JP2011093021A - タップコレットおよびタップホルダ - Google Patents
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Abstract
【課題】主軸の回転と軸送りの誤差を吸収して回転と送りとを同期させることができるだけでなく、摩耗を目視で簡単に点検することができるタップコレットを提供する。
【解決手段】タップホルダ本体の先端に形成された円筒状のタップコレット取付部15に取り付け可能なタップコレット31は、タップコレット取付部15に挿入される挿入筒部38の外周面35上のうちタップコレット取付部15に設けられて径方向に進退動する複数の鋼球51と対面する部位に、その表面が樹脂層37からなる凹部36が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】タップホルダ本体の先端に形成された円筒状のタップコレット取付部15に取り付け可能なタップコレット31は、タップコレット取付部15に挿入される挿入筒部38の外周面35上のうちタップコレット取付部15に設けられて径方向に進退動する複数の鋼球51と対面する部位に、その表面が樹脂層37からなる凹部36が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、一方端がタップを保持し、他方端が工作機械の主軸に取り付けられるタップホルダ、およびこのタップホルダに用いられるタップコレットに関する。
金属製のワークに雌ねじ孔を設けるタップ加工にあっては、タップを回転させながらワークの孔に進行させて孔壁にねじ山を形成する。最も良好な雌ねじ孔を形成するために、タップの回転および進行は、タップのピッチに合わせて同期しなければならない。ところが、工作機械の同期制御において、なんらかの原因により工作機械の主軸の回転と送り前進とが同期せず不一致になると、ねじ山の稜線が削れて雌ねじ孔の口径が大きくなったり、ねじ山が痩せたりするなどの不都合が生じる。
そこで、主軸の回転と軸送りとの同期誤差を吸収する技術としては従来、例えば、特開2008−12613号公報(特許文献1)に記載のごときタップホルダが知られている。特許文献1に記載のタップホルダは、一端にタップを保持するタップコレットと、このタップコレットを受け入れて回転不能に把持固定するタッパー本体とからなる。タッパー本体の透孔内には、弾性変形可能な樹脂製ボールがほとんど隙間のない状態で保持されている。そして、樹脂製ボールはタップコレットの凹溝内に突出し、凹溝に密着するよう押圧する。これによりタップコレットはタッパー本体と結合して、軸方向の移動が規制される。
また、タップコレットの他端には軸直角方向に延在する回り止め溝が形成されており、この回り止め溝にタッパー本体のピンが係合して、タッパー本体の回転運動をタップコレットへ伝達する。
樹脂製ボールはタッパー本体の軸移動をタップコレットに正確に伝達するので、特許文献1のタップホルダは同期してタップ加工を行うことができる。かかるタップ加工において、主軸の回転と軸送りの誤差などにより、タップコレットが引っ張り力によって軸先端のタップ側方向に移動しようとする場合、透孔内においてほとんど隙間のない状態で保持されている樹脂製ボールは、透孔の孔壁と凹部の表面とによって軸方向のせん断応力を受けて弾性変形し、その分タップコレットの軸方向への微小量の移動を許容する。この結果、軸送りの誤差を吸収するようタップコレットがタップのピッチに一致する方向に微小移動し、精度の高いタップ加工を行うことができるというものである。
しかし、上記従来のようなタップホルダにあっては、以下に説明するような問題を生ずる。つまり、弾性体に相当する樹脂製ボールが球体であることから、摩耗の識別が困難であった。しかも、樹脂製ボールは透孔の内部に脱落しないよう収容されていることから、目視によって摩耗を判別するためには、タッパー本体を分解して樹脂製ボールを取り出さなければならず、煩雑な作業を要していた。
また特許文献1に記載のタップホルダは、樹脂製ボールの他にスチールボールも備えることから、樹脂製ボールとスチールボールとを区別して管理しなければならず、組立作業が煩雑である。
