JP2011089917A - 試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】 イムノクロマトグラフィーによる被測定物質の定量測定において、試験片を透過した測定光を光学的に検出し、被測定物質の濃度を定量的かつ再現性良く測定するための具体的な装置である試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイスを提供すること。
【解決手段】 第一カバー11と第二カバー12との間にイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片2を収容する試験片ハウジング1であって、前記第一カバー11に測定光が透過して前記試験片2の被測定部を照射する第一観察窓部13を備え、前記第二カバー12に前記被測定部に照射された前記測定光が透過する第二観察窓部14を備える試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイス。
【選択図】 図2
【解決手段】 第一カバー11と第二カバー12との間にイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片2を収容する試験片ハウジング1であって、前記第一カバー11に測定光が透過して前記試験片2の被測定部を照射する第一観察窓部13を備え、前記第二カバー12に前記被測定部に照射された前記測定光が透過する第二観察窓部14を備える試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイス。
【選択図】 図2
Description
本発明は、試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイスに関する。
従来、イムノクロマトグラフィーにより定量分析を行う方法として、被検査溶液を展開する展開層と、前記展開層の一部に前記被検査溶液中の測定対象物に対する試薬を固定化することにより形成された試薬固定化部と、前記展開層の他の一部に前記被検査溶液の展開により溶出可能な標識試薬を保持することにより形成された標識試薬保持部と、前記展開層から前記試薬固定化部、及び前記標識試薬保持部を除いた部分である生地部とを備えたクロマトグラフィー試験片に、光源から出射された光ビームを照射し、前記クロマトグラフィー試験片からの透過光もしくは反射光を利用して光学的な信号検出を行い、前記信号から定量的に前記被検査溶液中に含まれる分析対象物の濃度を測定するクロマトグラフィー定量測定装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、イムノクロマトグラフィーにより液体試料中の被検物質の濃度を測定する方法として、標識として蛍光物質を用いる場合には、試験片に励起光を照射し、励起光をフィルタでカットしながら照射する面と反対の面から試験片上で発せられた蛍光を透過光として検出する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記特許文献1および特許文献2には、試験片に光を照射し、試験片を透過した光を光学的に検出し、被測定物質の濃度を定量的に測定する旨が記載されているが、具体的な装置構成については記載されていない。即ち、特許文献1および特許文献2では、発明の実施の形態において、測定を反射光学系測定装置で行う場合のみが記載されており、透過光学系測定装置については言及されていない。特に、特許文献2では、標識として蛍光物質を用いるが、例えば微粒子(ナノコロイド等)などの光を吸収する呈色物質の吸光度に基づいて被測定物質の濃度を測定することについては述べられていない。
このように、試験片を透過した測定光を光学的に検出し、被測定物質の濃度を定量的に測定する装置構成について、知られていない。反射光学系測定装置で測定する場合、試験片の表面のみの反射光を測定していることになる。しかしながら、通常試験片は膜厚100〜200μmであり、試験片の試薬固定化部に抗体などの蛋白質を固定した場合、抗体は試験片の表面だけでなく内部にも固定される。また浸透による反応液の流れは試験片内部での流れであり、正確に測定するためには試験片の内部も測定する必要がある。特に、微粒子(ナノコロイド等)などの光を吸収する呈色物質の吸光度に基づいて被測定物質の濃度を測定する場合には、呈色物質と抗体との結合物が試験片の内部にも存在している。