JP2011089065A - 水分量低減溶剤インク組成物及びその製造方法 - Google Patents

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崇 小柳
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Abstract

【課題】好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制することのできる、インク組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】金属顔料及び分散媒を含む顔料分散液、又は前記顔料分散液及び有機溶剤を含むインク組成物を、水蒸気含有量が2.0mg/L以下の不活性ガスを用いて4時間以上バブリング処理することにより、前記顔料分散液又は前記インク組成物に含まれる水分量を低下させることを含む、水分量低減溶剤インク組成物の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水分量低減溶剤インク組成物及びその製造方法に関する。
近年、印刷におけるインクジェットの応用例が数多く見受けられ、その中の一つの応用例として、メタリック印刷がある。例えば、特開2002−179960号公報には、プラスチックの球形粒子表面に金属皮膜を形成し、その顔料を含むインク組成物をインクジェット印刷にて印字処理するという技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、高い金属光沢を得るためには、その球体を変形させ扁平にして、表面を平滑にする必要があり、この技術ではローラーによるプレス処理と加熱処理を同時に行う必要があるとされている。従って、この点で装置や製造工程が複雑になることが避けられず、また記録媒体も制限を受けてしまう。
また、特開2003−292836号公報には、金、銀等の貴金属コロイドを分散したインク組成物を用いる技術も開示されている(特許文献2及び3)。しかしながら、貴金属コロイドは分散安定性を優先して粒子径を数nm〜数十nmまで小さくすると、プラズモン吸収に由来する発色が発現し、インク組成物として金属光沢は得られない。この場合には、塗膜を乾燥した後、150℃以上の温度にて加熱処理することでコロイド粒子を融着させることにより金属光沢が得られる。しかし、これらの技術では金属光沢が得られても、20度、60度、85度鏡面光沢度がそれぞれ200、200、100を超えるような高い金属の鏡面光沢をムラのない均一な面で得ることは困難であった。また、金属光沢を優先し粒子径を大きくした場合には、分散安定性が低下し、凝集や沈降の問題が避けられなくなり、インク組成物の保存寿命が著しく低下する。
本発明者らは、これらの課題を解決する顔料分散液、インク組成物等として、特開2008−174712号公報に記載された技術を提案している(特許文献4)。
特開2002−179960号公報 特開2003−292836号公報 特開2003−306625号公報 特開2008−174712号公報
上記特許文献4に記載の技術によると、高い金属鏡面光沢を有するという観点からは優れたインク組成物を提供することができる。しかし、金属顔料を含む顔料分散液やインク組成物に水分が多量に混入する場合がある。その場合、金属顔料は、酸化や水酸化などの化学反応、また水を促進剤として進行する化学反応、即ち空気中の酸化性ガスや酸性ガス(SO、NO、CO等)との反応によって、表面が腐食されて光沢が低下し得る。また、上記化学反応の結果、水素ガスが発生すると、密閉容器での長期保管が困難になる。特に高温環境下ではそのような傾向が顕著になるため、上記技術は改善の余地がある。
そこで、本発明は、好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制することのできる、インク組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討を行った。その結果、顔料分散液又はインク組成物に含まれる水分を所定時間のバブリング(bubbling)処理によって低減させることにより、上記の好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制できるという知見を得た。本発明はかかる知見に基づきなされたものであり、以下の発明を提供するものである。
(1)
金属顔料及び分散媒を含む顔料分散液、又は前記顔料分散液及び有機溶剤を含むインク組成物を、水蒸気含有量が2.0mg/L以下の不活性ガスを用いて4時間以上バブリング処理することにより、前記顔料分散液又は前記インク組成物に含まれる水分量を低下させることを含む、水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
(2)
前記金属顔料が平板状粒子であり、前記平板状粒子の主平面における長径をa、及び短径をb、並びに前記平板状粒子の厚みをdとした場合、前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであってR50/d>5の条件を満たし、かつ
前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxが10μm以下である、(1)に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
(3)
前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な1種以上の分散媒及び/又は有機溶剤を含む、(1)又は(2)に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
(4)
前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な分散媒及び/又は有機溶剤からなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
(5)
前記分散媒及び/又は前記有機溶剤は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンからなる群より選択される2種以上の混合物である、(1)〜(4)のいずれかに記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。 インク導入針の構成を説明する断面図である。
[水分量低減溶剤インク組成物]
(構成・組成)
本発明の一実施形態に係る水分量低減溶剤インク組成物は、金属顔料(以下、「メタリック顔料」という。)及び分散媒を含む顔料分散液と、有機溶剤とを含有する。また、前記水分量低減溶剤インク組成物は樹脂を含有してもよい。前記水分量低減溶剤インク組成物を構成する成分については後で詳述する。
本発明における「バブリング(処理)」とは、顔料分散液又はインク組成物の溶液中にアルゴンや窒素などのガスを吹き込むことをいう。より具体的には、ガスを容器中の液相に送り込むための管を液相中に設ける一方、ガスを容器外に送り出すための管を別途、液相に触れないように気相部分に設け、一定の流速でガスを送り込んで上記溶液を泡立てる処理をいう。
また、本発明における「顔料分散液」、「インク組成物」とは、バブリングすることにより水分量を低下させる前の顔料分散液、インク組成物をそれぞれ意味する。一方、本発明における「水分量低減顔料分散液」、「水分量低減溶剤インク組成物」とは、バブリングすることにより水分量を低下させた後の顔料分散液、インク組成物をそれぞれ意味する。