本発明は、上述の実情に鑑み、煩雑な分解・組立作業をなくして摩耗を目視で簡単に点検することができ、しかも簡易な構成により主軸の回転と軸送りの誤差を吸収して回転と送りとを同期させることができるタップホルダ、およびこのタップホルダに取付可能なタップコレットを提供することを目的とする。
この目的のため本発明によるタップコレットは、タップホルダ本体の先端に形成された円筒状のタップコレット取付部に取り付け可能であることを前提とする。そして、タップコレット取付部に挿入される挿入筒部の外周面上のうちタップコレット取付部に設けられて径方向に進退動する複数の係合部材と対面する部位に、その表面が弾性素材からなる凹部が形成されていることを特徴とする。
かかる本発明によれば、タップコレットの挿入筒部の外周面上のうちタップコレット取付部に設けられて径方向に進退動する複数の係合部材と対面する部位に、弾性素材からなる凹部が形成されることから、タップホルダ本体からタップコレットを取り外すことにより、タップコレットの外周面を目視し得て、凹部の摩耗を容易に点検することができる。
凹部の表面は弾性素材でコーティングされていてもよい。あるいは、挿入筒部の外周面上には、表面に凹部を有する弾性部材が取付固定されてもよい。表面に弾性素材が形成される凹部であれば、弾性素材の配置形状は特に限定されない。目視により凹部の摩耗が認められると、タップコレットを新品に交換して、従前のタップホルダ本体とともに使用することができる。あるいは、摩耗した弾性部材を新品に取り替えたり、弾性素材を改めてコーティングすることにより引き続きタップコレットを使用することができる。
また、凹部が金属製の挿入筒部の外周面上に形成され、かかる凹部の表面を弾性素材でコーティングする場合、簡易な構成とすることが可能になる。そしてコーティングが摩耗するとタップコレット自身を構成する金属材料が露出することから、コーティングの摩耗を容易に発見することができる。
係合部材は球体であってもよいし、他の形状であってもよい。係合部材は凹部と係合するものであれば形状を特に限定されない。
また本発明のタップホルダは、円周方向に離隔した複数の貫通孔を持つ円筒状のタップコレット取付部を、軸線方向一方端に有するタップホルダ本体と、タップコレット取付部の複数の貫通孔にそれぞれ配置される複数の係合部材と、タップコレット取付部に挿入される挿入筒部の外周面上であって複数の貫通孔と対面する部位に、その表面が弾性素材からなる凹部が形成されているタップコレットと、タップコレット取付部の外周面上を軸線方向に変位可能に設けられ、第1の位置では各係合部材を凹部に向かって押圧し、第2の位置では係合部材の押圧を解除するクランプカラーとを備える。
かかる本発明によれば、タップコレットの挿入筒部の外周面上であってタップホルダ本体の貫通孔と対面する部位に、弾性素材からなる凹部が形成されることから、タップホルダ本体からタップコレットを取り外すことにより、タップコレットの外周面を目視し得て、凹部の摩耗を容易に点検することができる。本発明においても、凹部の表面は弾性素材でコーティングされていてもよい。あるいは、挿入筒部の外周面上には、表面に凹部を有する弾性部材が取付固定されてもよい。 本発明は一実施形態に限定されるものではないが、タップコレット本体は軸線方向に沿って延びる中心孔を有し、タップコレットも軸線方向に沿って延びる中心孔を有してもよい。そして、タップホルダは、タップコレット取付部に挿入されるとともにタップホルダ本体とタップコレットとの間に介装され、これらタップホルダ本体とタップコレットとの境界を内径側から覆うとともにタップホルダ本体の中心孔とタップコレットの中心孔とを接続する接続部材をさらに備えてもよい。
かかる実施形態によれば、接続部材を用いて、タップホルダ本体に設けられたクーラント通路と、タップコレットに設けられたクーラント通路とを接続することができる。したがって、タップコレットからタップの刃先にクーラントを噴射することが可能になり、タップ加工の冷却性能を向上することができる。また、中心孔を流れるクーラントがタップホルダ本体とタップコレットとの境界に浸入することを防止して、凹部と係合部材との係合を強固に保持することができる。