そのため、試験片の表面で反射した測定光を検出しただけでは正確な濃度を測定するのは困難であり、定量性・再現性が不十分であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、イムノクロマトグラフィーによる被測定物質の定量測定において、試験片を透過した測定光を光学的に検出し、被測定物質の濃度を定量的かつ再現性良く測定するための具体的な装置である試験片ハウジングおよび濃度測定用イムノクロマトデバイスを提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために講じた第1の課題解決手段は、第一カバーと第二カバーとの間にイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片を収容する試験片ハウジングであって、前記第一カバーに測定光が透過して前記試験片の被測定部を照射する第一観察窓部を備え、前記第二カバーに前記被測定部に照射された前記測定光が透過する第二観察窓部を備えることを特徴とする試験片ハウジングである。
また、第2の課題解決手段は、前記第一観察窓部および前記第二観察窓部は、前記第一カバーと前記第二カバーの対向する位置に貫通孔を設けることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の試験片ハウジングである。
また、第3の課題解決手段は、前記試験片は、被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部と、前記メンブレン部を保持する基部と、を備え、前記基部の全部または一部が測定光を透過する樹脂であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の試験片ハウジングである。
また、第4の課題解決手段は、被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部と、前記メンブレン部を保持する基部と、を備えた試験片の内部で生じる抗原抗体反応によって前記被測定物質の濃度を測定するために用いられる濃度測定用イムノクロマトデバイスであって、測定光が透過する第一観察窓部を備えた第一カバーと、前記第一観察窓部および前記呈色部を透過した測定光を透過する第二観察窓部を備えた第二カバーと、を備えた試験片ハウジングと、光源部と、前記試験片ハウジングを保持する試験片保持部と、前記光源部から出て前記試験片ハウジングの前記第一観察窓部、前記呈色部および前記第二観察窓部を通過した透過光の強度または吸光度を測定する測定部と、を備え、前記呈色部における透過光の強度または吸光度に基づいて前記被測定物質の濃度を測定する測定装置と、を備えることを特徴とする濃度測定用イムノクロマトデバイスである。
本発明によれば、第一カバーと第二カバーに試験片の被測定部に照射される測定光が透過する第一観察窓部および第二観察窓部を備えるため、試験片ハウジングに収容されたイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片内を測定光が透過する。試験片の内部に存在する物質による光吸収は試験片の厚み方向に累積される。従って、第一観察窓部、試験片、および第二観察窓部を透過した測定光を光学的に検出すれば、試験片の表面だけでなく内部に存在する物質の量を検出可能となる。より多くの物質による光吸収を検出できれば、光散乱およびノイズによる測定値のばらつきを抑制でき、イムノクロマトグラフィーにおいて被測定物質の濃度を定量的かつ再現性良く測定するための具体的な装置である試験片ハウジングを提供できる。
また、第一カバーと第二カバーに貫通孔を設けることにより第一観察窓部および第二観察窓部を形成するため、試験片の被測定部を透過する測定光のロスを抑制できる。
また、試験片の基部の全部または一部が測定光を透過する樹脂であるため、基部による測定光の散乱を抑制できる。
また、光源部から出て試験片ハウジングの第一観察窓部、呈色部および第二観察窓部を通過した透過光の強度または吸光度に基づいて被測定物質の濃度を測定するため、試験片の表面だけでなく内部に存在する呈色物質の量を検出可能となる。より多くの呈色物質による光吸収を検出できれば、光散乱およびノイズによる測定値のばらつきを抑制でき、イムノクロマトグラフィーにおいて被測定物質の濃度を定量的かつ再現性良く測定するための具体的な装置である試験片ハウジングおよび測定装置を提供できる。また、光源を発し、試験片の呈色部を透過して測定部に至る光路を一直線上に構成することが可能となり、簡単な構造で設計自由度に優れたイムノクロマトデバイスとなる。
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるイムノクロマトグラフィー用試験片ハウジング1と、その内部に収容される試験片2を示す分解斜視図である。
試験片ハウジング1は、片側面を陥没させた上部開口平板状に形成して試験片2を載置する第一カバー11と、第一カバー11の上部開口部を覆う第二カバー12とから構成される。第一カバー11は、測定光が透過して試験片2の被測定部を照射する貫通孔である第一観察窓部13を備えている。また、第二カバー12は、試験片2の被測定部に照射された測定光が透過する貫通孔である第二観察窓部14を備えている。