(製造方法)
前記水分量低減溶剤インク組成物の製造方法は、水蒸気含有量が2.0mg/L以下の不活性ガスを用いて4時間以上バブリングすることにより、前記顔料分散液又は前記インク組成物に含まれる水分量を低下させることを含む。
本発明において、前記顔料分散液は水分量が低減されていてもいなくてもよい。具体的にいえば、インク組成物及び当該組成物に含まれる顔料分散液のうち少なくとも一方の水分量を低下させることにより、結果として、上述の従来技術に存する問題を解決したインク組成物が得られる。従って、本発明において、水分量を低減する対象となる「顔料分散液又はインク組成物」は、「顔料分散液及びインク組成物のうちの少なくともいずれか一方」を意味する。
ここで、本実施形態におけるバブリング(処理)の意義について述べる。従来より、インク組成物の原料である有機溶剤に由来する水分がインク組成物中0.2〜0.3質量%程度、不可避的にインク組成物に混入している。さらに、インク組成物を製造するに際し、当該組成物が空気中の水分を吸ってしまい、その結果、インク組成物中0.5〜0.7質量%程度の水分が不可避的にインク組成物に混入してしまう。
また、製造時の輸送環境において、インク組成物は少なくとも40〜50℃程度の高温下に晒される可能性がある。このような40〜50℃程度の温度、または60℃を超える高温下では水素ガスがインク組成物から発生し、インク組成物は高温になって問題を生じることがある。なぜなら、水素ガス等のガスが発生すると、金属顔料表面が酸化され、光沢性が低下しインク組成物の性能が劣るだけでなく、印刷特性も劣る結果となるからである。
これに対し、本発明者らは、顔料分散液又はインク組成物を、所定の不活性ガスを用いて所定時間バブリングすることにより、上記の問題が生じないことを見出した。まず、不活性ガス、例えば乾燥窒素ガスは、液体窒素から製造される場合、水分が混入する余地がなく、インク組成物中に水分を混入させてしまう虞が殆どない。ヘリウム、ネオン、キセノンやアルゴン等の不活性ガスも、工業的に高純度ガスとして供給されているので、水分を無視できる程度しか含有していない。また、これらの不活性ガスは酸素を含まない気体であるから、バブリングにより分散媒である有機溶剤が酸化され過酸化物を生ずるリスクも無い。
次に、バブリングは非加熱系で行われるが、顔料に乾燥した気体が導入されることで、上記バブリング後のインク組成物に含まれる水分量を約0.1質量%以下まで抑えることができる。さらに、インク組成物中に気体が殆ど残存せず、当該組成物中の溶存ガス量は極めて低い。このようにして、本実施形態に係る製造方法は、高温環境下でのガス発生を抑制することができる。
前記水分量低減溶剤インク組成物は、上記のようにバブリング(処理)を用いた点以外については、公知の慣用方法によって製造することができる。例えば、最初に、後述のメタリック顔料、分散剤、及び後述の液媒を混合した後、必要に応じてボールミル、ビーズミル、超音波、又はジェットミル等で顔料分散液を調製し、所望のインク特性を有するように調整する。続いて、バインダー樹脂、前記液媒、及びその他の添加剤(例えば、分散助剤や粘度調整剤)を撹拌下に加えてインク組成物を得ることができる。
その他、後述の顔料原体を、一旦液媒中で超音波処理して顔料分散液とした後、必要なインク用液媒と混合してもよい。また、顔料原体を直接インク用液媒中で超音波処理してそのままインク組成物(水分量低減溶剤インク組成物を含む。)とすることもできる。また、インク組成物(水分量低減溶剤インク組成物を含む。)中の固形分濃度を調整するために、加圧ろ過、遠心分離等の従来公知の方法を用いることもできる。
本実施形態に係る上記水分の除去は、(i)上記超音波分散機やジェットミル等のメディアレス型分散装置等で顔料分散液を調製した後、(ii)上記顔料インク組成物を得た後、(iii)上記顔料分散液を得た後、顔料分散液を上記インク用溶媒と混合した後、及び、(iv)上記超音波処理してインク組成物とした後のうち、いずれか1つ又は2つ以上の段階で行われ得る。
(物性)
上記の製造方法により得られる水分量低減溶剤インク組成物、又はその構成成分である水分量低減顔料分散液に含まれる水分量は、0.7質量%以下である。また、好ましくは0.65質量%以下であり、より好ましくは0.6質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下である。上記範囲内の場合、高温安定性に優れた水分量低減溶剤インク組成物、すなわち、好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制できる水分量低減溶剤インク組成物が得られる。
なお、本明細書における水分量低減顔料分散液又は水分量低減溶剤インク組成物に含まれる水分量の測定は、特に限定されないが、例えば、株式会社ケツト科学研究所製 微量水分計FM−300Aを用いて行うことができる。
その他、本実施形態に係る水分量低減溶剤インク組成物の物性は特に限定されるものではないが、例えば、その表面張力は好ましくは20〜50mN/mである。表面張力が20mN/m未満になると、水分量低減溶剤インク組成物がインクジェット記録用プリンタヘッドの表面に濡れ広がるか、又は滲み出してしまい、インク滴の吐出が困難になることがある。一方、表面張力が50mN/mを超えると、記録媒体の表面において濡れ広がらず、良好な印刷ができないことがある。
(メタリック顔料)
本実施形態におけるメタリック顔料は、金属蒸着膜を破砕して作製されたものであると好ましく、また、平板状粒子であると好ましい。以下の説明では、当該平板状粒子の主平面における長径をa、及び短径をb、並びに前記平板状粒子の厚みをdとする。
「平板状粒子」とは、略平坦な面(主平面)を有し、かつ、厚み(d)が略均一である粒子をいう。平板状粒子は金属蒸着膜を破砕して作製されたものであるため、略平坦な面及び略均一な厚みを有する金属粒子を得ることができる。従って、この平板状粒子の主平面における長径をa、及び短径をb、並びに前記平板状粒子の厚みをdと定義することができる。
前記主平面は、長径(a)と短径(b)とにより定義される楕円状の面ということもできる。
「円相当径」は、メタリック顔料の平板状粒子の主平面を、当該メタリック顔料の粒子の厚み(d)方向への投影面積と同じ投影面積を持つ円と想定したときの当該円の直径である。例えば、メタリック顔料の平板状粒子の主平面が多角形である場合、その多角形の厚み(d)方向への投影面を略平坦な円に変換して得られた当該円の直径を、そのメタリック顔料の平板状粒子の円相当径という。
前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50は、金属光沢及び印字安定性の観点から0.5〜3μmであることが好ましく、0.75〜2μmであることがより好ましい。50%平均粒子径R50が0.5μm未満の場合は、光沢不足となる。一方、50%平均粒子径R50が3μmを超える場合、印字安定性が低下する。
これに加えて、前記円相当径の50%平均粒子径R50と厚みdとの関係において、高い金属光沢を確保する観点からは、R50/d>5であることが好ましい。R50/dが5以下の場合は、金属光沢が不足するという問題がある。