このように本発明は、タップコレットの挿入筒部の外周面上のうち複数の係合部材と対面する部位に、その表面が弾性素材からなる凹部が形成されていることから、タップホルダ本体からタップコレットを取り外すことにより、タップコレットの外周面を目視し得て、凹部の摩耗を容易に点検することができる。したがって、煩雑な分解作業をなくして摩耗の目視が容易になる。この結果、タップホルダの取り扱い性能が向上するばかりでなく、精度の高いタップ加工を継続的に実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になるタップホルダを示す全体図であり、下半分が側面図、上半分が縦断面図である。図2は、同実施例のタップコレットを示す縦断面図である。
タップホルダ10は、主な構成要素としてタップホルダ本体11と、タップコレット31と、クランプカラー41と、鋼球51とを備える。これら構成要素11,31,41,51を組み立てた状態のタップホルダ10は、タップ100の根元部101を把持する。
タップホルダ本体11は、一点鎖線で示す軸線に沿って延在する。タップホルダ本体11の外周には、軸線方向中程で外径方向へ突出した把持用フランジ部13が形成される。またタップホルダ本体11の外周には、把持用フランジ部13から後端へ向かうにつれて小径となるテーパシャンク部14が形成される。タップホルダ10は、テーパシャンク部14で図示しない工作機械の主軸に装着される。
またタップホルダ本体11は、テーパシャンク部14とは反対側になるタップホルダ本体11の先端に、タップコレット31が着脱可能に取り付けられるタップコレット取付部15を有する。タップコレット取付部15は先端が開口した円筒状に形成され、かかる先端開口筒状体になるタップコレット取付部15の内部にはタップコレット31の後端領域に形成された挿入筒部38が挿入される。タップコレット取付部15の外周には環状段差16が形成される。環状段差16より先端側の外径は環状段差16より後端側の外径よりも小さい。
タップコレット取付部15のかかる先端側の外周面17は、円筒形状のクランプカラー41に包囲される。クランプカラー41の内周面は、タップホルダ本体11の先端側外周面17上を軸線方向に摺動自在である。先端側外周面17のうち先端側に近い部位には、クランプカラー用スナップリング18が嵌合する。クランプカラー用スナップリング18は、クランプカラー41がタップコレット取付部15から抜け出ることを防止する。
またタップコレット取付部15には、外周面17と内周面19とを連通する貫通孔20が設けられる。貫通孔20は、周方向等間隔に複数配設され、半径方向に延びる。本実施例では、120度毎に離隔した3箇所に貫通孔20が形成される。貫通孔20は鋼球51をそれぞれ収容する。鋼球51は貫通孔20に沿って外周面17と内周面19との間を移動することができる。ただし貫通孔20の孔径は、鋼球51の外径と略等しいことから、鋼球51が軸線方向ないし周方向に移動することができない。すなわち鋼球51は、軸線に近づいたり離れたりするよう半径方向にのみ移動可能である。
クランプカラー41の内周には、環状段差42が形成される。この環状段差42はタップコレット取付部15の環状段差16と対向するとともに、クランプカラー41の内周面とタップコレット取付部15の外周面17との間で環状空間を画成する。この環状空間にはクランプカラー用コイルばね43が縮設配置される。クランプカラー用コイルばね43は、これら環状段差16と環状段差42との間が離隔するよう環状段差16および環状段差42を押圧する。これによりクランプカラー41はクランプカラー用スナップリング18と当接する位置まで先端側へ付勢される。
クランプカラー41の内周のうち環状段差42よりも先端側の内周面は、図1に示すように、クランプカラー41がクランプカラー用スナップリング18と当接する第1の押圧位置で、貫通孔20周辺の外周面17と接触する。かかる内周面接触部44により、鋼球51は内径側へ押し出され、鋼球51の一部分が内周面19を超えて内径方向に突出しタップコレット31と係合する。