図2は、試験片ハウジング1の断面図である。第一観察窓部13および第二観察窓部14には、試験片ハウジング1の外側に近づくほど幅広になるテーパーが形成されている。そして、第一観察窓部13および第二観察窓部14は、第一カバー11および第二カバー12上であって対向する位置に設けられている。第一カバー11の内側には、試験片2がずれないように係止するための突部15が立設されている。第二カバー12には、試験片3に試料溶液を滴下する試料滴下孔16が穿設されている。試料滴下孔16は、試験片ハウジング1の外側に近づくほど幅広になるテーパー形状となっている。
第一カバー11に載置される試験片2の長さ方向両端には、少なくとも2つの係止穴部17が配設されている。一方、第二カバー12の係止穴部17と対向する位置に係止穴部17に挿入可能な係止突部18が配設されている。そして、係止穴部17と係止突部18とを係合させ、第一カバー11と第二カバー12とを位置合わせしながら組み合わせることにより試験片ハウジング1が形成される。
試験片2は、被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部21と、メンブレン部21を保持する基部22と、を備えている。試験片2のメンブレン部21としては、例えばニトロセルロースが使用される。ニトロセルロースは多孔質であるため、乾燥時はニトロセルロースと気孔中の空気との屈折率の差により表面で光を散乱して白色であるが、試料溶液で濡れると空気より屈折率の差が小さい試料溶液で置換されて透明になる。基部22は、測定光を透過する透明な熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂であり、例えば硬質透明塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂等が使用される。
尚、被測定物質、呈色物質、および抗体としては、イムノクロマトグラフィーにおいて一般的なものが使用され、特に限定されない。そのため詳細については説明を省略するが、例えば、呈色物質として金コロイドや発色色素が使用可能である。本実施形態は、いわゆるサンドイッチ抗体反応によるイムノクロマトグラフィーでも、競合反応によるイムノクロマトグラフィーでも適用可能である。
図3は、本発明の一実施形態である濃度測定用イムノクロマトデバイスの要部であって、測定装置3の測定光学系を示す説明図である。測定装置3は、試験片ハウジング1を保持する試験片保持部31と、光源部32と、光源部32から出射された光を平行光に変換するコリメートレンズ33と、光源部32から出射されて試験片ハウジング1の第一観察窓部13、試験片2の呈色部、および第二観察窓部14を通過した透過光の強度を測定する測定部34と、透過光の強度に基づいて被測定物質の濃度を算出する演算部35と、両端で測定部34および演算部35に接続された信号線36と、を備えている。
試験片ハウジング保持部31は、光源部32と測定部34との間の光路L上の所定位置に試験片ハウジング1を保持する。図3では試験片ハウジング1を上下で挟持する円柱状の試験片保持部31を用いているが、これに限定されず、試験片ハウジング1を載置する板状の試験片保持部31としてもよい。
光源部32は、測定光を出射する発光部品であり、例えば、電球、蛍光管、発光ダイオード、レーザー等が使用される。測定光の波長は、呈色物質により光吸収が生じる波長であればよく、特に、呈色物質の吸光スペクトルで吸光度が極大となる波長が望ましい。また、測定光の波長は、メンブレン部21および基部22により吸収されない波長であることが望ましい。
測定部34は、試験片2の呈色部を通過した透過光の強度に応じて電気信号を生成するセンサであり、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスタ、CdSセル、CCD等が使用される。
演算部35は、信号線36を経由して接続された測定部34から入力される電気信号に基づいて被測定物質の濃度を算出する。
次に、測定装置3を使用した試験片2の測定方法について説明する。
まず、試験片ハウジング1の試料滴下孔16から試料溶液を滴下した試験片ハウジング1を試験片ハウジング保持部31にセットする。次に、光源部32を発光させ、試験片2の呈色部に光を照射する。このとき、光は試験片ハウジング1の第一観察窓部13を通過し、試験片2の基部22を透過してメンブレン部21に照射される。メンブレン部21は試料溶液が浸透することにより透明になるため、メンブレン部21内を透過する際に、光はメンブレン部21の内部に予め固定された抗体と結合した呈色物質により吸収される。