さらに加えて、前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxは、インクジェット記録装置における水分量低減溶剤インク組成物の目詰まり防止の観点から、10μm以下であることが好ましい。Rmaxを10μm以下にすることで、インクジェット記録装置のノズル、インク流路内に設けられたメッシュフィルターなどの目詰まりを防止することができる。
前記メタリック顔料は、金属光沢等の機能を有するものであれば特に限定されないが、アルミニウム又はアルミニウム合金、あるいは、銀又は銀合金であることが好ましい。これらの中でも、コストの観点及び高い金属光沢を確保する観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。アルミニウム合金を用いる場合、アルミニウムに添加されうる別の金属元素又は非金属元素としては、金属光沢を有する等の機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、銀、金、白金、ニッケル、クロム、錫、亜鉛、インジウム、チタン、銅等を挙げることができ、これらの単体又はこれらの合金及びこれらの混合物の少なくとも一種が好適に用いられる。
前記メタリック顔料の製造方法は、例えばシート状基材面に剥離用樹脂層と金属又は合金層とが順次積層された構造(以下、「顔料原体」という)の金属又は合金層と剥離用樹脂層の界面を境界としてシート状基材より剥離し粉砕し微細化して平板状粒子を得る。そして、得られた平板状粒子のうち、後述の光散乱法による球換算50%平均粒子径(D50)が0.8〜1.2μmのものを分取することが好ましい。あるいは、得られた平板状粒子の主平面における長径をa、及び短径をb、並びに前記平板状粒子の厚みをdとした場合、該平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/d>5の条件を満たすものを分取することが好ましい。
ここで、光散乱法による球換算50%平均粒子径は、詳細には、下記のようにして測定、導出されるものである。即ち、分散媒中の粒子に光を照射することにより、発生する回折散乱光を、前方・側方・後方の各部位にディテクターを配置し測定し、計測される平均粒子径の積算百分率の分布曲線が50%の積算百分率の横軸と交差するポイントを上記の50%平均粒子径とする。
また、上記の球換算の平均粒子径とは、本来は不定形である粒子を、球形であると仮定し、測定結果より求めた平均粒子径を指している。測定装置としては、例えば、株式会社セイシン企業製 レーザー回折散乱式粒度分布測定器 LMS−2000eなどが挙げられる。光散乱法による球換算50%平均粒子径(D50)が上記の範囲内の場合に、印刷物上に高い金属光沢を有する塗膜が形成できると共に、インクのノズルからの吐出安定性も高くなる。
前記メタリック顔料(平板状粒子)の主平面の長径a、短径b及び円相当径は、粒子像分析装置を用いて測定することができる。粒子像分析装置としては、例えば、シスメックス株式会社製のフロー式粒子像分析装置FPIA−2100、FPIA−3000、FPIA−3000Sを利用することができる。
前記メタリック顔料(平板状粒子)の粒度分布(CV値)は、下記の数式(1)で求められる。
[数1]
CV値=(粒度分布の標準偏差/粒子径の平均値)×100 ・・・(1)
ここで、得られるCV値は60以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましく、40以下であることが更に好ましい。CV値が60以下のメタリック顔料を選択することで、印字安定性に優れるという効果が得られる。
前記金属又は合金層は、真空蒸着、イオンプレーティング又はスパッタリング法によって形成されることが好ましい。
前記金属又は合金層の厚さは、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下で形成される。これにより、平均厚みが、好ましくは5nm以上100nm以下、より好ましくは20nm以上100nm以下の顔料が得られる。5nm以上にすることで、反射性、光輝性に優れ、メタリック顔料としての性能が高くなり、100nm以下にすることで、見かけ比重の増加を抑え、メタリック顔料の分散安定性を確保することができる。
上述の顔料原体における剥離用樹脂層は、前記金属又は合金層のアンダーコート層であり、シート状基材面との剥離性を向上させるための剥離性層である。この剥離用樹脂層に用いる樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、セルロースアセテートブチレート(CAB)などのセルロース誘導体、アクリル酸重合体及び変性ナイロン樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂が好ましい。
前記1種以上の樹脂を含む溶液を記録媒体に塗布し、乾燥等を施して層が形成される。塗布後は粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
前記剥離用樹脂層の塗布は、一般的に用いられているグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布、ディップ塗布、スピンコート法等により形成される。塗布・乾燥後、必要であれば、カレンダー処理により、表面の平滑化を行う。
剥離用樹脂層の厚さは、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、より好ましくは1〜10μmである。0.5μm未満では分散樹脂としての量が不足し、50μmを超えるとロール化した場合、顔料層と界面で剥離しやすいものとなってしまう。
前記シート状基材としては、特に限定されないが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、66ナイロン、6ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、トリアセテートフィルム、ポリイミドフィルム等の離型性フィルムが挙げられる。好ましいシート状基材としては、ポリエチレンテレフタレート又はその共重合体である。
これらのシート状基材の厚さは、特に限定されないが、10〜150μmが好ましい。10μm以上であれば、工程等で取り扱い性に問題がなく、150μm以下であれば、柔軟性に富み、ロール化、剥離等に問題がない。
また、前記金属又は合金層は、特開2005−68250号公報に例示されるように、保護層で挟まれていてもよい。該保護層としては、酸化ケイ素層、保護用樹脂層が挙げられる。
酸化ケイ素層は、酸化ケイ素を含有する層であれば特に制限されるものではないが、ゾル−ゲル法によって、テトラアルコキシシラン等のシリコンアルコキシド又はその重合体から形成されることが好ましい。
上記シリコンアルコキシド又はその重合体を溶解したアルコール溶液を塗布し、加熱焼成することにより、酸化ケイ素層の塗膜を形成する。
前記保護用樹脂層としては、分散媒に溶解しない樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えばポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド又はセルロース誘導体等が挙げられるが、ポリビニルアルコール又はセルロース誘導体から形成されることが好ましい。
上記樹脂一種又は二種以上の混合物の水溶液を塗布し、乾燥等を施した層が形成される。塗布液には粘度調節剤等の添加剤を含有させることができる。
上記酸化ケイ素および樹脂の塗布は、上記剥離用樹脂層の塗布と同様の手法により行われる。