またクランプカラー41内周のうち内周面接触部44よりも先端側には、外径側に窪んだ凹部45が形成される。クランプカラー用コイルばね43の押圧力に抗してクランプカラー41を後端側へ押し込むと、内周面接触部44が貫通孔20から離れ、クランプカラー41は第2の解除位置へ摺動する。かかる解除位置で凹部45が貫通孔20と一致する。これにより、鋼球51の一部分が外周面17を超えて凹部45に受け入れられることから、鋼球51は内周面19から離れて外径側に変位することが許容される。
タップコレット31は概略円筒の形態を呈し、タップコレット31の先端には、後端に向かって軸線方向に延びる孔であってタップ100の根元部101と嵌合するタップ嵌合孔32が形成される。
タップコレット31の軸線方向中央部には軸線方向両端部よりも大きな外径の大径部33が形成される。大径部33の後端側には、切り欠き部34が周方向等間隔に複数配設される。切り欠き部34は、タップホルダ本体11の先端に形成された突出部11sと係合して、タップコレット31を相対回転不能にする。
また大径部33よりも後端側に位置するタップコレット31の外周面35は、挿入筒部38の外周面であり、タップコレット取付部15に差し込まれた状態で、タップコレット取付部15の内周面19と向き合う。タップコレット31の外周面35のうち後端寄りの部位には、外周面35よりも窪んだ凹部36が形成される。凹部36は、全周に亘って延びる溝であってもよいし、120度等間隔に設けられた窪みであってもよい。凹部36は、金属製である挿入筒部38の外周面35上に形成される。凹部36の表面は樹脂層37でコーティングされている。この樹脂層37は、金属製の鋼球51と比較して弾性を有する素材である。
タップコレット31をタップコレット取付部15に取付固定する操作につき説明する。
まず、クランプカラー41を第2の解除位置まで後端側に押し込んだまま、タップコレット31の後端をタップコレット取付部15の先端に差し込み、タップコレット取付部15の内周面19に沿ってタップコレット31の外周面35を軸線方向に摺動させる。この際、鋼球51がクランプカラー41の凹部45へ移動可能であることから、タップコレット31の後端を貫通孔20の軸線方向位置を越えて奥深くに差し込むことができ、タップコレット31の凹部36が貫通孔20と向き合うことができる。
内周面19によって画成されるタップコレット取付部15の中央孔の孔底には、円筒形状のプッシャ61が挿入されている。プッシャ61は、軸線方向に摺動可能に設けられている。また、タップコレット取付部15の中央孔の内周面には、抜け止め部材66が設けられている。抜け止め部材66は、プッシャ61がタップコレット取付部15の中央孔から抜け出ることを防止する。プッシャ61には、プッシャ61を先端側へ付勢するプッシャ用コイルばね62が付設される。
タップコレット31が内周面19に沿って差し込まれると、プッシャ61がタップコレット31の後端とタップコレット取付部15中央孔の孔底とに挟まれて、タップコレット31の更なる挿入が阻止される。これによりタップコレット31は軸線方向に位置決めされる。
そしてタップコレット取付部15に固定されたタップコレット31は、プッシャ用コイルばね62の付勢力を受けて、プッシャ61から先端方向に押圧される。これにより、凹部36と鋼球51との軸線方向隙間を詰め、タップコレット31の軸線方向のがたつきを好適に防止する。
タップコレット31がタップコレット取付部15の奥まで挿入されると、上述したクランプカラー41の押し込みを中止する。クランプカラー41はクランプカラー用コイルばね43により第1の押圧位置に復帰して、クランプカラー41の内周面接触部44が再び鋼球51を内径方向に押し込み、鋼球51はタップコレット31の凹部36に係合する。
鋼球51の表面は球状に膨出していることから、凹部36との係合状態において鋼球51は凹部36の表面と当接し凹部36内に係合保持される。これによりタップコレット31は、タップコレット取付部15に挿入された状態に保持され、軸線方向先端側へ抜け出ることがない。
タップコレット取付部15からタップコレット31を取り外すには上述とは逆順に操作すればよい。
本実施例の凹部36の機能につき説明する。
本実施例のタップホルダ10は、図示しない主軸に装着されてタップ100のピッチに合わせて回転および軸送りが同期する。しかしながら、軸送りに誤差が生じ回転と軸送りとがわずかにずれる場合がある。すなわち、主軸の回転と送りの誤差などによりタップコレット31が軸線方向先端側へ向かう力を受ける場合、凹部36の軸線方向後端部位に位置する樹脂層37が鋼球51によって軸線方向の圧縮力を受ける。樹脂層37は弾性素材からなることから、所定以上の圧縮力によって軸線方向後端部位に位置する樹脂層37は圧縮変形し、タップコレット31の先端方向への微小変位を許容する。これにより、タップコレット31がタップ100のピッチに合うよう微小変位し、誤差を吸収して同期させることができる。
あるいは、主軸の回転と送りの誤差などによりタップコレット31が軸線方向後端側へ向かう力を受ける場合、凹部36の軸線方向先端部位に位置する樹脂層37が鋼球51によって軸線方向の圧縮力を受ける。樹脂層37は弾性素材からなることから、所定以上の圧縮力によって軸線方向先端部位に位置する樹脂層37は圧縮変形し、タップコレット31の後端方向への微小変位を許容する。これにより、タップコレット31がタップ100のピッチに合うよう微小変位し、誤差を吸収して同期させることができる。
かくして本実施例によれば、軸線直角方向に窪んだ凹部36の表面は弾性素材である樹脂層37でコーティングされ、樹脂層37の弾性変形の範囲でタップコレット31の変位を許容することから、タップホルダ10における回転と軸送りの誤差を吸収することができ、精度の高いタップ加工をすることができる。
なお、凹部36は樹脂層37でコーティングされていることから、樹脂層37の厚みは所定値に限定されている。これにより、上述した樹脂層37の圧縮変形が微小量を超えて進展することはない。
また本実施例によれば、クランプカラー41を第2の解除位置まで押し込みタップコレット31を取り外すことにより、凹部36を容易に目視で点検することができる。したがって、樹脂層37の摩耗を容易に点検することができる。さらに、樹脂層37が摩耗欠損していないタップコレットとの交換も簡単である。また、凹部36を弾性素材で再コーティングすることによりタップコレット31を再生利用することができる。
次に本発明の他の実施例を説明する。図3は本発明の他の実施例になるタップホルダを示す全体図であり、下半分が側面図、上半分が縦断面図である。他の実施例につき、上述した実施例と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略し、異なる構成について以下に説明する。他の実施例では、タップコレット31にクーラント通路中心孔39が設けられる。中心孔39はクーラントが流れる通路であってタップコレット31の後端から軸線に沿って延び、タップ嵌合孔32の孔底(タップ嵌合孔32の後端)と接続する。
また、クーラント通路になる中心孔39は、タップコレット31の後端において、クーラントスルー用アダプタ63と接続する。クーラントスルー用アダプタ63は、内周面19によって画成されるタップコレット取付部15の中央孔に挿入されるとともに、タップホルダ本体11とタップコレット31の後端との間に介装される。
クーラントスルー用アダプタ63は、先端から後端まで延びるクーラント通路孔64を有する。クーラント通路孔64の先端は、クーラント通路である中心孔39と接続する。またクーラント通路である中心孔64の後端は、タップホルダ本体11に設けられて軸線に沿って延びる中心孔24と接続する。クーラント通路である中心孔24を流れるクーラントは、クーラントスルー用アダプタ63のクーラント通路孔64を経由してタップコレット31のクーラント通路である中心孔39を流れ、タップ100の先端へ噴出する。
