法としては、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.3、pp.337〜342(2008) に記載されている、複数の撮像画像データを用いた方法や、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.2、pp.181〜189(2008)に記載されている、一つの撮像画像データを用いた方法などがあり、これらの方法を用いることができる。まずは、複数の撮像画像データを用いて高解像度補正を行うとともに、幾何学的歪みおよび傾きの補正も行う文書撮像モードの形態について説明する。
(9−7−1)撮像回数について
撮像部101は、文書撮像モードが選択された場合、1回シャッターの押下により、撮像対象物について複数回(例えば、2〜15)連続して撮像する。通常、連続して撮像された画像は、ほぼ同じ画像であるが、手ぶれ等によって微少量だけずれることになる。
文書撮像モードが選択された場合、携帯端末装置100の制御部109は、解像度変換の倍率の入力を促す画面を表示部105に表示させる。そして、制御部109は、入力部106に入力された倍率(例えば、2倍、4倍)に応じて、撮像部101が連続撮像する回数を決定する。
なお、以下では、1回のシャッター押下により撮像部101が連続撮像することにより得られる複数の撮像画像の各々を示す画像データをサブ撮像画像データという。また、1回のシャッター押下により撮像部101が連絡撮像することにより得られる複数のサブ撮像画像データの組を単に撮像画像データという。この同一対象物を撮像することに得られた複数のサブ撮像画像データに基づき、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.3、pp.337〜342(2008)に記載の技術を用いて、画像出力装置200は高解像度補正を行うことができる。
(9−7−2)撮像画像判定部の処理について
以下、文書撮像モードが選択されたときに特有の撮像画像判定部102の処理について説明する。なお、上記(3)の判定も合わせて行ってもよい。
文書撮像モードが選択された場合、携帯端末装置100の制御部109は、上述したように、解像度変換の倍率の入力を促す画面を表示部105に表示させる。そして、制御部109は、入力部106に入力された倍率(例えば、2倍、4倍)に応じて、撮像画像判定部102で用いる処理実行条件の一部を決定しておく。この処理実行条件の一部については、以下の(9−7−2−3)で説明する。
(9−7−2−1)傾きの判定
上述したように、用紙やポスター、表示画面のような矩形状の撮像対象物を撮像し、高い解像度の画像を得ることを希望する場合に、ユーザが文書撮像モードを選択する。そのため、撮像画像判定部102は、撮像対象物が矩形状であると仮定して、撮像画像データにおいて、撮像対象物のエッジを検出することで撮像画像データにおける撮像対象物の傾きを検出する。なお、撮像画像データの中の矩形状の撮像対象物のエッジ上の画素を検出する手法としては従来知られている手法を用いることができる。また、背景の中のエッジを撮像対象物のエッジとして誤判定することを防止するために、所定長さ以上のエッジのみを撮像対象物のエッジとして検出してもよい。この場合、所定長さとは、例えば、撮像画像データで示される画像の端の辺の長さの80%程度の長さを設定すればよい。または、このようにして検出されたエッジの中から、撮像対象物のエッジのものをユーザに選択してもらってもよい。このような検出方法としては、例えば、特開2006−237757に記載の技術を用いることができる。
そして、撮像画像判定部102は、検出された撮像対象物のエッジ上の2点を選択する。例えば、図20に示されるように、撮像画像データの中心から左右それぞれ横方向にw/2だけ離れた2点11・12を選択する。次に、選択された2点11・12の各々と、撮像画像データの端辺との距離d,dを求め、撮像画像における撮像対象物の傾きを求めることができる。図20のような場合、傾き角度をθとすると、 tanθ=(d−d)/wとなる。そこで、撮像画像判定部102は、(d−d)/wの値を算出し、この値に相当する角度θをあらかじめ作成済みのテーブル(図21参照)などより読み取る。
そして、撮像画像判定部102は、検出した角度θが所定範囲内(例えば、−30°〜+30°)であるか否かを判定し、その判定結果を制御部109に出力する。ここで、角度θが所定範囲内であることが処理実行条件の一つとなる。
なお、上述したように、1回のシャッター押下による撮像部101の複数回の撮像により、複数のサブ撮像画像データが得られる。しかしながら、当該複数のサブ撮像画像データは、手ぶれ程度のズレが生じているにすぎない。そのため、撮像画像判定部102は、当該複数のサブ撮像画像データの中から任意に選択した一つのサブ撮像画像データに対して、傾きの判定を行えばよい。
そして、撮像画像判定部102から傾き角度θが所定範囲内でない旨の判定結果を受けた場合、制御部109は、撮像対象物が傾かないようにして再度撮像することを促すメッセージを表示部105に表示させる。
(9−7−2−2)幾何学的歪みの判定
幾何学的歪みとは、上述したように、撮像対象物における文書画像が形成された平面の法線方向とは異なる斜め方向から撮像対象物を撮像した場合に、撮像画像の中で撮像対象物が矩形状から歪んだ形状を有することである。例えば、用紙の法線方向に対して用紙の左下方向から斜めに撮像した場合、図22に示されるように、撮像対象物は、歪んだ四角形となる。
文書撮像モードでは、後述するように、画像出力装置200がこのような幾何学的歪みを補正する機能を有している。ただし、幾何学的歪みの度合いが大きい場合、補正したとしても、判読性がそれほど向上しない。そこで、撮像画像判定部102は、幾何学的歪みの度合いを示す特徴量を検出し、当該特徴量が所定範囲内であるか否かを判定する。
なお、上述したように、1回のシャッター押下による撮像部101の複数回の撮像により、複数のサブ撮像画像データが得られる。しかしながら、当該複数のサブ撮像画像データは、手ぶれ程度のズレが生じているにすぎない。そのため、撮像画像判定部102は、当該複数のサブ撮像画像データの中から任意に選択した一つのサブ撮像画像データに対して、以下のような幾何学的歪みの判定を行えばよい。
まず、撮像画像判定部102は、サブ撮像画像データについて、ラスター走査を行う。ここで、図22に示されるように、ラスター走査の順方向をX方向、X方向に垂直な方向をY方向とする。また、撮像画像において左上隅を原点とする。
1ライン分走査を行い、エッジが存在しなければ、撮像画像判定部102は、Y方向に所定量だけずらした次のラインについて走査する。なお、ライン間の間隔は一定であればよく、1画素である必要はない。
そして、撮像画像判定部102は、ラスター走査において、最初にエッジを検出したラインをL(1ライン目)とし、図23に示すように、順方向で最初のエッジと判定された点の座標を第1群に格納し、同じライン上で2つ目のエッジと判定された点の座標を第2群に分類する。引き続き次のラインの走査を行い、エッジ検知する。そして、それぞれのラインLについて、順方向で1番目に撮像対象物のエッジと判定された点と、2番目に撮像対象物のエッジと判定された点とのX座標値の差分(X座標の距離d)を求め下記のように判定を行う。