上記保護層の厚さは、特に限定されないが、50〜150nmの範囲が好ましい。50nm未満では機械的強度が不足であり、150nmを超えると強度が高くなりすぎるため粉砕・分散が困難となり、また金属又は合金層との界面で剥離してしまう場合がある。
また、特開2005−68251号公報に例示されるように、前記保護層と金属又は合金層との間に色材層を有していてもよい。
色材層は、任意の着色複合顔料を得るために導入するものであり、本発明に使用するメタリック顔料の金属光沢、光輝性に加え、任意の色調、色相を付与できる色材を含有できるものであれば特に限定されるものではない。この色材層に用いる色材としては、染料、顔料のいずれでもよい。また、染料、顔料としては、公知のものを適宜使用することができる。
この場合、色材層に用いられる「顔料」とは、一般的な顔料化学の分野で定義される、天然顔料、合成有機顔料や合成無機顔料などを意味し、本発明における顔料などの、積層構造に加工されたものとは異なるものである。
この色材層の形成方法としては、特に限定されないが、コーティングにより形成することが好ましい。
また、色材層に用いられる色材が顔料の場合は、色材分散用樹脂をさらに含むことが好ましい。当該色材分散用樹脂としては、顔料と色材分散用樹脂と必要に応じてその他の添加剤等を溶媒に分散又は溶解させ、溶液としてスピンコートで均一な液膜を形成した後、乾燥させて樹脂薄膜として作成されることが好ましい。
なお、前記顔料原体の製造において、上記の色材層と保護層の形成がともにコーティングにより行われることが、作業効率上好ましい。
前記顔料原体としては、前記剥離用樹脂層と金属又は合金層と更に保護層との順次積層構造を複数有する層構成も可能である。その際、複数の金属又は合金層からなる積層構造の全体の厚み、即ち、シート状基材とその直上の剥離用樹脂層とを除いた、金属又は合金層−剥離用樹脂層−金属又は合金層、あるいは剥離用樹脂層−金属又は合金層の厚みは5000nm以下であることが好ましい。5000nm以下であると、顔料原体をロール状に丸めた場合でも、ひび割れ、剥離を生じ難く、保存性に優れる。また、顔料化した場合も、光輝性に優れており好ましいものである。
また、シート状基材面の両面に、剥離用樹脂層と金属又は合金層とが順次積層された構造も挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記シート状基材からの剥離処理法としては、特に限定されないが、下記の方法が好ましい。即ち、顔料原体に対して液体(溶媒)を噴射し、その後に当該原体の金属又は合金層を掻き取り収集する方法;顔料原体を液体中に浸漬する方法;液体中への浸漬と同時に超音波処理を行い、剥離処理と剥離した顔料の粉砕処理を行う方法である。これらの方法によれば、剥離された金属又は合金層に加えて、剥離処理に用いた液体も回収することができる。かかる剥離処理法に用いられる液体(溶媒)としては、例えば、グリコールエーテル系又はラクトン系溶媒、あるいはそれらの混合物が挙げられる。
剥離した金属又は合金層を粉砕し微細化する方法は、特に限定されず、ボールミル、ビーズミル、超音波又はジェットミルなどを用いる従来公知の方法であればよい。このようにして、メタリック顔料が得られる。
上記のようにして得られる顔料は、剥離用樹脂層が保護コロイドの役割を有し、溶剤中での分散処理を行うだけで安定な分散液を得ることが可能である。また、当該顔料を用いた水分量低減溶剤インク組成物において、前記剥離用樹脂層由来の樹脂は紙等の記録媒体に対する接着性を付与する機能も担う。
本実施形態において、前記メタリック顔料の水分量低減溶剤インク組成物中の濃度は、インクセットの中で1種類だけがメタリックインクである場合には、0.5〜2質量%であることが好ましい。また、前記メタリック顔料の水分量低減溶剤インク組成物中の濃度が0.5質量%以上1.7質量%未満の場合、印刷面を十分にカバーしきれないインク量を吐出することでハーフミラー様の光沢面、即ち光沢感は感じられる。さらに、かかる場合、背景も透けて見えるような風合いを印刷可能となり、印刷面をカバーするのに十分なインク量を吐出することで高光沢の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明記録媒体においてハーフミラー画を形成する場合や高光沢の金属光沢面を表現する場合に適している。
また、水分量低減溶剤インク組成物中の前記メタリック顔料の濃度が1.7質量%以上2.0質量%以下の場合、メタリック顔料が印刷面にランダムに配列する為、高光沢は得られず、マット調の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明な記録媒体において遮蔽層を形成する場合に適している。
本実施形態における顔料分散液(水分量低減顔料分散液を含む。)に含まれる分散媒としては、上記のメタリック顔料を分散できるものであれば特に限定されることはない。例えば、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル等のグリコールエーテル類、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテルアセテート類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、イソプロピルアルコール等のアルコール類等が挙げられる。
(有機溶剤)
本実施形態における有機溶剤としては、特に限定されないが、好ましくは極性有機溶媒を用いることができる。前記極性有機溶媒として、下記に限定されないが、例えば、アルコール類(例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、又はフッ化アルコール等)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、又はプロピオン酸エチル等)、又はエーテル類(例えば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等)等を用いることができる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の水分量低減溶剤インク組成物に用いられる有機溶剤が2種以上である場合、前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な1種以上の分散媒及び/又は有機溶剤を含むことが好ましい。より好ましくは、前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な分散媒及び/又は有機溶剤からなることである。
中でも、前記有機溶剤は、常温常圧下で液体であるアルキレングリコールエーテルを1種類以上含むことが好ましい。
上記アルキレングリコールエーテルには、メチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、ヘキシル、及び2−エチルヘキシルの脂肪族、並びに二重結合を有するアリル及びフェニルの各基をベースとするエチレングリコール系エーテルとプロピレングリコール系エーテルとがある。これらは、無色で臭いも少なく、分子内にエーテル基と水酸基を有しているので、アルコール類とエーテル類の両方の特性を備えた、常温で液体の成分である。また、片方の水酸基だけを置換したモノエーテル型と両方の水酸基を置換したジエーテル型があり、これらを複数種組み合わせて用いることができる。
また、前記有機溶剤は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンからなる群より選択される2種以上の混合物であることが好ましい。
上記アルキレングリコールモノエーテルとしては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチエレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
上記アルキレングリコールジエーテルとしては、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
また、それらの誘導体として、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートも使用可能である。前記アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートとしては、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエーテルアセテート、ジプロピレンモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
上記ラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
このような好適な構成とすることにより、本発明の目的をより一層有効且つ確実に達成することができる。
(樹脂)
本実施形態において、水分量低減溶剤インク組成物に用いられ得る樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルから製造されるアクリル樹脂、それらとスチレンの共重合体であるスチレン−アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、テルペン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、繊維素系樹脂(例えば、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリビニルブチラール、ポリアクリルポリオール、ポリビニルアルコールやポリウレタン等が挙げられる。
また、非水系のエマルジョン型ポリマー微粒子(NAD=Non Aqueous Dispersion)も樹脂として用いることができる。これはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂やアクリルポリオール樹脂等の微粒子が有機溶剤中に安定に分散している分散液のことである。
例えば、ポリウレタン樹脂としては三洋化成工業社(Sanyo Chemical Industries, Ltd.)製のサンプレンIB−501やサンプレンIB−F370が挙げられる。また、アクリルポリオール樹脂としては、例えばハリマ化成社製のN−2043−60MEXが挙げられる。
樹脂エマルジョンは、記録媒体への顔料の定着性を一層向上させるため、水分量低減溶剤インク組成物中、0.1質量%以上10質量%以下添加することが好ましい。添加量が過剰であると印字安定性が得られず、過少であれば、定着性が不十分となる。同様の観点から、水分量低減溶剤インク組成物中の樹脂の濃度は0.05〜1.5質量%であることが好ましく、0.1〜1.0質量%であることがより好ましく、0.15〜0.35質量%であることが更に好ましく、0.15〜0.25質量%であることが特に好ましい。
前記水分量低減溶剤インク組成物中の樹脂は、ポリビニルブチラール、セルロースアセテートブチレート及びポリアクリルポリオールからなる群より選択される少なくとも1種以上であることが好ましく、セルロースアセテートブチレートであることがより好ましい。このような好適な構成とすることにより、乾燥時の良好な耐擦性、定着性及び高金属光沢という好ましい効果を得ることができる。
(その他の成分)
本実施形態に係る水分量低減溶剤インク組成物は、少なくとも1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類を含むことが好ましい。これら1種類以上のグリセリン、ポリアルキレングリコール、又は糖類の合計量は、水分量低減溶剤インク組成物中0.1質量%以上10質量%以下添加されることが好ましい。このような好ましい構成とすることにより、インクの乾燥を抑え、目詰まりを防止しつつ、インクの吐出を安定化し、記録物の画像品質を良好にすることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、主鎖中にエーテル結合の繰り返し構造を有する線状高分子化合物であり、例えば環状エーテルの開環重合等によって製造される。
ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の重合体、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体およびその誘導体等が挙げられる。共重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体等のいずれの共重合体も用いることができる。
ポリアルキレングリコールの好ましい具体例として、下記の化学式(1)で表されるものが挙げられる。
[化1]
HO−(C2nO)−H ・・・(1)
(上記式中、nは、1〜5の整数を表し、mは、1〜100の整数を表す。)
なお、上記式中、(C2nO)は、整数値nの範囲内において、一の定数又は二種以上の数の組合せであってよい。例えば、nが3の場合は(CO)であり、nが1と4との組合せの場合は(CHO−CO)である。また、整数値mは、その範囲内において、一の定数又は二種以上の数の組合せであってよい。例えば、上記の例において、mが20と40との組合せの場合は(CHO)20−(CO)40であり、mが10と30の組合せの場合は(CHO)10−(CO)30である。さらに、整数値nとmとは上記の範囲内で任意に組み合わせてもよい。
上記糖類としては、ペントース、ヘキトース、ヘプトース及びオクトース等の単糖類;二糖類、三糖類及び四糖類等の多糖類、並びにこれらの誘導体である糖アルコール及びデオキシ酸等の還元誘導体;アルドン酸及びウロン酸等の酸化誘導体;グリコセエン等の脱水誘導体;アミノ酸;チオ糖等が挙げられる。前記多糖類とは広義の糖を指し、アルギン酸やデキストリン、セルロース等の自然界に広く存在する物質も含む。
本実施形態に係る水分量低減溶剤インク組成物は、少なくとも1種類以上のアセチレングリコール系界面活性剤及び/又はシリコーン系界面活性剤を含むことが好ましい。当該界面活性剤は、水分量低減溶剤インク組成物の全体量に対して、0.05〜0.3質量%添加されることが好ましく、0.2〜0.3質量%添加されることがより好ましい。
このような好適な構成とすることにより、水分量低減溶剤インク組成物の記録媒体への親和性(濡れ性)が改善され、速やかな定着性を得ることができる。
上記アセチレングリコール系界面活性剤としては、サーフィノール465(商標)、サーフィノール104(商標)(以上、Air Products and Chemicals, Inc. 社製)、オルフィンSTG(商標)、及びオルフィンE1010(商標)(以上商品名、日信化学社製)等が好適に挙げられる。
上記シリコーン系界面活性剤としては、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーンを用いることが好ましい。具体例としては、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、BYK−UV3570、BYK−UV3510及びBYK−UV3530(ビックケミージャパン株式会社)が挙げられる。
このように、本実施形態によれば、好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制することのできる、水分量低減溶剤インク組成物及びその製造方法を提供することが可能となる。
[インクセット]
本発明の一実施形態に係るインクセットは、上記水分量低減溶剤インク組成物を複数備え、前記各水分量低減溶剤インク組成物は異なるメタリック顔料濃度であるものである。
前記水分量低減溶剤インク組成物のうち、少なくとも1種類の水分量低減溶剤インク組成物のメタリック顔料の濃度が0.5質量%以上1.0質量%未満であり、他の少なくとも1種類の水分量低減溶剤インク組成物のメタリック顔料の濃度が1.0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
[インク収容容器]
本発明の一実施形態に係るインク収容容器は、例えば、後述のインク保存容器やインクカートリッジ等である。インク収容容器を採用する場合、その中に貯留される水分量低減溶剤インク組成物、及び/又は、その水分量低減溶剤インク組成物に含まれる水分量低減顔料分散液は、予め、4時間以上のバブリング処理により水分量を低下させたものであることが好ましい。
[記録装置]
本発明の一実施形態に係る記録装置は、上記インクセットを備えたインクジェット記録装置である。
インクジェット記録装置の記録ヘッド3の構成について説明する。ここで、図1は、キャリッジ(図示せず)に収容される記録ヘッド3の概略斜視図である。また、図2は、インクカートリッジに挿入されるインク導入針19の断面図である。
例示した記録ヘッド3は、カートリッジ基台15(以下、「基台」という。)を有している。この基台15には、ヘッドケース16が取り付けられる。このヘッドケース16の先端部には流路ユニット17が取り付けられる(配設される。)。この基台15は例えば合成樹脂によって成型されており、その上面には複数の区画15a(液体貯留部材装着部)が設けられている。
各区画15aには、メッシュフィルター18を介在させてインク導入針19がそれぞれ取り付けられている。そして、これらの区画15aにはインクカートリッジ(図示せず)が装着される。即ち、インクカートリッジはこの基台15上に配置される。インクカートリッジに挿入されるインク導入針19の詳細については後述する。
上記区画15aとは反対側となる基台15の他面には、回路基板20が取り付けられる。そして、この回路基板20は、パッキンとして機能するシート部材21を介して基台15に取り付けられている。
ヘッドケース16は、基台15に固定されるものであり、圧電振動子を有する振動子ユニット22を収容するためのケーシングである。そして、ヘッドケース16の基台15の取付面とは反対側の先端面には、流路ユニット17が接着剤等により固定されている。この流路ユニット17は、弾性板23、流路形成基板24、及びノズルプレート25を順次積層し、接着剤等で固定して一体化することにより作製されている。
ここで、ノズルプレート25は例えばステンレス製の薄板から作製された板状部材であり、プリンタのドット形成密度に対応したピッチで微細なノズル開口26が列状に形成されている。また、ヘッドカバー27は、例えば金属製の薄板部材によって構成されている。
図2に示すように、インクカートリッジに挿入されるインク導入針19は、上流側の先端が円錐状に形成されると共に、内部にインク導入路41が形成された中空針であり、下半部分が上流側から下流側に向けて拡開するテーパー形状に形成されている。また、このインク導入針19の先端側には、外部空間とインク導入路41とを連通するインク導入孔42が開設されている。
このインク導入針19は、図1に示すメッシュフィルター18を介在させた状態で、例えば超音波溶着によって基台15に取り付けられる。これにより、インク導入針19のインク導入路41とヘッドケース16のインク連通路37とが連通する。
そして、インクカートリッジ(図示せず)を基台15の区画15aに装着すると、インク導入針19がインクカートリッジの針挿入口内に挿入され、インクカートリッジの内部空間とインク導入針19内のインク導入路41とがインク導入孔42を介して連通する。その後、インクカートリッジに貯留されたインクは、インク導入孔42を通じてインク導入路41内に導入され、インク連通路37を通じてノズル開口26から吐出される。
インクジェット記録装置の記録ヘッド3のノズル開口26の径をLμm、インク導入路41内に設けられたメッシュフィルター18の開き目をWμmとした場合、該ノズル径Lμmと該メッシュフィルターの開き目WμmとがL≧5Wの関係を満たすことが好ましい。このような関係を満たすインクジェット記録装置に本実施形態の水分量低減溶剤インク組成物を使用する場合は、ノズル開口26におけるメタリック顔料の目詰まりを防止し、水分量低減溶剤インク組成物の吐出安定性を確保する観点から、下記の条件が好ましい。即ち、前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の平均粒子径をRμmとした場合、R>(L/5)の条件を満たす平板状粒子数が平板状粒子数全体の5%以下であることが好ましい。
[インクジェット記録方法]
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録方法は、上記水分量低減溶剤インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うものである。
角度依存性の観点から、記録媒体上でのJIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に200、200、100以上の数値を示す金属光沢を有する画像を形成することが好ましい。また、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に400、400、100以上であることがより好ましい。また、JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に600、600、100以上であることがさらに好ましい。
なお、JIS Z8741(制定年月日1959年3月30日、改正年月日1997年9月20日)は、鏡面光沢度の測定方法に関するJIS規定である。前記鏡面光沢度とは、面の入射光に対して等しい角度での反射光、即ち鏡面反射光の、基準面における同じ条件での反射光に対する百分率で表される。つまり、面の光沢の程度が表される。例えば、法線に対して入射角60度及び反射角60度で測ったときの光沢度を60度鏡面光沢度という。また、鏡面光沢度の基準面として屈折率1.567のガラス平面が用いられる。
JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に200以上400未満、200以上400未満、100以上の数値を示す画像は、つや消し調(マット調)の金属光沢を有している。
JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に400以上600未満、400以上600未満、100以上の数値を示す画像は、形成した画像に映りこんだ物体が若干判別できる程、高くて優れた金属光沢を有している。
JIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に600以上、600以上、100以上の数値を示す金属光沢を有する画像は、鮮鋭性を有する。そして、当該画像は、形成した画像に映りこんだ物体が明確に判別できるほどの光沢、いわゆる「鏡面光沢」を有する金属光沢を有している。
従って、本実施形態のインクジェット記録方法によれば、記録媒体上でのJIS Z8741にて規定された20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ同時に200、200、100以上の数値を示す金属光沢を有する画像を適宜組み合わせる。これにより、マット調の画像からグロス調の画像まで、所望の金属光沢を有する画像を形成することができる。
一方、20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値がそれぞれ200、200、100以上の数値を示さない場合、そのような画像は目視観察をしたときに金属光沢は感じられず、灰色として観察される。また、20度、60度、85度鏡面光沢度の測定値のいずれかの値が上記の数値以上の数値を示さない場合も本発明の効果を得ることはできない。
前記記録媒体上に吐出される水分量低減溶剤インク組成物の吐出量は、金属光沢を確保する観点、印刷プロセスの観点及びコストの観点から、0.1〜100mg/cmであることが好ましく、1.0〜50mg/cmであることがより好ましい。
前記記録媒体上で画像を形成する前記メタリック顔料の乾燥重量は、金属光沢、印刷プロセス及びコストの観点から、0.0001〜3.0mg/cmであることが好ましい。前記メタリック顔料の乾燥重量が低いほど、高光沢の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明記録媒体においてハーフミラー画を形成する場合に適している。
また、前記メタリック顔料の乾燥重量が高いほど、マット調の金属光沢面を形成することができる。そのため、例えば、透明な記録媒体において遮蔽層を形成する場合に適している。
水分量低減溶剤インク組成物を吐出する方法としては、以下に説明する方法が挙げられる。
第一の方法としては、静電吸引方式がある。この方式はノズルとノズルの前方に置いた加速電極の間に強電界を印加し、ノズルからインクを液滴状で連続的に噴射させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する方式である。あるいは、当該方式は、インク滴を偏向することなく印刷情報信号に対応して噴射させる方式である。
第二の方法としては、小型ポンプでインク液に圧力を加え、ノズルを水晶振動子等で機
械的に振動させることにより、強制的にインク滴を噴射させる方式である。噴射したインク滴は噴射と同時に帯電させ、インク滴が偏向電極間を飛翔する間に印刷情報信号を偏向電極に与えて記録する。
第三の方法は圧電素子(ピエゾ素子)を用いる方式であり、インク液に圧電素子で圧力と印刷情報信号を同時に加え、インク滴を噴射・記録させる方式である。
第四の方式は熱エネルギーの作用によりインク液を急激に体積膨張させる方式であり、インク液を印刷情報信号に従って微小電極で加熱起泡させ、インク滴を噴射・記録させる方式である。
以上のいずれの方式も本実施形態のインクジェット記録方法に使用することができるが、高速印刷対応の観点からは、水分量低減溶剤インク組成物を吐出する方式が、非加熱方式であることが好ましい。即ち、上記第一の方法、第二の方法又は第三の方法を採用することが好ましい。
記録媒体としては、特に制限はなく、普通紙、インクジェット専用紙(マット紙、光沢紙)、ガラス、塩ビ等のプラスチックフィルム、基材にプラスチックや受容層をコーティングしたフィルム、金属、プリント配線基板等の種々の記録媒体を用いることができる。
前記記録媒体がインク受容層を有している場合は、熱ダメージを与えないという観点から、前記記録媒体を非加熱で印刷することが好ましい。
一方、前記記録媒体がインク受容層を有していない場合は、乾燥速度を高め、高光沢が得られるという観点から、前記記録媒体を加熱して印刷することが好ましい。
加熱は、記録媒体に熱源を接触させて加熱する方法、赤外線やマイクロウェーブ(2,450MHz程度に極大波長を持つ電磁波)などを照射し、又は熱風を吹き付けるなど記録媒体に接触させずに加熱する方法などが挙げられる。
前記加熱は、印刷する前、印刷と同時、及び印刷した後のうち少なくともいずれかのタイミングで行うことが好ましい。換言すれば、前記記録媒体の加熱は、印刷の前に行っても、同時に行っても、後に行ってもよく、印刷を行っている間を通して加熱してもよい。加熱温度は記録媒体の種類によるが、30〜80℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。
本実施形態のインクジェット記録方法によると、上述の水分量低減溶剤インク組成物を用いるので、当該水分量低減溶剤インク組成物は、上記のような好ましくない化学反応を抑制し、かつ高温環境下でも光沢の低下やガス発生を抑制することができる。
[記録物]
本発明の一実施形態に係る記録物は、上記インクジェット記録方法により記録が行われた、インク組成物の吐出対象となる媒体である。この記録物は、先述のインクセットを用いて上記インクジェット記録方法により得られたものであるため、印字安定性に優れたものとなる。また、20度、60度、85度鏡面光沢度がそれぞれ200、200、100以上の数値を示す、高い金属鏡面光沢を有する記録物を得ることができる。また、インクセットに備えている水分量低減溶剤インク組成物のメタリック顔料濃度が各水分量低減溶剤インク組成物によって異なるため、鏡面光沢からマット調まで、任意の金属光沢を同時に形成することができる。
(1.メタリック顔料分散液の調製)
膜厚100μmのPETフィルム上に、セルロースアセテートブチレート(ブチル化率35〜39%、関東化学社製)3質量%及びジエチレングリコールジエチルエーテル(日本乳化剤社製)97質量%からなる樹脂層塗工液をバーコート法により均一に塗布した。そして、60℃で10分間乾燥することにより、PETフィルム上に樹脂層薄膜を形成した。
次に、真空蒸着装置(真空デバイス社製VE−1010型真空蒸着装置)を用いて、上記の樹脂層上に平均膜厚20nmのアルミニウム蒸着層を形成した。
次に、上記方法にて形成した積層体を、ジエチレングリコールジエチルエーテル中、VS−150超音波分散機(アズワン社製)を用いて剥離・微細化・分散処理を同時に行い、積算の超音波分散処理時間が8時間であるメタリック顔料分散液を作成した。
得られたメタリック顔料分散液を、開き目5μmのSUSメッシュフィルターにてろ過処理を行い、粗大粒子を除去した。次いで、ろ液を丸底フラスコに入れ、ロータリーエバポレターを用いてジエチレングリコールジエチルエーテルを留去した。これにより、メタリック顔料分散液を濃縮し、その後、そのメタリック顔料分散液の濃度調整を行い、5質量%濃度のメタリック顔料分散液を得た。
(2.メタリック顔料インク組成物の調製)
上記方法にて調製したメタリック顔料分散液を用いて、表1に示す組成にてメタリック顔料インク組成物を調製した。溶媒及び添加剤を混合・溶解し、インク溶媒とした。その後、メタリック顔料分散液をそのインク溶媒中へ添加して、更に常温・常圧下、30分間マグネティックスターラーにて混合・撹拌して、メタリック顔料インク組成物とした。
ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEGdEE)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDM)は日本乳化剤社製のものを用いた。また、γ−ブチロラクトンは関東化学社製のものを用いた。テトラエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGMB)は、日本乳化剤社製のものを用いた。また、セルロースアセテートブチレート(CAB)は関東化学社製(ブチル化率35〜39%製のものを用い、BYK−UV3500(界面活性剤)はビックケミー・ジャパン社製のものを用いた。なお、単位は質量%である。
Figure 2011089065
(3.バブリング処理)
上記メタリック顔料分散液又はインク組成物を、アズワン株式会社製 トラップ三つ口フラスコ(容量500mL)にそれぞれ300mL入れた。そして、99.5質量%以上且つ水蒸気含有量0.2mg/L以下の乾燥窒素を500mL/minの流量になるようにレギュレーターで調整した。その後、ガスバリア性に優れる透明チューブ経由でアズワン株式会社製 ケラミフィルターB型 φ10×180に接続したものを前記トラップ三つ口フラスコ内に設置した。このようにして、表2に示すように、メタリック顔料分散液又はインク組成物を、不活性ガスである乾燥窒素を用いて、所定時間バブリングした(実施例1〜3)。
また、比較例として、表2に示すように、バブリング無しの場合(比較例1)、乾燥窒素の代わりに25℃−50%相対湿度(RH)の空気を使用し、コンプレッサー経由で500mL/minの流量にてバブリングした場合(比較例2)の評価も実施した。
Figure 2011089065
(4.耐熱性評価試験)
上記のバブリング後、24時間以上静置して気泡を取り除いた水分量低減溶剤インク組成物を、ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着膜及びポリエチレンフィルムの三層からなる多層フィルムで作製された三方シール袋にインク組成物30gを入れた。そして、前記三方シール袋を、気泡を含まないようにヒートシールして密閉し、インク保存容器(シールパック)とした。
この多層フィルムの水蒸気透過率は、株式会社日立ハイテクノロジーズ製 PERMATRAN/W にて測定したところ、0.01g/m・日であった。
この保存容器を40℃、50℃、60℃の環境下で1週間放置した後、ガス発生による気泡が発生しているかどうかを確認した。確認方法は、テルモ株式会社製 50mLシリンジ SS−50LZを用いてインク保存袋中の内容物を吸出し、気泡の有無を目視にて確認することで行った。目視にて気泡が発生していない場合を良好「A」と、発生した気泡の体積が1ccより少ない場合を良「B」とし、発生した気泡の体積が1cc以上である場合を不可「C」とした。
Figure 2011089065
また、上記の実施例1〜3及び比較例1〜3と同じ条件でメタリック顔料分散液についても評価を実施した。その結果を、それぞれ実施例4〜6及び比較例4〜6に示す。
Figure 2011089065
このように、乾燥窒素を用いてバブリングすることにより、メタリック顔料分散液、インク組成物の耐熱性、即ち高温環境下でもガス発生などを抑制できる性能が顕著に向上することが明らかとなった。
(5.光沢度評価試験)
下記表5に示した各実施例及び各比較例と同様の条件で、ポリエステルフィルム、アルミニウム蒸着膜、ポリエチレンフィルムの三層からなる多層フィルムで作製された三方シール袋にインク組成物100gを入れた。そして、気泡を含まないようにヒートシールをして密閉し、インク保存容器(シールパック)を40℃−5日間、65℃−5日間の耐熱性試験を行った(参考例、実施例7〜12、比較例7〜12)。その後、それぞれのインク組成物をインクジェットプリンタEM−930C(セイコーエプソン社製)を用いて、インク組成物をブラック列に充填した。そして、A4サイズのセイコーエプソン社製写真用紙<光沢>(品番:KA4100PSKR)上で、常温環境の下、高精細モードを用いてベタ印刷を行った。光沢度測定はコニカミノルタ社製 光沢計GM−286を用いて行った。なお、参考例は対照実験区に相当する。結果を以下の表5に示す。
Figure 2011089065
含有水分量を低減させた実施例7〜12は耐熱性試験後であっても、対照実験である参考例と同様の高い光沢度を示すのに対し、含有水分量を全く又は殆ど低減させていない比較例7〜12は、光沢値が顕著に低下したことが判った。
以上の結果から、インク組成物及びその構成成分であるメタリック顔料分散液を、所定の不活性ガスを用いて所定時間バブリングすることにより、それらに含まれる水分を顕著に低減できることが明らかとなった。また、そのようにして水分量を低下させた水分量低減溶剤インク組成物は、40℃以上の高温安定性、即ち高温環境下でのガス発生の抑制性能に優れることが判った。さらに、それらの水分量低減溶剤インク組成物を用いて印刷した印刷物は良好な光沢度を示すことも明らかとなった。
3…記録ヘッド,15…基台,15a…区画,16…ヘッドケース,17…流路ユニット,18…メッシュフィルター,19…インク導入針,20…回路基板,21…シート部材,22…振動子ユニット,23…弾性板,24…流路形成基板,25…ノズルプレート,26…ノズル開口,27…ヘッドカバー,37…インク連通口,41…インク導入路,42…インク導入孔。

Claims (5)

  1. 金属顔料及び分散媒を含む顔料分散液、又は前記顔料分散液及び有機溶剤を含むインク組成物を、水蒸気含有量が2.0mg/L以下の不活性ガスを用いて4時間以上バブリング処理することにより、前記顔料分散液又は前記インク組成物に含まれる水分量を低下させることを含む、水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
  2. 前記金属顔料が平板状粒子であり、前記平板状粒子の主平面における長径をa、及び短径をb、並びに前記平板状粒子の厚みをdとした場合、前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであってR50/d>5の条件を満たし、かつ
    前記平板状粒子の主平面の面積より求めた円相当径の最大粒子径Rmaxが10μm以下である、請求項1に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
  3. 前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な1種以上の分散媒及び/又は有機溶剤を含む、請求項1又は2に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
  4. 前記分散媒及び/又は前記有機溶剤が、水と均一に混合可能な分散媒及び/又は有機溶剤からなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
  5. 前記分散媒及び/又は前記有機溶剤は、アルキレングリコールジエーテル、アルキレングリコールモノエーテル及びラクトンからなる群より選択される2種以上の混合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の水分量低減溶剤インク組成物の製造方法。
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