メンブレン部21を透過した透過光は、試験片ハウジング1の第二観察窓部14を通過して、測定部34に捕捉される。測定部34は、試験片2の呈色部を通過した透過光の強度に応じて電気信号を生成し、演算部35は、信号線36を経由して接続された測定部34から入力される電気信号に基づいて被測定物質の濃度を算出する。
測定の際、光路Lを試験片2の長さ方向に走査して透過光強度の変化を測定する。走査の方法としては、試験片ハウジング保持部31で試験片2を長さ方向に移動させる方法でもよいし、光路Lを走査する光学系を使用する方法でもよい。また、測定部34が試験片2の呈色部を二次元画像として取得し、画像処理により試験片2上の位置による透過光強度の変化を測定する方法でもよい。
従って、本実施形態にかかる試験片ハウジング1は、第一カバー11と第二カバー12に試験片2の被測定部に照射される測定光が透過する第一観察窓部13および第二観察窓部14を備えるため、試験片ハウジング1に収容されたイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片2内を測定光の光路Lが透過する。測定する際、試験片2のメンブレン部21に存在する呈色物質による光吸収は試験片の厚み方向に累積される。従って、第一観察窓部13、試験片2、および第二観察窓部14を透過した測定光を光学的に検出すれば、試験片2のメンブレン部21の表面だけでなく内部に存在する呈色物質の量を検出可能となる。より多くの呈色物質による光吸収を検出できれば、光散乱およびノイズによる測定値のばらつきを抑制でき、イムノクロマトグラフィーにおいて被測定物質の濃度を定量的かつ再現性良く測定するための具体的な装置である試験片ハウジング1を提供できる。
また、第一カバー11と第二カバー12に貫通孔を設けることにより第一観察窓部13および第二観察窓部14を形成するため、試験片2の被測定部を透過する測定光のロスを抑制できる。第一観察窓部13および第二観察窓部14にはテーパーが形成されているため、光路Lへの散乱光の混入を防止できる。
また、試験片2の基部22が測定光を透過する樹脂であるため、基部22による測定光の散乱を抑制できる。
また、測定装置3により、光源部32から出射されて試験片ハウジング1の第一観察窓部13と、被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部21と、第二観察窓部14と、を通過した透過光の強度または吸光度に基づいて被測定物質の濃度を測定するため、試験片2の表面だけでなく内部に存在する呈色物質の量を検出可能となる。また、光源32を発し、試験片2の呈色部を透過して測定部34に至る光路Lを一直線上に構成することが可能となり、簡単な構造で設計自由度に優れたイムノクロマトデバイスとなる。
上記実施形態に基づいて、免疫反応として競合反応を用い、また酵素基質反応によって呈色物質を生成させる方法に用いる濃度測定用イムノクロマトデバイスを作製し濃度測定を行った。
図4は、本実施例に使用した試験片2の概略図である。透明なポリ塩化ビニルからなるシート状の基部22(厚み0.5mm)の上に、ニトロセルロース(日本ミリポア社製、HF135)からなるメンブレン部21(厚み100μm)を貼付した。ここで、メンブレン部21の第一呈色部21aには、抗ヒトhCG抗体1mg/ mL(メディクスバイオケミカ社製)溶液が予め塗布および乾燥固定され、第二呈色部21bには、抗マウスIgG抗体1mg/ mL(ニップンテクノクラスタ社製)溶液が予め塗布および乾燥固定されている。
メンブレン部21の第一呈色部21a側端部には、一部重なるようにコンジュゲートパッド23(厚み0.5mm)をアクリル系接着剤で接着した。コンジュゲートパッド23は、抗ヒトLH抗体(メディクスバイオケミカ社製)に金コロイド(B.B.I社製)を吸着結合反応させたものを予め塗布および乾燥固定したグラスウール(日本ミリポア社製、GFCP103000)からなる。コンジュゲートパッド23の前記メンブレン部21に接着した側と反対側の端部には、一部重なるように試料添加マット24(厚み0.5mm)をアクリル系接着剤で接着した。試料添加パッド24は、グラスウール(日本ミリポア社製、GFCP103000)により構成される。メンブレン部21の第二呈色部21b側端部には、一部重なるように吸収パッド25(厚み0.5mm)をアクリル系接着剤で接着した。吸収パッド25は、セルロース(日本ミリポア社製、GFSP223000)により構成される。
上記試験片2を5つ作成し、それぞれを試験片ハウジング1に収容した。試験片ハウジング1の試料滴下孔16に、リコンビナントhCG(ロート製薬社製)100pg/mLに50mM PBS緩衝液で希釈した被測定物質を100μL滴下し、メンブレン部21上の浸透により第一呈色部21aと第二呈色部21bに金コロイドの凝集したものが目視できるまで室温下25℃で5分間反応した。反応終了後、第一呈色部21aおよび第二呈色部21bにおける吸光度(ピーク値)を、イムノメジャー(アイシン精機社製)の下部にLED光源を装着した図3のような透過光学系装置を使用して、透過光学系にて測定した。さらに、従来技術である反射光学系によるイムノクロマトグラフィーの比較例として、イムノメジャー(アイシン精機社製)を使用して反射光学系にて測定し、測定結果を表1にまとめた。