これによりクーラントスルー用アダプタ63は、タップホルダ本体11に設けられた中心孔24と、タップコレット31に設けられた中心孔39とを接続する接続部材になる。
クーラント通路である中心孔24の先端出口には、タップホルダ本体11の軸線に沿って突出する管状部25が取り付けられている。管状部25の外周部は、クーラントスルー用アダプタ63に差し込まれる。クーラント通路孔64の内周にはOリング65が設けられており、Oリング65は管状部25の外周部を隙間なく包囲する。これによりクーラントスルー用アダプタ63は、タップホルダ本体11とタップコレット31との境界を内径側から覆ってクーラント通路である中心孔24と中心孔39との接続箇所を密封する。
図3に示す他の実施例によれば、タップホルダ10における回転と軸送りの誤差を吸収することができ、精度の高いタップ加工をすることができ、目視によって凹部36の摩耗を容易に点検することができ、タップコレット31の取り付け取り外し作業が容易である他、タップ100の刃先にクーラントを供給することが可能となり、タップ加工の冷却性能が向上する。さらに、中心孔24,39を流れるクーラントがタップホルダ本体11とタップコレット31との境界に浸入することを防止して、凹部36と鋼球51との係合を強固に保持することができる。
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明になるタップコレットおよびタップホルダは、自動制御により回転速度および軸送りを同期させる工作機械において有利に利用される。
10 タップホルダ、11 タップホルダ本体、13 把持用フランジ部、14 テーパシャンク部、15 タップコレット取付部、18 クランプカラー用スナップリング、20 貫通孔、24 中心孔、25 管状部、31 タップコレット、32 タップ嵌合孔、34 切り欠き部、36 凹部、37 樹脂層、38 挿入筒部、39 中心孔、41 クランプカラー、43 クランプカラー用コイルばね、44 内周面接触部、45 凹部、51 鋼球、63 クーラントスルー用アダプタ、64 クーラント通路孔。
Claims (5)
- タップホルダ本体の先端に形成された円筒状のタップコレット取付部に取り付け可能なタップコレットであって、
前記タップコレット取付部に挿入される挿入筒部の外周面上のうち前記タップコレット取付部に設けられて径方向に進退動する複数の係合部材と対面する部位に、その表面が弾性素材からなる凹部が形成されていることを特徴とするタップコレット。 - 前記凹部は、金属製の前記挿入筒部の外周面上に形成され、
前記凹部の表面は前記弾性素材でコーティングされている、請求項1に記載のタップコレット。 - 前記挿入筒部の外周面上には、表面に前記凹部を有する弾性部材が取付固定される、請求項1に記載のタップコレット。
- 円周方向に離隔した複数の貫通孔を持つ円筒状のタップコレット取付部を、軸線方向一方端に有するタップホルダ本体と、
前記タップコレット取付部の複数の貫通孔にそれぞれ配置される複数の係合部材と、
前記タップコレット取付部に挿入される挿入筒部の外周面上であって前記複数の貫通孔と対面する部位に、その表面が弾性素材からなる凹部が形成されているタップコレットと、
前記タップコレット取付部の外周面上を軸線方向に変位可能に設けられ、第1の位置では前記各係合部材を前記凹部に向かって押圧し、第2の位置では前記係合部材の押圧を解除するクランプカラーとを備える、タップホルダ。 - 前記タップコレット本体は軸線方向に沿って延びる中心孔を有し、前記タップコレットは軸線方向に沿って延びる中心孔を有し、
前記タップコレット取付部に挿入されるとともに、前記タップホルダ本体とタップコレットとの間に介装され、これらタップホルダ本体とタップコレットとの境界を内径側から覆うとともに前記タップホルダ本体の中心孔と前記タップコレットの中心孔とを接続する接続部材をさらに備える、請求項4に記載のタップホルダ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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