なお、ラインLにおける最初のエッジのX座標をXi1(第1群に分類されているX座標)、2つ目のエッジのX座標をXi2(第2群に分類されているX座標)とする。検出方法は以下のようである。
(a)1ライン(L)目の座標X11およびX12については変更しない。
(b)2ライン目以降のiライン目については、座標間の距離di1(=Xi1−X(i−1)1)およびdi2(同様)を算出する。以下、di1に関して述べるため添え字の1を省略するが、di2も同様である。
(c)3ライン目以降のiライン目は、dd=abs{(d)−di−1}を算出する。dd≦th(≒0に近い小さな数値)であれば、座標Xiは同じ群に分類する。そうでない場合(dd>th)は、別の群(第3群または第4群)に分類する。
(d)初期処理としてi=4のときのみ、Xの群を確定させるための処理を行う。以下のようにする。
i)dd≦th かつ dd≦th → X:同群
ii)dd>th かつ dd≦th → X:別群
iii)dd≦th かつ dd>th → X:同群
iv)dd>th かつ dd>th → X:同群
一度、別群(第3群または第4群)に遷移した場合は、増減の確認はする必要はない。
このような処理を画像全体に行って、各群に属するエッジ点を抽出する。そして、群ごとに、当該群に属するエッジ点の座標を最小2乗法などで直線近似し、当該群に属するエッジ点に近似した直線を求める。当該直線は、撮像対象物の辺に相当することとなる。
図24は、上記のような処理によって、ラスター走査によってエッジ点を抽出し、4つの群に分類したときの図である。図において、丸印が第1群に属するエッジ点、四角印が第2群に属するエッジ点、三角印が第3群に属するエッジ点、星印が第4群に属するエッジ点を示し、最小2乗法により求められた、各群に属するエッジ点の近似直線を点線で示す。
そして、4つの群について求めた直線の交点(図中、交点1〜4としている)を求め、4つの直線で囲まれた領域を撮像対象物の領域として特定することができる。
さらに、上記の分類処理を90度回転させた画像に対して行っても良い。こうすることで、理想的に画像内の水平方向・垂直方向に平行に配置されたような原稿のエッジも抽出することが可能となる。すなわち、ラスター走査することで、回転前の画像では、垂直方向のエッジが検出できる。一方、回転後の画像では、回転前に水平方向であったエッジ(回転後には水平方向であるエッジ)を検出することができる。これにより、垂直方向・水平方向に平行なエッジも抽出することができる。回転前で十分な情報量(各群で例えば3点以上の交点)があれば、回転前の情報のみを用いればよいし、いずれかの群の交点が1点未満の場合、当然直線の式は求められないため、回転後の交点を用いればよい。
あるいは、求まった交点座標のみを再度座標変換して元に戻し、それぞれの群の分布する領域から、対応する群を求めて、交点情報を統合し、直線の式を求めても良い。すなわち、回転前の画像から求められた交点座標と、回転後の画像から求められた交点を逆回転して得られた交点座標とから、同一の群に属する交点座標を統合して直線の方程式を求めればよい。
なお、エッジ点の抽出方法としては、少なくとも1以上の画素幅の小ウィンド内での、画素値をそのまま比較(2以上の幅の場合は和・平均値を比較)していき、隣接する値の差分が一定以上の場合、エッジ点であると判定すればよい。なお、背景や撮像対象物内のテキストのエッジなどを誤って検出することを防止するために、所定長さ以上のエッジのみを撮像対象物のエッジとして検出してもよい。この場合、所定長さとは、例えば、サブ撮像画像データで示される画像の端の辺の長さの80%程度の長さを設定すればよい。または、このようにして検出されたエッジの中から、撮像対象物のエッジをユーザに選択してもらってもよい。このような検出方法としては、例えば、特開2006−237757に記載の技術を用いることができる。もしくは、それぞれの座標群の評価を行ったり、線分検知のための処理(ハフ変換など)を行ったりすることでも防止できる。さらに、縮小画像を用いた処理をプレ処理として行うことで、テキストや細かなテクスチャのエッジを誤って検出することを防止することができる。
そして、撮像画像判定部102は、以上のようにして4つの直線及びそれらの交点を求めると、当該4つの直線で形成される四角形の対辺の長さの比を計算する。当該長さの比は、上記交点の座標から容易に求まる。なお、対辺は2組あるので、撮像画像判定部102は、当該2組の各々について長さの比を求める。
ここで、対辺の長さの比は、矩形状の撮像対象物を正面から撮像した場合には撮像画像の中の撮像対象物も矩形状であるため、1となる。一方、斜め方向から撮像した場合には、撮像画像の中の撮像対象物の形状は歪んだ四角形となるため、1とは異なる値となる。そして、撮像方向と、撮像対象物の文書画像が形成された平面の法線方向とのなす角度が大きくなるほど、当該比の値と1との差が大きくなる。そのため、対辺の長さの比は、幾何学的歪みの度合いを示す特徴量の一つであるといえる。
その後、撮像画像判定部102は、求めた二つの比の両方が所定範囲内(例えば、0.5〜2)であるか否かを判定し、その判定結果を制御部109に出力する。ここで、所定範囲は、画像出力装置200において補正可能な範囲として予め定められたものであり、記憶部108に格納されている。また、二つの比の両方が所定範囲内(例えば、0.5〜2)であることが処理実行条件の一つとなる。
なお、撮像画像判定部102は、幾何学的歪みの度合いを示す別の特徴量として、上記のようにして検出された4つの交点を含む2つの直線のなす角度などを用いてもよい。
そして、幾何学的歪みの度合いを示す特徴量(ここでは、撮像画像における撮像対象物の対辺の長さの比)が所定範囲内でない旨の判定結果を受けた場合、制御部109は、撮像対象物における文書画像が形成された平面の法線方向から再度撮像することを促すメッセージを表示部105に表示させる。
(9−7−2−3)複数枚の画像のズレ量の判定
上述したように、画像出力装置200は、同一の撮像対象物の複数のサブ撮像画像データに基づいて、高解像度補正を実行する。当該高解像度補正を実行するためには、解像度変換の倍率に応じた所定数の画像データが、所定量だけずれている必要がある。そこで、本実施形態では、撮像画像判定部102は、撮像部101が撮像した複数のサブ撮像画像データの中に、画像出力装置200で高解像度補正を実行するために必要な、所定量だけずれた所定数のサブ撮像画像データが含まれるか否かを判定する。
なお、文字の判読性を上げるような高解像度補正のために必要なズレとは、対象とする画像データの一画素未満(小数点)のズレを指す。すなわち、小数点以下(1画素未満)の値、例えば、0.3〜0.7などのズレが重要である。整数部分のズレは高解像度補正には考慮されない。例えば、1.3画素、2.3画素などの1画素未満のズレを含むような場合、複数の画像に基づいた高解像度補正を実行することができるが、1画素、2画素などの1画素未満のズレを含まない場合、高解像度補正を実行することができない。
例えば、変換倍率が2倍の場合、高解像度補正に必要な画像データの数は2であり、2つの画像データのずれ量としては画素単位で小数点以下0.3〜0.7であることが好ましい。そのため、記憶部108には、解像度変換の倍率「2倍」と、撮像回数「2」および処理実行条件「必要画像データ数:2、ずれ量:0.3〜0.7」とを対応付けた情報が予め格納されており、制御部109は、当該情報に基づいて、撮像部101に対して2回連続して撮像させ、撮像画像判定部102に対して、処理実行条件「必要画像データ数:2、ずれ量:0.3〜0.7」に従った判定を実行させるものとする。
また、変換倍率が4倍である場合、高解像度補正に必要な画像データの数は4であり、その内の一つの画像データを基準画像データとしたとき、当該基準画像データと残りの3つの画像データとのずれ量がそれぞれ画素単位で小数点以下0.2〜0.3、0.4〜0.6、0.7〜0.8であることが好ましい。そのため、記憶部108は、解像度変換の倍率「4倍」と、撮像回数「4」および処理実行条件「必要画像データ数:4、ずれ量:0.2〜0.3、0.4〜0.6、0.7〜0.8」とを対応付けた情報を記憶している。
なお、以下では、説明を簡略化するため、解像度変換の倍率として2倍が選択された場合について述べる。
まず、撮像画像判定部102は、サブ撮像画像データの任意の一つを選択し、当該サブ撮像画像データ(以下、第1のサブ撮像画像データという)について、上記幾何学的歪みの判定の際に求めた撮像対象物の領域の中からズレ検出用部分領域を選択する。ここで、ズレ検出用部分領域は、第1のサブ撮像画像データと残りのサブ撮像画像データ(以下、第2のサブ撮像画像データという)との間のズレ量を求めるために用いるものであるため、当該ズレ検出用部分領域内で画素値の変化が大きいもの(明確なパターンが存在するもの)が好ましい。そこで、撮像画像判定部102は、以下のような方法によってズレ検出用部分領域を抽出する。
撮像画像判定部102は、撮像対象物の領域の重心位置に存在する画素を特定し、当該画素を注目画素とする。そして、注目画素を含むn×n画素の領域を選定する。選定した領域について、以下の選定要件を満たすか否か判断し、満たす場合には、当該領域をズレ検出用部分領域とする。一方、満たさない場合には、所定のオフセット量に基づいて領域を移動させ、移動後の領域について同じ判断を行う。このようにして、ズレ検出用部分領域を抽出する。
ここで、選定要件としては、例えば、以下二つが挙げられる。
一つとしては、領域内の分散に準じた値を用いるものである。注目画素近傍のn×n画素の領域に対して画素値をP(i)とすると部分領域の分散値Variance(x)は、下記式(1)で表される。この分散値Variance(x)の値が所定閾値以上あることを選定要件とする。また簡易化のために本式の分子のみを考えても良い。
Figure 2011101338
また一つとしては、注目画素近傍のn×n画素の領域に対して、1次微分フィルタのようなエッジ抽出フィルタを掛けて、2値化し、総和を見る。図25は1次微分フィルタ例を示し、この場合も、総和がある所定閾値以上(例えば、部分領域画素数の5%以上など)あることを選定要件とすればよい。
次に、このようにして求められた、第1のサブ撮像画像データのズレ検出用部分画像A(n×n)に対し、第2のサブ撮像画像データの中から、中心がほぼ同じ位置のズレ検出用部分画像B(m×m)(m>n)として切り出す。この切り出し方法は、第1のサブ撮像画像データにおけるズレ検出用部分画像Aの中心画素の座標と、第2のサブ撮像画像データにおけるズレ検出用部分画像Bの中心画素の座標とが一致するように、切り出す。
その後、切り出されたズレ検出用部分画像B中においてズレ検出用部分画像Aに最も適合する領域をサブピクセル精度で求める。その手法としては、ズレ検出用部分画像Aをテンプレートとした正規化相関パターンマッチングが挙げられる。
正規化相関パターマッチングの例として、既知であるところの正規化相関式を用いて相関を算出する。一般的にN画素からなる2つのパターンInput(I)とTarget(T)の相関式は、下記式(2)と表すことができる。ここで、α、β、γはそれぞれ下記のように表せる。
Figure 2011101338
Figure 2011101338
例えば、n=5、m=7の場合、ズレ検出用部分画像B(m×m)のなかのズレ検出用部分画像Aと同サイズの領域(n×n)ごとに上記相関式を演算すると、結果として3×3の相関値Mapが生成される。この相関値Mapを用いて、フィットする2次曲面を求める。2次曲面の求め方としては、例えば、S(x,y)=a*x*x+b*x*y+c*y*y+d*x+e*y+fとして、9点のうち相関値の高い6点を選び、連立方程式を解いて各係数を求める。この関数の極値(=最大値)の座標値(x、yの両方)の小数点以下の値が所定範囲(ここでは、0.3〜0.7)であれば、処理実行条件「必要画像データ数:2、ずれ量:0.3〜0.7」を満たすものと判定する。
なお、極値の求め方は、上記2次式を偏微分し、それぞれが0である点の座標を求めればよい。このとき、実際には各係数(a〜f)を求める必要はないので、直接相関値(S〜S)を用いたほうが効率的である。求めるべき式(3)は以下のようになる。ここで、原点は着目するウィンド基準となる。
Figure 2011101338
なお、このようなサブピクセル精度の位置ズレ確認を少なくとも一か所にて行うが、数か所で行うことが望ましい。
そして、撮像画像判定部102は、処理実行条件を満たすか否かの判定結果を制御部109に出力する。
所定量だけずれたサブ撮像画像データが所定数ない旨の判定結果を受けた場合、制御部109は、例えば「この画像は処理できない可能性があります。もう一度撮影し直し下さい。」などの、再度撮像を促すメッセージを表示部105に表示し、新たに画像を得るようにする。その後、新たに撮像した複数のサブ撮像画像データの組合せ、もしくは、前に撮像したサブ撮像画像データおよび再度撮像されたサブ撮像画像データの組合せに対して、撮像画像判定部102が再度判定処理を行う。
(9−7−3)画像出力装置の画像処理の構成について
文書撮像モードで撮像された撮像画像データを受ける画像出力装置は、図12に示す画像処理部202の代わりに図26に示す画像処理部202aを備える。図26は、画像処理部202aの内部構成を示す図である。図示されるように、画像処理部202aは、画像処理部202と比較して、幾何学補正部223、レンズ歪み補正部224および高解像度補正部225を備える点で相違する。以下、各部の具体的な処理内容を順に説明する。なお、幾何学補正部223、レンズ歪み補正部224および高解像度補正部225は、復号化部222により復号化された撮像画像データ(複数のサブ撮像画像データ)に対して処理を行う。
(9−7−3−1)レンズ歪み補正部
レンズ歪み補正部224は、撮像画像判定部102における処理と同様にして、撮像画像における撮像対象物のエッジ上の点をラスター走査によって順次検出する。そして、レンズ歪み補正部224は、検出されたエッジ上の点を曲線近似し、その曲線の式からレンズひずみ補正を行う。
具体的には、レンズ歪み補正部224は、検出した撮像対象物のエッジ点を検出し、撮像画像判定部102と同様に、各エッジ点を撮像対象物の4辺に対応する4つの群に分類する。そして、図27の実線で示されるように、各群に属するエッジ点に対して2次曲線近似を行う。このようにして4つの群に対して求めた2次曲線は、撮像対象物の4辺に対応する。また、レンズ歪み補正部224は、4つの2次曲線で囲まれる領域の角部に相当する、4つの2次曲線の交点を求める。次に、レンズ歪み補正部224は、各辺に対して求めた2次曲線に外接し、かつ、4つの交点を結んだ四角形(図27において点線で示される)と相似な外接四角形(図27において1点鎖線で示される)を求める。そして、レンズ歪み補正部224は、このようにして求めた外接四角形が補正後の対象物のエッジ画素の位置となるように、撮像画像における撮像対象物の領域内の画素位置を変換する。この変換は、基準点(例えば撮像対象物の領域の重心点)からのベクトルを基に計算すればよい。これにより、携帯端末装置100の撮像部101によるレンズ歪みを補正することができる。
レンズ歪みの補正の方法としては、上記の方法に限定されるものではなく公知の技術を用いることができる。
(9−7−3−2)幾何学補正部
幾何学補正部223は、幾何学補正部223は、ポスターや原稿用紙のような矩形状の撮像対象物に対して、文書画像が形成された平面の法線方向とは異なる方向から撮像することによるサブ撮像画像データにおける撮像対象物の歪み(つまり、文書画像が形成された矩形状の平面の歪み)を補正するとともに、サブ撮像画像データにおける撮像対象物の傾きを補正するものである。
具体的には、幾何学補正部223は、幾何学的歪みおよび傾きの補正を以下のようにして実行する。幾何学補正部223は、例えば、図28に示すように、上記のようにして求めた外接四角形を対象物のアスペクト比(例えば、ビジネス文書で用いられているA判B判なら7:10であるなど)に合わせ同様に写像変換すればよい。当該写像変換としては公知の技術を用いることができる。なお、幾何学補正部223は、予め記憶部210に記憶されているアスペクト比に合うように変換してもよいし、入力部206に入力されたアスペクト比に合うように変換してもよい。
なお、幾何学補正部223は、設定されたアスペクト比に変換した後、(9−6−2−1)で記載された方法により撮像対象物の傾きを検知し、当該傾きが0度になるようにサブ撮像画像データの回転処理を施す。これにより、図28の実線に示されるように、傾きが0度のサブ撮像画像データが得られる。
幾何学的歪みの補正の方法としては、上記の方法に限定されるものではなく公知の技術を用いることができる。
(9−7−3−3)高解像度補正部
高解像度補正部225は、携帯端末装置100から受信した撮像画像データの高解像度補正を行うものである。本実施形態では、高解像度補正部225は、携帯端末装置100から受信した複数のサブ撮像画像データに基づいて高解像度補正を行う。
複数の画像データからの高解像度画像作成方法に関しては、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.3、pp.337〜342(2008)にいくつかの方法が紹介されている。一般的には、高解像度補正は、複数の画像の位置合わせ処理と再構成処理により成立する。本実施形態では、位置合わせ処理の例として、上記(9−6−2−3)記載の正規化相関パターンマッチングの方法を適用する。すなわち、上記S(x,y)が極大値を示すズレ量だけずらすことにより、複数の画像の位置合せを行うことができる。
次に、高解像度補正部225は、再構成処理を行う。すなわち、高解像度補正部225は、解像度変換後の倍率に応じた画素数を有する再構成画像データを作成する。ただし、画像サイズは、撮像画像のサイズと同一とする。そして、高解像度補正部225は、再構成画像データの各画素の画素値を以下のようにして決定する。すなわち、高解像度補正部225は、再構成画像データにおける各画素(再構成画素)について、当該再構成画素の近傍となる撮像画像の画素(撮像画素)を複数の撮像画像の中から決定し、一般的な補間方法(線形補間やバイキュービック補間など)で補間を行う。
具体的には、図29に示されるように、着目する再構成画素近傍の撮像画素、例えば撮像画素の格子を結ぶ線(図の点線)が最も近距離である2点を横方向・縦方向のそれぞれで選択する。ここでは、横方向での最も近距離である2点は、1枚目の撮像画像の撮像画素1−2(画素値:Vi1−2:以下同様)および撮像画素1−4であり、縦方向での最も近距離である2点は、2枚目の撮像画像の撮像画素2−1および撮像画素2−2であったとする。なお、再構成画素近傍の撮像画素を選択する際には、上記幾何学的歪みの補正・レンズ歪みの補正が実行された複数のサブ撮像画像データの中から選択するものとする。これにより、幾何学的歪み・レンズ歪みの補正がされた状態で高解像度補正を行うことができる。
なお、補正後の座標の値を計算する際に、基となる複数の撮像画像の該当する幾何学補正・レンズ歪みの補正を考慮した座標の値を基に求めてもよい。つまり、幾何学補正・レンズ歪みの補正値のみ算出し、再構成処理を行った後に、当該補正値により座標変換を行ってよい。
そして、横方向および縦方向のそれぞれについて選択した2点を結ぶ線分に垂直であり、かつ着目する再構成画素の点を含む直線と当該線分との交点を求める。図29に示されるように、当該交点が2つの線分のそれぞれについてt:1−t、u:1−uで内分している場合、着目する再構成画素の画素値Vを下記式4に基づいて求めればよい。この場合は、線形補間を行ったことになる。そして、全ての再構成画素について同様にして画素値を求め、高解像度化された再構成画像データを高解像度画像データとして生成することができる。
Figure 2011101338
なお、補間方法として別の手法を用いても良い。また、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.3、pp.337〜342(2008)に紹介されている別の方法を用いてもよい。例えば、MAP(Maximum A Posteriori)法のような、先ず推定に基づく事後確率に対応する評価関数を最小化することで求める手法を用いても良い。
また、上記の説明では、撮像部101が連続して複数回撮像するときの手ぶれによって、複数の撮像画像にズレが生じることを利用する形態とした。しかしながら、これに限らず、撮像部101は、連続して複数回撮像するときに、撮像素子(CCD・CMOS)またはレンズを微小にずらしてもよい。これにより、複数の撮像画像間においてズレが確実に生じることになる。
(9−7−4)撮像回数の変形例について
上記(9−7−1)の説明では、携帯端末装置100において、制御部109は、高解像度補正のために必要な撮像画像の数だけ撮像部101に撮像させるものとした。すなわち、制御部109は、撮像回数と処理実行条件の中のサブ撮像画像データの必要数とを同じ値に設定した。しかしながら、制御部109は、撮像回数として、高解像度補正のための必要数よりも大きな値を設定してもよい。例えば、解像度変換の倍率が2倍である場合、必要数「2」に対して撮像回数「3」を設定してもよい。
このように撮像回数が必要数よりも大きい場合、撮像画像判定部102は、撮像回数分のサブ撮像画像データの中から、処理実行条件を満たすサブ撮像画像データの組合せが存在するか否かを判断すればよい。例えば、必要数「2」に対して撮像回数「3」である場合、3つのサブ撮像画像データの中で、必要数のサブ撮像画像データの組合せが3つある。この場合、撮像画像判定部102は、各組合せについて処理実行条件を満たすか否か順次判定する。そして、処理実行条件を満たす組合せを確認できた時点で撮像画像判定部102は処理を終了し、当該組合せに含まれるサブ撮像画像データを通信部104が画像出力装置200に送信すればよい。もしくは、撮像画像判定部102は、全ての組合せについて処理実行条件を満たすか否か判定してもよい。この場合、複数の組合せが処理実行条件を満たす場合、制御部109は、検出したズレ量が所定範囲の中央値に最も近い組合せを画像出力装置200に送信するものと決定してもよい。例えば、所定範囲が0.3〜0.7である場合、ズレ量が0.5に最も近い組合せを選択すればよい。
(9−7−5)高解像度補正の別の例
上記の説明では、複数のサブ撮像画像データから高解像度の再構成画像データを生成するものとした。しかしながら、複数の画像データではなく、1つの画像データに基づいて高解像度補正を行ってもよい。
1つの画像データからの高解像度画像作成方法に関しては、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.2、pp.181〜189(2008)にいくつかの方法が紹介されている。
一般的には、画像パターンのエッジ方向性を検知し、その向きに合わせた補間を行うとともに、補間によるひずみや入力画像に存在したノイズ成分の影響などの除去を目的としたノイズ除去処理を行うことにより、高解像度補正を実行することができる。以下、具体的に説明する。
図30は、1つの撮像画像データに基づいて実行される高解像度補正の処理の流れを示すフローチャートである。
ここでは、横方向・縦方向の各々について2倍の解像度変換を行う例について説明する。2倍の解像度変換を行う場合、補正対象となる撮像画像データの画素数をn×mとするとき、補正後の高解像度画像データの画素数は2n×2mとなる。このような高解像度補正(2倍の解像度変換)は、撮像画像データにおける各画素を基準画素とし、当該基準画素間の中央に新たな画素を補間画素として生成し、当該基準画素と補間画素との両方を備える画像データを高解像度画像データとして生成することにより実行される。図31は、基準画素と補間画素との関係を示すものであり、画素aが基準画素を示し、画素bが補間画素を示している。
まず、高解像度補正部225は、第1通信部207が受信した撮像画像データについて、エッジ抽出を行う。例えば、高解像度補正部225は、図25に示されるような1次微分フィルタを用いてエッジ抽出を行い、2値化処理を行い、2値化画像データを生成する(S40)。なお、2値化画像データにおいて画素値が1であればエッジである可能性が高い画素であることを示している。
次に、高解像度補正部225は、S40で生成した2値化画像データに基づいて、撮像画像データにおける着目画素がエッジであるか否かを判定する(S41)。具体的には、高解像度補正部225は、2値化画像データにおける着目画素に対応する画素の値が1であれば、当該着目画素がエッジであると判定する。
なお、着目画素とは、撮像画像データにおける各画素を任意の順に着目していったときに、着目している画素のことをいう。
着目画素がエッジである場合(S41でYes)、高解像度補正部225は、着目画素を含むN×N(N>1)の部分画像を用いてエッジ方向を検出する(S42)。具体的には、N×Nの部分画像に含まれる全ての基準画素について、エッジ画素であるか否かを判定する。そして、着目画素の左上の基準画素と右下の基準画素とがエッジ画素である場合、高解像度補正部225は、部分画像におけるエッジ方向が左上−右下方向であると判定する。同様に、着目画素の左の基準画素と右の基準画素とがエッジ画素である場合、エッジ方向が左−右方向であると判定し、着目画素の上の基準画素と下の基準画素とがエッジ画素である場合、エッジ方向が上−下方向であると判定し、着目画素の右上の基準画素と左下の基準画素とがエッジ画像である場合、エッジ方向が右上−左下方向であると判定する。
図32において、点線は検出したエッジ方向を示している。なお、図32において、画素(1)〜(9)が基準画素であり、このうちの画素(5)が着目画素である。そして、画素A、B、Cは、それぞれ、基準画素(1)と(5)との間の補間画素、基準画素(2)と(5)との間の補間画素、基準画素(4)と(5)との間の補間画素である。
次に、高解像度補正部225は、S42で検出したエッジ方向に応じて、着目画素の左上の補間画素A、着目画素の上の補間画素B、着目画素の左の補間画素Cの画素値を補間により求める。このとき、エッジ方向に沿った基準画素を用いて補間画素の画素値を求める。
エッジ方向が左上−右下方向である場合、図32(a)に示されるように、基準画素(1)、(5)、(9)がエッジ画素であり、これらの画素を結ぶ線がエッジ線となる。そして、エッジ線上の補間画素Aの画素値VA(図中では「V」の表記を省略している。以下同じ)について、補間画素Aに隣接するエッジ線上の基準画素(1)(画素値V(1))および基準画素(5)(画素値V(5))の画素値を用いて、以下の式
VA=(V(1)+V(5))/2
により求める。
一方、エッジ線上ではない補間画素B,Cについては、エッジ線上の基準画素を除く基準画素のうちの、当該補間画素に最も近い基準画素(最近接基準画素)を含み、エッジ方向に平行な線上の基準画素を用いて補間する。例えば、図32(a)では、補間画素Bについては、最近接基準画素である基準画素(2)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(2)と(6)とを結ぶ線である。そして、補間画素Bから当該線に垂直に下した点は、基準画素(2)と(6)とを結ぶ線分を内分する。そのため、補間画素Bの画素値VBは、以下の式
VB=(9×V(2)+4×V(6))/13
を用いて求める。
同様に、補間画素Cの画素値VCは、最近接基準画素である基準画素(4)と、当該基準画素(4)を含みエッジ方向に平行な線上の基準画素(8)との画素値を用いて、以下の式
VC=(9×V(4)+4×V(8))/13
により求める。
また、エッジ方向が左−右方向である場合、図32(b)に示されるように、基準画素(4)、(5)、(6)がエッジ画素であり、これらの画素を結ぶ線がエッジ線となる。そして、エッジ線上の補間画素Cの画素値VCについて、補間画素Cに隣接するエッジ線上の基準画素(4)(画素値V(4))および基準画素(5)(画素値V(5))の画素値を用いて、以下の式
VC=(V(4)+V(5))/2
により求める。
一方、エッジ線上ではない補間画素A、Bについては、エッジ線上の基準画素を除く基準画素のうちの、当該補間画素に最も近い基準画素(最近接基準画素)を含み、エッジ方向に平行な線上の基準画素を用いて補間する。例えば、図32(b)では、補間画素Aについては、最近接基準画素である基準画素(1)または(2)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(1)と(2)とを結ぶ線である。そして、補間画素Aから当該線に垂直に下した点は、基準画素(1)と(2)との中央に存在する。そのため、補間画素Aの画素値VAは、以下の式
VA=(V(1)+V(2))/2
を用いて求める。
補間画素Bについては、最近接基準画素である基準画素(2)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(1)と(2)と(3)とを結ぶ線である。そして、補間画素Bから当該線に垂直に下した点は、基準画素(2)と一致する。そのため、補間画素Bの画素値VBは、基準画素(2)の画素値V(2)と同じ値にする。
また、エッジ方向が右上−左下方向である場合、図32(c)に示されるように、基準画素(3)、(5)、(7)がエッジ画素であり、これらの画素を結ぶ線がエッジ線となる。そして、補間画素A,B,Cは全てエッジ線上に存在しない。
補間画素Aについては、最近接基準画素が基準画素(1)、(2)、(4)となる。ここで、基準画素(2)、(4)は、エッジ方向に平行な同一の線上に位置するが、基準画素(1)は当該線上に位置しない。そこで、補間画素Aの画素値VAについて、最近接基準画素である基準画素(1)、(2)、(4)の画素値を用いて、以下の式
VA=(V(1)+V(2)+V(4))/3
により求める。
一方、補間画素B,Cについては、エッジ線上の基準画素を除く基準画素のうちの、当該補間画素に最も近い基準画素(最近接基準画素)を含み、エッジ方向に平行な線上の基準画素を用いて補間する。例えば、図32(c)では、補間画素Bについては、最近接基準画素である基準画素(2)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(2)と(6)とを結ぶ線である。そして、補間画素Bから当該線に垂直に下した点は、基準画素(2)と(4)とを結ぶ線分を内分する。そのため、補間画素Bの画素値VBは、以下の式
VB=(9×V(2)+4×V(4))/13
を用いて求める。
同様に、補間画素Cの画素値VCは、最近接基準画素である基準画素(4)と、当該基準画素(4)を含みエッジ方向に平行な線上の基準画素(2)との画素値を用いて、以下の式
VC=(4×V(2)+9×V(4))/13
により求める。
また、エッジ方向が上−下方向である場合、図32(d)に示されるように、基準画素(2)、(5)、(8)がエッジ画素であり、これらの画素を結ぶ線がエッジ線となる。そして、エッジ線上の補間画素Bの画素値VBについて、補間画素Bに隣接するエッジ線上の基準画素(2)および基準画素(5)の画素値を用いて、以下の式
VC=(V(2)+V(5))/2
により求める。
一方、エッジ線上ではない補間画素A、Cについては、エッジ線上の基準画素を除く基準画素のうちの、当該補間画素に最も近い基準画素(最近接基準画素)を含み、エッジ方向に平行な線上の基準画素を用いて補間する。例えば、図32(d)では、補間画素Aについては、最近接基準画素である基準画素(1)または(4)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(1)と(4)とを結ぶ線である。そして、補間画素Aから当該線に垂直に下した点は、基準画素(1)と(4)との中央に存在する。そのため、補間画素Aの画素値VAは、以下の式
VA=(V(1)+V(4))/2
を用いて求める。
補間画素Cについては、最近接基準画素である基準画素(4)を含み、エッジ方向に平行な線は、基準画素(1)と(2)と(3)とを結ぶ線である。そして、補間画素Cから当該線に垂直に下した点は、基準画素(4)と一致する。そのため、補間画素Cの画素値VCは、基準画素(4)の画素値V(4)と同じ値にする。
なお、記憶部210は、エッジ方向と、補間画素A,B,Cの画素値を求めるための演算式とを対応付けた情報を予め記憶している。そして、高解像度補正部225は、S42で検出されたエッジ方向に対応する演算式を記憶部210から読み出し、読み出した演算式に基づいて、補間画素A,B,Cの画素値を求めればよい。
なお、図32では、エッジ方向が直線状である場合のみ示している。しかしながら、エッジは、N×Nの部分画像内において曲がる場合もある。例えば、エッジが基準画素(2)−(5)−(4)のように曲がる場合や、エッジが基準画素(1)−(5)−(7)のように曲がる場合などである。このような場合についても、補間画素A,B,Cの画素値を求めるための演算式とを対応付けた情報を予め記憶している。例えば、エッジが基準画素(2)−(5)−(4)のように曲がる場合、補間画素Aについては図32(c)と同様に、補間画素Bについては図32(b)と同様に、補間画素Cについては図32(d)と同様の演算式を記憶している。また、エッジが基準画素(1)−(5)−(7)のように曲がる場合、補間画素Aについては図32(a)と同様に、補間画素Bについては図32(a)と同様に、補間画素Cについては図32(d)と同様の演算式を記憶している。他のエッジ方向のパターンについても同様に記憶している。
このようにして、高解像度補正部225は、エッジ画素と判定された基準画素の周囲に位置する補間画素の画素値を求める。
一方、着目画素がエッジでない場合(S41でNo)、高解像度補正部225は、当該着目画素の左上に隣接する補間画素A,当該着目画素の上に隣接する補間画素B,当該着目画素の左の補間画素Cの画素値を、一般的な補間演算法(バイリニア・バイキュービックなど)により求める(S43)。
高解像度補正部225は、上記のS41〜S43の処理を、一つの画像データに含まれる全ての基準画素について実行することで、基準画素と補間画素との両方を備える補間画像データを生成する(S44)。
その後、高解像度補正部225は、生成した補間画像データに対して高画質化処理を行う。例えば、高解像度補正部225は、ノイズ除去フィルタや鮮鋭化フィルタなどを補間画像データに適用して、高解像度画像データを生成する。従来からあるアンシャープマスクや図9の中央の係数を5としたものが鮮鋭化フィルタとなる。またノイズ除去としてはメディアンフィルタなどが広く知られている。より高度な手法として、上記エッジ保存性と高画質化を併せ持つ手法としてBilateralフィルタ[Proceedings of the 1998 IEEE International Conference on Computer Vision,]などを用いてもよい。
なお、高解像度補正部225は、上述した方法に限定されず、映像情報メディア学会誌Vol.62、No.2、pp.181〜189(2008) に記載されているような種々の方法を用いて、1つの撮像画像データから高解像度画像データを生成してもよい。
また、このように1つの画像データから高解像度画像データを生成する場合、携帯端末装置100の撮像部101は、文書撮像モードにおいて、1回のシャッター押下で1回だけ撮像すればよい。また、この場合、上記の(9−5−3−3)の処理を省略することができる。そして、携帯端末装置100は、上記の画像出力モードと同様に、1つの撮像画像データを含むものを送信すればよい。
(9−8)出力処理情報について
上記の説明では、出力処理情報を携帯端末装置100が取得し、画像出力装置200に送信するものとした。しかしながら、これに限らず、画像出力装置200が画像出力する際に、画像出力装置200の入力部206から出力処理情報(出力処理の種類、出力処理のための設定条件を示す情報)を取得してもよい。
(9−9)出力処理について
画像出力装置200において、制御部212は、ファイリング処理やメール送信処理を行う前に、画像処理部202・202aによって復号化された撮像画像データを高圧縮PDFに変換してもよい。なお、高圧縮PDFデータとは、画像データの中の背景部分と文字部分とを分離し、ぞれぞれの部分に最適な圧縮処理を行ったPDFデータである。これにより、画像ファイルサイズも低減させることができる。
また、制御部212は、ファイリング処理やメール送信処理を行う前に、画像処理部202・202aによって復号化された撮像画像データに対してOCR処理を実行し、テキストデータを生成してもよい。そして、制御部212は、撮像画像データをPDFに変換し、生成したテキストデータを透明テキストとして付加してもよい。なお、透明テキストとは、認識された文字をテキスト情報として見掛け上は見えない形で画像データに重ね合わせる(あるいは埋め込む)ためのデータである。例えば、PDFファイルでは、画像データに透明テキストを付加した画像ファイルが一般に使用されている。そして、制御部212は、生成した透明テキスト付きPDFデータを出力させてもよい。これにより、テキスト検索可能なファイルのように活用しやすい電子化文書を出力することができる。
(9−10)画像出力装置が備える画像処理部について
上記の説明では、画像出力装置200が備える画像処理部202・202aが復号化処理やカラーバランス補正などを行うものとして説明した。しかしながら、画像出力装置200は、撮像画像データに対する復号化処理やその他の画像処理(高解像度補正、幾何学的歪みの補正、レンズ歪みの補正、コントラスト補正、カラーバランス補正など)を、上記画像処理部202・202aを備えたサーバに実行させてもよい。なお、この場合、当該サーバが、携帯端末装置100から受信した撮像画像データに対して復号化処理を行い、復号化された撮像画像データを出力する画像出力装置であるといえる。
(10)プログラムおよび記録媒体
本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記した携帯端末装置100で撮像した画像を画像出力装置200に送信し画像出力装置200より出力する方法を記録するものとすることもできる。
この結果、上記処理を行うプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)を記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、本実施の形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなもの、そのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムコードを読み出し、読み出されたプログラムコードは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVDなどの光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするように流動的にプログラムコードを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
上記記録媒体は、携帯端末装置100や画像出力装置200に備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、携帯端末装置と画像出力装置との間でデータ通信を行う撮像画像処理システムに適用することができる。
100 携帯端末装置
101 撮像部(撮像手段)
103a テーブル選択部
103b 符号化部
104 通信部(画像データ送信部)
106 入力部
108 記憶部(第1記憶手段)
109 制御部(画像データ送信部)
110 ID受付部
111 テーブル取得部
112 パスコード設定部
200 画像出力装置
202・202a 画像処理部
203 認証部(判定部)
204 画像形成部(出力部)
207 第1通信部(画像データ受信部)
208 第2通信部(出力部)
210 記憶部(第2記憶手段)
211 パスワード受付部
212 制御部(出力部)
222 復号化部
225 高解像度補正部

Claims (11)

  1. 撮像手段を備えた携帯端末装置と複数の画像出力装置とを備え、上記携帯端末装置と上記画像出力装置とが通信可能である撮像画像処理システムであって、
    上記携帯端末装置は、画像データを符号化するための符号化情報を少なくとも一つ記憶する第1記憶手段を備え、上記複数の画像出力装置の各々は、上記符号化情報で符号化された画像データを復号化するための復号化情報を記憶するとともに自装置を識別するための第1識別情報を記憶する第2記憶手段を備えており、
    各符号化情報と当該符号化情報に対応する復号化情報との組み合わせに対して、当該組み合わせを識別するための第2識別情報が予め割り当てられており、上記第1記憶手段は、各符号化情報と当該符号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶し、上記第2記憶手段は、各復号化情報と当該復号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶しており、
    上記携帯端末装置は、
    上記撮像手段の撮像により得られた撮像画像データを、上記第1記憶手段が記憶する符号化情報を用いて符号化する符号化部と、
    上記符号化部により符号化された撮像画像データを、上記符号化部が用いた符号化情報に対応する第2識別情報とユーザ入力により設定された第1識別情報とを付加して、ユーザにより指定された画像出力装置に送信する画像データ送信部とを備え、
    上記画像出力装置は、
    上記携帯端末装置から、第1識別情報および第2識別情報が付加された撮像画像データを受信する画像データ受信部と、
    上記画像データ受信部が受信した第1識別情報が、上記第2記憶手段に記憶されている第1識別情報と一致するか否かを判定する判定部と、
    上記判定部により一致すると判定された場合に、上記画像データ受信部が受信した第2識別情報に対応する復号化情報を上記第2記憶手段から読み出し、当該復号化情報を用いて、上記画像データ受信部が受信した撮像画像データを復号化する復号化部と、
    上記復号化部により復号化された撮像画像データ、または、当該復号化された撮像画像データで示される画像を出力する出力部とを備えることを特徴とする撮像画像処理システム。
  2. 上記符号化部および上記復号化部は、画像データの画素位置を変更することで符号化および復号化を行うものであり、
    上記符号化情報は、撮像画像データに含まれる各画素について、符号化を行った後の画素位置を示す情報であり、
    上記復号化情報は、符号化された画像データの各画素について、正規の画素位置を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の撮像画像処理システム。
  3. 上記符号化情報を用いた符号化の方法として複数種類の方法があり、
    上記符号化部は、上記複数種類の方法の中の一つの方法を選択して、撮像画像データの符号化を行い、
    上記画像データ送信部は、上記撮像画像データとともに、上記符号化部が選択した符号化の方法を識別するための第3識別情報を画像出力装置に送信し、
    上記復号化部は、上記画像データ受信部が受信した第3識別情報で識別される方法に従って、上記撮像画像データの復号化を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像画像処理システム。
  4. 上記符号化情報を用いた符号化の方法として複数種類の方法があり、
    上記符号化部は、上記複数種類の方法の中の複数の方法を選択して、撮像画像データの符号化を行い、
    上記画像データ送信部は、上記撮像画像データとともに、上記符号化部が選択した複数の符号化の方法を識別するための第4識別情報を画像出力装置に送信し、
    上記復号化部は、上記画像データ受信部が受信した第4識別情報で識別される複数の方法に従って、上記撮像画像データの復号化を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像画像処理システム。
  5. 上記符号化部は、上記撮像画像データの少なくとも一つの色成分データについて、他の色成分データとは異なる符号化情報を用いた符号化の方法により符号化することを特徴とする請求項4に記載の撮像画像処理システム。
  6. 上記符号化部が選択した上記複数の方法は、画素位置を変更する方法と、画素の濃度値を変更する方法とを含むことを特徴とする請求項4または5の何れか1項に記載の撮像画像処理システム。
  7. 上記符号化の方法として、以下の(a)〜(f)の中の少なくとも2つがあることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の撮像画像処理システム。
    (a)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データに対して同じ符号化情報を用いて画素位置を変更する符号化方法
    (b)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割し、各色成分データの各ブロックについて同一の符号化情報を用いて画素位置を変更するとともに、各色成分データについて同一の符号化情報を用いてブロックの位置も変更する符号化方法
    (c)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割するとともに、当該複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる符号化情報を用いて当該グループに属するブロック内の画素位置を変更する方法であり、かつ、各色成分データについて同一の符号化情報を用いる符号化方法
    (d)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データに対して異なる符号化情報を用いて画素位置を変更する符号化方法
    (e)撮像画像データが複数の色成分データで構成されており、各色成分データを所定サイズの複数のブロックに分割するとともに、当該複数のブロックを複数のグループに分け、グループごとに異なる符号化情報を用いて当該グループに属するブロック内の画素位置を変更する方法であり、かつ、各色成分データについて異なる符号化情報を用いる符号化方法
    (f)撮像画像データの各画素の濃度値を符号化情報を用いて変更する符号化方法。
  8. 上記画像出力装置は、上記復号化部により復号化された撮像画像データを、当該撮像画像データの解像度よりも高い解像度に補正する高解像度補正部を備えており、
    上記出力部は、上記高解像度補正部により補正された撮像画像データ、または、当該補正された撮像画像データで示される画像を出力することを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の撮像画像処理システム。
  9. 撮像手段を備えた携帯端末装置と複数の画像出力装置とを備え、上記携帯端末装置と上記画像出力装置とが通信可能である撮像画像処理システムにおける画像出力方法であって、
    上記携帯端末装置は、画像データを符号化するための符号化情報を少なくとも一つ記憶する第1記憶手段を備え、上記複数の画像出力装置の各々は、上記符号化情報で符号化された画像データを復号化するための復号化情報を記憶するとともに自装置を識別するための第1識別情報を記憶する第2記憶手段を備えており、
    各符号化情報と当該符号化情報に対応する復号化情報との組み合わせに対して、当該組み合わせを識別するための第2識別情報が予め割り当てられており、上記第1記憶手段は、各符号化情報と当該符号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶し、上記第2記憶手段は、各復号化情報と当該復号化情報を含む上記組み合わせを識別する上記第2識別情報とを対応付けて記憶しており、
    上記携帯端末装置が、上記撮像手段の撮像により得られた撮像画像データを、上記第1記憶手段が記憶する符号化情報を用いて符号化する符号化ステップと、
    上記携帯端末装置が、符号化された撮像画像データを、符号化に用いた符号化情報に対応する第2識別情報とユーザ入力により設定された第1識別情報とを付加して、ユーザにより指定された画像出力装置に送信する画像データ送信ステップと、
    上記画像出力装置が、上記携帯端末装置から、第1識別情報および第2識別情報が付加された撮像画像データを受信する画像データ受信ステップと、
    上記画像出力装置が、受信した第1識別情報と上記第2記憶手段に記憶されている第1識別情報とが一致するか否かを判定する判定ステップと、
    上記判定ステップにて一致すると判定された場合に、上記画像出力装置が、受信した第2識別情報に対応する復号化情報を上記第2記憶手段から読み出し、当該復号化情報を用いて、受信した撮像画像データを復号化する復号化ステップと、
    上記画像出力装置が、復号化された撮像画像データ、または、当該復号化された撮像画像データで示される画像を出力する出力ステップとを含むことを特徴とする画像出力方法。
  10. 請求項1から8のいずれか1項に記載の撮像画像処理システムを動作させるプログラムであって、コンピュータを上記各部として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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