ここで、第一呈色部21aにおける測定強度をT1で表し、第二呈色部21bにおける測定強度をT2で表す。競合反応によるイムノクロマトグラフィーにおいて、被測定物質の濃度はT1/T2に相関する。透過光学系測定装置を使用した場合には、T1/T2の平均値は0.347、標準偏差は0.007、変動係数(CV)は、2.1%であった。一方、反射光学系測定装置を使用した場合には、T1/T2の平均値は0.427、標準偏差は0.011、変動係数(CV)は、2.6%であった。
変動係数(coefficient of variation)とは、試験データの相対的な分散を表す指標である。標準偏差は測定データの値と同スケールであるため、測定データの平均値が異なる複数のデータ群を相互に比較できないが、変動係数は標準偏差からスケールの影響を排除しているため、平均値が異なる複数のデータ群でも分散の度合いを相互に比較できる。繰り返し測定時の測定値の変動が正規分布をとると仮定した場合、(変動係数)=(標準偏差)/(平均値)×100[%]により変動係数を算出できる。
従って、透過光学系では、測定結果のばらつきを示す変動係数が反射光学系の場合より小さくなっていることが確認された。このことは、本実施形態の試験片ハウジング1および測定装置3を使用したイムノクロマトシステムにおいて測定安定性が向上したことを示す。
1 試験片ハウジング
2 試験片
3 測定装置
11 第一カバー
12 第二カバー
13 第一観察窓部
14 第二観察窓部
21 メンブレン部
21a 第一呈色部(呈色部)
21b 第二呈色部(呈色部)
22 基部
31 試験片ハウジング保持部
32 光源部
34 測定部
2 試験片
3 測定装置
11 第一カバー
12 第二カバー
13 第一観察窓部
14 第二観察窓部
21 メンブレン部
21a 第一呈色部(呈色部)
21b 第二呈色部(呈色部)
22 基部
31 試験片ハウジング保持部
32 光源部
34 測定部
Claims (4)
- 第一カバーと第二カバーとの間にイムノクロマトグラフィー用の薄板状の試験片を収容する試験片ハウジングであって、
前記第一カバーに測定光が透過して前記試験片の被測定部を照射する第一観察窓部を備え、前記第二カバーに前記被測定部に照射された前記測定光が透過する第二観察窓部を備えることを特徴とする試験片ハウジング。 - 前記第一観察窓部および前記第二観察窓部は、前記第一カバーと前記第二カバーの対向する位置に貫通孔を設けることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の試験片ハウジング。
- 前記試験片は、被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部と、前記メンブレン部を保持する基部と、を備え、前記基部の全部または一部が測定光を透過する樹脂であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の試験片ハウジング。
- 被測定物質の濃度を示す呈色物質が呈色する呈色部を有するメンブレン部と、前記メンブレン部を保持する基部と、を備えた試験片の内部で生じる抗原抗体反応によって前記被測定物質の濃度を測定するために用いられる濃度測定用イムノクロマトデバイスであって、
測定光が透過する第一観察窓部を備えた第一カバーと、前記第一観察窓部および前記呈色部を透過した測定光を透過する第二観察窓部を備えた第二カバーと、を備えた試験片ハウジングと、
光源部と、前記試験片ハウジングを保持する試験片ハウジング保持部と、前記光源部から出て前記試験片ハウジングの前記第一観察窓部、前記呈色部および前記第二観察窓部を通過した透過光の強度または吸光度を測定する測定部と、を備え、前記呈色部における透過光の強度または吸光度に基づいて前記被測定物質の濃度を測定する測定装置と、
を備えることを特徴とする濃度測定用イムノクロマトデバイス。
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Legal Events
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Effective date: 20120913 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20130702 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |